Windows Messenger 「インターネットテレビ電話」入門

USB 接続 パソコン用コミュニケーションカメラ
で楽しむ
Windows Messenger
「インターネットテレビ電話」入門
株式会社ノバック
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も く じ
本書について………………………………………………………………3
第1章 Windows Messenger とは…………………………………….….5
1.1 Windows Messenger とはどんなソフトか……………………………5
1.2 Windows Messenger の使用に必要な環境………………………….6
第2章 Windows Messenger での i-mage の設定………………………7
2.1 .NET Passportの取得方法…………………………………….……..7
2.2 Windows Messenger の起動方法…………………………………15
2.3 i-mage とマイクの設定……………………………………………….16
第3章 Windows Messenger を使ってみよう…………………..………21
3.1 メンバの登録と追加……………………………….………..……….21
3.2 メンバとビデオ・音声でチャットする……………………….….…….26
3.3 Windows Messengerのその他の機能…………………………...…31
付録Windows Messenger の利用できない環境と、その対策……….....38
1. Windows Messenger の利用できる環境………………………….….39
2. Windows Messenger/NetMeeting の利用できない環境…………...39
3. 家庭内LAN から Windows Messenger を使うには…………………41
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本書について
本書「i-mage で楽しむ Windows Messenger『インターネットテレビ電話』入門」は、弊
社のパソコン用コミュニケーションカメラ「i-mage」と、Microsoft Windows XP に標準装
備の「Windows Messenger」を使ってビデオチャット (映像通信) を楽しめるようにする
までの手順を中心に、それぞれの機能の簡単な使い方もご紹介しています。
Windows Messenger は、Windows 上でインターネット回線または構内の LAN 回線を用
い、1 対 1 またはそれ以上の人数で、文字メッセージの交換や通話(チャット)を行うための
ソフトウェアです。
どなたにも扱いやすい USB 接続のパソコン用カメラ「i-mage」とこれらのソフトウェアを
組み合わせることで、パソコンを「テレビ電話」のように扱うことが可能となります。
また、映像(ビデオ)や音声、文字による通話に加え、会議室の黒板のように文字や絵を貼り
付けて参加者全員で見られる「ホワイトボード」
、アプリケーションソフトの共有、遠隔地
の相手に Windows やアプリケーションの操作方法について教えを請うための「リモートア
シスタンス(Windows XP 上のみ)」といった機能もあり、遠隔地の相手とのコミュニケーシ
ョンを深めるのに有用なソフトです。
ADSL や CATV、FTTH (家庭用光ファイバー接続) など、ブロードバンド(高速大容量)イ
ンターネット接続の普及により、高画質でなめらかな映像を使った「テレビ電話」が現実
のものとなりつつあります。高性能と手軽さを兼ね備えた i-mage は、Windows Messenger
を使った「テレビ電話」を、いっそう実用的で楽しいものにしてくれることでしょう。
3
本書がi-mage とWindows Messenger を有効に活用されたい皆様の一助となれば幸いです。
2002 年 2 月
おことわり
※ 本書の著作権は、株式会社ノバックが保有しております。内容の全部または一部の無断
転載・引用を禁じます。
※ 株式会社ノバックでは、Windows Messenger そのものの使用方法に関するお問い合わ
せは、受け付けておりません。あらかじめご了承ください。
※ 株式会社ノバックでは、Windows Messenger そのものの運用の結果発生したトラブル
について、一切の責を負いません。
※ 株式会社ノバックでは、Windows Messenger の LAN 上での利用に関するソリューシ
ョン提供やネットワーク構築のコンサルティング業務は行っておりません。
※ 本書の内容について、Windows Messenger の開発元である Microsoft 社やインターネ
ットプロバイダ各社をはじめとする、関係各位へのお問い合わせはご遠慮ください。
i-mage (アイマージュ) は株式会社ノバックの商標です。
Microsoft および Windows、MSN は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の
国における登録商標または商標です。
Copyright c 2000-2001 NOVAC Co., Ltd., All right reserved.
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第1章 Windows Messenger とは
1.1 Windows Messenger とはどんなソフト?
Windows Messenger は、Windows 上でインターネッ
ト回線を用い、1 対 1 またはそれ以上の人数で、文字メ
ッセージの交換や、映像・音声を含む手段による通話(チ
ャット)を行うためのソフトウェアです。
●
映像(ビデオ)や音声、文字による通話
●
会議室の黒板のように文字や絵を貼り付けて参加者全員で見られるホワイトボード
●
アプリケーションソフトの共有
●
Windows XP で新たに追加されたリモートアシスタンス(遠隔地の特定の相手に、操
作上の助言を求めること)機能との連携
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1.2 Windows Messenger の使用に必要な環境
ビデオおよび音声を使ったチャットに必要なのは、次のようなパソコンと周辺機器などです。
●
PC カメラ i-mage (相手側にも何らかの PC カメラ)
●
Windows XP (Home Edition または Professional)がインストール済みで、かつ Windows
XP および i-mage の動作条件を満たすパソコン本体
●
マイク入力を持った全二重(録音と再生が同時に可能という意味)サウンドカード、または
パソコンに内蔵のサウンド機能
※ 弊社のサウンドカード ReMiX シリーズは、すべて全二重対応です。
●
マイクロホン、スピーカー (またはヘッドホン)
●
できるだけ高速なインターネット接続 (LAN またはブロードバンド・インターネット接続
を推奨)
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第 2 章 Windows Messenger での I‑mage の設定
1.2 NET Passport の取得方法
①「スタート」
をクリック
②「すべてのプ
ログラム」に
合わせる。
③「Windows Messenger」
をクリック
7
①NET Passport ウィザードが起動します。
①「次へ」をクリッ
ク
②「電子メールアドレスを持っていますか?」の問い合わせ画面
※新たに.NET Passport 専用にメールアドレス(名前@msn.com)を取得する手順のご紹介。
①「いいえ」をクリックし
て選択
②「次へ」をクリッ
ク
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③姓名を入力します。
①姓を入力
②名を入力
③「次へ」をクリック
④居住地情報の入力
①適切な国を選択
②都道府県を選択
④「次へ」をクリック
③東京-東京-JST を選択
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⑤NET Passport および Hotmail の使用条件を確認します。
①「同意」をクリック
して選択
②「次へ」をクリッ
ク
⑥生年月日・職業を入力します。
②誕生日を選択
①生年を入力
③性別を選択
「次へ」をクリック
④職業を選択
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⑦電子メールアドレスに使用する名前を入力します。
①希望の
メールアドレスを入力
②チェックをはず
す
③「次へ」をクリッ
ク
※その名前がすでに使われている場合は、後(12.)でその旨のメッセージが表示されますの
で、別の名前を入力してください
⑧パスワードを設定します。
①同じパスワードを入力
②「次へ」をクリック
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⑨「秘密の質問」を選択します。
①秘密の質問を選
択
②秘密の質問の答
えを入力
③「次へ」をクリッ
ク
⑩対応サイトに個人情報を通知するかどうかの設定
ここで電子メールアドレス、姓名、その
ほかの登録情報(居住地、生年月日など)
を.NET Passport による個人認証対応
サイトに自動通知するかどうかを選択
します。選択するかどうかの判断は、ご
自分で熟慮の上、行ってください。
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⑪「Hotmail メンバーディレクトリ」に名前を掲載するかどうかの選択。
「Hotmail メンバーディレク
トリ」に名前を掲載するかど
うかを選択します。Hotmail
メンバーディレクトリとは、
Hotmail に加入しているユー
ザーが別のユーザーを検索で
きる、いわば「50 音別電話帳
(ハローページ)」のようなもの
です。選択するかどうかの判断は、ご自分で熟慮の上、行ってください。
⑫希望のメールアドレスが取れなかった場合。
⑦で入力された名前がMSN.comですでに
使用されている場合は、下のようなメッセ
ージが表示されます。自動的に選択された
いずれかの名前を選択すれば、ここで
MSN.com のメールアドレス作成に必要な
設定は完了です。別の名前を入力してもう
一度登録を試みることも可能です。
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⑬セットアップの完了です。
新たに作成された MSN.com のメールアドレスが表示され、.NET Passport の作成が完
了したことを告げるメッセージが表示されます。[完了]をクリックしてください。[キャ
ンセル]をクリックすると、作成は取り消されます。
①「完了」をクリッ
ク
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2. 2 Windows Messenger の起動方法
①NET Passport を取得した直後に、
Windows Messenger はタスクバー右端
に常駐。このアイコンをダブルクリック
で、Windows Messenger を起動。
②「スタート」メニュー「すべ
てのプログラム」から「Windows
Messenger」を選択することでも
起動できます。
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2. 3 i-mage とマイクの設定
①Windows Messenger で i-mage を使いはじめる前に、まず
Windows Messenger の「オーディオとビデオのチューニングウ
ィザード」を実行し、設定を行ってください。
②まず、お手持ちの i-mage をお使いのパソコンの USB 端子に
接続し、動作可能な状態にしておいてください。以下、マイクロ
ホンの設定手順も続けて実行されますので、お使いのパソコンの
③Windows Messenger を起動します。
④[ツール] – [オーディオ チューニング ウィザード]を選択しま
す。
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④「オーディオとビデオのチューニング ウィザード」の起動
①「次へ」をクリック
⑤I-mage が認識されます。
①Dual Mode PC Camera
Plus ま た は LifeView
i-mage(ドライバのインスト
ール方法によっていずれか
が表示されます) を選択し
ます。
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⑥カメラの調節画面
①映り具合や、ピン
トなどを確認し、
「次へ」をクリック
⑦マイクの設定
①マイクの設定をし、
「次へ」をクリック
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⑧オーディオ (サウンド) 機能とスピーカー(またはヘッドホン)を設定、選択。
①適切なものを選択
②ヘッドホンを使う場
合はチェックする。
③「次へ」をクリック
⑨オーディオの警告
①オーディオ機能(ボリュームコントロール)でマイクの
設定が無効になっている場合は、
「はい」をクリック。
⑩スピーカーの音量を確認
①「スピーカーのテ
③「次へ」を
スト」をクリック
クリック
②スピーカー音量
の調節をする。
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⑪マイクの音量を確認する画面
マイクもスピーカーと同様に、
感度が高すぎると(ボリューム
つまみが下の画面で右に振れ
過ぎていると)エコーの原因に
なります。逆に感度が低い場
合は、パソコンに組み込まれ
ているサウンド機能によって
は「マイク感度を上げる」
「マ
イク 20dB 増感」などのオプション(マイク増感機能)が、ボリュームコントロール(ミキサー)
から指定できるようになっている場合がありますので、そのオプションが有効になるよう
に設定してください。
⑫セットアップの完了です
①「完了」を
クリック
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第 2 章 Windows Messenger を使ってみよう
3.1 メンバの登録と追加
①Windows Messenger を起動します。
②「メンバの追加」クリック
③「電子メールアドレスま
たはサイン名」が選ばれて
いることを確認。
④「次へ」を
クリック
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③メンバの電子メールアドレスを入力
①追加する相手のメー
ルアドレスを入力
※相手が、NET Passport に登録
しているメールアドレスを入力
する。
②「次へ」を
クリック
④メンバの追加ウィザードを閉じる
①「完了」をクリック
メンバが追加されると、下のように
Windows Messenger のウィンドウ
に表示されます。
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⑥自分がメンバに追加された時
次のようなメッセージが表示されます。相手がこの初期状態で[OK]をクリックして応答すると、自
分の Windows Messenger に相手がオンライン(Windows Messenger を起動している状態)かどうか
が表示されることになります。相手が「オンライン状態を公開せず、連絡も禁止する」で応答した
場合は、相手が設定を変更するまで、オンラインかどうかは確認できなくなります。
1)メンバの追加
①「メンバ」の検索を選択
2)検索画面
検索を開始するには、最低限、姓名の入力が必要と
なります。
②「次へ」をクリック
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3)該当件数が多いと、次のようなメッセージが表示されます。
「戻る」ボタンで 戻り、国や地域を特定して検索
を行ってください。
4)国(地域)のほか、対象国(地域)が米国である場合は、
市町村や州の指定も可能です
5)メンバとして追加したい人を選択します。
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6)メンバの追加
①「完了」をクリック
※相手が.NET Passport の設定で電子メールアド
レスの公開を選択していない場合は、メンバに追加
できない旨のメッセージが表示されることがあり
ます。
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3.2 メンバとビデオ・音声でチャットする
①i-mage をパソコンの USB 端子に、
②Windows Messenger を起動し、相
マイクをマイク端子にそれぞれ装着
手がオンラインになっているかどう
し、動作可能な状態にします。
かを確認します。
③相手がオンラインに
④相手にメッセージを送信
①相手がオンラインであ
ることを確認する。
②相手の名前をダブルクリッ
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⑤「会話」ウィンドウが開きます
②「送信」をクリック
⑥メッセージを入力
①メッセージを入力
27
⑦カメラの開始
①「カメラの開始」を
クリック
ビデオおよび音声チャット待機中で
あることを表す画像が表示されます。
相手が承諾しないとビデオチャット
は開始できませんので、承諾するま
でお待ちください
28
⑧承諾画面
①相手から呼び出された場合は、承諾をクリック。
※別にメンバがいる場合は、そのメンバをこの会話
に誘うこともできます
⑨ビデオチャットの開始
相手がビデオチャット開始を承諾すると、いよいよ
ビデオを使った会話が開始されます。相手側の機器
にも i-mage やほかのカメラなどが接続されていれば、画面右上の画像が相手側の機器から
のカメラ画像に切り替わり、右下に小さく自分のカメラ画像が映ります。[オプション]で「ビ
デオをピクチャ イン ピクチャで表示」を解除すると、相手の画像だけが表示されるよう
になります。相手がカメラを使っていない場合は、カメラ画面の右下に小さく、自分のカ
メラの画面が表示され
ます(相手側には自分の
カメラ画像が見えてい
ます)。音声のやりとり
も同時に行われます。
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⑩ビデオチャットを終了するには、
「カメラの中止」または「音声の中止」右端の
ボタ
ンをクリック。
【ご注意】2002年2月現在、ビデオ通信機能に対応するWindows Messenger
は Windows XP 用だけです。よって、相手が MSN Messenger (Windows XP
以外) を使っている場合は、
「カメラの開始」を選択しても自動的に相手側で拒
否されます。
MSN Messenger を使っている相手と音声による会話を行うには、
「音声チャットの開始」を実行してください。
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3.3 Windows Messenger のその他の機能
会話画面
3.2 で「ビデオの開始」や「音声チャットの開始」を開かない場合は、文字による会話(チャット)
だけが可能となります。
①メッセージを入力
②送信をクリック
アプリケーションの共有画面
自分のパソコン上で稼働するプログラムを共有するには、[実行したい操作]の下の[プログラムの共
有]ボタンをクリックして、右のダイアログが表示された状態で共有したいプログラムを選び、[共有
する]ボタンをクリックします。
「デスクトップ」を選択すると、デスクトップ上のすべてのプログラ
ムやアイコンが表示されます。通常は相手のパソコンでは、自分のパソコンの表示色数設定にかか
わらず 256 色で表示されますが、
「実際の色で共有する」を選択すると、自分のパソコンの表示色数
が相手側にも反映されます。相手がプログラムを操作できるようにするには、[制御の許可]ボタンを
クリックしてください。もう一度同じ位置のボタン(表示は[制御の拒否])をクリックすると、相手か
ら操作できない状態になります。
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①「共有する」をクリック
共有セッションの画面
①「共有の追加」をクリック
すると新たな共有アプリケ
ーションを設定できる。
②「ホワイトボード」をクリ
ックすると後述するホワイ
トボードが開く。
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ホワイトボード画面
Windows の標準アプリケーションのひとつ「ペイント」に似た画面構成で、通話の参加者の間で
画像データを共有することができます。
クリップボードを経由してほかのソ
フトからデータを貼り付け、そこに
参加者が線を引いたり、文字を入力
したりすることができます。誰かが
変更を加えると、その結果はすべて
の参加者のパソコン上にあるホワイ
トボードに反映されます。
ファイル転送画面
[ファイルまたは写真の送信]をクリックすると
開き、会話中の相手に、自分のパソコン上にある
ファイルを送信することができます。送信したい
ファイルを選択して、[開く]をクリックしてくだ
さい。相手側のパソコンには、ファイルの転送状
態を示すダイアログボックスが開かれます。
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リモートアシスタンス
会話画面の[実行したい操作]の下にある[リモート アシスタンスを
要求]で呼び出し、Windows XP から新たに追加されたリモートア
シスタンス機能を実行します。リモートアシスタンスを要求した側
には右のような画面が表示され、要求された相手側には下のように、
要求した側のデスクトップがイメージ表示されます。
※リモートアシスタンスとは、Windows XP やアプリケーションなどの操作方法がわから
ない人が、自分のデスクトップ(Windows の画面全体)を相手のパソコン上に表示し、相手
からチャットを使ってアドバイスなどを受けることを目的とした機能です。
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オプション画面
メイン画面の[ツール]-[オプション]で呼び出せ
ます。
①「個人設定」タブでは、会
話中に表示される名前やメ
ッセージ表示用の基本フォ
ントを選択できます。
②「話」タブでは、会話の相
手に公開する電話番号を入
力できます。もちろん、公開
したくない場合は省略でき
ます。
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「設定」タブは、Windows Messenger を
Windows の起動時に自動的に起動するか
どうかをはじめ、サインイン(オンライン
状態になること)した後にパソコンを操作
しない間に[退席中]と表示されるまでの時
間(初期設定値は 10 分)、メンバが何らか
の操作を行った場合の通知表示などを設
定できます。
「プライバシー」タブでは、オンライン状態を知
らせるユーザーを選択することができます。
初期設定では「許可するメンバ」として「ほかの
ユーザー(自分以外のすべてのユーザー)」が設定
されており、自分を登録したすべてのユーザーに
対してオンラインであることが表示されます。
「ほかのユーザー」を選択して[禁止]ボタンを選
択すると、特定のユーザー以外にはオンライン状
態が公開されなくなります。
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電話画面
Windows Messenger を使い、インターネッ
ト経由でパソコンから一般の電話(固定電話、
携帯電話)を相手に音声通話できる機能で、[電
話をかける]をクリックすると、電話番号を入
力するためのウィンドウが表示されます。
※この機能については、各国・地域ごとに Microsoft 社と提携したインターネット電話事業
者がサービスを提供することになっており、基本的に事業者への登録(サービスへの加入)
手続きと、各事業者の定める通話料金が必要な有料サービスです。手続き方法や料金など
は、サービスを提供する事業者にお問い合わせください。
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付 録
Windows Messenger/NetMeeting の
利用できない環境と、その対策
38
1. Windows Messenger の利用できる環境
Windows Messenger のビデオおよび音声による通信機能をインターネット上で利用するには、お使
いのパソコンと接続相手のパソコンに割り当てられる「IP アドレス」が、お互いに見えている(認
識可能になっている)必要があります。
IP アドレスとは、インターネットに接続されているパソコンどうしがそれぞれ互いを認識するため
に使われる番号で、一般的には家庭のパソコンから ISP(インターネットプロバイダ)にダイアルアッ
プ接続[ADSL などの PPPoE 接続を含む]した際に割り当てられます。なお、ダイアルアップ接続で
は、一般には接続するごとにその都度異なる IP アドレスが割り当てられます。
この「お互いに見える」IP アドレスを、
「グローバル IP アドレス」と呼び、自分・相手と
もに ADSL や CATV、アナログのモデム、ISDN の TA などを直接パソコンにつないでイ
ンターネットに接続していれば、Windows Messenger のすべての機能が互いに利用できる
状態になっています。
2. Windows Messenger の利用できない環境
しかし、Windows Messenger でインターネットテレビ電話の機能を使っていて、こちらの顔や声は
相手に見えている(聞こえている)のに、相手の顔は見えて(聞こえて)こない、あるいはその逆や、ど
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ちらにもまったくお互いの顔や声が見えない(聞こえない)といった現象に出くわすことも少なくな
いかと思います。このような場合、自分または相手、あるいは両方が「IP ルータ(ブロードバンド
ルータ)」を使っているか、または職場から接続しているか、のどれかが思い当たるはずです。
IP ルータは、一家で何台ものパソコンが使われるようになった今日、家庭でのインターネット接続
を共有するのに欠かせない存在となりましたが、ほとんどの IP ルータは、そこに接続されているパ
ソコンに、外のパソコンからは見えない IP アドレス(プライベート IP アドレス)を割り当てます。
NAT(ネットワークアドレス変換※)という機能のためです。
また、事業所などでインターネットへの外部からの不正な侵入に対処する目的も使われる「ファイ
アウォール」も、IP ルータと同様に NAT を行います。
※NAT: グローバル IP アドレスをプライベート IP アドレス(ローカル IP アドレスとも呼
ばれ、インターネット上で認識できない IP アドレス)に変換する機能。1 つのインターネッ
ト接続を複数台のコンピュータで共有するのに用いられ、IP ルータの核心的な機能といえ
ます。
現状、ほとんどの IP ルータでは、この NAT 機能のため、相手が NAT を使っているかどうかにか
かわらず、相手との映像や音声のやりとりができません(接続が確立できません)。よって、Windows
Messenger を現状のほとんどの IP ルータ経由でお使いの場合、外の相手のパソコンとのビデオや音
声のやりとりはできません(ただし、同じ IP ルータに接続されているパソコンどうしでは可能です)。
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※一部の CATV を使ったインターネット接続サービスでは、ISP 側からグローバル IP
アドレスではなく、プライベート IP アドレスを割り当てます。この場合、Windows
Messenger を使ったビデオおよび音声による会話は、たとえインターネット接続され
ているパソコンが 1 台しかなくても、(同じサーバーに接続された加入者どうしでない
限り)できません。
なお、Windows Messenger でのメンバのサインイン確認と文字による会話は、IP ルータ
を使っているかどうかに関係なく、基本的にインターネットに接続さえされていれば(事業
所の LAN などで例外的な設定を行っていない限り)可能です。
3. 家庭内 LAN から Windows Messenger を使うには
現状、家庭でインターネット接続を共有している状態(家庭内 LAN)から Windows Messenger を使
用して、外部の相手と映像や音声のやりとりができるようにするには、次のような方法があります。
1)
「UPnP」対応の IP ルータを使う
「UPnP (Universal Plug and Play) 」とは、平たく言えば、IP ルータなどを使っている家庭内 LAN
でも、相手のパソコンとの通信に必要な設定のやりとり(接続の確立)ができるようにするための規格
です。
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従来の IP ルータに代えて UPnP 対応の IP ルータを使うことで、相手が UPnP 未対応の IP ルータ
など NAT を行う機器を使っていないか、または相手も UPnP 対応の IP ルータなどを使ってい
る限り、Windows Messenger での映像や音声のやりとりに障害がなくなります。日本では 2002 年
2 月に最初の UPnP 対応 IP ルータが発売されており、今後 IP ルータの各メーカーから UPnP 対応
の新製品が続々登場するはずです。
2) indows XP の「インターネット接続の共有」機能を使って家庭内 LAN を組む
Windows XP の「インターネット接続の共有」機能は UPnP に対応していますので、Windows XP
をインストールしたパソコンからインターネットに接続し、かつ「インターネット接続の共有」が
設定されている状態であれば、そのパソコンに LAN 接続されているほかのパソコンからも、
Windows Messenger の全機能を使っての外部のパソコン (ただし、相手が UPnP 非対応の IP ルー
タなどを使っていないこと) との通信が可能となります。
つまりこれは、Windows XP の入っているパソコンのどれかを IP ルータ代わりにする方法です。
※Windows 98SE や Me、2000 にも「インターネット接続の共有」機能が提供されて
いますが、UPnP には対応していません。
「インターネット接続の共有」機能を使って LAN 全体からインターネット接続を共有できるように
構成するには、Windows XP の「ネットワーク セットアップ ウィザード」をご利用ください。同
ウィザードを起動するには、[スタート]メニューから[コントロール パネル]を開き、[ネットワーク
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とインターネット接続]をクリック、続いて「ホームネットワークまたは小規模オフィスのネットワ
ークをセットアップまたは変更する」をクリックしてください。
ただし、この場合、IP ルータなどはお使いになれません。
「インターネット接続の共有」が
設定されたパソコンが、IP ルータの役割を果たすことになります。
弊社では LAN 上での Windows Messenger のソリューション提供、個
別の IP ルータやその他のゲートウェイ機器、ファイアウォールなどに
関するご相談やコンサルティングには応じかねます。あらかじめご了承
ください。
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制作・著作: 株式会社ノバック
〒113-0033 東京都文京区本郷 3-38-1 本郷イシワタビル 5F
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