経済環境面から見た貨物新幹線の可能性

経済環境面から見た貨物新幹線の可能性
The Potential of Freight Shinkansen from the View of Economy
and Environment
石原
浩 (慶應義塾大学 総合政策学部)
Hiroshi Ishihara
(Faculty of Policy Management, Keio University)
These days, the necessity of modal-shift is increasing because of the nee d to reduce CO2
discharge and also reduce traffic accident. There are many report about the Shinkansen
from the view of passenger service but there are almost no report from the view of freight
service. So this term I’ll try proving the potential of the Freight Shinkansen modeling about
Hokkaido Shinkansen. Under this survey, it is proved that Freight Shinkansen will go well
not only commercially but also environmentally.
キーワード:鉄道貨物 北海道新幹線 環境税 宅配便 二酸化炭素排出量
Keywords: Freightshinkansen, Environmental tax, CO2 discharge
1.はじめに
京都議定書の発効に向けて日本は,依然増加
する二酸化炭素排出量を基準年度の 1990 年の
値から 6%削減する事が求められ,対策の一環
としての環境税の導入も本格的に議論されてい
る.関連してモーダルシフトの機運も高まり,
多発する死亡事故の影響も相まってトラックに
90 キロのリミッター取り付けが義務化される
中,スーパーレールカーゴなど鉄道貨物が見直
されつつある.他方で整備新幹線の内,新青森
∼函館間,富山∼金沢間,武雄温泉∼諫早間の
建設が 2004 年 12 月 10 日に正式に決定された
が,旅客面の試算しか登場せず貨物は考慮され
ていないのが現状である.そこで本研究では,
北海道新幹線をモデルに,貨物も新幹線化した
場合の可能性を,採算面だけでなく設備面から
環境面にまで視野を広げて検証する.
2.背景−在来線貨物の現状と課題
2.1 在来線貨物の現状
在来線貨物は,現在は首都圏∼北海道間に一
日あたり最大で上下 11 往復が運行されており,
都市部の列車過密区間は言うに及ばず,単線区
間の津軽海峡線,函館本線の線路容量から,高
い利用率を誇るにも関わらずこれ以上の増発は
困難な状況にある.津軽海峡線や函館本線では,
1 往復増発する為に待避線の建設や部分的な複
線化など多額の投資が必要になるのが実情で,
試算では 210 億円の投資が必要ともされている.
(長期的展望に立った鉄道貨物のあり方に関す
る調査報告書 財団法人運輸経済分析センター
平成 8 年 3 月)現状では深夜に旅客機を貨物便
として使用して宅配便を運ぶなど,必ずしも顧
客の需要を満たしていないと言える.
2.2 在来線貨物の課題 1-所要時間
現状では東京ターミナル(以下(タ)と表記)
∼札幌(タ)間が下り列車の平均で 18 時間 49
分となっており,必ずしも高い競争力を有して
いるとは言えない.現在の内航海運では,東京
∼苫小牧間が多くの場合 33 時間程度である.
しかし,すでに就航している高速化された
RORO 船が主流になれば,20 時間 30 分が通常
となり配送まで考慮すると差がほとんどなくな
る.
2.3 青函という新たなボトルネックの発生
北海道新幹線が開業すれば青函トンネルを在
来線貨物と新幹線が共用する事になるが,速度
が異なる列車(新幹線 360 キロ,貨物 100 キロ)
の運行はダイヤ上の制約となる.函館開業時は
1 時間に最大でも 1∼2 本程度と考えられ,何と
鉄道
100.00%
90.00%
80.00%
70.00%
60.00%
50.00%
40.00%
30.00%
20.00%
10.00%
0.00%
海運
自動車
(図1)京浜葉から各地への輸送機関分布(貨物地域
流動調査 旅客地域流動調査 平成14年度 国土交
通省より作成)
4.2 貨物の収益比較
次に各貨物輸送機関別の輸送単価は,表 2 の
様になった.この場合海運に関しては外航海運
も含んでおり,割安に算出されている.
(表 2)貨物一トンあたりの平均収益
鉄道
4,377 円
JR 貨物決算書より算出
鉄道
4,714 円
日本通運資料より
自動車 6,766 円
日本通運資料より
自動車 4,111 円
全日本トラック協会資料
海運
1,114 円
日本通運資料より
航空
227,368 円 日本通運資料より
JR 貨物財務諸表,交通関係エネルギー要覧,日本
通運第 98 回定時株主総会召集ご通知,全日本トラ
ック協会資料より作成
4.3 営業トラックと貨物の距離別料金比較
続いて営業トラックと在来線貨物の距離別料
25000
20000
価
15000
格
︵
¥
︶
3.前提条件−貨物新幹線の想定
3.1 貨物新幹線の想定概要
従来型の機関車 1 両が 20 両程度の貨物列車
を牽引するスタイルでは,ブレーキや速度,北
陸新幹線や盛岡以北の登攀性などに限界がある
と考えられる.事実スーパーレールカーゴは,
安定して 130 キロを出す為に 4M12T の電車方
式としている.そこで 8M8T の 16 両,240 キ
ロ運転と想定した.1 両あたりの重量は 30∼35
トンで,5 トンコンテナ換算で先頭車 5 個,中
間車 6 個,16 両編成で 94 個搭載するものとし
た.最大軸重を 17 トン以下に収める事が出来
るため,200 系,E4 系車両と同程度の重量条件
に出来る.尚,北陸新幹線や東北新幹線の盛岡
以北は,最大軸重 16 トン以下で設計されてい
るが,北陸新幹線では E4 系が使われており,
対応できるものと考えられる.尚,大宮以南は
超過密ダイヤの為貨物ターミナルを大宮駅北側
の東北自動車道との交点付近に設ける(大宮
(タ))と想定した.
3.2 貨物新幹線の想定ダイヤ
北海道新幹線対策として,360 キロで走行す
る車両が開発される事が発表されている.
(新幹
線高速試験電車の作成について JR 東日本)
現状では盛岡∼八戸間が最も長く待避設備がな
い.この間隔でも旅客列車が一時間あたり最大
で速達型 3 本,各駅停車型 1 本が運行されたと
して,6 本程度の貨物新幹線を運行する事が可
能である.そこで列車密度が高い盛岡以南は停
車駅の多いやまびこと同じ速度で,盛岡以北は
速達旅客列車を待避しながら走行すると想定す
ると,大宮(タ)∼札幌(タ)間を 5 時間 45
分程度と算出でき,余裕を持って走れる.以下
この条件を元に検証を進めていく.
4.費用対効果の検証
4.1 貨物輸送分担の現状
現在貨物輸送は概して道路交通への依存度が
高く,長距離になるほど地形的に海運が利用で
きるところは内航海運を利用している。鉄道利
用は,長距離になれば増える傾向はあるものの
概して少ない.(図 1 参照)
東
関
東
∼
京
浜
葉
西
東
北
∼
京
浜
葉
東
東
北
∼
京
浜
葉
北
東
北
∼
京
浜
葉
北
海
道
∼
京
浜
葉
か対応できる.しかし,札幌まで開業となれば
新幹線が徐行せざるを得なくなる可能性がある.
また,比較的不安定な在来線貨物と新幹線のす
れ違いなどの問題も考慮しなければならない.
そこでからモーダルシフトの受け皿として,競
争力確保の為の所要時間短縮,青函トンネルと
いうボトルネックの解消の為に貨物新幹線を検
討する事とした.
10000
5000
0
0
200
400
600
800
1000
1200
距離(キロメートル)
発着貨物駅から合計20キロ
発着貨物駅から合計100キロ
営業トラック
(図3)鉄道貨物と営業トラックの距離と料金の関係(トンあたり)(JR貨物料金表,現
代の鉄道貨物輸送より作成)
1400
金を比較する.出発駅∼貨物駅,貨物駅∼目的
地の合計距離が 20 キロの場合で比較すると,
貨物は短距離では割高であるが 400 キロを境に
貨物の方が割安になる.ただし,出発地∼貨物
駅,貨物駅∼目的地の距離が増えれば増えるほ
ど貨物は割高になり,この距離が 100 キロの場
合であると 900 キロ近辺まで在来線貨物の方が
割高である.
4.4 宅配便の現状
近年貨物の小口化が進んでおり,宅配便の利
用が増加し,長距離化している.平成 15 年度
ではトン数で総貨物の内の 29.1%,個数で
(特別積合わせトラック調査報告
42.1%に上る.
書 国土交通省総合政策局)宅配便は,トン数
あたりの単価が高く,短距離から
100000
90000
移動距離を 100 キロで計算し,この区間の送料
を鉄道の金額と同等で計算した.さらに貨物の
所要時間を,鉄道や航空の場合は出発地から貨
物駅や空港,貨物駅や空港から到着地までの所
要時間を合計 4 時間で計算したのが表 6 である.
(表 6)輸送機関別東京札幌
間所要時間
所要時間(分)
航空
330
貨物新幹線
585
在来線貨物
1,369
営業用トラック
1,470
内航海運
1,470
営業用トラックは内航海運の RORO 船(世界
最速の川崎近海汽船の東京∼苫小牧 20 時
間 30 分を利用したとした)で換算.新幹線貨
物は貨物駅間の所要時間を5 時間 45 分とした.
また,この関係をグラフ表記したのが図 7 で
ある.
80000
︵
70000
料
60000
金
50000
¥
40000
︶
系列1
30000
180000
多項式 (系列1)
20000
宅配便(
ヤマト
運輸10キロで
の換算
160000
10000
航空
140000
0
0
200
400
600
800
1000
距離(キロメートル)
1200
1400
1600
120000
価
格 100000
宅配便(
ヤマト
25キロ換算)
系列1
︵
(図4)ヤマト運輸宅配便距離と料金の関係(平成15年の宅配便重量平均が10.7jキ
ロであることから、10キロの料金を1トン換算で算出)(ヤマト運輸料金表より作成)
︶
¥
高い利益を確保でき,距離による増減が小さい
のが特徴である(図 4 参照).
80000
60000
40000
在来線貨物
営業用トラック
20000
0
0
ヤマト運輸 25 キロでの換算
西濃運輸 20 キロでの換算
ヤマト運輸 10 キロでの換算
環境税
1000
1500
所要時間(分)
(図7)所要時間と価格の関係
5.貨物新幹線の費用対効果の検証
5.1 各輸送機関との比較
(
表 5)
東京∼札幌
間輸送機関別料
金(1 トンあたり) 料金
航空
146,222 円
営業用トラック
18,182 円
500
税率
4,263.1 円
2.95%
501.2 円
2.68%
88,400 円
84,000 円
158,000 円
21,122 円
在来線貨物
60.5 円
0.29%
ANA ホームページ(500 キロ基準を1 トンに換算)
長期的展望に立った鉄道貨物のあり方に関する調査
報告書(
運輸経済研究センター)、日本経済新聞環境税
に関する記事より作成
東京∼札幌までの料金を(表 5)のように設
定した.なお,航空と鉄道は出発地から貨物駅
や空港,さらに貨物駅や空港から到着地までの
5.2 貨物新幹線の料金の推定
図 7 を用いて所要時間と価格の関係から貨物
新幹線の価格モデルを推定する事とする.通常
貨物でどのモデルを当てはめるかにもよるが,
図のような曲線モデルから宅配便料金などとの
関係も考慮すると,トン当たり 60,000 円当り
が適当と言える.そこで,貨物新幹線の東京∼
札幌間の 1 トン当りの価格を 60,000 円と
40,000 円の場合で採算性を検討する.
5.3 線路使用量の検討
現在 JR 貨物は,ほとんど線路を所有せず JR
各社の線路を借用する形で運行されている.線
路使用量はアボイダルコストの概念が適用され
ており,貨物列車を運行させる為に増加する料
金だけを負担する事で安い価格で貨物サービス
を提供できるように経営を成り立たせている.
これを理由にダイヤ設定の主導権を旅客鉄道側
2000
(
表 8)
貨物一列車
60,000 円のとき 40,000円のとき
あたりの利益
線路使用量,経費
支払い前
17,034,962 円 10,454,962 円
線路使用量,経費
支払い後
9,794,330 円
4,162,508 円
搭載率 70%で計算
この価格は,新幹線の旅客列車の単価を,東京∼
札幌間で 21,000 円とした場合(表 9)と比較し
ても遜色のない金額である.この事から,貨物
新幹線にした場合,所要時間の短縮から他の輸
送機関と比べても競争力が格段に増し,宅配便
などの単価の高い荷物を選択すればかなりの利
益が見込める.夜間に在来線貨物をまとめて青
函トンネルを通過させる形で,付加価値の高い
商品を貨物新幹線で,従来の値段程度のものを
在来線貨物で運ぶなどの使い分けも検討する価
値がある.また,東北北海道方面の物流所要時
間短縮により農産物や海産物の新たなビジネス
チャンスも生まれると期待される.
(表 9)旅客
列車一列車
あたりの収
10 両(870 人) 16 両(
1200 人)
入
線路使用
量、経費支
払い前
12,789,000 円 17,640,000 円
現行のはやて,こまち連結車両を前提に乗車率
70%で算出.JR東日本の資料によると先頭車の
傾斜は益す事から現実にはもっと定員が下がる
と考えられる.
6.炭酸ガス削減から見た貨物
6.1 環境税一般
環境省から発表された環境税案は,二酸化炭
素排出 1 トンあたり 2,400 円を課すものである.
なお,同時に海外からの排出権購入も検討され
ており,政府案民間案双方とも 700 円∼1400
円程度での買収を見込んでいる.当然国内でも
モーダルシフトなどによる一層の排出削減が望
まれる.今回北海道新幹線の完成を見込み,金
沢までの北陸新幹線とあわせて貨物新幹線を導
入した場合の二酸化炭素削減の可能性を試算す
る.
6.2 各貨物輸送機関の二酸化炭素排出量
174
自 自
営 営
家 家 営 業 業
用 用 業 用 用
小 普 用 小 普
型 通 軽 型 通
ト ト 自 ト ト
内
ラ ラ 動 ラ ラ
航
航 海運 鉄 ック ック 車 ック ック
空
道
に握られる事になり,貨物ダイヤ設定上の大き
なネックになっている事は,スーパーレールカ
ーゴの事例でも明らかである.また,新幹線完
成後に第三セクターに移管された在来線では,
全輸送量に対する貨物の占める割合が高くなり,
この方式の限界も問題視されている.そこで,
貨物新幹線では旅客鉄道と同様の線路使用量を
負担できるかも検証した.
線路使用量は 1993 年のデータから,トンキ
ロあたり 0.843 円であり,東京∼札幌間に置き
換えると 1012 円になる.尚,もし仮に旅客列
車と同様の線路使用量がかかるとするとおよそ
3 倍の費用がかかる事が指摘されている.また,
線路使用量は電気使用量(炭素排出量は 1.2 倍),
通過トン比,速度比(2.4 倍)によって決めら
れる事から,ここでは在来線と新幹線の線路使
用量を 3 倍として算出した.合計現在の線路使
用量より 9 倍,9,108 円であるとした.
5.4 経費の検討
現状では JR 貨物は平成 15 年度で営業利益
1,657 億円の内当期純利益は 16 億円と小さい.
そこで営業利益と総合的な支出が同じであると
考え,東京∼札幌間の線路使用量を除くコスト
はこの区間の JR 貨物のトンあたりの収入から
線路使用量を引いたものと同額であるとした.
1 トンあたり総支出 11,888円(12,900 円−1012
円)とした.
5.5 損益計算
以上を考慮して東京∼札幌間の損益を計算し
たのが表 8 である.
830
1949
388
3271
21
38
1480
0
1000
2000
3000
g-CO2/トンキロ
(図10)輸送機関別二酸化炭素排出原単位(
平成13
年度)
(
環境省の資料より作成)
次に二酸化炭素排出量は,概して鉄道が低水
準であることがわかる.モーダルシフトの対象
とされている内航海運と比べてもおよそ半分で
ある.
4000
6.3 東京∼札幌間の二酸化炭素排出量
環境税を見る限り(表 5,表 11 参照),今回
の素案ではモーダルシフトへのインセンティブ
はそこまで向上しない.しかし,環境省からは,
場合によって京都議定書目標達成のために,二
酸化炭素 1 トンあたり 30,000 円∼45,000 円の
課税が必要との素案もあり,今後の政局次第で
は鉄道へのモーダルシフトのインセンティブが
向上する.
(表 11)
東京∼札幌間
輸送機関別 CO2 排出
量(
1 トンあたり)税率ト
ンあたり2,400 円
航空
営業用トラック
内航海運
在来線貨物
CO2 排出量
1.776 トン
0.209 トン
0.452 トン
0.025 トン
環境税
4,263.1 円
501.2 円
109.5 円
60.5 円
6.4 貨物新幹線にした場合の CO2 削減効果
500キロ以上
3543217
300キロ∼500キロ
1655110
3897963
0
1000000
2000000
185700
3000000
4000000
5000000
6000000
CO2排出量(トン)
(図12)輸送機関別CO2排出量(自動車は営業トラックで換
算)
自動車
海運
図 12 は東北,北海道,北陸新幹線(北陸は
金沢まで)の沿線の県の CO2 排出量である(貨
物地域流動調査 旅客地域流動調査 平成 14
年度より作成.23 地域区分データを,北東北は
青森,東東北は宮城,西東北は秋田,東関東は
栃木,北関東は群馬,京浜葉は東京,甲信は長
野,北陸は石川に読み替え,県庁所在地間を在
来線の距離で換算.)
.さらに貨物新幹線に移転
したときの各場合における CO2 排出量と環境
税換算額を示したものが図 13 である.現在検
討されている環境税だけでは貨物新幹線に移転
させるための積極的な投資が行われるとは考え
にくいと言える.仮に貨物新幹線への移転を考
える場合には,5 で検証したように貨物の輸送
単価の向上を検討する事が必要であるといえる.
尚,ケース⑥まで貨物新幹線に貨物輸送を移転
させた場合,最混雑区間である仙台∼宇都宮間
は,90%搭載の場合でも片道最大 214 本の列車
が必要になり,貨物が減る日曜日以外 24 時間
CO2 削減量
(表 13)
各場
(t)と全排出
合の CO2 排
環境税換算額
量(平成 14
出量と炭素
(円)
年度)に占
税換算額
める割合
① 500 キロ
1,550,158
以上で自動
37.2 億円
車から50%
0.0012%
移転したとき
② ①+500
キロ以上で
1,715,669
海運から
41.2 億円
0.0013%
25%移転し
たとき
③ ②+500
キロ以上で
2,645,763
自動車から
63.5 億円
0.0020%
80%移転し
たとき
④ ③+500
キロ以上で
2,811,274
海運から
67.5 億円
0.0021%
50%移転し
たとき
⑤ ④+300
キロ以上で
4,553,773
自動車から
109.3 億円
0.0034%
50%、海運
から50%移
転したとき
⑥ ⑤+300
キロ以上で
5,576,989
自動車から
133.8 億円
0.0042%
80%移転し
たとき
運行にし,夜間に東京貨物ターミナルまで乗り
入れるなど抜本的な改良が必要である.
7.まとめ
7.1 費用対効果まとめ
現実的には,総貨物に占める宅配便の割合が
(
表 14)
片道毎時通過本数平均 貨物トンあたり料金
500 キロ以上が貨物新幹線に 東京∼札幌間 60,000
移転した時
円のとき
宇都宮∼仙台間 8.84 本
(最過密区間)
東京∼札幌間 40,000
盛岡∼青森間 5.95 本
円のとき
青森∼札幌間 3.93 本
300 キロ以上が貨物新幹線に 東京∼札幌間 60,000
移転した時
円のとき
大宮∼宇都宮間 6.55 本
(最過密区間)
東京∼札幌間 40,000
盛岡∼青森間 4.94 本
円のとき
青森∼札幌間 3.93 本
トン数で 29.1%であることから,総貨物に占め
る宅配便の割合を 30%とし,その 50%が新幹
線貨物に移転したとして,平均貨物搭載率 70%
で各場合について試算したのが表 14 である(東
京∼札幌間の想定料金を元に,各区間の通過列
車を割り出したものに距離で加重平均したもの
を用いて計算 通過本数は総通過本数を各区間
15 時間分で均等配分して算出).一番条件が厳
しい 500 キロ以上の時の宅配便貨物の 50%が
貨物新幹線に移転した時でも,線路使用量,諸
経費支払い後で 1605 億円が純利益として年間
生み出される試算になる.この中から,新たな
新幹線と直結した貨物ターミナルや車両の生産,
さらには盛岡以北や高崎以西の 16 両化改良工
事などが必要であるが,これは 2004 年 12 月
10 日に発表された新規区間の費用(新青森∼函
館間(5000 億円),富山∼金沢間( 3900 億円),
武雄温泉∼諫早間(2700 億円))だけでなく,
将来検討される函館∼札幌間(1 兆 3000 億円
北海道庁のホームページから算出)を十分に賄
う事が出来ると考えられる.さらに,金沢∼新
大阪間の北陸新幹線が完成すれば,首都圏∼関
西∼西日本の貨物も輸送できるようになる.
7.おわりに
本研究から,貨物新幹線は単なる採算面だけ
でなく,新幹線整備などの輸送改善や CO2 排出
量改善に,現実的に貢献できる可能性を秘めて
いる事がわかった.今後各分野にわたって詳細
線路使用量,諸経費 年間金額
支払い前
4889 億円
支払い後
2811 億円
支払い前
3000 億円
支払い後
1195 億円
支払い前
6572 億円
支払い後
3778 億円
支払い前
4033 億円
支払い後
1605 億円
な検討が必要であるが,貨物新幹線が日本の物
流の発展に一役買う事を願って止まない.
参考資料
[1]中島啓雄,現代の鉄道貨物輸送,成山堂書店,
1995 年
[2]長期的展望に立った鉄道貨物のあり方に関
する調査報告書,財団法人運輸経済研究センタ
ー,1996 年
[3]朝日新聞
[4]地球温暖化問題への国内対策に関する関係
審議会合同資料,2001 年
[5]貨物地域流動調査旅客地域流動調査,国土交
通省総合政策局,2004 年
[6]交通関係エネルギー要覧,国土交通省総合政
策局,2002 年,2004 年
[7]特別積合わせトラック報告書,国土交通省総
合政策局,2003 年
[8]JR 貨物 web,http://www.jrfreight.co.jp/
[9]ANAweb,http://www.ana.co.jp/
[10] ヤ マ ト 運 輸
web ,
http://www.kuronekoyamato.co.jp/
[11]日本通運第 98 回定時株主総会招待ご通知
[12] 川 崎 近 海 汽 船
web ,
http://www.kawakin.co.jp/schedule/naikou.ht
ml
[13]環境省 web,http://www.env.go.jp/
[14]国土交通省 web,http://www.mlit.go.jp/
[15]貨物時刻表