理美容市場に関する調査結果 2015

2015 年 4 月 6 日
理美容市場に関する調査結果 2015
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内における理美容市場の調査を実施した。
1.調査期間:2015 年 1 月~3 月
2.調査対象:理美容チェーン、理美容商社・卸、理美容化粧品メーカー等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査併用
【調査結果サマリー】
‹ 2014 年度の理美容市場規模は、前年度比 98.5%の 2 兆 1,758 億円と減少
2014 年度の理美容市場規模を前年度比 98.5%の 2 兆 1,758 億円(事業者売上高ベース)と推計し
た。このうち、理容市場が 6,473 億円(前年度比 98.1%)、美容市場が 1 兆 5,285 億円(前年度比
98.7%)である。
理容市場は、男性若年層の理容離れ、来店サイクルの長期化、低価格サロンの台頭などによる客単
価の下落等の理由から、引き続き縮小傾向が続いている。美容市場は、節約意識の高まりに伴う来店
サイクルの長期化や、誘客を目的とした割引クーポンの導入サロンの増加による実勢価格の低下など
の理由から微減推移となった。また、理美容共通のものとしては 2014 年 4 月から実施された消費税増
税による来店客の消費マインドのマイナス志向も少なからず影響したものと考える。
‹ 理容・美容とも付加価値型メニューの提案で客単価アップを図る
業界では、中・高価格帯サロンへの来店サイクルの長期化や集客率の伸び悩み等が問題となって
いる。そこで、既存の施術(カット・カラー・パーマ)の単品施術に終始することなく、ヘッドスパを筆頭に
ネイルやアイメイクなどトータルビューティの提供で「点(単品施術)から面(複合施術)」への提案を行
い、客単価のアップにつなげる動きが業界全体で進んでいる。
同様に店販事業の強化を掲げ、シャンプー・トリートメントを筆頭に、スキャルプケア専用シャンプー・
トリートメント・ローションなどのシステムタイプのヘアケア製品に加え、トータルビューティの観点からス
キンケア化粧品、ネイル用品、ウィッグなど周辺の商材、美顔器などの販売を強化している。
◆ 資料体裁
資料名:「理美容マーケティング総鑑 2015 年版」
発刊日:2015 年 3 月 24 日
体 裁:A4 判 979 頁
定 価:110,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
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2015 年 4 月 6 日
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
2014 年度の理美容市場規模を前年度比 98.5%の 2 兆 1,758 億円(事業者売上高ベース)と推計し
た。このうち、理容市場が 6,473 億円(前年度比 98.1%)、美容市場が 1 兆 5,285 億円(前年度比
98.7%)である。
2014 年度の理容市場の内訳は、理髪市場が 4,557 億円(前年度比 98.0%)、理容・その他市場が
1,916 億円(前年度比 98.3%)となった。理容市場は、男性若年層の理容離れ、来店サイクルの長期化、
低価格サロンの台頭などによる客単価の下落等の理由から縮小傾向が続いている。
2014 年度の美容市場の内訳は、パーマネント市場が 3,730 億円(前年度比 97.6%)、セット市場が
583 億円(前年度比 98.5%)、カット市場が 2,937 億円(前年度比 98.4%)、美容・その他市場が 8,035
億円(前年度比 99.3%)である。美容市場も、節約意識の高まりに伴う来店サイクルの長期化や、誘客
を目的とした割引クーポンの導入サロンの増加による実勢価格の低下など相対的な客単価下落により、
微減推移となった。また、理美容共通のものとしては 2014 年 4 月から実施された消費税増税による来
店客の消費マインドのマイナス志向も少なからず影響したものと考える。
増税後の緩やかな消費マインドの持ち直しが進むも減少傾向は変わらず、2015 年度の理美容市場
(同ベース)を前年度比 99.2%の 2 兆 1,591 億円と予測する。
2. 注目すべき動向
2-1. 成長続く低価格サロンチェーン
生産性追求と収益向上を最優先に、顧客回転率を最大限に高めるため、従来の洗髪や顔剃り等の
付加作業等も極力省略し、ハサミやバリカンのみでカットに特化した施術スタイル(カラー・パーマも含
む場合あり)を提供する低価格サロンチェーンの業績が軒並み好調である。合理性を追求することで低
価格を実現しているこれらサロンは、基本的な施術を低価格で済ませたいという顧客ニーズに支えられ
店舗数は全国レベルで拡大している。
2-2. 施術はグレイカラーが好調 オーガニック化粧品の注目も高まる
ポストグレイカラーと呼ばれる 40 代前半とそれ以上の年齢の中高年女性は、サロンの最大の顧客層
(ボリュームゾーン)である。ファッションや身だしなみの意識が高いこれら顧客層を中心にグレイカラー
(白髪染め)の需要が拡大している。一方、同質化し易い化粧品群からの差別化策として、理美容市場
では国内外の自然派・オーガニックヘアケアブランド商品への注目が高まっている。
2-3. 客単価アップを図る付加価値型メニュー提案
業界では、中・高価格帯サロンへの来店サイクルの長期化や集客率の伸び悩み等が問題となって
いる。そこで既存の施術(カット・カラー・パーマ)の単品施術に終始することなく、ヘッドスパを筆頭にネ
イルやアイメイクなどトータルビューティの提供で「点(単品施術)から面(複合施術)」への提案を行い、
客単価のアップにつなげる動きが業界全体で進んでいる。同様に店販事業の強化を掲げ、シャンプ
ー・トリートメントを筆頭に、スキャルプケア専用シャンプー・トリートメント・ローションなどのシステムタイ
プのヘアケア製品に加え、トータルビューティの観点からスキンケア化粧品、ネイル用品、ウィッグなど
周辺の商材、美顔器などの販売を強化している。
2-4. 理美容市場の成長エンジンを海外に求める
国内理美容市場が伸び悩む中、大手サロンを中心に海外でのサロン展開を本格的に進める動きが
ある。シンガポール、香港、台湾を中心に 100 店舗近くを出店する低価格サロンチェーンや、ライセン
ス契約で現地企業と提携する高級サロンチェーンもみられる。新たな試みでは、現地の人間を国内サ
ロンのスタッフとして育成するための人材確保策として、現地での理容学校の設立を推進する動きもあ
る。海外、とりわけアジア諸国を日本の理美容サービスの提供先(マーケット)としてだけでなく、人材不
足を解決する新たな人材確保の場と捉えるなど、様々な形でのアプローチが進められている。
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2015 年 4 月 6 日
図 1. 施術別理容市場規模推移と予測
理髪
(単位:百万円)
その他
800,000
691,000
600,000
676,000
669,000
660,000
647,300
638,700
200,000
198,000
195,000
191,600
189,200
487,000
476,000
471,000
465,000
455,700
449,500
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度(予)
204,000
400,000
200,000
0
矢野経済研究所推計
注 1:事業者売上高ベース
注 2:(予)は予測値
図 2. 施術別美容市場規模推移と予測
その他
(単位:百万円)
パーマネント
セット
カット
2,000,000
1,584,900
1,500,000
1,000,000
1,565,000
1,557,500
1,548,700
1,528,500
1,520,400
305,700
301,000
300,000
298,500
293,700
292,000
60,700
60,000
59,500
59,200
58,300
58,000
399,500
392,000
387,000
382,000
373,000
368,900
819,000
812,000
811,000
809,000
803,500
801,500
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度(予)
500,000
0
矢野経済研究所推計
注 3:事業者売上高ベース
注 4:(予)は予測値
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