2014年 3月 №364 ドレーパー記念幼稚園 喜びにみちて 園長 佐 竹 和

2014年 3月
喜びにみちて
№364
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
年度末を迎え園長としては保護者の皆様や教職員には〝許しを請う″様な気持ちにもなります。自
分の至らなさから迷惑をかけ、不快にさせてしまったりしたことがあったのではという思いからで
す。〝お許しください!″という思いを持つ一方で、自分自身は人のことを許していないことがあ
ることに気づかされます。自分は人を許すことが出来ないでいるのに、人には許してもらおうと願
うのですから自分(人間)はなんて自己中心的なのでしょうか。国同士の争いや人と人との争いが
毎日、ニュースで伝わってきます。〝許しあうこと″が足りないのが世の中なのでしょうか。イエ
ス様は〝どこまでも相手を許しなさい、あなたの敵をも愛しなさい″と言っておられます。しかし、
許すとはなんと難しいことでしょうか。敵を愛すなどはできるものではありません。
ノートルダム清心学園理事長の渡辺和子さんの本「面倒だから、しよう」を読んでいたら「許す」
ことについての記述があり興味深く読みました。渡辺さんが 9 歳の時に教育総監という国の要職を
担っていた渡辺さんの父親は殺されました。1936 年 2 月 26 日の朝、自宅に父親と一緒にいた渡辺
さん。その父親のところに陸軍の青年将校と兵士がやってきて機関銃で父親を目の前で惨殺して帰
っていきました。226 事件です。渡辺さんは成長の後、キリスト教の洗礼を受け、シスターとなり
ました。聖書の教えを忠実に守って生きようとしている渡辺さんでも父親を殺した人たちを許すこ
とは難しいと言っておられます。しかし、「許せない相手(敵)だとしても、せめて、相手の不幸
を願わないことを心に留めて生きたい。」と考えるようにしたそうです。大いに納得しました。い
つまでも相手のことを責めていても、恨んでいても相手は良い方には変わりません。自分自身の考
え方を変えないと、相手との関係は良い方に変わりませんからね。
3 月のカリキュラムのテーマは「喜びにみちて」です。保護者の皆様の暖かいご理解とご協力もあ
って、子どもたちの幼稚園生活が喜びにみちて送られていることに感謝です。喜びにみちた一日一
日の積み重ねで今日があります。幼稚園で過ごしたお子さんの年月に思いをはせると、できなかっ
たことが出来るようになった成長の時でもあり喜びをもって受け入れておられる保護者も多いこ
とでしょう。保護者、教職員も一緒になって子どもの成長を喜びあいたいと思います。そして、子
どもたちにはこれからも出来るようになることの喜びを味わいながら成長をしていって欲しいと
願います。3 月が終われば喜びにみちた 4 月がやってまいります。なんという素晴らしいことでし
ょうか。
喜びにみちた素晴らしい一日一日に感謝しつつ過ごして参りたいと思います。
2014年 2月
№363
育ちあう仲間
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
幼稚園の園長というのが本業の私ですが地域社会の役に少しでも立ちたいとの思いもあっていく
つかのボランティア活動をしています。その一つとして「あやせ災害ボランティアネットワーク」
という団体で活動しています。災害時のボランティア活動について、大規模災害時の避難所の運営
について、日頃の防災対策ついての啓発活動や被災地の復興支援の活動を行っています。2011 年 3
月 11 日・・東北地方を中心に甚大な被害をもたらした東日本大震災から 3 年が経とうとしていま
す。津波による被害は想像を絶するもので、被害の大きさに絶望を感じた方も多かったことと思い
ます。しかし、3年も経つと、あの時の恐怖、不安など忘れてしまっている人も多くいます。直接
的な被害のなかった関東地方でも食料の買い占めがあってインスタント食品はスーパーからなく
なりました。電力の受給調整のために計画停電もありました。ガソリンもなくてガソリンスタンド
の前に車の長蛇の列ができました。あのときに思ったこと、考えたことを一人ひとりが忘れずにい
たいと思います。あなたはあの時、何を思いましたか。
さて、今月のカリキュラムの言葉は1月に続いて「育ちあう仲間」となっています。1 年、2 年、3
年と日々の歩みの中で積み重ねて出来上がった幼稚園での育ちあう仲間です。仲間同士の中ではど
んなことがあったのでしょうか。笑いあって、泣きあって、喜びあって・・。競い合い、教えあい、
協力し合って、時には言い争いもありました。愛し合って、歌いあって、祈りあった仲間です。一
緒に育ちあった仲間を大切にしてほしいと願っています。子どもたちはそれぞれ時期が来れば幼稚
園を卒業していきます。そして、小学校でも育ちあう仲間を作って行きます。小学校のみならず、
育ちあう仲間づくりはずっと続いて行きます。人が育っていくうえではどのような人と仲間になる
かはとても重要なことでもあります。幼稚園での仲間づくりの経験を活かし、その場その場にあっ
て、お子さんのみならず、保護者の皆様にも素敵な仲間が増えていくよう願っています。
ドレーパー記念幼稚園では育ちあう仲間を大切にしたいとの思いで、幼稚園卒業後に3回の同窓会
を開催しています。1回目は幼稚園を卒業した年の小学1年生の7月に開催します。2回目は小学
校を卒業する時の3月、そして3度目は中学校を卒業する時の3月に開催します。子ども同士も育
ちあう仲間ですが、保護者の皆さんも、私たち教職員も育ちあう仲間であり、久しぶりの再会を喜
びあう日となります。案内があった時にはぜひ、お子さんと一緒にご参加ください。卒業してもず
っと仲間なのですから。
いよいよ、来月には年長さんは卒業となります。まだ、一カ月以上もありますが、卒業のための準
備が少しずつ増えて行き、否が応でも意識が高まります。保護者の皆様からは早くも謝恩会の案内
が届きました。年少さん、年中さんはそれぞれの学年のまとめの時となります。育ちあう仲間との
時間を大切に、最後の時まで神様の祝福とお守りの中で過ごせるよう願っています。
2014年 1月
№362
育ちあう仲間
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
1 学期はホップ、2 学期はステップ、3 学期はジャンプ!幼稚園の各学期はそんなイメージでしょう
か。ジャンプの 3 学期の最初の月(1 月)と来月(2 月)のカリキュラムのテーマは「育ちあう仲
間」となっています。1 学期、2 学期と育んできた友達との関係にじっくりと目を向けて、子ども
が仲間との関係の中で育っていることに保育者、保護者に気づいて欲しいとの願いがあるのでしょ
う。
幼稚園は集団生活の中で子どもが成長をしていく場所です。育ちあう仲間の中ではいろんな出来事
がおきます。一緒に楽しく遊ぶときもありますが、言い争いをするときもあります。ぶったり、ぶ
たれたり。相手を許せるとき、許せないときがあります。教え合い、励ましあい、慰め合い、共に
笑い、共に泣き、共に喜ぶ・・・日々の生活の中で決して一人ではできない、仲間がいるからこそ
の体験をしている子どもたちです。
大別すると子どもたちの体験、体験に基づく感情は「快」と「不快」とに分けられるかと思います。
「快」ばかりだと幸せで、「不快」ばかりだと不幸というような短絡的な考え方をするのは適切で
はありません。人間の成長には「不快」を乗り越えて「快」とする経験がとても大切なのです。嫌
なことを乗り越えていく経験です。学校に行くようになって、働くようになって、結婚して、子ど
もを授かって・・とこれからの子どもたちの成長の先には幼稚園とは全く違った環境に自身を置く
ことになります。「不快」もたくさんあります。これを自分で克服していかなければならないので
す。このことを自立と表現してもいいかもしれません。
大人になると「不快」なものから目をそむけ、逃げることで「不快でない状況」にする術を得てし
まいますが、物事から逃げることを知らない、純粋な幼児期にこそしっかりと「不快」を「快」に
自分自身で解決できるような体験をたくさんさせてあげることがとても大切です。保育者、保護者
は子どもをそんな思いをもって見守る必要もあります。
2014年がスタートしましたがどんな年になるでしょうか。年が変わったからといって人は変わ
ることはなく、去年と同じ自分がいるのです。しかし、年が変わると自分のいる環境が変わること
もあります。どのような環境の中にあっても神様の祝福とお守りの中で過ごしていることを信じ、
どのような環境の中にあっても神様の恵みに感謝して日々を過ごしたいと願っています。
2013年 12月
わかちあい
№361
園長
佐 竹
和 平
英語の表現に Pleasure Is Mine(または It's My Pleasure)というのがあります。日本語に訳す
と「それは私の喜びです」というもので、どのような使われ方をするかというと「この間は駅まで
送ってくれてありがとう」「それは私の喜びです」という使われ方です。日本語だと「どういたし
まして」と答えるような際に英語の表現では「それは私の喜びです」と答えることがあるのです。
「あなたが私に感謝を言うほど喜んでいることが私の喜びです」という考え方に基づくものです。
日本語の「どういたしまして」の考え方は「そんなに気にしないでください」という謙遜的な考え
方に基づいているのと大きく異なり、共感、わかちあいの精神がこの英語表現にはあります。
12 月のカリキュラムでは「わかちあい」をテーマにしています。子育てに限らず、人が生きていく
ということは感情や価値観をわかちあいながら生きていくことでもあります。聖書には「喜ぶ人と
共に喜び、泣く人と共に泣きなさい(ローマの信徒への手紙 12-15)」と記されています。なぜ、
そのように記されているかというと中々できないことだからです。大人は人の喜びに嫉妬心を抱い
てしまい人の喜びを喜べないときがあります。泣いている人を見ると泣いていない自分の幸せに安
堵して、喜んでしまうこともあります。だから、純真で他と比べることで自分の喜びや幸福を考え
ない幼児期にこそ、大事に育てなければならない心、感情が〝わかちあい″なのです。
先日読んだ本(失敗しない育児のスゴワザ51:租川泰治著)には親が子に持つ愛情を子どもとわ
かちあうスゴワザが紹介されていました。鏡の前で子どものほっぺにチュッとしてあげるというの
がそれです。すごく簡単だけど、きっと、すごく効果のあるスゴワザです。子どもにとってはチュ
ッとされてうれしい自分が鏡の中で確認できるのです。親が自分を愛してくれているということを
目でも確認できるのです。鏡の前で抱きしめたり、頭を撫でてあげるのも親の愛情を子どもとわか
ちあうには効果がありそうです。我が家は中 3 の娘と中2の息子なのでもはや実践できませんが、
幼児の親である皆さんはぜひ、実践してみてください。
いよいよ12月となりました。イエス様がお生まれになった喜びをわかちあうクリスマスを迎えま
す。子どもたちの成長の喜びをわかちあう時ともなるでしょう。
皆さんが素敵なクリスマスを迎えられるようにと願っています。
2013年
11月
No.360
恵への感謝
園長
佐 竹
和 平
11 月 23 日には幼稚園ではバザーが開催されます。40 数年前、始めた当初のバザーはその収益を幼
稚園の備品購入や園舎建築費用に充てることを目的としていました。特に昔のドレーパー記念幼稚
園では不足している物が多かったようで、バザーの収益を遊具や家具、備品などの購入費用に充て
ていたのでした。また、図書館の建設にあたってはバザーの収益金を数年間この費用にあてた時期
もありました。しかし、幼稚園のためだけではなく、阪神淡路大震災(1995 年)、新潟県中越地震
(2004 年)、東日本大震災(2011 年)の年にはそれぞれ被災地支援のために捧げられたこともあり
ました。幼稚園とけやきの会とで収益を折半し、それぞれのご用のために使うこともあります。い
ずれにしても、その時々に必要とされる収益の使い方がなされてきました。関わって来られて来た
その時々の皆さんのお働きに感謝です。
バザーは本来的には収益を得ることが目的ではありますが、しかし、もっと大事な目的があるよう
です。それは“ふれあい”ということになるかと思います。準備をする過程で保護者の皆様どうし
のふれあいが増すことになるでしょう。また、バザー当日は卒業生、卒業生の保護者、元教職員、
教会の方々、地域の方々と多くの方がこの幼稚園に来てくださいます。なんと素敵なふれあいの時
でしょうか。今年のバザーも多くの皆様方の交流が図られるふれあいの場となるよう願っています。
さて、今月の主題は「恵への感謝」とあります。キリスト教主義を掲げる幼稚園としてはこのこと
をしっかりと習慣として子どもたちに身に着けられるようにするのが大事なことと考えています。
命ある自分、その自分が生きていられるように環境を整えてくれる家族、楽しく一緒に過ごす幼稚
園のお友達、先生・・神様から与えられている恵です。美味しい食事、寝る布団、着る服、青い空、
畑のお野菜、道端に咲くかわいいお花・・私たちの周りは神様の恵にあふれています。感謝です。
目に見える人や物だけでなく、私たちの人生そのものが神様の恵によるものでもあります。人生に
は楽しいときばかりではなく、辛く厳しいときもあります。しかし、神様からの恵ですから人生は
良いものに決まっています。辛く厳しいと思われるときがあったとしても、それは後に幸せになる
ために神様から与えられた乗り越えられる試練なのです。神様は恵みとして乗り越えられる試練を
与えてくださることがあるのです。今あるすべてを神様から与えられた恵として受け止め、神様に
感謝しつつ毎日を過ごしていきましょう。
2013年
10月
No.359
伝えあう喜び
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
今月の月主題は先月に続き「伝えあう喜び」となっています。子どもと子ども、子どもと保護者、
子どもと教師、教師と保護者、保護者と保護者、教師と教師・・といった繋がりの中にあって「伝
え合う喜び」を感じ合いながら過ごして欲しいと願っています。
園長の私はわが子が年長児として在園していた時に、このドレーパー記念幼稚園で働き始めるよう
になりました。働き出してすぐに始めたのが幼稚園のブログ日記です。色んな楽しいことを経験し
ている子どもたちの毎日の様子を保護者に伝えなくてはもったいないと思ったからです。おかげさ
まで保護者の皆様から喜ばれ、毎日、100 名以上の方がご覧になって下さっています。
ブログに載せるのは主に外での自由遊びとお弁当を食べているところの写真。室内でのクラス活
動を撮ろうと私が部屋に入っていくと往々にして園児の目が私に来てしまい、集中を途切れさせて
しまうこともあるので控えるようにしています。結果として外での自由遊びの時間の写真が多くな
ります。入園前の保護者の皆様にもこの自由遊びたっぷりのブログを見ていただいている方も多い
ようで幼稚園の教育方針の一つである「自由遊びの時間を大切にする」ことには多いに理解をいた
だいたうえで入園いただいているものと思っています。このことは入園にかかわることのみならず
幼稚園で働いている教師にも同じような効果があり、教師の募集をすると、このブログを見て自由
遊びたっぷりのドレーパー記念幼稚園で働きたい、子どもとたくさん遊びたいとの思いをもって来
られるのです。かくして、幼稚園での遊びの重要性を認識している保護者と教師に守られて、今日
もたくさん遊ぶ、子どもたちです。益々“遊び”が充実し、集団での遊びを通じた学び、成長が導
かれていることに感謝です。
春の4月から始まった今年度の幼稚園の歩みも夏が過ぎ、もはや年度の半分が過ぎ、秋となりま
した。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋とも言われますが、子どもたちを見ているとまさに「実
りの秋」でもあります。10月になりこれから行事も多くなってきます。行事を通じて多くの体験
をすることでしょう。その体験の感動を伝えあい、子ども、保護者、教師のみんなで喜びあえる秋
となることを願っています。
2013年
9月
No.358
伝えあう喜び
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
ドレーパー記念幼稚園はキリスト教主義の幼稚園です。神様、イエス様の教えを学びつつ成長しま
しょうという幼稚園です。毎日の礼拝では月ごとに示されている神様、イエス様の教えである聖書
の言葉を暗唱しています。この言葉は「おはようブック」に示されているものです。
4月
さあ しゅにむかって よろこびうたおう
5月
あなたのわかいひに あなたのそうぞうしゅを おぼえよ
6月
わたしたちは
7月
わたしのめには あなたは こうかでたっとい
8月
ただしいひとのすまいは しゅがしゅくふくされる
9月
へいわをつくるものはさいわいです
たがいに あいしあいましょう
私たち一人ひとりが神様によって創られ、神様によって守られ、神様によって愛されている者です。
だから、神様に感謝して生きていきましょう。神様に感謝しつつ、お互いが仲良く過ごしましょう
というのがキリスト教の教えです。今日も聖書の言葉を暗唱し、神様に感謝する子どもたちです。
きっと、健やかな成長が導かれると信じています。
今月のカリキュラムのテーマは「伝えあう喜び」となっています。〝伝えあう″ではすぐにその言
葉のイメージがわきませんが「お互いが理解しあう」ということになるのでしょうか、英語の「コ
ミュニケーション」とするとすぐにイメージがわいてくるようです。自分の考えていることを相手
にわかってもらいたいという欲求が大人のみならず子どもにもあります。この欲求があることを理
解して子どもとかかわっていくことが大事なのでしょう。一方的にものごとを決めるのではなく、
子どもの気持ち、考えを理解しようとする姿勢を持っていきたいと願っています。また、子ども同
士の交わりの中にあっても相手の気持ちを理解することが出来るような成長が導かれることを願
っています。
9月となり、2学期となりました。多くの行事がある2学期です。子どもたちの新しいことに挑
戦する気持ち、最後まであきらめない気持ちが大事であることをしっかりと伝え、行事ごとの達成
感をお互いが喜ぶことが多くできる学期でもあります。教職員一同協力し合って子どもの成長を導
いていける2学期となるようにしていきます。
2013年
お泊り保育
8月
No.357
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐竹
和平
8月の園だよりは、さながら、年長さんのお泊り保育特集号となっています。年長の保護者にとっ
ては付き添った教師がお泊り保育を振り返っているのを見て、改めて当日のお子さんの興奮を思い
出すことになると思います。年少、年中の保護者の皆様には来年、再来年のお子さんのお泊り保育
を楽しみに待つためのものとご理解いただければ幸いです。
さて、夏休みはいかがお過ごしになられたでしょうか。お子さんと一緒に過ごし、楽しい思い出の
夏となったでしょうか。家族それぞれの置かれている環境は様々でしょう。特別に何処かに行った
ということを大事にするのも良いですが、特別な場所でなくても一緒にお子さんといる時間をお子
さんの気持ちに寄り添いながら丁寧に過ごすことを大事にして欲しいと願っています。
私の中学 3 年の娘は今夏、少年少女国連大使としてニューヨークに行ってきました。世界では貧困
と飢餓に苦しんでいる多くの人たちがいます。たとえば 45 秒に1人の割合でマラリアによって人
が死んでいます。60 秒に 1 人の割合で妊娠、出産が原因で母親が死んでいます。60 秒に 8 人の割
合で生後 1 か月の赤ちゃんが死んでいます。その現状を学ぶとともにどうしたら問題が解決するか
を国連の会議場で発表もしてきました。帰国後は神奈川県知事や在住市の綾瀬市長を訪れ、学んで
きたことを報告するとともに行政として取り組んで欲しいことを提案もしてきました。父親の私は
自分にもできることとして、娘と一緒に考え、行動を共にしているところです。
いよいよ2学期の始まりです。行事の多い学期で運動会、一日動物村、バザー、おいもほり、クリ
スマスがあります。行事にむけての子どもたちの取り組む姿勢も大事にしつつ、日々の保育に教職
員一同力を合わせてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
2013年 7月
№356
ドレーパー記念幼稚園
夏を感じて
園長
佐 竹
和 平
4 月から始まった 2013 年度の幼稚園での生活も 3 カ月が過ぎ、4 月入園の子はそれぞれ自分の居場
所、好きな遊び、好きなお友達、好きな先生ができて楽しく毎日を過ごしています。進級した子た
ちもそれぞれの環境にあって、より一層、のびのびと園での生活を送っています。保護者の皆様に
もこの間、たくさんのご協力をお願いし、ともに子どもの育ちゆく環境づくりのお手伝いを頂いて
いますことに感謝です。子どもたちは新しい環境の中でそれぞれが適応、順応していますが、保護
者の皆様はいかがでしょうか。ご自分自身の生活は整えられているでしょうか。お子さんの成長の
こと、家庭環境のことで不安や悩みなどそれぞれあるかと思いますが、幼稚園ではそれらのことに
保護者の方と一緒に向き合う姿勢を持っていたいと思っています。何かありましたらお声掛けくだ
さい。
7 月 1 日に富士山が山開きを迎えました。ちょうど世界文化遺産にもなったこともあり、今年は富
士山ブームのようです。園長の私は昨夏、富士登山を 3 回いたしました。最初はお泊り保育で行く
富士山はどんなところなのかという程度の興味だったのですが、登ってみたら、登ること自体が楽
しくって、2 回、3 回と行ってしまいました。
「歩みを進めるとどんどんと高いところに行けるのが
何だかうれしくって」という私の感想に周りからは「子どもみたい」と言われてしまいました。
さて、今月のテーマは「夏を感じて」となっています。梅雨が明けるまではまだ夏らしい日は少な
いのですが、それでも夏を感じることはいろいろとあります。園庭を裸足で歩いていると陽のあた
っている地面は熱く、日陰の地面は冷たくといった感じ方もあります。日本には春、夏、秋、冬と
四季があります。それぞれの良さがあります。それぞれの良さを、その時期ならではの良さを感じ
とれる子どもになって欲しいと願っています。
人の人生にも時期があります。子どもたちは今、幼児期を過ごしています。乳児期と学童期の間の
時期です。それは集団での遊びを中心とした生活を通じて沢山のことを学ぶ時期でもあります。こ
の幼児期ならではの時間の過ごし方をするのが幼稚園です。文部科学省による「幼稚園教育要領」
という、幼稚園運営についての指針にも「遊びを通しての指導を中心とし」と記されています。幼
児期ならでは、夏ならでは、ドレーパー記念幼稚園ならではの遊びをたくさんして、子どもたちの
健やかな成長が導かれる夏となるよう願っています。
2013年 6月
№355
たのしい発見
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
ドレーパー記念幼稚園の創立記念礼拝、記念会食がありました。礼拝では園長がお話をさせていた
だきました。今月の聖書の言葉として子どもたちが朝の礼拝で暗唱している「あなたの若い日にあ
なたの創造者を覚えよ(旧約聖書コヘレトの言葉 12 章 1 節)」についてのお話。実はこの聖書の言
葉はドレーパー記念幼稚園の創立と大きな関係があります。幼稚園を創立したのは今から 51 年前
の大塚平安教会の方たちで、その責任者が当時の牧師、乙幡和雄牧師でした。乙幡牧師はこの大塚
平安教会に着任してすぐに、教会付属の幼稚園を作ることを教会の方々が望んでいることを知るの
でした。しかし、ご本人は牧師として大塚平安教会にやってきたのであって、幼稚園をやるために
来たわけではありませんでした。幼稚園をやりたいと思わなかったので、大塚平安教会の牧師をや
めようとしていた時、
「あなたの若い日にあなたの創造者を覚えよ」の聖書の言葉に心を動かされ、
幼稚園設立を決意し、以後、最大限の努力を惜しまず幼稚園のために心血を注がれたのでした。
わたしたちの創り主である神様、その御子イエスキリストが私たち一人ひとりのことを愛し、導き、
励ましていてくださっているという事実を幼い魂に刻み付けると共に、その深い愛ゆえに私たち一
人ひとりが互いに心を尽くして愛し合うことの喜びを、若き日より体得させたいと願うようになっ
たからだそうです。こうして 1962 年に大塚平安教会付属ミス・W・ドレーパー記念幼児園が開園し
たのでした。
聖書の言葉に動かされた乙幡牧師のおかげで、51 年たった今でも、毎日、神
様に感謝し、お友だち一人ひとりを大事にしつつ楽しい幼稚園生活をみんなで過ごすことができて
いるのです。ありがたいことです。
さて、今月のテーマは「たのしい発見」となっています。“発見”とは見たことのなかったものを
見つけ出すこと、知らなかったものを知ることです。まだ経験の少ない子どもにとっては多くの発
見があります。そのような時、子どもは「見て、見て!」と周りの人に反応を求めます。一説によ
るとこの「見て、見て!」に応えないでいると子どもが見たそのもの、発見自体を子どもはなかっ
たものとしていってしまうとのことです。ぜひ、子どもには“たのしい発見”をたくさん経験して
欲しいですよね。発見をたのしいものにできるかどうかは周りの人によります。子どもの発見を一
緒に喜び、感動してくれる人(友だち、親、教師)の存在が大事なのです。発見がたのしいものと
思うようになると好奇心旺盛に、学ぶことの喜びを知りつつ、のびのびと子どもは成長していくよ
うです。ぜひ、子どもと一緒に“発見”をたのしいものにしていきましょう。
2013年 5月
№354
うれしい出会い
ドレーパー記念幼稚園
2
園長
佐 竹
和 平
先月に引き続き 5 月も「うれしい出会い」がキリスト教保育連盟のカリキュラムのテーマとなっ
ています。出会いを深めよう、いろんな意味の「出会い」を感じ取ってもらいたいとの思いかもし
れません。
いま、子どもたちは幼稚園での生活でいろんな出会いを体験しています。友だち、先生、年長・年
中の年上の子、年中・年少の年下の子や、降園時にお迎えに来るお母さんとの出会い・・。いろん
な人との出会いがあります。人以外にも出会うものとしては新たな体験に出会うこともあります。
絵本、紙芝居、ルールのある遊び、集団での遊びとの出会いなどもありますね。礼拝を通じて神様、
イエス様と出会ったり、自然との体験を通じて動植物と出会うこともあるでしょう。一つひとつが
大切な出会いです。
出会うということは知るということです。それぞれ、すでに存在していたものを認知するというこ
とです。実はこれには人によって大きな違いがあります。同じ道をお子さんと一緒に歩いていても
お子さんと保護者では出会うものが異なります。大人になると道を歩いていても出会うことが少な
くなるようですが子どもには多くの出会いがあります。道端の草花や石ころだったり、水たまりに
出会ったりもします。一緒にいる保護者の方がその子どもの出会いを“うれしい”ものとして一緒
に受け止めてくれたら子どもにとってどんなに“うれしい”ことでしょう。
お子さんによっては何度も何度も読んでとせがんでくる好きな絵本があることでしょう。もう話の
内容も絵もすべて覚えているほどなのに、また読んで欲しいと要求してきます。この時こそ、その
絵本を好きになったお子さんの感性と出会う絶好のチャンスです。何度も何度も読んであげてくだ
さい。新たな出会いがきっとありますよ。
それぞれが“うれしい出会い”となって子どもの成長の糧となればと願っています。保護者の皆様
におかれましても、幼稚園生活の中でうれしい出会いに導かれて楽しく過ごされるよう願っていま
す。
2013年4月
№353
うれしい出会い
ドレーパー記念幼稚園
園長
佐 竹
和 平
4 月は新しい出会いが与えられます。どうか、このドレーパー記念幼稚園が縁で得たこの出会いを
うれしいものにできるような交わりができればと願っています。子どもたちの成長を喜びつつこの
一年を共に過ごしていきましょう。
入園式の日には新入園の子、進級の子が担任から名前を呼ばれました。年長さんから一人ひとり
名前を呼びます。みんな「はい!」の返事をちゃんとしています。年長の次は年中さんです。新入
園の子もいます。新入園の子は名前を呼ばれて、手を挙げて返事をするという経験をしたことの無
い子もいたことと思います。でも、初めての経験ながらできてしまう子もいます。他の子がやって
いるのを見て、真似してできるのです。これが集団での学びの一つの成果です。
幼稚園では子ども同士、教職員とのたくさんのかかわりの中で様々な体験をしていきます。その一
つひとつが子どもにとっては初めてのことです。初めてなので上手くいかないこともたくさんあり
ます。でも、経験がないから上手くいかないだけですから大丈夫です。1 回、2 回、3 回と出来なか
ったとしても、その出来なかった経験も積み重ねて、いつのまにかできるようになるのです。保護
者の皆さんは焦ることなく、お子さんをよく見て、頑張っている姿を褒めて、励ましつつ過ごして
いきましょう。
ドレーパー記念幼稚園はキリスト教主義を掲げる幼稚園としてキリスト教保育連盟のカリキュラ
ムに沿って保育を行っています。今年度の年主題聖句は「信仰と、希望と、愛、この三つはいつま
でも残る。その中でも大いなるものは、愛である。 (コリントの信徒への手紙Ⅰ13 章 13 節)」と
あります。キリスト教ではこの「愛」を大事にしていて、ドレーパー記念幼稚園も同様に「愛」を
大事にしています。
神様は私のことを愛してくださっている。このことを毎日の生活の中で子どもたちには感じ取って
いただくようにしていきます。自分が愛されていると知ることは一番の喜びです。そして、自分だ
けではなくまわりのみんなも神様から愛されていることを知り、神様に愛されている者同士、家族
やお友達、先生と愛し合いましょう(なかよくしましょう)ということです。
2013年度のドレーパー記念幼稚園の生活が神様の豊かな愛の中で楽しく過ごすことができま
すよう祈っています。