国民健康保険の事務費と規模の経済

研究ノート
国民健康保険の事務費と規模の経済
一近畿 7府県の国保のパネルデータを用いた分析
岸田研作
岡山大学
皆保険のわが国では、医療サービスの供給にあたって必然的に保険者の事務費が発
生する。従って、事務費の削減が可能ならば、より効率的に医療サービスを供給でき
ることになる。本稿では、国民健康保険保険者の規模と事務費の関係について分析し
0年代の事務費
ている。事務費の指標としては、国保特別会計上の総務費があるが、 9
に対する国庫補助金の削減により、多くの町村で実際の事務費をあらわさない指標と
なっている。従って、近年の分析には国保事務を担当する職員数を事務費の代理変数
として用いた。推定結果は、被保険者数が多くなるほど被保険者 1000 人当り事務職
員数が減少することを示し、減少の度合いは逓減的である。従って、保険者の合併に
よる事務費削減の効果は小規模保険者で大きい。
1
. はじめに
1990年 代 に 入 っ て 経 済 成 長 が 鈍 化 す る 反 面 、 国 民 医 療 費 の 対 GDP比 は 増 加 し 続
け
、 9
8年 度 に は 5.8%に 達 し て い る 。 そ れ に 対 し て 、 医 療 サ ー ビ ス の 効 率 的 な 供 給
を求める声は年々高くなっている。医療サービスの効率的な供給については、適切
な自己負担額の設定、過剰診療を招くと考えられる診療報酬の出来高払い制に代わ
る定額払い制の導入、社会的入院の解消など、すでにかなり多方面から議論・研究
が行われている。それらの中には、補助金の与え方を適切にすることで、保険者に
医療費削減のインセンティブを与える案や、情報の非対称性が一般的な医療サービ
本稿は 2
0
0
1年度・日本経済学会春季大会(於:広島修道大学)で報告したものを大幅に加筆・修正し
たものである。本稿の執筆にあたって、近畿 7府県庁の国民健康保険担当課の皆様には資料の提供及び
筆者の度重なるヒアリングに快く応じていただきました。また、本稿に対して、本誌レフェリー、京都
大学経済学部の西村周三教授、京都大学経済研究所の岩本康志助教授、大阪大学社会経済研究所の大日
康史助教授から有益なコメントをいただきました。これらの人々に厚くお礼申し上げたし、。なお、本稿
中の誤りは、すべて筆者の責任である。
246 日本経済研究 N
o
.
4
5
.2
0
0
2
.6
ス市場において、保険者に患者のエージェントとして医療機関と契約、監視させる
案もある 1。ところが不思議なことに、皆保険のわが国で医療サービスを供給するに
あたって必然的に生じる保険者の事務費については、経済学者の間では、これまで
ほとんど議論されてこなかった。
本稿では、近畿 7府県(滋賀、三重、京都、奈良、兵庫、大阪、和歌山)の国民
健康保険(以下、国保)のパネルデータを用いて、国保の事務費について分析する。
9
9
8年 9月末時点で、国保の
特に、保険者の規模と事務費の関係に焦点を当てる。 1
大部分を占める市町村国保は 3249存在し、その半数以上が、被保険者数が 5000人
に満たない小規模保険者である。しかし、言うまでもなく国保の規模は、事務費の
観点から最適な規模に設計されているわけで、はない。もし保険者の規模が大きくな
るにつれて被保険者 1人当りの事務費が減少するならば、保険者の合併は事務費を
削減することになり、医療サービスをより効率的に供給できることになる。
国民健康保険の事務費に関する数少ない先行研究として、山田 (
1
9
9
8
)がある。彼
は、『国民健康保険の実態』から得られる 9
5年度の市町村国保の横断面データを用
いて分析を行い、国保の事務費に規模の経済が働くという結果を得ている。しかし、
後に詳しく示すように、彼が事務費の指標として用いている総務費には問題があり、
特に横断面データを用いて分析することは正当化できない。諸外国においても、医
療保険の事務費を扱った研究はほとんど見られない。先行研究としては、医療保険
ではないものの、イギリスでプライマリーケアを供給する FamilyHealthS
e
r
v
i
c
e
A
u
t
h
o
r
i
t
i
e
s(FHSAs)の事務費を分析した G
i
u
f
f
r
i
d
ae
ta
l(
2
0
0
0
)があり、彼らは
FHSAsに規模の経済が働いていることを実証している。また Mitche
l
(1
9
9
8
)は、年
金の運営に要する事務費について分析し、規模の経済が働いていることを実証して
いる。本稿の構成は以下の通りである。第 2節では、第 3節で行う回帰分析の枠組
みと、データについて述べる。そして回帰分析で被説明変数となる事務費の指標と
していくつかの候補を挙げ、推定にあたってパネルデータを用いる必要性があるこ
とを説明する。第 3節は、回帰分析の結果とその解釈である。最終節は、まとめと
今後の課題である。
1 岩本(1
9
9
8
)は、個別の保険者の努力では回避できない要因による保険者間の財政格差のみを調整し、
保険者に医療費削減のインセンテイブを与えることを提唱している。また尾形 (
2
0
0
0
)をはじめ近年多く
の論者が、保険者機能の強化について論じている。
国民健康保険の事務費と規模の経済 247
2
. データ及び分析の枠組みについて
2
.
1 データと事務費の指標について
分析対象は、近畿 7府県(滋賀、三重、京都、奈良、兵庫、大阪、和歌山)の市
町村国保である。データは、各府県でまとめられている『国民健康保険事業状況』
(以下、
『事業状況~ )から得られる 2。図 1には、 1
9
9
9年度の近畿 7府県の被保
険者階層別・保険者数が示されている。市町村の国民健康保険事業は、国民健康保
険特別会計(以下、特別会計)を設けて経理されている。支出欄で事務費をあらわ
すのは総務費である 3。しかし、規模の経済を分析するにあたって総務費を事務費の
指標とみなすことには注意が必要である。市町村国保に対する国庫補助金の中には、
事務費負担金の項目があった。それは、保険者が通常国民健康保険の事務の執行に
要する費用を負担するもので、被保険者 1人当りの通例事務の執行に要する費用を
9
9
2年度より事務費負担金
基準として、その金額を負担するものである。しかし、 1
1
9
9
9年度)
図 1 被保険者階層別・近畿 7府県市町村国保数 (
80
70
60
50
40
30
20
10
o
.
I
I
I
I
I
L
'
'
__
'
L'
- " " 甲
町
商
問 団
一 団
m
眉
l
隙 鋼
臨 圃
酪 圃
船 棚
戸、、P ィ、、〆弘ピち句〆 b b〆ヘヘ〆も、戸、〆、~ ,-、~#,..~〆{> .
,
,
>
'
"jや js 〆~
q
や や や や や せ ) " þ<~.
..-"~ ...I,,,~ .
.
'
f
7
t
:
J_~~〆
中
〆 4
P〆グ〆,,-"-
,
.
.
,
'
:
1
1
¥
:
1
b
o
,
'
:
l
被保険者数(人)
注) 1~2 は、被保険者が 1001 人から 2000 人であることを示している。その他の階層についても同様である。
出所) W国民健康保険事業状況』
2
3
W国民健康保険事業状況』は各県庁で閲覧・コピーが可能であるが、 5年以上前のものについては廃棄
されている県もあり、県立資料館や国保連合会よりデータを入手した。 w 国民健康保険事業年報~ (
厚
生労働省)は、この資料を基に作成されている。
審査手数料、老人保健拠出金に含まれる事務費拠出金も国保の運営に必要な事務の費用である。しか
し、前者は国保連合会が行うレセプト審査に、後者は老人保健が行う事務(拠出金の徴収及び交付金の
交付)に充てるためのもので、しかも両者の額は法律に従って機械的に算出されるため本稿の分析対象
から外した。
o
.
4
5
.2
0
0
2
.6
248 日本経済研究 N
の中、職員給与費相当額が一般財源化されている。続いて、 1993年度に賃金・委託
料等、 1994年度に光熱水費、消耗品等が順次一般財源化されており、 1998年度から
は全額が一般財源化されている 4。補助金が廃止され一般財源化された項目について
は、原則として一般会計からの繰り入れによってファイナンスすることになってい
る。しかし実際には、特別会計に繰り入れることなく直接一般会計からファイナン
スしている保険者も多い。その結果、補助金が減額された年には、小さな町村を中
9
9
2年度と 1
9
9
3年度に多
心に総務費が大幅に減少する保険者が続出する 5。特に、 1
くの保険者で総務費が下落している。被保険者数 5000人以下の小規模保険者は 208
存在するが、その中で 50%以上総務費が下落した保険者は 44、
9
3年度は 67である。
下落率が 80%を超える保険者も多く、 98年には 4つの町村で総務費は O円となる 60
図 2、図 3は、それぞれ被保険者数と被保険者 l人あたり総務費(以下、
1
1人当り
総務費 J)の関係をあらわした散布図である。両者を比較すると、一般財源化が始
9
9
1年度以前は、被保険者数が増えるほど被保険者 1人当り総務費が減少
まる前の 1
するという関係が見られ、国保の事務費に規模の経済が働いているという推測が成
り立つ。近年になるほど 1人当り総務費は全般に若干上昇シフトしているものの、
その関係は年度によらず安定的であるように見える。ところが図 3を見ると、一般
財源化が行われた後の I人当り総務費と被保険者数の関係は激変している。総務費
を事務費の指標として 1
9
9
5 年度の横断面データを用いた山田(19
9
8
)の結果がバイ
アスを持つことは明らかである。
総務費の他に事務費をあらわす指標としては、事務職員数 (
1
2月末時点)があげら
れる。事務職員数は、その人件費が特別会計に計上されているかどうかに関係なく、
、 1999年度の被保険者 1000人当
国保の事務に携わる事務職員の数である 7。図 4は
0
0
0人当り事務職員数)を示した散布図である。 1
0
0
0人当り
り事務職員数(以下、 1
賃金は、アルバイト職員の給与をあらわす。
以上は、京都府医療国保課及び厚生労働省国民健康保険課に対するヒアリングによる。また、 『事業
状況』には、一般会計からの繰り入れの内訳が示されているが、総務費が大幅に下がった保険者の「事
務職員給与費等 J (繰り入れ内訳項目)は 0円となっているところが多い。山田(19
9
8
)は
、 9
2年度以
降総務費が下がったことを、補助金減額に伴う保険者事務の効率化によるものと解釈しているが誤りで
ある。
6 総務費が大幅に下がったのは小さな町村であるため、
『国民健康保険事業年報』のような集計データ
からは、総務費下落の実態は把握しにくい。しかし、 『国民健康保険の実態』から、このような現象
が全国的なものであったことは容易に分かる。
9
2年度に総務費が大幅に下がった保険者と 9
3年度に下がった保険者のほとんどが別の保険者である。
2
これは、一般財源化された項目に繰り入れるか繰り入れないかの選択が保険者の裁量であるため、 9
年度の改革時に一般会計から繰り入れていた保険者が、 9
3年度の改革時には繰り入れずに直接ファイ
ナンスしたこと等が原因であると考えられる。
7 この事務職員の数には、直営診療所の事務職員は含まれない。
4
5
国民健康保険の事務費と規模の経済 249
図2 被保険者 1人当り総務費
円
25,
000
Eag
20,
0
0
0
•
.由
1
5,
000
.
.
.
‘企亀 A
n
ー
.0 A U ・...
・..
ロ
:-0 C
J間企
1
0,000
'企
A
取
ポ
U
000
5,
。
o
500 1
,0
00 1
,5
00 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000
被保険者数(人)
出所
w
国民健康保険事業状況』
図3被保険者数 1人当り総務費
円
000
25,
20,
000
~
企
A
。
1
5,
000
1
0,
000
000
5,
0-
。
O
Q
500
1
,0
00 1
,5
00 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000
被保険者数(人)
出所
250
日本経済研究 N
.
o
4
5
.
2
0
0
2
.
6
w
国民健康保険事業状況』
図4
事 務 職 員 数 ( 兼 任 職 員 を0
.
5
) とカウント
(
1
9
9
9年度)
4.5
4.0
3
.
5
3.0
1
.0
唱
0.0
o
・
・
.
s
0.5
5,
000
1
0,
000
1
5,
000
20,
000 2
5,
000
被保険者数(人)
出所
3
0,
000
35,
000
40,
000
w
国民健康保険事業状況』
事務職員数と被保険者数の聞には、保険者数が 5000人未満で、被保険者数が多くな
るほど 1000人当り事務職員数が少なくなるという関係がはっきり見られる。ニこか
らも国保の事務費に規模の経済が働いているのではないかという推測が成り立つ。
この指標を用いるには次の 2点に注意する必要がある。まず第 1点は、事務職員に
は、専任と兼任があることである。兼任は、国保以外の年金などの事務も担当して
いる事務職員である。従って、事務職員を事務費の指標とする場合、兼任をどのよ
うにカウントするかが問題となる。図 4は兼任を 0.5人とカウントした場合である。
第 2点は、この指標が明らかに物件費を含まないことである。事務費の大半は人件
費であるという点では、事務職員数は事務費の指標としてかなり適切な指標である
と考えられる。しかし、保険者規模が大きくなるにつれ、 1000人当り事務職員数が
減少したとしても、その原因が、保険者規模が大きくなるほどレセプト再点検業務
などで外部委託が行われたり、電算化のための投資が行われた結果だとすると、規
模の経済は過大評価されていることになる。
w
事業状況』は、市町村ごとの国保の
事務職員数が得られる唯一の資料である。しかし、近畿 7府県の『事業状況』の中、
専任・兼任別の事務職員数が掲載されているのは滋賀、奈良、大阪のみである。一
重、兵庫、和歌山については残存している『事業状況』の調査票から 1996年度から
1999年度までの 4年間分についてデータを得ることができた。残念ながら、京都府
国民健康保険の事務費と規模の経済
251
については得られなかったえ
2.
2
国保保険者の事務内容
推定方法の説明をする前に、事務費の決定要因と密接に関係する国保の事務内容
について簡単に紹介する。事務内容は多岐に渡るが、主なものを列挙すると以下の
とおりである。事務内容には外部委託されているものも含まれる 9。
1.予算の編成
予算の編成は、医療費の見積もりを行うことから始まる。現制度のもとでは、国
保の支出額の決定にあたって、保険者の裁量が働く余地は非常に限定的である。従
って会計の収支を合わせるには正確な見積もりが必要で、ある。見積もられた医療費
をもとに、世帯単位で被保険者に課される保険料や国からの補助金の額が決定され
る。作業は煩雑であるが、被保険者数に比例して作業量が多くなるわけではないと
考えられる。
2
. レセプトの審査・点検
国保のレセプト(診療報酬明細書)のほとんどが国保連合会で審査され、一部は
社会保険診療報酬支払基金でも審査されている。しかし保険者は、被保険者の資格
点検を行い、国保連合会や社会医療診療報酬支払い基金で一度審査されたレセプト
を再度点検している。再点検で不備が見つかれば、保険者はそのレセプトを再度審
査にまわすことができる 10。
3
. 保険料(税)の徴収
保険料(税)の徴収率が低いと、罰則として固からの補助金が減額される。また
徴収漏れは被保険者の公平観を損なう。従って保険者は、収納率を上げるために被
保険者の意識を啓発する広報活動をはじめ、徴収回数の増加や口座振替制度の新
設・拡大などに努めている。しかし大都市では、徴収率の低下が問題となっている。
またそもそも保険料を徴収するためには、被保険者の把握が不可欠である 110
89
2年度以降、京都府の『事業状況』には市町村国保の事務職員数が全く掲載されなくなる。京都府医
療国保課に対するヒアリングによると、京都府では 9
2年度以降正確な事務職員数の調査は行われなく
なり、調査票でも多くの町村の事務職員数は 0となっている。不正確な調査が行われるようになった理
由は、職員給与費相当額補助金の上限額(実際にかかった額)を算出する必要がなくなったことが関係
するらしいが、現在の職員は理由を正確に把握していない。
9 仕事の内容は、岡本(1
9
9
1, 1
9
9
4
)、佐野秀文(19
9
7
) 、総務庁行政監察局編(19
8
8
) 及び京都市保険
年金課と大阪市国民健康保険課の職員に対するヒアリングによる。
1
0 この作業は現在外部の業者に委託されているケースが多いようである。
1
1 被用者保険を離脱しても国保に即座に加入していないケースも見られ、保険者は、様々な工夫をこら
して資格取得日の照会に務めている。
252 日本経済研究 N
o
.
4
5,2
0
0
2
.6
4
. 保健事業
保険者は、単に保険事故に対して必要な保険給付を行うのみならず、積極的に被
保険者の健康に働きかける事業を行う義務がある。保健事業は、保険者直営の診療
所や病院の設置・運営、健康づくり推進事業など 9つの事業があり、その具体的な
展開は保険者の裁量に任されている。
2
.
3 推定方法
国保事務の費用関数の被説明変数としては、 1000人当り事務職員数と 1人当り総
務費を採用した。それぞれの指標は固有の利点と欠点がある。
1
0
0
0人当り事務職員数を用いる利点は、この指標を用いることにより近年の分析
が可能となることである。欠点は、上述の通り物件費を含まないため規模の経済を
過大評価する可能性がある。また、兼任職員のカウントの仕方によって結果が変わ
.
5人分とみなす場合を基準と
る可能性がある。従って、兼任職員は、専任職員の 0
.
3人
、O
.7人とみなした場合についても推定を行い、結果の頑健性を確かめた。
し
、0
推定期間は、 6府県のデータが得られる 1
9
9
6年から 1
9
9
9年までの 4年間である。
1人当り総務費を用いた場合の推定対象期間は 1
9
9
1年度以前であり、事務費に対
する補助金の一般財源化が始まった 1
9
9
2年度以降は対象外とした。理由は、図 2
2年度以降、 1人当り総務費が激減し、事務費との
と図 3の比較で示したように、 9
零離があまりに大きくなったことである。 1
9
9
1年度以前に、何らかの支出項目に対
して市町村が特別会計に繰り入れることなく一般会計から直接事務費をファイナン
スしているケースがあったかどうかは不明で、ある。従って、 1 人当たり総務費を用
いる場合、何らかの仮定を置かざるを得ない。図 2では、被保険者数と被保険者 l
人当り総務費の聞には、幾つかの異常値を除いて数年間にわたって安定的な関係が
あるように見える。従って本稿では、たとえ事務費と総務費に軍離があったとして
も、両者の聞には少なくとも短期的には安定的な関係があると仮定する。そして事
務費は総務費の定率倍であるとして推定を行う
1
20
当然その倍率は市町村ごとに異
なると考えられる。以上の想定は、対数化された被説明変数を含んだ推定式に、パ
ネルデータを用いて保険者ごとの異質性をあらわす項を入れることで表現される。
異質性をあらわす項は、保険者固有の事務に関わる費用や事務の非効率性に伴う損
失もあらわすと考えられる。以上の定式化の妥当性は、短期であるほど高いと考え
これは、一般会計から直接ファイナンスしている項目の支出額が、事務費全体に占める割合が一定と
仮定することを意味する。
1
2
国民健康保険の事務費と規模の経済
253
られる。従って、推定期間は 1989年から 1991年までの 3年間とした。
説明変数としては、被保険者数(年間平均)、一世帯あたり被保険者数(年間平
均)、保険料(税)の徴収回数、被保険者 1人当たり療養諸費件数、事務職員の給
与、年度ダミーを採用した 13。被保険者数は、国保の規模をあらわす変数であると
.
2節で示した国保の事務内容でいえば、予算の編成やレセプト検査・
ともに、第 2
点検に関する事務量をあらわす指標である。一世帯あたり被保険者数は、国保の保
険料(税)の賦課単位が世帯であることなど、この変数の増加が事務費の軽減につ
ながると考えられる 14 徴収回数は、保険料の納付回数で、保険者の保険料徴収作
0
業に伴う事務作業量をあらわす代理変数と解釈する。被保険者 l人当療養諸費件数
は、レセプト点検の業務量をあらわす変数である。被保険者数を一定とした場合、
被保険者 1人当りのレセプト枚数が増えるほど、事務作業量は増えるであろう
150
インプット価格の変数としては、労働力については自治体ごとの一般行政職の平均
給料月額を代理変数として用いた。資本の価格についてはデータが全く得られない
ため、都市部と町村部でそれぞれ異なる年度ダミーを入れてその代理変数とした。
年度ダミーは、都市部と町村部の資本の価格差だけでなく、未徴収者の多い都市の
高コスト体質や技術進歩などの要素も反映すると考えられる 16。さらに兵庫県を基
準とした都道府県ダミーも入れている。なお、推定にあたっては被説明変数、説明
変数ともにすべて対数化された値を用い、金額はすべて
GDPデフレータで 99年度
水準に基準化しである。
3
. 推定結果とその解釈
記述統計は、対数化される前の原数値を表 Iに示している。京都、大阪、堺、神
戸の 4市は、他の市町村に比べて飛び抜けて規模が大きく、強し、作用点となる可能
性があるため推定から除外した。 1000人当り事務職員数を被説明変数とした推定で
は、京都府を除いている。また、 1999年度に篠山市になる篠山町、西紀町、丹南町、
今田町(兵庫県)は推定から除外した。しかし、これは本稿のサンプノレで、合併の効
1
3 療養諸費は、療養の給付と療養費をあわせたものであり、療養諸費件数は、保険者が取り扱ったレセ
プト枚数の合計である。
この説明変数の選択を正当化する事実として、事務費の国庫負担金の額が、被保険者数の他に、一世
帯あたりの被保険者数を考慮して決まっているとしづ事実がある(佐野(1997))
1
5 事務職員数に加えて、保険料の徴収回数や療養諸費件数も『事業状況』からしか得られない。
1
6 都市部では、町村に比べ保険料の徴収コストが高い可能性が考えられる。A.
Giu
世i
dae
ta
l(
2
0
0
0
)も
資本の価格が得られないため、都市部ダミーを資本の価格の代理変数としている。山田 (
1
9
9
8
)では、推
定式に全く価格をあらわす変数が入っていない。
1
4
254 B本経済研究 N
.
o
4
5,
2
0
0
2
.6
果を直接的に調ベることができる唯一の貴重なケースであるため、推定結果を示し
た後に考察する。
推 定 結 果 は 、 表 2 に 示 さ れ て い る 。 1000人 当 り 事 務 職 員 数 を 被 説 明 変 数 と し た 推
定式の結果は、被保険者数(対数)、被保険者数(対数)の
では
2乗 が 変 量 効 果 モ デ 、 ル
1%で有意である。固定効果モデ、ノレで、も 5%で 有 意 で 、 あ り 、 い ず れ の 結 果 も 国 保
7
の事務費に規模の経済が働ぐことを示している1
人当り総務費を被説明変数とし
0 1
た推定結果は、変量効果モデルで、は被保険者数(対数)は
2次まで、有意で、あったが、
固 定 効 果 モ デ ル で は 1次 ま で し か 有 意 で 、 な か っ た 。 し か し 、 い ず れ も 規 模 の 経 済 が
表
観測期間
1
記述統計(原数値)
1
3
6
0 (単年度
1996 年 ~1999 年,観測値数
3
4
0
)
平均値
標準誤差
最低値
最高値
事務職員数
5
.7
8.2
0.5
5
6
被保険者 1
0
0
0人当り事務職員数(人)
0.6
4
0.39
0.08
4
.
4
1
被保険者数(人)
1
3.2
9
7
2
4
.
0
8
1
3
1
1
1
7
8
.
7
0
0
一世帯当り被保険者数(人)
2.2
0
.
2
1
:4
3
.
3
給与(千円)
3
1
8
2
7
237
409
保険料(税)徴収回数
8.6
2
.
5
3
1
2
被保険者 l人当療養諸費件数
11
.5
1
.5
7
.
4
2
3.3
注1)
事務職員数、被保険者 1
0
0
0人当り事務職員数は、兼任職員を O
.5とカウントした値。
注2
) 事務職員数が得られない京都府は除かれている。
観測期間
1989 年 ~1991 年,観測値数
1
1
6
1
平均値
(単年度 3
8
7
)
標準誤差
最低値
最高値
総務費(百万円)
5
6.7
9
3
.
2
5
.
2
9
5
2
.
5
被保険者 l人当り総務費(円)
6
.
2
7
5
2.518
2
.
6
3
3
2
7
.
0
1
6
被保険者数(人)
1
1
.
9
5
1
21.476
3
3
6
1
8
7
.
5
5
3
一世帯当り被保険者数(人)
2.5
0
.
3
1
.5
3
.7
給与(千円)
2
5
6
2
4
1
9
5
3
2
4
保険料(税)徴収回数
8.4
2
.7
3
1
2
被保険者 l人当療養諸費件数
8.
.
3
1
.1
3
.
2
2
0.
2
1
7 推定期間中保険料の徴収回数が全 く変化しない市町村が多いので、多重共線性を避けるため変数から
除外した。年度 ダミーを一つ落としたのも同様の理由である。
国民健康保険の事務費と規模の経済 255
I
!
表 2 推定結果
被説明変数(対数)
被保険者 1
0
0
0人当り事務職員数
被保険者 l人当り総務費
推定期間
サンプル数
1
3
6
0
兼任職員の
0
.
5人
0
.
3人
1
1
6
1
O
.7人
0
.
5人
カウントの仕方
モデル
変量効果
被保険者数
1
.2
97***
(
7
.
1
9
)
(対数)
被保険者数
0.051***
(対数)の 2乗
(
5
.
0
3
)
一世帯当り被保険者数
(対数)
一般行政職給与
(対数)
保険料(税)徴収回数
(対数)
被保険者 l人当り
-0.44***
1
.1
3
1料*ー1.400*材
)
(
_
_
_
5
.31
0.044**
ホ
(
3
.
6
3
)
(
8
.1
8
)
0.056***
7
)
(
5
.7
,
一0
.59*** -0 35**
(
2
.
6
2
)
(
2
.
8
9
)
一
(2
.
2
0
)
-0.24
一0
.22
-0.25
2
8
)
(
1.
一
(0
.
9
3
)
(
1.
4
4
)
0.05
0.03
0.06
(
1
.1
3
)
(
0
.
6
4
)
(
1
.5
6
)
0
.1
4
0
.1
2
*
(
1.
6
0
)
(
1.
8
8
)
0
.1
3
*
療養諸費件数(対数)
1
1 固定効果 1
1変量効果 1
1固 定 効 果 │
(
1.
8
0
)
2
.768**
1
.1
83*** -0.49**
(
2
.
2
8
)
(
9
.
4
7
)
O
.1
4
3本*
(
2
.01
)
4.80**
(
1.
71
)
-0.59***
(
2
.
6
4
)
0.050***
(
7
.
1
1
)
0.25**
(
2
.
31
)
0.64***
(
4
.
3
2
)
。
0
.1
6
*
*
(
,
-2
.
0
6
)
。
(
0
.
0
9
)
0.03
(
0
.
7
8
)
滋賀
0.08
0.09
0.07
(
1
.1
6
)
(
1
.1
1
)
(
1
.0
3
)
0
.1
1
*
(
1.
8
5
)
和歌山
0.11*
8
)
(
1
.7
奈良
三重
一O
.1
8
*
*
(
2
.
4
8
)
0.09
-0.06
(
1
.1
2
)
O
.11**
日本経済研究
0.20***
(
4
.
3
4
)
0.09**
(
2
.2
0
)
本**
O
.1
5
(
1
.3
4
)
(
1
.9
9
)
(
3
.
8
3
)
-0.08
-0.06
-0.08
0
.
0
3
(
ー
1
.2
5
)
(
0
.
8
5
)
(
一
1
.4
6
)
(
0
.
8
0
)
0
.1
1
*
*
0
.14**
-0.08
-0.02
(
2
.
01
)
(
2
.
2
7
)
(
1.
6
0
)
(
0
.6
2
)
括弧内は t値。***:1%水 準 で 有 意 。 料 ・ 5%水 準 で 有 意 。 * : 10%水準で有意。
256
N
o
.
4
5,2
0
0
2
.6
一0
.63**
(
2
.
21
)
0.47*
(
1
.7
9
)
(
0
.
0
7
)
京都
大阪
ー
(2
.
01
)
-0.01
)
(
0
.
21
表 2 続き
被説明変数(対数)
兼任職員のカワントの仕方
推定結果
被保険者 1
0
0
0人当り事務織員数
0.5人
0
.05*
(
1
.7
5
)
年度ダミー:都市 9
7年, 90年
年度ダミー :都 市 98年, 9
1年
年度ダミー:都市 9
9年
年度ダミー ・町 村 9
7年, 89年
年度ダミー:町村 9
8年, 90年
ハクス 7 ン統計量
1 固定効果 1 変量効果 1固定効果│
0.0
5
0.05*
(
1
.4
6
)
(
1
.8
4
)
柿本
-0.07
(
3.
8
4
)
0.03
0.04
0
.
0
3
-0.01
(
1
.2
9
)
(
1
.4
0
)
(
0.4
7
)
(
2.5
7
)
0.02
0.03
0.02
-0.03
o
.76本*ホ
(
1
.0
5
)
(
0
.
9
3
)
(
1
.0
4
)
(
0
.
8
6
)
(
4
.
9
9
)
1
.01***
0.98**
1
.02***
-0.04***
(
2
.51
)
(
3
.
2
7
)
(
1.
2
6
)
-0.01
-0.02
-0.
0
1
-0.01
0.
04
本**
(
0
.
8
8
)
(
1.
1
1
1
(
0
.
5
9
)
(
0
.
5
3
)
(
.
4.3
6
)
-0.0
3
本
-0.03*
8.63*
本*
-0.04*
-0.02
-0.01
(
1.
9
5
)
(
1.
4
4
)
(
0
.
7
2
)
-0.
05*
(
2
.
0
2
)
7
.76***
-0.02
-0.0
1
(
1.
1
3
)
(
0
.
3
2
)
一
(
5
.
0
2
)
(
7
.
6
9
)
10.92*
9.10
1
1
.98*
(
1
.1
2
)
0.05**
(
2
.
3
8
)
o
.10***
(
7.
91
)
0.04*
本*
(
3
.1
7
)
0.09***
(
4
.
8
8
)
.6
4
本**
11
9
.14***
(
6
.
7
9
)
0.02
-0.05
(
3.
0
6
)
(
1.
6
6
)
定数項
0
.
5人
(
1
.4
3
)
(
1.
7
7
)
年度ダミー:町村 99年
o
.7人
変量効果
モデル
9年
年度ダミー:都市 96年, 8
0
.
3人
被保険者 l人当り総務費
(
12.
41
)
11.60*
F検定統計量
24.37***
自由度修正済み決定係数
0.
93
16.87***
0.90
括弧内は t値。帥*:1%水準で有意。特・ 5%水準で有意。本:10%水準で有意。
働くことを示している。規模の経済のあらわれ方は逓減的である。変量効果モデ、ル
0
0
0人当り事務職員数(兼任を 0
.
5とカウント)は、被保険者数が
で評価すると、 1
29万 4978人のとき最小となる。同様に 1人当たり総務費は 1
3万 2
0
1人で最小とな
2
6
1円となる。推定に用いたサンプルのほとんどあらゆる範囲で規模の経済が
り
、 3
観察される。その他の説明変数については、一世帯当り被保険者数が理論どおり負
で有意であるが、その他のものについては有意でないものが多い。
規模の経済をより具体的に見るために、簡単なシミュレーションを行った。被保
険者数以外の値は、平均値を用いている。年度ダミーは、 1
0
0
0人当り事務職員数に
9年度、 1人当り総務費については町村の 9
1年度を用いている。
ついては町村の 9
国民健康保険の事務費と規模の経済 257
図5被保険者 1
0
0
0人当り事務職員数
2.5
1
.5
ー一一一一変量効 果 兼 佳0.5
(人)
・
・
a
・・変量効 果 兼 佳0
.3
一 一 一 変 量効 果 兼 任0
.7
・E ・E ・-固定効 果 兼 任0.5
0.5
畑l
0.5
被保険者数(千人)
図6被保険者 1人当り総務費
20,
000
000
1
8,
000
1
6,
1
4,
000
000
1
2,
(円)
│二言語│
1
0,
000
000
8,
000
6,
4,
000
000
2,
。
0.5
3
l
5
4
6
被保険者数 (
千人}
表 3 シミュレーションの結果
保険者数(千人)
0
0
0人当り事務職員数
保険者 1
保険者 1人当り総務費
変量効果モデルの結果。兼任臓員は 0
.
5人とカウント。
表 4 実際の合併効果・被保険者 1
0
0
0人当り事務職員数
丹南町
1998年度被保険者数
推定される変化率
展際の変化率
.
5人とカウン トした場合。
変量効果モデノレによ る兼任職員を 0
258 日本経済研究 N
n
4
5.
2
0
0
2.
6
結果は図 5、
図 6に示されている 18。表 3は、シミュレーションの数値を示している。
これらの図表より、改めて国保の事務費に規模の経済が働き、その効果が逓減的で
あることが確認できる。保険者の合併による保険者規模の拡大は、 5
000人未満の小
規模保険者で特に大きい。上述のように、事務費の指標としての事務職員数と総務
費はそれぞれ固有の欠点を持つが、小規模保険者の場合、合併により事務費を 2分
の l以下に下げることができる可能性がある。ただし、合併の効果はすぐにはあら
われなし、かもしれない。表 4は
、1
9
9
9年に合併した兵庫県の 4つの町について、 1
0
0
0
人当り事務職員数(兼任職員を 0
.
5とカワント)の実際の変化率と推定結果から得
られる理論上の変化率を比べている。理論上の変化率は、変量効果モデ、ルの推定結
0
0
0人当り事務職員数の推定値を用いて計算されている。実績
果を用いて得られた 1
値は、丹南町を除いて、規模が小さくなるほど合併の効果が大きくなることを示し
ているが、推定結果から得られる理論値よりもずっと低い値である。サンプノレが 1
件なので強い断定はできないが、合併の効果があらわれるにはある程度の調整期聞
が必要で、あることを示していると考えられる。残念ながら本稿が作成された 2
0
0
1
年現在、分析が可能なのは 1
9
9
9年までであるため、合併後の調整が事務費に及ぼす
影響は分析できなかった。
規模の経済が働く理由としては、次の 4点が考えられる。第 1点は、規模の大き
な保険者ほど事務作業内容が職員ごとに専門分化され、それが効率化を促進してい
る可能性が考えられる。国保の事務を行うには、複雑な国保の制度やそれに関する
法律に習熟する必要がある。しかし、 3年ほどで異動する市町村職員が多様な国保
の事務内容すべてに習熟するのは困難であると考えられる。従って、事務作業を専
門分化することで仕事への熟練度が大きく増し、事務の効率化が促進されると考え
られる 19。第 2点は、規模の大きな保険者ほど、電算化への投資や外部委託が容易
になり、それが事務作業の効率化を促進している可能性が考えられる。第 3点とし
ては、先に述べた予算の編成作業のように被保険者数が増えても、それに比例して
事務量が増えない事務内容が存在することである。第 4点は、保険者規模が大きく
なるほど、外部の業者に業務を委託する場合の交渉力が増すことが考えられる。
1
8 次に述べる理由で、以下に示す図表では、煩雑になる場合変量効果モデルの結果を優先的に示してい
る。畠中(19
91)によれば、本稿のようなサンプルは無作為抽出ではないため独立変数については無作為
標本と仮定できないが、個体効果については無作為標本としても良いと考えられる。その場合、本稿の
関心が近畿県の国保に限定されているわけではないため、ハウスマン検定が許せば積極的に変量効果モ
デルを使うべきだからである。また l人当り総務費は、やや推定期聞が短いことも変量効果モデ‘ルを優
先する理由である。
1
9 国保組合の事務員は長期にわたって勤務するため、国保の制度に習熟している者が多いといわれる。
国民健康保険の事務費と親族の経済 259
4
. まとめと今後の課題
本稿の実証結果は、国保の事務費に規模の経済が働き、被保険者数が増えて保険
者規模が大きくなるほど被保険者 I人当たりの事務費は減少することを示している。
減少の度合いは被保険者数が増えるほど逓減する。皆保険から 40年たった今日、少
なからぬ町村が過疎や自営業者の減少のため単独の保険者としては不適当なまでに
小さくなっている。官頭でも述べたように、市町村国保の大半が、被保険者数が 5000
人未満の小規模保険者である。本稿の実証結果は、そのような小規模保険者の合併
が、事務費を大幅に削減する可能性が高いことを示している。また保険者合併によ
る事務費削減が持つメリットの lつに、定額払い制に伴う過少診療のような「逆効
果 J の可能性がほとんど考えられないことがあげられる。従って、筆者は少なくと
もそのような小規模保険者は合併すべきであると考える 20
0
今後の課題としては、規模の経済が働くメカニズムをより具体的に解明すること
があげられる。論文中でも規模の経済が働く理由について考察したが、どのような
事務内容において、どのような理由で規模の経済が働くのかが具体的に解明されな
いと、国保を合併しても事務費の削減がうまく進まない可能性がある。
参考文献
9
8
)r
試案・医療保険制度一元化」八回達夫・八代尚宏編『社会保険改革Jl (
シ
19
岩本康志 (
リーズ現在経済研究 1
6
) 日本経済新聞社、 pp.155-179
尾形裕也 (
2
0
0
0
) rr
保険者機能」に関する考察 J ~季刊社会保障研究Jl Vo1
.36(
1
)
、 pp.102-112
岡本悦司(1991
) ~医療費の秘密』三一書房
一一一(19
9
4
) ~国民健康保険』三一書房
佐野秀文(19
9
7
) ~運営協議会委員のための国民健康保険必携』社会保険出版社
総務庁行政監察局編(19
9
8
) ~国民健康保険事業の現状と問題点』大蔵省印刷局
田近栄治・油井雄二(19
9
9
)r 高齢化と国民健康保険・介護保険 J~季刊社会保障研究JlVo1. 35 (
2
)、
羽合併以外にも、保険者間で事務作業を全面的に提携する方法も考えられる。医療保険と比べて受給者
が圧倒的に少ない介護保険では、国保と同様市町村を単位とするにも関わらず、設立当初から保険者間
の提携が進んでいる事例が多く見られる。
260
日本経済研究
N
.
o
4
5,
2
0
0
2
.
6
p
p
.
1
2
8
1
4
0
畠中道雄(19
91
)r
データの発生に関する事前情報とその予備検定J ~計量経済学の方法』第2
章、創文社, p
p
.
7
1
1
4
2
山田武(19
9
8
)r
国民健康保険の総務費と規模の経済の検討J ~国民健康保険と地方財政に関
する研究~ (財)財政経済協会、 p
p
.
1
7
3
1
A.Giu
飴i
d
ae
ta
l
,(
2
0
0
0
)官 伍c
i
e
n
c
yanda
d
m
i
n
i
s
t
r
a
t
i
v
ec
o
s
t
si
nprimaryc
a
r
e
",
Journal
ofHealthEconomics1
9,
p
p
.9
8
3
1
0
0
6
.
C
.Hsiao(
19
8
6
)“
AnalysisofPanelData",CambridgeU
n
i
v
e
r
s
i
t
yP
r
e
s
s
.
o
.S
.Mi
t
c
h
e
l
l
,(
1
9
9
8
)“
,AdministrativeCostsi
nP
u
b
l
i
candP
r
i
v
a
t
eRetirementSystem
ぺ
i
nMartinF
e
l
d
s
t
e
i
ne
d
.P
r
i
v
a
t
i
z
i
n
gS
o
c
i
a
lS
e
c
u
r
i
t
y,C
h
i
c
a
g
o
:Universityo
fChicago
Press,p
p
.4
0
3
4
5
6
.
国民健康保険の事務費と規模の経済
261