自然ガイド・登山ガイドにおける ガイド対顧客標準人数比率に係る規定

自然ガイド・登山ガイドにおける
ガイド対顧客標準人数比率に係る規定
平成27年4月1日制定・施行
公益社団法人日本山岳ガイド協会
1. ガイド対顧客の標準人数比率(ガイドレシオ)の三原則
1)安全管理
本会認定の自然ガイド、登山ガイドは、個人顧客、集団登山、ツアー登山、講習会等の業
務(講師、指導者を含む)中、常に現場状況と顧客・参加者の行動と体調を把握し、安全
を諮らなければならない。
また、危険に係る注意喚起等の適切な指導、危急時の迅速な対応等、安全管理責任者とし
て注意・配慮を怠ってはならない。そして安全管理こそ、ガイドが顧客・参加者に提供で
きる、最も重要なサービスであることを認識しなければならない。事故を予防するために
ガイド1名が扱える顧客・参加者の人数の標準を明確にすることは、極めて重要である。
2)自然環境保全
われわれ人間も生態系の一部であることを認識し、自然に対する畏敬の念を忘れてはなら
ない。過大な参加者数を許容することは、安全管理のみならず自然や生態系に及ぼす衝撃
も強烈である。ガイドは、自然への衝撃を最小限に留め(ローインパクト)
、良好な自然の
状態を保つよう努力し、適正なガイド対顧客比率を守り、且つ、顧客・参加者に率先して
自然環境保全に留意し、指導しなければならない。
3)第三者への配慮
ガイドは業務中、自然愛好者、一般登山者等の他者への迷惑にならぬよう、常に心がけな
ければならない。
適正なガイド対顧客人数比率を守ることは、
この観点からも重要である。
また、場所の独占を慎み、譲り合いの精神で礼節を守り、行動中の混雑の回避等の配慮に
努めなければならない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ガイドはこれらの三原則を遵守し、日々の行動時間、標高差、コース難易度、気象状況や
地形・積雪の危険度、ロープ等による安全確保手段の有無とともに、顧客・参加者の体力、
経験、技術、現場での体調等々を勘案し、安全確保に努めなければならない。その中で、
本会ガイドが職能別に備えている経験、技術、体力、知識を基準に、注意深く業務を行え
るガイド対顧客の標準人数比率は、別表のとおりである。
高山や険峻な山岳地形、あるいは避難小屋や幕営(キャンプ)でのガイド業務では、整備
された登山道で、且つ、標準人数比率を超えない場合であっても、安全管理上、複数の
ガイド若しくは、同等の経験を有するアシスタント(助手)を配置することが望ましい。
標準人数比率を超える場合には、当然ながら、複数のガイド(主任とその他)を配置する
か、ガイドが信頼する同等の能力を有する人材(助手)を配置する必要がある。
(この措置
は、登山ガイドステージⅠ資格者が十分な数だけ認定される期間を目安としての暫定的な
対応とし、その後廃止する。
)
1
また、人数比率とともに団体行動の場合、自然観察路等では、同一コース上に2グループ
以内、登山道では、同一コース上に2~3グループ以内の活動とすることが望ましい。
別表のガイド対顧客標準比率、および参考ガイディング・ルート表が、各種団体や旅行業
者が主催するツアー登山(旅程管理者同行の有無に係らず)の基準となるよう、雇用され
るガイドは、積極的に説明し、理解を得られるよう努めることが必要である。
また、ガイドは、安全や自然保護への配慮に欠ける企画に関与することを避けるべきで
ある。
2. 対外的な周知の義務、懲戒について
職能範囲、ガイド対顧客の標準人数比率、参考ガイディング・ルート等は、本会が職能別
に定める、経験、技能を満たす認定ガイドとして、標準的な時間内での業務遂行が可能な
範囲を定めたものである。
これに伴って、ガイドは、自らの職能範囲等を、顧客、契約者等の外部に対し、その契約
形態に係らず、判り易く明示しなければならない。
(ガイド本人の募集も含む)
また、ガイドは、標準人数比率の大幅な超過や職能範囲を逸脱しての事故が発生した場合
には、そのことを以って業務上の過失責任を問われる可能性が高いことと、本会の定める
懲戒規則第2条の項目(3、顧客に対する契約不履行、4、資格違反行為、等)に抵触する
恐れがあることを意識すべきである。
ガイドは、これらを念頭に置いて対外的な契約をし、慎重に業務を行う必要がある。
(参考文書)旅行業ツアー登山協議会制定
ツアー登山運行ガイドライン(5 ページ)記載の引率者に関する記述
(1)責任感、使命感、倫理観を充分にもち、引率者の役割を理解していること。
(2)旅行業に関わる法令等を理解していること。
(3)装備、食糧等準備段階において適切な安全配慮ができること。
(4)実地において危険の存在を説明し、注意喚起できること。
(5)グループの編成能力があること。
(6)歩行速度と休息について適切な判断ができること。
(7)被引率者の歩行能力、技術、健康状態等を的確に把握し、過度に疲労させないこと。
(8)クサリ場、梯子、崩壊地等、危険が予見される場所においてその通過に際し、指導、助言
ができること。
(9)悪天候や不明瞭な登山道等において危険回避の指導、助言ができること。
(10)地形図の読図能力があること。
(11)気象に関する知識があること。
(12)緊急不時露営の判断ができ、設営技術があること。
(13)救急救助法の基本的知識と技術があること。
(14)救助要請の方法、救助隊との連携について理解していること。
(15)安全配慮義務を理解し、
「努力義務」を徹底履行できること。
2
1.
職能およびガイド対顧客標準人数比率表
1.無積雪期
●自然観察路等
(職能:自然ガイドステージⅠ・Ⅱ)
里地・里山における整備された道、および湖沼、湿原等における整備された自然観察路等。
1 日の歩行時間の目安は、2~3時間程度
●ハイキング道等
1: 15
(職能:自然ガイドステージⅠ・Ⅱ、登山ガイドステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
山地・高原等における整備された登山道や遊歩道等。
1 日の歩行時間の目安は、3~4時間程度
1: 15
●登山道(初心者~初級者向きのコース)
(職能:登山ガイドステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
ガイドブック等で初心者~初級者向きまたは一般向きと示され、1 日の行動時間は4~5
時間程度で、明瞭で整備され安心して歩くことができる登山道。
●登山道(中級者向きのコース)
1: 12
(職能:登山ガイドステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
比較的明瞭で一部危険箇所があるが、鎖や梯子が取り付けられている登山道で、数泊に渡る
縦走形式を含む。但し、テントまたは避難小屋泊の縦走登山および難路・険路を除く。
1 日の行動時間は6~8時間程度。
1: 10
●登山道難路(上級者向きのコース)
(職能:登山ガイドステージⅢ)
急峻な山岳地形のコースで岩場、岩尾根、鎖場、梯子等の危険箇所が連続しているが、登山
道として整備されたコース、あるいは登山道として利用される雪渓、残雪崩落箇所、沢の横
断、渡渉等、足場がきわめて不安定で場合によって一部ロープによる安全確保が必要とされ
るコース。テントまたは避難小屋泊の縦走登山。1 日の行動時間は 8~10 時間程度。
1:5
2.積雪期・残雪期・新雪期
●里地・里山の自然観察路等(初心者、自然観察愛好者)
(職能:自然ガイドステージⅡ)
雪崩の危険箇所がなく安心して歩くことができる里地、里山。
1: 15
●山地・高原ハイキング道等(初心者、自然観察愛好者)
(職能:登山ガイドステージⅡ・Ⅲ)
1: 15
雪崩の危険箇所の少ない山地、高原。
●雪山登山道(初級者コース=無積雪期中級者)
(職能:登山ガイドステージⅡ・Ⅲ)
無積雪期の登山道に沿い、森林限界を越えない範囲の山地。例え森林限界以下であっても、
地形上、雪庇、雪稜、氷雪等の発達が認められる場合や、アイゼン、ピッケル等の森林限界
を越える登山同様の基本技術が求められる山地は、業務範囲外。
1: 10
●雪山登山道(中級者~上級者コース=無積雪期上級者) (職能:登山ガイドステージⅢ)
無積雪期の登山道に沿った森林限界を越えた積雪期ルート。易しい積雪期の専用ルートも含
む。営業する山小屋より日帰り可能なエリアとする。ただし登攀等、氷雪技術を求められる
地形のルート、雪崩の危険が極めて高い谷などを経由するエリア、雪稜のクライミングルー
1:5
トは業務範囲外となる。
ここに記載されない山岳ガイド、登攀ガイドの業務範囲については、平成19年度制定の規定
に準ずる。
3
3.自然ガイド・登山ガイド・山岳ガイド職能別・標準ガイディング・コース表
( 参 考 例 )
1、無積雪期
形態・対象
職 能
概略、山名、コース等
人数比率
里地・里山における整備された道、および湖沼、
自然観察
ハイキング
自然ガイド
湿原等の整備された自然観察路、遊歩道等。
ステージ
1 日の歩行時間の目安は、2~3時間程度。
1:15
Ⅰ・Ⅱ
登山ガイド
ス テ ー ジ
里地・里山以外では、知床五湖、白神十二湖、上高地
周辺地形、立山室堂周辺地形、栂池自然園、日光戦場
ヶ原、御在所岳頂稜部等々。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
上記同等の各地自然探訪コース
山地・高原等における整備された自然観察路、登山
道等、1 日の歩行時間の目安は、2~4時間程度。
ハイキング
登 山
自然ガイド
ステージ
初心者
Ⅰ・Ⅱ
初級者
登山ガイド
日本百名山では、伊吹山、筑波山、美ヶ原、霧ケ峰、
八幡平、蔵王山、那須茶臼岳、赤城山、大菩薩嶺、
草津白根山、天城山、四国剣山、乗鞍岳、大台ケ原山、
阿蘇山等々、交通路終点からの最短一般向コース。
高尾山、箱根山、六甲山等のハイキングコース。
熊野古道、信越トレイル、高島トレイル、八ケ岳
周遊トレイル、東海自然歩道等々の一部。
ステージ
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
上記同等の各地高原・山地・山岳コース
4
1:15
登山ガイドブック、登山地図、現地での案内等々に
おいて、初級者~中級者向き、または一般向と表示
され、整備された登山道。
登 山
1日の歩行時間は3~5時間程度。
1:12
登山ガイド
初級者
ステージ
中級者
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
日本百名山では阿寒岳、大雪旭岳、岩木山、八甲田山、
早池峰山、月山、西吾妻山、安達太良山、磐梯山、
至仏山、皇海山、谷川岳、雲取山、四阿山、浅間山、
立山、木曽駒ケ岳、御岳山、蓼科山、荒島岳、大山、
九重山、霧島山、開聞岳等々、交通路終点からの最短
一般向コース。
上記同等の各地山地・山岳コース
比較的明瞭で危険箇所が一部あるが、鎖や梯子等が
整備され、一般登山者の往来が多い登山道。
登山難路を除く。
1 日の行動時間は6~10時間程度。
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
日本百名山では、羅臼岳、利尻山(利尻ルール 1:
4~6 優先)
、斜里岳、幌尻岳、十勝岳、トムラウシ山、
羊蹄山、岩手山、鳥海山、飯豊山、大朝日岳、那須
三本槍ヶ岳、会津駒ケ岳、越後駒ケ岳、平ヶ岳、
巻機山、熢ヶ岳、雨飾山、苗場山、妙高山、火打山、
高妻山、男体山、日光白根山、上州武尊山、白馬岳、
五龍岳、鹿島槍ヶ岳、薬師岳、黒部五朗岳、水晶岳、
鷲羽岳、槍ヶ岳、奥穂高岳、常念岳、笠ヶ岳、焼岳、
赤岳、両神山、甲武信岳、金峰山、瑞牆山、富士山、
空木岳、恵那山、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰山、
北岳、間ノ岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳、光岳、
富士山、白山、荒島岳、大峰山、石槌山、祖母山、
宮之浦岳等々、交通路終点からの最短一般向コース。
登山ガイド
上記同等の各地山岳コース
北海道 ペテガリ山縦走、札内川八ノ沢~カムイエ
クウチカウシ、
大雪山~トムラウシ山縦走、
知床(羅臼岳~硫黄山縦走)
東 北 飯豊連峰縦走、朝日連峰縦走
越 後 越後三山(魚沼三山)縦走、荒沢岳
鳥甲山、
群 馬 妙義山各ルート(丁須の頭、表妙義稜線は
除く)
北 ア 剱岳別山尾根、不帰岳キレット、北穂高岳
~奥穂高岳、南岳~大キレット~北穂高岳、
奥穂高岳~前穂高岳
黒部川赤木沢
南 ア 甲斐駒黒戸尾根、笊ヶ岳、大無間山
関 東 奥秩父・東沢釜の沢
奥多摩の沢、丹沢の沢(滝を直登しない登
攀要素の少ない沢)
上記同等レベルの各地山岳コース、谷、沢のコース
(上信越、南北アルプス、越後、大台ヶ原、台高の
谷、沢は渓中 1 泊を限度とするが、渓相が穏やかな
東北、北海道の谷は、泊数にこだわらない)
登 山
登山ガイド
中級者
ステージ
登 山
上級者
ステージⅢ
5
1:10
1:5
岩稜コースを歩くためのトレーニングとしての岩登
り講習1ピッチ以内の実施
登山コース
上級者
参考例
山岳ガイド
職能範囲
1 日の行動時間は8~12時間程度。
群 馬 妙義山丁須の頭、表妙義稜線
北 信 戸隠山(蟻の戸渡り)~一不動等
北 ア 剱岳長次郎雪渓、北方稜線
西穂高岳~ジャンダルム~奥穂高岳、
下の廊下、上の廊下
槍ヶ岳北鎌尾根、前穂高岳北尾根
北穂高岳東稜
南 ア 鋸岳~甲斐駒ヶ岳
上記同等の各地山岳コース
※上記の各コースおよびガイド対顧客人数比率は、当然ながら、顧客・参加者の経験、体力、
体調によって変化するものである。また、各種の自然条件、交通事情等々、不可避な状況
によっても変化するものである。ガイドは、事前に顧客・契約相手者等々に変化・変更の
用件を伝え、十分な理解をもらうよう努力しなければならない。特に、ツアー登山参加者
等に多い、体力が十分でない、あるいは集団の中で体力差がある場合には重要である。
2、積雪期・残雪期・新雪期
( 新雪期:10 月~11 月、積雪期:11 月上旬~3 月下旬、残雪期:4 月上旬~5 月下旬
但し、地域により異なる。 )
形態・対象
職 能
概略、山名、ルート等
自然観察
自然ガイド
雪崩の危険箇所が無く、安心して歩くことができる
ハイキング
ステージⅡ
里地・里山の自然観察路、遊歩道、林道、整備され
人数比率
たクロスカントリー・スノーシューのコース等々。
初心者
登山ガイド
主に自然観察を目的とする楽しみとしての歩行。
初級者
ステージⅡ
スノーキャンプ体験等も含む。
1:15
里地・里山の他は、知床自然センター周辺地形(フラ
ベの滝等)
、白神十二湖、日光・戦場ヶ原、各地スキー
場隣接地形で、夏の遊歩道、自然観察路に沿う地形。
雪崩の危険が少ない山地、高原で、道路、林道、ハ
ハイキング
イキング道に沿った自然地形。クロスカントリース
登 山
登山ガイド
キー、スノーシュー、軽アイゼン等を利用するガイ
初級者
ステージⅡ
ディングを含む。
1:15
中級者
中の湯~上高地、美ヶ原、霧ケ峰、北八ケ岳麦草峠
乗鞍高原~位ヶ原周辺、栂の森~栂池自然園、入笠
6
山、高峰高原周辺地形等々。
無積雪期の登山道に沿ったルート。森林限界を越え
登 山
中級者
登山ガイド
ない範囲の山地。
ステージ
東北 蔵王山、安達太良山、西吾妻山、森吉山
Ⅱ・Ⅲ
雲取山、大菩薩嶺、北八ヶ岳高見石小屋、黒百合ヒュ
1:10
ッテ周辺、縞枯山荘周辺、4 月 5 月立山室堂平周辺、
八方尾根八方池周辺、開田高原周辺、奥美濃大日岳
等々。
無積雪期の登山道に沿った森林限界を越えた積雪
期ルート。易しい積雪期の専用ルートも含む。営業
する山小屋より日帰り可能なエリアとする。ただし
登 山
中級者
登攀等、氷雪技術を求められる地形のルート、雪崩
登山ガイド
の危険が極めて高い谷などを経由するエリア、雪稜
ステージⅢ
のクライミングルートは業務範囲外となる。
※顧客人数比は、顧客の状態、山のコンディション、自身の技術レ
ベルに応じ、的確に判断することが望ましい。
東北 秋田駒ヶ岳、白神岳など
北八ヶ岳・天狗岳、硫黄岳、蓼科山
谷川岳天神尾根、
西黒尾根(4 月以降)
奥秩父 金峰山、甲武信岳
南アルプス・仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳(北沢峠から)
、鳳
凰三山、
南アルプスの深南部の積雪期、残雪期のルート
中央アルプス 木曽駒ヶ岳(4 月下旬以降)
北アルプス・西穂高岳独標まで
4 月下旬以降
燕岳合戦尾根、蝶ヶ岳、唐松岳、立山雄
山、奥大日岳(室堂からの往復)
、乗鞍
岳、
四国・中国・九州
石鎚山・成就より、氷ノ山、大山
7
1:5
2007/4/26 理事会承認
ガイド対顧客人数比及びガイドの標準日当等の目安
社団法人日本山岳ガイド協会
平成 19 年 6 月 1 日施行
1、ガイド対顧客人数比
ガイディングおよび講習会などにおいて山岳ガイド・自然ガイドは、常に顧客の体調
管理、安全確保を怠ってはならない。顧客の状態の把握に努めるとともに、安全管理
の責任者として行程の遂行を果たす義務がある。迅速な行動、危急時の退避など安全
管理上、ガイド1名に対して顧客の人数を明確にすることは大変重要である。
危険度、困難度、ロープ使用の有無、積雪の有無、講習会等など、本会ガイドがその
職能別に備えている技術、経験、体力を基に、無理なく許容できるガイドと顧客人数
との比率は以下の通りである。また、その人数を超える場合には、アシスタント・ス
タッフとして、信頼のおける助手(ガイド助手の項目参照)を増員するか、
依頼者との契約形態を変更し、ガイドは、道案内人や同行相談者としての立場とな
ることを推奨する。
さらに、環境保護、他パーティに対する配慮等パーティ全体の人数においても「登山・
山地・里山」は 1 コース 2 パーティ以内、「山岳ガイド」以上は 1 コース 3 パーティ以
内の範囲での活動とすべきである。
■無積雪期
・自然観察路等
(職能:里山ガイド)
里地、里山における整備された道、および湖沼、湿原等における整備された自然観
1:15
察路等。
・ハイキング道等
(職能:登山・山地ガイド)
山地、高原等における整備された登山道や遊歩道等。
・登山道(初級及び中級者向きのルート)
1:15
(職能:登山・山地ガイド)
比較的明瞭で危険個所が一部あるが、人工的な梯子やクサリが取り付けられてい
1:10
る一般登山者の往来が多い登山道。
・登山道難路(上級者向きのルート)
(職能:山岳ガイド)
登山道の多くに岩場、岩尾根、クサリ場、雪渓、残雪、新雪、崩落箇所、ある
いは、沢の横断・渡渉等、足場が不安定で、一般登山者には転滑落の危険性が
高いと認識されている登山道や登山ルート。一日の行程時間に無理のない範囲
で、部分的にロープ等による確保や、吊り上げ、吊り降ろし、固定ロープの設
置が必要とされる場合がある登山道や登山ルート。
・登攀1級(熟達者向きのルート)
1:5
(職能:山岳ガイド)
岩場、岩稜、沢、雪渓等が連続し通過が困難で、タイトローピング、ショート
ローピングによる行動や、部分的にロープによる確保や、吊り降し、懸垂下降
1
1:3
等が必要なルート。
■積雪期
・一般ルート(初心者、自然観察愛好家)
(職能:里山ガイド)
1:15
危険箇所の少ない里地、里山。
・一般ルート(初心者、自然観察愛好家)
(職能:登山・山地ガイド)
1:10
危険箇所の少ない山地、高原。
・一般ルート(初級者ルート=無積雪期中級者)
(職能:山岳ガイド)
1:5
無積雪期の登山道に沿ったルート。
・一般ルート(中級者ルート=無積雪期上級者)
(職能:山岳ガイド)
危険箇所の通過に、タイトローピング、ショートローピングが必要なルート。
1:3
・一般ルート(上級者ルート=無積雪期熟達者)
(職能:山岳ガイド)
岩場、岩稜、氷雪壁、雪稜等主に隔時登攀とショートローピングによるルート。
1:3
■登攀ルート(季節を問わず)
岩壁、岩稜、氷雪壁、雪稜、氷壁、沢登りなど主にスタカットクライミング
(隔時登攀)によるルート。
・登山難路
(1 級
職能:山岳ガイド)
1:3
・容易な登攀ルート
(2 級
職能:山岳ガイド)
1:3
・やや困難な登攀ルート (3 級
職能:登攀ガイド)
1:2
・困難な登攀ルート
職能:登攀ガイド)
1:2
(4 級
・極めて困難な登攀ルート(5 級~
職能:上級登攀ガイド)
1:2
■各種講習会
・救急法、ビーコン探索など安全確保のためロープを必要としない講習会。
1:15
・トップロープ主体のロック(フリー)クライミング講習会。
1:7
・登頂を目的としない雪上講習会、レスキュー講習会。
1:7
・トップロープ主体のアイスクライミング講習会。
1:5
■山岳スキー(テレマーク、スノーボードを含む)
・ゲレンデ地域範囲内での一般講習会。
1:10
・オフピステ・スキーガイディング(ゲレンデに隣接する自然
1:7
地形での活動)範疇。
・山岳スキーガイディングの範疇。
1:5
・山岳スキーガイディング中に登攀を伴う範疇。
1:3
2
■参考ルートグレーディング表(これはごく一部の例示である)
(無積雪期)
一
般
登山・山地 登
ガイド
山
道
山
岳
ガ
イ
ド
職
登
攀
ガ
能
範
囲
イ
ド
職
能
範
囲 ×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
一般的に困難な登山道とされておらず、地形図や登山 人数比
地図等において一般登山道として示されおり、一部危 1:10
険個所には、梯子やクサリが設置されている一般登山
道。
北海道
登
山
道
難
路
日高 ペテガリ岳縦走、札内川八ノ沢~カム
人数比
イエクウチカウシ等
1:5
飯豊山 石転び沢ルート等
魚 沼 八海山~中の岳、荒沢岳
劔 岳 本峰以北の縦走等
穂高岳 南岳~北穂高~涸沢岳、奧穂高岳~ジャンダ
ルム
上高地 八右衛門沢~霞沢岳、六百山
後立山 八峰キレットの通過、不帰キレットの通過
黒部川 下の廊下遡行
北 信 戸隠山 表山縦走
八ヶ岳 権現岳~赤岳~横岳縦走
両神山 西岳~東岳縦走
西上州 裏妙義山縦走
四 国 石鎚山弥山~天狗岳
九 州 大崩山わく塚コース、傾山前傾縦走、
西上州 表妙義山縦走
登攀 北 信 戸隠山~本院岳~西岳~P1 尾根
1 級 八ヶ岳 阿弥陀岳南稜、赤岳天狗尾根、横岳大同心稜
剱
登攀
1級
上
登攀
2級
登攀
2級
上
長次郎谷雪渓~本峰、平蔵谷~本峰、池ノ谷
小窓尾根~本峰、三の窓雪渓、北方稜線縦走
穂高岳 西穂高岳~奥穂高岳、北穂高岳東稜
明神岳 東稜~前穂高岳
槍ヶ岳 北鎌尾根
甲斐駒 鋸岳縦走
剣 岳 源冶郎尾根、八ツ峰上半、八ツ峰下半
穂高岳 前穂高岳北尾根
八ヶ岳 赤岳西壁主稜
谷川岳 シンセン沢右俣~東尾根
剱 岳 八ツ峰下半~上半
穂高岳 ジャンダルム飛騨尾根、槍ヶ岳小槍
八ヶ岳 横岳西壁小同心クラック
人数比
1:3
岳
剣 岳
登攀 穂高岳
3 級 谷川岳
北 岳
八ツ峰六峰各フェース、チンネ各ルート
滝谷ドーム西壁
一ノ倉沢烏帽子岩南稜
バットレス第 4 尾根
3
人数比
1:2
(積雪期、▲残雪期
職
能
里山ガイド
=
自然ガイド
登山・山地
ガイド
=
登山ガイド
山
岳
ガ
イ
ド
職
能
範
囲
登
攀
ガ
イ
ド
職
能
11 月上旬
~
5 月下旬
但し、地域により幾分異なる)
対象 概略または参考コース、ルート
不
特
定
多
数
雪
山
初
心
者
雪
山
初
級
者
雪
山
中
級
者
人数比
都市部・村落に近接する積雪のある里地・里山の自然
1:15
観察路、遊歩道、林道等を利用するガイディング。
整備されたクロスカントリースキーコース、スノーシ
ューコースを含む。主に自然観察を目的とする、が、
楽しみとしてのスノーキャンプ体験等も含む。
積雪期の山地、高原で、道路、林道、ハイキング道に
1:10
沿った、危険の少ない自然地形でのガイディング。
クロスカントリースキー、スノーシュー、軽アイゼン
等を利用するガイディングを含む。
屈斜路湖ポンポン山、知床自然センター周辺地形、
旭岳温泉~姿見の池、白神十二湖、日光戦場ヶ原周
辺、奥秩父の稜線、中の湯~上高地、兎平~八方池、
栂池~自然園、美ヶ原、北八ヶ岳中山峠、麦草峠周
辺等。ただし、急峻な山岳地形において登頂を目指
すルートを除く。
北海道 旭岳温泉~大雪山旭岳、倶知安~羊蹄山
東 北 八甲田山、安達太良山、蔵王山、会津駒ケ岳 1:5
上信越 天神尾根~谷川岳、白毛門山
丸沼~日光白根山、 四阿山
八ヶ岳 黒百合平~天狗岳縦走
南 ア 北沢峠~仙丈岳・甲斐駒ケ岳、三伏峠~塩見
岳、鳳凰三山
中 ア 千畳敷~木曽駒ヶ岳
北 ア 乗鞍岳、中房温泉~燕岳、▲扇沢~爺ガ岳、
八方尾根~唐松岳、▲立山縦走
▲白馬大雪渓~白馬岳、▲槍沢~槍ヶ岳
北海道 夕張岳、芦別岳、ニペソツ岳、
1:3
上信越 西黒尾根~谷川岳、
八ヶ岳 赤岳鉱泉~赤岳、硫黄岳~横岳~赤岳、
阿弥陀岳~赤岳
▲富士山
南 ア 甲斐駒黒戸尾根、池山尾根~北岳
中 ア 千畳敷~宝剣岳
北 ア ▲涸沢~奥穂高、立山縦走、▲爺ガ岳東尾根
赤岩尾根~鹿島槍ヶ岳、遠見尾根~五竜岳
4
範
囲
北海道 ▲ペテガリ岳、▲利尻岳
上信越 ▲一ノ倉沢東尾根、八海山、戸隠山
八ヶ岳 阿弥陀岳南稜・北稜、横岳大同心稜、権現岳
~赤岳~横岳
富士山
南 ア ▲鋸岳~甲斐駒ケ岳
北 ア 西穂山荘~西穂高、▲北穂東稜、▲涸沢岳西
尾根、▲剣岳別山尾根、▲早月尾根、▲鹿島
槍東尾根、▲白馬岳主稜、
八ヶ岳 赤岳西壁主稜、阿弥陀岳北西稜、中山尾根
北 ア ▲剣岳八ツ峰、▲源治郎尾根、▲小窓尾根、 1:2
登攀
▲北鎌尾根、▲西穂高岳~奥穂高岳、
3級
▲前穂北尾根、▲奥穂高岳コブ尾根・南稜
▲明神主峰東稜、▲鹿島槍ヶ岳天狗尾根
谷川岳 一ノ倉沢東尾根
登攀 八ヶ岳 横岳西壁大同心雲稜・北稜、広河原沢
4 級 南 ア 甲斐駒ケ岳黄蓮谷、谷川岳 一ノ倉沢中央稜
大 山 北壁地蔵尾根
雪
山
上
級
者
×
×
×
×
×
×
×
×
(オフピステ・スキー・ガイディング、
オフピステ
・スキー
一
般
ス
キ
|
ヤ
|
雪
山
初
心
者
山岳スキー
雪
山
初
中
級
者
山岳スキーガイディング)
スキー場に隣接する地形で、スキーリフトやロープウ
ェイの終点から登行1~2時間程度の地点より滑降が
出来、且つ、スキー場または交通路に滑降終了地点が
得られるコース。
北海道 ニセコアンヌプリ、ワイスホルン、手稲山、
大雪山旭岳周辺地形
東 北 八甲田山ロープウェイ~大岳~酸ヶ湯
八幡平スキー場~茶臼山、網張スキー場~
松川温泉、田沢湖国際スキー場~秋田駒、
天元台スキー場~若女平
上信越 苗場神楽が峰~中尾根、志賀高原~万座草津
志賀竜王越え・笠ヶ岳越え、横手山~鉢山、
高峰高原~湯の丸スキー場、岩原~飯士山、
日光湯元スキー場~五色山、妙高池の平~
杉の原、赤倉スキー場~妙高前山
中 部 栂池自然園周辺地形、立山室堂平周辺地形
(ロープウェイ運行時の一の越~タンボ平)
八方尾根八方池山荘~黒菱、乗鞍スキー場
~位ヶ原、美ヶ原~霧ケ峰、戸隠瑪瑙山~
飯綱山、高鷲スキー場~大日岳
西日本 比良山スキー場~武奈が岳、琵琶湖バレイ
~権現山、伊吹山、ハチ北鉢伏山周辺地形、
大山国際スキー場~宝珠山 等々
スキー、テレマーク、スノーボードなどを利用して、
広く雪山登山および雪山滑降を楽しむもの。ガイドの
力量は、一般積雪期登山での山岳ガイド職能範囲程度
が必要となる。主に日帰りで頂上を目指すものから、
山小屋、天幕、雪洞等に宿泊をし、長いスキーツアー
を楽しむものまで、積雪期の登攀を伴わない範囲。
5
人数比
1:7
人数比
1:5