Untitled - 大阪ボランティア協会

は
し が
き
感謝をもって「2008年度の歩み・2009年度事業計画」特集号をお届けいたします。
お蔭様で、この1年も総合的民間市民活動推進機関として活発に事業を進めることができ
ました。長年の温かいご支援、ご協力、本当にありがとうございました。
2008年度も、従来から取り組んできた各種事業の充実に努力するとともに、さらに
① 次代を見据えた「将来ビジョン」の取りまとめ
「地域にボラ協だけ」という時代もありましたが、市民活動が広がり多様な推進機関も生まれ、
協会を取り巻く状況は大きく変化してきました。そのような中、次なる事業ビジョンを検討する
「将来ビジョン検討委員会」を精力的に開催。次なる展開案を、ほぼ固めることができました。
② 人権擁護に関わる取り組みの充実
ボランティアコーディネーション事業などを通じて厳しい社会情勢のもとで苦しむ人々の声に
積極的に応える一方、「生きる意味の不況」という言葉さえ生まれている今、排除せず、時に依存
し、また人を支える体験から生きる意味が見出せる社会の創造に向けた取り組みも進めました。
③ 社会的責任向上に向けた活動の推進
他セクターとの協議の中で課題解決をはかる「安全安心で持続可能な未来に向けた社会的責任
に関する円卓会議」の開設準備に加わるとともに、
「社会的責任向上のためのNPO/NGOネッ
トワーク」の設立を働きかけ、市民がこの取り組みに発信できる機会作りも進めました。
④ 若者と勤労者・シニア層の社会参加促進事業の充実
高齢者向けに「市民ライター&映像制作連続講座」を開講する一方、夏に「お金に変えられな
い価値を見つける4日間 海と星のキャンプ」を実施し、若い世代の活動参画に努めました。
この他、日々のボランティアコーディネーション、33コースに上る多様な講座の開催、
市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』、会員誌『The ボラ協』の発行、さまざまな相談への
『NPO/NGOのための
対応、大阪NPO情報ネットの運営、映像による市民活動資料の制作、
CSR入門ハンドブック』などの新刊の発行、会員拡大パンフレットの作成とボランティアス
タッフの公募など、各事業に精力的に取り組みました。
近年、ボランティア活動、NPO活動への関心はかつてない高まりを見せています。また
CSR(企業の社会的責任)が注目を集め、自治体も市民活動との「協働」の意欲を高めて
います。経済不況や格差の深刻化など暗い話題も多い現在ではありますが、こうした市民の
取り組みをさらに活性化することで、多様性を認める自由さと、人の弱さも認め合い支え合
える真に豊かな社会づくりにつながると考えています。
そこで、社会の向かうべき方向をしっかりみつめ、具体的な提案と実践を進めていかねば
なりません。市民自らが中心となって運営する市民活動推進センターである当協会の役割は、
ますます大きなものとなっています。
以下に2008年度の事業報告と2009年度の事業計画をまとめました。
グラフなどを多用し、実績が客観的に評価できるよう努力しましたが、記録的意味も兼ね
備えようとしたため、文字が小さい上に字数が多く、読みづらい面もあるかと思います。
しかし、協会のこの1年の歩みをすべて掲載しました。どうかご一読いただき、ご意見、
ご批判をいただくとともに、今後とも協会の事業を支えていただきたくお願い申し上げます。
―
目
次 ―
A.協会の理念、沿革、事業、組織 --------------------------------------- 1ページ
1.協会の目指すもの ............................................................................................ 1ページ
2.協会の沿革と事業 ............................................................................................ 2ページ
1.社会参画支援、人づくり、開拓的事業推進、市民の視点…にこだわって44年
2.
「総合的市民活動サポートセンター」としての協会
[2008年度、ミッション実現のため、こんな事業に取り組みました!]
3.役員などの名簿 ............................................................................................... 5ページ
<2009年度の組織図>
B.2009年度事業計画 ----------------------------------------------- 8ページ
1.事業計画上のポイント .................................................................................... 8ページ
1.市民活動を取り巻く状況の変化
2.2009年度事業計画における重点事業
2.2009年度の事業計画と組織 ................................................................... 13ページ
<事業の推進計画>
【市民活動推進センター(仮称)部門】/【企業市民活動推進センター部門】
【情報提供・出版・市民シンクタンク事業】/【国内外のネットワーク推進事業】
<事業を支える組識と財政の強化>
1.人的な事業推進態勢の充実
2.財源の確保と財政運営
C.2008年度事業報告 --------------------------------------------- 27ページ
Ⅰ.特に重点的に取り組んだ事業 ...................................................................... 27ページ
1.創立50年を見据えた「将来ビジョン」のとりまとめ
の充実
3.社会的責任向上に向けた活動の推進
促進事業の充実
5.市民参画型組織運営の充実
2.人権擁護に関わる取り組み
4.若者と勤労者・シニア層の社会参加
6.自立的財政確立に向けた努力
Ⅱ.各事業ごとのトピックス................................................................................ 30ページ
1.ボランティアコーディネーション事業
研修事業
3.
「NPO推進センター」事業
5.
「企業市民活動推進センター」事業
体制の充実
2.ボランティア、NPO、活動推進者向け
4.市民活動団体の活動拠点提供事業
6.情報提供・出版・研究事業
7.人的な事業推進
8.事業推進財源の確保
Ⅲ.事業の部門横断的実績分析 .......................................................................... 36ページ
1.相談・コンサルテーション・コーディネーション
2.活動支援
1.ボランティアコーディネーション事業 ........................................................ 43ページ
1.一般コーディネーション部門
2.障害者コーディネーション部門
3.ボランティアコーディネーションの水準向上
2.ボランティア、NPO、活動推進関係者向け研修事業 .............................. 51ページ
1.研修事業の全体像
2.講座・研修会の開催
3.他団体主催講座への講師派遣
3.NPO推進センター ..................................................................................... 57ページ
1.NPOインキュベーション&マネジメントの相談・研修
援事業
3.NPOの情報提供事業
2.支援者とNPOの連携支
4.自治体のNPO関連施策・協働推進支援事業
5.NPO推進機関への支援とネットワーク推進事業
7.NPOの税・法制度改革に対す
る取り組み
4-①.大阪NPOプラザ(ONP)運営事業 ................................................. 67ページ
1.大阪NPOプラザを構成する入居、ブース利用団体
2.大阪NPOプラザで実施され
た様々な動き
4.大阪NPOプラザの経営状況
3.大阪NPOプラザの全体的利用状況
4-②.北区事務所での活動の支援 ................................................................... 71ページ
1.会場利用登録団体への支援
3.
「同心同志会」の取り組み
2.会場利用登録団体の状況
5.企業市民活動推進センター .......................................................................... 73ページ
1.パートナーシップ形成の“要”として
3.教育・研修・研究事業
2.コンサルテーション事業
4.社会的責任向上に関するNPO/NGOからの発信
6.情報提供・研究・出版事業 .......................................................................... 77ページ
1.市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』の発行
3.書籍の発行と発行経費の回収
2.他の情報提供事業
4.市民シンクタンク事業
5.学会発表と
研究会・審議会などへの参画
7.国内外のネットワーク推進事業 ................................................................... 81ページ
1.国内でのネットワーク活動
2.海外とのネットワーク推進
8.人的な事業推進体制の充実 .......................................................................... 83ページ
1.会員の拡大
2.組織活動
3.市民参加による事業推進
4.事務局体制の充実
9.財源の確保と構成 ......................................................................................... 89ページ
1.2008年度の財務状況 2.会費・寄附・補助金・助成金関係 3.自主事業収入・
受託事業収入 4.大阪NPOプラザの経営 5.大阪ボランティア協会活動振興基金
D.2008年度決算、2009年度予算 ------------------------------- 92ページ
1.一般会計 ....................................................................................................... 92ページ
2.公益事業 ....................................................................................................... 94ページ
3.貸借対照表 .................................................................................................... 95ページ
4.財産目録 ....................................................................................................... 96ページ
E.2008年度の援助者および会員 ----------------------------------- 97ページ
1.団体賛助会員および団体寄付者 ................................................................... 97ページ
2.個人寄付者 .................................................................................................... 97ページ
3.個人会員 ....................................................................................................... 98ページ
【付録】定款 ....................................................................................................... 101ページ
会員規定 ................................................................................................ 106ページ
協会事業の沿革・抄 ............................................................................. 107ページ
A.協会の理念、沿革、事業、組織
1.協会の目指すもの
「より公正で多様性を認め合う市民主体の社会をつくるため、多彩な市民活動を支援するとともに
他セクターとも協働して、市民セクターの拡充をめざす」。これは44年間の歩みを通じて、協会が一貫
して取り組んできたミッションです。このミッションを実現するため協会は、①市民自治の確立、②創造
的に社会を変えようとする人たちの支援と変革の実行、③市民の力が発揮されるための支援を3つの
目標を柱に、事業を展開してきました。
大阪ボランティア協会は、1965年、全国に先駆けて
発足した市民活動推進センターです。「ボランティア」と
いう言葉が国語辞典にも載っていなかった当時、一種
の“専門用語”を団体名に冠したのは、「ボランティア」と
いう言葉に、旧来の「奉仕」と異なり、自治的に社会を
創造する担い手の意味があることに着目したからです。
“志す”という意味のラテン語 volo(ウォロ)から生まれ
たのが volunteer という英語。つまりボランティアとは
心斎橋事務所前で。初期の登録グループ「一粒の麦の会」
「市民」としての主体的判断に基づいて社会課題と向き合う人という意味をもつ言葉です。協会は、この
自立した市民が育まれ、その自由で主体的な社会活動の推進を通して「市民社会」構築の拠点たらん
とするビジョンを持って創設されたのです。
実際、1981年にまとめた「協会・基本要綱」でも、協会の役割を以下のように述べています。
「福祉的課題の解決には、国および地方自治体の努力とともに住民一人ひとりが行政に対し、より高
い福祉の基盤の整備と充実を促すとともに、自らが主体的・自発的にその課題解決に参加することが
なければ真の解決にはなりません。ボランティア活動は、このように住民の側からの福祉的課題解決と
連帯社会づくりの活動であります」
「一方、この活動は、この活動を通して住民自らが人間の尊厳に目ざめ、参加と創造の喜びを得ると
ともに、より高い福祉や文化のあり方や問題を学び,あるいは伝えあって、自分たちの地域社会に人間
的連帯を育て、さらに民主主義と住民自治を創造していく役割もあります」
現在、ボランティアの活動領域は、「福祉」の領域を越え、環境保全、国際交流・協力、文化創造、人
権擁護など社会のあらゆる問題に広がっています。そこで、上記の文中にある「福祉的」という文言は
「社会的」と読み替えねばなりませんが、その核となる理念は「基本要綱」作成から30年近くになる今日
も当協会の理念として生きています。
そしてこの理念は、各種の事業推進を通じて“協会らしさ”を形作ってきました。
たとえばコミュニティの課題に直接関わる「ボランティアコーディネーション事業」では、地域ぐるみ的
なアプローチに優先して、まず依頼者一人ひとりの生き方を支えることに重点をおく“個別対応”を基本
としてきました。単に「社会的弱者」の支援というレベルにとどまらず、様々なハンディをもちながら生き
る人々の“個”を尊重し、“違い”を認め合う社会作りの一環として、相談調整活動に取り組んでいます。
-1-
また「研究・出版事業」でも、発行書籍のタイトルに「参加する福祉」「管理社会への挑戦」「自由と共
感の活動」といったフレーズを盛り込み、ボランティア活動を通じて市民が主体となった社会づくりを提
唱。政府が進める市民活動振興政策に対しても、民間の立場から鋭い検証を重ねるなど、市民サイド
の活動拠点としての立場を堅持してきました。
このため協会運営においても、市民、企業、財団など民間の力で財政基盤を確立できるよう努力を
続けており、独立した立場で行政などとのパートナーシップを築いてきたのです。
2.協会の沿革と事業
(1)社会参画支援、人づくり、開拓的事業推進、市民の視点…にこだわって44年
協会の歩みは、1963年に大阪市社会福祉協議会で始まったボランティアグループの「月例会」に
始まります。この月例会の中で「ボランティア協会」創設の気運が高まり、64年、(財)日本生命済生会が
「ボランティアグループ対象特別講習会」を開催したのを機に月例会の事務局を日生済生会に移し、こ
こで協会設立の準備が進展。1965年、任意団体として発足しました。この協会発足にあたり、単なる
ボランティア相談援助機関にとどまらず、①市民参加の「専門的支援機関」をめざしたこと、②63年に発
足していた「善意銀行」が創設の意図はともかく“モノ・カネ”の調整が中心となっていたのに対し、協会
は徹底して「人づくり」に力点をおいたことは、その後の協会の歩みを決定づける特色となりました。
実際、1965年の設立と同時に日本で最初のボランティア講座を開催。ボランティア活動を新しい理
念に基づく市民の社会活動ととらえ、その担い手養成から事業を開始しました。また66年には情報誌
『月刊ボランティア』を創刊し、活動理念の普及に努めました。
設立4年後の1969年に社団法人の許可を得、大阪府、大阪市からの補助も始まりましたが、財政
難が続くなか、70年から事業運営への市民参画方式「参加システム」が導入されることになりました。講
座、機関誌編集などの事業ごとに「チーム」「委員会」と名づけた“協会事業を推進するボランティアグ
ループ”を組織し、ここに参画するボランティアと事務局の専従有給スタッフの協働で、協会を運営する
システムが作られたのです。
一方、事業面では市民活動推進の専門職養成をめざし「ボランティアコーディネーター講座」を日本
で初めて開講(1976年)、『ボランティア=参加する福祉』の発刊(81年)などの出版、短期体験プログ
ラム「サマーボランティア計画」を関西で初めて開始(84年)、企業とNPOのパートナーシップ作りを進
める「企業市民活動推進センター」の創設(91年)など、時代を先取りした事業に取り組んできました。
こうした実績が認められ、1993年には社会福祉法人への組織変更が認可され、協会の取り組む社
会福祉事業への寄付金は所得税、法人税の控除を受けられるようになりました。
さらに1994年には、パソコンを活用したボランティア情報検索システムを開発。活動メニューのデジ
タル情報により、自分に合った活動メニューを容易に選べるサービスを実現しました。
1995年1月に起こった阪神・淡路大震災では、こうして培ってきた専門技術と、企業や全国の関係
者とのネットワークを活かし、被災地に一般市民公開型の震災ボランティアセンター「被災地の人々を
応援する市民の会」を結成。のべ21,000人のボランティアと4,800件を超えるニーズをコーディネー
トするなど、被災した人々の支援に取り組みました。
震災でのボランティアの活躍を契機に市民活動への関心が高まる中、1996年にはNPOの活動基
盤整備をめざす「日本NPOセンター」創設に加わり、役員派遣などにより、その活動を支援しています。
99年には協会内にも「NPO推進センター」を開設。2000年度からは大阪府の受託事業として府内の
-2-
NPOに経理・IT等の実務経験者がコンサルタントとして関わる事業も始めました。また「ボランティア国
際年」の01年には、その全国推進協議会、大阪推進協議会の運営委員長団体となり、多様な活動の
ネットワーク推進にも努力。この年、個人を対象とする事業を総括する「市民エンパワメントセンター」運
営委員会も創設しました。さらに02年には市民活動拠点「大阪NPOプラザ」の管理団体を引き受け、
また「コミュニティビジネス創出支援事業」の受託を通じて市民事業の起業支援にも着手しました。
そして2003年には『月刊ボランティア』を改題して『ウォロ(volo)』を新創刊。また04年度には企業の
社会的責任(CSR)への関心が高まる中、研究会を創設。05年度には「関西CSRフォーラム」として正
式発足(08年度からフィランソロピー・リンクアップフォーラムと統合)させるなど、時代の要請を受け止め
つつ、市民活動の総合的推進機関としての機能充実への努力を続けています。そして08年度には
「将来ビジョン」の策定を進め、次代に向けた協会の方向性を整理しました。
(2)「総合的市民活動サポートセンター」としての協会
このような歩みを通じて協会は、様々な問題解決に取り組もうという市民の意欲を高め、励まし、支援
することを通じて、市民活動を活性化し、もって「市民社会」の創造に寄与しようという総合的「市民活動
サポートセンター」としての機能を整備してきました。それは、
①.「コーディネーション機能」(応援したい人・組織と応援を受けたい人・組織をつなぐ)
②.「活動の個別支援機能」(会場・備品提供から運営相談、助成機関との連携支援まで)
③.「学習研修機能」(33コース、158講座でのべ2,501人が学習。講師派遣受講者2万3千人)
④.「情報センター機能」(月刊誌発行、パソコンによる活動情報提供、出版事業)
⑤.「シンクタンク機能」(研究・分析・助言・解説、政策提言活動)
などの機能に整理できます。
なお、支援対象は個人、グループ、団体にとどまらず、企業や行政機関からの相談も増えており、ま
た社会福祉領域はもとより環境、国際交流など様々な分野の活動を支援しています。
多様化する協会支援グループ
全国化する協会事業
100%
100%
その他
90%
80%
大
阪
府
内
70%
60%
50%
中間支
援
80%
文化/
教育等
60%
国際/
環境
40%
71.3
69.3
30%
55.0
大
阪
以
外
53.7
20%
38.4
セルフ
ヘルプ
40%
高齢者
福祉他
21.6
10%
9.9
活動参加希望者
相 談 ・照 会
個人会員
広報依頼
講師派遣先
発送先
VOLO
出版物発送先
0%
児童 福祉
20%
障害者
福祉
0%
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97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08
20 08 年 度 、ミ ッ ション実 現 の ため、 こ んな事 業 に 取 り 組 み ま した!
協会のミッション
より公正で多様性を認め合う市民主体の社会を創るため、多彩な市民活動を支援するとともに
他セクターとも協働して、市民セクターの拡充をめざす
目標① 市民自治の確立
私たちは、市民セクターの行動原理として、市民自治を追求します。
市民自治の原則とは、一部のエリートや専門家などが主導するのではなく、市民自身、当事者自身が企画・実行し、
社会状況に応じて変化させていくものです。当協会の運営においても、あらゆる場面で、市民自治を実行します。
・自治体などの要請を受け、市民の自治力向上に向けた行政との「協働」研修への出講 43回
・橋下大阪府知事の「維新プログラム」をふまえ、NPO協働の提案をまとめる学習・意見交換会開催
・市民参加&情報公開に取り組むNPOを支援する「パートナー登録」でのサポート 80団体
・自治的市民活動拠点として「大阪NPOプラザ」を運営(指定管理者ではなく「官設備民設民営」方式)
・「NPOのボランティア推進チーム」。市民自治型の協会運営に向け「参加システム」をレベルアップ
目標② 創造的に社会を変えようとする人たちの支援と変革の実行
私たちは、行政や企業だけではできない新しい価値観にもとづいた行動や新しい社会的取り組み、すなわち「社会的
イノベーション」を支援し、自らも実行します。「社会的イノベーション」とは、社会的課題を解決するためのさまざまな新機
軸の創出を意味します。マイノリティの生活改善・生活向上や持続可能な生活様式の提案など、多様な市民の手による
社会的イノベーションを支援するとともに、当協会も積極的に提案、実行します。
・「市民の応援を求めたい」「市民の手で社会改革を進めたい」…。さまざまな悩みと意欲に応えるボラ
ンティアコーディネーション事業を通じた市民の参画と協働の支援 相談調整回数34,792回
・参加型社会づくりを専門職の資質向上から支える日本ボランティアコーディネーター協会を支援
・マイノリティ層の活動を支える「北区事務所」 アルコール症などの当事者グループにも活動の場提供
・組織の社会的責任向上のための事業展開(企業市民活動推進センターで定期研究会、「社会的責
任向上のためのNPO/NGOネットワーク」を通じてNPOの組織化、「CSRハンドブック」出版)
・市民活動総合情報誌『ウォロ(volo)』で、プレカリアート(不安定雇用者)自身の反貧困運動などを特集
目標③ 市民の力が発揮されるための支援
私たちは、市民がさまざまな能力を創造的に発揮するための支援、すなわちエンパワメントを進め、それを協会内部に
おいても推進します。市民にとってより暮らしやすい社会を実現するためには、市民自身のパワーアップが不可欠です。
そのパワー(実行力)は、私たち自身の中にあり、それを引き出すのが「エンパワメント」です。私たちは、市民をエンパワ
メントする環境づくりを支援し、自らも実行します。
・7形態、33コース、158コマの多様な講座で「市民力向上」 のべ受講者は2,501人
・NPO推進センターで、支援者との連携支援のための寄付金・寄贈金仲介、助成金推薦 計15件
・寄付活動の活性化を目指す「日本ファンドレイジング協会」の創設を支援(2009年2月に発足)
・勤労者のボランティア活動促進事業でも、活動の場などをヒアリング調査。プログラム開発を目指す。
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3.役員などの名簿
2009年度の 社会福祉法人 大阪ボランティア協会の役員などは、以下のとおりである。
(役職・肩書などは7月15日以降の新体制で表示)。
1.役 員(理事15人、監事3人)※は評議員も兼任
理 事 長
牧 里
毎 治 (関西学院大学・教授)※
常務理事
理
事
早 瀬
青 木
昇 (協会・事務局長)※
美智子 ((福)大阪府社会福祉協議会・事務局長)※
〃
石 田
易 司 (桃山学院大学・教授。
(福)大阪市社会福祉協議会 大阪市ボランティア情報センター・所長)
〃
岩 澤
崇 史(日本生命保険相互会社・総務部長)
〃
〃
大 熊
大 澤
由紀子(国際医療福祉大学大学院・教授)※
英 俊 (パナソニック株式会社・役員、コーポレートコミュニケーション本部・本部長)
〃
小 掠
昭 ((福)石井記念愛染園 わかくさ保育園・園長)※
〃
香 山
博((福)平成福祉会・理事長、元・大阪市 民生局長)※
〃
〃
川 邊
筒 井
辰 也 ((社)関西経済連合会・事務局長)
のり子 (龍谷大学・教授、(特活)日本ボランティアコーディネーター協会・運営委員)※
〃
延 岡
〃
畑
敏 也 (会社員、協会常任運営委員会・委員長)※
彰 (サントリーホールディングス株式会社・CSR 推進部、那寿会・会長)
〃
吉 岡
〃
脇 本
亨 (大阪ガス株式会社・近畿圏部長)
ちよみ (日本労働組合総連合会大阪府連合会・事務局長)※
岩 永
清 滋(公認会計士)
金 尾
文 隆((財)日本生命済生会付属日生病院・事務長)
日 高
清 司(弁護士)
監
事
2.評議員(31人)
理事のうち※印のある10人の理事は評議員も兼任。評議員専任者は以下の21人。
有
井
田
上
典 代 ((特活)関西国際交流団体協議会・事務局長)
小太郎 (住友生命保険相互会社、協会企業市民活動推進センター運営委員長)
今
村
澄 子 (団塊アクションネットワーク)
柏
木
金
佐
井
藤
宏 実 ((特活)大阪NPOセンター・代表理事、(社)大阪青年会議所・元理事長)
宣三郎 ((福)奈良県手をつなぐ育成会 たかとりワークス・施設長)
佐
須
野
貝
章 二 ((有)ビッグイシュー日本・代表)
昭 子 ((特活)市民活動フォーラムみのお・事務局長)
杦
本
育 生 ((特活)環境市民・代表理事)
田
尻
佳 史 ((特活)日本NPOセンター・事務局長)
遠
中
矢
村
家永子 ((特活)SEAN(Self-Empowerment Action Network・事務局長)
順 子 ((特活)コミュニティ・サポートセンター神戸・理事長)
西
吐
江
山
孝 江 (保育所・所長)
継 彦 (言葉工房・主宰)
宏 (大阪市立大学大学院・教授)
-5-
播
松
磨
井
靖 夫 ((福)たんぽぽの家・理事長、(特活)日本NPOセンター・顧問)
淳太郎 (企業市民活動研究所・所長)
牧
口
一 二 ((特活)ゆめ風基金・代表理事)
水
原
一 弘 (協会常任運営委員会アドバイザー、野遠キリスト教会・牧師)
柳
山
瀬
内
真佐子 ((特活)関西こども文化協会・事務局長)
直 人 (大阪大学大学院・教授)
山
口
洋 典 (浄土宗應典院・主幹)
3.顧 問
岡 本
4.参 与
平 手
榮
一(前 協会理事長)、高
清、 松 井
森
敬 久(前 協会理事)
淳太郎、 三 砂
孝、山
元
弘 久
5.苦情対応に関する第3者委員
大 友
章 三(障害者自立生活援助センターとよなか ピアカウンセラー)
ちょん
せいこ(人まちファシリテーション工房 代表)
6.常任運営委員会
延岡敏也(委員長)、今村澄子、岡本友二(以上、副委員長)、久保知美、小林義彦、筒井のり子、
名賀 亨、西江孝枝、吐山継彦、福島義弘、増田宏幸、村岡正司、早瀬 昇、水谷 綾、
永井美佳、岡村こず恵(委嘱者である牧里毎治理事長、岡本栄一前理事長、井上小太郎評議員、
福満奈都元事務局員、他の事務局職員もオブザーバー参加している)
7.センター運営委員会(ボランティアスタッフのみ紹介)
<コーディネーション事業戦略推進委員会>
筒井のり子(委員長)、石井祐理子、岩本裕子、海士美雪、垂井和寿恵、南多恵子
<市民力向上事業運営委員会>【新規】 ※メンバー呼びかけ中
<NPO推進センター運営委員会>
阿部圭宏(委員長)、石原真弓、岡本友二、吐山継彦、福満奈都
<企業市民活動推進センター運営委員会>
井上小太郎(委員長)、尾崎
力、楠 正吉、小林義彦、原田京子、廣田浩一、松井淳太郎
8.ボランティアスタッフ
当協会の事業は、のべ301人(実数146 人)のボランティアスタッフ(協会=アソシエーシ
ョンをもじり職員を含めて「アソシエーター」と呼んでいる)が、それぞれ「チーム」や「委員会」
を結成し、専従職員と協働して、担当事業を企画・推進するとともに、会員総会や各種運営
委員会、事業計画会議、創出会議などの場を通じて、協会の経営へも参画している。
9.事務局
常務理事・事務局長 早瀬 昇、事務局次長 水谷 綾、事務局主幹 永井美佳、岡村こず恵、
事務局主任 江渕桂子、影浦弘司を含めて 28人(臨時アルバイトを除く)
-6-
<
監
2009年 度 の組 織 図
事
理 事 会
>
評議員会
会員総会
推薦
常任理事会
財務・基金
運営委員会
事
務 局
本
常任
運営委員会
協 働
部
市民エンパワメントセンター運営委員会(休止中)
市民力向上事業運営委員会
・「自治の学校」事業運営チーム
・若者事業仕掛け人チーム
コーディネーション事業戦略推進委員会
・NPOのボランティア推進チーム
・勤労者のボランティア活動促進チーム
O N P 評 価 研 究 委 員 会
ONPインキュベーション研究会
大阪NPOプラザ運営協議会
市民エンパワメント
センター
主催・参画
NPO
推進センター
企業市民活動
推進センター
NPO推進センター運営委員会
・NPO支援センター向け事業開発部会
・関西NPO会計税務研究会
・市民活動サロン「遊学亭」運営チーム
・「ONPカフェ」企画・運営チーム
企業市民活動推進センター運営委員会
情報出版部門
・フィランソロピーCSRリンクアップフォーラム幹事会
情報出版関係事業
・「ウォロ(Volo)
」編集委員会、ウォロ発送チーム
・ITボランティアチーム「むくどり」
・出版委員会
・「新・理論本」編集委員会
・ボランティア・市民活動ライブラリー運営チーム
・英語情報発信強化チーム「Eボラ」
組織整備部門
・会員コミュニケーションチーム
・「The ボラ協」編集委員会
・映像作成チーム「トライポッド」
同心同志会(北区事務所活用検討チーム)
※ 以上に加え、理事長の諮問機関として「将来ビジョン検討委員会」が検討を進めるとともに、
「協会と応援センターとの協働関係検討会議」で両者の関係強化を進めている。また、2009 年
秋に開設予定の「(仮称)ボランタリズム研究所」の設立準備委員会も新たに設置されている。
-7-
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
B.2009 年度事業計画
1.事業計画上のポイント
2009年度の事業計画を立案するにあたって考慮するべき状況と、重点課題として取り
組む事業のポイントは、以下のとおりである。
1.市民活動と協会を取り巻く状況の変化
協会は、さまざまな市民の願いや思いが集う『ひろば』であることをめざしてきた。「被災
地を放っておけない」
「子どもたちの悲鳴を見逃せない」
「干潟を守りたい」
「戦争を止めたい」
、
あるいは「ともに夢の実現をめざす仲間を得たい」
「自らの経験を社会で活かしたい」…。こ
れら多様な思いが自由に集い、受け止められ、共感する人々と出会える“場”であることは、
1965年の創設以来44年間、協会がめざし続けてきたことである。
そして、最初の小さな思いが社会的に広がりをもつ活動に展開されるためには、思いが育
まれ、願いを具体化する手立てを学び合い、あるいはその方法や仲間を共に探し出し、大き
く社会に働きかけていく力をつけなければならない。そこで、そうした思いを抱く人たちを
支援し、その声を社会に発信する『拠点』(砦)であり、かつ『センター』(広場)でもあり続
けることが、車の両輪のように重要である。
このように協会は、さまざまな思いを抱く人々が広くつながり合い、活動を進めるための
意欲を高め合い、また最新の動きを知り、ノウハウが学べる場となるよう、活動を積み重ね
てきた。
(1)過去10年間の実績評価 ―1999年「将来構想検討委員会」答申から10年
その協会の2009年度の事業計画策定にあたっては、市民活動と協会を取り巻く状況の
変化をふまえる必要がある。この点については2007年10月に理事長の諮問を受けて発
足した「第4期・将来ビジョン検討委員会」でも検討を重ねてきた。その際、1999年5
月に答申をまとめた「第2期・将来構想検討委員会」での目標を確認し、その評価を行った。
ちょうど10年前に答申を発表した委員会では
(1)「NPO推進センター」の看板を掲げる(NPOの経営支援、間接支援を進める)
(2)ボランティアセンター機能を“極める”(コーディネーション事業のシステム化など)
(3)NPO推進センター、ボランティアセンターを協働運営の推進
(4)「情報・研究機能」の充実(「市民活動研究所」創設、国際的な受発信)
の4点を柱とした将来構想がまとめられた。
-8-
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
①.NPO推進センター創設、市民エンパワメントセンターに改称、「ウォロ」新創刊…
こうして1999年に「NPO推進セ
ンター」を発足させるとともに、ボラン
ティアセンター部門にも運営委員会を開
設。2001年度からは「市民エンパワ
メントセンター」と改称して、その機能
の充実をはかった。
これにより協会のNPO推進に関わる
事業が飛躍的に拡大。多様な形でNPO
の支援に乗り出すとともに、
「大阪NPO
プラザ」の運営、市民活動と行政の協働
政策づくりの推進やコミュニティビジネ
協会が運営する総合活動拠点「大阪NPOプラザ」
ス創出などに関する事業受託にも対応するなど、協会の事業領域が大きく拡大した。
一方、市民エンパワメントセンターでも、市民学習事業の改編、「主に関西! ボランティ
ア市民活動情報ネット」の運用開始、日本ボランティアコーディネーター協会の創設支援、
大学ボランティアセンターのネットワークづくり、そして協会での「参加システム」の改善
…などが次々と進められた。
さらに、NPO運営や企業のCSR活動にもフィールドが広がる中で、機関誌も『月刊ボ
ランティア』から市民活動総合情報誌『ウォロ』へと誌面を刷新し購読者層の拡大が図られ
たことや、紙媒体、インターネットに加えて映像制作にも着手、さらに研究受託事業も増加
するなど、情報・研究部門の充実も図られた。
②.新たな事業展開に伴って生じた課題や未着手の事業
しかし、こうした成果が得られた一方で、一時、市民エンパワメントセンターとNPO推
進センターの事業拠点が分かれたことから、相互の連携が低下した時期があり、またNPO
の資金確保や税務・労務などの団体経営力の向上に焦点を当てねばならない分、市民一人ひ
とりの思いにこだわる事業の推進に力を注ぎにくくなる場面も時に生じることもあった。
それに、NPO支援を介した雇用対策事業などが実施されたことから、一時、収入に占め
る受託事業収入が急増したが、その結果、受託事業に追われる状態が生まれ、自主的・内発
的に事業を創造する余裕が低下した時期もあった。実際、
「将来構想」に盛り込まれていた「市
民活動研究所」などは未だ創設できておらず、またマスコミなどへの発信件数も90年代に
比べて低下傾向にあった。
(2)行政セクター・企業セクターの限界と、非営利セクターへの期待の高まり
一方、市民活動を取り巻く社会の状況は、ここ数年、大きな問題となっている「格差」の
拡大に加え、急激で厳しい世界同時不況の影響もあり、極めて深刻な状態となっている。失
業者の急増、若年世代にも広がる非正規雇用者の増加、11年連続で3万人を超えてしまっ
た自死者の発生など、現在の生活困難に加え、将来にも強い不安を抱く人々が増加している。
-9-
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
従来、こうした社会不安の解決役として期待されてきた国・自治体など行政セクターは、
少子高齢化が進む中、社会保障費の急増や公債償還費による財政ひっ迫もあり、その対応力
が大きく低下してきている。
ここで、もちろん、行政責任の確立を求める運動を進めることは必要なことだが、行政セ
クターは公平一律の対応を基本とするため、それぞれの個々人に応じた対応は、元来、制約
されるといった限界もあり、すべての問題解決を行政に求めることは、そもそも困難だ。
一方、CSR
(企業の社会的
責任)への関心
の高まりもあり、
%
2.2
図A 従業員数別の障害者雇用率。大企業は法定雇用率 1.8%達成目前
2
ここ数年、企業
1.8
自体が社会的配
1.6
慮を高める動き
が活発化してき
た。特に大企業
1.4
平均
1.2
では障害者雇用
率が上昇するな
ど、その成果が
具体的にあらわ
れてきている。
~99人
1
1000人~
0.8
0.6
78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07
しかし、昨今の急激な経済環境の悪化のもと、企業を取り巻く環境も一変した。CSRの
徹底自体は後戻りのしようもない動きだが、派遣労働者の解雇が急激に進んだように、企業
は経済合理性の追求という原則に拘束されざるをえない。
景気変動が不可避な中、完璧な雇用保障を企業に求めることは困難で、そこで行政の役割
が求められるわけだが、ここで行政とともに、行政とは異なる手法で公共課題の解決に取り
組めるのが非営利セクターだ。
かつては、この非営利セクターも、主務官庁制などの下、行政の補完的存在に近い位置に
とどまっていたが、近年、市民が主導的に活動を進める団体が急速に成長。特に特定非営利
活動促進法(NPO法)が成立した1998年以降、その勢いはさらに高まり、法制度がで
きてわずか10年あまりで、全国のNPO法人数は3万7千団体を超えるまでになった。
(3)「中間支援組織」としての位置の可能性と課題 ~協会を取り巻く状況の変化
<創設から80年代 : 産婆役とコミュニティケア推進の時代>
協会の草創期はもとより1980年代までは、こうした高い能力をもつ市民活動団体はそ
う多くなく、協会には社会の課題が直接持ち込まれることが多かった。協会は、その要請に
積極的に応えるとともに、
“産婆役”的に新たな団体の創設を支援することも少なくなかった。
おおさか行動する障害者応援センター、大阪手びきの会、寝屋川市民たすけあいの会、北河
内ボランティアセンターなど、協会が創設に関わり活動を支援した団体は数多い。
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2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
<90年代~大震災 : Vコーディネーションの理論化と企業とのパートナーシップ構築>
これらの実践 ― 特に地域ボランティアビューローへの支援を通じてボランティアコーデ
ィネーションの体系化が図られ、90年にはこの分野での基本書となっている『ボランティ
ア・コーディネーター:その理論と実際』を発行し、地域の課題とボランティアを結ぶ活動
に力を入れた。また、異質な立場を共感で結び付けるというこのノウハウを発展させ、91
年に企業内での社員のボランティア参加を支援し、さらに企業とNPOのコーディネーショ
ンも進める「企業市民活動推進センター」を創設、市民活動と企業のパートナーシップの構
築という新たな挑戦に取り組むことになった。
<大震災での対応から、NPO法制定へ : 市民活動の次なるステージ作りへ>
そして、これらの実践が蓄積されてきた中で起こったのが、阪神・淡路大震災だった。そ
こで、ボランティアコーディネーションのノウハウと企業とのパートナーシップという協会
の2つの専門性を生かし、被災地内最大のボランティアセンターを運営することとなった。
震災でのボランティアの活躍
にあたっては、その受け皿であ
るNPOの存在が大きかったこ
とから、震災以後、非営利団体
が法人格を取得する際の規制を
大幅に緩和するNPO法制定の
機運が急速に高まった。
ここで協会は、NPO法制定
運動の中核の一つとなり、また
日本NPOセンターの創設にお
いても大きな役割を果たすこと
となった。
NPO法、成立に向けた緊急集会(1998年1月)
<NPO台頭の時代 : 第2期・将来構想検討委の答申が生きる>
先に説明した「第2期・将来構想検討委員会」は、このような時期に立ち上げたもので、
その答申によってNPOの運営支援、行政との「協働」推進といった新たな事業展開を進め
ることになったわけで、その後、NPO関係の大型委託事業への対応に追われることになっ
た。また同時に2001年の日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)創設に象
徴されるようにボランティアコーディネーターの養成・研修にも、一層、力を入れた。
<そして、今… : 現場の課題との新たな向き合い方が問われてきた>
しかし、NPO法制定とボランティアコーディネーションの普及という協会の努力の成果
として、協会が、従来、担ってきた役割を、各地に生まれてきたNPOと地域のボランティ
アセンターに譲ることとなった。実際、NPO支援の展開を通じて多くの力のあるNPOが
育つとともに、地域のボランティアセンターのコーディネーション力が高まり、結果として
協会に、直接、社会課題が持ち込まれる件数は急速に減ることとなったのである。
市民活動は、社会で起こっている様々な課題にビビッドに応える中で、多くを学び、士気
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2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
が高まり、活力が生まれてくる。そうした機会が間接的な形でしか得にくくなってきた今、
これまでの経緯と現状をふまえた新たな事業展開が必要となっている。
(4)市民参加の“低下”が進むNPO法人
ではここで、こうして広がってきた市民活動の状況は、今、どのような状況にあるのかを
見てみよう。
特定非営利活動法人(NPO法人)は、当初、
「市民活動法人」の名称が予定されていたも
ので、多くの市民の結集で事業が展開されることが想定されていた。しかし、現実にはNP
O法人の中に市民参加の少ない団体が増えている、という統計もある。
2002年以降、毎年、NPO法人の実
図B NPO法人の月平均ボランティア数
態調査を続ける経済産業研究所の「NPO
70.0
法人アンケート調査」(図1)では、ボラ
60.0
ンティアの平均参加者数が、04年度をピ
50.0
ークに減少していることが示されている。
40.0
もっとも、財政的には別の側面も見える。 30.0
NPO法人の収入内訳の平均を示した図
20.0
2でみると、調査がはじまった02年度か
10.0
らは「会費」「寄付金」収入が大きく減少
0.0
02
したが、その後は他の収入が大き
04
05
2000
経済産業研究所の統計は、途中
その他
で調査項目の変更がなされ、また
郵送アンケート調査のため、規模
認可事業
1500
の大きなわずかな団体の回答の有
行政委託
無で結果が変動する面もあるが、
それにしてもNPO法人の基盤を
民間委託
1000
自主事業
支える資金として市民の共感にも
行政補助
とづく収入の重要さを思わせる。
折から2009年2月には、当
民間助成
500
協会の関係者も関わる形で「日本
寄付協賛
ファンドレイジング協会」が創設
され、寄付を進める社会づくりの
06
図C NPO法人の平均年収入の内訳
く減る中、一定の水準で踏ん張っ
ているともいえる。
03
会費
0
02
03
04
05
06
ための専門推進機関も生まれた。
協会が2001年の創設時から支援している「日本ボランティアコーディネーター協会」と
ともに、ボランティアと寄付という2つの形態で、市民の社会参加を推進する専門機関が生
まれたことになる。
- 12 -
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
2.2009年度事業計画における重点事業
このような中、今期の「将来ビジョン検討委員会」では、その答申(案)のキーワード(案)
を「あらためて、個人にこだわる/仕掛ける」とし、あらためて個人に焦点をあて、個人が
活きる組織づくり、社会づくりに向けた事業活動を、協会の取り組みの中核に置くことを提
案した。
2009年度は、この「将来ビジョン」の実現に向けて体制を整備し、本格的な事業展開
を始める2010年度以降に向けた準備の年となる。
(1)個人の共感と参加に焦点を当てることの意味
①.市民活動団体の間に共感性に重きをおかない「組織経営」が広がっていった経緯
阪神・淡路大震災ではボランティアの力に大きな注目が集まったが、その力を機動的で継
続・安定した復興支援活動に結び付けたのは、ボランティアコーディネーターなどの専門ス
タッフを擁した市民活動団体だった。そこで、そのような市民活動団体が組織力を高める上
で壁となってきた公益法人制度の改革に対する関心が高まり、結局、公益活動に取り組む団
体が法人格を得る際に行政の裁量による許可を必要とした民法が施行されて100年ぶりに、
実質的に自由に法人格を取得できるNPO法の成立に結びついた。
この法律が成立した頃から、
「NPO」という言葉は急速に市民権を得ることとなった。専
従スタッフを雇用し、各種のサービスなどを「商品」として提供し、行政や企業と伍して活
動する団体が増えてきたが、もとよりその経営は容易ではない。ボランティア活動では考え
られない「融資」の仕組みが整い、あるいはマーケティングや商品開発、労務・税務といっ
た経営セミナーが盛んに開かれるようになった。
このような中、NPOの運営に関わる人々が「プロフェッショナル」
「経営者」といった自
覚を高める中で、
「ボランティア」という存在は、思いつきや単純な善意だけで行動する不安
定なアマチュア…といった見方をする人さえ出てきた。
また、自治体などからNPOへの事業委託が進む中、組織の立ち上げや運営においても、
問題意識を共有する市民が結集して組織(Association)を作るのではなく、事業委託の受け
皿として法人を立ち上げ、事業を進める…という形態の団体も少なからず増えてきた。ボラ
ンタリーな思いを軸にして組織が作られない場合、効率的な事業推進への関心は高い一方、
多様な思いを受け止め、合意をまとめることは、わずらわしいものでしかなくなる。そこで、
NPO法が定める最低数の役員だけで役員会を作り、正会員も意図的に少数にとどめるよう
なNPO法人さえ生まれている。
そして、このような団体では、
「組織経営」への関心は高いものの、ボランティアを単なる
安価なスタッフとみなし、寄付などの財源も手間がかかり不安定だと敬遠する場合が多い。
その結果、“個人が組織に埋没”し、“市民の共感などを気にかけない”傾向の団体さえ見う
けられるようになってきた。
②.個人の参画こそが、社会を民主的に改善していく“核”
しかし、当協会では、今、あらためて個人の行動・参画を重視し、共感を基盤とした市民
- 13 -
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
活動団体が成長し、活躍することが必要だと考える。
このことが重要なのは、まず、そもそも市民活動をはじめとする社会改革の原点は、個人
のボランタリズムを出発点とするものであるし、さらに多くの社会改革も、結局、個人の判
断、個人の行動変革をともなわなければ、その内実を持たないからである。
たとえば、企業に大きな影響に与えているCSR(企業の社会的責任)も、それを一時の
ブームに終わらせないためには一人ひとりの消費者が企業の社会的振る舞いを考慮した消費
行動をとることが必要で、いわばCSRは Consumer Social Responsibility が問われるもの
でもある。
また近年、各自治体で活発に取り組まれている市民活動などとの「協働」施策も、住民が
自らを自治の“主体”と認識し、行政職員も住民の力を信じ政策情報の公開や意思決定への
参画などを進めなければ、行政責任の住民への転嫁といった事態にもなりかねない。
そして、ボランティアや寄付を通じて広く参加する市民活動団体が活発に活動することで、
私たちは民主的・ボトムアップ的に社会を改革・改善していくことができる。市民活動団体
を通じて、市民が自治的に社会問題の解決に関わることができるからだ。
この参加を通じた改革、課題解決の体験を多くの市民が得ることができれば、観客民主主
義的な社会の雰囲気は払しょくされ、市民が能動的に社会を関わる自治的社会を築くことが
できるだろう。
だからこそ、共感力の高い市民活動団体の立ち上げと活発化を応援することは、当協会の
重要な使命となる。
(2)「将来ビジョン構想」の掲げる4つのコア事業
このような視点をベースに、将来ビジョン検討委員会では、今後、協会の蓄積と資源を活
かして取り組む重点事業として4つの「コア事業」を構想した。
図D
将来ビジョンの構想図
【 コア 3 】 ボランタリズム研究所
事業
NPO
活動
市民層
【 コア2】
コア2 】 アグレッシブ・コーディ
社社社社 会会会会 ((((
地地地地 域域域域))))課課課課 題題題題
ネーション開発事業
潜在関心市民層
【 コア1
コア1 】 勤労者ボランティア活動
の推進事業
一般(ノンアクティブ)市民
大阪ボランティア協会
【コア4】
コア4】ウェブサイト「Volunteers
ウェブサイト「Volunteers’
Volunteers’Style
~市民としてのスタイル」による情報
発信事業
組織
- 14 -
拠点
財源
2008 年度事業計画(事業計画上のポイント)
①.コア事業1 Volunteers’Style 始動。動く市民をもっと増やす
ボランティア活動の参加促進は既に長い蓄積があるが、その働きかけがもっとも機能して
いないのが勤労者層、中でも企業で働く人々だ。企業や行政で豊富な経験を有する人たちが
社会活動への参加率が低いということは、社会的に大きな損失だ。そこで、この人々が市民
活動に参加しやすい環境を整備。米国 NewYork Cares、Hands On などの実践をモデルに、勤
労者も参加しやすい活動プログラムを開発する。
②.コア事業2 課題の現場と人々をつなぐ! アグレッシブ・コーディネーション
漠然とした問題解決の意欲を現実の課題に結び付ける上で、ボランティア・コーディネー
ションの役割は大きいが、多様なNPOの取り組みが進む中、協会で依頼・相談を待つだけ
では現実の多くの課題が協会に届きにくくなってきている。そこで、従来の「中間支援機関」
の枠を超えて、課題のある現場と一般の人々をより積極的に結び付けるため、社会問題の現
場で格闘する人々を招き、あるいは出向き、課題解決への動きや社会への発信を進めるプロ
ジェクトを準備。2010年度から2年間で約50の団体・キーパーソンと出会う。
③.コア事業3「総合研究所」開設による理論化、蓄積、発信
上記の取り組みを理論的に支えるため、現場の取り組みやボランタリズムを科学し、その
理論化と実践の社会的発信を進める総合研究所「
(仮称)ボランタリズム研究所」を2009
年度中に創設。成果は出版化するとともに、
「ウォロ」などでも発信し、広く社会の共有財産
とする。
④.コア事業4 市民活動界のオンリーワンメディア&キャンペーンの実施
協会の情報発信を刷新し、他の3つのコア事業と関連づけた情報基盤をインターネット上
に創出し、市民活動への関心度の低い人々も含めて多くの人々がアクセスできるようにする
とともに、市民活動の現場レポートや市民発の「オピニオン」を発信する。
これらのコア事業を核に、「現に活動している市民」「関心はあるが潜在化している市民」
はもとより、
「今は関心も弱く、活動していない市民」にも魅力的なプログラムを提供し、幅
広く多くの市民に働きかける取り組みを進めることとしたい。
なお、以上の事業のうち、すでに先行的な研究が進んでいる「コア事業1」は2009年
度からモデル事業を実施し、また「コア事業3」も2009年秋には「総合研究所」の開設
をめざすとともに、他のコア事業についても、現在、実施している事業との関係を整理し、
2010年度から順次、実施を目指す。
また、これらとともに、協会の意思決定の仕組みや会員制度の見直し、事業拠点の将来像、
財政構造の刷新などにも取り組む。
以上は2009年度を起点として、今後、重点的に取り組む事業だが、これまで進めてき
た事業も、これらの事業との関連を意識しつつ、精力的に取り組む。
これらの詳細を、以下に示す。
- 15 -
2009 年度事業計画(詳細)
2.2009年度の事業計画と組織
1.事業の推進計画
協会はこれまで「市民エンパワメントセンター」、「NPO推進センター」、「企業市民活動
推進センター」の各部門を通じて事業を展開してきたが、2009年度中に前2者を統合し
て「市民活動推進センター」
(仮称)とするとともに、センター内に「コーディネーション事
業」「市民力向上事業」
「NPO運営基盤事業」に関わる戦略推進委員会を組織する形で、
「市
民活動の総合サポートセンター」の特色をさらに強化して、より一層の事業の充実を進める。
各部門の事業は相互に深く関係しているが、以下では便宜的に
「市民活動推進センター」部門 として
・ボランティアコーディネーション事業(①)
・市民力向上事業〔(②)
。教育・研修、講師派遣事業〕
・NPO運営基盤事業〔・NPO・市民事業支援事業(③)、大阪NPOプラザ運営事業(④
-1)、北区事務所でのグループ活動の支援事業(④-2)
〕
「企業市民活動推進センター」部門(⑤)
「情報研究・出版・市民シンクタンク部門(⑥) (・研究・出版事業、情報・広報事業)
・国内外ネットワーク事業(⑦)
という7つの事業に大別して計画を紹介する。
これらの事業を通じて、総合的にボランティア活動、市民活動の推進に取り組む。
【市民活動推進センター(仮称)部門】
市民活動推進センター(仮称)は、これまで「市民エンパワメントセンター」「NPO推進
センター」として展開してきたが、個人か組織スタッフかということで区別しがたい相談な
ども多く、また協会内での事業連携が進めにくいこともあり、2009年度中に両センター
を統合し、新たなセンターの中で、大きく「ボランティアコーディネーション」
「市民力向上」
「NPO運営基盤整備」の3事業を展開することとなった。
1.ボランティアコーディネーション事 業
(大阪市受託事業、近畿労働金庫受託事業を含む)
「ボランティア活動、市民活動に取り組みたい」人の思いに応えるとともに、個人、施設・
NPOなどからの「ボランティアの応援を求める」依頼に応え、ボランティアを募集・紹介
する本事業は、社会のニーズを直接受け止める点で協会の中核的事業の一つである。
「障害者自立支援法」の施行や教育機関におけるボランティア関連科目の設置などにより、
協会に寄せられるボランティアに関する相談内容は多岐に及ぶ。さらに、学生や勤労者、団
- 16 -
2009 年度事業計画(詳細)
塊世代の社会参加ニーズが高まる中で、広域センターである協会は、中間支援センター、受
入組織のコーディネーションの質向上と受入体制の支援などボランティアマネジメントの推
進が大きな役割となってきた。
そこで2009年度は、07年度から調査研究を重ねた勤労者向けボランティアプログラ
ムの開発に本格的に着手する。具体的には、08年度に実施した受入団体となり得る施設や
団体へのヒアリング調査をもとに、モデルプログラムの開発に取り組む。平行して、企業市
民活動推進センターとの連携のもと活動者側へのアプローチにも取り組んでいく。また読売
新聞大阪本社「わいず倶楽部」、大阪信用金庫、大阪市職員労働組合などの求めに応じたボラ
ンティア情報の発信、メールマガジンの発行に取り組むことで、受け入れ団体と活動者のコ
ーディネートを行う。
「ボランティア活動をしたい」という相談は、「KVネット」の検索に重点が移行する中、
IT対応と窓口対応の統合的運用を進める。具体的には、ボランティア情報を提供するだけ
にとどまらない、個に焦点をあてた丁寧なコーディネーションを行う。
さらに、全国的に設置が増加している大学ボランティアセンターの担当者会議を開催し、
大学ボランティアセンターの専門性の向上と大学内や社会的認知の向上を目指す取り組みを
行う。
一方、「(特活)日本ボランティアコーディネーター協会」との共催講座などで、分野や地域
を越えたボランティアコーディネーターの専門性確立を進める。2009年度は「ボランテ
ィアコーディネーション力検定(3級)」の開催に協力する。
1)援助希望者への対応:「応援を求める」依頼への対応とフォローアップ態勢の充実
・個人、施設・NPOへの面接、訪問、各種関係機関と連携など
・「ケース検討会」の定期開催
・施設、団体には、KVネット登録時などにボランティアマネジメントのアドバイスなどを積極的に実施
・「スペシャルオリンピックス日本・大阪大会」(2010年秋)でのボランティア協力に関する研究と検討
2)活動希望者への対応:「ボランティア活動をしたい」人への活動の場の紹介
① 定期的集合オリエンテーション「はじめてのボランティア説明会」の開催
② 「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット」(KVネット)の運営と改善
③ 協会独自のボランティア情報発信 ―「市民のためのインフォメーション」「メールマガジン」などの展開
④ 団体への情報提供サービス(大阪市職員労働組合、大阪信用金庫「大信ナウ」コラム連載 など)
⑤ マスコミなどへの活動情報提供-特に読売新聞わいず倶楽部、毎日新聞、サンケイリビングとの協同
⑥ 近畿労働金庫「NPOパートナーシップ制度」(組合員OB他の活動仲介)の受託 など
3)コーディネーションに関わる人材養成・研修・専門性向上
① 「ボランティアコーディネーター講座(新任向け)」の企画・実施(春)
② 「関西地区大学ボランティアセンター担当者会議」(名称変更検討中)の開催
③ 「NPOのボランティア推進事業」(通称「Nボラ事業」)の取り組み
④ 勤労者のボランティア活動促進事業(大阪府共同募金配分金の一部を活用)の本格展開【強化】
⑤ 日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)の副代表理事・運営委員就任と講座共催 など
4)多文化共生
① 協会としての多文化共生社会促進のための活動の在り方を調査・研究する(継続)
② 多文化共生および国際交流について相談を受け付ける看板を掲げることを目指した準備を行う
- 17 -
2009 年度事業計画(詳細)
2.市 民 力 向 上 事 業
「市民」として生きるための学習支援事業は、①各種の市民向け講座が多彩に開催される
「市民のためのボランティア・カレッジ」、②インターンの受け入れ、③全国各地からの派遣
要請に応えて“出前講座”を進める「講師派遣事業」の3形態に大別される。
2009年度は、2008年度に設置した「市民力向上事業戦略推進委員会」による事業
戦略「市民のためのデモクラシー(お任せ民主主義からの脱却)」に基づいて事業を展開する。新
規事業として「自治の学校」に取り組み、また協会の教育事業を一括して広報を開始するな
ど体系的な事業実施をめざす。なお、同戦略推進委員会は2008年度でいったん解散し、
新たに「市民力向上事業運営委員会(仮称)
」を発足させ、日常の事業進捗および戦略検討を
担う。
また全国で開催されるボランティア講座、市民活動講座、行政職員講座などの企画協力と
講師派遣では、毎年約3万人に市民活動の理念を伝え、活動活性化のための方法や考え方を
伝えているが、2009年度も積極的に派遣を行う。なお講師派遣にあたっては、職員だけ
でなく協会関係者を「専任講師」として認定し、事務局業務とのバランスを図る。
1)市民のための市民活動カレッジ(8コース・16講座+アルファ)
① 「自治の学校」 (年6回、半日講座)【新規】
② 「若者のボランティア・市民活動参加事業」を開始【新規】
③ 「体験!フィールドワーク市民塾」(年2回、1日講座)(実施時期未決定)
④ 「ファシリテーション入門講座」(年1回)【JVCA と共催】
(年4回)の開催【市民活動プロデューサー協会と共催】
⑤「市民活動サロン『遊学亭』」
⑥ 「お話 の語 り手 講 座」(第31期、昼間・上半期~下半期)【協力:なにわ語り部の会】
⑦ 「お話 の語 り手 講 座(ステップアップ編)」(第5期、昼間)【協力:なにわ語り部の会】
⑧ 「初級手話講習会」(第 13期、夜間)【手話サークルつくしと共催】
⑨ 時宜に応じて機動的に講座などの開催 など
※ 「NPO推進センター」部門での各種講座とも広報面などで連携して開催する。
2)講師派遣事業
① 大学等の「ボランティア論」などへの担当教員の派遣
- 関西大学(前期)、大阪大学(後期)、龍谷大学(後期)、神戸大学大学院(後期)など
② 全国各地で開催され市民活動講座や行政職員研修などへの講師派遣と講座企画の受託
3.NPO基 盤 整 備 事 業
市民社会の担い手として一人ひとりのボランティアが基礎であることはいうまでもないが、
グループや組織として活動できれば、持続性や社会的影響力などをさらに高めることにつな
がる。組織としてのガバナンス力を高め、また市民セクターを越えてNPO(非営利組織)
活動を推進するための社会的基盤を整備する。
2009年度は、NPOと支援者の連携を支援してきた「パートナー登録制度」や「寄贈
仲介プロジェクト」のサービス内容の見直しに着手する。
1)NPO・市民事業インキュベーション&マネジメント支援事業
① NPO・市民事業(コミュニティビジネス(CB)など)の運営相談&コンサルティング
- 18 -
2009 年度事業計画(詳細)
② NPO入門研修(NPO法人設立・運営説明会シリーズ)
a 「はじめてのNPO説明会」(年6回:第1土曜日)
b 「NPO法人の組織のきほんを考える説明会」(年6回:第1土曜日)
③ NPO運営研修(NPOマネジメント・ガバナンスセミナー)
a 「NPOとしてのガバナンスセミナー(総会運営、事業報告書、監事の役割)」(年1回)
b 「企画書・助成金申請書・プレゼンテーションのツボ、教えますセミナー」(年2回)
c 時宜に応じて機動的に講座などの開催 など
④ NPOの交流会・サロン
a 「パートナー登録団体交流会」(年1回)
⑤ NPO支援専門家関係の学習会
a NPO法人会計基準協議会への参画を通じた「NPO法人会計基準」づくり 【新規】
⑥「NPO経営」「コミュニティビジネス(CB)
」などに関する講師派遣
⑦ 他のCB関連事業への参画、運営協力
a 「特定非営利活動法人 edge(エッジ)」の理事就任
b 自治体のCB(コミュニティビジネス)促進施策への協力
2)支援者とNPOの連携支援事業
① 「パートナー登録」(略称「P登録」
)制度の運営と見直し
a 支援者とのコーディネーション(人、モノ、資金、情報)
b 継続的な運営相談・アドバイス支援、協会主催研修会・講習会の優先受付・割引
c 定期的な情報提供(登録団体主催講座、助成金等)、登録団体専用メーリングリストの運用
d 市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』の無料送付
e 大阪NPOプラザ(ONP)会議室の優待割引(2割引)
※「ボランティア保険」の受付、広報協力 など
② 支援者の開拓と信頼のおけるNPOとのコーディネーション
a 「寄贈品仲介プロジェクト」(寄贈品のコーディネーション)の実施と見直し
b 「寄付金仲介プロジェクト」(寄付金のコーディネーション)
c 助成金および賞の推薦協力(個人・団体の推薦)
d その他のコーディネーション など
3)NPOの情報提供・発信事業
① NPO推進センター発メールマガジン「NPOぼいす」の発行(毎1回)
② 「大阪NPO情報ネット」事業の推進(一部、大阪府生活文化部委託)
4)自治体のNPO関連施策・協働推進支援事業
① 自治体の市民活動促進施策策定支援事業
a 大阪府、b 大阪市、c 佐賀県(コンサルタント契約) d 吹田市、e 箕面市 など
② NPOと自治体の協働・連携支援事業
a 大東市 などで職員研修実施
③ 全国の自治体で開かれる「市民活動と行政の協働に関する職員研修会」への講師派遣
5)NPO推進機関への支援とネットワーク推進事業
① 「NPO支援センタースタッフ研修」の開催(年1回)
② 「関西NPO支援センターネットワーク(KNN)」の運営
- 19 -
2009 年度事業計画(詳細)
③ 全国レベルでの市民活動推進機関との連携
a 「日本NPOセンター」副代表理事就任
b 「日本ファンドレイジング協会」理事就任 など
④ 地域の市民活動推進機関の自立的運営への援助と協力
a 「北河内ボランティアセンター」の理事就任と、活動に対する資金援助と協力
b 「市民活動センター神戸」の理事就任
⑤ 各種ネットワークへの参加
a 「NPO支援センター連絡会議」(事務局:近畿労働金庫)への参加
6)NPOの税・法人改革に対する取り組み(「NPO/NGO税法人制度改革連絡会」への参画)
① 「公益法人制度改革」
「認定NPO法人制度改革」などに関わる動きへの対応
② 「NPO/NGO税法人制度改革連絡会」への参画(世話団体)
4-①.大 阪 NP0プラザ(ONP)運 営 事 業
2009年度のONP運営事業は、07年度から拡充したONP内部に対するソフト提供
の充実化と情報強化・発信機能力を高め、市民活動拠点としての総合力を向上させる。
1)「大阪NPOプラザ」の管理運営(自治的運営と一層の利用促進)
2) 第2期ONP(2007~11年度)としての取り組み推進【強化】
① ONPカフェ平日開催とコミュニティづくりの検討
② NPO支援団体ラウンドテーブルの開催とそこでの協働推進
③ 多機能ブースの利用率の安定化とサポートプログラムの円滑な運営
④ 情報交流スペースの資料充実と情報発信(ブログ開設)の強化
⑤ 利用者ニーズを反映したサービス内容の見直し・向上のためのスキルアップと、ONP財政の安定
4-②.北 区 事 務 所 での活 動 支 援
比較的小規模のグループ利用が多い北区事務所でのグループ支援は、
「会場利用登録」団体
と、「パートナー登録団体」のうち希望団体に対して、以下のような支援を行う。
なお、引き続き北区事務所の積極活用に向けて環境整備と事業開発を具体的に進めるとと
もに、利用団体同士や事務局との交流の場や話し合いの機会も積極的に設ける。
◆「会場利用登録」団体への支援
① 北区事務所における会議室の提供(少額の協力金制)
② 北区事務所でのロッカー等の有償貸与、レターケース・印刷機器などの備品の無償提供(消耗品
は実費負担)
③ 北区事務所における事務所機能の代替、情報提供など
④ 「ボランティア保険」の受付、広報協力など、非登録グループへの援助
⑤ 市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』の購読料優待割引(半額割引)と会員誌『The ボラ協』の無
料送付
⑥ 大阪NPOプラザ(ONP)会議室の優待割引(2割引) など
- 20 -
2009 年度事業計画(詳細)
【5.企業市民活動推進センター部門】
企業市民活動推進センターでは、2008年度に統合した「フィランソロピー・CSRリ
ンクアップフォーラム」の開催を軸に、09年度も、企業市民活動の更なる発展を目指し、
企業の社会貢献活動及びCSR担当者への啓発活動のための情報発信や運営の工夫も行う。
1)「企業の社会貢献」「CSR」活動全般のコンサルテーション(企業・労働組合担当者の支援)
と資料の充実
① 相談対応(企業市民活動全般の考え方・概念整理、他社・組合の事例などの情報提供など【強化】
② 推薦・信用保証(支援・協働対象となるNPOの推薦、情報提供など)
③ 企業市民活動支援のための総合的なツールづくり
④ 「障害者週間協賛行事」大阪実行委員会への参画
⑤ 企業市民活動に関する資料収集と調査、既存資料の整理・充実の作成
など
2)企業の社会貢献担当者の研修・研鑽活動支援
① 「フィランソロピー・CSRリンクアップフォーラム」の開催(偶数月・第2火曜日)
② 「リンクアップ・ジュニア」の開催支援(不定期)
③ 「CSR報告書ダイヤログ」の開催支援(不定期)
3)CSRの推進に向けたネットワーク構築
① 「CSRを応援するNPOネットワーク」の活動推進(CSR による「バイコット」推進の研究会など)
② 「NPO/NGOのための社会的責任向上ネットワーク」の活動推進
など
4)社員・組合員のボランティア活動の支援
① 研修企画:企業人向けの社内ボランティア・NPO講座の企画・開催、施設・団体などでの体験活動
プログラムのコーディネーション
② 勤労者ボランティア活動推進支援:コーディネーション事業との連携【新規】(再掲)
③ 情報提供:企業人が参加しやすい活動情報などの提供(「主に関西!ボランティア・市民活動情報ネ
ットワーク」やメールマガジンなどによる情報収集と発信)
5)NPOと企業(人)のパートナーシップ作りの促進
NPO推進センター部門との協働で寄付・寄贈品仲介や、研修の機会提供
【6.情報提供・出版・市民シンクタンク事業】
市民活動の広がりと関心の多様化や変化の激しい活動環境のもとでは、分野を超えた具体
的な活動情報の提供、政策提言(アドボカシー)などの重要性は、ますます高まっている。
市民活動総合情報誌『ウォロ(volo)』発行事業では、2009年度、購読料の改訂を行う。
また、新規コーナーとして、「ファンドレイジング入門」
「おしゃべりアゴラ」
「某覧提案」等
の連載を開始し、さらなる紙面充実に取り組む。
出版部門では新刊『NPOの広報(仮)
』の発行の他、4冊の新刊の編集を進め、創立40
周年記念事業の一環として、創立15周年記念出版物である『ボランティア=参加する福祉』
に代わる新たな「総合的理論書」発行に向け2008年度にスタートした研究会を進める。
さらに市民シンクタンク事業では、新たな「研究所」の開設を目指すとともに、企業のC
SR活動推進に関する研究受託などに加え、仏教教団(真如苑)の委託を受け、その社会貢
- 21 -
2009 年度事業計画(詳細)
献活動のあり方についての研究を進める。
1)情報収集・提供事業
① 市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』の発行(年10回)
② 「ボランティア・市民活動ライブラリー」の運営
③ 「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット(KVネット)」の運営【再掲】
④ 協会ホームページ「ぼらやねん」の運営
⑤ 協会イベントなどのビデオ制作と映像発信
2)研究・出版事業
① 新刊『NPOの広報(仮)』の発行
② 新刊『ボランティアコーディネーションの世界』の編集着手
③ 新刊『ボランティアコーディネーター~市民参加を支える仕事』の編集着手
④ 中央法規出版刊 『福祉小六法』の編集
⑤ その他、執筆者や企画内容・編集体制などに応じて、時宜に応じた出版物の編集・発行
⑥ 新刊 「ボラ協の理論本(仮)」出版のための研究会の運営 など
⑦ 既刊図書の増刷 3~4点
3)市民シンクタンク事業
① 「将来ビジョン検討委員会」の答申をふまえた、新たな「研究所」の創設(2009年秋の予定)
② 企業のCSR活動推進に関する研究受託
③ 真如苑社会貢献アドバイザリー委員会事務局業務の受託 など
【7.国 内 外 のネット ワ ーク 推 進 事 業 】
2009年度も、各センターでさまざまなネットワーク構築に取り組む。また大阪府・大
阪市などとの連携や各地の推進機関への役員派遣などを行い、相互の連携を深める。
一方、市民活動推進に関する海外先進事例の把握・国内への紹介、および日本の取り組み
の世界への発信は新たな手法や内容を模索する。具体的には、英語情報強化チーム「Eボラ」
による英文ホームページの運用、英文パンフレットの作成などに取り組む。また姉妹団体で
ある「韓国自願奉仕聯合会」との連携事業などに取り組む。
1)国内ネットワーク(連絡調整・支援・共催後援)事業 (他章紹介分を除く)
① 大阪府、大阪市や現場機関などとの連絡調整、各種審議会などへの委員派遣
② 大阪府社会福祉協議会、大阪市社会福祉協議会、大阪NPOセンター、関西国際交流団体協
議会、NPO政策研究所など、在阪の主要推進機関との連携
③ 国内の関係団体の理事、評議員などへの就任 など
2)海外ネットワーク事業
① 英語情報強化チーム「Eボラ」による英文版ホームページ、英文版パンフレットの編集。また、ボラン
ティア活動におけるリテンション(定着)に関する英語文献を翻訳し、NPOへのボランティア参加促
進をすすめる「Nボラ事業」や「勤労者のボランティア活動促進事業」に生かす。
② 韓国自願奉仕聯合会(姉妹団体、本部・プサン)との連携(2010年1月に韓国で姉妹血縁記念事業を実施)
③ 「インターナショナル・ボランティアネットワークセミナー2009」(ユニベール財団主催)への企画協力
- 22 -
2009 年度事業計画(詳細)
2.事 業 を支 える組 織 と財 政 の強 化
1.人 的 な事 業 推 進 体 制 の充 実
協会の事業推進は、専従職員とともに約150人のボランティアが事業推進と組織経営に参画
する「自発性を核とする事業推進態勢」-「参加システム」をとっている。2009年度も、そ
の充実に努め、「会員総会」はもとより、各種の運営委員会や「一泊予算会議」「事業計画会議」
などの合宿会議を開催する。また、研修事業を充実するため、新人ボランティアを対象とした集
合オリエンテーションを「Nボラ」チームが実施する。
また、事務局体制の強化も大きな課題である。2009年度も風通しの良い事務局運営の
徹底に加え、従来から実施してきた「同一価値労働・同一賃金」の体制を維持する。また新
たに事務局主幹、事務局主任を任命して、体制を強化する。さらに職員の人材育成策として
は、集合研修とは別に自主研修枠として年間日数・補助金額を設定し、その範囲内で各職員
が自分で受講計画を立てる自主研修制度を継続実施する。
また、協会運営の土台となるのが会員の存在だ。200 9年度も、総会や会員誌『The ボ
ラ協』の他、会員メーリングリストを生かして会員と協会の距離を縮めるとともに会員同士
の相互交流を図り、会員制度の充実に努める。また、会場利用登録グループやパートナー登
録団体なども、北区事務所利用団体のメーリングリストの運用などにより、情報提供や相互
交流を活発化して、協会との間に“支え、支えられる”関係を生み出すよう努力する。
1)市民参加による組織経営と事業推進体制の整備
① 「理事会」「評議員会」「監事会」の開催
② 「会員総会」の開催(“参加しがいのある総会運営”の工夫)
③ 「常任理事会」「常任運営委員会」を毎月開催
④ 「コーディネート事業戦略推進委員会」「市民力向上事業戦略推進委員会(仮称・【改組】)」「NPO
基盤整備戦略推進委員会(仮称・【改組】)」「企業市民活動推進センター運営委員会」「研究所運営
委員会【新設】」「財務・基金運営委員会」などの開催
⑤ 新人アソシエーターを対象とした集合オリエンテーションの充実
⑥ 「一泊創出会議」「事業計画会議」の開催(事業「提案」→「企画」→「実行」→「評価」サイクルの定着) など
2)会員の拡大・支援者の確保
① 「会員拡大プロジェクト」の実施(6~9 月)、および専用サイトの立ち上げ
② 新たに作成した「会員募集パンフ」を活用した個人会員、団体賛助会員の拡大に向けた努力
③ 会員誌『The ボラ協』の発行、「会員メーリングリスト」の活性化など会員へのサービスの充実
④ 会員向けブログ「会員広場」の充実
⑤ 会員コミュニケーションチームによる会員とのコミュニケーション向上
⑥ 会費自動引き落としサービスの普及 など
3)事務局体制の整備
① 「事務局会議」「事務局マネジャー会議」等による風通しの良い事務局体制の確立による体制整備
② 職員の「自主研修制度」の発展
③ 就業規則の再見直しへ社会保険労務士も加わった「作業チーム」発足 など
- 23 -
2009 年度事業計画(詳細)
2.財 源 の確 保 と財 政 運 営
2009年度、協会の予算規模は、前年よりやや縮小するものの、年間1億7千万円を超
える水準となる。
図E 当期収支の推移
ただし、個人会
費、賛助企業会費
の減少が続く他、
16000
大型受託事業の
15000
終了などから、単
年度での支出超
過が予想され、積
立金の取り崩し
14000
13000
によって、ようや
く収支の均衡を
はかる状況であ
る。収入源の開
発・拡大が喫緊の
課題となってい
る。
12000
11000
10000
そこで、「理事
会」
「常任理事会」
「常任運営委員
会」「財務・基金
9000
8000
運営委員会」を中
心に、協会の経営
7000
を総合的に把握
し、適宜、対策を
6000
当期
収入
とる。
協会が自由で
創造的な事業を
展開する上で収
5000
当期
支出
4000
支バランスの確
保は不可欠の条
件だが、以下のよ
うな対策を講じ
収支
差額
3000
2000
て、事業の安定的
な推進に努める。
具体的には、ま
ず会費・寄付金な
ど使途を限定せ
ずに協会事業全
1000
0
-1000 65 67 69 71 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09
- 24 -
2009 年度事業計画(詳細)
体を支える財源比率が低下している状態を打開するため、協会と関わりの深い企業との連携
を深める他、引き続き個人会員の維持・拡大と会費の増額(かつての「維持会員」制度に類する複数
口化の要請など)、郵便局や近畿労働金庫の自動引き落としシステム利用の普及などに努める。
また事業収入の柱となっている講師派遣事業についても、協会の研修機能を整理した上で
「市民力向上戦略推進委員会(仮称)」において検討。体系的にパッケージ化するなどして、
新たなニーズの発掘に努める。
また、自治体、企業などからの事業受託の増加などに見られるように協会の「シンクタン
ク」機能への期待は高まっており、この機能充実により、新たな委託元開拓に努力する。
さらに、事業単独では赤字となっている市民活動総合情報誌『ウォロ(volo)』の購読料を
年間5,000円(従来は 4,000 円)に改定し、紙面のさらなる充実とともに購読料収入の拡大
に努める。さらに、ここ数年、出版事業・講師派遣事業とともに総合的な販売促進策を進め
た実績を生かし、収益の安定確保を図る。
書籍販売では、講座や授業などで大量購入が見込まれる書籍の販売拡大に努め、ストック
的な事業収入の拡大をめざす。
さらに、シンクタンク事業を積極的に広報するなどして新たな受託事業に取り組むことで、
協会の専門性を生かすとともに収支改善に役立てている。
また、市民活動推進センター(仮称)として機能再編を行うにあたり、パートナー登録制
度や会場利用登録制度(2001 年度開始)、寄贈品仲介プロジェクトなどの支援メニューの見直
しに取り組む。
さらに、北区事務所は利用グループ・団体の自主運営の要素を高め運営コストを抑制する
とともに、同事務所の立地や意義を生かした新事業で運営を支えることも模索する。
なお、資金回収コストの低減と送金の容易さをはかるため、クレジット決済、電子決済の
導入についても研究を進める。
以上を含め、財政の健全化に向けて、以下の点に努力する。
1)収入の維持・拡大
① 会員募集パンフレットと会員サービス向上による個人会費収入の拡大
② 企業向け総合パンフレットを活用した「賛助企業開発チーム」による企業への働きかけ強化
③ 市民活動総合情報誌『ウォロ』の購読料値上げ
④ 出版事業における新刊発行
⑤ シンクタンク事業を中心とした新たに委託事業への着手
⑥ 助成金申請などによる財源確保 ほか
2)支出の抑制・適正化
① 事務局内の連携強化、外注活用による総人件費の抑制
② 日常的な収支管理体制の強化 ほか
3)財務管理体制の整備
① 「財務・基金運営委員会」の運営
② 顧問税理士の委嘱と「経理チーム」による財務管理体制の確立
③ コンピューターを活用した経理管理体制の徹底(出版販売部門での販売管理充実) ほか
- 25 -
2009 年度事業計画(詳細)
図F
協会財政の推移(大科目ごとの概要:単位=千円)
<収入の部>
<支出の部>
事業
収入
50000
正職
員費
50000
45000
45000
市民・
財団
系
40000
嘱託
職員
費
40000
35000
35000
30000
企業
系助
成
管理
費
行政
系補
助
事業
費
CB創
出支
援
CB
創出
支援
ONP
事業
収入
ONP
事業
費
30000
25000
20000
25000
20000
15000
10000
5000
0
160000
150000
140000
130000
次期
繰越金
CB創
出支
援
CB創
出支援
ONP
事業
収入
100000
行政
系補
助
90000
基金
利息
10000
130000
ONP事
業費
120000
事業費
100000
110000
80000
60000
50000
嘱託
職員費
市民・
財団
系
20000
140000
70000
企業
系助
成
30000
150000
ONP嘱
託職員
費
60000
40000
0
管理費
事業
収入
50000
5000
90000
80000
70000
10000
160000
積立
金取
崩
120000
110000
15000
40000
応援C
職員
30000
正職員
費
10000
20000
0
0
0
5
0
6
0
7
0
8
0
9
予
算
- 26 -
0
9
予
算
0
8
0
7
0
6
0
5
2008 年度事業報告(総括)
C.2008年度事業報告
1.特に重点的に取り組んだ事業
2008年度も事業計画にもとづき精力的に各事業の推進に取り組んだが、以下の5事業
については、事業計画上の重点事業として特に力を入れた。
(1)創立50年を見据えた「将来ビジョン」の取りまとめ
事業計画で詳しく解説しているが、創立50年を迎える2015年を目標年度とする「将
来ビジョン」づくりを進めた。
その結果、協会自身の努力
の影響もあって、ここ20年
間で協会を取り巻く環境が
大きく変化したとの分析が
進むとともに、協会が従来か
ら重視してきた視点である
「個人(市民)にこだわった
事業展開」をあらためて進め
ることの重要性が確認され、
①“従来の中間支援団体の
08年夏には検討委員会で合宿を実施。目指すべき社会像を探った。
枠”を超えて現場の課題と積
極的に結びつくプロジェクト、②勤労者の市民活動参加に向けた環境を抜本的に改善するプ
ロジェクト、③市民活動の実践を支える研究所の創設、④広く一般市民に市民活動への関心
と参加を促すポータルサイトの開設という4つのコア事業を設定することとなった。
今後、さらに具体化に向けた検討を重ね、順次、事業化を進めていく。
(2)人権擁護に関わる取り組みの充実
自殺者が11年間連続で3万人を超えるほどの生活困難の深刻化が進んでいるが、その背
景には経済的な苦境に加え、
「生きる意味の不況」と言われる自らの存在感の希薄化もあると
されている。
「生きる意味」を確認し直す上で市民活動に参加することの意味は大きいが、協
会では一般の活動参加相談に加え、特に北区事務所ではアルコール依存症や薬物依存症など
に関わるセルフヘルプ活動も活発に取り組まれている。多様な立場の人々が排除されない「広
場」として、「拠点」としての取り組みを進めた。
もちろん、こうした活動に加え、市民活動総合情報誌「ウォロ(volo)
」などでの報道でも
“反貧困”に取り組む「プレカリアート」(“不安定な労働者階級”を意味する言葉)の活動
- 27 -
2008 年度事業報告(総括)
を特集するなど、具体的な人権課題の解決に向けた活動の応援にも力を入れた。
なお、総会記念講演会で山口県・光市での母子殺人事件に関する事件報道の問題を扱うな
ど、私たちの人権感覚を高めるための取り組みも進めた。
(3)社会的責任向上に向けた活動の推進
協会も発起人となって2005年に発足した「CSRを応援するNPOネット」でも企業
の社会的責任(CSR)向上を向けて同業他社とCSRの充実度を比較する調査シートの作
成に取り組み、この調査結果を活用してボイコット(不買運動)ならぬ「バイコット」
(価格
や性能だけでなく、その社会的健全性によって商品やサービスの購入を決める運動)を進め
るための準備を進めた。
一方、財界、労働界、消費者、政府、NPO/NGOなど多様な利害関係者間の積極的対
話でSRを高める「安全・安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議」
(下
図)の設立準備に関わるとともに、この場でのNPO/NGO関係者の発言力を高めるため
「社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク」の組織化を進めた。「円卓会議」は
2009年3月に発足したが、協会からも総合戦略部会の部会委員を派遣するなど、市民活
動サイドからの発信に努力する。
図G「社会的責任に関する円卓会議」の構成図(国の審議会ではなく、NPO/NGO、経済界、労働組合、
消費者団体、金融セクター、政府、専門家など多様な立場の委員が対等な立場で共通課題を議論する場だ)
専門家委員
行政委員
事業者団体委員
金融セクター
金融セクター委員
セクター委員
円卓会議
労働組合委員
消費者団体委員
NPO・
NPO・NGO 委員
各グループで委員候補
グループで委員候補を
委員候補を選出
グループ別ネットワーク
個々のネットワーク
個々のネットワーク
個々のネットワーク
参画・意見
個々の団体・組織など
個々の団体・組織など
説明責任・啓発
市 民
説明責任・啓発
参画・意見
参画・意見
説明責任・啓発
説明責任・啓発
参画・意見
個々の団体
個々の団体・組織など
団体・組織など
個々のネットワーク
協力要請
個々のネットワーク
選出
協力要請
選出
個々のネットワーク
グループ別ネットワーク
(4)若者と勤労者・シニア層の社会参加促進事業の充実
一方、市民活動総合情報誌「ウォロ(volo)」に新設した学生編集の紙面「ウォロバルーン」
- 28 -
2008 年度事業報告(総括)
の充実に努力したほか、2006年度以降、休止していた若者向けプログラムとして、
「おお
さか行動する障害者応援センター」と連携して障害者とともに参加するワークキャンプ「海
と星のキャンプ」を実施。
また、
「関西地区大学ボランティ
アセンター担当者会議」などを通
じて、若者が社会活動を進める環
境整備を応援した。
一方、新たに「勤労者のボラン
ティア活動促進チーム」を立ち上
げ、施設やNPOを訪ねて勤労者
が活動しやすいプログラム作りの
可能性を探るとともに、大阪ガス
グループ福祉財団から受託し「シ
「海と星のキャンプ」の参加者一同。発見が一杯でした。
ニアのための『市民ライター&映
像制作』連続講座」を開講。発信力、取材力を高めてシニア層が市民活動の場と接点を広げ
るプログラムを実施した。
(5)市民参画型組織運営の充実
協会は創設以来、市民参画による事業推進・組織経営を幅広く進めており、これは協会の
特長の一つともなっている。しかし、ここ数年、チームの減少が続き、一人二役、三役…と
いう状態も少なくない状態となっていた。
そこで、
「NPOのボランティア推進チーム」が中心となった参加システムを丁寧に運営す
るための企画と資料作り、ボランティアの公募、研修の工夫などを進めた。この努力により、
新たなボランティアスタッフが多数加わり、協会の事業推進に新たな活力をもたらすことと
なった。
(6)自立的財政確立に向けた努力
2008年度は大阪府からの大型受託事業の終了などに収支バランスが大きく崩れること
になり、当初予算では積立金の取り崩し分も含めると1,000万円を超える単年度赤字が
見込まれていた。しかし、その後、新たな受託事業に取り組んだ他、講師派遣事業への積極
的な対応、
「ウォロ」の新規購読者確保などの努力を続けるとともに、経費の一層の節減に努
力し、最終的には約200万円の単年度黒字とすることができた。
また、新入会員募集用に新しいパンフレットの作成を進め、今後、これまで長期的に減少
が続いてきた会員を再び増やしていくためのツールとして活用していくこととなった。
以上の他、各事業部門で精力的に事業を展開し、また市民参加による組織運営と財源の確
保に努めた。
以下、各事業ごとにトピックを紹介する。
- 29 -
2008 年度事業報告(総括)
2.各事業ごとのトピックス
協会では2008年度、
「市民エンパワメントセンター」
「NPO推進センター」
「企業市民
活動推進センター」の3部門で、それぞれ市民、NPO、企業に焦点をあてて市民活動推進
の取り組みを進めた。各センターをまたぐ事業実績について、以下に包括的に報告する。
(1)ボランティアコーディネーション事業
ボランティアコーディネーション事業は、
「市民の参画によって社会問題の解決を促進」
「市
民の社会参加の機会を拡大」
「ボランティアコーディネーションの専門性を高め普及」という
3点を目標に事業を展開している。
A.「市民の力による社会問題解決」を多様に応援
市民自らの力で社会問題の解決を進める
ことはコーディネーション事業の柱の一つ
90
だが、2008年度はセクシャルハラスメン
80
ト裁判の傍聴ボランティアなど人権上の配
慮が特に重要な依頼に対してケース検討会
を頻繁に開催して丁寧に対応するなど精力
図H Ⅴ求む依頼への解決率の推移
70
60
的に取り組んだ他、おおさか行動する障害者
50
応援センターと連携した障害者の地域生活
40
支援事業の充実に努力した。
30
03
特に「一般コーディネーション部門」では
04
05
06
07
08
ボランティアや制度の紹介率(図H)も引き続き向上した。ただし、その内訳では情報提供
にとどまるものが多く、今後はより深く問題解決に結びつく取り組みが必要となっている。
B.個々の都合に合わせた膨大なボランティア参加プログラム情報を提供
市民の社会活動への参加機会拡大のため、専任のコーディネーターが個々に相談に応じる
他、ボランティア活動情報データベース「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット」
の運用で、数多くのボランティアプログラ
ムの中から、活動希望者個々人の関心や都
1600
合によって参加したいプログラムを検索
1400
できる仕組みを整備している。
1200
2008年度に情報更新の滞っている
団体からの情報の掲載を取りやめたため、
図I 活動検索サイトの掲載数比較
1000
800
600
掲載数は減少したが、それでも情報のデジ
400
タルデータ化に専従スタッフを確保して
200
運用する本システムの掲載プログラム数
0
03
は国内最多(図I)で、活動志願者の多様
04
05
KVネット
勤労者Ⅴネット
なニーズに応える体制を整えている。
- 30 -
06
07
08
NHKボラネット
2008 年度事業報告(総括)
C.ボランティアコーディネーションの質向上に向け、講座、研究会、研究集会
ボランティアコーディネーションの専門性向上と普及については、もっとも活動参加率が
下がる勤労者の市民活動参加を進めるため、
「勤労者のボランティア促進チーム」を新たに組
織。施設やNPOのヒアリングを進め、活動しやすい環境の整備に向けた調査を進めた。
一方、日本ボランティアコーディネーター協会が進める「ボランティアコーディネーショ
ン力検定」の開発にも協力し、その具体化や検定テキスト作りを進めた。
2.ボランティア、NPO、活動推進者向け研修事業
1965年、日本で最初にボランティア・スクールを開講し、1976年に日本で最初の
ボランティアコーディネーター講座を開講した当協会は、市民学習、市民活動団体の運営・
経営を担う人材の養成、さらにはその活動を応援する専門職の資質向上に一貫して取り組ん
できた。
A.新規講座の開講で参加者の幅が広がる
2008年度は、33種類の研修プログラムで、前年度を上回る158講座を開講。講座
の受講者は2,501人に上った。
この中では新しいタイプの講座開催も多いが、新たな講座として
① 若者と障害者でつくった「お金に換えられない価値を見つける4日間 海と星のキャンプ」
② ゼミ風に運営された「シニアのための『市民ライター&映像制作』連続講座」
③ 会員など支援者拡大策を指南した「あなたの団体の“売り物”を磨き上げるセミナー」
④ 急激な改革を進める大阪府知事の“大阪維新”に対するNPOとの協働施策提案を目指し
て実施した「創
造的なNPO協
働施策に向け
て」
⑤ ボランティア
マネジメントの
実際を検証した
「じっくり検証、
ボランティア受
け入れ実践事
例」
⑥ 緊急学習会「どう
橋下府知事の「維新プログラム」を検証し、ワークショップ形式で、
創造的なNPO協働施策のあり方を話し合った。
なる! 市民活動の未来~新公益法人制度のスタートを前にして」
など、他では取り組まれていないユニークな新規講座を数多く開講した。
この他、「体験! フィールドワーク市民塾」には、従来、市民活動との接点が少なかった
人たちの参加も目立つなど、従来から実施している講座にも多くの参加者があった。
なお、お話の語り手養成講座が開講30年となり、記念の講演会も実施した。
- 31 -
2008 年度事業報告(総括)
B.全国各地に講師派遣。非常勤講師も含めた出講数370件。2万3千人以上が受講。
他団体が主催する講座の企画を手伝ったり、講座に講師を派遣する「講師派遣事業」では、
2008年度、講師派遣のべ270件、非常勤講師での出講101件、合計371件に達し
1か月に30件を超える高い水準となった。
依頼は全国各地の自治体や市民活動センター、企業など様々な機関から要請を受けたが、
その内容では「市民活動団体の運営」や「行政と市民活動との協働」などの内容が増えてい
る。なお、この講師派遣先での受講者数は、のべ2万3,223人に達した。
3.「NPO推進センター」事業(市民活動団体の事業推進力支援事業)
NPO推進センターは、「NPOのマネジメント力向上」「NPO(市民活動)の支援者と
の連携促進」「NPOの活動環境の整備」の3点を大きな柱に、事業を続けている。
A.NPOのマネジメント力向上
NPOの経営力向上のため、
「立ち上げや運営に関わる相談・研修事業」を実施。研修事業
では4コースの「入門研修」、4形態の「運営研修」の他、コミュニティ・ビジネスなどのテ
ーマも含む講師派遣要請159件にも応えた。
B.市民活動の支援者との連携促進
頑張っているNPO関係者が孤軍奮闘状態から脱し、支援者との連携を進められるよう“つ
なぎ役”となることも協会の重要な役割の一つだ。協会は、情報公開を通じて支援者との信
頼関係を築こうというNPOを対象に「パートナー登録」制度を実施。2008年度は10
件の寄贈品仲介、1件の寄付金仲介、4件の助成金・賞の推薦を行う他、助成金の審査委員
派遣は22件にものぼり、
各助成制度を通じて市民活
動団体への助成金提供を支
援した。
また、研修と個別コンサ
ルテーションで支援者拡大
力の向上を進める「社会変
革NPOのための会員・支
援者拡大プログラム in 関
西」も新たに実施し、5団
体の取り組みを応援した。
会員・支援者拡大の戦略をまとめるワークショップ。
C.NPOの活動環境の整備
この他、NPOの活動環境を整備するため、メールマガジン・NPOぼいすの発行や大阪
NPO情報ネットの運営などの「NPOの情報提供事業」、「自治体のNPO関連施策・協働
推進支援事業」、日本NPOセンターをはじめ全国各地の「NPO推進機関への支援とネット
ワーク推進事業」
、認定NPO法人制度の認定基準緩和などを焦点とした「NPOの税・法人
- 32 -
2008 年度事業報告(総括)
制度改革に対する取り組み」などにも努力。また寄付者・支援者確保を進めるファンドレー
ザーの養成と能力向上を応援する「日本ファンドレイジング協会」の創設にも深く関わった。
4.市民活動団体の活動拠点提供事業(大阪NPOプラザ、北区事務所)
市民活動を進めるには、打ち合わせや講座を開ける「会議室」、「印刷機器」や「メールボ
ックス」の整備、それにスタッフが常駐できたり活動備品が置ける「事務所」が必要だ。
協会では、大阪府と連携して大阪における総合的な市民活動拠点「大阪NPOプラザ」
(O
NP、福島区吉野・写真上)を運営するとともに、大阪市の支援を受け大阪市北区総合福祉
センター(北区同心)3階でも会議室や事務所を提供している。
大阪NPOプラザでは、立上期にあるNPOなど27団体に事務所を提供する「インキュ
ベーションスペース・フロア」、多様な市民活動推進団体7団体が事務所を置く「NPO支援
フロア」、それに大小10形態で使える「会議室」、NPOに関するイベント情報やニュース
レターなどを手にできる「情報交流スペース」
「ボランティア・市民活動ライブラリー」など
を備え、総合的な市民活動推進拠点となっている。
一方、長く協会が拠点としてきた北区事務所は2007年春の勤労青少年ホーム閉館以降、
日曜全日と月・水・金曜の夜間が閉館となり一時は利用団体も減少したが、地理的利便性が
良く安価で提供していることから、再び利用団体が増加している。08年度に什器類の寄贈
を受け、より使い心地の良い活動拠点として整備が進みつつある。
5.「企業市民活動推進センター」事業
1991年に創設した「企業市民活動推進センター」部門では、
「社会貢献活動とCSR向
上の取り組み支援」「企業と市民活動とのパートナーシップ構築の促進」「企業人の市民活動
参加支援」の3点を柱に事業を進めた。
A.企業社会貢献活動とCSR向上の取り組み支援
企業市民活動全般にわたるコンサルティングに加え、新たな企画づくりの支援、CSR報
ゆ告書への
第三者コメ
ントなどを
行った。また
社会貢献担
当者を対象
に「フィラン
ソロピー・リ
ンクアップ
フォーラム」
を、CSR担
フィランソロピー・CSRリンクアップフォーラム
- 33 -
2008 年度事業報告(総括)
当者対象に「関西CSRフォーラム」を統合した「フィランソロピー・CSRリンクアップ
フォーラム」を新たに開催。近年のCSRへの関心の高まりを受け、新規参加する企業が増
えている。
B.企業と市民活動とのパートナーシップ構築の促進
NPO推進センター部門と連携して「寄贈品仲介プロジェクト」を実施。企業からは8社
からの申し出を受け、多くの市民活動関係者に物品を提供した。また社員の福利厚生事業で
ある「カフェテリアプラン」のメニューの一つとしてNPOへの寄付活動を仲介する事務局
を受託し、市民活動への資金提供をサポートする取り組みも行った。
C.企業人の市民活動参加支援
企業人の市民活動参加を支援するため、企業主催の社員向け市民活動講座や体験プログラ
ムの企画と講師派遣にも取り組んだ。2008年度は企画・運営の委託が9件あり、講師派
遣を依頼された11件も加えた20件に、31人を派遣した。
D.組織の社会的責任向上(SR)に関わるNPO/NGOへの取り組み
NPO/NGOの立場からのSRのあり方に対する発信力を高めるため「社会的責任向上
のためのNPO/NGOネットワーク」(NNネット)の設立を働きかけ、2008 年5月の設
立後は幹事団体として関わった。
なお、一方で、財界、労働界、消費者団体、政府などともに立ち上げた社会的責任に関す
る多様な利害関係者(ステークホルダー)の協議の場「安全安心で持続可能な未来に向けた
社会的責任に関する円卓会議」の設立準備委員も務め、この円卓会議に出席するNPO/N
GO関係者の代表は、NNネットから推薦することとなった。
6.情報提供・出版・研究事業
変化の激しい社会にあって、状況分析と適切な論説の発信も協会の重要な役割だ。そこで
「市民活動総合情報誌『ウォロ(volo)』の発行」
「映像を通じた情報発信」
「書籍の発行」
「市
民シンクタンク事業」などを通じて、情報の共有と分析、提言の発信、経験の蓄積と体系化
に取り組んだ。
A.市民活動総合情報誌『ウォロ(volo)』の発行
2009年3月号で通巻443号の発行となった『ウォロ』は、2008年度も国際交流、
ボランティアコーディネーション、障害者支援、地球温暖化防止、映画館運営、寄付金税制
など多様な活動分野に関する「特集」や、独自の視点から論説を展開する「V時評」
、それに
ボランティアコーディネーターの実践をレポートする「現場は語る」など多彩な連載コラム
を掲載。多様な
市民活動の実践を情報でつなぐとともに、活動の活性化に向けたオピニオンを発信した。
B.映像を通じた情報発信
2007年度から始めた映像による情報発信部門では、ボランティア活動参加希望者向け
- 34 -
2008 年度事業報告(総括)
のショートドラマ「ボラン
ティア~出会い」などの制
作を行うとともに、そのノ
ウハウをシニア層の社会参
加支援講座で伝え、2つの
短編制作を指導した。
C.書籍の発行
『子どもと学ぶボランテ
ィア』
『NPO/NGOのた
めのCSR入門ハンドブッ
ク』を新たに発刊、
『福祉小
六法 2009』を編集した。ま
ショートドラマ「ボランティア~出会い」の撮影風景
た全57点の出版物の販売により、約779万円の発行経費を回収することができた。
D.市民シンクタンク事業
市民活動の新たな展開を研究するため「勤労者のボランティア活動促進事業」を実施した
他、また協会の知的蓄積を生かした研究受託(積水ハウスから「CSRの今後推進の今後の
あり方調査」、阪急阪神ホールディングスから「ゆめまち基金」助成プログラムの構築支援、
真如苑「社会貢献アドバイザリー委員会」事務局)などにも取り組んだ。
7.人的な事業推進体制の充実
協会は理事会の指示に基づいて専従職員が事業を進めるだけでなく、多くのボランティア
が組織運営や事業推進に参画する体制をとっている。
2008年度も27のチーム、委員会に参加した307人のボランティアと28人の職員
で積極的に事業を展開した。
一方、個人会員は高齢化の影響もあって微減し、年度末には649人となった。
8.事業推進財源の確保
事業を安定・発展させる上で財源の確保は不可欠だが、協会は①個人・NPO・助成財団な
どからの会費・寄付、②企業・労働組合などからの会費、③自治体からの補助金・事業受託
金、④講師派遣事業や講座開催・書籍販売・ONP運営などによる事業収入によって、この
事業資金を確保している。
2008年度は、収入の約7割を自治体以外の民間財源で得、また人件費が抑制されたこ
となどから、当年度収支で書籍在庫分などを除いて約470万円の剰余金があり、全額を次
年度以降の事業資金のために繰り越した。
- 35 -
2008年度事業報告(横断的分析)
3.事業の部門横断的実績分析
協会では2008年度、
「市民エンパワメントセンター」
「NPO推進センター」
「企業市民活動推進センター」と情報・
出版・研究部門の4部門で、それぞれ市民、NPO、企業に焦点をあてて市民活動推進の取り組みを進めた。以下、第
1章から第7章で、その事業実績を報告するが、各センターをまたぐ事業実績について、以下に包括的に報告する。
1.相談・コーディネーション・コンサルテーション事業
2006年度の事務局1拠点化に伴い、2007年度より相談事業を部門横断的に把握・対応する体制の整備に努め
た。以下に2008年度の概要を報告する。
<2008 年度の主な特徴>
○生活保護や生活保障に関連する相談の件数は、昨年度と同水準(22 件。昨年度 24 件)だったが、緊急性の高い相談
や、関連する寄付寄贈などの相談が目立った。
○個人からの相談が微増し、団体・組織からの相談が減少した。
○2008 年度の総相談調整回数はのべ2,192件で、前年度より108件減少した。
<基礎データ>
調 整 時 間:約820時間(前年度比215時間減。1件につき最短1分~最長 70 時間。個人:団体=411
時間:409 時間)
受 付 件 数:1,169件〔同 178 件減。個人 516 件(同 17 件増)、団体 653 件(同 196 件減)〕
調 整 回 数:2,192回〔同 108 回減。個人 1,152(同 1 回減)
、団体 1,040(同 711 回減)〕
最少 1 回~最多 354 回)
平均調整時間:約 37 分/回(同 15 分/回増)
(1)相談者の属性分析
1400
※以下、受付件数(N=1169)を母数(100.0%)とする。
図A-1 相談者の属性
14
図A-2 相談者の地域
1400
42
31
129
89
1200
100
1200
9
27
18
22
その他
154
140
57
1000
180
96
117
不明
1000
143
施設
不明
93
129
近畿外
800
800
教育・研究機関
429
365
307
304
行政
600
近畿
600
支援組織
400
400
大阪府内
企業、労組
499
557
516
NPO、個人事業者
200
503
200
大阪市内
個人
0
0
07
07
08
08
相談は「個人」と「NPO、個人事業者」「企業」からが
相談の7割近くが大阪府内からのものだ
最も多く、次いで行政、支援組織、施設と続く。
が、府外からの相談も約2割ある。
- 36 -
2008年度事業報告(横断的分析)
① センター別、相談者の内訳
相談者の内訳を表A-1に示す。なお、1人の相談者が多様な相談を寄せる場合や多様な対応をする場合、KVネ
ットで団体情報のみを掲載している団体などがあり、合計数は総相談調整回数(2,192件)と一致しない。
表A-1 センター別、相談者の内訳(N=1,169、カッコ内は 2007 度実績)
市民エンパワ
NPO
企業市民活動
メントセンター
推進センター
推進センター
個
人
450(417)
63(82)
3(0)
合
計
%
516
(
499)
44.1(37.0)%
NPO・個人事業者
63( 64)
237(356)
7(9)
307
(
429)
26.3(31.8)%
企業・労組/メディア
27( 26)
40( 46)
50(81)
117
(
153)
1.0(11.4)%
行
政
24( 21)
29( 61)
4(7)
57
(
89)
4.9( 6.6)%
織
24( 22)
65( 77)
7(1)
96
(
100)
8.2( 7.4)%
施設・公益法人
15( 22)
3( 18)
0(2)
18
(
42)
1.5( 3.1)%
教育・研究機関
13( 20)
13( 10)
1(1)
27
(
31)
2.3( 2.3)%
そ の 他 ・ 不 明
21( 1)
10( 4)
0(0)
31
(
5)
2.7( 0.4)%
620(593)
426(654)
24(101)
1,169
支
援
合
組
計
② 関係者からの相談件数
総相談件数の17.8%(208件)
は関係者・団体からのものだった。日
頃から関係の深い「パートナー登録会
員」からの相談が最も多く、次いで「O
NP入居団体」が多い。日頃から情報
のやり取りをしたり顔の見える付き合
いの多い団体・個人からの相談件数が
図A-3 関係者・団体からの相談件数(N=208)
27
個人会員
14
賛助団体・企業
75
パートナー登録団体
12
KNN登録
23
CCCフォーラム会員
47
ONP入居団体
6
北区会場利用
4
その他
多いことがうかがえる。
0
(2)相談者の紹介経路
事業関係者
の問合せが 37.9%と最も多いが、
「ウェ
ウェブサイト
協会ウェブサイト「ぼらやねん」
「大阪
NPO情報ネット」の重要性がうかが
える。
10
20
30
40
50
60
70
80
図A-4 相談者の照会経路(N=1169)
協会になんらかの関係のある人から
ブサイト」を見ての問合せも 16.2%あり、
(1,348)
443
189
116
DM/チラシ
行政・便利帳
12
59
ONPに来館
施設・団体
49
知人の紹介
47
講座受講者
45
メディア
22
支援機関
22
電話帳・案内「104」
33
不明
(3)相談概要の分析
99
33
その他
0
① 主な相談ニーズ
a)機能別センター別分析
センター別受付件数は市民エンパワメントセ
ンター(CEC)受付分が5割、NPO推進セン
600
ンター(CCC)受付分が1割であった。市民エ
100
150
200
250
800
700
ター(NC)受付分が4割、企業市民活動推進セ
50
300
350
400
450
図A-5 センター別機能別の相談概要・全体(複数回答、N=1169)
500
照会
コンサルテーション
コーディネーション
186
94
48
129
31
453
400
92
ンパワメントセンターは「コーディネーション機
能」を、NPO推進センターと企業市民活動推進
300
503
センターは主に「運営相談・コンサルテーション
200
機能」を担っている。
100
255
477
24
192
113
53
49
08
07 CCC
0
07 CEC
- 37 -
08
07 NC
24
16
32
08
2008年度事業報告(横断的分析)
※ ここでの「コーディネーション」とは、主に人と人、人と組織、組織と組織などをつないだり、情報を提供したりする相談事業をさす。
たとえば、ボランティア活動希望者やボランティア・NPOの応援を求めたい場合の調整、寄付寄贈のマッチング、評価・推薦・コメ
ント、広報依頼等をさし、「コンサルテーション」とは、主に組織運営に関する相談やコンサルテーション事業をさす。また「照会」と
は、主に組織や人、制度、仕組みなどに関する問合せをさす。
b)協会に寄せられる主な相談ニーズ
図A-6 協会に寄せられる主な相談ニーズ(N=1169)
ボランティア活動参加希望者からの相談が
24.5%(286 件)。次いで、企画相談や団
体運営のコンサルテーションが16.9%
135
1200
協会事業について
26
50
35
(195 件)、ボランティアやNPOの応援を求
77
める相談やNPOのサービス利用を目的とし
た相談は13.7%(160 件)で、これら上位
その他
25
1000
3件で相談ニーズの半分以上を占める。
800
78
市民活動の施策に取り組みたい
21
122
44
48
広報協力してほしい
67
80
120
82
CSR・社会貢献に取り組みたい
125
NPOを設立・起業したい
160
団体・ヒトの問い合わせ
172
600
400
266
事例・人材を探したい
195
V・NPOの応援求む/サービスを
利用したい
企画・運営・コンサル相談
200
303
286
ボランティア・寄付したい
0
07
08
c)相談概要の分野 (図A-7)
d)寄付寄贈の内容 (図A-8)
協会では分野を問わず多様な相談に応じているが、従来から強み
寄付寄贈の相談件数は46件。うち、文房具
をもつ「保健・福祉・医療」と「中間支援」分野における相談で
やプルタブなど生活用品の寄贈相談が最も多
約4割を占める。08 年度は、国際協力・交流に関する相談が増加
い。不況の影響か、衣料の寄贈相談が減少し
している。これは、外国籍の生活困難者からの相談が増えたこと
た。
が影響している。
図A-7 協会に寄せられる相談内容の分野(複数回答、N=1169)
不明
72
1200
21
97
1000
354
50
その他
99
143
図A-8 寄付寄贈の内訳(N=46)
2
2
3
分野指定は特になし
7
40
中間支援
600
23
35
74
38
66
104
400
83
186
20
25
28
33
95
21
学術・文化・芸術
ジェンダー・男女共同参画
まちづくり
400
311
07
9
5
衣料
環境・動物愛護
10
17
17
資金
国際協力・交流
保健・福祉・医療
0
カード類
食料
20
こども・学校教育
200
9
30
104
106
その他
2
人権・平和
800
2
08
生活用品
0
07
- 38 -
08
2008年度事業報告(横断的分析)
(4)対応
① 相談方法と対応結果
電話による相談が約5割を占める。面接をはじめとする対面対応は約4割。メールによる相談は、遠方からの相
談や簡単な照会のものが多い。継続・保留になるケースは1%程度で、多くが年度内に対応が完了する。説明・情
報提供や、団体や人を“つなぐ”機能が9割を占める。
A-9 相談方法の内訳(N=1169)
図A-10 対応結果の内訳(N=1169)
その他, 11,
1%
メール, 75,
6%
完了・他, 55,
5%
※.相談者の属性別分析
その他, 1, 0%
説明・情報提
供, 812, 69%
図A-11 個人の相談者の年代別・性別(N=516)
10代以下 2 1
(1)個人の相談者からの相談内容
5
10代
10
1
39
20代
① 個人の相談者属性
a)個人の相談者の性別は、女
40代
性 259 人、男性 243 人と若干
50代
女性が多い。年代別では依然
30 歳代の女性からの相談が
b)個人の相談は、「勤労者」
39
1
53
51
40
70代以上
7
不明
28
男性
女性
不明
8
13
11
0
性の割合が高い傾向がある。
2
62
39
60代
最も多いが、60 歳代以上で男
49
45
30代
10
20
40
60
80
図A-12 個人の相談者属性(N=516)
高校生
16
大学・専門学校
る。また、不明が多いのは、
電話による相談が相談の半
数を占めるためである。
4
25
勤労者
29
家事専従
17
男性
女性
不明
1
福祉的就労・作業所 2
図A-13
個人の相談ニーズ
(N=516)
10
16
25
40
400
9 16
10
21
18
22
41
47
無職
21
79
不明
その他
4
90
76
退職者
500
100
中学生以下 4 2
からの相談がもっとも多く
32.9%(170 件)を占め
保留, 11, 1%
紹介・仲介,
275, 23%
電話, 613,
53%
対面, 470,
40%
継続・他, 21,
2%
89
5
その他 1
0
50
100
150
事例・ヒトを紹介してほしい
20
協会・ONP事業について
104
② 個人からの相談ニーズ
122
300
個人によるボランティア活動希望のうち、
「はじめて
企画・運営・コンサル相談
のボランティア説明会」の参加者は91人(18.7%)。
NPOを設立・起業したい
200
ボランティアやNPOの応援を求めたり、NPOなど
のサービスを利用することを目的とした問合せが、ボ
274
267
団体・ヒトについて問い合わせ
100
ボランティア・NPOの応援求む/
サービス利用したい
ボランティア・寄付寄贈したい
0
07
08
- 39 -
ランティア活動希望者に次いで多い。
(← 図A-13)
2008年度事業報告(横断的分析)
図A-14 団体・組織の相談者の属性(N=653)
(2)組織・法人からの相談内容
5
① 団体・組織の相談者属性
800
27
42
「NPO」からの相談が約半数を占め、次いで
31
「企業」「支援センター・社会福祉協議会」と続
700
89
600
100
く。個人事業者からの相談件数の減少は、大阪府
のコミュニティビジネス関連の委託事業の終了
が影響していると思われる。
9
31
27
18
57
500
153
個人事業者
96
施設
400
図A-15 NPO・個人事業者からの相談内容
(複数回答。N=320)
教育・研究機関
117
300
450
その他の問い合わせ
79
不明・その他
行政
200
402
支援C・社協
298
400
36
企業
100
ボランティア募集したい
350
32
300
NPO
0
60
07
協会・ONP問合せ
08
22
63
27
250
助成・資金・会計
34
39
② 団体・組織の主な相談者からの相談ニーズ
200
55
150
84
64
100
50
a)NPO・個人事業者からの相談
NPO設立・ソーシャルビジ
ネス起業・法人格
最も多いのは、NPOの企画・運営相談で25%
を占める。次いで、連携先の団体の問い合わせや設
事例・連携先を探したい
立相談が多い。(←
図A-15)
115
81
企画・運営相談
図A-16 支援センターからの相談内容
(複数回答。N=105)
0
07
08
b)支援センターからの相談
100
協会事業に関する問い合わせは依然多く、25%を
13
6
占める。協会の事業運営そのものに対する関心が高い。
また、他団体の事例紹介や、企画開発に関する相談な
どが多く寄せられている。(→
21
80
その他の問い合わせ
5
11
評価・推薦・コメント求む
24
ヒト・団体・制度問合せ
19
図A-16)
60
21
40
事例・人材・連携先探したい
18
24
企画・組織運営
20
28
27
協会・ONP事業
0
07
- 40 -
08
2008年度事業報告(横断的分析)
c)企業・メディアからの相談
図A-17 企業などからの相談内容(複数回答。N=145)
その他の照会
200
企業からの相談はNPOの事例紹介や連携先の検
17
討、団体の問い合わせが最も多い。ソーシャルビジ
ネスについての相談は、継続して相談に応じたため
件数が増加している。(→
20
図A-17)
23
5
36
50
ボランティアについて
7
23
20
14
4
5
6
5
5
6
7
23
8
ソーシャルビジネス、運営について
21
企画相談
34
07
08
団体・ヒト問合せ
事例・連携先を探したい
評価・推薦・コメント求む
団体・ヒト問合せ
d)行政からの相談
行政からは政策や企画についての意見を求め
15
事例・人材・連携先を探したい
0
07
市民活動に関する概念整理
0
協会・ONP事業について
10
寄付・寄贈したい
17
43
企画相談
15
ボランティアに関する相談
14
概念整理
4
5
13
7
50
30
10
10
31
その他の問い合わせ
60
40
7
13
7
100
70
協会・ONP事業について
7
150
図A-18 行政からの相談内容(複数回答。N=63)
80
評価推薦コメント求む
6
られたり、先進事例や団体・ヒトの問合せや紹介
を依頼されることが多い(←
08
図A-18)
。
2.活 動 支 援
(1)ボランティアグループ、NPOへの物理的な活動支援
福島区事務所(大阪NPO
表B 両事務所での市民活動団体への物理的な活動支援(カッコ内は昨年度)
プラザ)北区事務所とで、
北区事務所
ボランティアグループやN
POなどに、会議室や事務
所の提供、備品提供などで
の活動を支援している。そ
(2)支援団体の内訳
合
計
会議室提供
859 ( 683)
4,132 ( 3,823) 4,991 ( 4,506)
事務所提供
430 ( 505)
2,664 ( 2,577)
3,094 ( 3,082)
備品提供/貸与
267 ( 340)
933 ( 777)
1,200 ( 1,117)
合
の実績を、表Bに示す。
福島区事務所(ONP)
計
1,556( 1,528)
7,729 ( 7,177) 9,285 ( 8,705)
図B 多様化する協会支援団体(N=109団体)
その他
体)と「パートナー登録」
中間支援
こども・学校教育
(80 団体)の仕組みを通 100
じて協会が支援する市民
国際関係
災害
活動団体を、活動内容別
環境・動物愛護
文化・まちづくり
「会場利用登録」(29 団 120
に整理して図Bに示す。
80
1999年の「NPO
セルフヘルプ
推進センター」開設以降、 60
福祉その他
高齢者福祉
団体数が増加し、その活
動分野も広がってきたが、 40
児童福祉
精神障害
2006年度に北区事務
所の使用制約があったこ
20
知的障害
聴覚障害
0
視覚障害
障害全般
とから減少。その後、再
度、増加している。
98
99
00
01
02
- 41 -
03
04
05
06
07
08
2008 年度事業報告(総括)
事業報告書・各章 (事 業 ) の関係
コーディ
学習支援・
活動援助
市民シンク
資質向上
会場提供
タンク
第1章
第2章
第4章
第7章
第3章
第3章
ONPは
第3章
第4章
第6章
第5章
第5章
第5章
第5章
ネーション
コンサル
テーション
市
民
・
市民エンパワ
メントセンター
V
N
P
O
NPO推進
センター
企
業
・
労
企業市民活動
推進センター
組
情
報
提
供
・
出
版
第6章
進
第7章
ボランティアスタッフ+専従スタッフ(組織運営)
第8章
+
国
内
外
ネ
ッ
ト
ワ
ー
ク
推
+
会員・寄付募集+助成団体開拓+事業収入(財務)
- 42 -
第9章
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
1.ボランティアコーディネーション事業
(大阪市委託事業)
「ボランティア活動をしたい」という人に活動の場などを紹介したり、「ボランティアの応援がほしい」
という要請に依頼者と共に問題解決に当たったりするのがボランティアコーディネーション事業である。
事業は、協会が直接対応する“一般コーディネーション部門”と、在宅障害者への応援を中心に「おおさ
か行動する障害者応援センター」と協働で進める“障害者コーディネーション部門”とで取り組んでいる。
2008年度には両部門で、のべ36,565回の調整活動を行った。
1.一般コーディネーション部門
(1)協会での総相談件数
協会のボランティアコーディネーション事業は、①コーディネーターによる直接マッチング、②問い合わせに応じた
団体の紹介、情報提供、③インターネットなどを介したマッチングなどで対応している。その全体像を表1―1に示す。
2008年度は市民エンパワメントセンターとNPO推進センターの一拠点化に伴い、従来、NPO推進センター部門
で集計してきたコーディネーション実績も統合した。また、大阪府国際交流財団からの登録ボランティア制度運営委託
事業が07年度で終了したため、地域の国際化と多文化共生社会の推進に、コーディネーション事業の重点的テーマと
して独自で取り組むことを確認しており、以下では一般コーディネーション部門の中で統合して報告する。
表1―1 協会に直接寄せられた相談の内訳 ()内は 2007年度 ※講師依頼調整は2章で報告
応援を求む
Co仲介
受
付
調
整
Ⅴ活動をしたい
電子媒体
153
(152)
701
(731)
744
(958)
744
(958)
Co仲介
その他
電子媒体
275 13,916
(249)
(11,339)
384 28,120
(457)
(45,240)
広報依頼
204
(―)
328
(―)
講師依頼
4,445
(4,311)
4,445
(4,311)
合
247
(264)
226
(254)
計
19,984
(17,273)
34,948
(51,951)
(2)コーディネーターが直接関わった相談への対応
まず、コーディネーターが直接関わった相談への対応について「応援を求
める」依頼と「活動したい」相談について、それぞれの実績を報告する。
図1-1 依頼者の住所推移
不明, 9
他府県,
22
①「ボランティアの応援を求む」相談への対応
大阪市
内, 68
大阪府
内, 54
2008年度にコーディネーターが直接対応した依頼内容と調整内容を、
表1-2に示す。
(以下、カッコ内は昨年度の実績)
表1-2 2008年度のコーディネーターを介した調整件数の内訳
受付ケース数
2008 年度に新たに受け付け
単発・行事援
日常・継続型(前年以
助型
前から継続を含む)
78( 56)
58( 39)
調 整 回 数
V 紹 介 人 数
169(136)
19( 8)
495(506)
65( 61)
その他
合
計
図1-2 調整回数の推移
700
17
153(152)
37
―
701(731)
84( 69)
88
600
137
37
169
500
2008年度にコーディネーターが直接受け付けた応援依頼は153件、
調整回数はのべ701回であった。単発・行事型の依頼は施設や団体からが
多く、調整回数も1~2回で終わる場合が多い。ボランティアの受け入れ、
ボランティアマネジメントを行っている団体にはKVネットの利用を勧める
場合が多い。しかし、受け入れ態勢が十分に整っていない団体・施設からの
依頼の場合、一時的に協会を窓口とするケースもあった。なお「V紹介人数」
はコーディネーターがケースとして受け付け、直接ボランティアを紹介した
実際の人数である。これら以外にも、新聞などの媒体への広報を協力し、ボ
ランティアとつながったケースもある。
- 43 -
97
400
300
89
193
その他
108
136
新規
単発・
行事
型
89
409
200
403
新規
継続
256
100
181
前年
継続
0
05
06
07
08
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
日常・継続型の依頼では、地域のボランティアセンターでは対応しにくい複雑なニーズを抱えた相談者からの依頼や
広域的支援を必要とする依頼があった。その内訳は、新規日常・継続ケース46件、前年度からの継続ケース12件で
ある。2008 年度は人権上の配慮が特に必要な一つのケース(後述の相談事例②)に対して354回、312時間の調整
を行った。このような特別な配慮を必要とするコーディネーションでは、ケース検討会などを実施し、協会としての関
わり方、目指すべきゴールなどを検討し、特に丁寧な対応を行った。その他には、依頼内容に合ったボランティアグル
ープやNPOを紹介してほしいという相談が多かった。
なお表1-2での分類項目は、以下のとおりである。
・単発・行事援助=1~2回の活動で終わる単発ニーズ、又は行事のように一度に多数のボランティアが必要なニーズ
・日常・継続型=個別ケースなど継続的な相談・調整・援助が必要なニーズ
また「調整回数」とは家庭訪問や関係機関に照会などを行った回数の総計である。継続ニーズを他団体や地域のボラ
ンティアセンターに紹介する場合も詳細を複数回にわたって連絡調整しており、単発や行事依頼でも即座に決まること
は少ない。常にアセスメントを行いながら、依頼内容に応じて他機関との間を調整することが重要である。
A.コーディネーターを介した依頼者の所属など
表1-3 08 年度依頼者の所属
依頼者の所属を表1-3に示す。個人の依頼が104件、施設や団体の依頼が49
所属
個人
施設・団体
合計
件であった。施設・団体の相談はボランティア募集依頼が大半であったため、KV
新規
65
49 114
ネットへの登録を勧めることが多かった。個別調整を担当するコーディネーター
継続
39
0
39
がKVネットも運営し、相談からKVネットへの登録、ボランティア募集とボラ
合計 104
49 153
ンティアの紹介という一連をワンストップで行っている。この仕組みは、ボラン
ティアコーディネーターにとっても様々な団体とお互いに顔の見えるつながりができるというメリットがある。
B.相談内容の分野(前年からの継続分を含む)
施設・団体依頼者の属性を図1-3、個人依頼者の状況を図1-4に示した(個人依頼者は複数の課題を抱えている
場合が多く合計は相談件数を上回る)。個別ケースの依頼者の「付き添い」には、セクシュアルハラスメント被害者支援
などの依頼も含まれる。施設・団体からは、保育所や病院といった公的施設の依頼もあった。社会教育施設からのボラ
ンティア募集依頼も近年増加傾向にある。
図1-4 個人の依頼者
図1-3 施設・団体依頼者の属性
その他, 2
小・中・高校, 2
行政, 1
100
企業, 6
NPO法人, 8
80
29
60
17
7
14
2
5
6
17
23
社教施設, 2
任意団体, 11
社福施設, 9
社協, 8
40
20
0
C.相談への受付後の対応
5
3
2
6
9
15
11
8
6
9
8
6
11
8
9
14
14
05
06
新たに受け付けた依頼153件への対応を図1-5、図1-6に示す
(()内は前年度)。幅広い相談内容に対応するため、コーディネーターの
ネットワーク拡大を心がけた。機関・団体、制度を紹介する場合も、丁寧
なヒアリングをもとに紹介した。募集中・調整中のケースには新たにK
Vネットに登録し、ボランティアを募集している団体も含まれる。
a.ボランティアを紹介 ............................... 35件
b.NPO・ボランティアグループを紹介 ............... 69件
c. 公的制度、関係機関を紹介 ........................ 13件
d. 支援機関(社会福祉協議会、NPO支援センターなど)を紹介
............... 12件
(前年度は a から d 合わせて 123 件)
e.募集中・調整中 .................................... 9件(10 件)
f.依頼者が中止を申し出たもの ........................ 3件( 3 件)
g.紹介・調整できなかったもの ...................... 10件( 3 件)
h.保
3
- 44 -
35
23
07
08
図1-5 対応結果の推移
100%
13
2
10
17
3
3
3
9
5
10
10
17
80%
7
2
12
13
21
52
48
60%
その他
紹介でき
ず
相手が中
止
募集中
1
36
69
40%
71
20%
27
35
9
15
05
06
支援機関
を紹介
制度等を
紹介
68
留 ............................................ 2件( 4 件)
i.その他 ............................................ 0件(13 件)
11
3
2
4
その他
疾病・難病
児童
外国語・外国籍
低所得者
高齢者
重複障害
精神障害
知的障害
身体障害
15
2
5
3
NPO・VG
紹介
Vを紹介
0%
07
08
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
相談内容に応じた説明や情報提供、適切な関係機関を紹介・
図1-6 受付後の対応結果
仲介できた割合(aから d の対応ケースの合計)は、84.3%で
紹介できず, 10
保留, 2
相手が中止, 3
あった。
募集中, 9
なお、
「その他」には、施設などにKVネットを紹介し引き続
き協会が関わるケースの他、知人や親戚から相談をうけ、コー
V紹介, 35
支援機関紹介, 12
ディネーションや社会資源について説明をした後、
「本人が本当
にボランティアを求めているか」の確認を待つケースもある。
NPO・VG紹介, 69
制度紹介, 13
ただしこれらは本人から直接の依頼でないことが多い。
D.ケースへの調整 - 家庭や関係機関への訪問
個別ケースでは「ボランティアの援助が必要か」
「どの面で援助すべきか」など本人の状況や活動内容を確認するため
コーディネーターが家庭や関係機関を訪問。紹介するボランティアが決まった後も引き合わせや活動条件の調整のため
ボランティアに同行する。同じケースでも検討が必要なことが出てきたときに、その都度訪問を行っている。家庭訪問
等の回数は合計22回(前年より3回増加。内訳は大阪市内9回、大阪府内13回)であった。
【コーディネーションの流れ】
①.ケ ー ス 受 付:応援依頼者や家族から、ボランティア情報紙を見たり、知人や紹介などをきっかけに当協会を知
り、相談の連絡がある。
②.訪
問
面
接:個別ケースで、最初の応対(一般に電話)で行政の制度やNPOのサービスなど他の社会資源を活
用しにくく何とかしなければならない問題があると感じた場合、本人と会い状況をたずねる。
③.ア セ ス メ ン ト:面接の結果を受け、ケース検討会などでボランティア募集の是非(ないし可否)、援助する場合
の留意点などを検討する。
④.ボランティア募集:アセスメントの結果をふまえつつ、各種媒体(KVネット、新聞など)に募集情報を掲載する。
あるいは地域の活動拠点やボランティア団体などに働きかけて、ボランティアを公募する。
⑤.マ ッ チ ン グ:募集情報を見た活動希望者に相手の状況を説明しボランティアの役割を説明、共感し合える関係
作りをめざす。活動前に家庭訪問などを通して両者の調整を行う。
⑥.フ ォ ロ ー ア ッ プ:時間の経過とともに課題の変化や発展がある。またボランティア、依頼者双方の意識や事情も変
化する。そこで、一定期間ごとに活動を見直す機会を持つ。
◎相談事例
単にボランティアしたい、あるいはボランティアに来てほしいというニーズも、インテークをしていく過程で、相談
者自身が抱えている心の課題に行きつく事例がある。相談集計では、
「1件」と記載されるだけだが、時間をかけてやり
取りを繰り返し、数か月から数年にわたってエンパワメントにつながる「ものがたり」がある。
(プライバシーの保護の
ため、以下の事例は複数のケースを組み合わせたモデルである。)
相談内容
対応の結果
東北地方に住む医療行為が必要な病気の女性(70 代)
が、治療のため大阪の病院に入院することになり、移
動中に痰の吸引をするボランティアをお願いしたい
と、現地のボランティアセンターから依頼があった。
①
出発地域で、吸引行為ができる看護師を見つけられず、
移動先である大阪(関西)で看護師資格のあるボラン
ティアを探すこととなった。
期日が3日後に迫っている緊急の相談で、関係機関・団体、
心当たりのボランティアに相談し、活動可能なボランティア
を探した。
最終的には、近隣社協のコーディネーターを介して、養護学
校で吸引のボランティア活動をしている看護師がボランティ
アとして現地から大阪に付き添うこととなった。
このケースでは、多くの関係者の迅速な対応と協力で、連携
とマッチングができた。
裁判中のセクシャルハラスメントの被害者からの相
談。公判日に原告支援のボランティアとして裁判傍聴
をするボランティアを募集したいという依頼であっ
② た。依頼者は、裁判中に支援者として寄り添うボラン
ティアがいることで、心の安心や安定につながるとの
こと。協会が窓口となりボランティアを募集すること
になった。
原告を心の支えになりたいと思う人、セクシュアルハラスメ
ントなどが発生する社会のあり方について活動を通して考え
たい人など、さまざまな思いを持つボランティアを活動につ
ないだ。
現在、思いを持ったボランティアが傍聴以外の活動の広がり
を考えているところに、コーディネーターも関わっている。
- 45 -
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
②「ボランティア活動に参加したい」相談への対応
「何かしたい」という意欲も「何をしたらよいか分からない」ままでは活動に結びつかない。思いを具体化する過程
でコーディネーターの丁寧な対応が不可欠である。またコーディネーターが個々に対応する他、より多くの人々が情報
に触れる機会を持てるよう、電子媒体を活用したコーディネーションも行っている。両方の対応はそれぞれのメリット
を生かしながら、補完しあっている。
A.相談受付件数
その他
6%
2008年度に受け付けた活動参加希望
者は275人(前年度 249人)であった。そ
図1-7 活動希望者の内訳
の内訳を図1-7、表1-4に示す。電子媒
体利用の多い20代と30代の相談者はほ
ぼ同数で、全体の50%を占める。性別では
20代から50代で女性が男性を上回り、全
体的にはやや女性の活動希望相談が増えた。
なお、メールなどによるものでは年齢・性
別が不明の場合もある。学生の相談者は減少
し、勤労者が増えていることがわかる。「そ
男性
36%
60
29
50
40
30
17
41
20
不明
男性
女性
16
41
15
16
2
10
0
の他」には、福祉的就労者を含む。
28
女性
58%
18
18
40代
50代
13
8
~10代
20代
30代
2
60代
4
70歳~
6
1
不明
表1-4 活動希望者の内訳=職業別:(前年度実績を( )内に示す)
人
中学生
以下
0
(0)
大学・専
門学校生
36
(17)
高校生
2
(3)
家事
専従
13
(9)
勤労者
114
(114)
無 職
退職者
その他
23
(17)
9
(15)
1
(5)
不
明
77
(69)
合
計
275
(249)
住所別では大阪市内102人(9人減)、大阪府内96人(19 人増)、近畿14人、近畿外6人(昨年度は他府県として
まとめている。)
、不明57人(28 人減)であった。うち来協相談者は142人、電話の問い合わせ118人、メール1
3人、その他2人であった。
直接相談ができた希望者には、KVネット登録団体や協会の個別ケースを紹介する他、地域の中間支援センターを紹
介するなど、具体的な団体や機関、活動を紹介している。希望者の気持ちを活動につなぎ、より身近な課題に関心を持
ってもらうように努めている。
B.希望する活動内容 (複数の活動を希望する人がいるため、希望者数を上回る)
例年同様に、具体的な希望分野は「特になし」の割合が最も多かった。次に希望が多いのは「多文化共生・国際協力/
交流」の分野であるが、このうち3分の1は英語を使った活動を希望した人であった。また「ジェンダー/男女共同参画」
分野で高くなっているのは、前頁の相談事例②について前年度に引き続き積極的な公募を行ったこともあり、活動希望
者32人を紹介した人数が含まれているためである。その他には、社会教育分野、スポーツなどが含まれる。
近年目立つのが、他人とのコミュニケーションの苦手な人が、それを改善するためにボランティア活動を希望する例
である。こうした希望についても、受け入れ施設・団体と活動状況について定期的に連絡を取り合いながら、連携する
ようにしている。
図1-8 希望する分野
68
特になし
36
多文化共生・国際協力・交流
35
子ども・教育
35
ジェ ンダー・男女共同参画
27
高齢者
25
障害者
14
保健・医療・福祉
8
環境・動物愛護
7
障害児
5
人権・平和
3
まちづくり
2
学術・文化・芸術
22
その他
6
不明
0
10
20
30
- 46 -
40
50
60
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
C.対応の内訳
図1-9が275人への対応実績である。また来協での資料提供には「KVネット」を検索してもらったものも含む。
また、効率的に相談に応じるため、集合オリエンテーション『はじめてのボランティア説明会』を開催。2008 年度は毎
月3回(第2火曜昼・夜、第4土曜の朝・7月は強化月間として5回開催)35回(前年31回)実施し、91人(同61 人)が参
加した。説明会参加者への対応を図1-10に示す。複数の対応も多く、合計は参加者を上回る。
図1-9 活動希望者への対応
図1-10 初めてのV説明会参加者への対応
ケース紹介
継続, 6
施設紹介
説明・情報
提供できた,
103
来協面談,
91
12
82
団体紹介
24
講座紹介
紹介・仲介
で来た, 75
2
KVネット紹介
81
資料提供
91
0
20
40
60
80
100
D.ボランティア保険の受付
ボランティア活動中の事故に備えるため賠償責任保険と傷害保険をセットにした保険制度が整備されている。
2008年度は「ボランティア保険」1,036人(前年1,072 人)、
「行事保険」22 件の1,011人(同22 件)、
「非
営利・有償活動団体保険」27人(同34 人)を協会が取り次いだ。
(3)インターネットなどを介したマッチングなど
① 電子媒体を活用した応援依頼対応活動
協会では、インターネットなどの電子媒体を活用したコーディネーションのシステム「KVネット」の充実を進めて
いる。今年度は検索項目の変更など、活動希望者がより使いやすいシステム改善を試みた。また、同種のシステムは全
国にあるが、他システムでは情報の更新をボランティア募集団体による情報入力に依存しているものが多いのに対し、
協会では情報の収集・整理・確認に当たる常勤スタッフを配置している。日々相談に応じるボランティアコーディネータ
ー自身が入力・編集に関わることで、相談者の求めている情報と応援依頼を寄せる施設・団体を有機的に結び付けやすく
なった。協会に送られてきたチラシのボランティア募集に一般市民の参加が期待されている場合には、主催者に掲載を
提案するなど積極的な情報収集に努めている。
このため協会の情報システムの情報掲載数は関西地域を主なエリアとするにもかかわらず、全国エリアのシステムを
も上回る全国トップクラスの豊富な情報量(表1-5)を維持している。
表1-5 電子媒体による主なボランティア情報システムの団体・活動情報数(2009 年3月31日現在)
名
称
主に関西!ボランティア・市民活動情報ネット
大阪ボランティア情報ネットワーク(OVNET)
団体情報数
情報件数
1,480団体
備考
743件 関西圏中心
NHKボランティアネット
―
6 件 大阪府内情報
286 件 全国情報(発信は各団体)
Vivaボランティネット
―
381 件 全国情報(団体登録不用)
714 団体
A.「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット」(KVネット)の運用
協会は 1994 年に活動情報のデータベース「ボランティア情報検索シス
テム」を開発し、関西圏を中心に活動情報の収集・整理・提供を進めた。
また、1997 年には大阪府社会福祉協議会より「大阪ボランティア情報ネ
ットワーク(OVNET)」の「情報センター」事業を受託し、府内のボランテ
ィア活動情報をホームページで公開してきた。しかし、大阪府社協からの
受託が 2002 年度末で終了したため、これを機にこれまで収集した関西全
域の情報をインターネット化し、またNPO自身でもデータを掲載・修正
- 47 -
図1-11 VIS/KVネット掲載情報
1750
1500
1250
1000
750
500
250
0
募集情報数
団体情報数
9
6
9
7
9
8
9
9
0
0
0
1
0
2
0
3
0
4
0
5
0
6
0
7
0
8
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
できる独自システム「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット」
(KVネット。http://www.kvnet.jp/)を立ち上
げ、03 年5月から運用を始めた。本ネットに協賛いただいた企業は第5章に紹介している。
08 年度末の掲載団体情報は1480団体(昨年度 1,476 団体)、活動情報は743件(同 958 件)。更新が滞っている
団体の情報を下ろしたため、情報掲載数が減少しているが、次年度は掲載数増加のための取り組みに重点を置くことにし
ている。なお、08 年度の新規受付登録団体は42団体(同 37 団体)、募集依頼件数は301件(同 372 件)であった。
03年4月からの延べアクセス件数は124,586件(前年度アクセス数より 26,237 件増)に上る。
図1-13 掲載情報の内容
図1-12 掲載情報の分野
医療, 44
当事者団体,
17
その他, 6
講座案内, 21
環境, 68
有償スタッフ
の募集, 33
寄付・寄贈,
45
障害児者施設・
団体, 337
国際交流・協
力, 102
高齢者施設・団
体, 194
当事者活動 イベント・スタ
の募集, 17 ディツアー,
14
災害, 9
【単発】V募
集, 67
【継続】V(会
員)募集, 660
児童施設・団
体, 199
②.電子媒体などを介した活動参加希望者への対応
A.ブログ形式による「関西人のためのボランティア活動情報」の発信
2005 年度より、ブログ形式によるメールマガジンバックナンバーの
図1-14 参加希望対応の推移
60000
240
情報提供を開始。これにより、今まで作成からホームページ公開まで
に時間がかかっていたダウンロードサービスよりも短時間で情報をア
ップできるようになった(2008 年度中のアクセス数
13916件)。
B.メールマガジン「関西人のためのボランティア情報」の配信
488
50000
11339
8139
45000
232
816
協会に寄せられる応援依頼の中には緊急性の高いものもある。その
情報を活動希望者にスピーディーに届けるため、2001年10月よりメー
C
o
対
応
55000
40000
272
4116
ルマガジン『関西人のためのボランティア情報』を発行している。2005
年5月から情報件数を一回平均 3~5件程度に絞って週 1 回とこまめ
に発行し、メールマガジンのメリットを生かした。
・発行回数
40回、情報件数 118件
・利用者数
703人(2007 年度 870 人)
35000
25000
C.勤労者向け活動希望者への対応
415
20000
た、市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』付録としてB5版の「市民
のインフォメーション」を作成した。 表1-6
491
8645
15000
メ
ル
マ
ガ
10000
625
市民のインフォメーション
10
202
37815
7241
7982
3228
5000
24
120
28120
45240
41650
大阪市職員労働組合の機関紙に月2回ボランティア情報を提供。ま
掲載数
情報数
ダ
ウ
ン
ロ
ー
ド
30000
303
大阪市職労・機関紙
13916
14202 14076
10830
4527
0
751
00 01 02 03
04 05 06 07 08
(4)広 報 依 頼 ( マスコミなどとの仲 介 )
表1-7 広報依頼をマスコミに仲介した件数(掲載状況)
毎日新聞(大阪面)、サンケイリビング(「NPOから」欄)
、
大阪セントラルケーブルネットワーク㈱、読売新聞「わいず倶
楽部」に広報依頼のあった情報の提供を行った。特に、「わい
掲載回数
ず倶楽部」への情報提供では、掲載施設・団体担当者からコメ
情 報 数
毎日
新聞
50
148
産経
リビング
12
35
ケーブル
TV
22
24
読売
新聞
51
275
ントをもらい、活動内容のイメージがわきやすいよう工夫した。
2008年度、マスコミへの広報掲載回数は135回。また協会への広報依頼は4,445件に達した。広報依頼の
内訳を図1-15,16に示す(「その他」には、団体紹介パンフ・募金依頼・ホームページ開設の案内などが含まれる)
。
- 48 -
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
なお依頼者の住所は、大阪市内1,507件、大阪府内546件、他府県2,360件、海外10件、不明22件であ
った。
図1-15 広報依頼の内容
図1-16 広報依頼団体の内訳
その他
88
100
4500
助成金案内
37
59
143
4000
300
1069
175
183
3500
書籍案内
199
3000
報告書
321
2500
858
545
368
2000
団体紹介
1500
参加者、V募
集、職員募集
1000
機関誌紹介
支援機関
環境
行政
人権
災害
500
0
04
05
06
07
08
社会福祉
教育
まちづくり
医療
その他
国際
芸術
企業
ジェンダー
2.障害者コーディネーション部門
「おおさか行動する障害者応援センター」の協力のもと、1980 年から大阪市受託事業として行っている。
2008年度は屋内での介助活動である「生活応援」や移動介助「外出応援」など1,617件の要請を受け、うち
70%にあたる1,142件の依頼に対してボランティアの紹介ができた。表1-8にその内訳を示す。
表1-8 応援依頼の調整件数 (カッコ内は 2007 年度実績)
依頼者住所
要請
受付
件数
対応
件数
大阪市内
大阪市外
大阪市内
大阪市外
宿泊介護
164(18)
100( 6)
64(12)
164( 6)
100( 6)
64( 0)
生活応援
宿泊せず
784(1,129)
552( 916)
232( 213)
486( 602)
383( 508)
103(
94)
団体活動応援
179(433)
143(417)
36( 16)
174(432)
138(417)
36( 15)
外出応援
490(703)
349(577)
141(126)
318(551)
247(497)
71( 54)
合計
1,617(2,283)
1,144(1,916)
473( 473)
1,142(1,591)
868(1,428)
274( 163)
2007年度の実績に比べ、生活応援(宿泊せず)の調整件数が300件程度減った。他団体との協力で行うイベン
トなどの調整が少なく、生活応援が減ったためである。それとは逆に宿泊の伴うイベントの調整を行ったため生活応援
(宿泊介護)が増えた。全体として応援依頼は減少傾向だが、入院や通学・通勤の応援など現在の福祉制度では手の届
かない狭間の支援が増えてきている。
【障害者支援のボランティアコーディネーションの流れ】
① 受
付:ボランティアセンターや区役所からの紹介、ほとんどが電話での受付。初めての相談の場合、応援に必
要な情報を聞き取る。希望日の2週間前に依頼の連絡をしてもらう。
② 訪問面接:初めての利用の場合、担当者が応援希望者の家を訪問し、
現在の障害情況や介助の仕方などを聞き取る。
訪問面接
また障害者本人を取り巻く環境なども確認する。
③ 応援者(ボランティア)募集:新規の応援者はタウン誌・ケーブルテレビ・機関紙などで募集する。
応援者(ボランティア)募集
④ 電話調整:登録している応援者に電話で連絡し、活動可能かどうか調整。調整可能な場合、応援者から障害者本人に連絡、
電話調整
両者で調整してもらう。障害者本人には調整が成立、不成立にかかわらず結果を報告してもらう。
⑤ 応援当日:初めての応援者の場合、担当者が同行し障害者本人と応援者を引き合わせる。
応援当日
◎相談事例
障害者を取り巻く環境は、障害者自立支援法によって一定の保障がなされているように思われるが、地域とのつなが
りや社会との接点にまで十分な支援には至っていない。また、学校への付き添いや勤務先への付き添いといった障害者
- 49 -
2008 年度事業報告・詳細編(1.ボランティアコーディネーション事業)
が人として自立を図るために必要な支援は欠けている。障害者支援のボランティアコーディネーションは新たな社会課
題と向き合う時が来ており、今までのコーディネーションを検証し、課題を洗い出し、制度と社会の狭間にいる障害者
支援に取り組む、ボランティア活動ならではの柔軟な対応が必要である。
状況
相談内容
対応の結果
施設入所している下肢欠
50 代 損、精神障害。制度が使え
男性 ず外出できないため、施設
を通じて依頼があった。
施設に入所していることと、住民票が大阪になかったため制度が使えずに施設が提
供する外出しか参加できなかった。近所を散歩したいということや繁華街で食事を
したいなどの希望に対応。本人と相談し、曜日や時間帯などを決定してから応援者
に依頼し、紹介することができた。
発達障害のある小学校2
年生の男の子。新しい場所
に慣れるまで時間がかか
る。
母親からの依頼。学校の授業中に対応してほしいとの相談があった。特別支援学級
ではなく一般学級で授業を受けられるようになるまで本人と付き添ってほしいとの
こと。学校とも相談したが、ボランティアの受け入れにあたり教育の時間中は難し
いとのことで、学校教育時間外での応援者の募集を行った。
8歳
男性
3.ボランティアコーディネーションの水準向上
協会は日本で最初(1976 年)に「ボランティアコーディネーター講座」を開催し、その体系化に努めてきた。こうし
た研修体系の蓄積やノウハウの提供も協会の重要な役割となっている。
(1)ボランティアコーディネーターへの研修事業の実施 (第2章で詳細を報告。のべ149人の受講者があった)
(2)コーディネーション事業戦略推進委員会の開催
目的:ボランティアコーディネーションにおける専門性の向上をはかる。
実績:2008 年5/21、6/25、7/10、8/20、9/24、10/22、11/26、12/25、2009 年1/22、2/25、3/26 計11回
委員:筒井のり子(委員長)
、石井祐理子、岩本裕子、海士美雪、垂井加寿恵、南多恵子、松田明子、早瀬昇、永井
美佳、白井恭子、奈良雅美、梅田純平
(3)ケース検討会の開催
目的:日常コーディネーションにおける主に個人ケースの課題を解決するために、スーパーバイズを行う。
実績:2008 年4/23、6/25、7/23、8/20、9/24、10/22、11/26、2009 年1/28、2/25 計9回開催
委員:早瀬昇、永井美佳、白井恭子、奈良雅美、梅田純平
(4)「関西地区大学ボランティアセンター担当者会議」の開催
開催日:2008 年8/7、11/6、2/17、3/18 計4回開催
会 場:大阪NPOプラザ、立命館大学、佛教大学
参加者:関西大、京都産業大、神戸学院大、桃山学院大、佛教大、立命館大、龍谷大、奈良教育大、聖トマス大の
大学ボランティアセンター担当者、ユースビジョン、協会職員(白井、のべ50人参加)
(5)「勤労者のボランティア活動促進事業」の開催(勤労者のボランティア活動促進チーム)
第7章で詳細を報告しているが、勤労者が市民活動に参加しやすいボランティアプログラム開発に向けて協議した。
(6)NPOのボランティア推進事業
NPOのボランティア参加を促進することをめざしたチームで、①協会のボランティア参加環境の整備、②他のNP
Oのボランティア参加推進を目的に活動。①では、協会のボランティアスタッフが効果的に事業を進められるよう、オ
リエンテーションマニュアルの作成、新人研修の企画・実施、一泊創出会議「アイデア広場」と事業計画会議「このゆ
びとまれ」の企画・運営。また②では、ボランティアの受け入れ状況を把握するため、上記「勤ボラ」チームと連携し
施設・NPOなどにヒアリング調査を開始した。
・委員:今村澄子、岡本友二、岡村こず恵、北埜智久、白井恭子、谷水美香、成田昭博
(7)「日本ボランティアコーディネーター協会」(JVCA)への協力
1983 年に当協会の呼びかけで始まった“京阪神需給調整担当者懇談会”を発展させ、94 年度から「全国ボランティ
アコーディネーター研究集会」
(JVCC)を開催。その常設事務局として2001年にJVCAが発足した。協会は発足
時から運営を支援し、毎月東日本と西日本で交互に開かれる運営委員会に 08 年度は早瀬・白井が委員として参画した。
(8)「インターナショナル・ボランティア・ネットワークセミナー」への代表派遣
2008 年5月13 日~17 日、ユニベール財団主催の同会議が日本で開催され、協会事務局から白井が企画段階から参加
した。ハワイメンバー8人が当協会を含むボランティアマネジメントの日本での現場を視察するとともに日本メンバー
12 人とともに、環太平洋地域のボランティアマネジメントの向上と推進、ボランティアマネージャーや関係者の国際
的なネットワーク形成をめざして情報交換を行った。(82ページに写真)
- 50 -
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
2.ボランティア、NPO、活動推進者向け研修事業
- 市民対象に多様な学習の機会として33コース、158講座を提供。講師派遣371件。
協会は、日本で最初にボランティアスクール、およびボランティアコーディネーター講座を開催した
団体であり、①「一般市民向け」の多様な講座、②団塊の世代などシニア層を対象としたシニア世代「マ
スターズ市民プロジェクト」、③語り・手話などの「技術研修」、④「NPO関係者」向け講座、⑤市民
活動推進の「専門職対象の講座」、その中には「企業の社会貢献担当者向け」講座…と、多様なタイプ
の講座を開講している。
2008年度は、7形態、33コース、158講座を開講、のべ2,501人が受講した。また、他
団体が開催する講座などに371人の講師を派遣。2万3,223人が受講した。
1.研 修 事 業 の全 体 像
市民活動に関する協会の研修事業は、協会主催で各種の講座を開催するとともに、外部から依頼に応え、講座企画・
講師派遣という形で、全国各地で市民活動に関する講演活動(出前講座)を行っている。
その受講者数の推移を図2-1に、主催講座の受講者の推移を図2-2に示す。なお主催講座受講者数はのべ人数
を示している。2008年度は前年度は共催で実施したNPO向けの大規模なフォーラムやイベントがなく、総受講
者数が大きく減少している。ただし共催講座分を除くとNPO推進センター部門での開催分以外は増加している。
図2-1 研修事業の受講者数
図2-2 主催講座の受講者数
人
30000
1100
4000
25000
自治体フォー
ラム
NPOメッセ
共催事業
4500
JVCC
3500
722
20000
NPO向け
3000
844
26705
15000
22501
22658
23583
23203
10000
派
遣
講
座
2500
1070
881
2000
466
600
567
1500
5000
2862
3194
4661
2991
2501
0
04
05
06
07
08
1000
500
628
CCC
538
専門職
449
マスターズ大学
444
若者向け
351
398
438
406
235
102
365
496
391
129
199
04
05
414
30
153
106
313
0
年度
1010
768
366
主
催
講
座
技術系
378
06
44
40
326
07
122
248
72
一般市民向け
08
2.講 座 ・研 修 会 の開 催
協会全体での主催講座数(事務局を担った共催講座を含む)は33コース(前年度は 32 コース)
、158講座(同
120 講座)。のべ受講者数は2,501人(同 4,661 人)にのぼる。
「NPO向け」講座開催数の減少、フォーラムな
ど大型イベントの終了などにより、のべ受講者数が減少した。
【A . 一 般 市 民 向 け の 講 座 : 「 市 民 力 」向 上 の 取 り 組 み】
(1)「はじめてのボランティア説明会」の開催 〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
ボランティア活動希望者の集合オリエンテーションとして、毎月3回(7月は強化月間として5回)、第2火
曜昼・夜と第4土曜の朝に開催。講師は協会のボランティアコーディネーターが務め、08 年度38回開催した。
・受 講 者:のべ91人受講(前年度61人)
・内
容:ボランティアとは?/活動の探し方/活動上の注意点など
- 51 -
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
(2)「定期総会記念講演会」の開催
定期総会時の公開記念講演会として、「光市事件からみた裁判報道の課題」
をテーマに実施した。
・日
時:2008 年 5月24日(土) 10時30分~12時
・講
師:綿井健陽(ジャーナリスト)
・会 場:大阪NPOプラザ
・受 講 者:61人(うち会員以外の参加者 16人)
(3)「体験!フィールドワーク市民塾」の開催
〔大阪市生涯学習ネットワーク事業委託事業〕
市井の人が興味をもつ歴史や文化に関わる領域で、社会課題と市民活動の関
わりを学ぶプログラム。講師の話を聴くだけでなく、現場を歩くことで参加者
がより主体的に学びを深めると共に、社会に対する主体的な意識を醸成し、市
民活動に関わる人を増やそうと開催した。
「定期総会記念講演会」講師の
綿井健陽さん(ジャーナリスト)
第1回 未来ビジョン<新世界とニシナリ>~人びとの意識変革から新たな価値観へ~
・講
師:ありむら潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長)
・日
時:2008 年 9月28日(日) 10 時~16時
・参 加 者:32人
第2回 市民が守り育んだまち・中之島フィールドワーク
~近代建築の宝庫・中之島の魅力を感じ、それを支えた市民の歴史と今を知る~
・講
師:酒井一光(大阪歴史博物館学芸員)
・日
時:2008 年12月 6日(土) 10 時~16時30 分 ・参 加 者:18人
第3回 まちぐるみで町おこし・平野~自分たちの手で守りぬいた平野郷と豊かな文化を体感する~
・講
師:川口良仁(全興寺住職/平野の町づくりを考える会)、粕谷高士
・日
時:2009 年1月25日(土) 10 時~16 時 30 分 ・参 加 者:28人
(4)韓国・企業の「企業市民活動」の現在!(第7章「国内外のネットワーク推進事業」で報告)
18人
【B . 若 者 向 け事 業 】
(1)「お金に換えられない価値を見つける4日間
海と星のキャンプ【新規】
〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
障害のある若者も含む多様な若者が、公園の整備などの「ワーク」に加え「遊び」「交流」をキーワードに
構成したプログラムに参加。互いのインフォーマルな関係の重要性に気づき、自身の変化のきっかけをつかむ
と共に、社会参加の意識を高められる機会とした。
・開 催 日:2008 年
8月25日(月)~8月28日(木)、
・会
場:丹後海と星の見える丘公園
・受講者数:18人(障害者7人、大学生 10人、高校生1人)(のべ72人、他スタッフ4人)
【C . マ ス ターズ 市 民 プロ ジ ェクト】
“シニア世代(主に50~60 歳代前半を想定)”に対し、社会参加で作る新しい生き方を提案する「マスターズ・ボラ
ンティア・プロジェクト」を 2001年度より開始。2009 年度は 2008 年度に続いて「第2回これからのステージを楽し
むためのセミナー」を開催した。
(1)「第2回これからのステージを楽しむためのセミナー」〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
概ね 50 歳代から 70 歳代を対象に、市民活動へ関わる新たな生き方を提案し、生きがいを見つけもらうためのセ
ミナーを開催した。参加者数は12人(のべ36人)であった。
① 入門セミナー「一緒に考え・行動しまひょ!~シニアの市民活動」
・開 催 日:2008年11月22日(土)
・講
・会 場:大阪NPOプラザ
師:松井淳太郎(NPO 法人ごみゼロネット大阪副代表理事)
、奈良雅美(大阪ボランティア協会)
- 52 -
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
② NPO訪問
・訪 問 日:2008年11月23日(日):(特活)シニア自然大学
12月 6日(土):ダーナーズクラブ
12月13日(土):(特活)ごみゼロネット大阪 12月13日(土):なにわ語り部の会
③ 活動に踏み出そう(相談&茶話会)
・開 催 日:2008年12月14日(日)・進行:白井恭子(大阪ボランティア協会)・会場:大阪NPOプラザ
(2)「シニアのための『市民ライター&映像制作』連続講座」の開講【新規】
〔(財)大阪ガスグループ福祉財団 委託事業〕
・講
師:(市民ライター)吐山継彦、華房ひろ子
(映像)下之坊修子(映像発信てれれ)、神吉良輔(スタジオふとっちょの木)
・開 催 日:2008年9月2日~11月4日(火曜日中6回+補講(コース、チームによる)+発表会1回)
・会
場:大阪NPOプラザ(取材は外部)
・受 講 者:市民ライターコース6人、映像制作コース9人(のべ66人)
【D . 技 術 研 修 講 座 】
(1)「お話の語り手講座」の開講(協力:なにわ語り部の会)
「発声練習」
「実技」など基本的な技術を身につける10回連続の講座。
「なにわ語り部の会」
お話の語り手として、
のメンバーを講師に、協会北区事務所など会場で開催した。
<第30期>
・日時:2008 年 6月 7日~10月18日
・受講者:35人(のべ312人)
<お話の語り手講座開講30回記念講演会>:講座開講 30 回を記念して講演会を開催した。
・日
時:2009年 1月 31日(土)
・会 場:大阪NPOプラザ
・講
演:林家染二(落語家)
、海士美雪(NPO 法人あしやNPOセンター)
・受 講 者:96人
(2)「初級手話講習会」(第14期)の開催(共催:手話サークル「つくし」)
まったくの初心者を対象にした8回連続の講座。手話の技法だけでなく、聴覚障害者の置かれた状況についても
学ぶ機会となった。
・日
時:2008 年 7月3日~8月28日(毎木曜夜 10 回) ・会
場:協会北区事務所
・講
師:細溝良和(手話サークルつくし)
・受 講 者:23人(のべ130人)
【E.NPO関 係 者 向 けの講 座 :「組 織 力 ・経 営 力 」向 上 の取 り組 み】
(1)NPO入門研修(NPO法人設立・運営説明会シリーズ)〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
下記のうち「NPO法人の組織のきほんを考える説明会」と「NPO法人になったらやること説明会」は、年
4回、同日に開催。以下の講座の講師は協会職員が務めた。いずれの講座も参加者が減少したのは、地域のセン
ターでの開催が増えたことや、基礎的な知識の理解が広がったことが原因と考えられる。
① 入
門
講
座「は じ め て の N P O 説 明 会」(月2回、定期)
・日
時:毎月第1土曜、第3木曜 10時~12時
・講
師:白井恭子、塚本真美
・受 講 者:計82人(第1土曜:45人、第3木曜:37人)(前年度 101 人)
・内
容:NPOとは?/NPO法人とは?/NPO法人格の取得方法/法人格の長所短所
など
② 法人設立予定者向け講座「NPO法人の組織のきほんを考える説明会」(年4回:第1土曜、13時~15時)
・日
・講
・内
時:2008 年 5月10日、8月2日、11月8日、2009 年2月7日
師:磯野桂子、岡村こず恵(11月8日のみ)
・受 講 者:計 27人(同43人)
容:定款とは?/会員とは?/理事・監事の役割とは?/総会とは? など
③ 法 人 実 務 者 向 け 講 座「NPO法人になったらやること説明会」(年4回:第1土曜、16時~18時)
・日
時:2008 年 5月10日、8月2日、11月8日、2009 年2月7日
・講
師:水谷綾
・受 講 者:計28人(同42人) ・内
容:NPO法人の経理/税金/労務/事業報告 などの基本
④ コミュニティビジネス入門講座「はじめてのコミュニティビジネス・社会起業家説明会」
(年3回:第1土曜)
・日時:2008 年6月7日、9月6日、12月3日(13~15 時)・講師:岡村こず恵・受講者:計8人(同22人)
- 53 -
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
・内容:コミュニティビジネスとは?/最近の動向/事例による事業のポイント/事業の発展イメージ
など
(2)その他のセミナー
アドバンストコースとして、NPOの運営に必要なガバナンス、企画、IT利用、マーケティングをテーマに
講座を開催。運営にさらに磨きをかけたい活動実践者などが参加。
① NPOとしてのガバナンスセミナー「60 分×3本勝負! 総会、事業報告書の作成、監事の仕事総チェック!」
・日時:2009 年 2月 21 日(木) 14時~17時
・講師:水谷綾
・受講者:10人
・内容:総会の運営/事業報告書の作成/監事の役割 など
② 印象に残る「企画書」
「助成金申請書」
「プレゼンテーション」のツボ、徹底的に教えますセミナー
・日時:2008 年 8月30日(日) 10 時~17時 ・講師:岡村こず恵、江渕桂子 ・受講者:18人
・内容:企画の作り方/助成金申請書の書き方/プレゼンテーションの仕方/演習 など
③ Microsoft NPO Day2008[大阪版]
・日時:2008 年 5月11日(日) 13 時~17時 ・受講者:45人
・講師:田中亨(マイクロソフト MVP for Excel/Office TANAKA 代表)
・内容:エクセルの使い方、活動の現場での応用の仕方 など
④ あなたの団体の“売り物”を磨き上げる!セミナー【新規】
・日時:2008 年 9月16日(日) 18時半~21
・受講者:33人
・講師:松本修一(V・マネジメント)
・内容:NPOにとってのマーケティング/団体の使命をデータに
/“売り物”を広報する など
「あなたの団体の“売り物”
を磨き上げる!セミナー」
⑤「ボランティアと向き合うことの多いあなたのためのファシリテーション講座」の開催〔共募配分金活用事業〕
“ボランティアと向き合うにあたって”のファシリテーションの基本的な考え方から具体的な進め方を講義
や演習をまじえて学ぶ講座を、日本ボランティアコーディネーター協会(JVCA)と共催で開催した。
・日時:2008 年 7月27日(日) 10時 ~ 17 時
・会 場:大阪NPOプラザ
・講師:加留部貴行(JVCA、日本ファシリテーション協会、九州大学)・受講者:19人
⑥「緊急学習会 どうなる!市民活動の未来 ~ 新・公益法人制度のスタートを前にして」の開催
市民活動をより発展させるためには、公益法人制度改革、認定NPO法人制度などとどう向き合うか、多く
の市民活動関係者とともに考えた。
・日時:2008 年11月14日(金) 19 時 ~ 21 時
・会 場:大阪NPOプラザ
・講師:松原 明(特定非営利活動法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会)・受講者:98人
⑦「創造的なNPO協働施策に向けて」学習・意見交換会【新規】
(4章に詳細)
・・・・・のべ参加者:69人
(3)市民活動サロン「遊学亭」の開催(市民活動プロデューサー協会との共催)〔共募配分金活用事業〕
毎回異なる「亭主」(コーディネーター)の進行で、亭主自身が注目している市民活動家を招いたサロン。市民
活動に必要な「ひらめき」「新しい刺激・情報」「出会い」「充電」などの機会を参加者とともに共有できるよう、
亭主自身が進行や茶菓子選定などのもてなしを工夫した。各回とも日曜日、14時~17時。会場は大阪NPOプラザ。
① 第13回 ゲスト:桑原英文(JPcom) × 亭主:太田昌也
・テーマ:フィリピン・被災地ふたつの支援をつなぐもの~くわっちワールドへようこそ!
・日 時:2008年5月18日(日)14時~17時
・参加者:16人
② 第14回 ゲスト:林 淑美(創思苑/パンジー)×亭主:三家 博子(市民プロデューサー協会)
・テーマ:見えない壁、しかしそこにある壁を乗り越えるには?
・日 時:2008年7月27日(日)14時~17時
・参加者:14人
③ 第15回 ゲスト:繁内幸治(BASE KOBE)×亭主:黒田 綾
・テーマ:テーマ:エイズを知ることで、私たちにできることは?
・日 時:2008年9月 7日(日)14時~17時
・参加者:14人
④ 第16回
ゲスト:玉木幸則(自立生活センター・メインストリ-ム協会)、福島義弘(おおさか行動する障
害者応援センター)×亭主:梅田純平
- 54 -
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
・テーマ:震災の時、障害者は何を見た!!・日時:2008 年11月9日(日)14時~17時・参加者:15人
⑤ 第17回 ゲスト:下之坊 修子(カフェ放送てれれ)×亭主:大谷隆
・テーマ:あ゛!から始まる映像発信! ・日時:2009 年1月18日(日)14時~17時 ・参加者:21人
⑥ 第18回 ゲスト:文珠幹夫(大阪東ティモール協会代表)×亭主:博野英二(市民プロデューサー協会)
・テーマ:東ティモールの人々に出会って~独立・その後へのかかわり~
・日時:2009 年3月29日(日)14時~17時
・参加者:14人
【F. 市 民 活 動 推 進 の ための 専 門 職 養 成 講 座 】
特にボランティアコーディネーターの養成に関して、以下のような講座を開催した。
(1)「ボランティアコーディネーター養成講座」(第34期)〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
新任ボランティアコーディネーター向け講座。この一日でボランティアコーディネーターが、わかる、できる、
つながる、実践にすぐに役立つ基礎研修を実施した。
・日 時:2008年5月30日(金)
・会 場:大阪NPOプラザ
・受講者:36人(のべ144人)
・講 師:筒井のり子(龍谷大学)
、石井祐理子(京都光華女子大学)、海士美雪(あしやNPOセンター)、白井恭子
(2)「じっくり検証、ボランティア受け入れ実践事例」の開催【新規】
〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
日頃のボランティア受け入れを振り返り、ボランティアマネジメントの
プロセスと成功する受け入れのポイントを考える講座を開催した。
・日 時:2008年 12月16日(火) ・受講者:5人
・コ メ ン テ ー タ ー:石井祐理子(京都光華女子大学)
南 多恵子(夙川学院短期大学児童教育学科講師)
・ゲストスピーカー:西村こころ(高齢者福祉施設紫野)
「じっくり検証、ボランティア
受け入れ実践事例」
(3)市民活動支援センタースタッフ向け研修会の開催(第3章、第7章で詳細を報告)
①「全国民間ボランティア・市民活動推進者企画戦略会議」の開催協力 ・・・・・・・・のべ参加者: 69人
②「関西NPO支援センターネットワーク(KNN)」研究会の開催 ・・・・・・・・・のべ参加者: 24人
③「KNN自主ゼミ」の開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・のべ参加者:152人
④「関西地区大学ボランティアセンター担当者会議」の開催・・・・・・・・・・・・・のべ参加者: 50人
(4)企業担当者向け研修会の開催(第6章で詳細を報告)
①「フィランソロピー・CSRリンクアップフォーラム」 ・・・・・・・・・・6回。のべ参加者:336人
②「フィランソロピーリンクアップ・フォーラム・ジュニア」
・・・・・・・・・・3回。のべ参加者: 38人
③「CSR報告書ダイアログ」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3回。のべ参加者: 75人
3.他 団 体 主 催 講 座 への講 師 派 遣
図2-3 講師派遣:依頼団体
300
19
12
250
(1)講師派遣依頼の受付数
19
38
34
36
- 55 -
200
150
53
33
29
31
100
50
福祉施設・団体
26
33
30
15
13
19
40
37
46
33
41
43
31
7
8
17
35
行政や社会福祉協議会、NPO支援センター、市民団体など
他団体が開催する「協働研修」
「ボランティア講座」
「市民活動
セミナー」などの講座の企画立案に応じるとともに、職員など
アソシエーターを講師として派遣している。
2008 年度は292件(前年度より2件減)の講師派遣依頼が
寄せられた。図2-3に示すように社会福祉協議会や市民団体
からの依頼が増加した一方、行政や企業・労組からの依頼が減
少傾向にあり、総依頼数は減少した。
このうち依頼に応えられたのは270件(受託率 92.7%。前
その他
15
7
市民団体
企業・労組
14
学校・教育委
行政- 人事
行政- 市民
52
60
52
60
行政- その他
36
42
32
35
社協
05
06
07
08
NPOセンター
0
2008 年度事業報告・詳細編(2.研修事業)
年度 97.0%)で受託率はやや減少した。紹介できなかったケースの大半は特定の職員に対して特定の日程で指名さ
れたため、日程調整ができなかったものである。
(2)講師派遣の実績
上記の事務局で調整し講師派遣を行った270件に加え、大阪大学大学院、神戸大学大学院、関西大学、龍谷大学
などに定期的に非常勤講師を派遣(のべ101 回)した件数も加えると、全国各地のボランティア講座やNPO関係講座
などへ、のべ371人(2007 年度に比べて7人増)の講師を派遣した(図2-4)
。これらの講師派遣での聴衆の数
は、のべ23,223人(2007年度は22,501 人)に達した。
幅広いテーマが扱われる非常勤講師を除く、講師派遣での講座内容(派遣分)は、NPO関連86件(うち団体運営・
専門技術系70件)、ボランティア入門など基礎的なものが73件、市民(活動)と行政の協働に関するものが42
件、ボランティアコーディネーションに関するものが24件、CSR・企業市民活動関係20件などであった。団塊
世代への啓発、コミュニティビジネスなどの依頼が減り、行政との協働、ボランティアコーディネーション、企業市
民に関する講座などへの出講依頼が増加していることが分かる。(図2-5)
図2-4 講師派遣:派遣地域
(非常勤講師含む)
2
6
350
14
2
7
300
16
28
250
16
2
23
13
23
海外
350
19
20
15
22
2
図2-5 派遣講座内容の推移
21
28
22
東北
北海道
300
20
16
27
20
中四国
92
250
14
5
4
6
16
7
19
12
4
22
1
企業市民
20
5
2
1
10
V学習
24
102
関東
75
200
38
中部
150
災害対応
43
150
リーダー養成
20
13
2
43
コーディネート
36
112
63
101
93
36
47
11
86
中間支援機関
4
10
6
7
5
114
200
その他
九州
13
近畿
100
18
100
68
20
12
CB
16
16
大阪
府内
50
70
66
75
68
0
05
06
07
大阪
市内
50
90
18
5
65
70
団体運営
NPO関係
96
団塊世代向け
V一般
0
05
08
行政との協働
06
07
08
(3)研修生・インターンの受け入れ
この他、協会の事務局業務を実地に体験する研修生や実習生・インターンも受け入れている。2008年度に受
け入れた研修生・インターンは下記の2人であった。
①.大阪大学インターンシップの受け入れ
・氏
名:大谷祐理子(大阪大学人間科学部)
・期
間:2008 年6月~11月(週1日程度)
・活動内容:市民活動総合情報誌「ウォロ(Volo)」の編集補助
②.コープこうべ・コープともしびボランティア振興財団からのインターンシップの受け入れ
・氏
名:橋野
浩美(コープともしびボランティア振興財団)
・期
間:2008 年12月3日から2009年1月28日(週3日程度)
・活動内容:ボランティア活動希望者の面談やボランティア入門講座への参加、ボランティア受け入れ団体へ
の訪問、ボランティアコーディネーションに関する各種会議への参加など。
- 56 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
3.NPO推進センター(市民活動団体の事業力支援)
- 市民活動団体の人材育成、活動支援、相談助言、仲介、調査研究を総合的に展開
「NPO推進センター」(1999 年7月開設)の主な事業は、① NPOのインキュベーション&マネ
ジメントの相談・研修(コミュニティ・ビジネス創出支援を含む)、② 支援者とNPOの連携支援、
③ NPOの情報提供、④ 自治体のNPO関連施策・協働推進支援、⑤ NPO推進機関への支援とネ
ットワーク推進、⑥ NPOの税・法制度改革に対する取り組み、の6つの柱で整理できる。
特に2008年度のNPO推進センター部門は、当協会の他センター部門との連携を意識した事業展
開や講座の開発を試みるなど、自主事業の発展・推進をめざして展開した。
1.NPOインキュベーション&マネジメントの相 談 ・研 修
(1)NPOの運営などの相談対応
NPO推進センターに寄せられる相談は、
「NPOとは?」という概論的な質問から「特定非営利活動法人の設立
や運営の方法について」という組織化や経営にまつわる相談まで、実に多様である。その団体の「ミッション」の確
認やビジョンにそった事業計画の立案、運営実務にまで及び、質問に答えるだけの相談は少ない。また全体的にNP
O運営や設立に関する初歩的質問は一部減少傾向にある。これは相談業務で蓄積したノウハウを活かして開発した講
座につないだり、多くの運営書などが市販されていることの影響が大きいと考えられる。
【NPO運営相談デスク】
2004年度6月からNPOに関する運営相談の専用窓口として開設した。NPOの運営相談日は毎週月・水・金曜
の13時から17時。電話と面談で対応。なお、電話相談には無料で対応しているが、面談は、課題の整理などは無
料、コンサル相談は60分2,000円(パートナー登録(P登録)団体は無料)で受け付ける。
① 相談受付件数と相談者の内訳
2008年度にNPO推進センターに寄せられた相談は447件(前年度比 207 件減。うちパートナー登録団体
からの相談:67件)。2007 年度まで大阪府から受託していたコミュニティビジネス創出支援事業が終了したこと、
継続件数が減少したことなどにより数値が減少している。(図3-1)
図3-1 NPO推進センターが受け付けた相談者の属性(N=455)
08年度
63
90
07年度
82
06年度
89
149
58
122
29
27
13 8 5
207
68
05年度
7
132
199
46
74
65
12
44
13
21
140
12
61
46
10 20
19 4
10 14 15
33
8
30
28
9 15
16
5
04年度
142
03年度
143
0
67
116
100
個人
企業
183
200
任意団体
研究機関
38
12
196
300
NPO法人
メディア
33
28
16 18 13 13
54
400
中間支援組織
施設・財団など
6
500
社協
不明・他
39
40
23 13
55
600
行政
② 相談内容
相談内容は「NPOとは何か」という初期の相談から「NPOの設立・運営実務」に関する相談、「こんな活動
をしているNPOを探している」「NPOとの協働について模索している」といった相談まで幅広い。以下にこれ
までの相談内容の推移(図3-2)と2008年度に受けた相談内容の詳細(図3-3)を示す。
「組織運営」が最も多く、市民事業・ソーシャルビジネスの相談は継続ケースのため次に多い相談となっている。
- 57 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
講師や人材を求めて相談にこられるケースも多くなってきた。なお協会では、後述のように多彩な講座を実施して
おり、その講座の中での簡単な相談などを受け付けているが、そこでの対応件数はここには計上していない。
図3-2 NPO推進センターが受け付けた相談内容内訳の推移(N=486、複数回答)
08年度
82
07年度
197
143
100
06年度
141
95
04年度
77
03年度
84
180
151
134
29
102
150
100
64
36
94
200
193
400
82
500
運営・実務相談
他
15
600
700
NPOとの連携・基盤整備
ONPに関して
図3-3 NPO推進センター部門に寄せられた相談内容
NPOの設立について
22
8
150
300
86
8
180
入門・設立相談
NPO推進センターについて
25
12
181
45
174
0
37 10
345
67
05年度
17
N=486、複数回答
30
CB・市民事業を起業したい
52
法人格取得・定款
29
企画相談
29
会計、税務について
19
助成・資金
29
組織運営
59
ボランティアとの協働、労務、理事
10
広報、IT、編集
8
コンサルその他
14
先進事例、連携先を探したい
25
講師・人材を探したい
40
ボランティアの応援求む
9
広報依頼
4
評価・推薦・コメント求む
5
その他のコーディネーション
7
団体・ヒトの問合せ
28
NPO推進センター事業について
17
ONPについて
10
協会事業(ONP事業除く)について
25
その他の問合せ
12
0
10
20
30
40
50
60
(2)NPO向け研修
個別の相談対応に加え、説明会や研修会も実施した。このうち下記の研修は、第2章で詳細を報告している。
<NPO入門研修>〔大阪府共同募金会の配分金を一部活用〕
①.は
じ
め
て
の
N
P
O
説
明
会(月2回、定期)
②.N P O 法 人 の 組 織 の き ほ ん を 考 え る 説 明 会(年4回:第1土曜日)
③.N P O 法 人 に な っ た ら や る こ と 説 明 会(年4回:第1土曜日)
④.はじめてのコミュニティビジネス・社会起業家説明会(年3回:第一土曜日)
- 58 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
<NPO運営研修>
①.NPOとしてのガバナンスセミナー「60分×3本勝負!
総会、事業報告書の作成、監事の仕事総チェック!」
②.印象に残る「企画書」「助成金申請書」「プレゼンテーション」のツボ、徹底的に教えますセミナー
③.あなたの団体の“売り物”を磨き上げる!セミナー
④.ボランティアと向き合うことの多いあなたのためのファシリテーション講座
(3)NPO支援専門家関係の研究学習会
①.関西NPO会計税務研究会の取り組み
NPOの会計税務専門家ネットワークの関係分野の有志が集まり、「行政とNPOの協働のための会計・税務面
検証プロジェクト」として協働面における会計実務のあり方を研究。07 年度に実施した大阪府と協働するNPOと
所管課向けに「委託事業の会計実務実態調査」をもとにデータ検証を行い、報告書を完成させた。
②.NPO法人会計基準協議会への参画
NPO法人の会計基準策定のため、2009 年3月31日に表記協議会が発足。協会は委員(水谷)を派遣するとと
もに、世話団体に就任した。今後、各地のNPO関係者の意見も受け止めつつ、基準策定を進めていくことになる。
(4)他団体への企画運営協力
①.Microsoft NPO Day2008[大阪版]の企画運営協力
マイクロソフト株式会社が主催する「Microsoft NPO Day2008」の大阪での開催に際し、日本NPOセンターと
ともに企画運営に協力した。
・開催日:2008 年5月11日(日) ・会 場:マイクロソフト関西支店
・講
・参加者:45人
師:田中 亨(マイクロソフト MVP for Excel/Office TANAKA 代表)
(5)「NPO経営」などに関する講師派遣
2008年度、NPOをテーマとした講師派遣件数は、行政とNPOとの協働方策やコミュニティ・ビジネスに関
する講師派遣も含めて159件(2007 年度は124件)となり、増加傾向にある。
2.支 援 者 とNPOの連 携 支 援 事 業
NPO推進センターでは、支援者とNPOとのつながりを築くコーディネーションを進めるため「パートナー登録
制度(略称「P登録」、年度登録料=10,000 円)
」を運営している。
(1)「パートナー登録」80団体
「パートナー登録」は支援者の信頼に応えられる事業や活動の推進、ネットワーク形成を目指して、協会や支援
者とつながりたいと考える団体を対象としている。パートナー登録団体には、個別コーディネーションのほかに、
・パートナー登録団体限定のメーリングリストを運営
・パートナー登録団体の団体概要を協会ホームページで紹介
・市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』、会員限定通信「The ボラ協」の送付
などを行っている。
パートナー登録の団体情報は以下のとおりである(2009 年4月現在)。このうち2008年度中に新規登録した
団体は4団体であった(いずれも下半期より登録)。
団
体
名
所在地
代
表
特活)アジア子供支援
高槻市
フジワーク基金
白石俊廣
特活)い
坂田朱美
き
い
き
会 高槻市
特活)いばらき市民活動
茨木市
推進ネット
特活)インター
箕面市
ナショクナル
活
動
内
容
戦争や貧困、家庭環境など様々な事情で困難な状況に置かれている子供たち
の健全な育成と社会教育の推進。
食事づくりが困難な高齢者や障害者へ配食サービス、安否確認を実施し、自
立を支援。
奥村満男
【新規】
「市民活動センター」の管理運営と受託事業。
菊池信孝
【新規】原材料ピクトグラム表示を開発・普及する活動を通して、食環境の
バリアフリー化を目指している。
- 59 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
特活)インドマイトリの会 大阪市
水野梅秀
1992 年から、北インド・クシナガラで子どもの教育支援活動に取り組む。
AA関西セントラル・
オフィス
特活)エヌ・ピー・オー
大阪
特活)NPO 子どもネットワ
ークセンター天気村
特活)エヌ・ピー・オー
みなと
大阪市
代 表 者
お か ず
大阪市
飯田元雄
草津市
山田貴子
アルコール依存症者のセルフヘルプグループ”Alcoholics Anonymous”関西
サービスセンター。
少子高齢化社会における雇用と福祉を考える場をつくる。高年齢者の自立サ
ポート、セミナー、カウンセリング等開催。
「地球が遊び場だ!」をキャッチフレーズに子どもの自然体験活動・地域づく
り・地域の子育て支援などの活動に取り組む。
天然温泉施設の活用で、高齢者、社会的弱者の社会参加を促進する。シニア
パーティ、笑いと文化の提供など。
住民同士の助け合い活動(有償活動)を中心に、地域に根ざした活動を展開。
サロン活動、ホームヘルパー派遣、社会教育事業など。
植物による癒しをサポートする実践家養成とそのボランティア活動の支援・
交流。施設・病院・学校・公園の企画運営など。
子どもの人権が尊重され、子どももおとなも自分らしく安心して生きること
ができる地域社会づくりをめざす。
應典院(寺院)を利用した活動を通じ「こころの文化」の創造・発信をめざす。
コモンズフェスタ,講演会,芸術祭など開催。
障害者の外出・生活介助、イベント交流活動など。詳細は第1章。事務局を
協会北区事務所に常設。
難聴者の社会参加促進のリーフレットを発行、公共施設に配布。難聴者の相
互交流事業、要約筆記奉仕員養成事業の実施。
吃音児者の問題解決の貢献を目指す。大阪吃音教室やワークショップなど開
催。
様々な課題を抱える当事者同士が出会う橋渡し。毎月第1・3土曜日午後、協
会に相談事務局開設
帆船歓迎や国際交流行事の実施協力、参加。1997 年の大阪帆船レースのボラ
ンティアで結成。
聴力障害者との交流親睦を深め要約筆記の技術向上を目指す。要約筆記、講
習会協力など。
子どもの文化・世界の民族文化を伝える宮本順三記念館・豆玩舎ZUNZO
で、こどもから大人までがともに遊び、学びあう場としての講座を実施。
すべての人にやさしいまちづくりを利用者の立場からバリアフリーの視点
で考え、調査、研究、提案する。
介護保険事業者の質向上と利用者の満足度を高めるため、市民オンブズマン
の養成・派遣など。
市民の国際協力への理解を深めるとともに、国際協力NGOネットワーク
化、能力強化活動などを行う。
環境問題解決のため、一般市民への情報提供を行うとともに、NPO、行政企
業研究者のネットワークを作る。
骨髄バンク事業の理解促進を図るため、講演会やドナー登録会を実施するほ
か、血液難病患者の支援を行う。
「子どもの権利条約」の推進や次世代育成支援に関する事業、教育・子育てに
関する調査・研究、情報誌の発行など。
メンタルヘルスケアに携わる会員のスキルUPを図り「心と体の健康・生き
がいづくり」に貢献する
特活)エ
フ
・
エ
大阪市
ー 大阪市
大和田
幸 治
中 川
喜代子
園 芸 療 法 研 究 会 西 日 本 大阪市
公文
特活)えんぱわめんと堺
堺市
/ES
北 野
真由美
應 典 院 寺 町 倶 楽 部 大阪市
扇谷順介
特活)おおさか行動する
障害者応援センター
特活)大阪市難聴者・中途
失聴者協会
特活)大阪スタタリング
プロジェクト
大阪セルフヘルプ
支援センター
大阪帆船と国際交流の会
( S A I L ‘ O ’)
大阪筆記通訳グループ
「ぎんなん」
佐々木
康 至
宇 田
二三子
特活)お ま け 文 化 の 会
大阪市
大阪市
藤井寺市 東 野 晃 之
大阪市
松田博幸
尼崎市
井堀眞司
枚方市
田辺孝子
東大阪市 岡 田 三 朗
おんなの目で
大阪市
大阪の街を創る会
特活)介護保険市民オンブ
大阪市
ズ マ ン 機 構 ・ 大 阪
特活)関 西 N G O 協 議 会
康
大阪市
特活)関西環境情報
大阪市
ステーションpico
特活)関西骨髄バンク
大阪市
推進協会
小山琴子
岡本祐三
藤野達也
大林
輝
正岡
徹
特活)関西こども文化協会 大阪市
松浦善満
特活)関西心理相談員会 大阪市
森下高治
特活)如
会 和泉市
竹内俊雄
特活)北河内ボランティア
枚方市
センター
里見公利
きんきビジョン・サポート 大阪市
堀康次郎
くつろぎステーション
大阪市
つばさ
江頭雅史
特活)高齢者外出介助の会 大阪市
永井佳子
月
特活)国際交流の会
とよなか(TIFA)
特活)国際子ども権利
センター
特活)心のサポート
ステーション
特活)コミュニティ
エンパワメント東大阪
豊中市
大阪市
大阪市
葛西芙紗
甲斐田
万智子
宮 本
由起代
東大阪市 千 葉
武
N
高槻市
小 川
真知子
特活)シ ニ ア 自 然 大 学
大阪市
齊藤
特活)S
E
A
隆
障害福祉サービス事業、介護保険訪問介護事業、地域生活支援事業。
ボランティア活動の推進に向け、ボランティアコーディネート事業、セミナ
ーの開催、情報誌の発行等を行う。
視覚障害者や家族のQOL向上のため、関係するさまざまな分野の有志が集
い、ユニークな活動を展開中。
将来を模索する主に 20 代の者及びその関係者に対し、関連機関と連携をする
など総合的に援助。
在宅での孤立化やとじこもりを防ぐため、高齢者の外出介助に向け、そのコ
ーディネートと実際の援助を行う。
在住外国人の生活支援、地域の国際理解推進、身近な国際交流、ネパール等
での海外協力に取り組む。
子どもの権利条約の理念に基づき南の子ども支援、開発教育を行い、又国内
に子どもの権利を普及し、生き生きと子どもの育つ社会を目指す。
性別・年齢・地位・人種にかかわらず、ひとり一人が尊重され、
「自分」として
生きることができる社会づくり。
あらゆるNPOの中間支援をめざした活動と、協働のまちづくりに向けたネ
ットワーク活動を展開中。
だれもが大切にされる社会の実現を目指し、自立支援・啓発・調査研究事業
等を実施する。
自然環境保全・地球環境・子ども・地域のための普及啓発、調査研究、政策企
画提案、自然活動リーダー養成、講師派遣を行う。
- 60 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
特活)市民活動フォーラム
箕面市
みのお
市民活動プロデューサー
大阪市
協会
特活)住 宅 総 合 研 究 所
大阪市
直田春夫
稲原珠実
高原
進
手話サークル「つくし」 大阪市
細 溝
美和子
特活)しんぐるまざあず・
大阪市
ふぉーらむ・関西
神原文子
特活)シ ン フ ォ ニ ー 尼崎市
山崎
特活)新森清水学童クラブ 大阪市
立 花
あずさ
特活)すいた市民活動を
吹田市
活発にする会
特活)ストレス
大阪市
カウンセリング・センター
勲
横山正和
前川哲治
特活)住まいみまもりたい 大東市
吉村悦子
特活)生活ネットワーク
吹田市
「虹」
溝杭克代
特活)せ
松上達史
か
ん
ど
堺市
高槻市市民公益活動
高槻市
サポートセンター
たかつき市民活動
高槻市
ネットワーク
特活)高槻の高齢社会を
高槻市
よくする会
特活)高 槻 ま ご こ ろ 高槻市
宮津
昭
鍵谷誠一
山本洋子
芦谷原
外美子
旅のボランティア
河内長野
安武慎作
グループ「ぬくもり」 市
特活)多文化共生センター
大阪市
田村太郎
大阪
特活)ト ゥ ギ ャ ザ ー 岸和田市 中 條
特活)な
な
ク
ラ
桂
ブ 寝屋川市 泉 いづみ
特活)日常生活支援
ネットワーク
日本宇宙少年団
アトランティス分団
にほんごサポート
ひまわり会
特活)日本病院
ボランティア協会
特活)寝 屋 川 あ い の 会
大阪市
柿久保
浩 次
西宮市
土畑仲一
大阪市
斎藤裕子
大阪市
信田禮子
寝屋川
三和清明
特活)寝屋川市民
寝屋川市 森 川 加 代
たすけあいの会
特活)ノ
ウ
ハ
ウ
会 大阪市
H
a
r
t
H 西宮市
坂根大士
特活)ひらかた市民活動
枚方市
支援センター
特活)プール・
大阪市
ボランティア
理事長代行
植田奈央
e
石毛
岡崎
浩
寛
特活)フ ェ リ ス モ ン テ
大阪市
山王丸
由紀子
特活)福 祉 ネ ッ ト 大 和 川
大阪市
久田幾代
特活)フ リ ー ラ ン ス 豊中市
光 久
麻里子
特活)訪問理美容
高槻市
サービス・ドリーム
吉村幸重
箕面市周辺の市民活動を支援。市民活動センターの運営、政策提言、啓発活
動等を行い魅力的な地域社会創造をめざす。
市民活動を立ち上げ活動するリーダー(市民活動プロデューサー)の養成と、
協働プロセス支援を行っている。
マンションの維持管理に関する調査研究と提案、管理組合への支援対応等を
行う。
手話の技術取得、聴覚障害者の情報保障の大切さを理解。年 1 度、協会と共
催で手話講習会実施。
母子家庭当事者団体として 20 年の実績を持つ。情報交換活動をはじめ就労
支援にもとり組んでいる。
自然と社会の調和と共生のまちづくりの推進で、魅力あるコミュニティの創
造に寄与。市民地図づくり事業、パソコンサポート。
共働き、母子、父子家庭の児童のために放課後学童保育を実施。長期保育、
短期保育。
主に吹田市の市民活動の自立促進、相互連携等をサポート。また行政・事業
者と市民の協働推進を支援。
心理カウンセラーを中心に、閉じこもり問題や出社拒否などのストレス問題
解決のための相談対応や講習会他を行う。
粗大ごみの処分の仕方が分からない方や捨てるのがもったいない物がたく
さんある方の相談を受ける。使える物は地域資源として有効利用、ごみの削
家事援助・身体介護等のサービス事業や障害者自立支援法に基づく障害福祉
サービス等事業、デイサービス事業を行う。
高齢者・障害者に対して福祉サービス、介護保険事業(訪問介護・入浴・通所介
護・ケアプランの作成・通院介護・訪問看護)を行う。
福祉、環境、まちづくり、文化など幅広い分野で行われるボランティアやN
PO等の活動を支援する
市民・市民活動団体・事業者・行政が協働していくことができる市民社会実現
のため、市民活動支援を行う
高齢者が在宅で安心して暮らせるために必要な支援活動(介護事業、生活支
援、講演会等)
、他団体や行政等と協働して認知章の人と家族を支えるネッ
心と生活の面における高齢者問題に対し、多世代が触れ合うサロン事業、在
宅介護、啓発、相談等の支援事業を行う
障害者や高齢者の旅の援助を目的とする。介助員派遣・育成。旅行会社のバ
リアフリー企画への助言など
国籍等のちがいを超え、互いを尊重する「多文化共生」のため、在日外国人と
日本人双方に事業展開。
障がい者の自立と社会参加を労働・販売・住環境コーディネートの3つの活
動で支援。
地域の栄養士が中心となって地域の皆さんが生涯を通じて食の自立ができ
るように支援している。
身体障害者が地域であたりまえの生活ができるよう介護者派遣,移送サービ
ス・介助者研修を実施し、自立と社会参加を支援する
青少年に宇宙及び科学への探究心と向上心を促し、平和な国際社会構築に貢
献できる人材を養成する
大阪市平野区内で、外国から来て日本語がわからなくて困っている人のサポ
ートをしている。
病院や施設に来院,来所する人々に安らぎを与える病院ボランティアの発
展・推進のための活動。
地域住民の助け合いの精神のもと、高齢者・子育て支援などを行う。寝屋川
市受託事業
「寝屋川ボランティアビューロー」と「地域生活支援センター」を拠点に、市民
による地域活動、ボランティア活動の推進を行う。
高齢者が培ってきたノウハウ、スキルをもちより、活用の場を開拓、提供し、
高齢化社会の活性化をめざす。
【新規】メンバー全員が各自のプロジェクトを立ち上げを目標に、まず四天
王寺にある四恩学園の行事に参加した。
市民活動の面から共に生きる「わ」を広げ、よりよい市民社会の実現を目指
し、市民活動の支援を行う。
【新規】障害者・私たちは、障害者も高齢者と一緒に水を楽しむ活動を続け、
プールに行ける社会の実現を目指しています!
高齢者が自分らしく暮らせる地域づくりを目指しサロンや介護保険事業、配
食サービスを行う。目標のグループハウスを 2004 年秋に開設。
障害者の地域自立支援を図るため、障害者の地域生活に関する事業の実施及
び障害者援助団体や当事者の会の団体支援を行う。
ひきこもりの若者に居場所を提供することで自立を支援するとともに、就労
支援をしていきたい。
要介護者や施設、知的障害児、身体の不自由な方々を対象に訪問理美容を行
っている。
- 61 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
特活)ほのぼの
堺市
ステーション
特活)ホーピイワールド
守口市
子ども基金L・D・Hクラ
特活)三島子ども
高槻市
文化ステーション
西
特活)水 環 境 フ ォ ー ラ ム
高槻市
川下好則
特活)やお市民活動
ネ ッ ト ワ ー
ク
八尾市
伊藤
特活)友
遊 寝屋川市 谷 美代子
・
龍谷大学ボランティア・
京都市
NPO活動センター
大阪
特活)ワ ー ク レ ッ シ ュ
狭山市
中司順子
和夫
福山
勇
保
鍋島直樹
和久貴子
小規模多機能居宅介護事業所「ほのぼの旭ヶ丘の家」が 8 月にオープンした。
文化・音楽・芸術を通じて子どもの能力開発をめざす。芸術鑑賞,セミナー健
康指導等。キャラクター商品の受託販売を行う。
子どもの権利条約第 31 条を尊重し、子どもの健やかな発育に向け、子育て
支援・舞台鑑賞等を企画運営する
水環境に関する研修会を開催するほか、水環境調査や石津川に鮎を、などの
水環境保全活動を行っている
八尾市内の市民活動団体間のネットワーク形成により、よりよい市民社会の
形成をめざしている
高齢者の自立支援のため、デイサービス、配食サービス、ふれあいサロンな
どを実施する。
これまで多くのNPO/NGOの方々と共に事業を展開。今後は活動の継続
とより一層の発展を図っていく
子ども・子育て支援に関する地域住民のニーズに対応するため、子どものた
めのコミュニティ・スペース(保育所)
・放課後児童会(学童保育)の運営等
2007 年度をもって退会した団体は 6 団体:「特活)全国視覚障害者外出支援連絡会(JBOS)」、「はしご」、「特活)
福祉を拓く会GOWA」
、「特活)街づくり支援協会」、「レイプクライシス・サバイバーズネット関西」、「特活)若草会」
(2)支援者の開拓と信頼のおけるNPOとのコーディネーション
市民や企業、労働組合より寄贈品や寄付金の申し出があった場合、NPOの取り組む事業や運営に有効に活用で
きるものについては協会がコーディネーションを行っている。これまで協会が「企業市民活動推進センター」を通
じて連携してきた企業や労働組合からの寄付・寄贈の相談も多い。寄付・寄贈者の意思を尊重しながら、主にパー
トナー登録団体を対象に仲介している。
①.「寄贈品仲介プロジェクト」(寄贈品のコーディネーション)
2008年度の寄贈品仲介実績は10件(昨年度は7件)であった。
寄贈者・社(所在地)
市
寄贈品の内容など
寄贈先団体数
時 期
民
家庭用の調理台、パイプ棚、ソファーベ
2団体
2008年4月
(大阪市) ッドなど4種9点
三井住友海上火災保険株式会社
中古事務所什器備品(書棚、キャビネット、
8団体
2008年4月
(大阪市) 机、椅子、ソファーなど)51 種 350 点
オムロン株式会社
囲碁・将棋セット、イーゼル3種 23 点
5団体
2008年5月
(大阪市)
財団法人住友生命社会福祉事業 クラシックコンサートチケット
11団体
2008年9月
団
110 人分
明治製菓株式会社(日本NPOセ
製菓 12 万円相当(2団体分)
2団体
2008年12月
ンターを通じて)
(東京都)
大同生命株式会社
電気スタンド 200 台
16団体
2008年12月
(大阪市)
㈱髙島屋 宣伝部 大阪店
クマぬいぐるみ(ラブベア)
20団体
2008年12月
(大阪市) 4種 3,857 体
関西電力労働組合
20 万円相当物品
1団体
2008年12月
(大阪市)
㈱日立ハイテクノロジーズ
華道・茶道道具約 200 点
5団体
2008年8月
(大阪市)
(特活)アジア子供支援フジワー 中古家電(テレビ、洗濯機、冷蔵庫)
7団体
2009年2月
ク基金
(高槻市) 300 点
その他、カレンダー、缶ジュース、ボールペンなどの寄贈品を大阪NPOプラザ内で提供した。
②.「寄付金仲介プロジェクト」(寄付金のコーディネーション)
2008年度の寄付金の仲介実績は1件であった。
寄贈者・社(所在地)
寄付の理由など
寮閉鎖に伴い、自治会費の残預金を長年
三洋電機㈱、三洋電機㈱徳庵寮
世話になった地域のために役立ててほし
自治会有志(東大阪市)
く、地域団体に寄付したい。
- 62 -
寄付先団体数
時期
1団体
2008年5月
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
③.助成金および賞への推薦協力(個人・団体の推薦)
・毎
日
介
護
賞
・・・ パートナー登録団体から 1 団体を推薦、受賞(100 万円)。
・産 経 市 民 の 社 会 福 祉 賞
・・・ パートナー登録団体から1団体を推薦、受賞(30 万円)。
・大阪商工信用金庫奨励賞
・・・ パートナー登録団体から4団体を推薦、1 団体受賞。
・キリン福祉財団・公募助成
・・・ パートナー登録団体助成申請に推薦者コメント協力、助成決定。
④.助成金などの審査委員派遣
以下の助成金等の審査委員(23件)に職員を派遣し、市民活動団体への助成金支給などを支援した。
・「N P O か ら の 公 募 提 案 型 委 託 事 業」(大阪市。早瀬)
・「大阪市高齢者就労的生きがいづくり活動支援事業」(大阪市。早瀬)
・「大 阪 市 市 民 活 動 推 進 基 金 運 営 委 員 会」(大阪市。水谷)
・「大 阪 市 市 民 活 動 支 援 ブ ー ス 利 用 者 選 考 委 員 会」(大阪市。水谷)
・「大 阪 市 民 間 活 力 導 入 プ ロ ジ ェ ク ト 審 査 委 員 会」(大阪市。水谷)
・「大阪市都島区未来わがまちビジョン推進事業補助金」(大阪市都島区。永井)
・「大阪市男女共同参画社会をめざすグループ活動支援事業」(クレオ大阪。早瀬)
・「城東区未来わがまちビジョンまちづくり活動補助金」(大阪市都島区。岡村)
・「吹 田 市 市 民 公 益 活 動 促 進 補 助 金」(吹田市。早瀬)
・「大 東 市 提 案 公 募 型 委 託 事 業」(大東市。岡村)
・「大 東 市 コ ミ ュ ニ テ ィ ビ ジ ネ ス 育 成 補 助 金」(大東市。岡村)
・「枚 方 市 産 業 活 性 化 支 援 補 助 金 交 付 対 象 事 業」(枚方市。永井)
・「箕
面
市
N
P
O
補
助
金」(箕面市。永井)
・「高
齢
者
福
祉
助
成」((財)大阪ガスグループ福祉財団。岡本理事長)
・「サラリーマン(ウーマン)ボランティア活動助成」((財)大同生命厚生事業団。早瀬)
・「シ ニ ア ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 助 成」((財)大同生命厚生事業団。早瀬)
・「ダ ス キ ン 障 害 者 リ ー ダ ー 育 成 海 外 研 修 派 遣 事 業」((財)広げよう愛の輪運動基金。早瀬)
・「積 水 ハ ウ ス マ ッ チ ン グ プ ロ グ ラ ム 事 業 理 事 会」(積水ハウス。水谷)
・「ファイザープログラム~心とからだのヘルスケアに関する市民活動・市民研究支援・2008 年度新規助成」(ファイザー。永井)」
・「関
西
グ
リ
ー
ン
電
力
基
金」(同運営委員会。早瀬)
・「と も い き 共 生 ・ 地 域 文 化 大 賞」(浄土宗・早瀬)
・「真 如 苑 ・ 社 会 貢 献 ア ド バ イ ザ リ ー 委 員 会」(真如苑。早瀬)
・「S h i n j o プ ロ ジ ェ ク ト ・ 市 民 活 動 公 募 助 成」(真如苑。早瀬) など
⑤.助成金公募説明会の開催協力
・トヨタ財団 2008 年度地域社会プログラム公募説明会<大阪>
公募説明会の全体運営に協力し、助成金申請に関するミニレクチャーを担当した。
・開催日:2008 年10月13日(月祝)
・会場:大阪NPOプラザ ・参加者:49人
(3)NPOへの資金助成プログラムの運営
①.「社会変革NPOのための会員・支援者拡大プログラム in 関西」の実施
〔(特活)チャリティ・プラットフォーム助成事業〕
「支援者拡大・獲得」に取り組みたいと思いつつなかなか着手できないNPOを対象に、会員・支援者拡大の
ための研修・助成事業を行うプログラムを(特)チャリティ・プラットフォームに提案し、採択された。助成対
象団体には、会員・支援者拡大のためのツール作成に伴う費用を助成するとともに、ツール作成のために必要だ
と思われる研修やコンサルティングの受講を必須とした。
なお、モデルツールの作成のため、協会も資金助成を受け、会員パンフレットを作成した(8章に記述)。
【助成対象団体】5団体
団体名
(特)おおさか行動する障害者応援センター
(特)関西こども文化協会
作成物
パンフレット
パンフレット、ウェブページの一部
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2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
(特)国際子ども権利センター大阪事務所
(特)北河内ボランティアセンター
(特)シーン
パンフレット、ポスター
パンフレット、リーフレット
ウェブページ
【研修】
プログラムⅠ「あなたの団体の“売り物”を磨き上げる!セミナー」講師:松本修一(V・マネジメント)
プログラムⅡ「支 援 者 拡 大 の た め の 個 別 コ ン サ ル テ ィ ン グ」講師:鵜尾雅隆(FUNDREX)
【助成】
「支援者拡大推進ツール」作成資金助成、および「支援者拡大推進ツール」作成に伴うコンサルティング助成
3.NPOの情 報 提 供 事 業
(1)NPO推進センターメールマガジン「NPOぼいす」の発行
2003 年創刊のメールマガジン「NPOぼいす」では市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』に掲載中の「V
OICE~NPO推進センターの現場から」を中心に、協会実施の研修や大阪ボランティア協会、大阪NPOプラ
ザの情報などを掲載している。2009年3月・第73号発行時の登録配信数は943件(昨年度比 17 件増)である。
(2)「大阪NPO情報ネット(http://www.onp.or.jp/)」の企画・運営〔一部、大阪府生活文化部受託〕
大阪府内のNPOに関する総合的な情報を分かりやすく提供す
るホームページとして、2006年に開設。大阪府内のNPO・市民活
動団体の検索や、行政の支援施策や支援制度の案内、NPO法人の
設立・運営情報、大阪NPOプラザの利用方法などを掲載している。
大阪府認証のNPO法人の定款や事業報告書などをインターネ
ット上で閲覧できるとともに、任意団体を含むNPO・市民活動団
体は個別の団体情報を掲載できる。
(内容の概要)
「大阪府内NPO・市民活動団体検索」「NPO支援
イベント情報」「大阪府NPO関連施策情報」「NPO法人関連
情報」「ONPについて」などで構成。
(アクセス頻度など)2008年度の訪問数は38,605件(昨年度比 3,875 件減)、ページビュー200,383件
(昨年度比 24,862 件減)
。1日当たり105件の訪問者がある。約2,600団体の団体情報を掲載。
4.自治体のNPO関連施策・協働推進支援事業
(1)自治体の市民活動促進策定支援事業
2008 年度も大阪府内の各自治体などの委託や委員委嘱を受け、自治体の市民活動促進施策の作成支援事業に精力
的に取り組んだ。自治体の政策策定支援に関わった主な取り組みは以下のとおりである。
①.吹
田 市 :「市民公益活動審議会」の会長に就任
吹田市の市民活動推進施策の展開、市民公益活動補助金の審査などを行う審議会に、会長(早瀬)を派遣。2
008年度は、補助金の助成報告会の運営、補助金募集要綱の確認、応募事業の審査、まちづくり基金の創設、
市民活動推進拠点のあり方などについて審議を行った。
②.箕
面 市 :「非営利公益市民活動促進委員会」への委員派遣
箕面市の市民活動推進施策の展開、NPO補助金(非営利公益市民活動促進補助金)の審査などを行う審議会
に、委員(永井)を派遣。2008年度は、補助金の審査、協働フロンティア事業(企画提案型協働事業)の審
査などを行った。
③.佐
賀 県 :「県民協働アドバイザー」就任
佐賀県での市民活動団体と行政の協働を進めるため、全部局の行政事務について外部委託や補助事業への転換
など市民活動団体や企業との協働の可否をチェックし公開する「協働化テスト」の展開を提案。早瀬事務局長が
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2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
「県民協働アドバイザー」として、その全体構想の企画と評価指標づくりに参画している。
④.大
東 市 :「市民協働を推進するための職員研修業務」の受託
行政に携わる職員の意識改革と市民活動団体の特性や課題等への理解を深めるための職員研修業務を受託。N
POの基礎理解に関する講義とともに、市民活動団体の実践者の話を聞きながら、NPOの強み、弱みを理解す
る研修を実施した。
(2)NPOと自治体の協働・連携支援事業
①.「創造的なNPO協働施策に向けて」学習・意見交換会(大阪府)
大阪府政の改革を受け、「新しい大阪の協働のあり方」を検討するため、現に市民活動に関わる人々の間で府
政の状況を理解し、NPOが横に手をつないで、新しい「NPO協働施策」を提案する場を府内のNPO支援セ
ンターとともに企画、実施した。大阪府の出した「維新プログラム」から協働に関する項目をピックアップし、
集中討議。次の協働施策を考えるための材料を出し合う機会となった。(31ページに写真)
・開催日:2008年8月8日
・講
10時~16時30分
師:新川達郎同志社大学教授、林宏昭関西大学教授、大阪府職員 ・受講者:69人
(3)全国の自治体での「市民活動と行政の協働に関する職員研修会」への講師派遣
以上の他、市民活動と行政職員との協働に関する職員研修会に講師を派遣している。2008年度は全国の自
治体や職員研修機関から43件(月に3~4回の出講。2007 年度は33 件)の要請に応えた。
5.NPO推進機関への支援とネットワーク推進事業
(1)「関西NPO支援センターネットワーク(KNN)」の運営
関西圏のNPO支援センターが集い、ネットワークならではの強みを生かして検証作業や課題解決をめざすネ
ットワーク組織として 2005年に発足。2008 年度は、4つのテーマ(「お金を巡るゼミ」「契約について考える」「中
間支援センターの存在価値を考える」)で自主ゼミが発足。3月に開催した研究会では、自主ゼミの報告会、お
よび新企画として拠点訪問がスタートした。
①.KNN研究会
第 10 回 2009 年3月30日(火)
・場所:すいた市民活動を活発にする会事務所
・参加者:24人(13 団体)
「拠点訪問&ケーススタディ(すいた市民活動を活発にする会)」、
「2008 年度自主ゼミ報告会①(協働事
例ゼミ、基盤強化ゼミ)
」
、「2009 年度KNNの進め方(提案)」
②.KNN自主ゼミ
「協 働 事 例 ゼ ミ」5団体9人、4回開催
「基 盤 強 化 ゼ ミ」7団体7人、2回開催
「お 金 を 巡 る ゼ ミ」9団体9人、6回開催
「地方(地域)ゼミ」8団体8人、6回開催
(2)全国レベルでの市民活動推進機関との連携
①「日本NPOセンター」の副代表理事就任
日本NPOセンターの運営を支えるため、協会事務局長(早瀬)が副代表理事に就任し、総会、3役会、理事
会・評議員会、合宿などに出席、また機関誌に連載原稿を執筆するなどして、運営に協力した。
②「日本ファンドレイジング協会」の立ち上げ支援と理事就任
NPOへの寄付の促進を進めるため、有志が集い、寄付集めに関わるスタッフ(ファンドレイザー)の養成、
倫理綱領、寄付白書の発行などを進める「日本ファンドレイジング協会」創設の構想が生まれた。08年7月30日
以降、3回の設立準備委員会の後、10 月16 日以降5回の世話人会を経て、09 年2月5日に第1回理事会を開き
(理事長 堀田力氏)、同 18日に東京・青山の国連大学ウ・タント国際会議場で設立記念シンポジウム「寄付文化
革命、始まる」を開催。全国から360人にのぼる参加者を得、協会が発足した。当協会は第1回の設立準備委
員会から協会事務局長(早瀬)が参加。協会発足時には理事に就任し、寄付文化の推進に協力することとなった。
- 65 -
2008 年度事業報告・詳細編(3.NPO推進センター)
③「JACEVO(日本サードセクター経営者協会)設立研究会」への参画
イギリスにある「ACEVO(ボランタリー組織事務局長協会)」をモデルに、法人制度ごとに分立している
日本の非営利団体の現状を改革し、広くサードセクターの団体経営者がネットワークを構築し、研鑽を重ね、政
策提言を進めるため「JACEVO(日本サードセクター経営者協会)」の創設をめざす研究会が、名古屋にあ
る市民フォーラム21を事務局に 2008 年1月に開設された。協会は08 年度、早瀬、水谷が参加し、9月には早
瀬が1週間、渡英視察を行い、JACEVO構想の検討を進めた。
しかし、研究会メンバー間でNPOの現状に対する評価にかなりの幅があり、またJACEVOと事務局運営
団体の関係が整理しきれなかったことから、当協会は同準備委員会の幹事会には参画しないこととなった。
(3)地域の市民活動推進機関の自立的運営への援助と協力
①「北河内ボランティアセンター」の活動に対する援助と協力
今年度も、A.理事・監事の派遣、B.常任運営委員の派遣、C.事務局運営経費の助成、D.その他、松下
労組などとの協力関係支援などを通じて、事業をサポートした。
②「市民活動センター神戸」の理事就任
被災地・神戸で活動する民設民営の市民活動推進機関「市民活動センター神戸」の理事に協会事務局長(早瀬)
が就任し、その運営に協力した。
(4)各種ネットワークへの参加
①.「NPO支援センター連絡会議」への参加
近畿労働金庫を事務局に、近畿地区の民間NPO支援センターの情報交換と近畿労働金庫のNPO支援事業に
対する意見交換の場として開催。2007 年 12 月に近畿労働金庫や日本NPOセンター等が主催した「NPOメッ
セ in 関西 2007」に参画した支援センターが新たにメンバーとして加わっている。
現在、近畿労働金庫、当協会のほか、市民が支える市民活動ネットワーク滋賀、滋賀県勤労者福祉協会、奈良
NPOセンター、きょうとNPOセンター、わかやまNPOセンター、宝塚NPOセンター、阪神NPO連絡協
議会、シンフォニー、コミュニティサポートセンター神戸、しみん基金こうべ、市民活動センター神戸、大阪N
POセンター、関西国際交流団体協議会、ひらかた市民活動支援センター、とよなか市民活動ネットきずな、市
民活動フォーラムみのお、コミュニティ・エンパワメント東大阪、たかつき市民活動ネットワークが参加してい
る。2008年度は、5月7日に近畿労働金庫で開催。早瀬、水谷、永井が出席した。
②.組織の社会的責任推進に関わるNPO関係者ネットワークの構築(5章 企業市民活動推進センターで報告)
6.NPOの税・法制度改革に対する取り組み
―「NPO/NGO税・法人制度改革連絡会」世話人団体としての運動展開
全国の市民活動支援組織で結成する「NPO/NGO税・法人制度改革連絡会」の世話団体として、市民活動に関す
る税制度・法人制度の改革を進めた。連絡会では5月14 日に世話団体会を開いた後、総会(5月28日)で公益法人制
度改革の評価、NPO法と認定NPO法人制度の改正などに関する現在の状況を確認。連絡会としてNPO法人制度
の改正などに関する要望書を提出することとなり、7月18日、10月3日、11月13日の幹事会などで、文案を検討した。
また、連続学習会の企画などを
話し合い、大阪でも「緊急学習
会」を開催(第2章に報告)。近
畿各地の市民活動支援機関と共
催したこともあり、連続学習会
としては全国で最多の98人の
参加があった。
一方、NPO法施行10周年
となった 12月1日には連絡会の
主 催 で 記 念 イベ ン ト 「ど う な
る? NPO法人制度の未来 ~
法人・税制度の変革期を超えて」
シーズ=市民活動を支える制度を作る会の松原氏を招き、新しい公益法人
を東京で開催。協会から早瀬が
制度が始まる中で、今後の市民活動のあり方を考える機会をもった。
出席しリレートークの進行など
を担当したが、全国から130人を超える関係者が集い、これまでの評価と今後の展望・課題について議論を深めた。
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2008 年度事業報告・詳細編(4市民活動団体への活動拠点提供.①大阪NPOプラザ運営事業)
4‐①. 大阪NPOプラザ(ONP)運営事業
― 総合的なNPO支援機能の充実と安定運営を目指す
2007 年4月より第2期ONPのステージが始まった。
第2期2年目は、①ONPカフェの実施、②地域コミュニティとの関係づくりやフリールームの検討
の場を設置、③「NPO支援機能」のあり方の検討と実行、④ブース利用率の安定化とサポートプログ
ラムの円滑な運営、⑤情報交流スペースの資料充実とONPデコの実施、⑥情報発信機能の見直し、⑦
利用者ニーズを反映したサービス内容の見直しとONP財政安定、の7つのアクションプランを掲げ、
事業推進を実施した。以下、その取り組みを報告する。
1.大 阪 NPOプラザを構 成 する入 居 、ブース利 用 団 体
1階NPO多機能ブーススペースは、2008 年度に新たに6団体が利用を開始した。また、新拠点が見つかったなどの
理由で、6団体がブースを退出した。第2期に入りブース利用希望は好調で、27 ブース全てが利用されており、ブー
スの空きが出てもすぐに新たな団体の利用希望がある状況が続いている。
2階NPO支援フロアは、203 号室を利用していた「(特活)大阪難病連」が5月末で退出したため、入居団体を公
募。審査の結果、
「大阪保育子育て人権情報センター(ちゃいるどネット大阪)」が 2009 年2月から利用を開始した。
【NPO支援フロア入居団体】全7団体
100 号室
(社福)大阪ボランティア協会
201 号室
(特活)大阪NPOセンター
203 号室
(特活)大阪難病連[~2008 年 5 月]
大阪保育子育て人権情報研究センター(ちゃいるどネット大阪)[2009 年 2 月~]
204 号室
(特活)福祉活動と福祉教育の推進協会あすなろ
205 号室
(特活)日本病院ボランティア協会
206 号室
(特活)シニア自然大学
207 号室
(特活)関西こども文化協会
【NPO多機能ブーススペース利用団体】M:24団体、L:3団体(入替あり)
101 号室
NPO支援ブース
(特活)キャンピズ
ソフト活用ブース
Kinki-ビジョン・サポート大阪[~2009 年 2 月]
NPOトライアルブース
ピア・ハートひまわり[2009 年 3 月~]
103 号室
ハード活用ブース
(特活)チャイルド・リソース・センター
104 号室
ソフト活用ブース
(特活)福祉サービス評価WACCH
105 号室
ソフト活用ブース
ベーチェット病友の会大阪府支部
106 号室
ハード活用ブース
(特活)国際友隣協会
107 号室
ハード活用ブース
(特活)地球環境大学
NPOトライアルブース
(特活)宙奉賛会[~2008 年 9 月]
NPOトライアルブース
発達障害をもつ大人の会[2008 年 11 月~]
109 号室
ソフト活用ブース
(特活)関西心理相談員会
110 号室
ソフト活用ブース
(特活)地域情報化推進機構
111 号室
ハード活用ブース
(特活)大阪交通事故被害者救済センター
ソフト活用ブース
(特活)日本の木造住宅を考える会[~2009 年 1 月]
NPOトライアルブース
(特活)日本アルクス自然学校[2008 年 3 月~]
113 号室
ソフト活用ブース
創作サポートセンター
114 号室
ソフト活用ブース
(特活)親子法改正研究会
ハード活用ブース
(特活)事業継続推進機構[~2008 年 1 月]
NPOトライアルブース
(特活)ゆめくじら[2009 年 2 月~]
ソフト活用ブース
(特活)スマートらいふネット
102 号室
108 号室
112 号室
115 号室
116 号室
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2008 年度事業報告・詳細編(4市民活動団体への活動拠点提供.①大阪NPOプラザ運営事業)
117 号室
ソフト活用ブース
(特活)GIS総合研究所
118 号室
ソフト活用ブース
患者の権利オンブズマン関西
119 号室
ソフト活用ブース
(特活)グリーンコンシューマー大阪ネットワーク
120 号室
ソフト活用ブース
園芸療法研究会西日本
121 号室
ハード活用ブース
(特活)キャリアスイッチ
122 号室
ハード活用ブース
(特活)障害者の自立支援を考える会
123 号室
ハード活用ブース
(特活)地球コード研究会
NPOトライアルブース
(特活)健康サポートDODO大阪[~2008 年 4 月]
NPOトライアルブース
学び合いネット[2008 年 6 月~12 月]
NPOトライアルブース
(特活)みずみらい大阪[2009 年 1 月~]
131 号室
ソフト活用ブース
(特活)国際子ども権利センター大阪事務所
132 号室
ソフト活用ブース
(特活)NICE日本国際ワークキャンプセンター
133 号室
ソフト活用ブース
(特活)流通動学研究所
124 号室
2.大 阪 NPOプラザ(ONP)で実 施 された様 々な動 き
NPO支援の拠点として2008年度に実施した取り組みは次の通りである。
(1)ONPの自治的運営に関わる取り組み(ONP運営協議会)
ONPの運営を入居・利用団体とともに考える場として「ONP運営協議会」を開催した。
主な議題は、経営状況/大阪府財政非常事態宣言の動向/大阪NPOプラザ耐震診断結果/ONP評価シート
(アンケート)結果の報告/大阪府行財政学習会(&意見交換会)/ONPに関するルール変更について
○第18回
開催日:2008 年 4月 3日、9日
参加:25人(21団体)
○第19回
開催日:2008 年12月25日
参加:25人(17団体)
※
など
第19回運営協議会の終了後、大掃除と交流会を開催。団体間の交流の場とした。
(2)ONP支援機関協議会
NPO支援機能をもった団体の選定・評価機関として 2007 年度より新たに設置。203 号室入居希望団体の団体選
考や第2期ONPアクションプランの進捗確認などを行った。
○委員:近畿大学 吉田忠彦、(特活)関西国際交流団体協議会
高羽淳一、
(特活)市民活動フォーラムみのお 須貝昭子、(社福)大阪ボランティア協会
水谷
綾
○第4回 開催日:2008 年 9月29日
○第5回 開催日:2008 年12月18日
(3)ONPインキュベーション研究会
NPO多機能ブースのソフト活用ブース団体の審査・評価機関として 2007 年度より新たに設置。「ONPサポー
トプログラム」によるサポートのケース検討など運営支援や事業進捗ヒヤリングでのアドバイスを行った。
○アドバイザー:(特活)市民が支える市民活動ネットワーク滋賀 阿部圭宏、とよなかインキュベーションセンター
奥田三枝子、(社福)大阪ボランティア協会 水谷 綾
・第6回
2008 年9月25日、第7回
2009 年3月13日 ※事業進捗ヒヤリングを実施
【ONPサポートプログラム】
NPO多機能ブースのソフト活用ブース団体に、NPO支援機能をもつ団体から選出されたサポーターを担当と
して配置し、事業や運営面で必要なアドバイスや支援メニューの紹介、必要な社会資源とのコーディネーションな
どを行うことで団体運営を側面から応援するプログラムとして、2007年度から開始した。2008年度は8人
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2008 年度事業報告・詳細編(4市民活動団体への活動拠点提供.①大阪NPOプラザ運営事業)
のサポーターがソフト活用ブース15団体のサポートを行った。
号数
団体名
サポーター名
102 号
Kinki-ビジョン・サポート大阪[~2009 年 2 月]
永井 美佳(社福)大阪ボランティア協会
104 号
(特活)福祉サービス評価WACCH
山田 裕子(特活)大阪NPOセンター
105 号
ベーチェット病友の会大阪府支部
江渕 桂子(社福)大阪ボランティア協会
109 号
(特活)関西心理相談員会
山田 裕子(特活)大阪NPOセンター
110 号
(特活)地域情報化推進機構[2008 年 7 月~]
江渕 桂子(社福)大阪ボランティア協会
112 号
(特活)日本の木造住宅を考える会[2008 年 6 月~2009 年 1 月]
山田 裕子(特活)大阪NPOセンター
113 号
創作サポートセンター
長井美知夫(特活)シニア自然大学
114 号
(特活)親子法改正研究会
江渕 桂子(社福)大阪ボランティア協会
116 号
(特活)スマートらいふネット
柳瀬真佐子(特活)関西こども文化協会
117 号
(特活)GIS総合研究所
岡村こず恵(社福)大阪ボランティア協会
118 号
患者の権利オンブズマン関西
白井 恭子(社福)大阪ボランティア協会
119 号
(特活)グリーンコンシューマー大阪ネットワーク
岡村こず恵(社福)大阪ボランティア協会
120 号
園芸療法研究会西日本
長井美知夫(特活)シニア自然大学
131 号
(特活)国際子ども権利センター大阪事務所
永井 美佳(社福)大阪ボランティア協会
132 号
(特活)NICE日本国際ワークキャンプセンター
奈良 雅美(社福)大阪ボランティア協会
3.大 阪 NPOプラザ(ONP)の全 体 的 利 用 状 況
(1)NPO多機能ブーススペース
NPO多機能ブーススペースでは、独立した事務所機能が必要なNPOに貸ブースを提供。2009年3月末で
の利用数は、Mブース 24 団体、Lブース3団体で、全て利用があった。また、ブースの種別は、NPO支援ブース1
団体、ソフト活用ブース14団体、ハード活用ブース7団体、トライアルブース5団体となっている。
ブース各月利用団体数状況(のべ利用日数は2,673日)
月
4
5
6
7
8
9
10
11
12
1
2
3
利用団体数
27
26
27
27
27
27
26
27
27
27
26
27
内,退出数
1
0
0
0
0
1
0
0
1
2
1
0
内,新規利用数
0
0
1
0
0
0
0
1
0
1
1
1
空き数
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
(2)NPO支援フロア
NPO支援や連携促進を進めるNPO支援機能を持った7団体が入居。5月末で 203 号を利用していた「(特活)
大阪難病連」が退出、2009 年2月より新たに「大阪保育子育て人権情報研究センター(ちゃいるどネット大阪)」が入
居を開始した。
(3)情報交流スペース、NPOワークステーションなどの利用状況
市民が気軽に立寄り、情報を得られることもONPの重要な機能の一つである。NPOに関するイベント情報やニ
ュースレターなどを手にできる「情報交流スペース」、2003年度に開設した「ボランティア・市民活動ライブラリー」、
それに大阪府内のNPO法人関係資料公開サービスがある。それぞれの利用件数は、以下の通りである。
・大阪府内の特定非営利活動法人 資料閲覧件数
年間4件(昨年6件)
・ボランティア・市民活動ライブラリー利用件数 年間5件(昨年1件)
なお、情報交流スペースに届いた広報依頼件数など詳細は、第1章の「広報依頼」の項を参照のこと。また、法人
資料については「大阪NPO情報ネット」
(2006 年2月公開)の開設により、ONPに来館できなくてもインターネ
- 69 -
2008 年度事業報告・詳細編(4市民活動団体への活動拠点提供.①大阪NPOプラザ運営事業)
ットで閲覧できるようになっている。
また、ONPでは交流事業の一環として情報交
流スペースの活性化、およびONP利用者の交流
を目的に「カフェ」を開催している。2008年
度は5月24日、9月13日、1月24日に開催し、利
用者はそれぞれ56人、30人、46人であった。
今後は企画内容を充実させ、ONPでの新たな関
係づくりを実現させていきたい。
加えて、また、NPOワークステーションでは、印刷機(2台)や紙折機、利用登録団体向けに貸ロッカーと貸レ
ターケースの提供も行っている。
・印刷機利用回数
879(昨年740)件
・貸ロッカー
ONP利用者の交流を目的に開催している「ONPカフェ」。
古本交換会など新たな企画も計画されている。
46(昨年 27)件
・貸レターケース
8(昨年 10)件
図4-1 貸会議室の月別利用率
60
(4)ONP利用登録団体
08年度
50
2008年度の新規登録団体は27団体であった。
40
30
(5)貸会議室(図4-1)
07年度
20
10
貸会議室貸出はNPO支援メニューの一つであるとともに、
0
大阪NPOプラザの自主財源の一つでもある。利用率は下半期に
4
伸び悩んだが、年間平均は44.3(昨年 42.1)%と昨
5
6
7
8
9
10 11 12
1
2
3
図4-2 団体種別の会議室利用数
年度より少し増加した。
502
4000
団体種別利用数(図4-2)
2008年度も支援フロアやブース利用団体の利
3500
501
用が多く、両者で全利用件数の70%を超える。また、
3000
外部団体の利用は全体の 10%に満たないが、利用料金
が登録団体や入居利用団体より割高であるため、貴
会を含む)
2000
652
672
1531
1150
2250
1761
549
618
702
686
996
2階
団体
1147
1039
393
437
461
428
05
06
07
08
0
02
03
登録
団体
1階
団体
751
1000
外部
団体
440
968
488
500
354
252
1500
会議室利用者、ワークステーション利用者、入居利
用団体のメンバーとしての利用者などを合算した年
間の来館者総数は82,817人(昨年 86,501 人)
となった。
764
637
1138
497
(6)来館者数
489
621
812
2500
重な収入源となっている。(2002 年度は2階団体に協
422
336
04
V協
会
4.大 阪 NPOプラザ(ONP)の
経営状況
第2期ONPの取り組みが始まった2007年度は、目標であった23団体の利用を超えて27団体の利用獲得を得
るといった結果だったが、08年度もこの傾向を堅持することができた。財政面としては一部修繕費積立金の取り崩し
を行ったが、ある程度予算どおりの収支均衡を保つことができた(91ページで詳しく分析している)。
しかし、大阪府府政改革の余波もあり、地域やONP内部団体の連携や情報発信の取り組みなどを積極的に打ち出す
ことができなかった点は、反省点としてあげられる。
今後は第2期が終わる2011年度を見据えて、ONPのようなNPOの共同事務所機能をもった支援施設の当面の
運営体制と第3期以降のあり方を考えていく必要がある。
- 70 -
2008 年度事業報告書・詳細編(4 市民活動団体への活動拠点提供・②北区事務所)
4‐②.北区事務所での活動支援
- 多様な活動に取り組む37団体に、1,556件の会場・備品提供
長年、市民活動団体の活動拠点となってきた北区事務所は、「会場利用登録」団体と「パートナー登録」
団体のうち希望団体に対して活動拠点の支援を行い、2008年度も年間1,000件を越える会場利用
があった。
1.会 場 利 用 登 録 団 体 への支 援
2008年度に北区事務所(大阪市北区同心1)で会場・備品を利用した団体は、
「会場利用登録」30団体、
「パート
ナー登録」7団体であった(会場・備品利用を希望しない「パートナー登録」団体を除く)
。
表4-1 北区事務所での活動支援内容
項
目
内
容
利用可能時間
火・木・土曜日 10:00~20:45、水・金曜日 10:00~17:00
登録料
会場利用登録料(年度=5,000 円) ※パートナー登録料(年度=10,000 円)でも利用可能
会議室の提供
会議室4部屋+フリースペースの提供。※会議室利用協力金(1 回=300 円以上;2003 年度より導入)
備品の貸出・提供
備品(マイク・アンプ、プロジェクター、ビデオ、OHP、スクリーン、CDラジカセ、点字版・点
字タイプ、トランシーバー、腕章、名札、テント、専門図書等)の貸出(使用料無料)
コピー・印刷機、紙折り機の提供(使用料無料、ただし消耗品実費分は負担)
ロッカーの提供
ロッカー小(年度=1,000 円)・ロッカー大(年度=3,000 円)の提供
事務局機能の支援 レターケースの貸し出し、大郵便物・小荷物の受け取り、電話の取り次ぎ、伝言の受付 などの支援
事務スペースの支 (特活)おおさか行動する障害者応援センター、大阪手びきの会、大阪セルフヘルプ支援センターに
援
専有事務スペースが利用できるよう支援
ボランティア保険の窓口、ボランティア情報や講座・イベント情報の広報協力、
「The ボラ協」の無料
その他
送付、市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』の年間購読料の半額割引 など
表4-2 北区事務所の利用状況(下欄は 07 年度実績)
件
数
会場利用
印刷機器
1,289 件
222 件
45 件
1,556 件
1,170 件
302 件
38 件
1,510 件
ビデオ他
合
図4-3 北区事務所での会場・備品類の貸出状況
96
計
451
2000
※ 登録団体には無償でレターケース16台を貸し出し、
小ロッカー31台、大ロッカー5台を有償貸与した。
その他
130
192
343
252
525
488
印刷機
器
364
1500
38
26
238
302
常時、事務局スタッフを配置できる1団体((特活)お
95
64
1000
947
おさか行動する障害者応援センター)とコーディネート活動
904
888
588
613
に取り組む2団体(大阪セルフヘルプ支援センター、大阪手
びきの会)には、専用電話を配線(機器、回線使用料はグ
500
ループ負担)して事務スペースを提供した。3団体の事
487
487
487
456
464
務スペース利用は年間430日にのぼった。また一般の
市民活動団体の会場利用は796件、大阪ボランティア
0
03
04
05
06
07
協会の事務局利用は63件であった。
開館日(火・木・土曜:10時~20時45分。水・金曜は17時まで。祝・日・月閉館)。
45
222
63
協会利
用
796
グルー
プ利用
430
事務局
提供
08
2.会 場 利 用 登 録 団 体 の状 況
2008 年度の会場利用登録団体30団体の状況を以下に示す。(代表者名は 2008 年度の登録時点、敬称略、50音順)
グループ・団体名
代表者
活 動 内 容
【新規】匿名のアルコール依存症者を対象に毎週土曜日夜にミーティング
A A オ ア シ ス グ ル ー プ 則包 隆司
を実施。
【新規】35 歳以下のアルコール依存症者の回復を目的に毎週木曜日にミー
A A 関 西 ヤ ン グ ミ ー テ ィ ン グ 岩崎 友紀
ティングを実施。
【新規】飲酒をやめたい願いを持っている人を対象に、毎週火曜日夜にミ
A A リ バ ー ス グ ル ー プ 金光 秀晃
ーティングを実施
- 71 -
2008 年度事業報告書・詳細編(4 市民活動団体への活動拠点提供・②北区事務所)
A C O D A ロ ー ゼ ズ 松野美花子
青山正さんと共に歩む会 森
あ
じ
さ
い
修
会 岡本 敏子
アトピーを笑い飛ばす会
“あとっぷ ”
山下 剛史
E A 天 満 グ ル ー プ 和合 英樹
エコ・リーグ
中小田貴之
(全国青年環境連盟)
NAナルティーグループ
森脇 高好
特活)
直田 春夫
N P O 政 策 研 究 所
大 阪 交 通 遺 児 を 励 ま す 会 青木
大 阪 市 都 島 断 酒 会
大
阪
手
び
き
の
勝
樋口 和夫
【復活】アダルトチルドレンと自覚のある人を対象に毎月第1、第3火曜
日と毎週土曜日夜にミーティングを実施。
障害者である青山正さんの生活介助・支援を通して知的障害者の地域での
生活を考える。毎月第4火曜日夜に会議室を利用。
視覚障害児が楽しめる「さわる絵本」を作り、市立盲学校の文化祭に展示、
府立盲学校の訪問読み聞かせを実施。毎月第2・4木曜日に会議室を利用。
一人でアトピーを苦しまず、同じ病をもった人達が情報交換し明るく向き
あうことをめざし年6回の交流会及び機関誌作り。
感情の問題で悩む人々に対してミーティングを中心とした活動を行う。毎
週木曜日夜に会議室を利用してミーティングを実施。
環境問題に関心のある青年をネットワークし、様々な思いや考えを持っ
た人をサポート。より持続可能な社会への変革を目指している
薬物依存症者のためのセルフヘルプミーティングを毎週土曜日夜に会議室
を利用して実施。
持続可能な社会の実現を目指して、調査研究、研修、自主研修、政策提案
に取り組む。
交通遺児家庭への精神的支援。また、交流会や機関誌の発行。交通事故防止
運動にも取り組む 。
アルコール依存症の回復とその家族のための交流会を実施。毎週水曜日午
前から夕方まで会議室を利用。
会 三木さと子 視覚障害者の外出介助。北区事務所内に事務局を置き、ニーズ調整。
大阪府シルバーアドバイザー
シルバーアドバイザー養成講座の修了者で構成され、資質の向上のために
佐藤 宏一
努めることを目的に毎月第1、第3木曜日に理事会、役員会を実施。
連絡協議会
絵本から遠くにいる子どもたちに、絵本の読み聞かせやお話を届ける活動
お は な し グ ル ー プ 綿 の 花 小西萬知子
及び、技術向上のための講座の実施。毎月第4金曜日午前に会議室を利用。
環境に関心のある大学生が集まり、小学校で環境・福祉・国際問題などを
共育NGO
To
Be 盛
敬子
通じ、“共育”を行う。毎月第2土曜日午後に定例ミーティング。
高齢者福祉スタッフ
大門 秀幸 高齢者福祉にかかわる、スタッフ間の情報交換とネットワークつくり。
情報交換&交流会
視覚に障害のある子どもにも絵本を読ませたいという親の発案のさわる絵
さ わ る 絵 本 連 絡 協 議 会 ・ 大 阪 小西萬知子
本を製作し、普及していく。5月、10月に総会、例会を実施。
特活)シルバーアドバイザー・
シルバーアドバイザー養成講座修了者で構成。伝承おもちゃ作り、介護用具普及、
永田 得祐
ネット大阪
国際交流、おもしろ算数教室等を開催。毎月第2木曜午前に理事会を実施。
DAN会(団塊アクション
団塊世代が社会で変革を起こす力をつけ、アクションを自ら起こすことを
尾崎
力
ネットワーク会)
目指す。主に第3土曜日に会議室利用。
中卒・中退の子どもを
不登校、高校中退、ひきこもりの子どもの親のセルフヘルプ。ニュースレ
河地 敬子
もつ親のネットワーク
ターの発行および月2回程度(第2・4木曜日午後)の例会で会議室を利用。
点
訳
サ
ー
ク
ル 丑島 準子 図書館、盲学校及び個人より依頼のある図書を点訳する。
点 訳 サ ー ク ル 「 ふ み 」
ト
ミ
の
松木公美子
会 中村
静
な に わ 語 り 部 の 会 菅
寛子
走 ろ う 歌 お う 大 運 動 会 乾
純一
ひきこもり当事者による
森
自助グループ ひだまり
禎嗣
マ
ジ
ッ
ク
輝 二葉登代子
みんなでつくる
平野 寛子
コンサート実行委員会
視覚障害者のための点字文書作成。初心者への点字指導。点字の普及。毎
週火曜日夜に会議室を利用。
会員各自がそれぞれの地域で活動。年2回福祉施設の見学、会員相互の研
修会、各地域・個別のボランティア活動、その他の情報交流を実施。
童話や民話の語りを通じて世代に応じた豊な人間形成と同じ時代を生きて
いく者としての連帯意識の向上。毎月第2土曜日午後に例会(8月除く)。
障害者及び社会福祉に対して正しい認識を持ってもらうため、運動会やレ
クリエーション、学習会を通して障害者と健常者の交流を図る。
20歳以上の青年で人と接することが苦手でひきこもりの人や、心の悩み
を抱えた人たちの交流会を実施。毎週土曜日午後に会議室を利用。
大阪府シルバーアドバイザー養成講座のOBが集まり、毎月第2水曜日に定例会
をもち、研修を実施している。それを基礎に施設訪問やイベント等に参加。
障害のある人ない人が一緒になってコンサートを実施するための準備・運
営。月1回程度、土曜日午後に会議室を利用。
※
「パートナー登録」団体(別掲)のうち、北区事務所で会場・備品を利用した団体は 7 団体[(特活)おおさか行動する障
害者応援センター、
(特活)大阪スタタリングプロジェクト、大阪セルフヘルプ支援センター、大阪帆船と国際交流の会(SAIL
‘O’)、大阪筆記通訳グループ「ぎんなん」
、くつろぎステーションつばさ、手話サークル「つくし」
]である。
※ 2007 年度をもって退会した団体は 3 団体[NASerenity Prayer グループ、外国人サポーターネット・大阪、(特活)へるぷ
ふるねっと]である。
3.「同 心 同 志 会 」の取 り組 み
北区事務所を拠点とした新たな事業の開発や、拠点の有効活用の方策を検討し、実施につなげることで、北区事務所
の有効活用や活性化をめざすため、北区事務所活用検討チーム「同心同志会」を設置している。
2008年度には三井住友海上火災保険(株)様から余剰什器備品の寄贈が決定したことを機に、机やイスの大々的
な入替えを実施して、会議室を4室に増室し、フリースペースやグループ室をより使いやすくなるよう環境を整備した。
- 72 -
2008 年度事業報告・詳細編(5.企業市民活動推進センター)
5.「企業市民活動推進センター」事業
- コンサルテーション、社員のV体験、NPOとのコーディネーション
「企業市民活動推進センター」(Center for Corporate Citizenship、CCC)は、日本生命財団の助成を受けて、
1991年に開設。以来、「企業市民」活動(いわゆる、企業の社会貢献活動、CSR活動)の専門推進
機関として活動している。
主な機能は、①CSRを含む「企業市民」活動全般のコンサルタントと研究会の開催、②社員・OB等
の市民活動支援のための総合的支援・プログラム提供、③NPOと企業(人)のパートナーシップ作りのた
めのコーディネート、④社会的責任に関するNPO/NGOからの発信を柱に事業を進めている。
2008年度は特に①と④の事業の充実・強化に力を注いだ。
1.パートナーシップ形成の“要”として
企業市民活動推進センターは、社員に自己実現の機会を提供し、NPOを通じて地域社会を活性化させ、企業市民活
動に熱心な企業への社員や地域社会(顧客)の共感を高めるコーディネート機関・ファシリテート機関として、以下の
ようにニーズにそれぞれ応えている。
①.企業・労働組合の社会貢献活動を推進・強化していきたい
→ 個々の企業・労働組合の事情に応じたアドバイス・情報提供・他社事例紹介など実施。
②.企業市民活動・CSRについて学びを深めたい、他社の担当者とも情報交換したい
→ 社会貢献活動担当者の定例研究会「フィランソロピー・リンクアップフォーラム」は15年の歴史。
「関西C
SRフォーラム」も2004年度から開始し、2008年度から両者を統合。
③.CSR(企業の社会的責任)の推進で、企業の社会性を高める活動に取り組みたい
→ 具体的なプログラムの相談・企画提案、勉強会・研究会の開催。
④.NPOと協働したい、寄付・寄贈したい
→ 社会貢献活動やCSRにおいてパートナーとなりうるNPOの「紹介」「コーディネーション」を実施。
⑤.社員・組合員・OB対象のボランティア体験プログラムなどを実施したい
→ 多様なNPOと協働してセミナー・体験プログラムなどの企画提案と講師紹介、当日の運営を援助。
⑥.ボランティア活動・市民活動の情報がほしい
→ 関西を中心とするボランティア活動プログラムや市民活動団体情報のデータベース(KVネット)から、適
切な情報を提供。社員に合わせた情報の加工サービスも実施。
この他、経済団体、マスコミとの連携などを通じて、企業市民活動の推進、企業の社会性向上を支援している。
2.コンサルテーション事業
図5-1 相談内容
(1)企業市民活動推進センターへの相談対応
2008年度にセンターが受けた相談内容を図5
-1で示す。相談件数は63件(2007 年度 101 件、
前年度比 38 件減)であり、そのうち42件が企業や
労働組合からの相談である。
相談内容は社会貢献事業やCSRについての運営
相談やコンサルティングが最も多く22件となって
おり、これらは企業の社会貢献プログラムの企画作
りの受託につながっている。次いで多いのはNPO
や企業に関する問合せや紹介依頼で12件となって
いる。
当協会について
6
その他
5
運営相談・コン
サル
22
V・寄付・寄贈
10
セミナー企画
6
- 73 -
NPOや企業の
問合せ・紹介
12
2008 年度事業報告・詳細編(5.企業市民活動推進センター)
その他の相談としては、企業や労働組合からのセミナーの企画に関する相談や、企業がボランティア活動や寄付・寄
贈に取組むにあたっての相談、当協会の事業に関する問合せなどがある。
(2)企業市民活動推進のコンサルティングと企画づくりの支援
企業市民活動推進センターは、企業の社会貢献プログラムの企画コンサルティングや事務局受託、専門員派遣なども
行っている。社員向けボランティア講座受託の他、2008 年度に実施したコンサルティング事業は、以下のものがある。
項
目
概
要
パナソニック㈱「Panasonic パナソニックの従業員の福利厚生「カフェテリアプラン」メニューの一つとしてNPO
ハートフルクラブ」のファ
への寄付活動を支援するため、そのファンドを預かり事務手続きやNPOへの資金提供
ンド管理事務局受託
を行う事務局を受託するための準備作業を中心に行った。
積水ハウスCSR取り組み
積水ハウスが情報開示情報をベースに、外部から受けとめられる視点を、専門に取り組
向上のための調査報告
んでいるNPO/NGOに「取り組んでいる内容や視点の強み、弱み」についてご指摘、
提案をいただき、積水ハウスのCSR推進の今後のあり方についての提言をまとめた。
積水ハウス「マッチングプ
積水ハウスに創設した従業員と会社の協働参加型社会貢献プログラム「積水ハウスマッ
ログラム・アドバイザー」
チングプログラム」の助成プログラムの企画内容、審査方法、選考に関する助言を行う
就任
アドバイザーとして水谷事務局次長が就任し、選考作業が行われるプログラム理事会へ
派遣した。
大阪信用金庫とCSR推進
大阪信用金庫のCSR活動を進めるため、CSRに関する全般的な助言を行うとともに、
に関する顧問契約
同金庫の情報誌『だいしんNOW』に「ちょっとコラム」を連載。毎月、市民活動に参
加するための情報を提供。また支店長研修でCSRの動きの講義などを行った。
マンダムのステークホルダーダ マンダムが行ったCSRステークホルダーダイアログに、マンダムのCSR活動を評価
イアログ・コメンテーター
するメンバーとして水谷事務局次長が参加。
阪急阪神ホールディングス
阪急阪神ホールディングスが 09 年度実施を予定している「ゆめまち基金」助成プログラ
のファンドプログラム助言
ムの全体設計や委員等の選定助言など、プログラム構築に協力した。
各企業のCSR活動の助言
企業が発行する「CSR報告書」制作の際に、記述に関する助言やコメント掲載に協力
と報告書へのコメント掲載
した。
※コメント協力した企業:関西電力㈱、帝人㈱、㈱積水ハウス、大阪ガス
図5-2 社員対象の教育事業
3.教 育 ・研 修 ・研 究 事 業
150
(1)社員向けボランティア講座の受託開催
2008年度にセンターが企画・進行全般の委託を受けた
30
125
25
72
講座件数は9件(07 年度8件)であった。これに企業や労働
組合から講師派遣だけを依頼された11件(同18件)を加
100
78
20
55
えた計20件(同 26 件)の依頼に対して、計31人(同 32
人)の講師を派遣した。
122
75
71
15
70
受託内容は、ボランティア入門セミナーや技能体験(貿易
ゲーム・車椅子・アイマスク・手話体験など)である。受託
53
50
20
講座9件は07年度に引き続いての受託であり、長期的な関
係が築けている。一方で新規の相談は、受託にはつながらな
78
25
かった。
47
10
75
25
30
20
50
46
35
31
37
31
29
20
0
10
37
39
30
24
13
10
20
22
15
12
17
19
5
0
0
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 0 3 04 05 06 07 08
(2)「フィランソロピー・CSRリンクアップ
フォーラム」(PCLF)の開催【統合】
上半期派遣数
下 半期派遣数
企画数
「フィランソロピーリンクアップフォーラム(PLF)」と「関西CSRフォーラム(KCF)」を統合して、再出発。
会員団体数は42社(顧問および当協会を含む。07 年度 38 社)。のべ参加者数は336人(大阪ボランティア協会及び講
師含む。前年度はPLF225 人、KCF257 人)であった。
定例フォーラムは偶数月に開催しており、開催分の内容は以下のとおりである。
- 74 -
2008 年度事業報告・詳細編(5.企業市民活動推進センター)
<2008年度会員団体>
38団体(顧問と当協会を除く)
伊藤ハム㈱、エイチ・ツー・オーリテイリング㈱、NECシステムテクノロジー㈱、㈱NTTデータ関西、大阪ガ
ス㈱、(社福)大阪市社会福祉協議会、大阪商工信用金庫、(社福)大阪府社会福祉協議会、オムロン㈱、㈱カネカ、関西
電力㈱、㈱関西マガジンセンター、近畿労働金庫、㈱空、㈱クボタ、㈱クレアン、㈱神戸製鋼所、三洋電機㈱、(特活)
ジャパンプラットフォーム、住友生命保険(相)、積水ハウス㈱、ダイキン工業㈱、大同生命保険㈱、ダイハツ工業㈱、
㈱髙島屋、(特活)トゥギャザー、西日本高速道路㈱、日東電工㈱、(特活)日本NPOセンター、パナソニック㈱、パナ
ソニック電工㈱、阪急阪神ホールディングス㈱、(社福)兵庫県社会福祉協議会ひょうごボランタリープラザ、富士ゼロ
ックス㈱、三井住友海上火災保険㈱、三菱商事㈱、ロート製薬㈱、㈱ワコールホールディングス
【顧問】今田 忠(市民社会研究所所長)、出口正之(国立民族学博物館教授)、本間正明(関西社会経済研究所)
①.定例フォーラム
・第1回(2008 年
4月24日、会場:大阪NPOプラザ)
参加者:55人(30団体)
テーマ:「企業市民・CSR活動のこれまでと今後~フォーラムの活動を通して考える」
発題者:早瀬
昇(大阪ボランティア協会事務局長)
ゲストコメンテーター:一橋大学大学院商学研究科教授
・第2回(2008 年
谷本寛治
6月10日、会場:大阪NPOプラザ)
参加者:56人(28団体)
テーマ:リサイクル、燃やす燃やさない論争に終止符を!~リサイクルの目的理解と、30年先を考えた視野
が必要
発題者:堀
孝弘((特活)環境市民)
・第3回(2008 年
8月
7日、会場:大阪ガス)
参加者:50人(26団体)
テーマ:2008年「G8サミットNGOフォーラム」からのレポート
発題者:下澤
嶽((特活)国際協力NGOセンター)
・第4回(2008 年10月14日、会場:髙島屋)
参加者:55人(28団体)
テーマ:学校現場が求める「企業の教育支援活動」
発題者:若江眞紀(㈱キャリアリンク代表)
・第5回(2008 年12月
9日、会場:三井住友海上火災保険)
参加者:56人(23団体)
テーマ:社会貢献・CSR担当部署の『困ったと悩み』を解決するヒントをもらうワークショップ大会
・第6回(2009 年
2月10日、会場:関西電力)
参加者:64人(32団体)
テーマ:大阪経済人の社会文化貢献活動 ~その歴史から何を学ぶ?
発題者:宮本又郎(関西学院大学大学院 経営戦略研究科 教授)
②.「CSR報告書ダイアログ」の開催
「CSR報告書ダイアログ」をPCLFの会員有志による自主的なプログラムとして開催を支援した。
・第1回
2008 年
9月10日
会場:三洋電機
参加者:28人
プ レ ゼ ン 企 業:三洋電機㈱、積水ハウス㈱、松下電工㈱
ゲストコメンテーター:ダイバーシティ研究所代表
・第2回
2008 年10月
9日
会場:大阪ガス
田村太郎
参加者:24人
プ レ ゼ ン 企 業:大阪ガス㈱、関西電力㈱
ファシリテーター:大阪ボランティア協会
・第3回
2008 年12月17日
事務局次長
会場:西日本高速道路
水谷
綾
参加者:23人
プレゼン企業:西日本高速道路㈱、㈱ワコールホールディングス
ファシリテーター:大阪ボランティア協会
事務局次長
水谷
綾
③.若手担当者勉強会「リンクアップ・ジュニア」の開催
PCLF会員企業の「若手」担当者の自主勉強会。2008年度は児童福祉をテーマに先進的な活動を実施してい
る団体を訪問した。参加団体15社、のべ参加者数38人。
(協会と訪問先講師を含まず。07 年度は9社、のべ 50 人)
- 75 -
2008 年度事業報告・詳細編(5.企業市民活動推進センター)
<2008年度参加団体>
大阪ガス㈱、大阪商工信用金庫、オムロン㈱、関西電力㈱、近畿労働金庫、三洋電機㈱、住友生命保険(相)、積
水ハウス㈱、西日本高速道路㈱、パナソニック㈱、パナソニック電工㈱、三井住友海上火災保険㈱、ロート製薬㈱、
㈱ワコールホールディングス
・第 44 回
2008 年5月28日
本年度の活動内容の検討
参加者:15人
・第 45 回
2008 年7月29日
大阪児童福祉事業協会・アフターケア事業部
参加者:11人
・第 46 回
2008 年9月18日
コープこうべ
参加者:12人
(3)「CSR経営研究部」の開催
運営委員有志と事務局を中心に、CSR周辺情報の収集と勉強会を実施(メンバー9人、6回実施)。市民・NPO
向けのCSR入門ハンドブックを編集し発行した。
4.社会的責任(SR)に関するNPO/NGOからの発信
(1)「社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク」の組織化と参画
CSR(企業の社会的責任)の国際規格づくりとして検討がスタートしたISO26000は、企業だけでなくす
べての組織に関わる規格であるべきだとして
「組織の社会的責任(Social Responsibility)」
の議論へと発展し、引き続き検討作業が進めら
れている。また、社会的責任に関するマルチ・
ステークホルダーの円卓会議を立ち上げよう
とする動きも出てきた。そこで、日本のNPO
/NGOが、個々の組織あるいは関係者個人と
して、市民の声を各種の制度に反映させ、市民
の理解を促進する役割を果たすため、以下の団
体が幹事役となって、2008 年5月1日に「社会
的責任向上のためのNPO/NGOネットワ
2008 年5月の「NNネット」設立総会
ーク」(NNネット)として設立された。
以降、その設立および運営の推進役として当協会から早瀬
昇、水谷
綾を派遣し運営に協力している。
(具体的な
動きは以下のとおり)
<幹事団体>
NPOサポートセンター、大阪ボランティア協会、環境パートナーシップ会議、国際協力NGOセンター、CSO
ネットワーク、ダイバーシティ研究所、日本NPOセンター、人と組織と地球のための国際研究所
<活動の歩み>
・2008 年
5月
1日
NNネット設立総会
・2008 年
9月
1日~5日
ISO26000(サンチアゴ大会)への参加
(エキスパート:黒田かをり。オブザーバー:水谷 綾を派遣)
・2008 年 10月23日
SRフォーラム(場所:早稲田奉仕園)
・2009 年
1月
NNネット臨時総会、ISO26000コメント集約会①
・2009 年
1月16日
8日
ISO26000コメント集約会②
(2)「CSRを応援するNPOネット」への参画
2005年5月に、協会が(特活)環境市民、ダイバーシティ研究所、IIHOE(人と組織と地球のための国際研究
所)、(特活)NPO政策研究所などと共に結成した「CSRを応援するNPOネット」では、CSRの指標作りを目
的に『Shopping for a Better World 日本版』作成への取り組みを始めた。
2008年度は地球環境基金から助成金をいただき、16回にわたる研究会を開催し調査書を作成、自動車業界と
電気業界の企業へのヒヤリング調査を行った。
- 76 -
2008 年度事業報告・詳細編(6.情報提供・研究・出版事業)
6. 情報提供・研究・出版事業
- 毎月3,000部を全国に“発信”。研究活動も強化。新刊3点を発刊。書籍の利用総数は4,965冊。
市民活動を取り巻く環境は大きく変化しつつあり、新たな状況と課題に対する適切な論評が求められて
いる。現に協会には市民活動などに関して多くの問い合わせがある。こうした社会的ニーズに応えるべく、
2008 年度もさまざまなオピニオンを発信した。
ただし、市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』は会員の退会や自治体合併の影響を受け購読件数が
大きく減少し、購読料収入、広告料収入ともに予算を下回った。
一方、出版部門では『子どもと学ぶボランティア』『NPO/NGOのためのCSR入門ハンドブック』
『福祉小六法2009』の3冊を新たに発刊。当協会の発行図書は全国の市民活動関係者などに活用されてい
る。2008年度の発送依頼は716件と前年を約25件上回り、約780万円の売り上げと約254万
円の印税収入があった。
1.市民活動総合情報誌 『ウォロ(Volo))』の発 行
(1)発行部数【毎月平均 3,000部】
図6-1 全国に広がる発送先
『ウォロ(Volo)』新創刊から5年。市民活動関係者やボ
ランティアセンター、研究者、NPO、企業の社会貢献部署、社
会福祉施設、大学、自治体などを中心に全国の読者に発信した。
発送者は図のように全国に広がっており、全体の約7割は大阪
府外となっている。なお、発行費用の一部に大阪府共同募金会の
配分金を活用している。
年間購読料 4,000円(送料込)※09 年度より 5,000 円
(2)内
容
多くの連載コーナーがあるが、特集とV時評のみ報告する。
<特
100%
東北北海道
90%
80%
九州
70%
中四国
60%
中部
50%
関東
40%
30%
近畿
20%
大阪府内
10%
大阪市内
0%
01 02 03 04 05 06 07 08
集>
4月号
「ウォロが選ぶ三ツ星」連載50回記念 市民活動の"アフターファイブ"
5月号
「自治」と市民セクター 座談会:われわれはどうしたら市民自治が実現できるのだろう
6月号
キャンパスはまちのなか!
7・8月号
マンガで市民活動! 「絵」のエンパワメント力はスゴイのだ
9月号
学校で取り組む市民教育
10月号
ザ・社会福祉協議会 この不可思議なる多面体
11月号
ニュータウンの栄と枯と
12月号
反貧困・動きはじめたプレカリアート
1・2月号
神戸
3月号
あの日から14年
学生たちのまちづくり
文化・アートのバトンを継ぐ人たち
「批判」と「共感」@市民創出メディア
<V時評(論説欄)>
4月号
「高齢当事者運動」の大きなうねりを!
5月号
不安が人を惹ひきつける
6月号
呼びかけに応えて志を受けつぐ
7・8月号
やはり「連帯」以外に道はない
9月号
大学の社会的責任(USR)を問う~障害者雇用率という観点から
10月号
日本でも「サードセクター」の結集を
11月号
金融危機と国民総幸福(GNH)
12月号
1・2月号
3月号
「怪しいお金」は寄付で活かそう
ワーク・ライフ・バランスを考える
「隔離されたテーマパーク」で
- 77 -
2008 年度事業報告・詳細編(6.情報提供・研究・出版事業)
<新設コーナー>
2008 年4月号から「市民活動で知っておきたい労務」、5月号から「だから私はこれを買う・選りすぐりソーシャル
ビジネス商品」、
「どーなる?どーする!裁判員制度」、6月号から「共感シネマ館」の連載を始めた。
(3)購読者数
2008年度の新規購読部数は104件(対前年度8件減)であった。内訳は会員20件(同6件増)、非会員84件(同
2件減)
。前年より若干減少したが、新規購読部数は引き続き100件をこえ、回復をみせた。
また2008年度末の有料購読部数は1,790件(同75件増)であった。内訳は会員1,165件(同4件減 ※パ
ートナー登録団体(80団体)と団体賛助会員(73団体)の数を含めている)、非会員625件(同79件増)であった。
購読部数は、発送データベースの不具合による遅送の回復と購読中止者の減少により回復が進んでいる。
なお、購読料収入は、2008年度は531万円と前年度実績を大きく上回った(対前年度160万円増)。
500
図6-2 Volo購読状況
図6-3 有料購読者の推移
500
海外
1800
400
400
1600
東北・北海
道
購
読
料
収
入
1400
中・四国
新
規
購
読
者
数
800
311
300
300
275
210
201
219
200
197
164
152
129
108
112
100
200
148
145
162
76
95
九州
1000
112
136
100
90
99
1200
104
157 195 176 252 199 251 307 408 433 416 422 490 537 522 469 371 531
0
0
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08
中部
600
関東
400
近畿
200
0
2.他 の情 報 提 供 事 業
00 01 02 03 04 05 06 07 08
大阪府内
(1)「英語情報発信強化チーム(Eボラ)」の取り組み
協会の基礎情報を英訳し発信するとともに、今後の方向性について議論した。
① 翻訳研究会の実施
文献:Steve McCurley and Rick Lynch, A Guide to Retention Volunteers Keeping, 2005.
② 協会ホームページの英語ページ 2007 年度事業報告更新
図6-4 HP年間アクセス数の推移
(2)「ホームページ」の運用
60000
1996 年10 月からボランティア・市民活動情報発信のホームページ「ぼらや
50000
ねん(Volajanen)」(http://www.osakavol.org/)を開設し、様々な情報を発信
40000
してきた。
30000
2009年3月末のアクセス件数は503,419件(年間50,823件、
対前年度 1,935 件減。月平均 4,235 件、同161 件減)に達した。
講座やイベント等の申込み等に利用され、ホームページを介して講師派遣
依頼や相談、出版物販売に繋がるなど、広報ツールとして活用している。
(3)映像製作発信
2007年度から協会事業・イベントの映像による記録、発信を行
っている。08年度はショートドラマ『ボランティア~出逢い』『海
と星のキャンプ』『シニア講座CM』の3本を製作し、ケーブルテレ
ビ、協会ブログ、映像発信「てれれ」上映会などの媒体に発表した。
『ボランティア~出逢い』は「初めてのボランティア説明会」の冒頭
で上映している。
(写真は『ボランティア~出逢い』より→)
- 78 -
20000
10000
0
96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08
2008 年度事業報告・詳細編(6.情報提供・研究・出版事業)
3.書 籍 の発 刊 と発 行 経 費 の回 収
出版事業は、編集を通じて市民活動に関する理論化、体系化を進めると共に、成果を全国に
普及し、さらに販売収益は事業資金に役立てられるなど、効果の大きい事業である。
(1)新規/改版の発行図書
①.新規発行
(ボランティアテキストシリーズ 22)の発行
A.『子どもと学ぶボランティア』
・鳥居一頼著 ・A5判、183ページ。2008年5月5日、2000部発行。
・子どもたちとの授業の中から想像した子どもを粗末にしない「ボランティア授業論」。
B.『NPO/NGOのためのCSR入門ハンドブック』の発行
・CSR経営研究部 ・A5判、34ページ。2009年3月31 日、500部発行
・Q&A形式と豊富な事例によりわかりやすくCSRを解説している。
C.『福祉小六法 2009』の編集
・B6判、724ページ。2008年 12 月25 日、中央法規出版より発行。
・社会福祉および市民活動に関する基本的な法令をコンパクトにまとめている。
(2)書籍の普及と発行経費の回収
図6-5 出版物の発送地域
出版活動の財政的自立をめざし、各書籍は実費で頒布して
東北・北海道; アマゾン; 47
51
いる。2008年度は4,965冊(前年度 5,726 冊)の利
用があり、約779万円(同 890 万円)分の発行経費を回収
九州・沖縄; 44
大阪府内; 39
大阪市内;
149
した。新刊の発行点数が減っていることから、2年度連続で
中・四国; 46
発行経費の回収額が減少している。
また発送先は図6-5に示すように全国に広がっている。
中部; 91
近畿; 109
関東; 147
①.販売好調図書の増刷
・『自治体・公共施設のためのV協働マニュアル』第1版第3刷
(2008 年10月20日、800部発行)
・『知らされない愛について』第1版第10刷
(2009 年 3月20日、1000部発行)
②.協会編集書籍からの印税収入
『福祉小六法』の発行
を中央法規出版に移行し
1200
万円
図6-6 図書販売額の推移
て以降、印税収入は高水
準が続いている。
150
155
1000
2008年度は『福祉
小六法 2009』の新規発行
53
236
27
80
50
129
217
800
176
37
191
600
55
315
409
254
184
200
の増刷により、254万
円 (前年比9万円増) の
印税収入があった。
357
336
229
151
227
287
303
270
テキストシリー
ズ
277
283
245
256
07
08
印税など
0
99
00
01
NPO図書
活動研究ほか
246
『市民プロデューサーが
拓くNPO世紀』の4点
175
163
458
562
買い取り図書
23
283
127
481
413
400
30
74
139
155
ィアの理論と実際』
『ボラ
ンティアガイドブック』
134
69
182
229
と、『福祉小六法 2008』
『基礎から学ぶボランテ
31
160
105
02
03
04
05
06
(3)広報誌・研究誌等への寄稿(事務局員分のみ)
2008年度も広報誌・研究誌などへの寄稿を行った。主なものは以下のとおりである。
- 79 -
2008 年度事業報告・詳細編(6.情報提供・研究・出版事業)
「ちょっとコラム」連載(協会職員が交代執筆)、大阪信用金庫『大信NOW』2006年6月から毎月1回
・
・
「ゼミナール 初めの一歩」の連載(早瀬)、読売新聞『わいず倶楽部』(2008 年4月、5月、6月、8月、9月)
・「市民の『自治力』を高める『協働』に向けて」
(早瀬)
、全国知事会『都道府県展望(2008 年4月号)』
・「ボランティア、NPOの動向」(早瀬)
、日本福祉教育・ボランティア学習学会『福祉と教育(創刊号)
』2008 年 10 月
・日本NPOセンター「NPOのひろば」に『シリーズNPO・価値』と題し 08 年7月、09 年3月に連載(早瀬)
・「市民活動の特性を生かした地域福祉展開のあり方~民間市民活動推進機関の視点から」(早瀬)、日本青年奉仕協会『ボ
ランティア白書 2009』、2009 年3月
4.市 民 シンクタンク事 業
協会では、市民活動を進めるための調査研究事業にも積極的に取り組んでいる。このうち、自治体と市民活動の協働
推進施策づくりに関して第3章で報告したが、その他、以下のような研究事業に取り組んだ。
(1)「勤労者のボランティア活動促進事業」の開催(勤労者のボランティア活動促進チーム)
2007 年度に設置・開催した「勤労者向けボランティア参加システム開発研究会」の研究成果を引き継ぎ、新たに事業
推進チームを発足。勤労者が市民活動に参加しやすい仕組みをつくり、市民活動の参加を通して社会参加の促進をめざ
すためのボランティアプログラム開発をめざして、電話・訪問ヒアリング調査および会議を開催した。
(2)「真如苑・社会貢献アドバイザリー委員会」の事務局受託
(宗)真如苑の社会貢献活動に助言する「アドバイザリー委員会」の事務局を受託。2008年度は有識者を委員とし
て招聘し5回の委員会を開催。真如苑の過去15年間の社会貢献活動の実績を分析した報告書をまとめるとともに、こ
れをベースに外部識者向け報告書を編集。また今後の社会貢献活動のあり方についての協議や個別の社会貢献案件に対
する助言などを行った。
5.学 会 発 表 と研 究 会 ・審 議 会 などへの参 画
(1)学会発表(事務局員分のみ)
・「日本NPO学会(第11回年次大会)
」(2009 年3月21日~22日、愛知・名古屋大学)
A1パネル「金融経済危機と市民社会の課題」で早瀬がパネリストとしてCSRへの関わりを発題し
C3パネル「ボランティア」で早瀬がモデレーターを務めた。
(2)審議会、学会役員会などへの参加
上記の他、2008年度に理事長および事務局員が参加した審議会、研究会および役員を務めている学会などは以
下のとおりである。(他章紹介分を除く)
<審議会>
・国
民
生
活
審
議
会・委
員
(早瀬)
・安全安心で持続可能な未来に向けた社会的責任に関する円卓会議準備委員会
・委
・大 阪 府 高 齢 者 保 健 福 祉 計 画 推 進 委 員 会・委
員
(早瀬)
員 (水谷)
・大 阪 市 高 齢 者 施 策 推 進 委 員 会 ・ 生 活 福 祉 部 会・部 会 長 (早瀬)
<学
会>
・大 阪 市 地
域
・大 阪 府 障
害
・日
本
キ
福
者
リ
ス
祉
福
計
祉
ト
教
画
計
策
画
社
定
推
会
進
福
委
委
祉
員
会・委
員 (早瀬)
員
会・委
員 (永井)
学
会・会
長
(岡本)
・日 本 社 会 福 祉 学 会 「 学 会 賞 」 審 査 委 員 会・委
員 (岡本)
・日
事 (岡本)
本
地
域
福
祉
学
会・監
・日 本 福 祉 教 育 ・ ボ ラ ン テ ィ ア 学 習 学 会・常任理事 (岡本・早瀬)
・国
際
ボ
ラ
ン
テ
ィ
- 80 -
ア
学
会・理
事 (早瀬)
など
2008 年度事業報告・詳細編(7.国内外のネットワーク推進事業)
7.国内外のネットワーク推進事業
協会は、様々なプロジェクトの“ネットワーカー”(つなぎ役)となる場面が多い。この背景には①
財政的自立度が高く独立した立場で行動できること、②長年の活動を通じ多様な分野にネットワークを
もち分野横断的な仲介役を果たせること、③NPOと企業、行政とのパートナーシップ形成のノウハウ
を蓄積してきたこと、④推進機関の中で相対的に大きな存在でありNPO界をリードする役割が期待さ
れていることなど様々な要因があげられる。
2008年度も様々な結び役となったが、本章では他章で紹介していないものを中心に報告する。
1.国 内 でのネットワーク活 動
(1)「全国民間ボランティア・市民活動推進者企画戦略会議」(第26 回)の開催
独立系の市民活動推進センターの全国ネットワークとして、民間的自立度の高い市民活動推進機関を、広く参加
対象としている。協会は設立当初から実行委員として関わっており、2008年度は、茨城(事務局:茨城NPO
センター・コモンズ)で開催された。
開催日:2008 年6月7日~8日
内
場
所:茨城学院大学
容:オープニングセッション「NPOを問う」の後、2日間で6分科会「地縁組織とNPOの共同と中間支援
組織の役割」「公設民営センターを元気にする方法」「田舎を手入れする、田舎と付き合う中間支援団体の
広域連携」「協働とソーシャルビジネスを捉えなおし事業戦略をつくる」「若者とボランティアⅠⅡ」「組
織の社会的責任企画は今後の企業NPO地域社会にどう関わる」を実施。
民間ボランティア活動推進機関が向き合う課題について関係者が会議を持った。
参加者:69人(協会からは岡本、早瀬、水谷が参加)
(2)その他の主なネットワーク事業(他章報告分を除く)
①.「広がれ! ボランティアの輪・連絡会議」への参画
全国レベルのボランティア活動推進機関のネットワークとして、毎年、市民活動の推進方策について提言をま
とめるとともに、分野横断的なボランティア活動推進のプラットフォームとしての機能を整備しつつある。協会
も、連絡会議のメンバーに参画し、随時、その運営に協力してきた。特に2008年度は09年に開催される全
国ボランティアフェスティバルに連絡会議が共催することとなり、同フェスティバル実行委員会への連絡会議か
らの委員の一人として、早瀬事務局長が参加した。
②.「『水都大阪 2009』市民参加準備会議・交流会」終了後のフォローアップ
「水都大阪 2009」のイベントの一つである「市民企画」の公募に向けて、準備会議終了後に開催された任意の
会合(3回)に、協会から永井美佳を派遣し、その運営に協力した。
③.「みんなの『大阪会議』」への参画
「『水都大阪 2009』市民参加準備会議・交流会」でつながった大阪のまちづくり関係者が、
“大阪を愛し、既に
活動している人々が出会ってゆくための、緩やかで、出入り自由なネットワークの場”を創出。協会から永井美
佳が世話人として参画した。計5回開催。
(3)役員などの派遣(理事長、事務局員などが役員などに就任している主な団体。2008 年度末現在)
①.(財)ユ
ニ
ベ
ー
ル
財
団・理
事(岡本理事長)
②.(財)大 阪 ガ ス グ ル ー プ 福 祉 財 団・評 議 員(岡本理事長)
- 81 -
2008 年度事業報告・詳細編(7.国内外のネットワーク推進事業)
③.(福)大 阪 市 社 会 福 祉 協 議 会・評 議 員(岡本理事長)
④.(財)日
⑤.(社)日
本
本
生
青
命
年
済
奉
仕
生
協
会・評 議 員(岡本理事長)
会・理
事(早瀬事務局長)
⑥.大 阪 ボ ラ ン テ ィ ア 推 進 府 民 会 議 運 営 委 員・委
員(早瀬事務局長)
⑦.(財)大 阪 府 地 域 福 祉 推 進 財 団・評 議 員(早瀬事務局長)
⑧.(社)日 本 フ ィ ラ ン ソ ロ ピ ー 協 会・評 議 員(早瀬事務局長)
⑨.(財)大 阪 府 男 女 共 同 参 画 推 進 財 団・理
事(早瀬事務局長)
⑩.(福)大 阪 府 社 会 福 祉 協 議 会・評 議 員(早瀬事務局長)
⑪.(財)大 阪 府 地 域 支 援 人 権 金 融 公 社・評 議 員(早瀬事務局長)
⑫.大 阪 府 ボ ラ ン テ ィ ア ・ 市 民 活 動 セ ン タ ー・運営委員(早瀬事務局長)
⑬.大 阪 市 ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 セ ン タ ー・運営委員(早瀬事務局長)
など
2.海 外 とのネットワーク推 進
(1)姉妹提携団体「韓国自願奉仕聨合會」との連携
2000 年1月に姉妹提携した「韓国自願奉仕聯合會」(本部・釜山)との事業連携を図るため、2008年度は韓
国から日本に代表を迎えて、以下の姉妹血縁記念事業を行った。
・「姉妹結縁9周年記念 韓国・企業の「企業市民活動」の現在!」の開催
姉妹血縁から9年目となった 08年
度は、韓国でも活発化してきた企業
市民活動の動きについて韓国自願奉
仕聨合 會 から話を聞くとともに、
元・経団連職員で、韓国の経済団体
での勤務経験もある田中氏を招き、
その特徴について解説を受けた。
開催日:2009年
1月23日(金)
会
場:大阪NPOプラザ
参加者:18人
講
演:李大根(イ・デグン、
韓国自願奉仕聯合會)
コメンテーター:田中康文(アットニューストリーム有限会社)
(2)「インターナショナル・ボランティア・ネットワークセミナー」(日本開催)の企画運営支援
第1章(50ページ)で報告しているように、
ハワイのボランティアマネジメントについて実
践・研究を進めているハワイの関係者と検討を
進めてきた上記セミナーを、2008年5月13日
~17日、日本で開催。ハワイの関係者が来日
し、現場の視察と意見交換を行った。
右の写真は、ハワイからの参加者とともに、京
都にある高齢者福祉施設「紫野」を見学、ボラン
ティアマネジメントについて意見交換を行ってい
る場面。
(3)海外からの視察受け入れ
2008年度は、韓国の蔚山総合自願奉仕センター(2008 年4月21日)とタイ王国の関係者(同5月14日)が
大阪NPOプラザの視察に訪れ、日本および当協会の取り組みを解説した。
- 82 -
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
8. 人的な事業推進態勢の充実
協会は組織経営から事業推進まで幅広い場面に多くの市民が参画している。特に事業推進に直接関与す
るスタッフを「アソシエーター」(協会=Association から作った造語)と呼んでおり、2008年度も、
ボランティア(のべ307人、実数141人)と有給専従スタッフ(事務局員28人)が協働して事業推
進に当たる体制「参加システム」で事業を進めた。
具体的には、①個々の事業を企画推進する「チーム」「委員会」「事務局」を核に、②事業部門ごとに「運営
委員会」を設け、さらに③経営全般を協議する「常任運営委員会」「財務・基金運営委員会」を開催。④「事務
局員」が日常的に事業の“つなぎ役”となる他、⑤年2回、全体合宿(11 月の「一泊創出会議」、3月の「事
業計画会議」)を開催。アソシエーター全員の協議で事業や組織のあり方を決めるシステムをとり、自治
的で開かれた形で運営を進めている。
1.会 員 の拡 大
(1)会員の現況
協会は、その目的に共感する市民が“個人会員”として事業を支える一方、趣旨に賛同いただいた企業などに“賛
助会員”として資金的援助を受けている。2008年度は高齢などを理由に退会される会員や、連絡がないまま会費
の納入が滞っている会員の退会で個人会員が減るとともに、大阪本社企業の東京移転で企業のご支援も困難な状態が
続いている。なお特別会員は協会創設以来、多額の助成をいただいている(財)晧養社・理事長 中納久昭氏である。
〔下表で( )内は昨年度実績〕
表8-1 2008 年度の会員の異動状況(カッコ内は前年同期実績)
特
別
会
員
個
人
会
員
( 内 、 生 涯 会 員 )
団体賛助会員(企 業)
団体賛助会員(非営利)
合
2008年4月
1
人
679(694)人
8
人
64( 68)社
12( 12)社
新規加入
0
人
24(36)人
7
人
2 ( 1)社
1 ( 1)社
756(775)
27(38)
計
退
休 会
0
人
54( 51)人
0
人
3 ( 4)社
3 ( 1)社
60( 56)
2009年3月
1
人
649(679)人
15
人
63( 64)社
10( 12)社
723(756)
図8-1 個人会員の推移
120
800
118
60
70
121
72
111
78
76
112
85
113
68
39
29
24
36
600
400
692
709
730
744
765
781
825
24
848
752
719
700
744
742
721
699
670
643
625
200
新
規
継
続
0
-76
-43
-49
-62
-98
-105
95
96
-67
-97
97
98
-168
91
92
93
94
99
-111
-104
00
01
-200
- 83 -
-69
02
-114
-89
03
04
-56
-58
-51
-54
05
06
07
08
退
会
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
(2)会員拡大に向けた努力
①.会員限定通信誌『The ボラ協』の内容(特集)
5・6月号 2008年度大阪ボランティア協会の事務局を紹介します!/2008年度に向けた事業計画会議報告
7・8月号 2008年度定期総会・記念講演会/会員コミュニケーションプロジェクトがスタート!
ボランティアが主体的に活躍できる環境づくりをしています!~Nボラチームの取り組み~/「将
9・10月号
来ビジョン」検討中!!
企業市民活動推進に取り組んで17年!~フィランソロピー・CSRリンクアップフォーラムが紡い
11・12月号
できたもの~/お金に変えられない価値を見つける4日間~海と星のキャンプリポート
お正月といえば!?/2008年度一泊創出会議/シニアのための「市民ライター&映像作成」連続講座を
1・2月号
実施
今さら聞けない!?協会への素朴なギモン/アソシエーター新人研修やりました!/語りへの誘い
3・4月号
~「お話の語り手講座開講30回記念講演会」を終えて
②.会員コミュニケーションプロジェクトの動き
協会の支援者を増やすため、会員の維持・拡大について検討する「会員コミュニケーションチーム」
を設置。会員と協会の接点などを知るために「会員プロフィールカード」を作成、送付した。179人
に提出いただき、会員とのコミュニケーションの際に役立てている。
また、
(特)チャリティ・プラットフォームの助成により、会員募集用のパンフレットを作成。作成に
あたっては、講師を招いてコンサルティングを受けるなど、チームを中心に何度も協議を重ねた。
③.寄付および会費自動納入システムの運営
2001年度より近畿労働金庫、02年度より郵便貯金で、
それぞれ会費等の自動引き落とし制を開始。金融機関に出
向かずとも会費を納入できるようになった。2008年度
末の利用会員は、近畿労働金庫:10人、郵便貯金:34人
である。
なお、特に個人会員に焦点を当てて実施している会員向
け事業は、以下のとおりである。
A.市民活動総合情報誌『ウォロ(Volo)』の年間購読料割引
B.協会発行図書や協会主催講座の割引、会員研修(総会時)の無料招待
C.コピー、簡易印刷機、紙折機など協会備品の無料使用(消耗品実費分は有料)
D.会員メーリングリストの加入 など
2.組 織 活 動
(1)理事会(第45~47 回)の開催
①第45回 開催日:2008 年 5月26日、出席理事:17人(うち書面出席7人)、欠席0人
議
案:①2007 年度事業報告および決算報告 ②2008 年度補正予算について ③定款の変更(副理事長
制の導入、多文化共生国際交流推進事業の削除)について ④就業規則の一部改正について
⑤
監事の交代について[評議員会審議事項]
②第46回
開催日:2008 年11月17日、出席理事:17人(うち書面出席12人)、欠席0人
議
案:①2008 年度上半期実績および上半期収支実績について
②下半期事業計画(案)および第二補
正予算について
③第47回 開催日:2008年 3月26日、出席理事:17人(うち書面出席8人)、欠席 0人
議
案:①2009年度の事務局体制について
②2009 年度の常任運営委員について
(2)常任理事会の開催
協会の経営や労務面の課題を日常的に審議し、毎月の常任運営委員会の議案整理と理事会に提案する事項を審議す
るため、理事長、常務理事(事務局長)、常任運営委員長で「常任理事会」を設置。毎月、開催した。
- 84 -
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
(3)評議員会(第42~44 回)の開催
①第45回 開催日:2008 年 5月26日、出席者:21人、欠席14人
②第46回 開催日:2008 年11月17日、出席者:19人、欠席16人
③第47回 開催日:2008 年 3月26日、出席者:21人、欠席14人
※ 各回とも同日に開催した理事会に付した議案を、あらかじめ審議するとともに理事を選出した。
(4)監事会の開催
開催日:2008 年5月16日、 出席監事:3人
内
容:「2007年度事業報告・決算報告」に関し、事業・経理・組織運営面の監査を実施した。
(5)会員総会(2009 年度定期総会)の開催
開催日:2008 年5月24日(土)
会
場:大阪NPOプラザ 3階会議室
出
席:319人
(うち、委任状提出者268人)
内
容:
1部=記念講演会「光市事件からみた
裁判報道の課題」
講師:綿井健陽(ジャーナリスト)
参加者=61人
2部=①2007 年度事業報告案と決算報告
案、②2008 年度事業計画案と予算
計画案の審議(バズセッション)と
承認、③アソシエーターへの委嘱状交付
3部=会員懇親会
協会の総会は「脱・シャンシャン総会」。事業報告、事業計画案、決
算、予算案の説明を受けた後、小グループに分かれて活発に意見交換。
写真は、そこで出てきた質問や意見をホワイトボードに書き出してい
るところ。未来に向けた建設的な意見交換がなされている。
3.市 民 参 加 による事 業 推 進
協会事業への市民参加の状況(
「参加の場」(チームなどの組織
数)と、参加するボランティアののべ人数)を図8-2に示す。
図8-2 事業への市民参加
60
チーム、委員会の数は事業の終了等により減少したが、新たな
組織体制に向けたワーキングチームの活動などに積極的に取り
274
269
279
50
250
239
230
組
織
数
242
232
199
40
200
186
173
(1)NPOのボランティア推進チーム
300
243
組んだ結果、ボランティアスタッフののべ人数は307人(前
年度 274 人)、実数は144人(同 138 人)と増加した。
307
307
203
30
150
人
(チーフ・今村澄子、ボランティア=V6人、職員2人)
①協会のボランティア参加環境の整備、②他のNPOのボ
20
33
ランティア参加推進を目的に活動。
2008年度は協会のボランティアスタッフが効果的に事
10
22
24
26
23
26
33
36
100
37
33
33
28
28
27
50
の
べ
V
数
業を進められるよう、オリエンテーションマニュアルの作成、
ボランティアスタッフの公募、
「アソシエーター新人研修」の
企画と実施、一泊創出会議「アイデア広場」と事業計画会議
0
0
95 96 97 98 99 0 0 01 02 03 04 05 06 07 08
「このゆびとまれ」の企画・運営などに取り組み、アソシエーターの増加に貢献した。
(2)一泊創出会議、一泊事業計画会議(アソシエーター総会)の開催
事業活動と組織運営をアソシエーター全員が参加できる場で検討するため2回の合宿を開催した。
毎年秋に開催している「一泊創出会議」では2008年度には「アイデア広場・拡大版」として「日本の市民セクタ
ーは、今後10年でどうなる?」などを議論し、参加者が日ごろ関心をもつテーマから7つの企画にまとめた。これら
- 85 -
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
の企画は、今後の協会ビジョンを検
討する下地となった。
また3月に開いた「事業計画会議」
(写真)では、チーム、委員会、事
務局など全事業主体が、それぞれで
まとめた2008年度の取り組みに
対する評価と、2009年度の事業
計画・予算案を提案。小グループご
とに意見交換と質問・評価シートの
記入を行うとともに、全体での討議
を通じて、事業の質の向上を図って
いる。その後に開かれる理事会・評
議員会に提案される事業計画書・予
事業計画会議では、パワーポイントを使ったプレゼンテーションも多い。
算書は、この合宿を経てまとめられる。このように協会の事業計画立案はボトムアップ型のスタイルとなっている。
・一泊創出会議:2008 年11月15日(土)~16日(日)、34人参加。「協会の今後をどうする(中期戦略:振りか
えりと評価/市民力向上戦略)」、
「アイデア広場」、
「将来ビジョン(事業編、組織編)」、
「会員拡大パンフレッ
トを作ろう」などを集中協議した。
・事業計画会議:2009 年3月7日(土)~8日(日)まで、40人が参加。昨年度に引き続き、センター別に事業ごと
に5分のプレゼンテーションを実施し、バズセッションによる意見交換やフィードバックシートによる参
加方法を工夫。参加しやすい雰囲気を作り出すことができた。
(3)常任運営委員会(委員長 延岡 敏也、委員V13人、職員4人)
協会事業全般に関し、ボランティアスタッフによる日常的な経営協議の場として組織している。なお委員でない事
(定例日 原則 上半期第3木曜、下半期第4木曜 午後7~9時、
務局員も発言可能なオブザーバーとして参加している。
福島区野田事務所)
<委員> 延岡敏也(委員長)、岡本友二、今村澄子(以上、副委員長)、久保友美、小林義彦、筒井のり子、内藤 壽、
名賀 亨、西江孝枝、吐山継彦、博野英二、増田宏幸、村岡正司、早瀬 昇、水谷 綾、永井美佳、岡村こず恵
<主な協議内容> 「地域・テーマ公益ポータル」推進プロジェクトへの参画の再考、「市民力向上戦略会議」の組織
化、「会員総会」の持ち方、大阪府知事などとの「対話」プロジェクトの進展、協会ホームページのリニューアル、
第二次補正予算案、「中期戦略」の振り返りと評価、大阪NPOプラザの評価と将来の拠点のあり方、「一泊創出会
議」での課題、「JACEVO」および「日本ファンドレイジング協会」への協会の関わり方、「ボランティアコー
ディネーション力検定」への協会の協力のスタンス、「会員パンフレット」のデザイン、職員採用試験の実施、「事
業計画会議」のプログラム、「応援センター」との協働関係についての整理、「将来ビジョン」の内容、新年度常任
運営委員会の体制など
・「将来ビジョン検討委員会」の取り組み(委員長・延岡敏也、他V4人+職員5人)
2015年の協会像を見据えた「骨太の方針」を出すために設置。15回にわたり協議を重ねた。
<ボランティア委員> 延岡敏也(委員長)、上林康彦、小林義彦、筒井のり子、増田宏幸
<事 務 局 委 員> 早瀬 昇、水谷 綾、永井美佳、岡村こず恵、梅田純平
(4)財務・基金運営委員会(委員 V5人+職員3人)
常任運営委員会の諮問機関として、財政運営、基金の管理運営検討のため、隔月ベースで開催した。
<ボランティア委員> 岡本榮一、平手清、松井淳太郎、三砂 孝、山元弘久、早瀬 昇、松下仁美、水谷 綾
<主な協議内容>
決算・予算の確認、月次収支・基金・積立金の動向確認、団体賛助会費への対応など
(5)N P O 推 進 セ ン タ ー 運 営 委 員 会(委員長・岡本 友二、他V7+職員7人)
NPO推進センターが主として取り組む事業の企画・評価・戦略的事業推進の向上を図る場として設置。2008
年度は5回(夏2・秋2・冬1)開催し、概ね2時間程度で議論を重ねた。また、アドボカシーに結びつく事業企画
立案ワーキンググループを時限的に設置し、1回開催した。
<ボランティア委員> 岡本友二(委員長)、阿部圭宏、石原真弓、ちょんせいこ、吐山継彦、福満奈都、堀野亘求
- 86 -
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
<主な協議内容>
(特)チャリティ・プラットフォーム助成事業「中間支援団体助成プログラム」への申請対応、
近畿経済産業局委託事業「近畿地域コミュニティビジネス推進協議会(仮)」と大阪市経済局委託事業「CB支
援事業」への申請是非の検討、NC事業として「市民自治の推進」
「アドボカシーに結びつく」事業を企画創出
するための検討、
「NPO法の名称変更」についての意見交換、08年度の事業評価と09年度の事業計画など
・「NPO支援センター向け事業開発部会(支援センター部会)」の取り組み(委員 V6人+職員2人)
運営委員会のテーマ別部会の一つとして設置。「関西NPO支援センターネットワーク(KNN)」の企画に取り
組み、1回の協議を重ねた。
<ボランティア委員> 石原真弓、川畑惠子、坂田慶子、須貝昭子、中村仁美、堀野亘求
(6)企業市民活動推進センター運営委員会(委員長・井上小太郎、V7+職員3人)
企業市民活動推進センターの戦略と事業全般の強化について検討する場として開催。2008年度はCCCの次な
るアクションはどうあるか、を検討した。
<ボランティア委員> 井上小太郎(委員長)、尾崎 力、菊地 健、楠 正吉、小林義彦、廣田浩一、松井淳太郎
<主な協議内容>
企業向けPR等推進のための連携プロジェクトについて、企業の基金運営助成事務局に関する
相談について、CCC戦略・重点事項を考える、CSR応援するNPOネットの取り組みと経過報告と調査内
容について、企業市民大学の企画について、総括と来年度の重点について
(7)コーディネーション事業戦略推進委員会(委員長・筒井のり子、他V6人+職員4人)
協会のボランティアコーディネーション事業の水準向上のために設置。2008年度は11回開催、おおむね2
時間協議を重ねた。
<ボランティア委員> 筒井のり子、石井祐理子、岩本裕子、海士美雪、垂井加寿恵、松田明子、南 多恵子
<主な協議内容>
協会のコーディネーション事業の位置づけと事業内容の整理を実施。コーディネーター講座の
体系化や時宜に応じた講座を開催。2008 年度は初任者向けボランティアコーディネーター講座と施設ボランテ
ィアコーディネーター向け講座を企画、実施。
(8)市民力向上事業戦略推進委員会(委員長・今村澄子、他V8人+職員5人)
協会市民学習事業の強化と戦略的な事業推進をめざし、3センターの研修・学習事業を総合的に捉えなおし、今後の展
開を検討した。新規事業として「自治の学校」、戦略的な一括広報の実施などが確認された。
<ボランティア委員> 阿部圭宏・今村澄子・磯野泰彦・上林康典・名賀亨・延岡敏也・吐山継彦・博野英二・堀野亘求
<主な協議内容> 3センターを越えて、内外の環境把握・分析、戦略策定、パッケージ化
など
(9)チーム・専門委員会などの活動
ボランティアスタッフが直接推進している事業は、推進チーム、専門委員会などを組織して企画・運営している。
各チーム、専門委員会の名称などは以下のとおりである。
A.推
①.N
進
P
チ
O
ー
の
ム(9チーム、ボランティアのべ49人)
ボ
ラ
ン
テ
ィ
ア
推
進
チ
ー
ム(チーフ・今村澄子、6+2人。随時)
②.勤 労 者 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 推 進 チ ー ム(委員長を決めず、4+4人。5回)
③.「 市 民 活 動 サ ロ ン 遊 学 亭 」 運 営 チ ー ム(チーフを決めず、8+3人。随時)
④.「 体 験 !
⑤.「 O
N
フ ィ ー ル ド ワ ー ク 市 民 塾 」 推 進 チ ー ム(チ ー フ を 決 め ず、6+1人、随時)
P
カ
フ
ェ
」
推
進
チ
ー
ム(チ ー フ を 決 め ず、3+2人、随時)
⑥.I T ボ ラ ン テ ィ ア チ ー ム 「 む く ど り 」(チーフ・廣田浩一、6+2人。月1回)
⑦.英 語 情 報 発 信 強 化 チ ー ム 『 E ボ ラ ( イ ー ボ ラ ) 』(チーフ・今村澄子、4+1人。毎月)
⑧.ボ ラ ン テ ィ ア ・ 市 民 活 動 ラ イ ブ ラ リ ー 運 営 チ ー ム(チーフ・久保友美、5+1人。随時)
⑨.映 像 製 作 発 信 チ ー ム 『 ト ラ イ ポ ッ ド 』(チ ー フ を 決 め ず、5+5人。随時)
B.ワーキングチーム(4チーム、ボランティアのべ17人)
①.大 阪 ボ ラ 協 と 応 援 セ ン タ ー と の 協 働 関 係 検 討 会 議(チ ー フ を 決 め ず、応2+協4人、2回)
②.北 区 事 務 所 活 用 検 討 チ ー ム 「 同 心 同 志 会 」(チ ー フ を 決 め ず、6+3人、3回)
③.国 際 交 流 ボ ラ ン テ ィ ア コ ー デ ィ ネ ー シ ョ ン 事 業 検 討 チ ー ム (チ ー フ を 決 め ず、6+3人、1回)
- 87 -
2008 年度事業報告・詳細編(8.組織体制の充実・強化)
C.専
門
①.「
委
V
員
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会(7委員会、ボランティア のべ62人)
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②.出
③.関
o
( ウ
ォ
版
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編
委
P
O
会
集
委
員
員
計
税
務
会(委員長・吐山継彦、26+5人。月1回)
会 (委員長・小笠原慶彰、5+4人。年2回)
研
究
会(委員長を決めず、5+1人。随時)
④.フ ィ ラ ン ソ ロ ピ ー ・C S R リ ン ク ア ッ プ フ ォ ー ラ ム 幹 事 会 (委 員 長 を 決 め ず、9+3人。隔月1回)
⑤.C
S
⑥.「
T h e
⑦.会
員
コ
R
ボ
ミ
ュ
経
ラ
営
協
ニ
ケ
研
」
ー
編
シ
究
集
ョ
委
ン
部(委員長・小林義彦、4+3人。随時)
員
チ
ー
会 (委 員 長 を 決 め ず、7+3人。隔月1回)
ム(チ ー フ を 決 め ず、5+6人、6回)
4.事 務 局 体 制 の充 実
(1)職員研修の実施
開催日:2008 年6月29日
会場:大阪NPOプラザ
参加者:職員13人
内 容:①「日々のボランティアとの協働を振り返り、そのプロセスを検証する」
講
師:山崎美貴子東京ボランティア市民活動センター所長
② 各担当業務に関する目標設定+現状認識の発表と意見交換
(2)事務局マネージャー会議の設置
事務局運営の円滑化をはかるため、事務局長、事務局次長、事務局主幹の3人で、毎月1回開催。就業規則の改定
や職員研修、合同事務局会議などのプログラム整理などにあたった。
(3)2008年度の事務局体制
2008年度に事務局業務に従事した有給スタッフとボランティアは、以下のとおりである。常勤職員11人、非
常勤職員17人であり、雇用形態別では正職員10人、嘱託職員3人、アルバイト15人であった(年度途中の退職
者・入職者を含む。以下、敬称略)
。
※ ボランティアをV、NPO推進センターをNC、大阪NPOプラザをONP、企業市民活動推進センターをCCCと略記
早瀬
昇(常務理事・事務局長、全事業統括、総務、渉外、人事、常任運営委等)
【正職員】水谷 綾(事務局次長、ONP所長、財務・労務、CSR推進事業、行政協働推進等)、永井美佳(事務局主幹、市民
活動推進部長、NC事業・Vコーディネーション統括等)、岡村こず恵(事務局主任、講師派遣、出版統括、市民力向上事業等)
、
江渕桂子(会員、ONP、大阪NPO情報ネット、NPO支援センターネットワーク等)、影浦弘司(CCC、ウォロ)、白井
恭子(Vコーディネーション、KVネット、大学Vセンター担当者会議等)、梅田純平(障害者Vコーディネーション、北区事
務所会場利用登録)、奈良雅美(Vコーディネーション、パートナー登録、手話講習会、語り手講座、Eボラ、真如苑調査等)、
塚本真美(ONP管理業務、市民塾、遊学亭等)
【嘱託職員】塩谷邦子(経理、社会保険等)、大谷 隆(出版編集、トライポッド、むくどり等、月 15 日)、松下仁美(総務、局
長講師派遣調整等、週4日)
【アルバイト】藤本勝代(V募集情報整理等)、保村美佐江(出版販売等)、久保友美(文献整理等)、森本正史(ONP会館
運営)、板井龍市(ONP会館運営)、宮原賢一郎(北区事務所夜間窓口対応)
、畑田 貢(大阪NPO情報ネットデータ整理)、
山下輝夫(ONP会館運営)、山田美樹(ONP会館運営)、門山和代(ライブラリー補助(08 年9月~09 年3月))、高畑真
実(障害者Vコーディネーション等)、堀口良一(障害者Vコーディネーション等)、前平典親(障害者Vコーディネーション
、今村澄子(情報補助(08年 12 月~09 年 3 月))。
等)、山田真由美(障害者Vコーディネーション等)
【ボランティア】
[事務局支援]平手 清
[ウォロ(volo)]朝井翔二(『volo』のカット作成)。元・久の会、トミの会、元・ユースン、深野久雄、吉中広子、岸田和
弘(以上、『volo』の発送支援)。廣岡なをみ(『volo』校正)、中村宗誉(『volo』ムダ知識)。
[ザ・ボラ協]森山 孝(『ザ・ボラ協』校正)。
[フィランソロピー・CSR・リンクアップフォーラム]鈴木真紀(フォーラムの受付等)
なお、2008 年度末に塚本が退職。2009 年度より金冶宏が入職、岡村が事務局主幹に、江渕と影浦が事務局主任に就任。
この他にも日常的に多くの方々にボランティアとして事務局業務にご協力いただきました。ありがとうございます。
- 88 -
2008 年度事業報告・詳細編(9.財源の確保と構成)
9.財源の確保と構成
事業を支える財政安定化のため「財務・基金運営委員会」を中心に収支の統合的運営に努めた。幸い多
数の市民や企業、行政などのご理解により事業資金を確保することができた。
2008年度の事業活動には年間1億6,615円の資金が必要であった(経常支出の合計から公益事業
会計繰入金を除いた額。引当金支出や次期繰越収支差額などを除く)。
厳しい不況の中でご支援いただいた賛助企業の皆さま、長年にわたり多額のご支援を続けていただいて
いる(財)皓養社(中納久昭理事長)をはじめとする助成財団、企業、行政、そして数多くの市民の皆さま
に深く感謝申し上げるとともに、協会に託された“思い”の重さをふまえ、より一層、充実した事業の推
進に努力したい。
1.2008 年 度 の財 務 状 況
図9-1 収入元の内訳
NPO関係
寄付金
個人会費
利息
2008年度の事業を推進するため1億6,615万円の資金が
必要であった。内訳は人件費6,775万円、事務費988万
円、事業費4,903万円(大阪NPOプラザ運営費2,782万円
を含む)、大阪NPOプラザ家賃等補助金3,950万円である。
これらの収入を資金提供元で分類すると、「個人、NPO、
共同募金からのご支援」「企業・労働組合からのご支援」「自
治体からの補助金と受託収入」「事業収入」
「(積立金などの)取
崩他」「基金などの利息」に分類される(図9-1)。
一方、収入形態で分類すると図9-2に示すように「会費・
寄付金収入」「補助・助成事業収入」「自主事業収入」「受託事業
収入」「繰越積立取崩」「利息収入」に分類される。会費、寄付金
は使途の限定がなく協会の事業活動全般を支える財源として
極めて重要だ。助成金・補助金は協会の事業を非営利で進める
大きな支えとなる。受託事業収入は協会の専門性を活かして
収入が得られる。こうした各収入をバランスよく確保するこ
とは、協会の財政的独立を保つ上で重大な課題となっている。
2008年度は、市民、企業・労組、行政などからの寄付・助成
金・補助金等は7,239万円(ONP家賃補助を含む)。当期収
入全体に占める割合は38.7%(前年度は 25.8%)に達した。
皓養社
チャリティプラット
フォーム他
共同募金
講座他
企業会費
ONP事業
近畿労金他
ウォロ
市Co受託
出版
府情報受託
調査研究
府ONP家賃補助
講師派遣
府補助
他自治体受託
図9-2 収入元の内訳
利息収入
寄付金
民間助成金
会費
講師派遣
受託事業収入
行政補助金
ONP事業
自主事業収入
図9-3 企業・労組会員の推移
163 166
2.会 費 ・寄 附 ・補 助 金 ・助 成 金 関 係
160
140
120
(1)会費収入
156 156
136
119
100
2008 年度の会費収入は、個人350万円(前年度より8万円減)、賛助企
業581万円(同8万円増)、非営利団体37万円で、総額969万円(同
2万円増)となった。個人会費は新規入会者の減少に加え高齢会員の退
会と生涯会員(60 歳以上で 20 年以上会員。会費不要)への転換が続いている。
<企業会員数>
15 7
109
89
97
80
73
69 68 6 7 65 67
60
<企業会費の推移>
1000
企業・労組では、日常的に協働の機会が多いリンクアップフォーラム会
員企業からの会費を基盤に、日本生命及び関連企業の皆さまからも協会
その
他の
企業
800
創設時から引き続きご支援いただいているが、2009 年度は従来の寄付を
会費に振り替えた労組があったことから前年度を上回った。
(図9-3)
600
(2)寄付関係
400
日本
生命
関連
企業
一般寄付金は総額197万円。全額、協会が実施する社会福祉事業の
200
推進資金として活用させていただいた。
個人=のべ95人(166 万円)、団体・グループ=8件(32 万円)
。うち
0
10万円以上は5件であった。
93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08
- 89 -
リンク
アップ
会員
等
2008 年度事業報告・詳細編(9.財源の確保と構成)
(3)事業推進のための補助金、助成金
2008年度に受けた補助金、助成金は1,655万円に達し、前年度実績(1,178 万円)を大きく上回った。
・事業費全般の補助.......................財団法人 皓養社 ........................................ 500万円
・社会変革NPOのための会員・支援者拡大プログラム in 関西 .... チャリティプラットフォーム
489.5万円
・KVネット運営費....... 近畿労働金庫、大阪信用金庫、読売新聞わいず倶楽部、大阪市職員労働組合、
毎日新聞大阪本社、大阪交通ライフサポートセンター、豊田通商 ........ 合計194万円
・シニアボランティア開発事業費 ..........大阪府共同募金会・NHK歳末たすけあい義援金配分金 .... 180万円
・『ウォロ(Volo)』発行費 ............ 大阪府共同募金会・共同募金配分金 ....................... 133万円
・『ウォロ(Volo)』発行費など ........ 大阪府 .................................................... 80万円
・ボランティア保険、講演会開催費(お話の語り手講座開講 30 回記念講演会)大阪府福祉基金.............. 43万円
3.自 主 事 業 収 入 ・受 託 事 業 収 入
かつて事業収入の大半は出版物販売収入だったが、
1993年に講師派遣を事業化して以来、この収入が大き
く伸び、1990年代後半からは協会財政を支える収入の
大きな柱となった。指名で依頼のあった職員が退職し
たことなどから 2002 年度をピークに減少していたが、
2008 年度は増加に転じた。
事業拡大を支えるには新たな財源の開発が不可欠
なことから、2000年度からは自治体から市民活動支
援施策作りなどを請け負うシンクタンク事業の取り
組みを拡大してきたが、08 年度は大阪ガスグループ
福祉財団、阪急・阪神ホールディングス、積水ハウ
ス、真如苑などの新規依頼もあり、大きく増加した。
一方、2000年度から緊急地域雇用対策特別基金事
業 (04年度まで)、 01年度から勤労者マルチライフ支
援事業 (03年度まで)、02 年度からコミュニティビジ
ネス創出支援事業(07年度まで)、06 年度から多文
化共生事業 (07年度まで) と、行政及び関係財団か
らの大型事業受託が続いたが、すべて終了した。
一方、2007 年度は引継ぎの手違いなどから減少し
た「ウォロ」関係収入が大きく回復し予算を達成。
出版事業収入は伸び悩んだが、前年度までで契約の
終わった委託事業を除く事業収入は増加した。
4.大 阪 NPOプラザの経 営
図9-4 事業収入の推移
2000
1500
1000
500
0
講師派
遣
企業市
民C
KV
ネット
出版販
売
Voloな
ど
講座参
加費
シンク
タンク
8000
7000
6000
5000
4000
勤労者マ
ルチ
緊急雇用
CB創出
支援
多文化共
生
NPO情
報ネット
シンクタン
ク
KVネット
市民活動の拠点施設の多くは、民間団体が運営して
いても、その運営費は行政からの受託収入でまかなう
3000
Voloなど
「官設民営」
(指定管理者もその一形態)方式である。
この場合、運営費は保障されるが、委託元の指揮下に
出版販売
2000
置かれがちで、民間性を活かした自由な運営が難しく
講座参加
なる場合が多い。
費
一方、「大阪NPOプラザ」は建物賃貸料、備品賃
企業市民
1000
貸料と同額を補助で得ている他、開設当初の3年間は
C
大阪府から事業運営補助金を得たが、2005年度か
講師派遣
らは運営費のほぼ全額を貸事務所と貸会議室の利用
0
92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08
料収入でまかなってきた。運営経費を独立で確保する
体制となったが、アルバイトによる会館管理を中心とする体制などして経費圧縮に努めたことや、大阪ボランティア協
会が負担する利用料収入も含む総利用収入が増加したことなどにより、積立金の取り崩しをせずに収支の均衡を得るこ
とができた。
2008年度は、第2期ONPの取り組みによりブース利用収入を増加することができたが、他の収入は伸び悩んだ
ため、積立金の取り崩しを行って、その不足分を補填した。
- 90 -
2008 年度事業報告・詳細編(9.財源の確保と構成)
図9-5
大阪NPOプラザの収支の推移 (建物賃貸料などに関する収支を除く)
<収入の部>
<支出の部>
万円
万円
積立金
取崩
3500
3500
積立金
支出
事業運
営補助
金
寄付金
ほか
3000
2500
2000
2500
その他
管理費
協会負
担収入
1500
3000
2000
水道光
熱費
その他事
業収入
1500
1000
1000
500
0
02
03
04
05
06
07
貸会議
室収入
管理委
託費
貸事務
所収入
人件費
08
500
0
08
07
06
05
04
03
02
5.大 阪 ボランティア協 会 活 動 振 興 基 金
協会財政安定化のため、広く寄付を募り1982年に 表9-1 2009年3月末日現在の基金の募金状況
「大阪ボランティア協会活動振興基金」を設定。低金利 個人からの募金
2,454万 3,000 円
676 人、31 団体
下でもあり積極的な基金指定寄付金の募集は行わず、前
年度と同額となっている。
金利が低水準で推移し続けてきたが、2008 年度は金
企業・団体からの募金
72 社
1 億 4,425 万 5,000 円
協会事業資金から繰入
合
利がようやく上向いたこともあり、約113万円(前年
3,350 万 2,000 円
計
2 億 0,230万 0,000 円
度より約28万円増)の果実を生み出した。受取利息は、全額、事業資金に繰り入れた。
千
円
図9-6 寄付系収入と事業系収入の推移(実額:基金分など除く。09年度は予算)
繰越積
立取崩
9062
140000
14649
多文化
共生
NPO情
報ネット
8992
11775
23156
7938
120000
12477
15686
8323
18274
7910
29357
13695
12027
18910
100000
5112
20020
4850
13751
4911
80000
18641
5614
7672
20281
市民事
業創出
緊急雇
用対策
12038
11902
6121
23496
30307
10640
7484
1022
4850
3718
4854
10732
25775
15551
23584
11119
24524
14895
27350
15407
14609
25620
4337
4172
21958
21950
17886
16400
補助助
成収入
17335
18088
個人会
費など
寄付金
18986
16557
19725
16142
20871
26305
19503
23193
22927
26363
60000
25950
20697
18996
23629
20423
17489
24525
28520
21211
16350
40000
5075
22702
21737
4801
4816
5006
20000
21977
15525
9762
9493
6635
4675
19806
7183
7092
0
94
95
17336
13111
12147
12355
10831
5042
10800
14633
15530
18584
4668
4682
4746
7605
5254
12035
18562
16438
18780
15168
14058
11908
7877
4329
4111
6331
96
97
98
99
8334
7242
6776
4959
4984
4730
1211
4840
1280
5007
7692
7492
8863
7212
7200
5324
13864
11004
4153
10557
9409
8538
8199
7971
6928
6460
1682
1525
1342
2090
1145
6048
1000
6042
1007
5730
1030
5814
1310
5750
1130
00
01
02
03
04
05
06
07
08
09
- 91 -
受託事
業収入
講師派
遣事業
自主事
業収入
企業系
支援
基金利
息など
D.2008年度決算,09年度予算
1.社会福祉事業会計 事業活動収支計算書
<収入の部>
勘定科目
2008年度
予算①
<事業活動収支の部>
10,955,000
会費収入
個人会員費
賛助企業会費
賛助非営利団体会費
NPO等登録料
3,750,000
5,900,000
380,000
925,000
6,600,000
寄付金収入
一般寄付金
2,000,000
会場整備協賛寄付金
200,000
派遣講師寄付金
400,000
パナソニック・ハートフルファンド 4,000,000
16,230,000
補助金・助成金収入
1,270,000
大阪府・府福祉基金
14,960,000
民間助成金
大阪府共同募金会
3,130,000
晧養社
5,000,000
チャリティプラットフォーム他 6,830,000
29,900,000
受託事業収入
12,500,000
大阪市Co受託
KVネット情報提供受託
400,000
講師派遣受託収入
17,000,000
15,000,000
一般・NPO関係
2,000,000
企業市民C企画分
10,315,000
自主事業収入
教育事業収入
4,315,000
市民講座参加収入
1,315,000
NPO講座参加収入
730,000
企業講座参加収入
2,270,000
情報提供事業収入
6,000,000
Volo購読料収入
5,300,000
Volo協賛広告収入
700,000
100,000
雑収入
0
引当金戻入
74,100,000
事業活動収入計
<事業活動外収支の部>
受取利息配当金収入 1,020,000
2008年度 ②-① 2009年度
[千円]
予算③
決算②
③-①
[千円]
10,653,750
-301
10,757,000
-198
3,501,400
5,814,000
370,000
968,350
-249
-86
-10
43
3,650,000
5,750,000
377,000
980,000
-100
-150
-3
55
5,631,379
-969
6,600,000
0
1,965,846
246,460
339,475
3,079,598
-34
46
-61
-920
2,000,000
200,000
400,000
4,000,000
0
0
0
0
16,548,589
319
-36
355
17,099,000
869
1,233,989
15,314,600
3,130,000
5,000,000
7,184,600
30,035,168
0
0
355
135
予算の備考
減少傾向ふまえる
減少傾向ふまえる
北区事務所分
実勢に合わせる
社員寄付の仲介
180,000 -1,090
16,919,000 1,959
0
3,130,000
0 特別会員
5,000,000
1,959 協賛分
8,789,000
28,500,000 -1,400
-11
12,488,743
0 -400
546
17,546,425
16,718,825 1,719
827,600 -1,172
0
12,500,000
-400
0
16,000,000 -1,000 出張講座
300 対応を抑制する
15,300,000
700,000 -1,300 不況も考慮
9,946,845
9,858,000
4,008,345
1,117,875
560,470
2,330,000
5,938,500
5,382,000
556,500
-368
-307
-197
-170
60
-62
82
-144
52
152,333
0
0
72,968,064 -1,132
3,458,000
883,000
300,000
2,275,000
6,400,000
5,700,000
700,000
-457
-857
-432
-430
5
400
400
0
0
100,000
0
0
72,914,000 -1,186
1,310,479
290
1,130,000
110
900,000
1,128,485
120,000
181,994
3,513,000
6,975,812
4,533,000
事業活動外収入計
8,286,291
78,633,000
当期収入合計
81,254,355
前期繰越活動収支差額 49,443,499
49,443,499
総 計 128,076,499 130,697,854
228
62
1,000,000
130,000
100
10
3,463
3,753
2,621
0
2,621
3,521,000
4,651,000
77,565,000
8
118
基本財産運用収入
受取利息
公益事業会計繰入金収入
-92-
-1,068
39,319,184 -10,124
116,884,184
一部の講座休止
基礎講座を縮小
フォーラム分
-11,192
購読料値上げ
<支出の部>
勘定科目
2008年度
予算①
<事業活動収支の部>
46,365,000
人件費
2008年度 ②-① 2009年度 ③-①
[千円]
[千円]
決算②
予算③
47,441,906
1,077
46,011,000
予算の備考
-354
役員報酬
0
局長が常務兼任
0
0
-654 14,131,000
1,728 正職2.5,嘱託2人
総務職員給与手当
12,403,000 11,749,454
-983 26,699,000 -2,752
事業職員給与手当
29,451,000 28,467,805
コーディネート人件費
14,009,000
12,792,257 -1,217 10,767,000 -3,242 正職3人,補助2人
196
1,327 正職1,嘱託0.5人
教育事業専門員費
5,419,000
5,615,466
6,746,000
458
NPO推進専門員費 4,023,000
4,481,348
1,850,000 -2,173 正職1人
-160
1,332 正職0.5人
企業市民推進員費
2,827,000
2,666,817
4,159,000
-261
4 正職0.5人
情報事業専門員費
3,173,000
2,911,917
3,177,000
退職金
0
3,022,600 3,023
0
670 12人分
法定福利費
4,511,000
4,202,047 -309 5,181,000
9,680,000
事務費
8,949,087 -731 6,835,000 -2,845
-44
-185 研修費など
福利厚生費
300,000
256,135
115,000
-117
50
アソシエーター費
200,000
83,037
250,000
-292
-100
旅費・通信運搬費
850,000
558,130
750,000
-307
-100
消耗品費・器具什器費
800,000
492,710
700,000
-154
-100
印刷製本費
550,000
395,850
450,000
14
-2,110
水道光熱費・賃借料
2,110,000
2,123,742
0
NC事業費へ
-117
330 事務所費分など
ONP利用料
1,470,000
1,353,285
1,800,000
112
-700 NC事業費へ
業務委託費
700,000
811,849
0
134
-10 税理士顧問料等
謝礼金
690,000
823,867
680,000
27
50 消費税等
租税公課
1,450,000
1,476,524
1,500,000
14
30
諸会費・雑費
560,000
573,958
590,000
690
25,869,000
事業費
24,988,798 -880 26,559,000
コーディネート費
2,272,000
698,758 -1,573 1,958,000 -314
市民学習事業費
5,835,000
5,576,461 -259 4,560,000 -1,275
-342
-40
教育事業管理費
640,000
298,187
600,000
-517
-700
講師派遣事業費
3,000,000
2,483,086
2,300,000
600
-535 各種講座開催費
Vカレッジ事業費
2,195,000
2,795,188
1,660,000
NPO推進事業費
6,230,000
5,197,871 -1,032 9,791,000 3,561
企業市民推進費
2,717,000
1,629,581 -1,087 1,622,000 -1,095
113
情報コーナー費
7,215,000
6,676,508 -538 7,328,000
-230
303
ウォロ発行事業費
6,815,000
6,585,409
7,118,000
-309
-190 ライブラリー費
情報センター費
400,000
91,099
210,000
海外ネット事業費
500,000
153,480 -347
250,000 -250
-13
0
共催後援事業費
500,000
486,565
500,000
-69
-50
「ザ・ボラ協」発行費
600,000
531,404
550,000
38
0
パナソニックファンド助成費
4,000,000
4,038,170
4,000,000
152
0 備品処分損を含む
0
減価償却費など
152,216
0
700
200
退職給与引当金繰入 1,300,000
2,000,000
1,500,000
143
2,189,305
予備費
0 -2,189 2,332,688
-2,166
-1,871
85,403,305
事業活動支出計
83,532,007
83,237,688
-183
-183
次期繰越活動収支差額 39,502,401
39,319,184
39,319,184
総 計 128,076,499 130,697,854 2,621 116,884,184 -11,192
<2009年度管理職給与。社会保険事業主負担を除く> 事務局長 6,993,750円
- 93 -
2.公益事業会計 事業活動収支計算書
2008年度
予算①
2008年度 ②-① 2009年度 ③-①
決算② [千円] 予算③ [千円]
予算の備考
①大阪NPOプラザ経営事業
<収入の部>
ONP登録料
寄付金収入
補助金収入
ONP事業収入
貸ブース・事務所家賃
貸会議室ほか収入
ONP管理収入
大阪V協負担分収入
ONP雑収入
前期繰越活動収支差額
収入合計
<支出の部>
15,000
14,500
50,000
36,660
39,500,000 39,501,396
25,500,000 24,825,979
11,940,000 11,761,000
11,160,000 11,084,513
2,400,000
1,980,466
2,676,000
2,895,277
30,000
46,782
6,845,038 6,845,038
74,616,038 74,165,632
-1
-13
1
-674
-179
-75
-420
219
17
0
-450
0
15,000
-10
40,000
38,000,000 -1,500 建物・備品賃貸分
24,793,000 -707
12,093,000
11,000,000
1,700,000
153 1、2F満室に
-160
-700
-36 協会家賃・会議室費
2,640,000
10
40,000
5,825,968 -1,019
71,353,968 -3,262
人件費
12,489,000 14,343,417 1,854 13,631,000 1,142 正職2人,補助6人
事業費
55,570,000 53,613,055 -1,957 52,820,000 -2,750
9,570,000
会館管理事業費
8,221,746 -1,348 8,620,000
-610
-300 ガス、電気、水道
6,500,000
水道光熱費
5,889,913
6,200,000
1 38,000,000 -1,500 建物・備品賃貸分
39,500,000 39,501,396
支払賃貸料
―
―
減価償却費
―
119,070 ―
予備費
400,000
0 -400
50,000 -350
-48
社福事業会計繰入金支出
312,000
264,122
27,000 -285
-19 4,825,968 -1,019
次期繰越活動収支差額
5,845,038 5,825,968
支出合計
74,616,038 74,165,632 -450 71,353,968 -3,262
②市民活動に関する出版事業
<収入の部>
出版事業収入
8,970,000
7,792,256 -1,178 8,830,000
485
行政受託収入
347,000
831,920
450,000
民間受託収入
9,300,000 13,950,495 4,650 9,000,000
活動開発預金繰入金収入 1,000,000
0 -1,000 1,000,000
前期繰越活動収支差額
0 11,514,838
10,226,173 10,226,173
29,843,173 32,800,844 2,958 30,794,838
収入合計
-140
103
-300 大ガス,真如苑など
0
1,289
952
<支出の部>
出版事業支出
11,351,000
9,283,448 -2,068 10,543,000
6,001,000
5,666,469 -335
5,453,000
研究出版職員費
5,350,000
3,616,979 -1,733
5,090,000
研究出版事業費
246 5,300,000
調査研究事業費
5,200,000
5,446,370
社福事業会計繰入金支出 3,066,000 6,556,188 3,490 3,437,000
次期繰越活動収支差額
10,226,173 11,514,838 1,289 11,514,838
支出合計
29,843,173 32,800,844 2,958 30,794,838
-808
-548 正職0.5人,嘱託2人
-260 印刷費など
100
371
0
952
③NPO情報発信強化事業
<収入の部>
情報発信強化受託収入
前期繰越活動収支差額
収入合計
<支出の部>
情報発信強化事業費
情報発信強化担当員費
情報発信強化事業費
減価償却費
社福事業会計繰入金支出
次期繰越活動収支差額
支出合計
4,337,000
416,500
4,753,500
4,337,000
416,500
4,753,500
0
0
0
4,172,000
269,500
4,441,500
4,202,000
3,192,000
1,010,000
0
135,000
416,500
4,337,000
4,181,498
-21
4,115,000
3,319,161
862,337
147,000
155,502
269,500
4,753,500
- 94 -
127
-148
147
21
-147
417
3,248,000
867,000
0
57,000
269,500
4,441,500
-165 大阪府
-147
-312
-87
56 正職0.5,補助員
-143
0
-78
0
105
3.貸借対照表
2009年3月31日現在
【 資 産 の 部 】
科 目
【 負 債 の 部 】
科 目
金 額 (円)
[流動資産]
現金
預貯金 郵便振替貯金
仮払金
未収入金
販売用書籍(在庫品)
(流動資産合計)
[流動負債]
303,536
7,730,106
仮受金
400
預り金
3,056,266
630,971
前受金
1,746,650
4,800
未払金
5,623,914
5,876,868
10,078,338
24,624,619 (流動負債合計)
[固定資産]
10,427,230
[固定負債]
基本財産(活動振興基金)
退職給与引当金
公社債
139,799,670
預貯金
62,500,330
<基本財産合計>
金 額 (円)
19,000,000
202,300,000
その他の固定資産
地域拠点支援準備預金
3,000,000 (固定負債合計)
国際交流事業積立預金
1,900,000
会館建設準備預金
5,710,000
活動開発積立預金
9,500,000
消費税還付積立預金
11,876,500
巡静一先生記念基金
3,461,371
山本孝史記念積立預金
1,000,000
パナソニックファンド定期預金
0
退職給与引当預金
ONP修繕積立金
器具備品
5,759,955 [正味財産]
156,775
0
賞与積立預金
0
<その他の固定資産合計>
負債合計
29,427,230
19,000,000 【 正 味 財 産 の 部 】
消費税納税積立預金
その他の固定資産
19,000,000
367,500
(うち活動振興基金)
次期繰越活動収支差額
(うち当期活動収支差額)
259,229,490
202,300,000
56,929,490
-60,622
61,732,101
(固定資産合計)
264,032,101
資産合計
288,656,720 負債及び正味財産合計
- 95 -
288,656,720
4.財産目録
2009年3月31日現在
<資産の部>
【1】流動資産
(1)現預金 現金
預貯金
郵便振替貯金
(2)未収入金
(3)仮払金
(4)販売用書籍棚卸在庫品
流 動 資 産 合 計
【2】固定資産
(1)基本財産
(2)その他 地域拠点支援準備預金
国際交流事業積立預金
会館建設準備預金
活動開発積立預金
山本孝史記念預金
消費税還付積立預金
巡静一先生記念基金
退職給与引当預金
修繕積立金
器具備品
その他固定資産
固 定 資 産 合 計
資 産 合 計
[単位:円]
現金手元有高
三菱東京UFJ銀行 梅田・天満・野田支店
三井住友銀行 南森町・梅田支店
のぞみ信用組合
近畿労働金庫 梅田・堂島・福島支店
りそな銀行 南森町支店
近畿大阪銀行 天神橋筋支店
大阪信用金庫 福島支店
みずほ銀行西野田支店
大阪3-40608
書籍売掛代金、ONP家賃、会議室料ほか
コインコピー機釣銭
協会出版書籍在庫分
303,536
5,614,896
21,109
129,830
1,575,292
91,452
127,340
169,012
1,175
7,730,106
630,971
5,876,868
4,800
10,078,338
24,624,619
202,300,000
協会活動振興基金(別掲)
三井住友銀行定期預金
三菱東京UFJ銀行定期預金
大阪信用金庫定期預金
みずほ銀行定期預金、近畿大阪銀行定期預金
みずほ銀行定期預金
三菱東京UFJ銀行定期預金
三井住友銀行 定期預金
りそな銀行、大阪信用金庫定期預金
ONP修繕積立金近畿労働金庫普通預金
パソコン、紙折機
パソコンソフト
3,000,000
1,900,000
5,710,000
9,500,000
1,000,000
11,876,500
3,461,371
19,000,000
5,759,955
156,775
367,500
264,032,101
288,656,720
<負債の部>
【1】流動負債 預り金
前受金
仮受金
未払金
流 動 負 債 合 計
【2】固定負債 退職給与引当金
固 定 負 債 合 計
負 債 合 計
所得税源泉徴収分、ONP家賃預り保証金など
2009年度以降分個人会費・ONP4月以降家賃
ONPブース代誤入金
ONP会議室、印刷料・3月分社会保険料ほか
3,056,266
1,746,650
400
5,623,914
10,427,230
必要額の93%
19,000,000
19,000,000
29,427,230
259,229,490
288,656,720
正 味 財 産 合 計
負 債 ・ 正 味 財 産 合 計
基本財産明細書
種 別
公社債
大阪市みおつくし債
大阪市みおつくし債
大阪市みおつくし債
大阪市みおつくし債
償還金(大阪府債)
大阪府債
国債
国債
国債
京都市債
預 貯 金 定期預金・普通預金
定期預金・普通預金 定期預金
郵便定額貯金
合 計
内 訳
(大和證券扱い)
(日興證券扱い)
(野村證券扱い)
(野村證券扱い)
(日興證券扱い)
(野村證券扱い)
(日興證券扱い)
(野村證券扱い)
(野村證券扱い)
(野村證券扱い)
(のぞみ信用組合)
(近畿労働金庫)
(三井住友銀行南森町支店)
(天神橋三郵便局)
金 額
10,000,000
20,000,000
10,000,000
20,000,000
10,000,000
9,995,000
29,827,097
9,981,578
9,999,995
9,996,000
10,176,376
42,323,954
2,000,000
8,000,000
139,799,670
62,500,330
202,300,000
- 96 -
2008 年度の援助者および会員
E.2008年度の援助者および会員
1.団体賛助会員および団体寄付者
2.個人寄付者
(基金寄付者を含む)
3.個人会員(2009年5月31日現在)
特定団体名、個人名が掲載されているため、インターネット上に公
開するに際して、97-100 ページは空白とさせていただきました。
皆さま、本当にありがとうございました。
皆さまから託された願いを実現すべく、今後とも努力したいと思います。
- 97 -
2008 年度の援助者および会員
特定団体名、個人名が掲載されているため、インターネット上に公
開するに際して、97-100 ページは空白とさせていただきました。
皆さま、本当にありがとうございました。
皆さまから託された願いを実現すべく、今後とも努力したいと思います。
- 98 -
2008 年度の援助者および会員
特定団体名、個人名が掲載されているため、インターネット上に公
開するに際して、97-100 ページは空白とさせていただきました。
皆さま、本当にありがとうございました。
皆さまから託された願いを実現すべく、今後とも努力したいと思います。
- 99 -
2008 年度の援助者および会員
特定団体名、個人名が掲載されているため、インターネット上に公
開するに際して、97-100 ページは空白とさせていただきました。
皆さま、本当にありがとうございました。
皆さまから託された願いを実現すべく、今後とも努力したいと思います。
- 100 -
社会福祉法人 大阪ボランティア協会
社会福祉法人
大阪ボランティア協会 定
定款
款
第1章
総
則
(目 的)
第1条 この社会福祉法人(以下「法人」という。)は、ボランティア活動・市民活動の啓発、
普及、育成等を通じ、多様な福祉サービスがその利用者の意向を尊重して総合的に提供
されるよう創意工夫することにより、利用者が、個人の尊厳を保持しつつ、心身ともに
健やかに育成され、又はその有する能力に応じ自立した日常生活を地域社会において営
むことができるよう支援することを目的として、次の社会福祉事業を行う。
第2種社会福祉事業
① 児童の福祉の増進に関する相談及び支援する事業
② 老人の福祉の増進に関する相談及び支援する事業
③ 心身障害者の更生相談及び支援する事業
(名 称)
第2条 この法人は、社会福祉法人 大阪ボランティア協会という。
(経営の原則)
第3条 この法人は、社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実、効果的かつ
適正に行うため、自主的にその経営基盤の強化を図るとともに、その提供する福祉サー
ビスの質の向上並びに事業経営の透明性の確保を図り、もって地域福祉の推進に努める
ものとする。
(事務所の所在地)
第4条 この法人の事務所を大阪市福島区吉野4丁目29番20号、大阪NPOプラザ内に
置く。
2 前項のほか、従たる事務所を大阪市北区同心1丁目5番27号に置く。
第2章
役 員 及 び 職 員
(役員の定数)
第5条 この法人に次の役員を置く。
① 理事15名
② 監事 3名
2.理事のうち1名は、理事の互選により、理事長となる。
3.理事長は、この法人を代表する。
4.理事のうち、互選によって会長1名を選任することができる。
5.会長は法人の会務を総覧する。
6.理事のうち、理事長が理事会の同意を得て、副理事長1名を選任する。
7.副理事長は、理事長を補佐して、法人の業務を掌理する。
8.理事のうち、互選によって、常務理事1名を選任する。
9.常務理事は理事長を補佐し、法人の日常業務を処理する。
10.役員の選任に当たっては、各役員について、その親族その他特殊の関係がある者は理
事のうち3名を超えて含まれてはならず、監事のうちにこれらの者が含まれてはならな
い。
(役員の任期)
第6条 役員の任期は2年とする。ただし、補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 役員は再任されることができる。
3 理事長の任期は、理事として在任する期間とする。
(役員の選任等)
第7条 理事は、評議員会において選任し、理事長が委嘱する。
2 監事は、評議員会において選任する。
3 監事は、この法人の理事、評議員、職員及びこれらに類する他の職務を兼任すること
はできない。
(役員の報酬等)
- 101 -
社会福祉法人 大阪ボランティア協会
定款
第8条 役員の報酬については、勤務実態に即して支給することとし、役員の地位にあること
のみによっては、支給しない。
2 役員には費用を弁償することができる。
3 前2項に関し必要な事項は、理事会の議決を経て、理事長が別に定める。
(理事会)
第9条 この法人の業務の決定は、理事をもって組織する理事会によって行う。ただし、日常
の業務として理事会が定めるものについては理事長が専決し、これを理事会に報告する。
2.理事会は、理事長がこれを招集する。
3.理事長は、理事総数の3分の1以上の理事又は監事から会議に付議すべき事項を示し
て理事会の招集を請求された場合には、その請求のあった日から1週間以内にこれを招
集しなければならない。
4.理事会に議長を置き、議長はその都度選任する。
5 理事会は、理事総数の3分の2以上の出席がなければ、その議事を開き、議決するこ
とができない。
6.前項の場合において、あらかじめ書面をもって、欠席の理由及び理事会に付議される
事項についての意思を表示した者は、出席者とみなす。
7.理事会の議事は、法令に特別の定めがある場合及びこの定款に別段の定めがある場合
を除き、理事総数の過半数で決定し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
8.理事会の決議について、特別の利害関係を有する理事は、その議事の議決に加わるこ
とができない。
9.議長及び理事会において選任した理事2名は、理事会の議事について議事の経過の要
領及びその結果を記載した議事録を作成し、これに署名又は記名押印しなければならな
い。
(理事長の職務の代理)
第10条 理事長に事故あるとき、又は欠けたときは、副理事長が理事長の職務を代理する。
2.理事長および副理事長がともに事故あるとき、又は欠けたときは、理事長があらかじ
め指名する他の理事が、順次に理事長の職務を代理する。
3.理事長個人と利益相反する行為となる事項及び双方代理となる事項については、理事
会において選任する他の理事が理事長の職務を代理する。
(監事による監査)
第11条 監事は、理事の業務執行の状況及び法人の財産の状況を監査しなければならない。
2.監事は、毎年定期的に監査報告書を作成し、理事会、評議員会及び大阪府知事に報告す
るものとする。
3.監事は、前項に定めるほか、必要があると認めるときは、理事会及び評議員会に出席
して意見を述べるものとする。
(職 員)
第12条 この法人に、職員若干名を置く。
2.この法人の事務局長は、理事会の議決を経て、理事長が任免する。
3.事務局長以外の職員は、理事長が任免する。
(顧問及び参与)
第13条 この法人に顧問及び参与若干名を置くことができる。
2.顧問及び参与は理事会の推薦により理事長が委嘱する。
3.顧問は会務について理事長の諮問に答える。
4.参与は会務の運用に参与する。
第3章
評議員及び評議員会
(評議員会)
第14条 評議員会は、31名の評議員をもって組織する。
2.評議員会は、理事長が招集する。
3.理事長は、評議員総数の3分の1以上の評議員又は監事から会議に付議すべき事項を
示して評議員会の招集を請求された場合には、その請求のあった日から20日以内に、
これを招集しなければならない。
4.評議員会に議長を置く。
- 102 -
社会福祉法人 大阪ボランティア協会
定款
5.議長は、その都度評議員の互選で定める。
6.評議員会は、評議員総数の過半数の出席がなければ、その議事を開き、議決すること
ができない。
7.評議員会の議事は、評議員総数の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決すると
ころによる。
8.評議員会の決議について、特別の利害関係を有する評議員は、その議事の議決に加わ
ることができない。
9.議長及び評議員会において選任した評議員2名は、評議員会の議事について議事の経
過の要領及びその結果を記載した議事録を作成し、これに署名又は記名押印しなければ
ならない。
10.評議員の報酬については、勤務実態に即して支給することとし、評議員の地位にある
ことのみによっては、支給しない。
(評議員会の権限)
第15条 評議員会は、次に掲げる事項を審議する。
① 予算、決算、基本財産の処分、事業計画及び事業報告
② 予算外の新たな義務の負担又は権利の放棄
③ 定款の変更
④ 合併
⑤ 解散(合併又は破産による解散を除く。以下この条において同じ。
)
⑥ 解散した場合における残余財産の帰属者の選定
⑦ その他、この法人の業務に関する重要事項で、理事会において必要と認める事項
2 理事会は、前項に掲げる事項を決定しようとするときは、原則として、あらかじめ評
議員会の意見を聴かなければならない。
(同前)
第16条 評議員会は、この法人の業務若しくは財産の状況又は役員の業務執行の状況について、
役員に対して意見を述べ若しくはその諮問に答え又は役員から報告を徴することができ
る。
(評議員の資格等)
第17 条 評議員は、社会福祉事業に関心を持ち、又は学識経験ある者で、この法人の趣旨に賛
成して協力する者の中から理事会の同意を経て、理事長がこれを委嘱する。
2.評議員の委嘱に当たっては、各評議員について、その親族その他特殊の関係がある者
が3名を超えて含まれてはならない。
(評議員の任期)
第18 条 評議員の任期は2年とする。ただし、補欠の評議員の任期は、前任者の残任期間とす
る。
2.評議員は、再任されることができる。
第4章
会
員
(会 員)
第19条 この法人に会員を置く。
2.会員は、この法人の目的に賛同し、目的達成のため必要な援助を行うものとする。
3.会員に関する規程は、別に定める。
第5章
資 産 及 び 会 計
(資産の区分)
第20 条 この法人の資産は、これを分けて基本財産、運用財産及び公益事業用財産の3種とす
る。
2.基本財産は、次の各号に掲げる財産をもって構成する。
① 大阪ボランティア協会活動振興基金
現金 202,300,000円
3.運用財産は、基本財産及び公益事業用財産以外の財産とする。
4.公益事業用財産は、第29条に掲げる公益を目的とする事業の用に供する財産とする。
5.基本財産に指定されて寄附された金品は、速やかに第2項に掲げるため、必要な手続
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社会福祉法人 大阪ボランティア協会
定款
をとらなければならない。
(基本財産の処分)
第21 条 基本財産を処分し、又は担保に供しようとするときは、理事総数の3分の2以上の同
意を得て、大阪府知事の承認を得なければならない。ただし、次の各号に掲げる場合に
は、大阪府知事の承認は必要としない。
① 独立行政法人福祉医療機構に対して基本財産を担保に供する場合
② 独立行政法人福祉医療機構と協調融資(独立行政法人福祉医療機構の福祉貸付が
行う施設整備のための資金に対する融資と併せて行う同一の財産を担保とする当該
施設整備のための資金に対する融資をいう。以下同じ。)に関する契約を結んだ民間
金融機関に対して基本財産を担保に供する場合(協調融資に係る担保に限る。)
(資産の管理)
第22条 この法人の資産は、理事会の定める方法により、理事長が管理する。
2.資産のうち現金は、確実な金融機関に預け入れ、確実な信託会社に信託し、又は確実
な有価証券に換えて、保管する。
(特別会計)
第23条 この法人は、特別会計を設けることができる。
(予 算)
第24 条 この法人の予算は、毎会計年度開始前に、理事長において編成し、理事総数の3分の
2以上の同意を得なければならない。
(決 算)
第25 条 この法人の事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、毎会計年度終了後
2月以内に理事長において作成し、監事の監査を経てから、理事会の認定を得なければ
ならない。
2.前項の認定を受けた書類及びこれに関する監事の意見を記載した書面については、法
人事務所に備えて置くとともに、この法人が提供する福祉サービスの利用を希望する者
その他の利害関係人から請求があった場合には、正当な理由がある場合を除いて、これ
を閲覧に供しなければならない。事業報告書、財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、
社会福祉法人 大阪ボランティア協会の会報に掲載するものとする。
3.会計の決算上繰越金を生じたときは、次会計年度に繰り越すものとする。ただし、必
要な場合には、その全部又は一部を基本財産に編入することができる。
(会計年度)
第26条 この法人の会計年度は、毎年4月1日に始まり、翌年3月31日をもって終わる。
(会計処理の基準)
第27 条 この法人の会計に関しては、法令等及びこの定款に定めのあるもののほか、理事会に
おいて定める経理規程により処理する。
(臨機の措置)
第28 条 予算をもって定めるもののほか、新たに義務の負担をし、又は権利の放棄をしようと
するときは、理事総数の3分の2以上の同意がなければならない。
第6章
公益を目的とする事業
(種 別)
第29 条 この法人は、社会福祉法第26 条の規定により、利用者が、個人の尊厳を保持しつつ、
自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援することなどを目的とし
て、次の事業を行う。
① 大阪NPOプラザの経営
② 市民活動に関する出版事業
③ コミュニティ・ビジネス創出支援事業
④ NPO情報発信強化事業
2.前項の事業の運営に関する事項については、理事総数の3分の2以上の同意を得なけ
ればならない。
(剰余金がでた場合の処分)
第30 条 前条の規定によって行う事業から剰余金が生じた場合は、この法人の行う社会福祉事
業又は公益事業に充てるものとする。
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社会福祉法人 大阪ボランティア協会
定款
第7章
解 散 及 び 合 併
(解 散)
第31条 この法人は、社会福祉法第46条第1項第1号及び第3号から第6号までの解散事由に
より解散する。
(残余財産の帰属)
第32条 解散(合併又は破産による解散を除く。
)した場合における残余財産は、理事総数の3
分の2以上の同意によって社会福祉法人のうちから選出されたものに帰属する。
(合 併)
第33 条 合併しようとするときは、理事総数の3分の2以上の同意を得て、大阪府知事の認可
を受けなければならない。
第8章
定 款 の 変 更
(定款の変更)
第34 条 この定款を変更しようとするときは、理事総数の3分の2以上の同意を得て、大阪府
知事の認可(社会福祉法第43 条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項に係るもの
を除く。)を受けなければならない。
2.前項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なくその旨を
大阪府知事に届け出なければならない。
第9章
公告の方法その他
(公告の方法)
第35 条 この法人の公告は、社会福祉法人 大阪ボランティア協会の掲示場に掲示するととも
に、朝日新聞に掲載して行う。
(施行細則)
第36条 この定款の施行についての細則は、理事会において定める。
附 則
この法人の設立当初の役員は、次のとおりとする。ただし、この法人の成立後遅滞な
く、この定款に基づき、役員の選任を行うものとする。
理事長 岡本 榮一
理 事 井上
收、太田 昌也、岡本 千秋、駒井 信義、櫻木 清和、澤
賢次
髙橋 英雄、髙森 敬久、田尻 玄龍、津田 和明、遠山 雅宣、鳥井 静夫
長戸 貞二、早瀬
昇、宮崎
勇、巡
静一、山根川アヤ子
監 事 白神
潔、水原 一弘、矢野 健治
<定款改正の履歴>
・1993年7月6日認可
・1994年5月20日改正(社会福祉法人定款準則改正に伴う改正)
・1995年5月29日改正(基本財産増額に伴う改正)
・1997年5月22日改正(社会福祉法人定款準則改正および基本財産増額に伴う改正)
・1998年5月29日改正(基本財産増額に伴う改正)
・2001年11月14日改正(基本財産増額に伴う改正)
・2003年11月20日改正(
「従たる事務所」の追記、基本財産増額に伴う改正)
・2004年3月22日改正(社会福祉法人定款準則改正および公益事業設置に伴う改正)
・2004年11月9日改正(公益事業の追加)
・2005 年3月22 日改正(厚生労働省が定める定款準則の改正に伴い「基本財産の処分」の
変更および公益事業の一部事業の削除)
・2005年5月30日改正(公益事業の追加)
・2006年3月28日改正(社会福祉法人定款準則改正に伴う改正)
・2006年11月20日改正(公益事業の追加)
・2007年3月29日改正(公益事業の目的の追記)
・2007年5月30日改正(理事、評議員の定数の変更)
・2008年5月26日改正(副理事長制の導入、公益事業の削除)
・2009年5月26日改正(理事、評議員の定数の変更)
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社会福祉法人 大阪ボランティア協会
社会福祉法人 大阪ボランティア協会
(目
本規定は、社会福祉法人大阪ボランティア協会の定款に基き、社会福祉の増進を図る
担い手としての協会会員の性格、役割等を明確にするために設ける。
格)
第2条
(種
会員は、定款に定められた協会の理念と社会的役割をよく認識し、財政面での支えと
なると共に事業活動推進者であり、ボランティア運動展開の担い手となる者である。
別)
第3条 この法人の会員は次の3種とする。
①.個人会員
②.団体賛助会員
(役
会員規定
的)
第1条
(性
会員規定
③.特別会員
割)
第4条 会員は下記の役割の遵守に努めなければならない。
①. 総会への出席 ②.研修会等への参加 ③.事業活動への参加
④.地域における活動
(入
会)
第5条
(会
この法人の会員になろうとする者は入会申し込み書を提出し、理事長の承認を得なけ
ればならない。
費)
第6条
会員は、総会において定めた会費を納入しなければならない。ただし、特別会員はこ
の限りでない。
2 総会で定める会費額を越える金額については、寄付金として扱うことができる。
(退
会)
第7条 この法人の会員はその旨を理事長に届け出て、退会することができる。
2 この法人の会員は、次の各号の1に該当するときは退会したものとみなす。
①.死亡、もしくは解散、またはこれに類する事実の生じたとき。
②.会費を1年間納入しないとき。ただし、60歳以上で20年以上継続して会費
を納入した者については「生涯会員」とし、会費を納入せずとも退会としない。
③.その他、上記の条件に該当しない場合も、常任運営委員会で妥当と判断される
場合は、「生涯会員」として認定することができる。
(除
名)
第8条
(総
会員に、この法人の名誉を毀損し、またはこの規定に反するような行為のあったとき
は、総会の議決により除名することができる。
会)
第9条
2
3
4
5
6
総会は定期総会及び臨時総会の2種とする。
定期総会は毎年1回これを開催する。
総会は理事長が招集する。
総会に議長をおく。
議長はそのつど出席した個人会員の互選により定める。
理事長は個人会員の5分の1以上から会議に付議すべき事項を示して総会の招集を請
求された場合には、その請求のあった日から1ヶ月以内に、これを招集しなければな
らない。
7 総会の議事は出席した個人会員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決すると
ころによる。
8 やむを得ない理由のため総会に出席できない個人会員は、あらかじめ通知された事項
についてのみ書面をもって表決をなし、または代理人に委任することができる。
(総会の議事)
第10条 総会は次の事項を審議する。
①. 評議員の推選 ②.会費の決定 ③.会員の除名
④.その他理事長が付議した事項
(改正または変更)
第11条 本規定を改正または変更しようとするときは、総会の議を経なければならない。
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大阪ボランティア協会
1963・6
事業の沿革
(抄)
大阪市社会福祉協議会を会場に、大阪府下に散在するボランティア・グループの月例
連絡会、始まる。
-日 生 済 生 会 時 代 -
1965・11 ボランティア協会創立総会。名称を「ボランティア協会大阪ビューロー」とする。(7
日)
・11 第1期「ボランティア・スクール」開講(日本初。1985年度末で52期終了)
。
1966・3 第1回「バザー」開催(1998年3月に第26回を開催)
。
・7 『月刊ボランティア』を創刊(2003年1月に『Volo』に改題し 09年3月号で443号発行)。
-心 斎 橋 時 代 -
1967・4 大阪市南区安堂寺橋通りに事務所を移転。専任職員を配置。事業を総合的に始める。
・9 第1期「婦人のためのスクール」開講(1985年度末で 24期終了)。
1969・3 ボランティア協会大阪ビューローを発展的に解消し、社団法人 大阪ボランティア協会
として発足。(21日)
・7 『ボランティア活動』(新書判)をミネルヴァ書房から出版(1981年に改訂第17刷)。
1970・7 第1期「高校生のためのボランティアスクール」開講(2005年8月で第71期開催)
。
1971・5 会員による協会の自主的運営目指し、プロジェクトチーム制を導入(参加システムの
萌芽)
。
1973・9 関西公共広告機構(現・公共広告機構)の協賛で、テレビでのキャンペーン実施。
1974・2 近畿ブロックボランティアリーダー研究協議会を開催(日本青年奉仕協会と共催)。
-扇 町 時 代 -
1975・8 事務所を、心斎橋からを大阪市北区末広町の星和地所扇町ビルへ移転。
・9 『福祉小六法』(新書判)を発刊(現在は中央法規出版から発刊)
。
1976・6 第1期「ボランティアコーディネーター養成講座」開講(日本初。2008 年5月で第34
期終了)。
・10 毎日新聞社会福祉顕彰、受賞。
1977・12 「わたぼうしコンサート」を、奈良たんぽぽの会と共催(1979年まで)。
1978・5 「寝屋川市民たすけあいの会」の「たすけあいホーム」開設を援助。
1979・2 協会を拠点に「おおさか・行動する障害者応援センター」が生まれる。
1979・6 「協会だより」(現・
『The ボラ協』)を創刊(「月刊ボランティア」⇒市民活動総合情報
誌「Volo(ウォロ)」の付録として会員に配布)。
1980・3 『ボランティア・テキスト・シリーズ』№1を発刊(2008 年度末で№22 まで発刊)。
・8 英国CSVのA.ディクソン氏講演会を開催(協会創立15周年記念事業)
。
1980・9 第1期「お話の語り手講座」を開講(2008 年度末で第30期開講)
。
1981・2 創立25 周年記念事業として『ボランティア=参加する福祉』をミネルヴァ書房より出
版(2000年12月に第14 刷発行)。
1981・5 総会にて「協会基本要綱」を採択。
1982・4 毎日放送ラジオで、活動に関する情報提供を開始(以後、様々なメディアに拡大)。
-同 心 時 代 -
1982・11 事務所を現在の大阪市北区同心(市立社会福祉研修センター)へ移転。
1982・12 「協会活動振興基金」設定。募金開始(2009 年3月で2億 230万円に)。
- 107 -
1983・7
1984・7
・10
1986・9
・9
1987・4
・5
1988・4
1989・4
1990・11
1991・9
10
1993・7
1994・8
1995・1
・8
1996・11
1998・1
3
1999・5
1999・10
2001・1
・11
第1回「京阪神ボランティアセンター需給調整担当者懇談会」開催を呼びかけ。
第1回「サマーボランティア計画」開始(1998年7~8月に第15回開催)。
「北河内ボランティアセンター」、枚方に開設。
「ボランティア活動推進国際協議会・世界大会」(IAVE)に代表を派遣。
「企業・労働組合による福祉活動開発懇談会」開催。
常任運営委員会と、事業ごとの事業推進委員会による事業推進体制を開始。
「初心者セミナー(現、
「初めてのボランティア説明会」
)を開催(毎月3回、昼と夜に
開催)。
第1回「近畿高齢者ボランティア会議」を開催。
フィリピンからロリータ・アントニオ女史を招聘し、講演会開催。
“職域ボランティア開発委員会”の企業ボランティア活動に関する調査に協力。
第1回青少年ボランティア大会「バリバリ元気天国」開催(1998 年10 月に第8回を開
催)。
「企業市民活動推進センター」開設。
社団法人から社会福祉法人への組織変更(6日に大阪府より認可。15 日に登記し正式
に発足)。
最適な活動メニューを探せる「ボランティア情報検索システム」を開発。
阪神・淡路大震災。経団連1%クラブなどとともに「被災地の人々を応援する市民の
会」結成し、2万1千人の市民とともに救援復興活動に取り組む。
第1回「日韓・中高校生ボランティア交流プログラム」、釜山で開催。
「日本NPOセンター」の創設に参画。現在、当協会より副代表理事を派遣。
インターネットによる活動情報システム「大阪ボランティア情報ネットワーク」開設。
「特定非営利活動促進法」
(NPO法)成立。(法制定キャンペーンへの参加)
『将来構想検討委員会』最終答申を発表。7月に「NPO推進センター」開設。
「2001 年ボランティア国際年推進協議会」
(全国レベルでの推進組織)を結成。当協会
事務局長が運営委員長に就任。
「日本ボランティアコーディネーター協会」の創設に参画。当協会より理事(現在、副
代表理事)・運営委員を派遣。
「市民エンパワメントセンター」運営委員会発足。
-2 拠 点 時 代 -
2002・4 「大阪NPOプラザ」オープン。管理団体となり、2拠点での事業展開が始まる。
市民事業の立ち上げを支援する「コミュニティビジネス創出支援事業」に着手。
10 シニア層に新しい生き方を提案する第1期「マスターズ・ボランティア大学」開講。
2003・1 「月刊ボランティア」を市民活動総合情報誌『Volo(ウォロ)』に改題して新創刊。
5 「主に関西! ボランティア・市民活動情報ネット」(KVネット)、配信開始。
12 「ボランティア・市民活動ライブラリー」
、大阪NPOプラザ内に開設。
2004・4 協会の編集で『ボランティア・NPO用語事典』を中央法規出版から発行。
7 「関西CSRフォーラム・準備会」を開始(08年度よりリンクアップフォーラムと統合)
。
2005・11 協会創立40周年記念式典、
『協会40年史―市民としてのスタイル』発行
-大阪NPOプラザ本部時 代 -
2006・5
2006・11
2007・11
2008・2
5
福島事務所のある大阪NPOプラザへ法人本部を移転。北区事務所も引き続き活用。
新たな公益事業として「多文化共生・国際交流事業」に着手。
「将来ビジョン検討委員会」発足。2009 年7月に最終答申へ。
「日本ファンドレイジング協会」創設に参画。
「社会的責任向上のためのNPO/NGOネットワーク」創設に参画。
- 108 -