自然派化粧品を求める消費者心理の分析

筑波大学大学院博士課程
システム情報工学研究科修士論文
自然派化粧品を求める消費者心理の分析
大沼
亜樹
(社会システム工学専攻)
指導教員
水野
2008 年
誠
3月
概要
自然の原料を使用し、自然、植物、オーガニック等をセールスポイントとしている化粧品(以
下、自然派化粧品とする。
)は、その製品特徴から環境意識や健康意識に働きかける要素、その他
の要素を持っていると考えられる。本稿では、自然派化粧品の普及はエコマーケティングの普及
を促すとして、自然派化粧品を求める消費者の心理を明らかにすることを目的とする。
80 年代半ば以降、化粧品市場全体での成長は鈍化しているにも関わらず、自然派化粧品は新た
に百貨店に進出し、好調な売上を示している。これは、自然派化粧品の市場は成長市場であり、
マーケティングを行うのに有益であることを示している。しかし、自然派化粧品は市場で明確に
定義されておらず、それぞれの消費者によって認知する自然派化粧品は異なっている。また、化
粧品の製品特性から、
経験財としての要素が非常に大きい製品でもあることが分かる。
そのため、
消費者がインターネットを通して書き込む化粧品のクチコミが、消費者の購買行動の動機との関
連性が強いと考え、代表的な化粧品のオンライン・コミュニティ(以下、クチコミサイト C とす
る)
を情報源としてデータを収集した。
クチコミサイト C から収集したデータに「キーワード化」
、
「製品の自然派得点化」
、
「ユーザーのグループ化」という 3 通りの加工を行い、分析として用い
る。
まず、形態素解析ソフトを通して、単語を一定の言葉の集合体である 16 のキーワードに分類
する。次に、クチコミが書き込まれた製品に対して、自然派得点付けを行う。各化粧品に含有さ
れるすべての成分について 0∼4 点の得点をつける。人工的な物質に依存しない成分を多く含む
製品ほど、高い自然派得点が得られる。さらに、この各製品に付けた自然派得点を利用して、ユ
ーザーのグループ化を行う。ユーザーが所有する製品の自然派得点から、ユーザーをグループに
分類した。グループと購買パターンの関係を図 1 に示す。
以上より、得られた収集データ・キーワードと各グループの自然派化粧品の購買傾向との関係
性を見出すことを試みた。
HL
自然派化粧品
LH
HH
従来の化粧
品
LL
Ⅰ 自然派化粧品を継続使用
Ⅱ 従来の化粧品から自然派化粧品に移行
Ⅲ 自然派化粧品から従来化粧品に移行
Ⅳ 従来の化粧品を継続使用
図1 化粧品購買に関する消費者の行動パターン
本稿では「自然派得点の高いユーザーはクチコミ数、クチコミの内容、個人の属性、において
他と異なる特性を持つ」という仮説をもとに、分析手法として差の検定、CHAID 分析、対応分析
を行った。そして、分析の結果を通して、自然派化粧品を使用するユーザーの特徴を明らかにし、
その特徴を踏まえてマーケティングの観点から提言を行うこととする。
概要
目次
表目次
図目次
1. はじめに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2. データ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.1 クチコミサイトについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.2 データの収集・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2.3 クチコミサイトCから得られるデータ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
2.4 分析するデータの特徴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
2.5 テキストマイニングの方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
2.5.1 MeCab について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
2.5.2 TTM の結果ファイルについて ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
2.6 製品の自然派得点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
2.6.1 化粧水の評価対象 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
2.6.2 製品の自然派得点の評価方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
2.6.3 製品の自然派得点算出の一例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
3. 消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析 Ⅰ・・・・・・・・・・・・・・・17
3.1 消費者の自然派水準及び傾向の分類 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
3.1.1 個人の自然派得点の記述統計量 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
3.2 製品の自然派得点から分類した 2 つの消費者の自然派水準グループとその特徴 ・・・21
3.3 製品の自然派得点から分類した 4 つの消費者の自然派傾向グループとその特徴 ・・23
3.4 製品の自然派得点から分類した 2 つの消費者の自然派傾向グループとその特徴 ・・25
3.5 キーワードの出現頻度に関する差の検定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
3.5.1 分析結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28
3.6 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
4. 消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析 Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・33
4.1 CHAID ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
4.2 (HH)、(LH)、(HL)、(LL)グループにおける分析結果(ⅰ)・・・・・・・・・・・・・34
4.3 (HH)、(LH)、(HL)、(LL)グループにおける分析結果(ⅱ) ・・・・・・・・・・・・34
4.4 (HH)、(LH)、(HL)、(LL)グループにおける分析結果(ⅲ) ・・・・・・・・・・・・35
4.5 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
5. 消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析 Ⅲ・・・・・・・・・・・・・・・39
5.1 対応分析法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
5.2 分析結果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
5.3 まとめ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
6. おわりに ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44
6.1 要約 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
6.2 実務的な含意 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・48
6.3
問題点と今後の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
謝辞
付録・資料
i
表目次
表 1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
表 2-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
表 2-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
表 2-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
表 2-4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
表 2-5・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
表 2-6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
表 2-7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
表 2-8 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
表 2-9 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
表 3-1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
表 3-2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
表 3-3 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20
表 3-4 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21
表 3-5 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
表 3-6 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
表 3-7 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
表 3-8 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
表 3-9 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
表 3-10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
表 3-11・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
表 3-12・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
表 3-13・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
表 3-14・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
表 3-15・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
表 3-16・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
表 3-17・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
表 3-18・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
表 3-19・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
表 3-20・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
表 4-1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
表 4-2 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
ii
図目次
図 1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
図 2-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
図 2-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
図 3-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
図 3-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
図 3-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
図 4-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36
図 4-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
図 4-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
図 5-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
図 5-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
図 5-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
図 5-4・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
図 6-1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45
図 6-2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
図 6-3・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
iii
1.
はじめに
本稿では、自然の原料を使用し、自然、植物、オーガニック等をセールスポイントとしている化
粧品(以下、自然派化粧品とする。
)に注目して、自然派化粧品を求める消費者の実態を明らかにす
る。
80 年代半ば以降、化粧品市場全体での成長は鈍化しているにも関わらず、自然派化粧品は新たに
百貨店に進出し、好調な売上を示していることから、自然派化粧品の市場が拡大傾向にあることが
伺える。しかし、自然派化粧品は市場で明確に定義されておらず、それぞれの消費者によって認知
する自然派化粧品は異なっている。また、化粧品の香りや感触、効果等は製品の最も重要な部分で
あるが、各個人でその効果は異なり、経験財としての要素が非常に大きい製品でもある。そのため、
消費者がインターネットを通して書き込む化粧品のクチコミと消費者の購買行動は強く関連してい
ると考えられる。そこで、代表的な化粧品のクチコミサイトであるオンライン・コミュニティ(以
下、クチコミサイト C とする)を利用して、従来の化粧品から自然派化粧品、自然派化粧品から従
来の化粧品へと消費者が購買行動を変化させる場合に、個人の意識やその他の要因がどのように関
わっているかを、クチコミの内容を通して分析を行う。これらの製品間における消費者の行動とし
て予想される、4 つの購買パターンを図 1 に示す。購買パターンを規定する要因を、クチコミサイ
ト C から得られるクチコミデータと消費者属性から明らかにし、自然派化粧品を求める消費者の実
態を検証する。
Ⅲ
自然派化粧品
Ⅱ
Ⅰ
従来の化粧
品
Ⅳ
Ⅰ 自然派化粧品を継続使用
Ⅱ 従来の化粧品から自然派化粧品に移行
Ⅲ 自然派化粧品から従来化粧品に移行
Ⅳ 従来の化粧品を継続使用
図1 化粧品購買に関する消費者の行動パターン
環境問題は年々その深刻さを増しており、問題の改善または解決は、私たちの生活の基盤として
1
必要不可欠であると考えられる。環境問題を引き起こした要因の一つとして、大量消費・大量生産・
大量廃棄という生活者のライフスタイルが挙げられる。消費型の社会経済を環境保全型へと転換さ
せるためには、生活者の価値観を変革させ、ライフスタイルを環境保全または資源循環型ライフス
タイルへと転換させることが重要である(西尾 1990)。実際に「健康オタク」や「LOHAS」とい
ったような言葉をよく耳にするようになってきた。このような健康・環境志向の高まりによる意識
の変革とともに、環境問題の深刻化に伴う、ぜんそく、花粉症などアレルギー体質の発症の増加と
いったような具体的な健康被害も影響していると考えられる。自然派化粧品市場の拡大も、このよ
うな健康や環境志向の高まりによるもので、自然派化粧品に対する関心は今後ますます高まってい
くと考えられる。
化粧品のようなパーソナルケア商品は、近年、認知度が定着し始めている LOHAS(Lifestyles
Of
Health And Sustainability)層の代表的な市場のひとつである(
(株)イースクエアー2007)。
北風(2006)が指摘しているように、LOHAS 層の消費者は具体的な消費行動をとる傾向が強く、
有機野菜や自然派化粧品により強い購買意欲を示すものと考えられ、様々な分野で注目されている。
具体的な研究として西尾ら(1995)では、環境意識とお洒落意識の高い消費者は、天然原料、環境
配慮メーカーの製品使用率が、環境意識のみが高い消費者の次に高いことを示しており、環境意識
とお洒落意識の両側面を持つ自然派化粧品は興味深い研究対象であると考えられる。一方で Vinin
and Ebreo(1990)の研究は、環境意識の高い生活者であっても、環境配慮的商品の購買には結びつ
きにくいとしている。また、Young (1986)は、環境配慮的行動は消費者の自己満足のために取られる
としている。自然派化粧品は必ずしも環境配慮的行動という利他的側面だけでなく、自らの健康と
いう利己的側面を持つことが特徴である。
一方、Tanner et al.(2004)は環境に配慮した食品の購買行動における研究を行っており、ある一つの
環境配慮的行動をとる消費者は他の環境配慮的行動もとりやすいということを示唆しており、環境配慮的行
動間の関連性の強さも示されている。これらの先行研究を踏まえ、自然派化粧品の持つ「環境配慮製品」
としての側面がエコマーケティングの普及を促す可能性もある。
2
このような環境配慮商品を対象とした研究は、調査対象者の性別の多くが女性であることが多い
ことが注目される(表 1)
。それは女性と消費の関連の強さや、環境配慮商品の研究の多く
が女性をターゲットとしているからである。その意味でも、女性が主要なターゲット市場である自
然派化粧品を分析対象とすることとする。
表1 環境意識と購買行動に関する先行研究の簡易レビュー
西尾(1994)
西尾(1995)
青木(2004)
Carmen ,Florian G.,Sybille (1994)
調査商品
台所洗剤
化粧水
トイレットペーパー
被験者
主婦
日・米・仏の女性
主婦
肉・野菜・乳製品
スーパーに訪れた人
(女性68%)
エコロジー商品
の購入率
自然主義
経済合理性
個人主義
おしゃれ意識と
環境意識
おしゃれエコ派
おしゃれ派
エコロジー派
無関心派
焦点
消費者分類
消費者属性と
情報提示に関する
購買行動の関係
知覚品質・知覚価値
高関与
地域環境
(居住地域、家族数、スーパーマーケットの利用)
低関与
高知識
社会的な特長
(教育、職業、就業時間、収入)
低知識
宮田、小林(2007)は、化粧品のような経験財において消費者同士のコミュニケーションが購買
に与える影響は大きいとしている。また、桑島、小林(2005)や山本、阿部(2007)が化粧品とオンラ
イン・コミュニテイに関する先行研究において、消費者間のネットワークの重要性を示している。
自然派化粧品の購入においても同じことがいえるはずである。
以上のような先行研究と背景を踏まえて、
「自然派志向の強いユーザーはクチコミ投稿や内容、個
人の属性、において他と異なる特性を持つ」という仮説をたて、テキストマイニングの手法を使っ
て検証することにする。そして、自然派化粧品の普及を目的として、自然派化粧品を使用するユー
ザーの特徴が、従来の化粧品を使用するユーザーといかに異なるか、ということについて明らかに
していきたい。
データの情報源としては、インターネット上のオンライン・コミュニティを使用する。インター
ネットは、個人の消費者と特定のグループが相互に影響し合うメディアとして注目されている(森
岡、長谷川、山川 2006)
。インターネット白書 2007 によると、日本のインターネット人口は 2007
年 3 月時点で世帯浸透率は 83.3%、インターネット人口は約 8 千 3 百人となっており、インターネ
ットの使用は人々の生活に必要不可欠なものとなってきていることが示されている。また、全体の
3
70%が Weblog や SNS(SoCial Networking ServiCe)などのコミュニティサービス、全体の 70.0%
がサービスを利用している。上田他(2006)は、消費者が製品・サービスを判断する基準として、
製品・サービスを提供する企業からの情報、TV や雑誌からの情報、店の展示や店員からの情報、
友人・知人からの情報がある。これらの問題点は情報の客観性、体験者の評価の情報量が少ないこ
とであり、この問題を解決するのがインターネット上の書き込みデータである、と述べ、インター
ネット上のクチコミは一つの重要なメディアとして認知されている。このような、消費者の分析に
おいて重要な役割を果たすクチコミを利用した分析を行うため、化粧品のオンライン・コミュニテ
ィであるクチコミサイト C より、
消費者の登録情報や投稿されたクチコミをデータとして収集した。
「1.はじめに」では、インターネットの普及に伴うクチコミの重要性の高まりと、自然派化粧品
の動向について述べ、それをもとに研究課題を提示した。2 では、分析に使用するデータの説明を
する。3 では、分析手法の説明と、消費者の購買行動パターンをもとに分類したグループ間の比較
を行う。4 では、CHAID による分析を行い、その結果について考察を行う。5 では、対応分析を行い、
その結果からグループとキーワード間の関係を考察した。6 では、結果をもとに各グループの特徴
と実際のマーケティングビジネスにおける提言、本稿における限界と今後の課題を述べる。
4
2.データ
ここでは、本稿で使用するデータについての説明を行う。
2.1 クチコミサイトについて
本稿で分析するデータはある化粧品のオンライン・コミュニティ(クチコミサイトC)から収集し
た。このサイトではユーザー登録するとクチコミが書き込めるようになる。登録条件はなく、インタ
ーネットが使用できれば誰でも登録することができる。登録者はマイページを持ち、ユーザー名や、
自分のプロフィールと供に、使用した化粧品やその他の美容に関する製品についての感想を掲載する
ことができる。
2.2 データの収集
データは2007年9月29日に、2005年9月28日から2007年9月29日までの2年間のテキスト情報をクロー
リングすることによって収集された。分析対象は、2つの自然派化粧品ブランドの化粧水のどちらか
を以前に購入したことのあるユーザーを抽出した。自然派化粧品ブランドの現状として、国内の中小
メーカーから海外の大手メーカーにまで膨大な数が製造されているため、全体の市場を把握すること
は非常に困難である。そのため、自然派化粧品の中で最も歴史が長いとされているブランド、ヴェレ
ダのアイリスフェイシャルローションと、自然派化粧品の中でも有名人の使用者が多く、サイトでの
人気ランキング50位前後に位置しているブランド名ジュリークのミストアメリオーレMDを自然派化
粧品の代表的製品とし、その使用経験者に絞った。また、そのスキンケア部門が化粧品市場の半分近
い売上を占めていること、そのスキンケアの工程の中で、化粧水が最初に使用されていることから、
化粧品アイテムの中から化粧水に対象を絞った。表2−1は自然派化粧水に関心を抱いているユーザー
を抽出するために取り上げた化粧水である。
5
ブランド名
表2−1 クチコミを収集するために特定した2つの自然派化粧品
商品名
商品説明
1922年に設立されたブランドで、最も長い歴史を持つ自然派化粧品
アイリス
ヴェレダ フェイシャルローション として知られている。ルドルフ・シュナイターが提唱した人智学に基づ
いて、原料栽培、採取、製造、品質の管理を行っている。
ジュリーク
ミスト
アメリオーレMD
有名人も多く使用し、クチコミサイトCでも人気のある高級志向の自
然派化粧品として知られている。ヨーロッパの伝統療法を元にした、
「スキンフード」と呼ばれ、自社内で原料栽培から、採取、製造、品質
の管理まですべてを行っている。
このようにして収集されたデータを構成するユーザーは112人、そのユーザーの合計クチコミ件数
は1、768件、そのクチコミが投稿された対象製品は866製品である。なお、サイトの登録形式上、男
女比は不明である。866製品のうち、上位100位の159製品を主要製品とし、2.6で詳しく述べている自
然派得点を付けた。更に、自然派水準及び傾向の算出を行うため、合計クチコミ投稿数が4件以上の
ユーザー64人を最終的な分析対象とした。図2−1は159製品に対するユーザーのクチコミ投稿数を示
したもので、点線より左はクチコミ投稿数が4以上、右はクチコミ投稿数が3以下のユーザーである。
分析には、点線より左に位置するユーザーの登録情報とクチコミデータを使用する。表2−2は、上記
で説明した84人のユーザーと64人のユーザーのクチコミ投稿件数に関する記述統計量である。
6
50
45
40
35
ク
チ 30
コ
ミ 25
投
稿 20
数
15
10
5
0
ユーザー(クチコミ投稿数が多い順)
図2-1 159製品を対象としたユーザーのクチコミ投稿分布
表2−2 159製品を対象としたクチコミ投稿件数に関する記述統計量
クチコミ投稿件数
1件以上
4件以上
ユーザー数
82
64
最小値
1
4
最大値
45
45
平均値
9.9
12.0
標準偏差
9.5
9.7
2.3 クチコミサイトCから得られるデータ
サイトから得られデータを表2−3に示す。
7
表2−3 クチコミサイトCから得られるデータ
内容
ユーザ名
ユーザ情報
自己紹介
愛用ベストコスメ
お気に入りブランド
お好み・タイプ
クチコミ件数
ブランド名
商品名
アイテムカテゴリ
クチコミ
おすすめ度
コメント
効果
購入した場所
記入形式
自由形式
選択形式
自由形式
自由形式
自由形式
選択形式
自動更新
自由形式
自由形式
選択形式
選択形式
自由形式
選択形式
選択形式
例
かっぱっぱ
25歳 アトピー/髪質・髪量:多い・多い
■顔立ちはっきり系…
出来る範囲からマイペースにやり…
【あ】アレッポの石鹸 【さ】…
メイク大好き!、安くていいもの好き…
210件
ヴェレダ
アイリス フェイシャルローション
化粧品 化粧水
4
最近肌荒れがひどくなって、…
美白・くすみ
通信販売・ネット
このサイトに登録する際、ユーザーは必ずユーザー名を決め、ユーザー情報として年齢、肌質、髪
質、髪量を一定のカテゴリーから選択して掲載する。その他の自己紹介、愛用ベストコスメ、お気に
入りブランド、お好み・タイプ、クチコミを各自自由に追加と削除を繰り返してマイページを作って
いく。このようなサイトから2つの化粧水のどちらかにクチコミを投稿している人のデータを収集し
た。
2.4 分析するデータの特徴
クチコミサイトC利用者の特徴を明らかにする目的で、表2-4と表2-5に基本的な情報を提示する。
表2-4は、クチコミサイトCにユーザー登録をする際に入力する個人の基本的な情報だが、特徴とし
ては、年代は30代が最も多く全体の半分を占め、次いで多い20代を合わせると約80%を占めている。
肌質は、混合肌の人が最も多く、約40%を占めている。髪量では普通から多い人が多く、90%近くを
占めている。表2−5のお好みタイプの項目は、複数を選択することが可能である。全体の中で、最も
多いのが約80%の自然・低刺激派であり、大多数のユーザーが選択している。一方、最も少ないのが
約6%のネイル通で、ほとんどのユーザーが選択していない。
8
表2-4 登録情報における人数と割合(N=64)
ユーザー数 割合
N
64
100%
40代
18.8%
12
30代
51.6%
33
年代
20代
28.1%
18
10代
1.6%
1
普通
10.9%
7
乾燥
28.1%
18
脂性
0.0%
0
肌質
混合
37.5%
24
敏感
21.9%
14
アトピー
1.6%
1
柔らかい
31.3%
20
普通
37.5%
24
髪質
硬い
26.6%
17
未選択
4.7%
3
少ない
9.4%
6
多い
35.9%
23
髪量
普通
50.0%
32
未選択
4.7%
3
表2-5 お好み・タイプの選択状況における人数と割合(N=64)
ユーザー数
割合
メイク大好き!
46.9%
30
スキンケアの鬼
67.2%
43
ボディケア命
26.6%
17
ネイル通
6.3%
4
フレグランス好き
25.0%
16
外資ブランド好き
28.1%
18
お好み・タイプ
国産ブランド好き
25.0%
16
安くていいもの好き
37.5%
24
(ネット)通販好き
45.3%
29
自然・低刺激派
76.6%
49
カウンセリング派
17.2%
11
セルフチョイス派
40.6%
26
9
2.5 テキストマイニングの方法
クチコミに関するデータについてであるが、ユーザーが自由に記述したクチコミデータをテキス
トマイニングの手法によって分解し、キーワードを抽出し、データを生成する。テキストマイニン
グは、文書を意味のある最小単位の語に分割することによって、その文書はどのような要素によっ
て構成されているかを分析することを目的としている。つまり、文書内に、
「どのような語やフレー
ズ」が、
「どれくらい含まれているか」、また、
「どのような出現傾向にあるか」ということを明確に
するための分析方法である。具体的な方法として、特徴を把握するために出現頻度に着目する、属
性情報との関係を把握するために対応分析を行う、キーワード間の共起性の分析を行う、などとい
ったことが考えられる。
本稿は形態素解析のエンジンとして、MeCab を採用した TTM(Tiny Text Mining)を使用して分
析を行う。TTM は大阪大学経済研究科の松村研究室によって開発され、フリーソフトとして配布
されている(URL:http://meCab.sourCeforge.net/)。
2.5.1 MeCabについて
MeCab は京都大学情報科学研究科と NTT コミュニケーション科学基礎研究所が共同開発したオ
ープンソースの形態素解析である。形態素解析とは、自然言語で書かれた文を、言語で意味を持つ
最小単位である「形態素」に分割する技術である。MeCab は日本語の解析を目的として作られて
おり、また、形態素解析システムとして有名な ChaSen より、平均的に 3∼4 倍のスピードで動作
をすることが報告されている。さらに、この MeCab は非常に汎用的な設計になっており、システ
ムとしては任意の言語や文法、辞書に適用することができる。詳しくは以下の URL を参照のこと。
URL:http://meCab.sourCeforge.net/
2.5.2 TTMの結果ファイルについて
TTM ソフトを利用した際に得られる出力結果ファイルは、
「語のタグ別出現頻度(単語頻度)
」
、
10
「語のタグ別出現頻度(文書頻度)
」
、「語×タグのクロス集計(単語頻度)」
、
「語×タグのクロス集
計(文書頻度)」
、
「語×語のクロス集計(文書頻度)」
、
「テキスト×語のクロス集計(単語頻度)
」の
合計 6 つのファイルによって出力される。本稿で使用する分析用データは、この結果ファイルに
TTM ソフトに付属している ruijigo.txt を活用して作成したものである。ruijigo.txt を活用すること
によって、出力結果ファイルに表示される単語を、類似した語の集合体である単語群(以下ではキ
ーワードと呼ぶ)で表示することが可能になる。このようなキーワード化行い、タグを ユーザー
名 に置き換えた「キーワード×各ユーザーのクロス集計(単語頻度)」と、タグを 投稿されたク
チコミのケース に置き換えた「キーワード×ケースごとのクロス集計(単語頻度)
」の結果ファイ
ルを分析用データとして出力する。
分類した 16 個のキーワードとその辞書内容を示したものが表 2-6 である。キーワードは、その
性質から製品の外在的属性・内在的属性に関するキーワードと、
それ以外のキーワードに分類した。
外在的属性とは、メーカーやブランド名、価格などの情報を示し、内在的属性とは、製品の物理的
特性や含有する原料などの情報を示す(青木 2004)。また、各キーワードの出現頻度の記述統計量
を載せた表 2-7 から、全体の特徴として、内在的属性の項目では 効果 、その他の項目では、 好
き 、 嫌い 、 思う といったクチコミが平均的に多く、反対に、 化学 、 オーガニック 、 エコ
といったクチコミが平均的には少ないことが分かる。これらのキーワードは、収集されたクチコミ
の特徴を表現していると考えられる。つまり、 効果 への関心は高いが、 化学 、 オーガニック 、
エコ への関心が低いユーザーが全体的に多いということになる。
化学 、 オーガニック 、
エコ の発言率が低いのは一般的でないキーワードないとし、自然派化粧品愛用者の特徴なので
ないかと考えた。また 植物 も特徴として認識されていること、 成分 は 化学 と 植物 を
包括する意味合いをもっていることから、自然派化粧品のキーワードを 成分 、 植物 、 化学 、
オーガニック 、 エコ とし、それらを太字と下線で示した。また、本稿においては外在的属性
である エコ 、 オーガニック が環境意識も含み、内在的属性である 成分 、 植物 、 科学
は健康意識にのみ働きかける要素であると考えた。
11
表2-6 単語群をキーワード化するにあたって使用した同義語辞書の内容
キーワード 分類
成分
植物
化学
香り
効果
成分に関連する単語と成分の固有名詞
製
品
の
内
在
的
属
性
感触
ブランド
パッケージ
価格
シリーズ
エコ
オーガニック
クチコミ
好き
嫌い
思う
辞書内容
製
品
の
外
在
的
属
性
具体例
成分 配合 エキス 含む 含有 原料 中身 グリセリン ヒアルロ
ン スーパーヒアルロン ヒアルロン酸 など
植物に関連する単語と植物成分の固有名詞
植物 ナチュラル 天然 自然 ハーブ ネロリ カレンドラ ラベン
ダー 薬草 大豆 など
人工,ケミカルなど
人工 化学 合成 ケミカル ケミ 添加 医薬
におい,香料などの香りに関連する単語
香り におい 臭い 匂う 鼻 匂い 香料 香 くさい 青臭い 芳香
香る 無臭
スベスベ,ツルツルなど製品を使用後の効果に関連する単語
効果 効き目 効く 作用 働き 働く 機能 反応 発揮 役割 役目
美白 ホワイトニング など
べたつくなどの化粧水を肌に付けたときの感想
感触 テクスチャー テクスチャ 肌触り 手触り たつく ベタ ベ
タッ ベタつく べとつく 重い 重たい など
ブランドの固有名詞
ブランド メーカー ジュリーク ジェルアメ アメ ミストアメリオーレ
DS AG ロザエ ヴェレダ アイリス など
製品の外装に関連する単語
パッケージ 外見 みため 見た目 デザイン ボトル 容器 入れ
物 ビン プラスチック ガラス 入れ物 蓋 など
高い,安いなどの価格に関連する単語
価格 値段 定価 税込 単価 安い 安め 安価 安売り 高い 高
価格 高額 高め など
キット,セットなど
シリーズ ライン 揃える セット キット 種類 モイストタイプ
詰め替えなど製品の環境配慮に関連する単語
エコ 詰め替える 詰め替え 詰替え 詰替える
オーガニックコスメ,無農薬など
オーガニックコスメ オーガニック 有機 農薬
周囲,母などクチコミに関連する単語
クチコミ 口コミ アドバイス 人気 評判 噂 周り 知り合い 友達
友だち 友人 知人 家族 母親 母 お母さん など
そ ポジティブな単語
の
他 ネガティブな単語
思う,感じるなどの動詞
好き 気に入る 好感 好ましい 好む 良好 良い グッド 大好き
たまらない 幸せ リピート リピ 繰り返し 愛用 など
嫌い 嫌 駄目 だめ ダメ 失敗 ひどい 悪い 酷い 最悪 心配 不
安 怖い 苦手 痛い きつい など
思う 気分 気持ち おもう 思い 実感 感じる かんじる 感覚 感じ
見る 考える 思える 気持 体験 など
12
表2−7 クチコミから抽出したキーワード出現頻度の記述統計量(個人当たり)
変数名
分類
最小値
最大値
平均値
標準偏差
成分
0
105
13.4
20.8
植物
0
71
9.2
13.5
0
12
1.1
2.0
0
41
10.0
9.5
2
168
31.8
34.9
0
96
15.8
21.6
0
153
11.9
21.1
0
70
7.3
11.3
0
61
9.0
9.8
0
3
0.2
0.6
エコ
0
3
0.3
0.6
クチコミ
0
32
4.0
5.1
1
111
19.7
21.9
3
167
32.0
33.6
0
134
24.2
25.6
2
205
29.8
38.3
化学
香り
効果
内
在
的
属
性
感触
ブランド
パッケージ
価格
オーガニック
使い方
好き
嫌い
外
在
的
属
性
そ
の
他
思う
注)太線と下線で書かれている項目は,自然派化粧品を表現する際に用いられやすいとした
キーワードである。
2.6
製品の自然派得点
消費者の自然派化粧水に関する消費状態または消費傾向を知るために、各化粧水に自然派得
点を付ける。まず、本稿における製品の評価対象を決定し、決定した対象についての評価方法
を述べる。
2.6.1 化粧水の評価対象
自然派化粧品
自然化粧品
無添加化粧品 などの名称は、通常の化粧品より、自然界に
存在する原料をより多く使用しているか、環境に配慮していると謳っている化粧品に付けられ
ていることが多いと考えられる。また、クチコミサイト C に投稿されたクチコミ内容を参考に
すると、自然派化粧品は、化粧品成分の中でどの程度植物等の自然素材の原料が含まれている
か、ということに重点が置かれている。つまり、従来の化粧品と自然派化粧品は、植物成分の
13
有無によって大きく異なっていると考えられる。そのため、化粧水の成分に焦点をあて、植物
成分への依存度によって評価をすることを試みた。また、植物原料において、その栽培・採取
方法によって自然派化粧品市場における差別化がされていることを踏まえ、評価の際は植物原
料への依存度に加え、その原料の抽出方法も考慮した評価方法を採用した。
2.6.2 製品の自然派得点の評価方法
製品の自然派度を測るため、化粧水に含有される各成分において、植物成分かどうか、植物
成分の場合、その栽培・抽出方法はどのようなものか、ということを考慮した評価を行った。
栽培・抽出方法においては、より自然界に近い状態の原料で使用していることが、より自然派
度の高い製品である、というように評価した。以上のことを踏まえ、本稿では自然派化粧水の
評価をする際に、5 段階の成分の分類が必要だと考え、その具体的な成分の内容と得点を、表
2-8 に示した。
化粧水に含まれている各成分を「野生植物など自然界に存在する状態で搾取した原料を使用」、
「バイオダイナミック農法による原料を使用」、
「有機栽培による原料を使用」
、「その他の栽培
による植物を使用」、
「化学合成の原料を使用」の 5 段階で分類し、上から 4 点、3 点、2 点、1
点、0 点の得点を付けた。表 2-8 から化粧水に含まれる成分すべてに得点を付け、その平均値
を製品の自然派得点とした。つまり、各化粧水には 0∼4 の点数が付き、4 に近ければ近いほど、
その化粧水は自然派化粧水としての要素が強い、ということになる。ただし、留意したい点と
して、この順序尺度によって製品の自然派得点を算出し、さらにその平均値を分析に使用して
いることを挙げる。
また、成分のうち、精製水、エタノール、BG、グリセリンは化粧品原料として使用されてい
る歴史が長く、多くの自然派化粧品にも使用されているため、評価対象から外して考える。以
上の方法をもって、分析対象とした 159 の製品に対して得点付けを行った。
製品の得点化を行った結果を、自然派得点の高い順に示したのが図 2−2 である。159 製品に
おける自然派得点の平均は 0.5 点、最高は 4 点、最低は 0 点となった。なお、データ収集の際
に自然派化粧品の代表として取り上げた、ヴェレダとジュリークの製品の自然派得点は 3 点と
2.4 点であった。また、159 製品の自然派得点に順位付けを行った結果、この 2 つの製品は 2
位と 8 位であった。自然派化粧品の代表として取り上げた製品が高得点であることから、原料
の由来と栽培方法を基準とした得点方法は、製品の自然派度をある程度示唆することができて
いるのではないかと考えられる。
14
表2−8 製品の自然派得点表
成分の分類
得点
4
野生などの自然界に存在する状態で抽出した動植物原料
3
バイオダイナミック農法等による自然界に近い状態で抽出した動植物原料
2
有機栽培による環境にやさしい状態で抽出した動植物原料
1
その他の栽培、状態で抽出した動植物原料
0
化学合成の原料
4.50
4.00
3.50
自
然
派
得
点
3.00
2.50
2.00
1.50
1.00
0.50
1
6
11
16
21
26
31
36
41
46
51
56
61
66
71
76
81
86
91
96
101
106
111
116
121
126
131
136
141
146
151
156
0.00
製品
図2−62 製品の自然派得点の分布
2.6.3 製品の自然派得点算出の一例
2.6.2で述べた製品の得点化を、具体的な例を用いて示したのが表2-9である。なお、自然派
化粧品が成分を開示する傾向にあるということから(富士経済(1996))
、ホームページまたは
インターネット上で化粧水の成分が開示されていない場合は、欠損値として換算せず、化学合
成原料のみを使用している製品であるとした。
15
表2−9 製品の自然派得点算出方法の一例
ブランド名
ヴェレダ
成分名
水
エタノール
ハマメリス水
レモン果汁
ドイツアヤメ根エキス
香料
平均
製品名
アイリスフェイシャルローション
分類
3
3
3
3
評価
3点
16
3.消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析Ⅰ
3.1
消費者の自然派水準及び傾向の分類
自然派得点付けを行い、各ユーザーが所有する製品の自然派得点を利用して、ユーザーの
グループ化を行う。
ユーザーの分類は、下記に示した図3-1、図3-2、図3-3、表3-1の手順で行っていく。
最初に、各ユーザーがクチコミを投稿した製品の自然派得点から、 水準 、 前半 、 後半
の3つの種類の得点を導き出す。水準は、製品の自然派得点の平均値である。また、ユーザーが
クチコミを投稿した製品を、前後の2つに分けたものが前半と後半である。新しくクチコミを投
稿した順で、前半分を前半、後ろ半分を後半とした。
図3-2より、64人のサンプルを製品の自然派得点の平均値(水準)から、上位32人を 自然派
水準の高いグループ 、下位32人を 自然派水準の低いグループ に分け、それぞれのグループ
を(H)と(L)とした。これはユーザーがクチコミを投稿した製品全体が、自然派よりかそうでな
いか、ということを区別するためのグループ分類である。
図3-3から、各ユーザーが投稿しているクチコミを2つに分けた前半と後半から、ユーザー
のグループ化を行う。前半と後半で得点を分けた際に、投稿件数が奇数の場合は、中央に位置
するクチコミを前半と後半の両方に入れた。次に、前半と後半の得点をそれぞれ、前半の上位
32人を 前半(H) 、前半の下位32人を 前半(L) 、後半の上位32人を 後半(H) 、後半の下位
32人を 後半(L) とした。この4つの分類から、前半(H)と後半(H)のユーザーグループを(HH)、
前半(L)と後半(H)のユーザーグループを(LH)、前半(H)と後半(L)のユーザーグループを(HL)、
前半(L)と後半(L)のユーザーグループを(LL)とした。つまり、過去から現在においても自然派
得点の高い化粧水を使用している、自然派化粧水のヘビーユーザーは(HH)、過去には自然派得
点の低い化粧水を、現在は高い化粧水を使用しているユーザーが(LH)、過去では自然派得点の
高い化粧水を使用していたが、現在は自然得点の低い化粧水を使用しているユーザーが(HL)、
過去から現在において自然派得点の低い化粧水を使用しているユーザーは(LL)ということにな
る。
さらに、(HH)、(LH)、(HL)、(LL)のグループを組み合わせて2つのグループを作り、計8つの
グループを作成した(表3-1)
。(HH・LH)は最終的に高い自然派傾向を持つユーザーグループと
し、(HL・LL)は最終的に低い自然派傾向を持つユーザーグループとした。
17
以上の、2 対のグループが 2 つ、4 対のグループが 1 つの合計 8 つのグループを用いて、差
の検定を行う。検定結果より、各グループにどういった特徴があるかを考える。まず、2 つの
グループ間の比較検定では、t分布による比率・平均値の差の検定を使用した。この検定は、
アンケート等で収集された二つのグループ間の比較を行うために用いられている手法である。
また、4つのグループ間を比較する多重比較の検定には、ライアン法を採用した。ライアン法
は、2 つのグループ間の比較検定を変数内で繰り返し行う検定手順である。ただし、4 つのグル
ープ間比較においては、各グループのサンプルが少ないため、参考程度の分析とする。
18
製品1
製品2
Aさん
製品3
製品4
クチコミ1
クチコミ2
クチコミ3
クチコミ4
製品1の自然派得点1
製品2の自然派得点2
製品3の自然派得点2
製品4の自然派得点3
前半
後半
前半 1
・
(H)
・
前半 32
N(64)
前半 33
・
(L)
・
前半 64
後半 1
前半(H)+後半(H) = (HH)グループ
・
(H)
・
前半(L)+後半(H) = (LH)グループ
後半 32
後半 33
前半(H)+後半(L) = (HL)グループ
・
(L)
・
前半(L)+後半(L) = (LL)グループ
後半 64
図3-3 自然派の水準によるグループ分類
平均値
Bさん
・
・
・
・
・
・
水準
・
・
・
図3-1 ユーザーの自然派得点とグループ分類
水準 1
水準 2
(H)
・
水準32
N(64)
水準33
・
(L)
・
水準 64
水準(H)
= (H)グループ
水準(L)
= (L)グループ
図3-2 自然派の傾向によるグループ分類
表3-1 製品の自然派得点から分類された各グループ
水準グループ
傾向4グループ
傾向2グループ
(H),(L)
(HH),(LH),(HL),(LL)
(HH・LH),(HL・LL)
19
変数名
製品の自然派得点
年代
肌質
髪質
髪量
お好み・タイプ
キーワード
表3-2 差の検定で適用した変数
変数の説明
水準,前半,後半
10代,20代,30代,40代
普通,乾燥,脂性,混合,敏感,アトピー
柔らかい,少ない,硬い,未選択
少ない,多い,普通,未選択
スキンケアの鬼,フレグランス好き,外資ブランド好き,
安くていいもの好き,(ネット)通販好き,自然・低刺激
派,
カウンセリング派,セルフチョイス派,など
成分,植物,化学,香り,効果,感触,ブランド,パッケー
ジ,価格,エコ,オーガニック,クチコミ,使い方,好き,嫌
い,思う
クチコミ投稿件数 4∼45件
3.1.1 個人の自然派得点の記述統計量
8つのグループの自然派得点の記述統計量を表3-3に示す。また、
(HH)
、
(HL)
、
(LH)、
(LL)の
4つのグループにおける、自然派得点の比較検定を行った結果を表3-4に示す。表3−4より、グ
ループが持つ自然派志向をある程度表していることが確認された。
グループ名
N
最小値
最大値
水準
平均値
標準偏差
最小値
最大値
前半
平均値
標準偏差
最小値
最大値
後半
平均値
標準偏差
表3-3 グループごとの自然派得点の記述統計量
H
L
HH
HL
LH
全体
64
32
32
19
13
13
0.3
0.8
0.3
0.7
0.6
0.4
2.0
2.0
0.8
2.0
1.2
1.4
0.9
1.2
0.6
1.4
0.8
0.9
0.5
0.4
0.2
0.4
0.2
0.3
0.0
0.1
0.0
1.1
1.2
0.0
2.4
2.4
1.5
2.4
1.9
1.1
1.1
1.4
0.8
1.7
1.4
0.6
0.6
0.6
0.4
0.4
0.2
0.3
0.0
0.0
0.0
0.7
0.0
0.7
2.4
2.4
1.0
2.4
0.6
2.0
0.8
1.1
0.4
1.3
0.3
1.2
0.6
0.6
0.3
0.5
0.2
0.4
LL
19
0.3
0.8
0.5
0.1
0.0
1.1
0.6
0.3
0.1
0.6
0.3
0.2
HH・LH
32
0.4
2.0
1.2
0.4
0.0
2.4
1.2
0.7
0.7
2.4
1.2
0.4
HL・LL
32
0.3
1.2
0.6
0.2
0.0
1.9
0.9
0.5
0.0
0.6
0.3
0.2
20
表3-4 4つの自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループの自然派得点の多重比較の検定結果
vs.
p値
平均値の差の検定
t値
自然派水準
10.00
0.000 ***
は(LL)より高い
(HH)
は(LH)より高い
5.01
0.000 ***
は(HL)より高い
6.01
0.000 ***
は(LL)より高い
4.00
0.000 ***
(HL)
は(LL)より高い
3.00
0.004 **
自然派得点(前半)
は(LH)より高い
9.62
0.000 ***
(HH)
は(HL)より高い
2.62
0.011 *
は(LL)より高い
10.67
0.000 ***
は(LH)より高い
6.42
0.000 ***
(HL)
は(LL)より高い
6.99
0.000 ***
自然派得点(後半)
は(HL)より高い
7.80
0.000 ***
(HH)
は(LL)より高い
8.65
0.000 ***
は(HL)より高い
6.44
0.000 ***
(LH)
は(LL)より高い
7.02
0.000 ***
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量はライアン法による平均値の差の検定である。
3.2
製品の自然派得点から分類した2つの消費者の自然派水準グループとその特徴
自然派水準(H)と(L)グループの特徴と有意差検定の結果を表 3-5、表 3-6、表 3-7 に示す。比
率の差の検定、平均値の差の検定方法には、t検定を採用した。
表 3-5 はユーザーが登録時に自己紹介の一部として一定のカテゴリーから選択するものであ
る。(H)と(L)のグループ間比較では、年代における 40 代の割合と、肌質における混合肌の割合
が統計的に有意に差がみられた。表 3-6 は、ユーザーが、お好み・タイプの項目から、自分に
当てはまると考えられる項目を選んだ結果である。(H)と(L)のグループ間では自然・低刺激派
とカウンセリング派に有意な差が見られた。(H)グループのユーザーの多くが自然・低刺激派を
選択している、一方、デパート等で行われているカウンセリングを好むユーザーは少ないと考
えられる。表 3-7 は、ユーザーが投稿したクチコミ件数の平均値であり、有意な差が確認され
た。(H)グループのクチコミ投稿件数は、
(L)グループの投稿したクチコミ件数の半分程度しか
なく、自然派水準の高いユーザーはクチコミに対してあまり積極的でないことが分かる。
以上のことから、(H)と(L)の特徴を以下にまとめる。(H)は自然・低刺激派のカテゴリー選択
率が非常に高いことから、自然派化粧品を好む消費者層であることが分かる。(L)は、クチコミ
投稿件数が多いことや、年齢層の高いユーザー、カウンセリング等を好むユーザーで特徴付け
られる消費者層である。
21
表3-5 2つの自然派水準(H)と(L)グループのユーザー属性と比較検定
H
L
グループ名
t値
32
32
N
40代
3
9.4%
9
28.1% -1.92 *
30代
19
59.4%
14
43.8%
1.25
年代
20代
9
28.1%
9
28.1%
0.00
10代
1
3.1%
0
0.0%
1.01
普通
5
15.6%
2
6.3%
1.20
乾燥
9
28.1%
9
28.1%
0.00
脂性
0
0%
0
0%
肌質
混合
8
25.0%
16
50.0% -2.07 *
敏感
10
31.3%
4
12.5%
1.81
アトピー
0
0.0%
1
3.1% -1.01
柔らかい
12
37.5%
8
25.0%
1.08
普通
12
37.5%
12
37.5%
0.00
髪質
硬い
6
18.8%
11
34.4% -1.42
未選択
2
6.3%
1
3.1%
0.59
少ない
4
12.5%
2
6.3%
0.86
多い
12
37.5%
11
34.4%
0.26
髪量
普通
14
43.8%
18
56.3% -1.00
未選択
2
6.3%
1
3.1%
0.59
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量は比率の差の検定(前野(2000))である。
表3-6 2つの自然派水準(H)と(L)グループのお好み・タイプのカテゴリー選択と比較検定
H
L
グループ名
t値
32
32
N
メイク大好き!
15
46.9%
15
46.9%
0.00
スキンケアの鬼
19
59.4%
24
75.0% -1.33
ボディケア命
7
21.9%
10
31.3% -0.85
ネイル通
1
3.1%
3
9.4% -1.03
フレグランス好き
9
28.1%
7
21.9%
0.58
外資ブランド好き
7
21.9%
11
34.4% -1.11
お好み・タイプ
国産ブランド好き
7
21.9%
9
28.1% -0.58
安くていいもの好き
13
40.6%
11
34.4%
0.52
(ネット)通販好き
15
46.9%
14
43.8%
0.25
自然・低刺激派
29
90.6%
20
62.5%
2.66 **
カウンセリング派
3
9.4%
8
25.0% -1.66 *
セルフチョイス派
14
43.8%
12
37.5%
0.51
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量は比率の差の検定(前野(2000))である。
22
表3-7 2つの自然派水準(H)と(L)のクチコミ投稿件数と比較検定
グループ名
H
L
t値
32
32
ユーザー数
クチコミ投稿件数
平均値
7.9
16.2
-3.7 ***
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
3.3
製品の自然派得点から分類した2つの消費者の自然派傾向グループとその特徴
自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)を、自然派傾向(HH・LH)と(HL・LL)の2つのグループに
まとめた。後半の得点として(H)を持つグループと、(L)を持つグループ、つまり、前半におい
ての自然派志向は異なるけれども、後半の自然派志向としては同じ傾向を持っているユーザー
同士をまとめ、各グループとした。2つのグループ特徴を表の表3-8、表3-9、表3-10に示す。
表3-8から、個人の属性においては40代と20代において差があることが分かった。
(HH・LH)
に属するようなユーザーは、20代が最も多くグループの半分を構成している、反対に、40代は
非常に少ないという結果になっている。表3-9からは、(HH・LH)と(HL・LL)間で、スキンケアの
鬼、外資ブランド好き、自然・低刺激派、カウンセリング派に有意な差がみられた。(HH・LH)
のユーザーは、自然・低刺激派のカテゴリーをほぼ全員が自分のタイプであると選択している。
一方、(HL・LL)は(HH・LH)よりも、スキンケアの鬼、外資ブランド好き、カウンセリング派の
カテゴリーを選択している人が多い。 外資 、 カウンセリング はデパートの化粧品売場の特
徴であることから、(HL・LL)はデパート愛用者が多いのではないかと考えられる。表3-10にお
いて、(HL・LL)と(HH・LH)のクチコミ投稿件数の平均値の間には、有意に差があることが分か
った。(HH・LH)はクチコミを投稿することに対してあまり積極的でないと考えられる。
以上のことから、(HH・LH)と (HL・LL)の特徴を以下にまとめる。まず、
(HH・LH)のユーザ
ーであるが、彼らは自然派・低刺激派のカテゴリーをほぼ100%選択していること、インターネ
ットの利用率が高い世代であるにも関わらず、なんらかの理由によってクチコミ投稿をあまり
行わないことが特徴的な消費者層である。次に、(HL・LL)のユーザーである。彼らの約85%は
スキンケアの鬼のカテゴリーを選択していると同時に、クチコミ投稿数が非常に多い、つまり、
製品への関心・購買力が高く、使用後の情報を発信することも好むような消費者層であること
が伺える。また、デパートの愛用者としての特徴も持っていると考えられる。
23
表3-8 2つの自然派傾向(HH・LH)、(HL・LL)グループのユーザー属性と比較検定
グループ名
HH・LH
LH・LL
t値
N
32 (割合)
32 (割合)
40代
5
3.1%
7 31.3% -2.98 **
30代
19 37.5%
14 50.0% -1.01
年代
20代
8 53.1%
10 18.8%
2.87 **
10代
0
6.3%
1
0.0%
1.44
普通
5 12.5%
2
9.4%
0.40
乾燥
10 28.1%
8 28.1%
0.00
脂性
0
0.0%
0
0.0%
0.00
肌質
混合
10 31.3%
14 43.8% -1.03
敏感
7 28.1%
7 15.6%
1.21
アトピー
0
0.0%
1
3.1% -1.01
柔らかい
10 31.3%
10 31.3%
0.00
普通
11 43.8%
13 31.3%
1.03
髪質
硬い
9 18.8%
8 34.4% -1.42
未選択
2
6.3%
1
3.1%
0.59
少ない
3 12.5%
3
6.3%
0.86
多い
11 40.6%
13 53.1% -1.00
髪量
普通
16 40.6%
15 37.5%
0.26
未選択
2
6.3%
1
3.1%
0.59
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量は比率の差の検定(前野(2000))である。
表3-9 2つの自然派傾向(HH・LH)、(HL・LL)グループのお好み・タイプのカテゴリー選択と比較検定
グループ名
HH・LH
LH・LL
t値
N
32 (割合)
32 (割合)
メイク大好き!
11 46.9%
19 46.9%
0.00
スキンケアの鬼
19 50.0%
24 84.4% -2.93 **
ボディケア命
4 18.8%
13 34.4% -1.42
ネイル通
1
3.1%
3
9.4% -1.03
フレグランス好き
8 28.1%
8 21.9%
0.58
外資ブランド好き
8 18.8%
10 37.5% -1.67 *
お好み・タイプ
国産ブランド好き
8 18.8%
8 31.3% -1.15
安くていいもの好き
12 40.6%
12 34.4%
0.52
(ネット)通販好き
15 43.8%
14 46.9% -0.25
自然・低刺激派
30 96.9%
19 56.3%
3.84 ***
カウンセリング派
5
9.4%
6 25.0% -1.66 *
セルフチョイス派
11 46.9%
15 34.4%
1.02
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量は比率の差の検定(前野(2000))である。
24
表3-10 2つの自然派傾向(HH・LH)、(HL・LL)グループのクチコミ投稿件数と比較検定
グループ名
t値
HH・LH
LH・LL
ユーザー数
32
32
クチコミ投稿件数
平均値
7.2
16.9
-4.54 ***
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
3.4
製品の自然派得点から分類した4つの消費者の自然派傾向グループとその特徴
上記で説明した自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループの特徴と検定結果を表3-11、表
3-12、表3-13、表3-14に示す。検定方法としてはライアン法を採用したが、データ数が少ない
ため、ここでの結果は参考程度としたい。
表3-11のユーザーの属性では、(HH)の全体の割合として20代・30代が多いことが特徴として
考えられる。次の表3-12のお好み・タイプのカテゴリーの選択では、製品の自然派得点が一定
して高い(HH)が自然派・低刺激派を高い割合で選択しており、一方で製品の自然派得点が一
定して低い(LL)はスキンケアの鬼を高い割合で選択している。また、表3-13の各グループに
おけるクチコミの投稿件数では、(HL)が非常に高い数値を示していると考えられる。これらの
表3-12∼表3-14の項目において、多重比較を行った結果を表3-14に示した。有意な差が見られ
た項目は、スキンケアの鬼、自然・低刺激派、クチコミ投稿件数の平均値の3つである。(LL)
は(HH)よりもスキンケアの鬼を選択するユーザーが多く、自然・低刺激派においては、他のど
のグループよりも少ない選択率であることが分かった。また、(HL)は他のどのグループよりも、
一人当たりの平均クチコミ投稿件数が多いことが分かった。
以上のことから、(HH)と(LH)と(HL)と(LL)の特徴を以下にまとめる。
(HH)は、すべてのユー
ザーが自然・低刺激派に関心を持っており、(LH)は自然・低刺激派に関心のあるユーザーが多
く集まっており、自然派化粧品を好んで使用する消費者層であると考えられる。次に、(HL)は
クチコミ投稿件数が非常に多く、情報の発信することを好む消費者層と考えられる。(LL)は ス
キンケアの鬼 に関心はあるが、自然・低刺激派には関心のなく、自然派でない従来の製品を
積極的に利用している消費者層であると考えられる。
25
表3-11 4つの自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループのユーザー属性
HH
HL
LH
グループ名
N
19 (割合)
13 (割合)
13 (割合)
40代
2
10.5%
3
23.1%
0
0.0%
30代
12
52.6%
7
53.8%
5
38.5%
年代
20代
5
26.3%
3
23.1%
7
53.8%
10代
0
0.0%
0
0.0%
1
7.7%
普通
3
15.8%
2
15.4%
1
7.7%
乾燥
6
26.3%
4
30.8%
3
23.1%
脂性
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
肌質
混合
4
21.1%
6
46.2%
6
46.2%
敏感
6
26.3%
1
7.7%
3
23.1%
アトピー
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
柔らかい
5
21.1%
5
38.5%
5
38.5%
普通
8
42.1%
3
23.1%
6
46.2%
髪質
硬い
5
21.1%
4
30.8%
1
7.7%
未選択
1
5.3%
1
7.7%
1
7.7%
少ない
3
10.5%
0
0.0%
1
7.7%
多い
7
42.1%
4
30.8%
5
38.5%
髪量
普通
8
31.6%
8
61.5%
6
46.2%
未選択
1
5.3%
1
7.7%
1
7.7%
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量はライアン法による比率の差の検定である。
LL
19
(割合)
7
9
3
0
1
5
0
8
4
1
5
7
7
0
2
8
9
0
36.8%
47.4%
15.8%
0.0%
5.3%
26.3%
0.0%
42.1%
21.1%
5.3%
26.3%
36.8%
36.8%
0.0%
10.5%
42.1%
47.4%
0.0%
表3-12 4つの自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループのお好み・タイプ選択状況
HH
HL
LH
LL
グループ名
N
19 (割合)
13 (割合)
13 (割合)
19 (割合)
メイク大好き!
7 36.8%
4 30.8%
8 61.5%
11 57.9%
スキンケアの鬼
9 47.4%
10 76.9%
7 53.8%
17 89.5%
ボディケア命
1
5.3%
3 23.1%
5 38.5%
8 42.1%
ネイル通
1
5.3%
0
0.0%
0
0.0%
3 15.8%
フレグランス好き
5 26.3%
3 23.1%
4 30.8%
4 21.1%
2 10.5%
6 46.2%
4 30.8%
6 31.6%
お好み・タイ 外資ブランド好き
プ
国産ブランド好き
3 15.8%
5 38.5%
3 23.1%
5 26.3%
安くていいもの好き
9 47.4%
3 23.1%
4 30.8%
8 42.1%
(ネット)通販好き
8 42.1%
7 53.8%
6 46.2%
8 42.1%
自然・低刺激派
19 100.0%
11 84.6%
12 92.3%
7 36.8%
カウンセリング派
1
5.3%
4 30.8%
2 15.4%
4 21.1%
セルフチョイス派
9 47.4%
2 15.4%
6 46.2%
9 47.4%
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量はライアン法による比率の差の検定である。
26
表3-13 4つの自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループのクチコミ投稿件数
グループ名
HH
HL
LH
LL
19
13
13
19
N
クチコミ投稿件数
平均値
6.1
21.8
9.7
8.8
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はライアン法による平均値の差の検定である。
表3-14 (HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループの
お好み・タイプとクチコミ投稿件数の多重比較結果
比率の差の検定
スキンケアの鬼
(LL)は(HH)より多い
**
自然派・低刺激派
(HH)は(LL)より多い
***
(LH)は(LL)より多い
**
(HL)は(LL)より多い
**
平均値の差の検定
クチコミ投稿件数
(HL)は(HH)より多い
***
(HL)は(LH)より多い
***
(HL)は(LL)より多い
***
注)p <.001***,p <.01**,p <.05*
注)検定統計量はライアン法による比率の差の検定である。
注)検定統計量はライアン法による平均の差の検定である。
3.5
キーワードの出現頻度に関する差の検定
本稿では、帰無仮説を「投稿されたクチコミから得られるキーワードの出現頻度に関してグ
ループ間では差がない」とし、対立仮説を「投稿されたクチコミから得られるキーワードの出
現頻度には差がある」として、比較の検定を行った。検定方法は、ウエルチのt検定を採用した。
上記の検定方法より、(H)と(L)、(HHLH)と(LL・HL)、4つの(HH)、(HL)、(LH)、(HL)間で検出
されたキーワード出現頻度を利用して、2つの比較分析を行った。1つ目は、個人ごとで算出さ
れるキーワード出現頻度をグループ間での比較を行った。2つ目は、クチコミ投稿件数に偏りが
あることを考慮し、個人ごとで算出されるキーワードの出現頻度を、各個人のクチコミ投稿件
数で割り、グループ間での比較を行った。つまり、前者は個人ごとのキーワード出現頻度を利
用した比較検定であり、後者はクチコミ文章ごとのキーワードの出現頻度を利用した比較検定
である。また、各グループにおけるキーワードの出現頻度の実際の数値に関しては、付録を参
照されたい。
27
3.5.1 分析結果
自然派水準グループ(H)と(L)の差の検定を用いたクチコミのデータによる比較検定の結果
は、表3-15に示した。個人ごとの比較検定では 価格 、 香り 、 パッケージ 、 使い方 、 好
き 、 クチコミ 、 嫌い 、 感触 、 思う 、 効果 に関する(H)の発言は(L)より少なかった。
文章ごとの比較では、 植物 、 成分 、 化学 に関する発言は(H)が多く、 感触 に関する発
言は(L)が少ないことが分かった。(H)と(L)間の比較検定では、自然派化粧品の特徴である オ
ーガニック 、 エコ のキーワードにおいて有意な差は見られなかった。
次に、自然派傾向グループ(HH・LH)と(HL・LL)のおける、キーワード出現頻度の比較検
定の結果を、表3-16に示した。個人ごとの比較検定では、(HL・LL)は 効果 、 感触
ブラ
ンド 、 パッケージ 、 価格 、 使い方 、 好き 、 嫌い 、 思う に関する発言が多いこと
が読み取れる。また、文章ごとの比較では、
(HH・LH)は 成分 、 植物 、 香り に関するク
チコミが多く、 感触 に関する発言は少ないことが分かる。
(HH・LH)と(HL・LL)間の比較
検定においても、 オーガニック 、 エコ 、で有意な差は示されなかった。
次に、4つの(HH)、(HL)、(LH)、(HL)のグループ間における比較検定を行った。4つのグルー
プにおけるキーワードの出現頻度合計を表3-17に示した。また、表3-17のデータとは異なる、
個人ごとのキーワード出現頻度のデータを使用した比較検定結果を表3-18、クチコミ文章ごと
の比較検定結果を表3-19に示す。
表3-17より、(HH)は(HL)より、 エコ に関する発言を積極的に行っていることが分かった。
また、 エコ に関する発言は、(HL)のユーザーが最も少ないことが読み取れる。(LH)は(HH)
より、 パッケージ 、 使い方 に関する発言が多く、(HL)より 香り 、 エコ 、 すき に関
する発言が多いことが分かった。(LL)は、自然派化粧品に関わると考えられるキーワードを除
くすべてキーワードにおいて、積極的に発言していると考えられる。
表3-18より、(HH)は(HL)より、 香り 、 エコ の発言を多くしており、(LL)より 成分 、
植物 、 香り の発言を多くしている。特に 香り に関しては、多く発言していると考え
られる。(LH)は(HH)よりも、 パッケージ 、 使い方 の発言が多く、(HL)よりも 香り 、 エ
コ の発言が多く、(LL)よりも 植物 、 香り 、 感触 の発言が多いことが分かった。 香り
に関しては(HH)と同様に多くの発言をしていると考えられる。次に(LL)である。(LL)は(HH)よ
り 感触 の発言を多くしており、 (HL)よりも
エコ 、 好き に関するクチコミが多いこ
とが分かった。
28
表3-15 2つの自然派水準(H)、(L)グループのキーワード出現頻度の差の比較検定結
H(合計頻度)
L(合計頻度)
t値(個人ごと)
t値(文章ごと)
キーワード
成分
0.45
2.34 **
467
391
植物
341
247
0.87
3.36 ***
27
41
化学
-0.86
2.01 **
香り
238
399
-2.17 **
1.19
587
1447
-3.32 ***
効果
-0.99
227
782
-3.49 ***
感触
-1.85 *
ブランド
275
489
-1.27
0.73
118
351
-2.71 **
パッケージ
-0.69
価格
183
396
-2.86 **
-0.61
エコ
7
11
-0.83
1.40
8
7
オーガニック
0.20
1.65
クチコミ
79
177
-2.48 **
-0.27
391
868
-2.88 ***
使い方
0.02
好き
573
1476
-3.67 ***
-1.29
嫌い
481
1066
-3.04 ***
-0.84
489
1417
-3.25 ***
思う
-1.64
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
表3-16 2つの自然派傾向(HH・LH)、(HL・LL)グループのキーワード出現頻度の差の比較検定結
キーワード
HH・LH(合計頻度) HL・LL(合計頻度) t値(個人ごと)
t値(文章ごと)
成分
405
453
-0.29
2.03 **
330
258
植物
0.67
3.07 ***
23
45
化学
-1.37
0.69
281
356
香り
-0.98
3.48 ***
627
1407
効果
-2.96 ***
-0.28
237
772
感触
-3.34 ***
-2.08 **
227
537
ブランド
-1.87 *
-0.04
148
321
パッケージ
-1.99 *
0.12
166
413
価格
-3.39 ***
-0.85
8
9
エコ
-0.41
1.41
8
7
オーガニック
-0.20
1.05
99
157
クチコミ
-1.42
0.70
448
811
使い方
-2.13 **
0.76
653
1396
好き
-2.92 **
0.67
491
1056
嫌い
-2.92 ***
0.46
592
1314
思う
-2.45 **
0.04
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
29
表3-17 4つのグループにおけるキーワードの出現頻度合計
キーワード
HH
HL
LH
LL
成分
205
187
200
266
植物
175
107
155
151
化学
14
13
9
32
香り
123
81
158
275
効果
254
310
373
1097
感触
111
128
126
644
ブランド
90
138
137
399
パッケージ
48
58
100
263
価格
102
91
64
322
エコ
4
0
4
9
オーガニック
4
4
4
3
クチコミ
30
36
69
121
使い方
166
190
282
621
好き
289
263
364
1133
嫌い
234
245
257
811
思う
224
247
368
1067
表3-18 4つの自然派傾向(HH、(HL)、(LH)、(LL)グループの
キーワード出現頻度・個人当たりの多重比較の検定結果
HH,HL
HH,LH
HH,LL
HL,LH
HL,LL
キーワード
成分
植物
化学
香り
効果
感触
ブランド
パッケージ
-1.80 *
価格
エコ
8.12 ***
オーガニック
クチコミ
使い方
-1.77 *
好き
嫌い
思う
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
注)全体の検定結果は付録を参照されたい。
-2.60
-4.28
-3.96
-2.09
-2.95
-3.46
**
***
***
**
***
***
-1.80 *
-2.47 **
-4.23
-3.68
-4.55
-4.05
-3.90
***
***
***
***
***
-1.83 *
-2.85 ***
-3.43 ***
-3.23 ***
-2.29 ***
-2.93 ***
-2.45 **
-2.54
-2.51
-2.59
-2.77
-2.85
**
**
**
**
**
LH,LL
-2.15 **
-3.07 ***
-3.58 ***
-2.54 **
-2.65 ***
30
表3-19 4つの自然派傾向(HH、(HL)、(LH)、(LL)グループの
キーワード出現頻度・クチコミ文章ごとの多重比較の検定結果
HH,HL
HH,LH
HH,LL
HL,LH
HL,LL
1.87 *
3.22 **
キーワード
成分
植物
化学
香り
2.03 *
効果
感触
ブランド
パッケージ
-1.87 *
価格
エコ
2.17 **
オーガニック
クチコミ
使い方
-1.85 *
好き
嫌い
思う
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
注)全体の検定結果は付録を参照されたい。
3.6
2.41 **
-2.49 **
LH,LL
2.18 **
2.73 **
-2.09 **
1.94 *
-1.84 *
-2.30 **
-2.29 **
まとめ
前述したことを用いて、ここでは各グループが特有に使用しているキーワードの発見を目的
とするため、クチコミ文章ごとの比較検定結果を(HH)、(HL)、(LH)、(HL)のグループの特徴を
中心にまとめていく。
まず、自然派志向の高いユーザーのクチコミ内容の特徴として、 植物 、 成分 、 化学 と
いう用語が挙げられた。反対に、自然派志向の低いユーザーのクチコミは、その他の 効果 、
価格 、 ブランド 、 パッケージ といった化粧品の一般的な用語が多く用いられていた。
しかし、この段階において エコ 、 オーガニック のクチコミの出現頻度についての差を見
ることはできなかった。
次に、これらの自然派志向の特徴と表3-20を踏まえて(HH)、(HL)、(LH)、(HL)について述べ
る。表3-19は、4つのグループ間における文章ごとのキーワード出現頻度を、サッカーに用いら
れるリーグ表を参考にまとめたものである。(HH)は(HL)より、"香り""エコ"に関心があり、(LL)
より"香り""植物""成分"に関心がある。これは、始めに自然派志向が高い人は、エコへの関心
によって、その後の行動が分かれる(
(HH)か(HL)か)ことを示しているのではないかと考え
られる。(LH)は(HH)より"パッケージ""使い方"に関心があり、(HL)より"香り""エコ"に関心が
あり、(LL)より"香り""植物""感触"に関心がある。自然派志向の低いグループから自然派志向
の高いグループへの移行は、 香り 、 植物 、 感触 に関心が関わっているのではないかと考
えられる。(HL)は エコ の発言が、他のどのグループよりも少ない。(LL)は(HH)より"感触"
31
に関心があり、(HL)より"エコ""好き"に関心がある。このことから、始めの自然派志向に違い
のあるグループは、 エコ 、 好き に関心があるかどうかで分かれ易いのではないかと考えら
れる。特に注目したいのは(HH)と(LH)が 香り に関心を持っていることと、(HL)が エコ
のクチコミをしていないことである。まずは 香り であるが、自然派化粧品の中にも香りで
特徴付けているような製品が存在することから、自然派化粧品と 香り に繋がりがあると考
えられる。さらに、多くのクチコミで「○○の香りで癒された」
「香りがよくてつい使っちゃう」
など、香りと購買力が繋がっているケースが見られるため、自然派化粧品への購買意欲を掻き
立てる要素として捉えることができるのではないだろうか。
表3-20 4つの自然派傾向(HH)、(HL)、(LH)、(LL)グループのキーワード出現頻度に関する特徴
HH
LH
HL
LL
香り・エコ
香り・植物・成分
+
HH
パッケージ・使い方
感触
−
パッケージ・使い方
香り・エコ
香り・植物・感触
+
LH
−
+
HL
−
香り・エコ
香り・エコ
好き・エコ
感触
好き・エコ
+
LL
香り・植物・成分
香り・植物・感触
−
32
4.消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析Ⅱ
4.1
CHAID
ここでは、4 つの自然派傾向グループ(HH)、(HL)、(LH)、(HL)間とキーワードの関係を明ら
かにする分析方法として CHAID を利用する。この方法はカイ二乗検定統計量という統計的基
準によって、関連性の強い変数を選択し、特定のグループに分割を行っていく方法であり、被
験者についてセグメントを行うのに有力なツールである。
まず、CHAID で使用される変数は目的変数と説明変数の二種類に大分類される。目的変数
は分析において焦点をあてる変数として使用する。本稿では、自然派得点に関する変数がこれ
にあたる。説明変数はそれ以外の変数にあたり、CHAID においては変数候補の中から特に関
連性の強い変数を、カイ自乗検定統計量をもとに選択する。
次に、アルゴリズムについて説明する。結合と分岐の部分から構成される。まず、結合とは
説明変数内においていくつかの選択肢をグループ化することによって、目的変数と最も関連性
を強くするように加工を行う部分である。次に、分岐の部分についてであるが、説明変数候補
の中から、最も関連性の強い変数を選択し、目的変数の分解を行うアルゴリズムである。
次に、CHAID の特徴として、他の回帰分析等と異なり、一つの変数が一つの数値軸上に存
在する必要性がなく、汎用性の高い分析ツールといえる。CHAID の分析結果は樹形図によって
表現される。表 4-1 より、各グループ名を目的変数とし、個人の登録情報及びクチコミにおけ
るキーワードの出現頻度を説明変数候補として分析を行う。
33
変数の分類
目的変数
表4-1 CHAIDで使用する目的変数と説明変数
尺度名
変数の説明
{(H);(L)},{(HH・LH);(HL・LL)},
グループ番号
名義
{(HH);(HL);(LH);(LL)}
肌質
普通,乾燥,脂性,混合,敏感,アトピー
髪質
柔らかい,,少ない,,硬い,未選択
髪量
少ない,多い,普通,未選択
変数名
お好み・タイプ
説明変数
名義
通信販売・ネット,独立店舗・サロン,スーパー・ドラッグ,
化粧品専門店,デパート,バラエティショップ,訪問販
売,コンビニエンスストア
購入場所
年齢
お好み・タイプ
選択数
19∼45歳
1∼10個
間隔
キーワード
クチコミ投稿件数
製品の自然派得点
4.2
メイク大好き!,スキンケアの鬼,ボディケア命,ネイル
通,フレグランス好き,外資ブランド好き,国産ブランド好
き,安くていいもの好き,(ネット)通販好き,自然・低刺激
派,カウンセリング派,セルフチョイス派
順序
成分,植物,化学,香り,効果,感触,ブランド,パッケー
ジ,価格,エコ,オーガニック,クチコミ,使い方,好き,嫌
い,思う
4∼45件
0∼4点
(HH)、(LH)、
(HL)
、(LL)グループにおける分析結果(ⅰ)
キーワードの出現頻度を説明変数として分析した結果を図4-1に示す。太線は、結果の解釈に
とって重要なことを示す。この表から、 植物 に関するキーワードを多く発言しているユーザ
ーは(HH)がもっとも多く、次に(LH)が多いことが分かる。反対に、(LL)は 植物 の発言が
なく、 パッケージ に関して発言し、 価格 には発言してないユーザーが多い。
4.3
(HH)
、(LH)、(HL)、(LL)グループにおける分析結果(ⅱ)
キーワードの出現頻度を説明変数として分析した結果を図4-2に示す。太線は、結果の解釈に
とって重要なことを示す。この図は 植物 を除いた説明変数で、再度CHAID分析を行った結果
である。 植物 を除いた変数中で、次に 香り が出てくるということは、グループの分類に
植物 と 香り が重要であると考えられる。
香り に関するクチコミを積極的にしてい
るユーザーが多いのは(HH)(LH)であり、次にある程度 香り に発言しているユーザーが多い
のが(HH)、(LH)、(HL)で、
(HL)は 感触 について発言している人が多く、(HH)、(LH)は 感
触 について発言しないユーザーが多いことが分かった。 香り の発言が少ないのは(LL)で、
34
効果 への発言もある程度に留まっている。
4.4
(HH)
、(LH)、(HL)、(LL)グループにおける分析結果(ⅲ)
ユーザー属性を説明変数とした分析結果を図4-3に示した。太線は、結果の解釈にとって重要
なことを示す。(HH)、(LH)はクチコミ投稿件数が少ないが、(HL)、(LL)はクチコミ投稿件数が
非常に多いことが分かる。彼らは情報を発信することに非常に積極的であると言える。(HL)は
外資ブランドを好むユーザーが多いこと、(HH)はスキンケアの鬼を選択していないユーザーが
多いこと、(LL)に髪質の硬いユーザーが多いことが特徴として見られる。
4.5
まとめ
以上の分析結果を法4-2にまとめ、考察する。
(HH)は 植物 と 香り に関する発言が多
く、自然派化粧品の要素だけで特徴付けられる。しかし、(HH)とは異なり、(LH)は外資ブラ
ンドを好み、 効果 、 価格 に関する発言を積極的に行っているユーザーが多いため、 効果
という製品の実質的な働きも求めている消費者層であると考えられる。また、(HL)はスキンケ
ア製品への関心が高く、クチコミ投稿件数が多いため、情報発信者・製品探求者の要素をもつ
消費者製品層であると考えられる。
(LL)は、製品のパッケージや効果に関心があるユーザーが
多く、従来の化粧品要素に関心がある消費者層であるということが分かった。
表4-2 CAHDI分析の結果
HL
キ:感触
タ:外資ブランド好き
スキンケアの鬼
クチコミ投稿件数(多)
LL
キ:パッケージ・効果
髪質:硬い
クチコミ投稿件数(多)
HH
キ:植物・香り
LH
キ:植物・香り・効果・価格
タ:外資ブランド好き
35
グループ番号
ノード0
グループ %
n
HH
15.3 116
HL
16.3 124
LH
15.1 115
LL
53.3 405
合計 (100.0) 760
植物
調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=81.89、自由度=6
植物:0
植物:0∼2
ノード1
グループ %
n
HH
10.7 60
HL
16.0
90
LH
11.9 67
LL
61.5 346
合計 (74.1) 563
ノード2
グループ %
n
HH
25
29
HL
17.2 20
LH
19.8 23
LL
37.9 44
合計 (15.3) 116
植物:3∼
ノード3
グループ %
HH
33.3
HL
17.3
LH
30.9
LL
18.5
合計 (10.7)
n
27
14
25
15
81
パッケージ
調整済みP−値=0.043、カイ2乗値=9.68、自由度=3
パッケージ:0
パッケージ:1∼
ノード4
グループ %
n
HH
12.4 48
HL
18.1 70
LH
10.9 42
LL
58.7 227
合計 (50.9) 387
ノード5
グループ %
n
HH
6.8
12
HL
11.4 20
LH
14.2 25
LL
67.6 119
合計 (23.2) 176
価格
調整済みP−値=0.039、カイ2乗値=10.78、自由度=3
価格:0
ノード6
カテゴリ %
n
HH
2.9
3
HL
11.4 12
LH
10.5 11
LL
75.2 79
合計 (13.8) 105
価格:1∼
ノード7
カテゴリ %
HH
12.7
HL
11.3
LH
19.7
LL
56.3
合計 (9.3)
n
9
8
14
40
71
図4-1 4つの自然派傾向グループ(HH)(LH)(HL)(LL)におけるキーワード出現頻度のCHAID分析
36
グループ番号
ノード0
グループ %
n
HH
15.3 116
HL
16.3 124
LH
15.1 115
LL
53.3 405
合計 (100.0) 760
香り
調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=47.69、自由度=6
香り:0
香り:1∼2
香り:3∼
ノード1
グループ %
n
HH
11.7
53
HL
16.4
74
LH
10.6 48
LL
61.3 277
合計 (59.5) 452
ノード2
グループ %
n
HH
19.8 47
HL
18.1 43
LH
18.5 44
LL
43.5 103
合計 (31.2) 237
ノード3
グループ %
HH
22.5
HL
9.9
LH
32.4
LL
35.2
合計 (9.3)
n
16
7
23
25
71
効果
感触
調整済みP−値=0.001、カイ2乗値=18.78、自由度=3調整済みP−値=0.004、カイ2乗値=16.12、自由度=3
効果:0∼3
ノード4
グループ %
n
HH
11.4 42
HL
16.2 60
LH
7.9
29
LL
64.6 239
合計 (48.7) 370
効果:4∼
ノード5
グループ %
HH
13.4
HL
17.1
LH
23.2
LL
46.3
合計 (11.0)
感触:0
n
11
14
19
38
82
ノード6
グループ %
HH
31.8
HL
13
LH
21.6
LL
34.1
合計 (11.6)
感触:1∼
n
28
11
19
30
88
ノード7
グループ %
n
HH
12.6 19
HL
21.5 32
LH
16.8 25
LL
49
73
合計 (20.0) 149
図4-2 4つの自然派傾向グループ(HH)(LH)(HL)(LL)におけるキーワード出現頻度(植物を除く)のCHAID分析
37
グループ番号
ノード0
グループ %
n
HH
15.3 116
HL
16.3 124
LH
15.1 115
LL
53.3 405
合計 (100.0) 760
クチコミ投稿件数
調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=81.89、自由度=6
クチコミ投稿件数:∼7
クチコミ投稿件数:8∼11
クチコミ投稿件数:12∼31
クチコミ投稿件数:32∼
ノード1
グループ %
n
HH
55.4 88
HL
13.9 22
LH
23.9 38
LL
6.9
11
合計 (20.9) 159
ノード2
グループ %
n
HH
18.9 28
HL
39.2 58
LH
29.7 44
LL
12.2 18
合計 (19.5) 148
ノード3
グループ %
n
HH
0.0
0
HL
3.3
10
LH
10.9
33
LL
85.9 261
合計 (40.0) 304
ノード4
グループ %
n
HH
0.0
0
HL
22.8 34
LH
0.0
0
LL
77.2 115
合計 (19.6) 149
お好み・タイプカテゴリ:スキンケアの鬼
お好み・タイプカテゴリ:外資ブランド好き
調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=24.76、自由度=3調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=35.18、自由度=3
選択しない
ノード5
グループ
%
HH
64.6
HL
5.1
LH
30.4
LL
0
合計 (10.4)
選択する
n
51
4
24
0
79
ノード6
グループ %
HH
46.3
HL
22.5
LH
17.5
LL
13.8
合計 (10.5)
選択しない
n
37
18
14
11
80
ノード7
グループ %
HH
36.8
HL
26.3
LH
23.7
LL
13.2
合計 (10.0)
選択する
n
28
20
18
10
76
ノード8
グループ %
HH
0.0
HL
52.8
LH
36.1
LL
11.1
合計 (9.5)
髪質
調整済みP−値=0.000、カイ2乗値=39.03、自由度=1
柔らかい
n
0
38
26
8
72
ノード9
グループ %
HH
0.0
HL
43.0
LH
0.0
LL
57.0
合計 (10.4)
硬い
n
0
34
0
45
79
ノード10
グループ %
HH
0.0
HL
0.0
LH
0.0
LL
100.0
合計 (9.2)
n
0
0
0
70
70
図4-3 4つの自然派傾向グループ(HH)(LH)(HL)(LL)におけるユーザー属性のCHAID分析
38
5.消費者の自然派水準及び傾向のクチコミ特性の分析Ⅲ
5.1
対応分析法
対応分析法(AFC:Analysis Factorielle des Correspondences)は質的データの可視化を目的
としている分析法である。分析用データとしてクロス表を用いて、クロス表という多次元デー
タ表を、行と列の両方から分析を行う。つまり、行と列の関連性・対応を考察することを可能
とする分析手法である。そのため、自由回答アンケート等のテキストを分析する手法として使
用され、回答者の属性とアンケートから抽出されたキーワード間の関係を図ることを目的とし
ている。本稿ではキーワードとグループ間の関係を分析するために用いた。
5.2
分析結果
まず、図 5-1 に各キーワードの散布図を示す。続いて、図 5-2 で、(H)と(L)に属しているユ
ーザーの散布図を示す。また、図 5-3 では(HH・LH)と(HL・LL)の散布図を図示している。なお、
第一因子得点と第二因子得点の寄与率は 47%である。詳細な出力結果については付録・出力結
果 1∼3 を参照されたい。
図 5-1 より、右側には オーガニック 、 植物 、 成分 などの自然派化粧品の要素が強い
キーワードが、左側には シリーズ や パッケージ など従来化粧品の要素が強いキーワー
ドが位置していることが分かる。このことから、横軸は右に行けば行くほど自然派化粧品とし
ての要素が強く、自然派度を示していると定義できる。一方、縦軸は上にいけばいくほど、商
品情報として客観的に得やすいキーワードが、下のほうは、個人の感想や経験に基づいた商品
情報のキーワードが位置していると考えられる。このことから、縦軸を製品の外在的属性と定
義した。
図 5-2 より、(L)のユーザーは 価格 、 パッケージ 、 使い方 の位置を中心に固まってい
る。(H)は全体を網羅するように広がりを見せていることが分かる。
図 5-3 も同様に、(HL・LL)は固まっているが、(HH・LH)は全体に広がっているのが分かる。
また、両図においてブランドの位置と、自然派志向の高いグループの位置が同じであることも
読み取れる。
図 5-4 に、8 つの各グループにおける散らばりを、円形の線で囲んだものを示した。(H)と(HH・
LH)の散らばりは横に伸びているのに対して、 (L)と(HL・LL)の散らばりは縦に伸びている。ま
た、(LL)から(HL)、(LH)、(HH)に進むにつれて、縦から横の伸びに変わっている。(LH)はちら
39
ばりの面積が大きく、たくさんのキーワードを含んでいた。トイレットペーパーを分析対象と
した青木(2004)では環境への関心が高い低いに関わらず、製品の外在的属性の影響が弱いとい
う結果になっている。図 5−4 は、自然派化粧品への関与が低いグループ場合、製品の外在的属
性のほうが強く影響していることを示している。化粧品はトイレットペーパーよりも皮膚や体
に与える影響が大きいにも関わらず、外在的属性を重視している消費者が多い。このことは、
化粧品の特殊な製品特性を示していると考えられる。
5.3
まとめ
以上のことを踏まえて、(H)や(HH・LH)のような傾向として高い自然派志向を持つグループは、
効果 などの一般的な言葉を使用するユーザーと、 オーガニック 、 植物 など自然派化粧
品に強く関連すると考えられるキーワードを使用するユーザーが存在すると考えられる。つま
り、自然派志向の高いグループのユーザーは、従来製品の要素と自然派化粧品の要素を持つ、2
面性のあるユーザーであると考えられる。また、(HL)は多くのキーワードを含んでいることか
ら、化粧品が成り立つ色々な要素に興味がある消費者層であると考えられる。
40
0.8
0.6
ブランド
0.4
シリーズ
製
品
の
外
在
的
属
性
化学
価格クチコミ エコ
パッケージ
使い方
思う
効果
好き 香り
0.2
0
-0.2
-0.4
オーガニック
植物
成分
感触
-0.4
-0.2
0
0.4
0.6
0.8
自然派度 図5-1 対応分析によるキーワードの散布図
41
H…△
L…▼
0.8
0.6
△ △
0.4
▼▼
0.2
0
-2.4
-0.2
-0.4
△
△
△
△
▼ △
▼
▼ △
▼
△△▼
▼
▼▼
▼ ▼△
△
▼
△
▼ ▼
△△
▼
▼ ▼▼ △
△
▼
△
▼
▼
△
▼▼
△
▼
▼
▼▼△▼
▼
△
△
△
△△
△
△△
△
△
△
▼
-0.2
0
0.4
0.6
0.8
図5-2 対応分析による(H)と(L)ユーザーの散布図
HH・LH…△
HL ・LL…▼
0.8
0.6
△△
0.4
▼▼
0.2
0
-2.4
-0.2
-0.4
△
▼
△
▼
△
▼ ▼△▼
▼▼ ▼
▼
△
▼
△ △▼
△
△
△
▼ △
▼
△△
▼
△ ▼△ △
▼
▼
▼
△
▼
▼
△
▼▼
△
▼
▼▼△
△
▼
▼
▼
△
▼
△ △
△
△△ △
△
△
-0.2
0
0.4
0.6
0.8
図5-3 対応分析による(HH・LH)と(HL・LL)ユーザーの散布図
42
0.8
0.8
0.6
0.6
ブランド
0.4
製
品
の
外
在
的
属
性
H
シリーズ
化学
価格クチコミ エコ
パッケージ
使い方
思う
効果
好き 香り
0.2
0
-0.2
-0.4
0.2
オーガニック
植物
成分
-0.2
0
-0.2
-0.4
感触
-0.4
0
0.4
0.6
0.8
-0.4
自然派度 -0.2
0
0.4
0.6
0.8
自然派度 0.8
0.8
0.6
0.6
HL・LL
0.4
LL
LL
0.4
HH・LH
製
品
の
外
在
的
属
性
L
0.4
0.2
0.2
0
0
-0.2
-0.2
-0.4
-0.4
-0.4
-0.2
0
0.4
0.6
0.8
HL
LL
LH
HH
-0.4
自然派度 -0.2
0
0.4
0.6
0.8
自然派度 図5−4 対応分析の散布図の結果のまとめ
43
6.おわりに
6.1
要約
本稿では自然派という新たな化粧品分野に対して、自然派の程度とクチコミから得られるキ
ーワードの関係の分析を試みた。クチコミサイト C から、化粧水を対象として投稿されたクチ
コミなどのデータを抽出した。投稿されたクチコミの文章を、同類語毎にまとめキーワードと
して、キーワードごとの出現件数を算出し、そのデータを変数として分析に使用した。また、
抽出されたデータに対して、本研究で定義した尺度のもとで自然派得点を付け、その自然派得
点を利用して 8 つのグループ分類を行った。従来の化粧品と自然派化粧品を区別し、図 6 で示
した購買パターンを規定する要因を、クチコミの内容および消費者属性から明らかにし、自然
派化粧品を求める消費者の実態を検証した。
自然派の程度によりグループ化を行い、分析を行った結果、自然派を規定するいくつかの特
性が抽出された。図6-1、図6-2にその分析結果をまとめ、その特徴として明らかになったこと
を以下に述べる。
はじめに、仮説についての結論を述べる。自然派得点の高いユーザーはクチコミ数、クチコ
ミの内容において、自然派得点の低いユーザーと異なる特性を持つということが分かった。本
稿で使用したデータは、個人属性が、年代、肌質、髪質、髪量と限定されており十分でなかっ
た。そのため、個人属性においては明確な結論を述べることは難しい。しかし、クチコミ数、
クチコミ内容においては自然派化粧品を愛用するユーザーとそうでないユーザーの間では明ら
かな差を見ることができた。以下では詳細について述べていく。
(H)グループのユーザーは、植物成分や成分自体に関心はあるが、それ以外の効果やブランド
へのこだわりや関心は見られなかった。また、従来製品を好んで使用するユーザーに比べて、
このグループは自分の化粧品選択の軸は自然・低刺激だとしているユーザーが多く、クチコミ
の投稿件数が極端に少ないことが特徴的であった。このことから、彼らは植物成分には関心が
あるが、製品や製品の植物成分・成分が作られる工程までは関心が及んでいないと考えられる。
また、クチコミ投稿数が少ないことから、いくつかの製品を継続して使用しているリピーター
であることや、情報発信者としての役割を好まないなどの行動が推測される。
次に、
(HH・LH)グループの特徴について述べる。製品の自然派得点が高い傾向を持つグルー
プは、ユーザーが20代、自然・低刺激派である割合が高く、 成分
植物
香り への発言率
が高いことが明らかになった。 成分 、 植物 への関心があることから、健康志向を持ち合わ
44
せている消費者層であると考えられる。20代は、現代の就職や結婚、出産といったライフスタ
イルの変化が多い年代でもあり、健康志向を高めるきっかけも多い年代でもある。彼らが就職
し、所得が増加することで、自らの健康志向を満足させるような消費行動を行うようになるの
ではないか。また、環境配慮製品として健康意識・環境意識の両方の要素が持つ有機農作物は、
大学教育の有無によって購入率が変わることが示されている(Thampson (1998))。このことから、
環境教育を受けていると思われる20代と自然派化粧品志向の関連性は重要な点であり、健康と
環境を思考的に繋げる工夫が、長期的な観点から見ると環境意識を高めることになるかもしれ
ない。
(HL・LL)グループのユーザーは、40代の割合が多く、スキンケア、カウンセリング、外
資ブランドを好むタイプであることが明らかになった。また、
感触 への発言率が高いこと
も分かった。年齢層の高いユーザーを含むこのグループは、肌を綺麗に保つことに高い関心を
持っており、外資ブランドの多いデパートなどでカウンセリングを受けるような消費者層であ
ると推測される。
HL
自然派化粧品
LH
HH
従来の化粧
品
LL
Ⅰ 自然派化粧品を継続使用
Ⅱ 従来の化粧品から自然派化粧品に移行
Ⅲ 自然派化粧品から従来化粧品に移行
Ⅳ 従来の化粧品を継続使用
図6-1 化粧品購買に関する消費者の行動パターン
また、
「はじめに」で述べた自然派化粧品と従来の化粧品の間で起こると予想される 4 つの購
買パターンをもつそれぞれの消費者については(図 6)、これまでの分析結果をまとめた図 6-2、
図 6-3 から読み取る。図 6-2 は差の検定結果をまとめたものである。まず、(HH・LH) と(HL・
LL)の間で明らかになった特徴の差から、(HH・LH)のグループ内で比較を行った結果、 (HL)と
(LL)の間で比較を行った結果である。図 6-3 は、図 6-2 の差の検定、CHAID 分析、対応分析に
おける各グループの特徴をまとめたものである。(HH)の特徴を太文字で、
(LL)の特徴を下線で
示した。Ⅰの自然派化粧品のへービーユーザーである消費者は、自然・低刺激派の選択率が
100%のことからも自然派化粧品という化粧品分野に高い関心を持っていることが分かる。彼
らが自然・低刺激派であること、植物成分や香りに関心があることから、この要素は自然派化
粧品愛用者として定着するための条件であると考えられる。Ⅱの自然派化粧品を積極的になっ
た消費者は、(HH)と(LL)の特徴を有していることから、2 面性を持つユーザー層であることが
分かる。つまり、自然派化粧品を楽しみながらも、様々な化粧品要素を求める、LOHAS 層で
45
あると考えられる。次に、Ⅲの自然派化粧品の購入が消極的になった消費者は、彼らのクチコ
ミ投稿数の平均が非常に高いことや、スキンケアや外資ブランドに高い関心を持っていること
から、情報発信者としての役割や、様々な化粧品を試行的に購買している、強い探究心持つ消
費者層であると考えられる。おそらく、自然派化粧品はその過程で使用されたが、効果・効能
がはっきりと実感できる製品ではないと考え、従来の化粧品に戻っているのではないだろうか。
最後に、Ⅳの従来の化粧品を好んで使用する消費者について述べる。製品のパッケージ、効果
に関心のある消費者であり、一部のユーザーは非常に多くの化粧品を使用し、そのクチコミを
投稿していることも特徴的である。しかし、彼らは(HL) と比較して、 エコ の環境要素を含
むキーワードの発言をしており、自然派傾向が下降した(HL)よりも、自然派化粧品の要素に関
心かもしれないと考えられる。
また、Vinin and Ebreo(1990)の先行研究では、環境意識の高さと環境配慮的商品の購買
は結びつきにくいとしていた。分析結果において、 エコ などの環境配慮に関わるような
発言率は消極的であった。そのため、環境配慮製品の要素はクチコミなどで人に伝達され
る機会が少なく、このことが購買行動と意識の結合を妨げる要因の一つになっているので
はないかと考えられる。Tanner et al.(2004)の先行研究では、環境に配慮した食品の購
買行動を対象とし、ある一つの環境配慮的行動をとる消費者は他の環境配慮的行動もとり
やすいとしていた。分析結果から、自然派化粧品を好むユーザーの特徴として オーガニ
ック と エコ の両方を取り上げることが出来なかった。 オーガニック は環境配慮製
品の購入として、 エコ はリサイクル行動としての要素を含んでいる。本稿においては、
2 つの側面を合わせて持っている消費者層を見つけることが出来なかった。これは自然派
化粧品の特性で、有機農産物には見られない
香り という要素が影響していることも考
えられる。
46
20代
タ:自然・低刺激
キ:成分・植物・香り
HH・LH
HH
―
LH
キ:パッケージ・使い方
HL
平均クチコミ投稿件数
LL
キ:好き・エコ
ユーザー
40代
タ:スキンケアの鬼
外資ブランド好き
カウンセリング
キ:感触
HL・LL
図6-2 差の検定結果のまとめ
HL
HH
外資ブランド
情報発信者・探求者
内在的属性:感触
変動要因
自然・低刺激
内在的属性:植物・香り
LL
定着条件
LH
内在的属性:効果
外在的属性:エコ・好き・パッケージ
自然・低刺激 外資ブランド
内在的属性:植物・香り・効果
外在的属性:パッケージ・価格
HL・LL
HH・LH
香りにこだわり、植物成分からなる自然派
デパート好きで、従来製品を使用する幅広
化粧品を使用する若年齢層が中心のユー
い年齢層のユーザー
ザー
図6-3 分析結果のまとめ
47
6.2
実務的な含意
自然派化粧品の各ブランドにとって重要なのは、ターゲットが植物成分を重視していることや
香りへのこだわりを持っていることと思われる。まず、成分に関しては、その情報を消費者に分
かりやすく掲示することが重要である。彼らのクチコミの文章からは、
「成分表を見てもよくわか
らない」、
「原料の由来植物を知りたい」
、とったようなやりとりがよくみられる。このように、自
然派水準の高いユーザーが成分について多くのクチコミをしている理由の一つとして、成分の原
料が何か分からないことが挙げられる。そのため、成分の原料をパッケージや HP 等で、消費者
に分り易く伝えることが重要になるだろう。また当然のことながら、彼らの多くは、 自然派 や
低刺激 を連想させるような製品のイメージを好むため、
「肌にやさしい」
、
「植物使用」
、
「天然」
などの 自然 や 低刺激 を連想するような製品イメージ作りは必要不可欠である。
各グループの持つ特徴をまとめた図6-3より、(LL)から(LH)、(LH)から(HH)または(HL)に分岐し
ていると考えられる。そのため、自然派化粧品マーケットの拡大のために重要な消費者層である
(LH)をターゲットとして注目したい。
年齢層は20代を中心として若い年齢層がターゲットとなる。(LH)が(HH) の消費者層として定着
するための条件として、化粧品のタイプを自然・低刺激派にすることが当然ながら必要となる。
その自然・低刺激派化粧品の開発において、知覚品質が植物成分や香りであることを踏まえ、
(LL)
や(LH)の消費者層の欲求を満足させるために、性質・効能の情報提供を行うことが重要である。
例えば、現在の自然派化粧品では、試供品の提供や小容量製品の販売などがあまり行われていな
いため、このようなプロモーションを積極的に行うことによって、情報提供の役割の一環を担う
ことが可能であると考えられる。また、「有機JAS」で代表されるように、民間により日本の自然
派化粧品品質を保証することも情報提供機関として大きな役割を果たすであろう。また、それに
加えて、外資ブランドのような高級イメージを付加することも、変動要因を満たす製品作りとし
て提案される。
自然派化粧品のブランドイメージとしては、
「天然の効能」や「体に良い」といった健康意識の
側面に加えて、高級感や贅沢品の要素で、おしゃれ意識を製品に加えることが重要であることが
分かった。つまり、従来の自然派化粧品のイメージであるシンプル感やナチュラル感ではなく、
高級感のあるデザイン性を持った自然派化粧品の開発が、よりたくさんの消費者層の欲求を満足
させ、自然派化粧品マーケットの拡大につながると思われる。
最後に、このような自然派化粧品に、環境配慮の取り組み情報を加味することは重要である。
なぜなら、高品質な自然派化粧品と環境配慮のイメージを結合させることができたならば、健康
意識だけでなく、環境意識を向上させることにつながり、エコマーケティングの拡大を促すこと
ができると考えられる。
48
6.3
問題点と今後の課題
本稿は自然派得点を付けることにより、各ユーザーの自然派の程度を算出し、投稿されたクチ
コミとの関係を調べていった。その過程において、どのような問題点があり、研究の発展性のた
めにはどのような課題が考えられるかを述べていく。
まず、本稿の問題点について述べる。データの情報源としてクチコミサイトCのみを利用してい
ることが挙げられる。インターネット上の情報だけでなく、インタービューやアンケートなどで
消費者の意見や考えを収集することで、本稿で使用したデータの偏りや、製品の自然派得点の客
観性の吟味、不足している情報を補完する、などと言ったことが可能になったであろう。また、
製品の自然派得点の付け方には順序尺度を利用したが、平均値を利用した分析を行っている。こ
のことは結果に少なからず影響を与えていると考えられる。また、得点化をした製品を化粧水だ
けに絞っていることや、対象とした製品に投稿されたクチコミ内容全体の肯定・否定の区別を行
っていないこと、正確な時間的変化を見てないことが挙げられる。また、分析方法として使用し
たテキストマイニングにおいては、高度な利用法をとっていない。単語レベルでの分析であり、
係り受け情報の活用にまで至っていない。
次に、今後の課題を述べる。自然派志向の高いユーザーのデータをより詳細に観察し、結果に
反映することが考えられる。また、製品の自然派得点とキーワードにどのような関係性が見られ
るかを分析することも考えられる。分析手順の課題としては、得られたキーワード間の共起性に
ついての分析も行っていないことや、キーワードとキーワードの繋がりを分析することを行って
いないことが挙げられる。長期的な視点でさらに研究を進めるとしたら、分析対象の化粧品をス
キンケア用品だけでなく、メイクアップ用品、ヘアケア用品に広げることや、個別にインタビュ
ーやアンケートをすることによって、具体的な消費者の声を集めることが考えられる。
49
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51
付録・資料
テキストマイニングのための類似語辞書
チコミ 口コミ アドバイス 人気 評判 噂 周り 知り合い 友達 友だち 友人 知人 家族 母親 母 お母さん
妹 姉さん みなさん 皆さん 皆 ユーザー テレビ 雑誌 佐伯
好き 気に入る 好感 好ましい 好む 良好 良い グッド 大好き たまらない 幸せ リピート リピ 繰り返し
愛用 常備 ストック まとめ買い 買いだめ ファン 継続 続ける 持続 続く お気に入り 嬉しい うれしい
喜ぶ 気持ちいい 落ち着く リラックス 癒し 癒される 心地よい リフレッシュ おすすめ 薦める 勧める す
すめる ススメ オススメ 最高 一番 ベスト すがる 頼る 頼り 救世主 助かる 運命 出会い 出会う レス
キュー 助ける 肌に合う 肌にあう 調子がいい 調子が良い 素敵 優しい やさしい 穏やか おだやか ま
ろやか 可愛い かわいい 優秀 優れた 高級 ゴージャス 贅沢 魅力 惹く きれい キレイ 綺麗 感激 感動
期待 楽しみ 楽しい 楽しめる 楽 回復 治る 興味 興味津々 十分 充分 じゅうぶん 足りる 欲しい ほし
い 求める お陰 おかげ お世話 満足 改善 気持ちよい 気持ち良い 素晴らしい すばらしい 抜群 爽や
安心 安全 肌にやさしい 大丈夫 信用 信じる 信頼 認証
動物 馬
エコ 詰め替える 詰め替え 詰替え 詰替える
成分 配合 エキス 含む 含有 原料 中身 グリセリン ヒアルロン スーパーヒアルロン ヒアルロン酸 クエ
ン クエン酸 アミノ酸 カリウム グルタミン酸 ミネラル グリチルリチン アスコルビン アスタキサンチン ナ
トリウム セラミド ビタミン レチノール フェノキシ 塩 パラベン イソプロピルメチルフェノール メチルパラ
ベン 硫酸 エタノール フェノキシエタノール アルコール Alcohol 水酸化 pH 弱酸性 アルカリ性 エッセ
ンス 弱酸 乳酸 表示 防腐 界面 ポリマー 由来 抽出
色 ピンク 赤い 青 赤 青っぽい 青い 茶色い 茶色 白い 白 無色 白濁 着色 白系
嫌い 嫌 駄目 だめ ダメ 失敗 ひどい 悪い 酷い 最悪 心配 不安 怖い 安物 ショック 疑問 危険 毒性
苦手 痛い きつい 辛い 刺激 ピリ 真っ赤 キツイ 赤み 面倒 大変 肌荒れ ボロボロ ガサガサ 荒れる
ぼろぼろ ニキビ 吹き出物 吹出物 おでき 湿疹 にきび ブツブツ プツプツ かぶれる 痒い 困る 悪化
肌に合わない 肌にあわない 問題 トラブル 面倒 手間 我慢 耐える 間違い 違う ちがう 不十分 物足り
ない 不足 浮気 中止 止める やめる 残念 イマイチ しつこい 疲れる 不満 抵抗 飽きる 不快
香り におい 臭い 匂う 鼻 匂い 香料 香 くさい 青臭い 芳香 香る 無臭
価格 値段 定価 税込 単価 ドル ユーロ 価値 安い 安め 安価 安売り 高い 高価格 高額 高め たかめ
コスト 費用 出費 手軽 手頃 コストパフォーマンス コスパ コス パ 割引 半額 セール 送料 お金 財布
高価 無料
パッケージ 外見 みため 見た目 デザイン ボトル 容器 入れ物 ビン プラスチック ガラス 入れ物 蓋 フ
タ リニューアル リニュ 名前 名 ネーミング 印象 イメージ 記憶 覚える タイプ 見える
表現 言葉 文字 文句 謳う
効果 効き目 効く 作用 働き 働く 機能 反応 発揮 役割 役目 美白 ホワイトニング すべすべ スベスベ
ハリ プリプリ ふっくら 張る 張り 弾力 保湿 潤う 瑞々しい 潤い うるおう みずみずしい 保水 保 引きし
まる キュッ 引き締まる 引き締る ふっくら モチ もちもち モチモチ もち モッチリ モチッ しっとり シットリ
老化 アンチエイジング 消炎 収斂 収れん おさまる 沈静 鎮静 補う 補給 透明 透きとおる 透通る クリ
ア 柔らかい やわらかい 柔軟 整える 整う くすみ 角質 くすむ ケア ツヤ 引き締め 引き締める ひきし
品質
サンプル サンプルパウチ 試供品 試供 試す 試し トライ トライアル テスター 頂く いただく もらう プレ
ゼント いただける
すごい 凄い すっごい ものすごい かなり 物凄い
即効 速攻 速効 急 急激 劇的 瞬間 一瞬 瞬時 早い
容量 ml サイズ 量 小瓶 小さい ちっちゃい ミニ ミニサイズ 少量 微量 かすか 少ない 若干 微妙 減る
へる 大瓶 大きい でかい 多量 たくさん 沢山 多い ドバドバ 大量 たっぷり バシャバシャ パシャパシャ
濃度 コク 弱い 薄い 濃い 濃厚 濃縮 強い
体質 アトピー アレルギー 荒れ性
肌 はだ スキン 皮膚 皮膜 皮 乾燥 ドライ 乾く カサカサ エアコン オイリー 脂性 テカリ 状態 状況 調
子 コンディション 具合 皮脂 敏感 シワ シミ たるみ 顔色 ジワ 黒ずみ
洗顔 洗う クレンジング ミルクレ 洗い流す 石鹸 石けん ミルククレンジング クレンジングミルク
会社 企業 国内 日本 本国 沖縄 海外 外資 ドイツ オーストラリア フランス 豪州
必要 必須 重要 重
52
思う 気分 気持ち おもう 思い 実感 感じる かんじる 感覚 感じ 見る 考える 思える 気持 体験 経験
びっくり ビックリ 驚く おどろく 驚き
わかる 分かる 判る 解る 知る 発見
パワー 力 持つ 威力
オイル スクワラン 油 油分 精油
水 水分 精製 ウォーター
植物 ナチュラル 天然 自然 蒸留 ハーブ ネロリ カレンドラ ラベンダー 薬草 大豆 ハトムギ へちま ヘ
チマ ジャスミン アロエ 柑橘 レモン オレンジ ローズマリー モスカータバラ グレープフルーツ 納豆 リ
ンゴ 桃 モモ ビワ ワレモコウ トマト 薔薇 ローズ バラ ばら ワイルドローズ 花梨 果実 果汁 アロマ ア
ロアソ 手作り 自作 栽培 ざくろ ブドウ フローラルウォーター ハマメリス 葉 花 フラワー アヤメ カモ
オーガニックコスメ オーガニック 有機 農薬
人工 化学 合成 ケミカル ケミ 添加 医薬
感触 テクスチャー テクスチャ 肌触り 手触り サッパリ 突っ張る つっぱる ツッパル ツッパリ 清涼
スースー べたつく ベタ ベタッ ベタつく べとつく 重い 重たい べた付く ベド ベドベド ペタペタ ベト 軽い
サラ サラッ トロ とろみ 馴染む なじむ 吸い込む 浸透 浸みる 沁みる 染み込む しみ込む しみこむ 吸
収 しみる
シリーズ ライン 揃える セット キット 種類 モイストタイプ
決定 決める きめる キメる
使い方 方法 仕方 用途 使い道 皮剥 ふき取る 拭き取る 拭取る ふきとる 除去 落す 冷蔵庫 冷やす
ミスト ミス ト スプレー 吹き付ける シュッ シュ シューッ シート コットン パッティング 湿る パック 処方
手入れ 湿す 吹きかける シンプルケア スチーム マッサージ 使い分ける
使い勝手
風呂 入浴
体 ボディ 顔 フェイス 頬 首 ネック デコルテ 目 目元 目もと 目の下 口元 口 唇 毛穴 指 頭 手の甲 背
中腕
悩む なやむ 悩み 悩ます
迷う まよう
慣れる なれる
普段 通常 定番 常用 常備 毎日 基本 スタンダード ベース レギュラー
店 店舗 DFS ショップ スーパー デパート 百貨 伊勢丹 店頭 カウンター 店員 BA 薬局 ドラッグストア
通販 ネット 販売 売る 親切 丁寧 診断
消える なくなる 無くなる 無し ナシ
現在 今回 今年 今
最初 始め 当初 はじめ 初め
未来 今後 こん後 今度 次回 次 その後 後日 来年
朝 翌朝 翌日
夜 ナイト
過去 昔 当時 以前 昨日 先日 去年 昨年 直後
最終 結局 結果
控える 抑える ひかえる
好み 好き嫌い
変化 変わる
変更 変える
内側 内部
季節 時期 秋冬 夏 暑い 夏場 蒸し暑い 真夏 8月 秋 9月 冬 冬場 寒い 真冬 春 春先 花粉
一緒 併用 重ね 重ねる 組み合わせる 混ぜる 併せる 組み合わせ コンビ
比較 比べる
同様 同じ
53
原因
挑戦 チャレンジ
年齢 年
美容
旅行 トラベル
特有 特徴 独特 個性 目立つ 顕著 スペシャル
ブランド メーカー ジュリーク ジェルアメ アメ ミストアメリオーレ DS AG ロザエ ヴェレダ アイリス アー
モンド アテニア エクモイ アベンヌ アルビオン エクシア エクシアホワイト AL コルセス セラムローショ
ン イグニス ハウシュカ ゲラン ゲラ オーブリー ベガコル オルビス アクアフォース レザン クリニーク
ユリアージ フロリアル ファンケル コーセー コスメデコルテ モイリポ コスデコ AQ サーキュレーション
雪肌 ソニア イドプル 資生堂 ホワイティア クレドポーボーテ クレド ローションタンドル セラムシネル
ジック ボーテ アユーラ 花王 エスト ソフィーナ アルブラン コープ ソワン・ドー ドモホルンリンクル ア
ルージェ ブルガリア エビアン アンナトゥモール ピュアローション ノエビア ドゥラメールニュクス ヘー
ラールーノ オードムーゲ エスティ オラクル オプティマイザー アスタキュア マルティナ ニュクス トゥ
ヴェール ドゥラメール ガスール ライズ キオラ エクホワ エクストラリッチ Extract extract サノフロール
表 3-18 の検定結果の補足(個人ごと)
キーワード
成分
植物
化学
香り
効果
感触
ブランド
パッケージ
価格
エコ
オーガニック
クチコミ
使い方
好き
嫌い
思う
HH,HL
-0.38
0.20
-1.19
0.13
-1.46
-1.38
-1.27
-1.24
-0.88
8.12 ***
-0.45
-1.21
-1.71
-0.72
-0.85
-1.02
HH,LH
-0.61
-0.46
0.11
0.13
-1.67
-0.99
-1.65
-1.80 *
0.25
-0.49
-0.36
-1.21
-1.77 *
-1.51
-1.41
-1.42
HH,LL
-0.59
0.37
-1.20
-2.60 **
-4.28 ***
-3.96 ***
-2.09 **
-2.95 ***
-3.46 ***
-1.22
0.31
-4.23 ***
-3.68 ***
-4.55 ***
-4.05 ***
-3.90 ***
HL,LH
-0.10
-0.54
1.21
-1.80 *
-0.75
0.03
0.01
-1.01
1.11
-2.47 **
0.00
-1.02
-0.89
-1.83 *
-0.10
0.39
HL,LL
0.04
0.06
0.15
-2.85 ***
-3.43 ***
-3.23 ***
-1.17
-2.29 ***
-2.93 ***
-2.45 **
0.72
-2.54 **
-2.51 **
-2.59 **
-2.77 **
-2.85 **
LH,LL
0.35
0.68
-1.21
-0.57
-2.15 **
-3.07 ***
-1.25
-1.29
-3.58 ***
-0.64
0.57
-0.42
-1.14
-2.54 **
-2.65 ***
-1.74
HL,LH
-0.99
-1.12
0.96
-2.49 **
-0.78
0.59
-0.54
-1.05
1.22
-1.84 *
1.72
-1.41
-1.11
-1.97
-0.93
-1.42
HL,LL
0.75
1.00
1.49
0.37
-0.74
-1.59
0.08
-0.27
-0.23
-2.30 **
1.18
-0.30
0.45
-2.29 **
-0.70
-1.61
LH,LL
1.73
2.18 **
0.44
2.73 **
-0.22
1.94 *
0.70
1.00
-1.33
0.95
1.01
1.35
1.70
-0.30
0.27
0.38
表 3-19 の検定結果の補足(クチコミ文章ごと)
キーワード
成分
植物
化学
香り
効果
感触
ブランド
パッケージ
価格
エコ
オーガニック
クチコミ
使い方
好き
嫌い
思う
HH,HL
0.89
1.66
0.15
2.03 *
-0.42
-0.69
-0.57
-0.52
-0.02
2.17 **
0.43
-0.20
-0.61
1.43
0.60
0.19
HH,LH
-0.22
0.33
1.07
-1.01
-1.44
-0.05
-1.19
-1.87 *
1.16
0.07
0.78
-1.65
-1.85 *
-1.03
-0.47
-1.30
HH,LL
1.87 *
3.22 **
1.55
2.41 **
-1.38
-2.09 **
-0.58
-1.22
-0.24
1.12
1.50
-0.61
-0.22
-0.85
-0.04
-1.40
54
出力結果1:(H),(L)グループの出力結果(累積寄与率:47.17)
列・変数名 因子得点1 因子得点2 行・変数名 因子得点1 因子得点2
エコ
0.493
0.777 L12
-0.528
0.890
オーガニック
2.570
0.735 H6
-0.246
0.111
クチコミ
-0.313
0.873 H8
-0.065
-1.045
シリーズ
-1.017
1.364 L3
-1.074
-1.629
好き
-0.433
-0.379 H2
-0.030
2.801
パッケージ
-0.654
0.574 L29
-0.899
-0.723
ブランド
-0.098
3.331 H27
-0.957
1.147
価格
-0.766
0.744 H4
1.255
-0.880
感触
-0.415
-1.920 H19
-0.274
2.838
嫌い
-0.294
-0.040 H23
-0.815
-0.694
効果
-0.251
-0.285 L30
-0.995
0.429
香り
0.170
-0.632 L32
-0.785
0.101
使い方
-0.052
0.201 H30
-0.850
0.381
思う
-0.431
-0.190 H18
0.039
-0.569
植物
2.961
0.155 H10
-0.172
1.024
成分
2.87
-0.200 H7
2.658
-0.277
化学
0.448
1.069 L5
-0.875
-1.152
H16
3.002
1.642
H32
-0.713
0.241
L1
-0.961
-0.514
H3
-0.617
-1.290
L6
-0.442
-1.342
H24
2.239
0.415
H25
1.450
-0.145
H11
2.079
-0.451
H1
1.145
0.034
H29
1.876
-0.964
H14
-0.582
-0.056
H26
2.042
1.033
L20
-1.045
-0.956
H15
-0.246
0.142
H5
0.589
0.104
H9
1.773
-0.926
L10
-1.186
-0.036
H21
-0.314
0.677
L2
-0.769
-1.264
H13
-0.849
-0.900
L16
-1.012
1.719
H22
-0.714
-0.194
L15
-0.118
0.868
H28
-0.377
1.431
H12
0.601
-0.773
L8
-0.062
-1.075
L18
-0.665
0.127
L13
-0.730
-0.032
L19
-0.991
0.273
L28
-0.307
-0.479
H20
-0.436
1.482
L22
-0.899
-0.689
L23
0.471
-0.310
L11
-0.962
0.129
H17
2.320
-0.314
L14
-0.788
0.629
L31
-0.403
-0.009
L4
0.003
-0.799
L9
0.208
-2.115
L21
-0.885
-0.914
L17
-0.566
0.391
L26
-0.497
-0.398
H31
1.205
0.373
L7
0.035
-0.844
L27
0.634
0.102
L25
-0.874
-1.194
L24
-0.755
1.765
55
出力結果2:(HH・LH),(HL・LL)グループの出力結果(累積寄与率:47.17)
列・変数名 因子得点1因子得点2行・変数名因子得点1 因子得点2
エコ
0.49
0.78 HH・LH1
-0.96
-0.51
オーガニックコスメ 2.57
0.73 HH・LH2
-0.06
-1.04
クチコミ
-0.31
0.87 HH・LH3
-0.78
0.10
シリーズ
-1.02
1.36 HH・LH4
-0.25
0.11
好き
-0.43
-0.38 HH・LH5
-0.85
-0.90
パッケージ
-0.65
0.57 HH・LH6
-0.58
-0.06
ブランド
-0.10
3.33 HH・LH7
-0.62
-1.29
価格
-0.77
0.74 HH・LH8
-0.03
2.80
感触
-0.42
-1.92 HH・LH9
-0.27
2.84
嫌い
-0.29
-0.04 HH・LH10
1.25
-0.88
効果
-0.25
-0.28 HH・LH11
1.45
-0.15
香り
0.17
-0.63 HH・LH12
0.60
-0.77
使い方
-0.05
0.20 HH・LH13
0.59
0.10
思う
-0.43
-0.19 HH・LH14
1.15
0.03
植物
2.96
0.15 HH・LH15
-0.38
1.43
成分
2.87
-0.20 HH・LH16
2.66
-0.28
化学
0.45
1.07 HH・LH17
1.77
-0.93
HH・LH18
2.08
-0.45
HH・LH19
2.32
-0.31
HL・LL1
-0.96
1.15
HL・LL2
-1.07
-1.63
HL・LL3
-1.00
0.43
HL・LL4
-0.82
-0.69
HL・LL5
-0.85
0.38
HL・LL6
-0.90
-0.72
HL・LL7
-0.53
0.89
HL・LL8
-0.06
-1.08
HL・LL9
-0.77
-1.26
HL・LL10
-0.44
1.48
HL・LL11
-0.25
0.14
HL・LL12
2.04
1.03
HL・LL13
1.21
0.37
HH・LH20
-0.71
-0.19
HH・LH21
-0.66
0.13
HH・LH22
-0.71
0.24
HH・LH23
0.04
-0.57
HH・LH24
-0.44
-1.34
HH・LH25
-0.17
1.02
HH・LH26
-0.31
0.68
HH・LH27
-0.31
-0.48
HH・LH28
1.88
-0.96
HH・LH29
-0.40
-0.01
HH・LH30
2.24
0.42
HH・LH31
3.00
1.64
HH・LH32
0.63
0.10
HL・LL14
-1.19
-0.04
HL・LL15
-1.04
-0.96
HL・LL16
-1.01
1.72
HL・LL17
-0.88
-0.91
HL・LL18
-0.12
0.87
HL・LL19
-0.88
-1.15
HL・LL20
-0.50
-0.40
HL・LL21
-0.90
-0.69
HL・LL22
-0.99
0.27
HL・LL23
-0.79
0.63
HL・LL24
-0.96
0.13
HL・LL25
-0.87
-1.19
HL・LL26
-0.73
-0.03
HL・LL27
-0.57
0.39
HL・LL28
-0.76
1.77
HL・LL29
0.21
-2.12
HL・LL30
0.47
-0.31
HL・LL31
0.00
-0.80
HL・LL32
0.04
-0.84
56
出力結果3:(HH)(LH)(HL)(LL)グループの出力結果(累積寄与率:47.17)
列・変数名 因子得点1因子得点2行・変数名因子得点1 因子得点2
エコ
0.49
0.78 HH1
-0.96
-0.51
オーガニックコスメ 2.57
0.73 HH2
-0.06
-1.04
クチコミ
-0.31
0.87 HH3
-0.78
0.10
シリーズ
-1.02
1.36 HH4
-0.25
0.11
好き
-0.43
-0.38 HH5
-0.85
-0.90
パッケージ
-0.65
0.57 HH6
-0.58
-0.06
ブランド
-0.10
3.33 HH7
-0.62
-1.29
価格
-0.77
0.74 HH8
-0.03
2.80
感触
-0.42
-1.92 HH9
-0.27
2.84
嫌い
-0.29
-0.04 HH10
1.25
-0.88
効果
-0.25
-0.28 HH11
1.45
-0.15
香り
0.17
-0.63 HH12
0.60
-0.77
使い方
-0.05
0.20 HH13
0.59
0.10
思う
-0.43
-0.19 HH14
1.15
0.03
植物
2.96
0.15 HH15
-0.38
1.43
成分
2.87
-0.20 HH16
2.66
-0.28
化学
0.45
1.07 HH17
1.77
-0.93
HH18
2.08
-0.45
HH19
2.32
-0.31
HL1
-0.96
1.15
HL2
-1.07
-1.63
HL3
-1.00
0.43
HL4
-0.82
-0.69
HL5
-0.85
0.38
HL6
-0.90
-0.72
HL7
-0.53
0.89
HL8
-0.06
-1.08
HL9
-0.77
-1.26
HL10
-0.44
1.48
HL11
-0.25
0.14
HL12
2.04
1.03
HL13
1.21
0.37
LH1
-0.71
-0.19
LH2
-0.66
0.13
LH3
-0.71
0.24
LH4
0.04
-0.57
LH5
-0.44
-1.34
LH6
-0.17
1.02
LH7
-0.31
0.68
LH8
-0.31
-0.48
LH9
1.88
-0.96
LH10
-0.40
-0.01
LH11
2.24
0.42
LH12
3.00
1.64
LH13
0.63
0.10
LL1
-1.19
-0.04
LL2
-1.04
-0.96
LL3
-1.01
1.72
LL4
-0.88
-0.91
LL5
-0.12
0.87
LL6
-0.88
-1.15
LL7
-0.50
-0.40
LL8
-0.90
-0.69
LL9
-0.99
0.27
LL10
-0.79
0.63
LL11
-0.96
0.13
LL12
-0.87
-1.19
LL13
-0.73
-0.03
LL14
-0.57
0.39
LL15
-0.76
1.77
LL16
0.21
-2.12
LL17
0.47
-0.31
LL18
0.00
-0.80
LL19
0.04
-0.84
57
2つのグループ間における前半・後半のキーワード出現頻度の変化率と差の合計と比較検定結果
差
変化率
キーワード
t値
t値
HH・LH
HL・LL
HH・LH
HL・LL
エコ
-2.0
-4.0
0.54
-3.0
-2.5
-0.23
オーガニック
-8.0
-2.0
-1.16
-3.5
-4.0
0.15
クチコミ
-43.0
-96.2
1.05
8.4
-29.0
0.07
シリーズ
-16.0
-56.3
0.45
4.3
-51.9
-0.39
パッケージ
-8.0
-39.0
0.06
-14.3
-102.0
1.76 *
ブランド
0.0
-26.2
0.65
8.3
-51.9
0.28
化学
-7.0
-137.3
1.69 *
3.2
-71.7
0.63
価格
10.0
-22.7
0.88
-3.3
-10.5
0.66
感触
13.0
-7.3
2.51 **
2.7
-16.1
1.11
嫌い
-38.0
-124.9
0.78
24.4
-35.5
1.81 *
効果
-48.0
-98.1
1.39
7.4
6.8
0.66
好き
-11.0
-21.2
-3.72 ***
-7.8
-31.8
0.17
香り
-60.0
-63.1
0.69
-6.2
-2.8
-1.82 *
使い方
-48.0
-68.0
1.09
12.1
-11.8
1.94 *
思う
4.0
-61.6
0.80
-12.5
-21.1
2.04 **
植物
-34.0
-35.8
1.12
8.6
5.1
1.86 *
成分
-23.0
-46.3
0.40
2.3
-9.8
1.12
注)分析の際は個人ごとのデータで、後半の出現頻度−前半の出現頻度を 差 、
後半の出現頻度−前半の出現頻度/前半の出現頻度を 変化率 とし、検定を行っている。
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
4つのグループにおける前半・後半のキーワード出現頻度の差の合計
差
HH
HL
LH
LL
エコ
0
0
-2
-1
オーガニック
-4
-4
-4
0
クチコミ
-5
5
18
-4
シリーズ
-7
-8
-4
-22
パッケージ
-4
-10
-30
-33
ブランド
-24
-20
1
-45
化学
-9
-4
9
-24
価格
0
-15
-8
-44
感触
3
-12
-10
-137
嫌い
23
-36
-13
-23
効果
6
-30
-44
-128
好き
-30
6
-30
-132
香り
-9
-54
-7
-56
使い方
-9
-54
13
-56
思う
-5
-29
-38
-98
植物
-39
-65
-9
-94
成分
-28
-99
-20
-71
注)実際のデータは、個々人の出現頻度で
後半の出現頻度−前半の出現頻度から 差 を求めている。
58
4つのグループにおける前半・後半のキーワード出現頻度の差の比較検定結果
HH,HL
HH,LH
HH,LL
HL,LH
HL,LL
LH,LL
差
キーワード
t値
t値
t値
t値
t値
t値
エコ
0.00
1.19
0.33
1.48
0.37
-0.57
オーガニック 0.41
0.34
-1.29
0.00
-1.76
-1.30
クチコミ
-1.26
-1.67
-0.07
-1.01
0.75
1.38
シリーズ
0.39
-0.08
0.71
-0.39
0.47
0.70
パッケージ
0.65
1.34
1.52
0.91
0.81
-0.32
ブランド
0.12
-0.82
0.71
-0.61
0.32
1.22
化学
-0.35
-2.13 **
1.10
-1.77 *
1.31
2.50
価格
0.84
0.89
1.29
-0.40
0.55
0.96
感触
0.70
0.62
3.08 ***
-0.09
2.44 **
2.53 **
嫌い
1.53
1.23
1.22
-0.64
-0.54
0.10
効果
0.92
2.28
2.37 **
0.36
1.14
1.08
好き
-0.97
0.27
1.46
1.02
2.03 *
1.15
香り
1.53
0.04
0.84
-1.42
-0.34
0.79
使い方
1.53
-0.70
0.84
-1.81 *
-0.34
1.19
思う
1.28
0.87
1.76 *
0.22
0.99
0.57
植物
1.01
-0.74
1.48
-1.31
-0.02
1.72 *
成分
1.02
0.03
0.97
-1.00
-0.63
0.87
注)分析の際は個人ごとのデータで、後半の出現頻度−前半の出現頻度を
差 、
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
4つのグループにおける前半・後半のキーワード出現頻度の変化率の合計
変化率
HH
HL
LH
LL
エコ
-1.0
0.0
-2.0
-2.5
オーガニック
-2.5
-4.0
-1.0
0.0
クチコミ
0.0
5.0
7.4
1.8
シリーズ
-3.7
-8.0
-2.5
5.2
パッケージ
11.4
-10.0
0.6
-1.8
ブランド
-1.5
-20.0
-11.0
-1.1
化学
-4.3
-4.0
1.0
-6.5
価格
-2.0
-15.0
4.3
5.2
感触
0.5
-12.0
2.2
-4.1
嫌い
12.0
-36.0
12.4
0.5
効果
4.7
-30.0
-12.5
-1.8
好き
7.0
6.0
1.6
-0.9
香り
0.0
-54.0
4.3
2.1
使い方
0.0
-54.0
8.3
2.1
思う
0.9
-29.0
7.5
0.0
植物
-6.3
9.5
-65.0
-6.7
成分
-1.4
-99.0
-12.9
-3.0
注)実際のデータは、個々人の出現頻度で
後半の出現頻度−前半の出現頻度/前半の出現頻度から
変化率 を求めている。
59
4つのグループにおける前半・後半のキーワード出現頻度の変化率の比較検定結果
HH,HL
HH,LH
HH,LL
HL,LH
HL,LL
LH,LL
変化率
キーワード
t値
t値
t値
t値
t値
t値
エコ
-1.00
0.87
0.86
1.48
1.76 *
-0.17
オーガニック 0.93
-0.35
-1.76 *
-1.04
-1.76
-0.56
香り
1.90 *
-1.01
-0.39
-2.50 *
-1.95 *
0.66
クチコミ
-0.97
-1.31
-0.38
-0.34
0.69
1.04
シリーズ
0.80
0.00
-1.73 *
-0.82
-1.63
-1.87 *
使い方
1.90 *
-1.63
-0.39
-2.18 **
-1.95 *
1.34
パッケージ
1.61
0.96
-1.75 *
-0.94
-0.87
0.32
ブランド
0.65
1.02
-0.06
-0.30
-0.67
-1.09
化学
0.22
-1.05
0.71
-0.88
0.09
1.47
価格
0.83
-1.09
-1.21
-1.12
-1.10
0.12
感触
0.74
-0.47
1.80 *
-0.83
-0.55
1.35
嫌い
1.43
-0.38
-1.78 *
-1.50
-1.19
1.17
効果
0.95
1.54
-1.71 *
-0.48
-0.82
-1.13
好き
-0.06
0.47
1.27
0.22
0.35
0.40
思う
1.77
-1.47
0.28
-2.12 *
-1.74
1.60
植物
1.65
-1.19
0.09
-1.93 *
-1.64
1.19
成分
1.29
0.82
0.37
-1.12
-1.28
-0.75
注)分析の際は個人ごとのデータで、後半の出現頻度−前半の出現頻度を
差 、
注)p <.01*** p <.05**,p <.1*
注)検定統計量はウェルチのt検定である。
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