行政改革の必要性と基本的な考え方

Ⅱ 行政改革の必要性と基本的な考え方
1 行政改革の必要性
少子高齢化の波が足元まで来ている中において、本市の財政状況は、団塊の世代の
大量退職による市民税への影響などにより、今後も市税収入は伸び悩むことが予想さ
れます。また、歳出面においては、人件費や扶助費等の義務的経費、一部事務組合へ
の負担金、特別会計への繰出金など、今後も増加していくことが予想されており、市
の財政収支見通しでは、平成21年度までの間に約42億円の財源不足が見込まれて
おります。
こうした状況は、本市に限られたものではなく、全国どの地方自治体にも言えるこ
とであり、社会経済情勢の変化にも適切に対応できるよう経営的視点を取り入れた行
政運営への転換が求められています。
このため、この財源不足を解消するとともに、強固な財政基盤を確立し、市民サー
ビスの安定的な確保を図るためには、これまで以上に厳しい姿勢で、歳出全般にわた
る経費削減を推し進めるとともに、時代に合わせた事業の選択と集中に力を入れる必
要があります。また、歳出の削減には限りがあるため、市税を含めた歳入の確保に集
中的に力を入れるなど、限られた財源を有効に活用しながら中長期的視点に立った市
政運営を図っていく必要があります。
2 行政改革の基本方針
(1) 開かれた市政(公開・透明)
−情報公開による市民との情報の共有−
市民と行政の協働によるまちづくりを推進するため、積極的に情報を公開し、
市民と行政の情報の共有化と透明性の向上を図ります。
(2) 健全財政の確立(簡素・効率)
−簡素で効率的な行財政運営−
基礎的自治体としての財政基盤を強固にするため、経常経費の抑制はもとよ
り、財政構造改革を積極的に推進し、中長期的な収支バランスも視野に入れ、
財政の健全化を図ります。
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(3) 市民主体のまちづくり(自主・協働)
−市民・民間企業・団体による地域社会づくり−
市民と行政の責務を明確化し、市民が主体的にまちづくりを推進できるよ
う、市民活動への積極的な支援を行い、協働参画による地域社会づくりを推進
します。
(4) 戦略的な行政運営(戦略・選択)
−評価を中心とした政策選択による行政運営−
市が直面する各種の課題や今後益々進展する地方分権型社会に対応するため、
有効的かつ戦略的な行政運営を推進します。また、的確に市民ニーズを把握し、
費用対効果等から優先度を検討し、集中と選択による財源配分を図ります。
(5) 人材の育成と意識改革(創造・成果)
−成果と育成を重視した人事制度−
経営感覚、市民の視点に立ったサービス精神のかん養など職員の意識改革は、
最重要課題であるため、政策形成能力・問題解決能力を有する士気の高い人材
育成を図り、新しい時代の流れ、地域・住民のニーズの変化・課題を的確に把
握し、独自の政策を創造します。
3 計画の推進方策
(1) 行政改革推進本部による徹底した進行管理
計画に位置付けられた項目を着実に実行するため、行政改革推進本部により定
期的に進捗状況を管理します。また、実効性を高めるため、推進項目実行の担当
者を明確にします。
(2) 市民への情報公開による開かれた監視
行政改革の実効性を高めるとともに開かれた行政改革を推進するため、市民及
び市議会へ定期的に進捗状況を報告・公開するとともに、監視機能の強化を図り、
効果のある行政改革を推進します。
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(3) 行政改革推進計画の不断の見直し(ローリング)
絶え間ない行政改革を推進するため、状況変化に対応した計画の見直しを適宜
行い、新たな行政改革の取り組みを行います。
(4) 臨時的緊急課題への柔軟な対応
行政改革推進計画に定めのないものであっても、行政改革大綱、行政改革の
趣旨に則り必要性のある事業が新たに発生した場合には、関係部課と協議し実
行に移します。
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