小・中学校の特別支援教育の 推進のために

特
特別
別支
支援
援教
教育
育資
資料
料
はじめに
東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく
特別支援学級の教育内容・方法の充実事業報告
小・中学校の特別支援教育の
推進のために
Ⅰ 発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・開発事業報告
―読み書きに障害のある児童・生徒の指導方法について―
Ⅱ 自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業報告
—自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の手引―
平成26年3月
東京都教育委員会
東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画は、全ての小・中学校に「特別支援教室」
を設置することによって、在籍校における支援体制を整備し、発達障害の児童・生徒に
対する指導内容・方法の充実を図ることを提案しています。
併せて、自閉症・情緒障害学級(固定学級)の計画的な配置を進めることで、通常の
学級や、特別支援教室、との役割分担を明確にした「重層的な支援体制」の確立を目指
して、発達障害の程度等に応じた教育内容・方法の充実を目指しています。
このような取組の下、情緒障害等通級指導学級では、発達障害の児童・生徒のソーシ
ャルスキルの習得に向けた指導の研究・開発は比較的活発に行われていますが、例えば、
読み書きに障害のある児童・生徒に対する指導内容・方法は、今後の実践研究の充実が期
待される状況がありました。
そこで、本資料では、情緒障害等通級指導学級を利用している児童・生徒の教科の補
充指導等に関する実践研究の成果を基に、特別支援教室における巡回指導や通常の学級
における学習指導にも生かすことのできる指導内容・方法を紹介します。
また、通級指導学級を利用している知的障害を伴わない自閉症や発達障害の児童・生
徒の中には、通級による指導では学習や生活上の困難の改善が難しいと思われる児童・
生徒がいると考えられています。
こうした状況を踏まえ、
「重層的な支援体制」の整備に当たっては、自閉症・情緒障害
学級の計画的な設置が期待されるところです。そのため、本資料では、知的障害のない
自閉症の児童・生徒のための新たな教育課程の研究・開発の成果を基に、自閉症・情緒障
害学級における教育課程編成の在り方について提案しています。
本資料が、区市町村教育委員会における読み書きに障害のある児童や自閉症・情緒障
害学級の児童・生徒に向けた指導の基底資料となり、
「重層的な支援体制」の一層の整備
に資することを願っています。
なお、本資料は、平成23、24、25年度発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・
開発事業及び自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業検討委員会委員の御協
力を得て作成したものであり、専門委員及び委員各位に感謝の意を表します。
平成26年3月
東京都教育委員会
­1­
-1-
<目次> <目次>
はじめに はじめに
1
1
第一章 第一章
発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・開発事業報告
発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・開発事業報告
—読み書きに障害のある児童・生徒の指導方法について—
—読み書きに障害のある児童・生徒の指導方法について—
第二章 第二章
自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業報告
自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業報告
—自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の手引—
—自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の手引—
Ⅰ解説編Ⅰ解説編
Ⅰ解説編Ⅰ解説編
1 読み書きに障害のある児童・生徒とは
1 読み書きに障害のある児童・生徒とは
8
2通級指導学級における読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れと
2通級指導学級における読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れと
ポイント ポイント
10
3通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈
3通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈 12
教師間の連携のためのアセスメント(文字の読み書きチェックリスト)
教師間の連携のためのアセスメント(文字の読み書きチェックリスト)
12
通級指導学級におけるアセスメント①(MIM-PM)
通級指導学級におけるアセスメント①(MIM-PM)
14
通級指導学級におけるアセスメント②(読み書き支援プログラム
通級指導学級におけるアセスメント②(読み書き支援プログラム
)
16
)
通級指導学級におけるアセスメント③(絵の読み取りテスト)
通級指導学級におけるアセスメント③(絵の読み取りテスト) 18
4通級指導学級における個別指導計画の作成
4通級指導学級における個別指導計画の作成
22
短期個別指導計画について
短期個別指導計画について
22
連携型個別指導計画について
連携型個別指導計画について
24
5通級指導学級による指導の実施
5通級指導学級による指導の実施
26
6個別指導計画の評価
6個別指導計画の評価
29
8
10
12
12
14
16
18
22
22
24
26
29
Ⅱ実践編Ⅱ実践編
実践編で紹介している指導方法
実践編で紹介している指導方法
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(1)
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(1)
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(2)
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(2)
32
34
36
32
34
36
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(1)
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(1)
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(2)
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(2)
音読が苦手な児童の指導
音読が苦手な児童の指導
長文の意味理解が苦手な児童の指導(1)
長文の意味理解が苦手な児童の指導(1)
長文の意味理解が苦手な児童の指導(2)
長文の意味理解が苦手な児童の指導(2)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(1)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(1)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(2)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(2)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(3)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(3)
38
40
42
44
46
48
50
52
38
40
42
44
46
48
50
52
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­2­
1自閉症・情緒障害学級とは
1自閉症・情緒障害学級とは
2自閉症・情緒障害学級の教育課程の構造
2自閉症・情緒障害学級の教育課程の構造
3各教科の指導
3各教科の指導
4自立活動のポイント
4自立活動のポイント
5交流及び共同学習のポイント
5交流及び共同学習のポイント
6年間授業時数の配当のポイント
6年間授業時数の配当のポイント
7児童・生徒の実態の把握
7児童・生徒の実態の把握
8国語科の年間指導計画の例
8国語科の年間指導計画の例
9算数科の年間指導計画の例
9算数科の年間指導計画の例
10自立活動のための児童・生徒の実態の把握
10自立活動のための児童・生徒の実態の把握
11自立活動の指導の例
11自立活動の指導の例
12交流及び共同学習で配慮することについて
12交流及び共同学習で配慮することについて
58
60
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65
66
68
72
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82
83
自閉症・情緒障害学級における「国語科」の指導
自閉症・情緒障害学級における「国語科」の指導
自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(2)
自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(2)
86
88
90
86
88
90
自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(2)
自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(2)
自閉症・情緒障害学級における「交流及び共同学習」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級における「交流及び共同学習」の指導(1)
自閉症・情緒障害学級における「交流及び共同学習」の指導(2)
自閉症・情緒障害学級における「交流及び共同学習」の指導(2)
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94
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98
92
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Ⅱ実践編Ⅱ実践編
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第一章
発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・開発事業報告
—読み書きに障害のある児童・生徒の指導方法について—
平成 25 年度発達障害の児童・生徒の指導方法の研究・開発事業検討委員会委員名簿
専門委員
小池
敏英
東京学芸大学
専門委員
海津
亜希子
国立特別支援教育総合研究所教育支援部
専門委員
秋元
有子
白百合女子大学発達臨床センター
委
員
勝進
亮次
品川区立源氏前小学校
校長
委
員
小宮
恭子
大田区立志茂田小学校
校長
委
員
木室
忠明
小中一貫教育校高砂けやき学園葛飾区立高砂小学校
委
員
記野
邦彦
立川市立第七小学校
委
員
長田
尚子
品川区立源氏前小学校
主任教諭
委
員
荒木
真美子
大田区立志茂田小学校
主任教諭
委
員
塩田
太郎
小中一貫教育校高砂けやき学園葛飾区立高砂小学校
委
員
菅原
眞弓
立川市立第七小学校
委
員
大関
浩仁
品川区教育委員会
統括指導主事
委
員
小島
由子
品川区教育委員会
指導主事
委
員
小林
繁
大田区教育委員会
指導主事
委
員
加藤
憲司
葛飾区教育委員会
指導主事
委
員
星
茂行
葛飾区教育委員会
特別支援教育担当係長
委
員
中村
由美子
立川市教育委員会
統括指導主事
—5—
-4-
—4—
-5-
教授
主任研究員
研究員
校長
校長
主幹教諭
教諭
Ⅰ
­6­
-6-
解 説 編
­7­
-7-
障き
害に
の障
あ害
る児
のあ
童る
・生
児徒
童と
・生
は徒とは
1 1読み書読きみに書
学級に、物語文や説明文の音読や漢字の読み書き、読解が苦手な児童・生徒はいませ
学級に、物語文や説明文の音読や漢字の読み書き、読解が苦手な児童・生徒はいませ
んか。
(2)読み書きの障害とは
(2)読み書きの障害とは
読み書きの障害は、以下のように説明される障害のことです。
読み書きの障害は、以下のように説明される障害のことです。
んか。
(1)読み書きが苦手な児童・生徒の例
(1)読み書きが苦手な児童・生徒の例
通級指導学級で指導を受ける児童・生徒の中には、
通級指導学級で指導を受ける児童・生徒の中には、
以下のような読み書きに障害があ
以下のような読み書きに障害があ
る児童・生徒がいます。
る児童・生徒がいます。
音読が苦手な児童・生徒
音読が苦手な児童・生徒
◆一文字ずつ途切れる読み方を
◆一文字ずつ途切れる読み方を
してしまう。
してしまう。
◆文末を読み間違える。
◆文末を読み間違える。
◆ 行 を と◆
ば行
しを
てと
読ば
んし
だて
り読
、ん
読だ り 、 読
み違えたり
みす
違る
え。
たりする。
◆「ねっこ」を「ねこ」とよんで
◆「ねっこ」を「ねこ」とよんで
しまう。 しまう。
◆学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか
◆学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか
習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学
習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学
習上、様々な困難に直面している状態である。
習上、様々な困難に直面している状態である。
◆その原因として、
◆その原因として、
中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されるが、
中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されるが、
視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な
視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な
原因となるものではない。
原因となるものではない。
◆障害そのものの社会的な認知が十分でなく、また、一部の能力の習得と使用のみに
◆障害そのものの社会的な認知が十分でなく、また、一部の能力の習得と使用のみに
困難を示すものであるため、「単に学習が遅れている」あるいは「本人の努力不足
困難を示すものであるため、「単に学習が遅れている」あるいは「本人の努力不足
によるもの」とみなされてしまい、障害の存在が見逃されやすい。
によるもの」とみなされてしまい、障害の存在が見逃されやすい。
◆まずは、障害の特性に応じた指導や支援が必要であることを保護者や学校教育関係
◆まずは、障害の特性に応じた指導や支援が必要であることを保護者や学校教育関係
者が認識する必要がある。特に、早期からの適切な対応が効果的である場合が多い
者が認識する必要がある。特に、早期からの適切な対応が効果的である場合が多い
ことから、低学年の段階で学級担任がその特性を十分に理解し、適切な指導や必要
ことから、低学年の段階で学級担任がその特性を十分に理解し、適切な指導や必要
な支援の意義を認識することが重要である。
な支援の意義を認識することが重要である。
「教育支援資料」(平成25年10月
「教育支援資料」(平成25年10月
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)より
文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)より
※このほかに聞く、話す、計算するなどの能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を
※このほかに聞く、話す、計算するなどの能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を
示す様々な状態を含めて、学習障害(LD:Learning
示す様々な状態を含めて、学習障害(LD:Learning
Disabilities)といいます。
Disabilities)といいます。
平成24年に文部科学省が実施した全国的な実態調査では、
平成24年に文部科学省が実施した全国的な実態調査では、
学習や生活の面で
学習や生活の面で
読解が苦手な児童・生徒
読解が苦手な児童・生徒
漢字の読み書きが苦手な児童・生徒
漢字の読み書きが苦手な児童・生徒 ◆説明文でキーワードを見つ
◆説明文でキーワードを見つ
◆画数が多かったり少なかったりす
◆画数が多かったり少なかったりす けることや要旨を読み取る
けることや要旨を読み取る
る。
る。
ことが難しい。
ことが難しい。
◆書き順を間違える。
◆書き順を間違える。
◆物語文で、
「誰が、どうした」
◆物語文で、
「誰が、どうした」
◆ へ ん や◆
つへ
くん
りや
のつ
組く
みり
合の
わ組
せみ
の合 わ せ の かを読み取ることが難しい。
かを読み取ることが難しい。
理解が難し
理い
解。
が難しい。
◆登場人物の心情を読み取る
◆登場人物の心情を読み取る
特別な教育的支援を必要としている子供が小・中学校の通常の学級に
特別な教育的支援を必要としている子供が小・中学校の通常の学級に
6.5% 6.5%
程度在籍しているとの結果が出ました。
程度在籍しているとの結果が出ました。
読み書きに障害のある児童・生徒の教科学習における支援方法の
読み書きに障害のある児童・生徒の教科学習における支援方法の
確立が必要です。
確立が必要です。
ことが難しい。
ことが難しい。
本資料では、通級指導学級を利用する児童・生徒を対象に、通級指導学級と在籍学級の
本資料では、通級指導学級を利用する児童・生徒を対象に、通級指導学級と在籍学級の
双方における学習支援の方法をまとめました。
双方における学習支援の方法をまとめました。
読み書きに障害のある児童・生徒が意欲的に学習に取り組むことができるよう、本書を
読み書きに障害のある児童・生徒が意欲的に学習に取り組むことができるよう、本書を
御活用ください。
御活用ください。
—8—
-8-
—8—
—9—
—9—
-9-
2
通級指導
通学
級級
指に
導お
学け級
るに
読お
みけ書
るき読
にみ
障書
害きの
にあ
障る害のある
2
児童・生児
徒童
の・指
生導
徒の
の流
指れ
導との
ポ流
イれ
ンと
ト ポイ ン ト
読み書きに障害のある児童・生徒の指導のPDCAは、
読み書きに障害のある児童・生徒の指導のPDCAは、
どのようにすればよいでしょ
どのようにすればよいでしょ
うか。
(2)PDCAのポイント
(2)PDCAのポイント
①通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈
①通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈
うか。
◆在籍学級で児童・生徒が困っているところ、つまずいているところを把握します。
◆在籍学級で児童・生徒が困っているところ、つまずいているところを把握します。
◆通級指導における学習の様子や行動の様子の観察を行います。
◆通級指導における学習の様子や行動の様子の観察を行います。
※読み書きチェックリストを活用します。
※読み書きチェックリストを活用します。
(1)読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れについて
(1)読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れについて
◆心理検査(WISC-Ⅲ、WISC-Ⅳ、K-ABC
◆心理検査(WISC-Ⅲ、WISC-Ⅳ、K-ABC
など)を行い、認知特性を把握します。
など)を行い、認知特性を把握します。
(全体的な知的レベル、得意なところと苦手なところ→認知特性の把握)
(全体的な知的レベル、得意なところと苦手なところ→認知特性の把握)
読み書きに障害のある児童・生徒一人一人の指導のPDCAは、
読み書きに障害のある児童・生徒一人一人の指導のPDCAは、
下の図のようになりま
下の図のようになりま
◆読み書きに困難があることが把握された場合、
「MIM-PM」や「読み書き支援プログラム」を
「MIM-PM」や「読み書き支援プログラム」を
す。児童・生徒一人一人の実態を的確に把握して、実態に応じた具体的な指導目標を設定
す。児童・生徒一人一人の実態を的確に把握して、実態に応じた具体的な指導目標を設定◆読み書きに困難があることが把握された場合、
活用して、更に詳しく読み書きの障害の状態を把握します。
活用して、更に詳しく読み書きの障害の状態を把握します。
し、指導の手だてを講じることが大切です
し、指導の手だてを講じることが大切です
②通級指導学級における個別指導計画の作成(Plan/Action)
②通級指導学級における個別指導計画の作成(Plan/Action)
読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れ
読み書きに障害のある児童・生徒の指導の流れ
①通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈
①通級指導学級と在籍学級が連携したアセスメントの実施と解釈
◆各種発達検査等の結果に対する専門家(臨床心理士)の解釈を個別指導計画に反映し、指導に
◆各種発達検査等の結果に対する専門家(臨床心理士)の解釈を個別指導計画に反映し、指導に
生かします。 生かします。
◆在籍学級の個別指導計画の作成を、通級指導学級の教員が支援します。
◆在籍学級の個別指導計画の作成を、通級指導学級の教員が支援します。
③通級指導学級における指導の実施(Do)
③通級指導学級における指導の実施(Do)
◆指導における指導の手だての工夫
◆指導における指導の手だての工夫
・様々な感覚に働きかける指導・支援
・様々な感覚に働きかける指導・支援
その児童・生徒が視覚認知(形の識別や形の記憶、位置の記憶)を得意とする場合、指導内容
その児童・生徒が視覚認知(形の識別や形の記憶、位置の記憶)を得意とする場合、指導内容
通級
級に
②通級指導
②学
指導学級に
2に戻る
おける個別
お指
る個別指導
け導
計画の作成計画の作成
(Plan/Action)
(Plan/Action)
PDCA
を視覚化して提示することが効果的です。また、身体を動かしたり、物を操作したりすること
を視覚化して提示することが効果的です。また、身体を動かしたり、物を操作したりすること
④個別指導計画
④個別指導計画
2に戻
る
の評価
の評価
(Check)
(Check)
PDCA
で、学習内容の理解を高めることができます。
で、学習内容の理解を高めることができます。
・教材等の工夫
・教材等の工夫
文章の流れを分かりやすく整理したワークシート等を用意するなど、教材の工夫をします。
文章の流れを分かりやすく整理したワークシート等を用意するなど、教材の工夫をします。
◆指導成果の在籍学級への反映
◆指導成果の在籍学級への反映
通級指導学級の指導の成果を在籍学級の指導に反映させることで、
通級指導学級の指導の成果を在籍学級の指導に反映させることで、
在籍学級における適応状態
在籍学級における適応状態
の改善を図ることができます。
の改善を図ることができます。
◆児童・生徒の学習意欲の喚起
◆児童・生徒の学習意欲の喚起
児童・生徒が授業の自己評価をできるようにすることで、
児童・生徒が授業の自己評価をできるようにすることで、
学習に対する意欲を高めることがで
学習に対する意欲を高めることがで
きます。
③通級指導学級における指導の実施
③通級指導学級における指導の実施
(Do) (Do)
—10—
-10-
—10—
きます。
④個別指導計画の評価(Check)
④個別指導計画の評価(Check)
◆個別指導計画の評価欄に学習の習得状況や、児童・生徒の学習への取組状況を記入し、個別指
◆個別指導計画の評価欄に学習の習得状況や、児童・生徒の学習への取組状況を記入し、個別指
導計画の更新につなげます。
導計画の更新につなげます。
—11—
—11—
-11-
3
通学
級級
指と導
在が
籍連
学携
級しが
通級指導
在学
籍級
学と級
た連携した
アト
セの
ス実
メ施
ント
アセスメン
との
解実
釈施と解釈
3
◆ そこで文字の読み書きチェックリスト
を導入します。
◆ そこで文字の読み書きチェックリスト
を導入します。
1)連
教携
師の
間たのめ連
アセスメント
(1)教師間(の
の携
アの
セた
スめ
メの
ント
読み書きに障害のある児童・生徒の指導においては、
通級指導学級と在籍学級
読み書きに障害のある児童・生徒の指導においては、
通級指導学級と在籍学級
の教員が緊密な連携を図ることが大切です。
双方の教員が連携をして児童・生徒
の教員が緊密な連携を図ることが大切です。
双方の教員が連携をして児童・生徒
の実態を的確に把握し、指導に必要な情報を共有しましょう。ここでは、その
の実態を的確に把握し、指導に必要な情報を共有しましょう。ここでは、その
ためのツールを紹介します。
ためのツールを紹介します。
◆ 連携をサポートするツールとして有効なのが、文字の読み
◆ 連携をサポートするツールとして有効なのが、文字の読み
書きチェックリストです。
書きチェックリストです。
通級指導学級と在籍学級との連携の課題
通級指導学級と在籍学級との連携の課題
◆最近音読が上手になり、読み書き
◆週に1回通級指導学級を利用してい
◆最近音読が上手になり、読み書き
◆週に1回通級指導学級を利用してい
できる漢字が増えてきた児童が
る児童がいます。最近音読が上手に
できる漢字が増えてきた児童が
る児童がいます。最近音読が上手に
います。在籍学級の先生に、児童
なり、読み書きできる漢字が増えて
います。在籍学級の先生に、児童
なり、読み書きできる漢字が増えて
がどこでつまずいているのかを
きました。
がどこでつまずいているのかを
きました。
詳しく伝えることができれば、こ
◆通級指導学級では、どのようにして
詳しく伝えることができれば、こ
◆通級指導学級では、どのようにして
れまで以上に緊密な連携ができ
児童の実態を把握し、指導の手だて
れまで以上に緊密な連携ができ
児童の実態を把握し、指導の手だて
を考えているのでしょうか。詳しく
ると思います。ると思います。
を考えているのでしょうか。詳しく
◆これまでも、在籍学級の先生と
聞いて在籍学級の指導に生かしたい
◆これまでも、在籍学級の先生と
聞いて在籍学級の指導に生かしたい
は、通級指導学級での指導内容を
と考えています。
は、通級指導学級での指導内容を
と考えています。
電話やメモ等でやり取りをして
◆今度、情報交換をするための会をも
電話やメモ等でやり取りをして
◆今度、情報交換をするための会をも
いますが、次回の情報交換の会で
つ予定です。時間を有効に使い、中
いますが、次回の情報交換の会で
つ予定です。時間を有効に使い、中
は、アセスメントの方法について
身の濃い会にするための工夫を考え
は、アセスメントの方法について
身の濃い会にするための工夫を考え
お伝えできると良いと思います。
ています。
お伝えできると良いと思います。
ています。
◆有意義な会にするために何か工
◆在籍学級での様子ももっと的確にお
◆有意義な会にするために何か工
◆在籍学級での様子ももっと的確にお
夫したいと考えています。
伝えできると良いと考えています。
夫したいと考えています。
伝えできると良いと考えています。
在籍学級の担任
在籍学級の担任
在籍学級で活用するチェックリスト
在籍学級で活用するチェックリスト
「文字の読み書きチェックリスト」は通級指導学級の担任教員と在籍学級の担任教員がそれぞれに児童・生徒の
「文字の読み書きチェックリスト」は通級指導学級の担任教員と在籍学級の担任教員がそれぞれに児童・生徒の
読み書きの状態を評価するチェックリストです。
読み書きの状態を評価するチェックリストです。
通級指導学級の担任
通級指導学級の担任
児童・生徒のアセスメントについて有効なツールを活用してよ
児童・生徒のアセスメントについて有効なツールを活用してよ
り緊密な連携体制をつくりましょう。
り緊密な連携体制をつくりましょう。
—12—
-12-
—12—
通級指導学級で活用するチェックリスト
通級指導学級で活用するチェックリスト
★在籍学級でも逐字読み
★在籍学級でも逐字読み
★通級指導学級で
★在籍学級で取り
★通級指導学級で
をしていますが、
単語を
★在籍学級で取り
をしていますが、
単語を
は、分からない言
組んでいること
は、分からない言
まとまりとして読むこ
組んでいること
まとまりとして読むこ
葉を調べるなど、
や、児童・生徒が
葉を調べるなど、
とが課題であることが
や、児童・生徒が
とが課題であることが
語彙を増やす指導
頑張っているこ
語彙を増やす指導
分かって良かったです。
頑張っているこ
分かって良かったです。
をすることで、音
とがよく分かり
をすることで、音
★漢字については
「読み書
とがよく分かり
★漢字については
「読み書
★通級指導学級で
読する力の育成に
ました。通級指
★通級指導学級で
読する力の育成に
き支援プログラム」
に取
ました。通級指
き支援プログラム」
に取
は、先生の指示
取り組みますね。
導学級でも、児
は、先生の指示
取り組みますね。
導学級でも、児
り組みます。 り組みます。
を聞くことがで
童・生徒ができ
を聞くことがで
童・生徒ができ
きることが分か
ることを生かし
きることが分か
ることを生かし
って良かったで
て学習に取り組
って良かったで
て学習に取り組
す。在籍学級で
す。在籍学級で
んでみます。 んでみます。
も黒板に要点を
も黒板に要点を
板書してみま
板書してみま
す。
す。
在籍学級の担任
在籍学級の担任
通級指導学級の担任
通級指導学級の担任
—13—
—13—
(2)通級
(指
2)導
通学
級級
指に
導お
学け
級るに
アお
セけ
スる
メア
ンセ
ト①
スメント①
学級に音読が苦手な児童・生徒はいませんか。
学級に音読が苦手な児童・生徒はいませんか。
○一文字ずつ途切れる読み方をしてしまう。
○一文字ずつ途切れる読み方をしてしまう。
○文末を読み間違える。
○文末を読み間違える。
○音読が遅い。
○音読が遅い。
○ 行 を と○
ば行
しを
てと
読ば
んし
だて
り読
、ん
読だ
みり
違、
え読
たみ
り違
すえ
るた
。り す る 。
○「ねっこ」を「ねこ」とよんでしまう。
○「ねっこ」を「ねこ」とよんでしまう。
○このような児童・生徒は、
○このような児童・生徒は、
「っ」
「ゃ」
「っ」
「ゅ」
「ゃ」
「ょ」等が入
「ゅ」
「ょ」等が入
った言葉がうまく読めていない可能性があり、そのこ
った言葉がうまく読めていない可能性があり、そのこ
とが音読の困難につながっている可能性があります。
とが音読の困難につながっている可能性があります。
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
メントとして有効なのが
メントとして有効なのが
MIM—PM
MIM—PM
です。 です。
◆MIM-PM(「めざせよみめいじん」)とは
◆MIM-PM(「めざせよみめいじん」)とは
「MIM-PM
「MIM-PM
(Multilayer
(Multilayer
Instruction
Instruction
Model-Progress
Model-Progress
Monitoring)
Monitoring)
」は、
」は、
初期の読みの学習、特に特殊音節の読みに焦点を当て、計2分で実施するテスト
初期の読みの学習、特に特殊音節の読みに焦点を当て、計2分で実施するテスト
です。テストには「1」と「2」の2種類があり、
です。テストには「1」と「2」の2種類があり、
「テスト1」は特殊音節が正
「テスト1」は特殊音節が正
しく書かれた単語を三択で選び取る問題で、
しく書かれた単語を三択で選び取る問題で、
「テスト2」は単語をまとまりとし
「テスト2」は単語をまとまりとし
てとらえられるかを確認する問題です。一度だけでなく、継続的に実施すること
てとらえられるかを確認する問題です。一度だけでなく、継続的に実施すること
で、児童・生徒の伸びについて把握することができます。
で、児童・生徒の伸びについて把握することができます。
元来「MIM」
元来「MIM」
(多層指導モデル[ミム])は、通常の学級において、異なる学力
(多層指導モデル[ミム])は、通常の学級において、異なる学力
層の児童・生徒のニーズに対応した指導・支援をしていこうとするモデルであり、
層の児童・生徒のニーズに対応した指導・支援をしていこうとするモデルであり、
児童・生徒が学習につまずく前に、また、つまずきが深刻化する前に指導・支援
児童・生徒が学習につまずく前に、また、つまずきが深刻化する前に指導・支援
を提供していくことを目指しています。MIM-PMは、通常の学級において実
を提供していくことを目指しています。MIM-PMは、通常の学級において実
施可能なアセスメントとして開発されましたが、個に特化した場面でも活用でき
施可能なアセスメントとして開発されましたが、個に特化した場面でも活用でき
ます。 ます。
特殊音節とは
特殊音節とは
日本語は原則として、仮名1文字に対して1音節が対応します。特殊音節
日本語は原則として、仮名1文字に対して1音節が対応します。特殊音節
とは、この原則から外れた特殊な音節のことです。例えば「きって」は文字
とは、この原則から外れた特殊な音節のことです。例えば「きって」は文字
では3文字で表しますが、音は2音です。学習障害のある子供は、学習障害
では3文字で表しますが、音は2音です。学習障害のある子供は、学習障害
がない児童・生徒に比べて、この特殊音節の習得に困難があります。
がない児童・生徒に比べて、この特殊音節の習得に困難があります。
◆テスト1「絵に合う言葉」探し
◆テスト1「絵に合う言葉」探し
3つの選択肢の中から絵に対応する言葉に○をつける課題です。
3つの選択肢の中から絵に対応する言葉に○をつける課題です。
◆テスト1は、正しい表記の単語を素早く認識できる力を見ます。
◆テスト1は、正しい表記の単語を素早く認識できる力を見ます。
◆正答以外の選択肢には混乱しやすい要素が入っています。
◆正答以外の選択肢には混乱しやすい要素が入っています。
具体的には、以下のような例です。
具体的には、以下のような例です。
形態の類似(例:は-ほ)
形態の類似(例:は-ほ)
濁点・半濁点の有無(例:うさぎ-うさき)
濁点・半濁点の有無(例:うさぎ-うさき)
順序の入れ替え(例:りんご-りごん)
順序の入れ替え(例:りんご-りごん)
音韻の類似(例:だいこん-らいこん)
音韻の類似(例:だいこん-らいこん)
長音(例:ぼうし-ぼおし)
長音(例:ぼうし-ぼおし)
促音(例:きって-きて-きつて)
促音(例:きって-きて-きつて)
拗音(例:いしゃ-いしや-いしゅ)
拗音(例:いしゃ-いしや-いしゅ)
拗長音(例:きゅうり-きゅり-きゅーり)
拗長音(例:きゅうり-きゅり-きゅーり)
などです。
などです。
◆テスト2「3つの言葉探し」
◆テスト2「3つの言葉探し」
3つの言葉が途切れなく連続して書かれているものを素早く読み、単語と単語
3つの言葉が途切れなく連続して書かれているものを素早く読み、単語と単語
の間を線で区切る課題です。
の間を線で区切る課題です。
テスト2は、
テスト2は、
ことばを視覚的なまとまりとして素早く
ことばを視覚的なまとまりとして素早く
認識できる力を見るものです。
認識できる力を見るものです。
例:“いぬはないちご”→“いぬ/はな/いちご”
例:“いぬはないちご”→“いぬ/はな/いちご”
MIM-PMと連動した教材があります。
MIM-PMと連動した教材があります。
※
MIM についての詳細は、国立特別支援教育総合研究所ホームページ「科学研究費報告書
※ MIM についての詳細は、国立特別支援教育総合研究所ホームページ「科学研究費報告書
- F-151 通常の
- F-151 通常の
学級におけ学
る級
学に
習お
にけ
つる
ま学
ず習
きに
のつ
あま
るず
子き
どの
もあ
へる
の子
多ど
層も
指へ
導の
モ多
デ層
ル指
(導
Mモ
Iデ
Mル
)(
開M
発I
にM
関)
す開
る発
研に
究関
」する研究 」
(https://www.nise.go.jp/cms/7,388,32,134.html)を御参照ください。
(https://www.nise.go.jp/cms/7,388,32,134.html)を御参照ください。
—15— —15—
—14— —14—
-14-
-15-
(2)通級
(2指
)導
通学
級級
指に
導お
学け
級る
にア
おセけスるメアンセ
トス
②メント②
学級に読み書きが苦手な児童・生徒はいませんか。
学級に読み書きが苦手な児童・生徒はいませんか。
○単語をまとまりとして読むのが難しい。
○単語をまとまりとして読むのが難しい。
○書いた漢字の画数が多かったり少なかったりする。
○書いた漢字の画数が多かったり少なかったりする。
○漢字の書き順を間違えてしまう。
○漢字の書き順を間違えてしまう。
○ 漢 字 の○
へ漢
ん字
やの
つへ
くん
りや
のつ
組く
合り
せの
の組
理合
解せ
がの
難理
し解
いが
。難 し い 。
○ 言 葉 の○意言味葉がの分意か味らがな分いかのらでな、い文の
章で
の、
内文
容章のの理内解容がの 理 解 が
難 し い 。難 し い 。
◆平仮名文の読み困難について
◆平仮名文の読み困難について
◆読みに障害のある児童・生徒は、
◆読みに障害のある児童・生徒は、
音読にかかる時
音読にかかる時
間が長く、読み詰まりが多い傾向があります。
間が長く、読み詰まりが多い傾向があります。
◆読みに障害のある児童・生徒は、
◆読みに障害のある児童・生徒は、
平仮名1文字を
平仮名1文字を
読むのに要する時間が長く、単語をまとまりと
読むのに要する時間が長く、単語をまとまりと
して読むことに困難があります。
して読むことに困難があります。
◆読み書き支援プログラムでは、このような読み
◆読み書き支援プログラムでは、このような読み
の困難を示す児童・生徒のためのプリント(
の困難を示す児童・生徒のためのプリント(
「ひ
「ひ
らがな単語連鎖」
らがな単語連鎖」
)が用意されています。
)が用意されています。
◆漢字の読み書き困難について
◆漢字の読み書き困難について
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
メントとして有効なのが
メントとして有効なのが
読み書き支援プログラム
読み書き支援プログラム
です。 です。
◆ 読み書き支援プログラムとは
◆ 読み書き支援プログラムとは
読み書き支援プログラムは、東京学芸大学で研究・開発されたものです。
読み書き支援プログラムは、東京学芸大学で研究・開発されたものです。
学習障害・自閉症などの多様な背景から、平仮名文や単語の読み書き、文章の読解等を苦
学習障害・自閉症などの多様な背景から、平仮名文や単語の読み書き、文章の読解等を苦
手とする児童・生徒を対象に、
手とする児童・生徒を対象に、
アセスメントを基に障害特性に応じた学習支援についての
アセスメントを基に障害特性に応じた学習支援についての
方法が提示されています。学級全体での指導が可能なものから、個別で対応するものま
方法が提示されています。学級全体での指導が可能なものから、個別で対応するものま
であります。
であります。
代表的な指導方法については、次のページで紹介します。この他にも、プリントで学
代表的な指導方法については、次のページで紹介します。この他にも、プリントで学
習がきるものや、インターネットを利用して学習できるものなども用意されています。
習がきるものや、インターネットを利用して学習できるものなども用意されています。
アセスメントによる評価から対象の児童・生徒に応じて、
アセスメントによる評価から対象の児童・生徒に応じて、
教材を提示する機能もありま
教材を提示する機能もありま
す。
す。
※読み書き支援ソフトの詳細は、東京学芸大学ホームページ「漢字学習の評価・支援ソフト
※読み書き支援ソフトの詳細は、東京学芸大学ホームページ「漢字学習の評価・支援ソフト
ダウンロード」
ダウンロード」
(http://sne-gakugei.jp/teaching/user/koik/201305231005.html)を御参照ください。
(http://sne-gakugei.jp/teaching/user/koik/201305231005.html)を御参照ください。
◆漢字は、種類が多く、読み方も音読みや訓読み
◆漢字は、種類が多く、読み方も音読みや訓読み
など複数あります。平仮名に比べて覚えなけれ
など複数あります。平仮名に比べて覚えなけれ
ばならないことが多くあり、そのため漢字の読
ばならないことが多くあり、そのため漢字の読
み書きの習得は、
み書きの習得は、
平仮名より難しさが伴います。
平仮名より難しさが伴います。
◆そこで、
◆そこで、
児童・生徒の得意とする力を生かして学
児童・生徒の得意とする力を生かして学
習することが有効です。例えば、聴覚記憶は苦
習することが有効です。例えば、聴覚記憶は苦
手であるが、
手であるが、
視覚認知が優れている子供の場合、
視覚認知が優れている子供の場合、
漢字をへんとつくり等に分けて視覚的に提示し
漢字をへんとつくり等に分けて視覚的に提示し
て学習するなどの方策が考えられます。
て学習するなどの方策が考えられます。
◆語彙の理解についてー読解力につながる指導ー
◆語彙の理解についてー読解力につながる指導ー
もんだい
もんだい
はてな か
◆その児童・生徒がどれだけの言葉の意味が分か
◆その児童・生徒がどれだけの言葉の意味が分か
っているかといった語彙の評価は、
っているかといった語彙の評価は、
読み書きや
読み書きや
読解の指導に欠かせません。
読解の指導に欠かせません。
◆読み書き支援プログラムでは、
◆読み書き支援プログラムでは、
小学校1年から
小学校1年から
6年まで学年に応じた語彙のプリントを活用
6年まで学年に応じた語彙のプリントを活用
することで、語彙の理解力を高めます。
することで、語彙の理解力を高めます。
1
4 1
4
2
5 2
5
3
6 3
6
しげん
資源
—16— —16—
-16-
はてな か
●わからない問題には ?を書きましょう
●わからない問題には ?を書きましょう
—17— —17—
-17-
④
1
とくちょう
特徴
⑤
④
しげん せいしつ
2資源性質1
⑥
とくちょう
4特徴
⑤
2
せいしつ
性質
⑥
4
(2)通級指導学級におけるアセスメント③
(2)通級指導学級におけるアセスメント③
※このアセスメントは、在籍学級において活用することも可能です。
※このアセスメントは、在籍学級において活用することも可能です。
学級に文章の読解が苦手な児童・生徒はいませんか。
学級に文章の読解が苦手な児童・生徒はいませんか。
(解答例1)
(解答例1)
○平仮名や漢字はある程度読めるが、長い文
○平仮名や漢字はある程度読めるが、長い文
章の内容を読み取ることが苦手である。
章の内容を読み取ることが苦手である。
○作文が苦手である。
○作文が苦手である。
男の子が、授業中に騒いでしまってい
男の子が、授業中に騒いでしまってい
るので、隣の子に注意されている。
るので、隣の子に注意されている。
(解答例2)
(解答例2)
隣で騒いでいる子に注意している。
隣で騒いでいる子に注意している。
(解答例1)
(解答例1)
男の子が、けがをして保健室へ行き、先
男の子が、けがをして保健室へ行き、先
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
◆ このような児童・生徒の状態を把握し、学習支援を行うためのアセス
メントとして有効なのが
メントとして有効なのが
絵の読み取りテスト
絵の読み取りテスト
です。 です。
生に治療してもらっている。
生に治療してもらっている。
(解答例2)
(解答例2)
男の子が、けがをして保健室へ行った。
男の子が、けがをして保健室へ行った。
そこで、先生に塗ってもらった薬がしみ
そこで、先生に塗ってもらった薬がしみ
◆ 絵の読み取りテストとは
◆ 絵の読み取りテストとは
ある状況を示したイラスト(絵)を見て、それがどのような状況であるか、
ある状況を示したイラスト(絵)を見て、それがどのような状況であるか、
読み取ったことを説明したり、作文したりするテストです。
読み取ったことを説明したり、作文したりするテストです。
作文する際に、特殊音節などを正しく書くことができるか、状況を的確に理
作文する際に、特殊音節などを正しく書くことができるか、状況を的確に理
解できているか、登場人物の気持ちを想像できているかといったことが分かり
解できているか、登場人物の気持ちを想像できているかといったことが分かり
ます。 ます。
絵の読み取りテストは、右のようなものがあります。
絵の読み取りテストは、右のようなものがあります。
て泣いている。
て泣いている。
(解答例1)
(解答例1)
夏休みが終わって、友達同士で夏休みに
夏休みが終わって、友達同士で夏休みに
あったことを話している。子供が、
あったことを話している。子供が、
「花火 「花火
を見に行ったよ」
「スイカを食べたよ」と
を見に行ったよ」
「スイカを食べたよ」と
話している。
話している。
—18— —18—
-18-
—19— —19—
-19-
各種発達検査等について
各種発達検査等について
ワーキングメモリについて
ワーキングメモリについて
実態把握の方法としては、WISC-Ⅲ、及びK-ABC
実態把握の方法としては、WISC-Ⅲ、及びK-ABC
などの発達検査があります。
などの発達検査があります。
これらの実施は、各1時間前後にわたる長時間の検査の中から、有意義な情報をでき
これらの実施は、各1時間前後にわたる長時間の検査の中から、有意義な情報をでき
るだけ引き出さなければならないこと、検査結果の数値だけでなく、検査中の児童・
るだけ引き出さなければならないこと、検査結果の数値だけでなく、検査中の児童・
生徒の行動観察や、応答の仕方などを通して状態像を解釈しなければならないことか
生徒の行動観察や、応答の仕方などを通して状態像を解釈しなければならないことか
ら、検査者の側に高い専門性が必要とされます。心理士等の専門家を活用するなどし
ら、検査者の側に高い専門性が必要とされます。心理士等の専門家を活用するなどし
て検査を実施し、アドバイスをもらう等の対応に取り組むことが望ましいでしょう。
て検査を実施し、アドバイスをもらう等の対応に取り組むことが望ましいでしょう。
読み書きの障害の背景に,
読み書きの障害の背景に,
「ワーキングメモリの弱さがある」という指摘があります。
「ワーキングメモリの弱さがある」という指摘があります。
ワーキングメモリは、短い間情報を蓄えておく記憶のことです。例えば、
ワーキングメモリは、短い間情報を蓄えておく記憶のことです。例えば、
「鉛筆とメ
「鉛筆とメ
モ帳を持って、靴に履き替えて玄関に集まってください。
モ帳を持って、靴に履き替えて玄関に集まってください。
」という指示を聞いて行動す
」という指示を聞いて行動す
る場合、鉛筆とメモ帳を持ち物として記憶するとともに、靴を履き替え玄関に行くと
る場合、鉛筆とメモ帳を持ち物として記憶するとともに、靴を履き替え玄関に行くと
いう行動を記憶して活動をする必要があります。このような、一時的な記憶の部分が
いう行動を記憶して活動をする必要があります。このような、一時的な記憶の部分が
弱いと、持ち物を忘れてしまったり、目的の場所が分からなくなったりします。
弱いと、持ち物を忘れてしまったり、目的の場所が分からなくなったりします。
近年の研究から、注意して反復しながら学習することが必要な課題(例えば、新しく
近年の研究から、注意して反復しながら学習することが必要な課題(例えば、新しく
出会う単語の読みを覚える学習や、九九や年号の記憶など)に、ワーキングメモリが役
出会う単語の読みを覚える学習や、九九や年号の記憶など)に、ワーキングメモリが役
割を果たしていることが分かってきました。ワーキングメモリが弱い場合には、絵を
割を果たしていることが分かってきました。ワーキングメモリが弱い場合には、絵を
利用することや意味の理解に基づいて学習することが、大切であることも分かってき
利用することや意味の理解に基づいて学習することが、大切であることも分かってき
ました。 ました。
また、文章を読み進める場合などには、今まで読み進めてきた情報を整理し、記憶
また、文章を読み進める場合などには、今まで読み進めてきた情報を整理し、記憶
しながら、先の文章を読み進めていくという処理が必要になります。この記憶の部分
しながら、先の文章を読み進めていくという処理が必要になります。この記憶の部分
が弱いと、文章全体の関連付けがうまくできず、文章の意味を捉えることが難しくな
が弱いと、文章全体の関連付けがうまくできず、文章の意味を捉えることが難しくな
ります。 ります。
このため、読み書きに障害のある児童・生徒の指導に当たっては、
このため、読み書きに障害のある児童・生徒の指導に当たっては、
「ワーキングメモ
「ワーキングメモ
リが弱い」ということを念頭において、例えば、メモを取るように指示をする、指示
リが弱い」ということを念頭において、例えば、メモを取るように指示をする、指示
は一つずつ行うなどの手だてを工夫する必要があります。
は一つずつ行うなどの手だてを工夫する必要があります。
実行機能について
実行機能について
実行機能は、課題や活動の段取りを考え、とりかかり、継続して取り組み、やり遂
実行機能は、課題や活動の段取りを考え、とりかかり、継続して取り組み、やり遂
げる一連の行動を実行する力のことといえます。
げる一連の行動を実行する力のことといえます。
学習障害などの児童・生徒の場合、この実行機能が弱いということが言われていま
学習障害などの児童・生徒の場合、この実行機能が弱いということが言われていま
す。実行機能には、課題の整理や優先付けをして課題にとりかかること、課題に向か
す。実行機能には、課題の整理や優先付けをして課題にとりかかること、課題に向か
い続けること、自らの行動を振り返ることなどが含まれています。
い続けること、自らの行動を振り返ることなどが含まれています。
このような実行機能が弱い児童・生徒を支援するためには、
このような実行機能が弱い児童・生徒を支援するためには、
スケジュール表やワーク
スケジュール表やワーク
シート等を活用することが有効であると言われています。
シート等を活用することが有効であると言われています。
—20—
-20-
—20—
—21—
—21—
-21-
42
通級指導学級における個別指導計画の作成
(1)短期個別指導計画について
「短期個別指導計画」は、例えば、1ヶ月単位など、短い期間での実態把握や目
標設定を行い、項目を絞って書き込みます。
短期的な目標設定を行うことで、対象となる児童・生徒の状況に応じたスモールス
テップの学習支援が可能となります。
通常の個別指導計画は、例えば1学期間の「学習」「生活」「対人関係」等の課題
の解決に向けた指導目標や指導の手だてを書き込みます。これに対し、
「短期個別指
導計画」は、個別指導計画で設定された比較的長期的な学習目標を確実に達成させ
るために、その中の1項目に絞ってより具体的な目標を設定し、目標達成に向けた
手だてを講じる指導計画です。
「短期個別指導計画」を活用することで、スモールス
テップを踏んで確実な目標達成に取り組むことができます。
◆指導の形態等について
◆氏名等について
氏名、生年月日、年齢(月齢)、学年、記載時の
年月日、記載者を記入します。特記事項には、アセ
スメントの評価等を記入します。
週あるいは月に何日、何時間通級しているか、集団指導か個別指導か、重点的
な指導が必要な領域は何か、などについて記入します。
◆長期目標について
学校で作成している個別指導計画で設定されている長期目標を記入します。
記入例:(1)平仮名・片仮名を習得し、流暢に読むことができる。
(2)促音、長音、拗音を正しく読み書きできる。
(3)語彙を増やす。
長期目標の欄には目標の設定日と評価日を記入し、評価日には目標達成の程度
を評価します。例えば長期目標を 4 か月間の指導を目途に設定し、短期目標を 1
か月ごとに設定する場合、長期目標の評価日までに「短期個別指導計画」を4期
間分作成することになります。長期目標の評価は、4期間それぞれの短期目標に
対する評価のまとめになります。
◆当期の短期目標と手だてについて
対応する長期目標について短期目標を設定し、達成までの手だてを記入します。
記入例:(1)短期目標「MIM テスト1で10問正解できる」
手だて 「ことば絵カードを活用し、隔週で MIM-PM を実施する」
目標や手だては、具体的に記入します。
◆評価と来期の短期目標について
※通常の個別指導計画は、
「特別支援学級(固定学級・通級による指導)教育課程の
手引き」(平成 23 年 3 月 東京都教育委員会)に様式例を挙げています。
-22-
—22—
短期間での指導の実施後は、目標達成度を評価します。
評価を基に、来期の「短期個別指導計画」を作成します。例えば読み書き支援
プログラムのプリントは教材として使えるので、学習結果を新しいアセスメント
の結果として生かすことができます。
評価に当たっては、児童・生徒の目標に対する評価と、行った手だてに対する評
価を分けて行うことがポイントです。こうすることで、どのような手だてが児童・
生徒にとって効果的であったかが分かります。
-23-
—23—
(2)連携型個別指導計画について
(2)連携型個別指導計画について
「連携型個別指導計画」は在籍学級の担任教員と通級指導学級の担任教員が連携
「連携型個別指導計画」は在籍学級の担任教員と通級指導学級の担任教員が連携
して作成する個別指導計画です。
して作成する個別指導計画です。
「短期個別指導計画」に比べて、在籍学級との情報
「短期個別指導計画」に比べて、在籍学級との情報
交換がより丁寧に行えることが特長として挙げられます。
交換がより丁寧に行えることが特長として挙げられます。
連携型個別指導計画
連携型個別指導計画
★今回、通級指導学級に在籍する発達障害の児童・生徒について、在籍学級と通級
★今回、通級指導学級に在籍する発達障害の児童・生徒について、在籍学級と通級
小学校小学校
年 氏名
年 氏名
児
児
指導学級の連携が円滑に進めるための個別指導計画の様式を研究・開発しました。
指導学級の連携が円滑に進めるための個別指導計画の様式を研究・開発しました。
在籍担任
在籍担任
児童・生徒の障害の様子から、学
児童・生徒の障害の様子から、学
習目標をどう設定すればよいか、
習目標をどう設定すればよいか、
こ
こ
の「連携型個別指導計画」を基に、
の「連携型個別指導計画」を基に、
通級指導学級の先生に相談できる
通級指導学級の先生に相談できる
ので安心です。保護者に説明して、
ので安心です。保護者に説明して、
理解を得ることもできました。
理解を得ることもできました。
「読み書きチェックリスト」
「読み書きチェックリスト」
と併 と併
せて使うことで、
せて使うことで、
より連携を密にで
より連携を密にで
きました。
きました。
この「連携型個別指導計画」をツ
この「連携型個別指導計画」をツ
ールとして活用することで、児童・生
ールとして活用することで、児童・生
徒の様子について、在籍学級の先生
徒の様子について、在籍学級の先生
と具体的な話ができました。
と具体的な話ができました。
在籍学級での長期目標を達成する
在籍学級での長期目標を達成する
ために、短期目標をどのように設定
ために、短期目標をどのように設定
すればよいか情報交換をすることが
すればよいか情報交換をすることが
でき、学習の手だてについても共通
でき、学習の手だてについても共通
理解することができました。
理解することができました。
平成 平成 年
通級指導担当
通級指導担当
年月
月 日作成日作成
記載者記載者
◎指導目標(長期目標)
◎指導目標(長期目標)
在籍学級での目標
在籍学級での目標
◆在籍学級での目標
◆在籍学級での目標
通級指導での目標
通級指導での目標
(1)(1)
(2)(2)
学習目標の設定が、その児童・生徒にとって、適
学習目標の設定が、その児童・生徒にとって、適
切であるか、通級指導学級と調整することができ
切であるか、通級指導学級と調整することができ
ます。ます。
連連携携
◎短期目標と手だて、及び評価
◎短期目標と手だて、及び評価
●在籍学級(期間:
●在籍学級(期間:
/ ~ // ~
) / )
評
価評
価
在籍学級の担任
在籍学級の担任
短期目標
短期目標
(1) (1)
・
・
・
・
通級指導学級の担任
通級指導学級の担任
(2) (2)
手だて手だて
(1) (1)
(2) (2)
●通級指導(期間:/
●通級指導(期間:/
~ / ~
) / )
評 価評 価
★その子供の学習の様子について記入し、通級指導学級担任と情報を共
★その子供の学習の様子について記入し、通級指導学級担任と情報を共
短期目標
短期目標 有します。
有します。
(1) (1)
・
・
◆短期目標
◆短期目標
★学習目標の設定が、その子供にとって、適切であるか、通級指導学級
★学習目標の設定が、その子供にとって、適切であるか、通級指導学級
(2) (2)
在籍学級と通級指導学級両方の短期目標、
在籍学級と通級指導学級両方の短期目標、
手
手
と調整することができます。
と調整することができます。
(3) (3)
だて、評価を記入することができます。
だて、評価を記入することができます。
◆ソーシャルスキルの支援と読み書きの支援の関連性について
◆ソーシャルスキルの支援と読み書きの支援の関連性について
情緒障害等通級指導学級では、発達障害の児童・生徒のソーシャルスキルの習
情緒障害等通級指導学級では、発達障害の児童・生徒のソーシャルスキルの習
得に向けた指導の研究・開発は比較的活発に行われている一方で、読み書きに障
得に向けた指導の研究・開発は比較的活発に行われている一方で、読み書きに障
害のある児童・生徒に対する指導内容・方法は、
害のある児童・生徒に対する指導内容・方法は、
今後の実践研究の充実が期待され
今後の実践研究の充実が期待され
ています。学校生活において児童・生徒を適時・適切に支援することは、児童・生
ています。学校生活において児童・生徒を適時・適切に支援することは、児童・生
徒の学習活動への意欲を向上させることにつながるとともに、
徒の学習活動への意欲を向上させることにつながるとともに、
自主的や積極的に
自主的や積極的に
学習に取り組む態度の育成にもつながります。
学習に取り組む態度の育成にもつながります。
手だて手だて
(1) (1)
・
・
(2) (2)
(3) (3)
—24—
—24—
-24-
—25—
—25—
-25-
通級指通
導級
学指
級導
に学
お級
けに
る指
おけ
導る
の指
実導
施の実施
5 5
②動作を取り入れた学習(動作化)
②動作を取り入れた学習(動作化)
「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を基に児童・生徒の指導を行いま
「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を基に児童・生徒の指導を行いま
す。指導は、
す。指導は、
◆指導における手だての工夫
◆指導における手だての工夫
◆指導成果の在籍学級への反映
◆指導成果の在籍学級への反映
◆指導の評価と児童・生徒の学習意欲の喚起
◆指導の評価と児童・生徒の学習意欲の喚起
の3点に留意して実施します。
の3点に留意して実施します。
◆指導における手だての工夫
◆指導における手だての工夫
(1)様々な感覚に働きかける指導と支援
(1)様々な感覚に働きかける指導と支援
①視覚提示を取り入れた学習(視覚化)
①視覚提示を取り入れた学習(視覚化)
◆読み書きに障害のある児童・生徒は、
◆読み書きに障害のある児童・生徒は、
話を聞くだけ、
話を聞くだけ、
あるいは文章を読むだけではその
あるいは文章を読むだけではその
内容の理解が困難な場合があります。
内容の理解が困難な場合があります。
◆その児童・生徒が視覚認知(形の識別や形の記憶、位置の記憶)を得意とする場合、指
◆その児童・生徒が視覚認知(形の識別や形の記憶、位置の記憶)を得意とする場合、指
導内容を視覚化して提示することが効果的です。
導内容を視覚化して提示することが効果的です。
例えば、特殊音節の読み方についてドットを使って視覚化して
例えば、特殊音節の読み方についてドットを使って視覚化して
(「ねこ」
(
=●●、
「ねこ」
「ね
=●●、
「ね
●●)
、「ねこ(猫)
●●)
、「ねこ(猫)
」と「ねっこ(根っこ)
」と「ねっこ(根っこ)
」の発音の違いを学習する手だ
」の発音の違いを学習する手だ
っこ」=●
っこ」=●
てが考えられます。
てが考えられます。
◆漢字の学習では、漢字のへんやつくりの部分に分けて「休」と「林」の違いについて
◆漢字の学習では、漢字のへんやつくりの部分に分けて「休」と「林」の違いについて
学習したり、ある部分を隠した漢字を提示して隠れた部分を書いたりするなどの手だ
学習したり、ある部分を隠した漢字を提示して隠れた部分を書いたりするなどの手だ
てが考えられます。
てが考えられます。
このような手だてを講じることで、
このような手だてを講じることで、
児童・生徒はある漢字と別の漢
児童・生徒はある漢字と別の漢
字の部分的な違いを分かりやすく理解することができます。
字の部分的な違いを分かりやすく理解することができます。
◆文章の読解では、文章の流れを“はじめ・なか・おわり”の三部構成で図式化したり、
◆文章の読解では、文章の流れを“はじめ・なか・おわり”の三部構成で図式化したり、
物語の場面を図にして登場人物の行動を時系列に視覚提示したりするなどの手だてが
物語の場面を図にして登場人物の行動を時系列に視覚提示したりするなどの手だてが
考えられます。このような手だてを講じることは、読み書きに障害がある児童・生徒の
考えられます。このような手だてを講じることは、読み書きに障害がある児童・生徒の
「短期の記憶」の弱さを補い、文章の場面と場面のつながりや内容の流れについて、
「短期の記憶」の弱さを補い、文章の場面と場面のつながりや内容の流れについて、
視覚的に整理して確認することができます。
視覚的に整理して確認することができます。
◆なお、聴覚記憶の良好な児童・生徒は、
◆なお、聴覚記憶の良好な児童・生徒は、
「林という漢字は、木と木でできています」な
「林という漢字は、木と木でできています」な
どのように、漢字の形を言葉で表現して学習するなどの手だてが考えられます。
どのように、漢字の形を言葉で表現して学習するなどの手だてが考えられます。
—26— —26—
-26-
◆動作化は、身体を動かしたり、物を操作したりすることで、学習内容の理解を高める
◆動作化は、身体を動かしたり、物を操作したりすることで、学習内容の理解を高める
ことです。
ことです。
◆例えば、特殊音節の読み方について、視覚化されたドットに従って手拍子を打つ方法
◆例えば、特殊音節の読み方について、視覚化されたドットに従って手拍子を打つ方法
があります(
があります(
「ねっこ」=●
「ねっこ」=●
●●=●手を打つ、
●●=●手を打つ、
●手を握る、●手を打つ)
●手を握る、●手を打つ)
。また、物
。また、物
語文中の登場人物の行動について、場面を絵図にしてその上で登場人物の挿絵をカー
語文中の登場人物の行動について、場面を絵図にしてその上で登場人物の挿絵をカー
ドや紙人形にしたものを操作することで、話の流れや場面の移り変わりの理解を高め
ドや紙人形にしたものを操作することで、話の流れや場面の移り変わりの理解を高め
ることができます。このようにして、動作を取り入れた学習は、視覚提示を取り入れ
ることができます。このようにして、動作を取り入れた学習は、視覚提示を取り入れ
た学習と組み合わせて行うことで、効果的になります。
た学習と組み合わせて行うことで、効果的になります。
(2)教材等の工夫
(2)教材等の工夫
◆文章の流れを分かりやすく整理したワークシートや、板書と連動したワークシートを
◆文章の流れを分かりやすく整理したワークシートや、板書と連動したワークシートを
用意することで、読み書きに障害のある児童・生徒の理解を高めることができます。
用意することで、読み書きに障害のある児童・生徒の理解を高めることができます。
特殊音節を含む単語の単語カード帳などを用意すると、家庭学習の支援にもつながり
特殊音節を含む単語の単語カード帳などを用意すると、家庭学習の支援にもつながり
ます。 ます。
◆また、歌やゲーム的な活動を取り入れることも工夫の一つです。特殊音節を含んだ単
◆また、歌やゲーム的な活動を取り入れることも工夫の一つです。特殊音節を含んだ単
語で作った詩を歌にして繰り返し歌うことで、児童・生徒が楽しく反復的な学習に取
語で作った詩を歌にして繰り返し歌うことで、児童・生徒が楽しく反復的な学習に取
り組むことができるため、学習内容がより定着することが期待できます。覚えた漢字
り組むことができるため、学習内容がより定着することが期待できます。覚えた漢字
をカルタにするなど、ゲーム的な活動を学習に取り入れることで、児童・生徒の学習
をカルタにするなど、ゲーム的な活動を学習に取り入れることで、児童・生徒の学習
への意欲を高めることができます。
への意欲を高めることができます。
◆指導成果の在籍学級への反映
◆指導成果の在籍学級への反映
通級指導学級による在籍学級における指導の支援
通級指導学級による在籍学級における指導の支援
◆通級指導学級と在籍学級の緊密な連携を図る上では、通級指導学級の教員が、読み書
◆通級指導学級と在籍学級の緊密な連携を図る上では、通級指導学級の教員が、読み書
きに障害のある児童・生徒の指導方法に関する情報を在籍学級の教員に適切に提供し
きに障害のある児童・生徒の指導方法に関する情報を在籍学級の教員に適切に提供し
ていくことが重要となります。
ていくことが重要となります。
◆通級指導学級の教員は、児童・生徒の実態把握の方法や指導の手だての組み立て方等
◆通級指導学級の教員は、児童・生徒の実態把握の方法や指導の手だての組み立て方等
について、あらゆる機会を活用して説明し、共通理解を図ります。児童・生徒の障害
について、あらゆる機会を活用して説明し、共通理解を図ります。児童・生徒の障害
特性の理解や児童・生徒に応じた指導の手だてをはじめ、配布する教材プリント等を
特性の理解や児童・生徒に応じた指導の手だてをはじめ、配布する教材プリント等を
拡大して印刷することや、板書の文字の大きさに関することまで、在籍学級の教員が
拡大して印刷することや、板書の文字の大きさに関することまで、在籍学級の教員が
参考にできることを具体的に説明します。
参考にできることを具体的に説明します。
—27— —27—
-27-
別指導個
計別
画指
の導
評計
価画の評価
6 個6
◆連携の方法として、日々の学習の様子を連絡帳等で伝えることが挙げられます。
◆連携の方法として、日々の学習の様子を連絡帳等で伝えることが挙げられます。
その際、通級指導学級の担任は、在籍学級の学級便りの提供を受けるなどして、
その際、通級指導学級の担任は、在籍学級の学級便りの提供を受けるなどして、
在籍学級における学習内容を把握します。
在籍学級における学習内容を把握します。
◆在籍学級での学習内容を把握しておくことは、児童・生徒が通級指導学級で学習
◆在籍学級での学習内容を把握しておくことは、児童・生徒が通級指導学級で学習
したことを生かしていく上で重要です。
したことを生かしていく上で重要です。
例えば、通級指導学級で学習した内容を
例えば、通級指導学級で学習した内容を
在籍学級の授業における発問等に取り入れることで児童・生徒に正答を促し、児
在籍学級の授業における発問等に取り入れることで児童・生徒に正答を促し、児
童・生徒の学習意欲を高めることができるからです。
童・生徒の学習意欲を高めることができるからです。
児童・生徒が通級指導学級で
児童・生徒が通級指導学級で
書いた作文を在籍学級の担任教員が褒めることで、
書いた作文を在籍学級の担任教員が褒めることで、
書くことに負担感を感じてい
書くことに負担感を感じてい
た児童・生徒が在籍学級でも作文に意欲的に取り組めるようになった事例もあり
た児童・生徒が在籍学級でも作文に意欲的に取り組めるようになった事例もあり
ます。通級指導学級の教員と在籍学級の教員が連携を深めることで、児童・生徒
ます。通級指導学級の教員と在籍学級の教員が連携を深めることで、児童・生徒
が主たる学校生活の場である在籍校で力を発揮できるようになります。
が主たる学校生活の場である在籍校で力を発揮できるようになります。
◆連絡帳等の交換以外にも電話で情報交換をしたり、
◆連絡帳等の交換以外にも電話で情報交換をしたり、
在籍校訪問や校内委員会への
在籍校訪問や校内委員会への
出席等、在籍学級の担任教員と通級指導学級の担当教員が直接に会う機会を活用
出席等、在籍学級の担任教員と通級指導学級の担当教員が直接に会う機会を活用
したりするなど、様々な連携の形態を適切に取ることが大切です。
したりするなど、様々な連携の形態を適切に取ることが大切です。
◆情報交換の機会に「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を活用し、
◆情報交換の機会に「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を活用し、
通級指
通級指
導学級の担当教員と在籍学級の担任教員が連携して児童・生徒の学習指導の計画
導学級の担当教員と在籍学級の担任教員が連携して児童・生徒の学習指導の計画
を作成します。
を作成します。
◆また、保護者が通級指導学級に児童・生徒を送迎する際や、個別面談の機会等を
◆また、保護者が通級指導学級に児童・生徒を送迎する際や、個別面談の機会等を
活用して、通級指導学級での学習活動や児童・生徒の様子を保護者に伝え、理解
活用して、通級指導学級での学習活動や児童・生徒の様子を保護者に伝え、理解
と協力を得るとともに、在籍学級での学習活動への支援につなげます。
と協力を得るとともに、在籍学級での学習活動への支援につなげます。
「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」に基づき、
「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」に基づき、
あらかじめ設定した指導期
あらかじめ設定した指導期
間の指導が終了したら、適切な評価を行い、次の目標に向けて計画を更新します。
間の指導が終了したら、適切な評価を行い、次の目標に向けて計画を更新します。
◆評価 ◆評価
◆「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を基に、設定した指導期間内での目標
◆「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を基に、設定した指導期間内での目標
達成がなされたかを評価します。
達成がなされたかを評価します。
◆設定された具体的な指導目標を基に、客観的な評価を行います。
◆設定された具体的な指導目標を基に、客観的な評価を行います。
◆通級指導学級での評価結果を在籍学級の担任教員に説明します。その際に、在籍学
◆通級指導学級での評価結果を在籍学級の担任教員に説明します。その際に、在籍学
級での学習の様子も聞き取ります。「連携型個別指導計画」を活用した場合には、在
級での学習の様子も聞き取ります。「連携型個別指導計画」を活用した場合には、在
籍学級の担任教員も設定期間における評価を行います。
籍学級の担任教員も設定期間における評価を行います。
◆個別指導計画の更新へ
◆個別指導計画の更新へ
◆「読み書きチェックリスト」等で、改めて対象児童・生徒の実態把握を行います。
◆「読み書きチェックリスト」等で、改めて対象児童・生徒の実態把握を行います。
◆ 「MIM-PM」や「読み書き支援プログラム」等のアセスメントを行います。
◆ 「MIM-PM」や「読み書き支援プログラム」等のアセスメントを行います。
◆ その結果を基に、「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を更新します。
◆ その結果を基に、「短期個別指導計画」や「連携型個別指導計画」を更新します。
とても上手に音読できましたね。
とても上手に音読できましたね。
◆指導の記録、評価と児童・生徒の学習意欲の喚起
◆指導の記録、評価と児童・生徒の学習意欲の喚起
文の終わりも、
文の終わりも、
間違わずに読むことができ
間違わずに読むことができ
ました。
◆指導を実施したら速やかに指導の結果を記録します。「MIM」や「読み書き支援プ
◆指導を実施したら速やかに指導の結果を記録します。「MIM」や「読み書き支援プ
ログラム」を活用した場合、指導の結果は正答数として具体的に把握できます。こ
ログラム」を活用した場合、指導の結果は正答数として具体的に把握できます。こ
の結果を基に手だてが有効であったか評価し、教材の工夫・改善に生かします。
の結果を基に手だてが有効であったか評価し、教材の工夫・改善に生かします。
◆自分の学習目標を理解して学習に取り組むことができる児童・生徒がいます。こ
◆自分の学習目標を理解して学習に取り組むことができる児童・生徒がいます。こ
のような児童・生徒は、通級指導学級の教員と学習目標や学習内容を共有するこ
のような児童・生徒は、通級指導学級の教員と学習目標や学習内容を共有するこ
とができます。
とができます。
通級指導学級の教員は、
通級指導学級の教員は、
例えば学習した漢字を習得できたかなど
例えば学習した漢字を習得できたかなど
を、児童・生徒自身に確認させて学習の振返り用紙等に書き込ませたりするなど
を、児童・生徒自身に確認させて学習の振返り用紙等に書き込ませたりするなど
の手だてを講じることができます。このような手だてを講じることで、児童・生
の手だてを講じることができます。このような手だてを講じることで、児童・生
徒が学習の成果を自己評価し、学習に対する意欲を更に高めることができます。
徒が学習の成果を自己評価し、学習に対する意欲を更に高めることができます。
—28—
-28-
—28—
ました。
次の時間も頑張りましょうね。
次の時間も頑張りましょうね。
学習した漢字を正しく読むことが
学習した漢字を正しく読むことが
できました。 できました。
今度は新しい漢字を学習して、
今度は新しい漢字を学習して、
次の
次の
ページを読んでみたいです。
ページを読んでみたいです。
音読することが楽しくなってきま
音読することが楽しくなってきま
した。
—29—
した。
—29—
-29-
ワーキングメモリについて
読み書きの障害の一つの原因として,ワーキングメモリが弱いという考え方があり
ます。
ワーキングメモリは、短い間情報を蓄えておく記憶のことです。例えば、
「鉛筆と
メモ帳を持って、靴に履き替えて玄関に集まってください。
」という指示を聞いて行
動する場合、鉛筆とメモ帳を持ち物として記憶するとともに、靴を履き替え玄関に行
くという行動を記憶して活動をする必要があります。このような、一時的な記憶の部
分が弱いと、持ち物を忘れてしまったり、目的の場所が分からなくなったりします。
近年の研究から、注意して反復しながら学習することが必要な課題(例えば、新し
く出会う単語の読みを覚える学習や、九九や年号の記憶など)に、ワーキングメモリ
が役割を果たしていることが分かってきました。ワーキングメモリが弱い場合には、
絵を利用することや意味の理解に基づいて学習することが、大切であることも分かっ
てきました。
また、複雑な文章を読み進める場合などには、今まで読み進めてきた情報を整理し、
記憶しながら、先の文章を読み進めていくという処理が必要になります。この記憶の
部分が弱いと、文章全体の関連付けがうまくできず、文章の意味を捉えることが難し
くなります。
このため、読み書きに障害のある児童・生徒の指導に当たっては、
「ワーキングメモ
リが弱い」ということを念頭において、例えば、メモを取るように支持をする、指示
は一つずつ行うなどの手だてを工夫する必要があります。
Ⅱ
実 践 編
実行機能について
実行機能は、課題や活動に取り組むことなど、何かを実行する力のことです。
課題や活動にとりかかり、段取りを考え、集中し、やり遂げる一連の動きは、脳の
いくつかの機能が組み合わさって働いていると考えられています。
学習障害などの発達障害の児童・生徒の場合、この実行機能が弱いということが言
われています。一般に、実行機能には次のような内容が含まれます。
①とりかかり:課題の整理や優先付けをして課題に執りかかる。
②焦点化:課題に対して注意を維持する。
③感情のコントロール:課題に向かい続けるため感情を抑える、整理をする。
④行動統制:自らの行動を振り返り、自分で行動を制御する。
このような実行機能が弱い児童・生徒を支援するためには、スケジュール表やワー
クシート等を活用することが有効であると言われています。
­31­
­30­
-30-
-31-
実践実
編践
で編
紹で
介紹
して
介い
しる
て指
いる
導指
方導
法方法
実態の例
実態の例
指導方法の例
指導方法の例
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(1)→34ページ
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(1)→34ページ
・行をとばして読んでしまう。
・行をとばして読んでしまう。 ・MIM特殊音節読みカードの活用
・MIM特殊音節読みカードの活用
・文末を変えて読むことがある。
・文末を変えて読むことがある。
・教科書の拡大ワークシートの活用
・教科書の拡大ワークシートの活用
・漢字が読めない。
・漢字が読めない。
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(2)→36ページ
特殊音節の読みが苦手な児童の指導(2)→36ページ
・短期個別指導計画の活用
・短期個別指導計画の活用
・特殊音節が正確に読めない。
・特殊音節が正確に読めない。
・連携型個別指導計画の活用
・連携型個別指導計画の活用
・音と文字がつながらない。
・音と文字がつながらない。
・特殊音節を含んだ単語の視覚化・動作化
・特殊音節を含んだ単語の視覚化・動作化
長文の意味理解が苦手な児童の指導(1)→44ページ
長文の意味理解が苦手な児童の指導(1)→44ページ
・物語のあらすじの「見える化」の工夫
・物語のあらすじの「見える化」の工夫
・長文を読みながら内容を理解する
・長文を読みながら内容を理解する
・はじめ、なか、おわりを意識したワー
・はじめ、なか、おわりを意識したワー
ことが難しい。
ことが難しい。
クシートの工夫
クシートの工夫
長文の意味理解が苦手な児童の指導(2)→46ページ
長文の意味理解が苦手な児童の指導(2)→46ページ
・体を使ったり、教材を操作したり
・体を使ったり、教材を操作したり ・挿絵を活用したワークシートの工夫
・挿絵を活用したワークシートの工夫
することは得意だが、長文の理解
することは得意だが、長文の理解
・板書やICT機器の活用の工夫
・板書やICT機器の活用の工夫
が難しい。
が難しい。
・「特殊音節を含んだ言葉集め」の取組
・「特殊音節を含んだ言葉集め」の取組
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(1)→38ページ
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(1)→38ページ
・独特の筆順である。
・独特の筆順である。
・「漢字の間違い探し」の取組
・「漢字の間違い探し」の取組
・漢字の細かい部分を意識しない。
・漢字の細かい部分を意識しない。 ・「漢字を使った文作り」の取組
・「漢字を使った文作り」の取組
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(2)→40ページ
漢字の読み書きが苦手な児童の指導(2)→40ページ
・「漢字かるた」の取組
・「漢字かるた」の取組
・読み書き支援プログラムの読み書き支援
・読み書き支援プログラムの読み書き支援
・学年相当の漢字が読めない、書
・学年相当の漢字が読めない、書
プリントの活用
プリントの活用
さんが学習した漢字単語の活用
さんが学習した漢字単語の活用
けない。
けない。
・
・
(在籍学級との連携ツール)
(在籍学級との連携ツール)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(1)→48ページ
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(1)→48ページ
・気持ちや考えを入れた文章を書く
・気持ちや考えを入れた文章を書く ・
「気持ちと言葉のマッチング」の取組
・
「気持ちと言葉のマッチング」の取組
ことが難しい。
ことが難しい。
・詩を使った気持ちの読み取り
・詩を使った気持ちの読み取り
・短文は書けるが長文を構成して書
・短文は書けるが長文を構成して書
・体験したことを写真で文章構成
・体験したことを写真で文章構成
くことが難しい。
くことが難しい。
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(2)
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(2)
→50ページ
→50ページ
・丁寧に書くことが苦手である。
・丁寧に書くことが苦手である。
・「手順シート」の活用
・「手順シート」の活用
・原稿用紙の使い方が定着しない。
・原稿用紙の使い方が定着しない。 ・「見直し十一か条」の活用
・「見直し十一か条」の活用
音読が苦手な児童の指導→42ページ
音読が苦手な児童の指導→42ページ
・MIMの言葉絵カードの活用
・MIMの言葉絵カードの活用
・読み方がたどたどしい。
・読み方がたどたどしい。
・「かるたづくり」の取組
・「かるたづくり」の取組
・「おわりが大事」の取組
・文のどこを区切って読めばよい
・文のどこを区切って読めばよい ・「おわりが大事」の取組
・テープを使い文の区切りを意識して読む
・テープを使い文の区切りを意識して読む
か分らない。
か分らない。
・ボイスレコーダーを活用した自己評価
・ボイスレコーダーを活用した自己評価
—32—
—32—
-32-
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(3)→52ページ
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(3)→52ページ
・短期個別指導計画の活用
・短期個別指導計画の活用
・連携型個別指導計画の活用
・連携型個別指導計画の活用
しい。 しい。
・自己評価表の活用
・自己評価表の活用
・「聞き取りメモ」の活用
・文章を書くことに苦手意識がある。
・文章を書くことに苦手意識がある。 ・「聞き取りメモ」の活用
・パソコンの活用
・パソコンの活用
・相手に分かりやすく話すことが難
・相手に分かりやすく話すことが難
—33—
—33—
-33-
特殊
特音
殊節
音の
節読
のみ
読が
み苦
が手
苦な
手児
な童
児の
童指
の導
指(導
1(
)1)
アセスメントの実施
アセスメントの実施
読み書き(指導内容・方法の工夫)
読み書き(指導内容・方法の工夫)
MIM-PM
MIM-PM
の答え合わせと確認
の答え合わせと確認
3つの ことばを みつけよう
わらぐつの 中 の 神 様
わらぐつの 中 の 神 様
ゆき
3つの ことばを みつけよう
ゆき
【ポイント】
【ポイント】
本来は一人で読む特殊音節のある三
本来は一人で読む特殊音節のある三
つの言葉を、教師と交互に読むことで、
つの言葉を、教師と交互に読むことで、
苦手な読みの負担を減らしました。
苦手な読みの負担を減らしました。
★例えば、児童が「わらぐつ」について言葉
★例えば、児童が「わらぐつ」について言葉
の意味を調べ、行間に書き入れます。
の意味を調べ、行間に書き入れます。
なか
なか
かみさま
かみさま
雪 が しんしんと ふっています。
ほん
雪 が しんしんと ふっています。
マサエは、おばあちゃんと いっしょに
あ
ほん
本を
マサエは、おばあちゃんと いっしょに
こたつに 当たりながら
本を
(1)
(1)
(2)
(2)
あ
いました。
こたつに 当たりながら
よんで
いました。
よんで
【MIM-PM
【MIM-PM
の結果から】
の結果から】
○特殊音節の読み書きや単語の意味理解が当該学年より
○特殊音節の読み書きや単語の意味理解が当該学年より
2学年下の段階であることが分かりました。
2学年下の段階であることが分かりました。
※特殊音節が正確に読めていないことが明らかになりました。
※特殊音節が正確に読めていないことが明らかになりました。
いぬはないちご
いぬはないちご
★ はじめは、漢字の読みができないために流暢に読めないと考えていま
★ はじめは、漢字の読みができないために流暢に読めないと考えていま
した・・・。
した・・・。
★ でも、「MIM-PM」で実態把握をしてみたら!
★ でも、「MIM-PM」で実態把握をしてみたら!
(児童) (教員) (児童)
児童
)
き
ら
っ
こ(ま
っ
ち
教員
)
(
児っ
童て
)(
きっ
てらっ
こまっ
ち
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
○行を飛ばして読んだり、読み違えたりする。
○行を飛ばして読んだり、読み違えたりする。
○文末を変えて読むことがある。
○文末を変えて読むことがある。
○読み書きに対する抵抗感が強い。
○読み書きに対する抵抗感が強い。
○当該学年の国語の教科書の音読では、漢字が読めなくて、
○当該学年の国語の教科書の音読では、漢字が読めなくて、
引っかかってしまう。
引っかかってしまう。
教科書の拡大ワークシート
教科書の拡大ワークシート
教科書の拡大ワークシートで、漢
教科書の拡大ワークシートで、漢
字の読みと意味を調べて書き入れ、
字の読みと意味を調べて書き入れ、
読む練習をしました。
読む練習をしました。
指導目標と指導の手だて
指導目標と指導の手だて
★特殊音節のある語・文章を
★特殊音節のある語・文章を
流暢に読めるようになろう!
流暢に読めるようになろう!
指導の手だて
指導の手だて
★MIMの特殊音節の学習教材
★MIMの特殊音節の学習教材
・特殊音節を読むことば絵カード
・特殊音節を読むことば絵カード
★教科書の拡大ワークシート
★教科書の拡大ワークシート
-34-
—34—
—34—
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
◆特殊音節のある単語の読みが上手にできるようにな
◆特殊音節のある単語の読みが上手にできるようにな
りました。
りました。
◆休憩時間等に物語や漫画を手に取る機会が増えま
◆休憩時間等に物語や漫画を手に取る機会が増えま
した。
した。
◆行間を空け、分かち書きにした教科書の拡大ワーク
◆行間を空け、分かち書きにした教科書の拡大ワーク
シートは、本児にとって読みやすく、自分で振り仮名
シートは、本児にとって読みやすく、自分で振り仮名
を記入することができました。
を記入することができました。
★在籍学級では、短い文を挙手して読むなど、読むことに自信がつき、在籍学級で
★在籍学級では、短い文を挙手して読むなど、読むことに自信がつき、在籍学級で
の学習に意欲的に参加するようになってきました。
の学習に意欲的に参加するようになってきました。
-35-
—35—
—35—
の読
な児
の指
特特
殊殊
音音
節節
の読
みみ
がが
苦苦
手手
な児
童童
の指
導導
(2()2)
アセスメントの実施
アセスメントの実施
指導の手だてと指導内容・方法
指導の手だてと指導内容・方法
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
○ 促音、長音、拗音を含んだ単語が読めない。
○ 促音、長音、拗音を含んだ単語が読めない。
○ 音読では、語尾や文末の読み間違いがある。
○ 音読では、語尾や文末の読み間違いがある。
○ 音と文字がつながらない。
○ 音と文字がつながらない。
○ 発音が不明瞭で何を話しているのか分からない。
○ 発音が不明瞭で何を話しているのか分からない。
※特殊音節が正確に読めていないことが明らかになりました。
※特殊音節が正確に読めていないことが明らかになりました。
(児童)
○ 特殊音節の読み書きや単語の意味理解が、学年相当の程度に至っ
○ 特殊音節の読み書きや単語の意味理解が、学年相当の程度に至っ
ていないことが分かりました。
ていないことが分かりました。
(児童)
【MIM-PM
の結果から】
【MIM-PM
の結果から】
促音、長音、拗音を含んだ単語の読みの視覚化・動作化
促音、長音、拗音を含んだ単語の読みの視覚化・動作化
【ポイント】
【ポイント】
・促音を含んだ単語の読み方を確認し、視覚化を
・促音を含んだ単語の読み方を確認し、視覚化を
取り入れて
取り入れて
「ねっこ」=「●●●」
「ねっこ」=「●●●」
のシールを貼りました。
のシールを貼りました。
・読むときには動作化を取り入れ、
・読むときには動作化を取り入れ、
「ねっこ」=「×・×」
「ねっこ」=「×・×」
と手を打って、読みを確認しました。
と手を打って、読みを確認しました。
※「×」は手を打つ。
は手を打たずに握る。
※「×」は手を打つ。
「・」「・」
は手を打たずに握る。
特殊音節を含んだ言葉集め
特殊音節を含んだ言葉集め
指導目標と指導の手だて(個別指導計画の作成)
指導目標と指導の手だて(個別指導計画の作成)
短期個別指導計画
短期個別指導計画
短期個別指導計画を作成し、
短期的
短期個別指導計画を作成し、
短期的
な目標と手だてを設定しました。
な目標と手だてを設定しました。
長期目標
長期目標
・促音、長音、拗音が正しく読める。
・促音、長音、拗音が正しく読める。
短期目標
短期目標
・MIM-PMのテスト①で10問正解
・MIM-PMのテスト①で10問正解
できるようになる。
できるようになる。
「ことば絵カード」単語帳
「ことば絵カード」単語帳
【ことばの木】
【ことばの木】
◆特殊音節を含んだ言葉を探して、は
◆特殊音節を含んだ言葉を探して、は
っぱカードに書き込んで貼り付け、
っぱカードに書き込んで貼り付け、
「ことばの木」を作りました。通級
「ことばの木」を作りました。通級
指導学級教室で学んだ単語の読みを
指導学級教室で学んだ単語の読みを
基に、日常生活で使う言葉へと関心
基に、日常生活で使う言葉へと関心
を広げ、語彙を増やします。
を広げ、語彙を増やします。
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
連携型個別指導計画
連携型個別指導計画
通級指導学級でのアセスメントの様
通級指導学級でのアセスメントの様
子や指導目標を在籍学級の担任に伝え
子や指導目標を在籍学級の担任に伝え
るとともに、「連携型個別指導計画」を
るとともに、「連携型個別指導計画」を
作成し、在籍学級でも「平仮名を習得
作成し、在籍学級でも「平仮名を習得
し、読める字を書けるようになる」との目
し、読める字を書けるようになる」との目
標を設定しました。このことにより、
標を設定しました。このことにより、
対象児童が在籍学級においても個に応
対象児童が在籍学級においても個に応
じた指導を受けることができました。
じた指導を受けることができました。
-36-
—36—
—36—
◆MIM—PMのテストで
◆MIM—PMのテストで
10問正解できるよう
10問正解できるよう
になりました。
になりました。
短期目標を達成したの
短期目標を達成したの
で、次の短期の指導目
で、次の短期の指導目
12 問正解に設定
標を標を
12 問正解に設定
します。
します。
◆MIMの「ことば
◆MIMの「ことば
絵カード」を使っ
絵カード」を使っ
て、復習をした
て、復習をした
ところ、読める
ところ、読める
単語が増えまし
単語が増えまし
た。た。
★在籍学級でも、通級指導学級での頑張りを褒めてもらうことで、これまで
★在籍学級でも、通級指導学級での頑張りを褒めてもらうことで、これまで
に増して、意欲的に学習に取り組めるようになってきました。
に増して、意欲的に学習に取り組めるようになってきました。
-37-
—37—
—37—
漢漢
字字
のの
読読
みみ
書書
きき
がが
苦苦
手手
なな
児児
童童
のの
指指
導導
(1()1)
漢字の間違い探し(指導内容・方法の工夫)
漢字の間違い探し(指導内容・方法の工夫)
アセスメントの実施
アセスメントの実施
「文字の読み書きチェックリスト」
「文字の読み書きチェックリスト」
(通級指導学級版・通常の学級版の実施)
(通級指導学級版・通常の学級版の実施)
【チェックリスト(案)の結果から】
【チェックリスト(案)の結果から】
・独特の筆順である。
・独特の筆順である。
・漢字の細かい部分を意識しない。
・漢字の細かい部分を意識しない。
「横棒」が一本多い。
「横棒」が一本多い。
★ ★WISC-Ⅲの検査結果からは、
WISC-Ⅲの検査結果からは、
「部分を見
「部分を見
て、全体像をイメージして組み立てる力が
て、全体像をイメージして組み立てる力が
弱い」ことも明らかになりました。
弱い」ことも明らかになりました。
★★本児は、書き順を注意されることが
本児は、書き順を注意されることが
嫌で、漢字練習に意欲的に取り組む
嫌で、漢字練習に意欲的に取り組む
ことができないでいました。
ことができないでいました。
漢字の間違い探し
漢字の間違い探し
漢字を使った文作り
漢字を使った文作り
(1)漢字の間違いに気付き、「横棒が多い」等、言葉で説明をさせて線の数や交わりに
(1)漢字の間違いに気付き、「横棒が多い」等、言葉で説明をさせて線の数や交わりに
気が付くように指導しました。
気が付くように指導しました。
(2)漢字の一部分を見て、一つの漢字を合成する指導をしました。
(2)漢字の一部分を見て、一つの漢字を合成する指導をしました。
(3)書いた漢字は例文を見て文の中で使えるように練習しました。
(3)書いた漢字は例文を見て文の中で使えるように練習しました。
指導目標と指導の手だて
指導目標と指導の手だて
◆◆漢字をよく見比べよう!
漢字をよく見比べよう!
◆◆線の数や交わりを意識できるようになろう!
線の数や交わりを意識できるようになろう!
◆◆覚えた漢字を使ってみよう!
覚えた漢字を使ってみよう!
指導の手だて
指導の手だて
★漢字の間違い探し。
★漢字の間違い探し。
★漢字の部分を見て書く。
★漢字の部分を見て書く。
★覚えた漢字で文を作る。
★覚えた漢字で文を作る。
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
指導の成果(通級指導学級・在籍学級)
★漢字の線の数や交わりに注意しながら、漢字が
★漢字の線の数や交わりに注意しながら、漢字が
書けるようになってきました。
書けるようになってきました。
★正しく書ける漢字が増えてくると、自信をもって
★正しく書ける漢字が増えてくると、自信をもって
書けるようになりました。
書けるようになりました。
★ ★本児は、在籍学級でも、あらかじめ赤鉛筆で薄く下書きを
本児は、在籍学級でも、あらかじめ赤鉛筆で薄く下書きを
する支援を受けながら、漢字を書けるようになりました。
する支援を受けながら、漢字を書けるようになりました。
・漢字を正しく書くことを
・漢字を正しく書くことを
優先しました。確実に書
優先しました。確実に書
けるようになってから、
けるようになってから、
書き順を練習するように
書き順を練習するように
しました。
しました。
-38-
—38—
—38—
漢字の部分を見て書く
漢字の部分を見て書く
◆細かい部分を意識して書けるよう、教材や指導
◆細かい部分を意識して書けるよう、教材や指導
方法を工夫することにより、書くことへの意欲が
方法を工夫することにより、書くことへの意欲が
高まることが分かりました。
高まることが分かりました。
-39-
—39—
—39—
漢
漢字
字の
の読
読み
み書
書ききが
が苦
苦手
手な
な児
児童
童の
の指
指導
導((22))
指導2
指導2 漢字読みプリント言葉のワーク(指導内容・方法の工夫)
漢字読みプリント言葉のワーク(指導内容・方法の工夫)
指導目標と指導の手だて
指導目標と指導の手だて
◆漢字の読み書きが苦手な児童の指導について、以下の指導
◆漢字の読み書きが苦手な児童の指導について、以下の指導
目標を立て、
目標を立て、
「読み書き支援プログラム」
「読み書き支援プログラム」
を活用して学習に取り組みました。
を活用して学習に取り組みました。
「単語をまとまりと
「単語をまとまりと
して読む」という得意
して読む」という得意
な部分を生かして、単
な部分を生かして、単
語探しをしながら、漢
語探しをしながら、漢
字を覚える学習をし
字を覚える学習をし
ました。 ました。 ★学年相当の漢字を読み書きできるようになろう!
★学年相当の漢字を読み書きできるようになろう!
★漢字の意味を調べて覚えよう!
★漢字の意味を調べて覚えよう!
指導3
指導3 漢字書きプリント言葉のワーク(指導内容・方法の工夫)
漢字書きプリント言葉のワーク(指導内容・方法の工夫)
【指導の手だて(3つの学習)】
【指導の手だて(3つの学習)】
11 「漢字かるた」
「漢字かるた」
22 「漢字読みプリント言葉のワーク」
「漢字読みプリント言葉のワーク」
33 「漢字書きプリント言葉のワーク」
「漢字書きプリント言葉のワーク」
視覚的な記憶の力を生かし、
視覚的な記憶の力を生かし、
漢字を書く指導を行いました。
漢字を書く指導を行いました。
指導1
指導1 漢字かるた
漢字かるた
(1)「単語をまとまりとして読む」得意な力を生かして、単語を見つ
(1)「単語をまとまりとして読む」得意な力を生かして、単語を見つ
け出す指導をしました。
け出す指導をしました。
(2)漢字の意味を辞書で調べ、関係する絵を描くことで、漢字の意
(2)漢字の意味を辞書で調べ、関係する絵を描くことで、漢字の意
味の理解を促しました。
味の理解を促しました。
指導の成果
指導の成果
★少しずつ、読める漢字が増えてきました。
★少しずつ、読める漢字が増えてきました。
★少しずつ、漢字の意味理解が進んできました。
★少しずつ、漢字の意味理解が進んできました。
学習した漢字を使ってカルタを作
学習した漢字を使ってカルタを作
り、ゲームをします。
り、ゲームをします。
学習した漢字を記録して、
学習した漢字を記録して、
在籍学級
在籍学級
の担任に情報提供します。
の担任に情報提供します。
-40-
—40—
—40—
◆◆ 児童それぞれの得意な力に着目して教材を開発することが大切です。
児童それぞれの得意な力に着目して教材を開発することが大切です。
◆◆ 集中できる時間が短い児童には、短時間で終わる学習課題を組み合わせ、
集中できる時間が短い児童には、短時間で終わる学習課題を組み合わせ、
連続して行わせることで学習への意欲や集中力の向上が期待できます。
連続して行わせることで学習への意欲や集中力の向上が期待できます。
-41-
—41—
—41—
音音
読読
がが
苦苦
手手
なな
児児
童童
のの
指指
導導
アセスメントの実施
アセスメントの実施
指導内容・方法
指導内容・方法
①MIMの「ことば絵カード」
①MIMの「ことば絵カード」
フラッシュカード方式で活用しました。
フラッシュカード方式で活用しました。
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
【指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)】
音読では、語尾や文末の読み間違いがある。
音読では、語尾や文末の読み間違いがある。
○○
○○
読み方がたどたどしい。
読み方がたどたどしい。
○○
どこを区切って読めばよいか分からない。
どこを区切って読めばよいか分からない。
②かるたづくり
②かるたづくり
ステップ2
ステップ2
状況絵の作文⇒特殊音節で、表記の誤りがある。
状況絵の作文⇒特殊音節で、表記の誤りがある。
ステップ1
ステップ1
「かるた」のねらいは特殊音節の習得
「かるた」のねらいは特殊音節の習得
と、読む文字に注意を向けることです。
と、読む文字に注意を向けることです。
まずはステップ1として、児童が読み手
まずはステップ1として、児童が読み手
の言葉をよく聞いて、正しいものを選ぶ
の言葉をよく聞いて、正しいものを選ぶ
ようにしました。
ようにしました。
ステップ2では、正しい表記と誤表記
ステップ2では、正しい表記と誤表記
の札を混ぜて作ることで、注意して文字
の札を混ぜて作ることで、注意して文字
を読む意識をもたせるようにしました。
を読む意識をもたせるようにしました。
③「おわり」が大事
③「おわり」が大事
【MIM-PM
【MIM-PM
の結果から】
の結果から】
○特殊音節の読み書きや単語の意味理解が学年相当の到達程度
○特殊音節の読み書きや単語の意味理解が学年相当の到達程度
に至っていないことが分かりました。
に至っていないことが分かりました。
文末(
文末(
「おわり」
「おわり」
)が異なる文章を4つ用意し、それらのうち
)が異なる文章を4つ用意し、それらのうち
の一つを教師が読み、読んだ文と同じものを児童が選ぶ学習で
の一つを教師が読み、読んだ文と同じものを児童が選ぶ学習で
す。
す。
「文末が変わると、文章の意味も変わってしまう」という
「文末が変わると、文章の意味も変わってしまう」という
指導を行った後に取り組むことで、文末を正しく読む大切さを
指導を行った後に取り組むことで、文末を正しく読む大切さを
意識させることをねらいました。
意識させることをねらいました。
④④
文の区切りを意識して読む
文の区切りを意識して読む
長文が書かれた長いテープをハサミで切るこ
長文が書かれた長いテープをハサミで切るこ
とで、文の区切りを意識して音読することをね
とで、文の区切りを意識して音読することをね
らいました。区切りを意識することで作文する
らいました。区切りを意識することで作文する
ときにも句点をどこに打てばよいか分かるよう
ときにも句点をどこに打てばよいか分かるよう
になりました。
になりました。
指導目標と指導の手だて(個別指導計画の作成)
指導目標と指導の手だて(個別指導計画の作成)
指導目標
指導目標
特殊音節が正確に読める。読む文字に注意を向けることができる。
特殊音節が正確に読める。読む文字に注意を向けることができる。
指導の手だて
指導の手だて
◆対象児童
◆対象児童
①MIM-PM
①MIM-PM
が楽
がし
楽み
しみ
な
が
な
ら
が
学
ら学
毎時間習慣的に実施し読む力の向上を図る。
毎時間習慣的に実施し読む力の向上を図る。
習に
習取
にり
取り
②かるたづくり
②かるたづくり
組
め
組
る
め
よ
るよ
特殊音節を含んだ単語のかるたを作って活動する。
特殊音節を含んだ単語のかるたを作って活動する。
う配
う慮
配し
慮し
③「おわり」が大事
③「おわり」が大事
ました。
ました。
文末に注意して読むことを通して読む力の向上を図る。
文末に注意して読むことを通して読む力の向上を図る。
④文の区切りを意識して読む
④文の区切りを意識して読む
長文が書かれた長いテープをハサミで切ることで、
文の
長文が書かれた長いテープをハサミで切ることで、
文の
区切りを意識して流暢に音読する力を育てる。
区切りを意識して流暢に音読する力を育てる。
-42-
—42—
—42—
指導の成果
指導の成果
◆教師の音読を聞く際に、教師が読んでいる部分を自然と指でたどりな
◆教師の音読を聞く際に、教師が読んでいる部分を自然と指でたどりな
がら聞くようになりました。
がら聞くようになりました。
◆音読の際に注目する場所を「おわり」などと、具体的に示したことで、
◆音読の際に注目する場所を「おわり」などと、具体的に示したことで、
自分で文章を読むときに意識が向けられるようになってきました。
自分で文章を読むときに意識が向けられるようになってきました。
★自己評価の一環として、対象児童の音読をボイスレコーダー等で録音して振り返りを行いました。上
★自己評価の一環として、対象児童の音読をボイスレコーダー等で録音して振り返りを行いました。上
手に読めるようになったことが自分で確認でき、意欲が向上しました。
手に読めるようになったことが自分で確認でき、意欲が向上しました。
-43-
—43—
—43—
長文の意味理解が苦手な児童の指導(1)
アセスメントの実施
教科書の挿絵を活用したワークシートの工夫
「文字の読み書きチェックリスト」
(通級指導学級版・通常の学級版)等の実施
1
2
3
4
①
③
②
音読では、単語の読み間違いが多い。
漢字や読み慣れない言葉を読むことが難しい。
語句の意味を理解したり文章の内容を理解したりすることが難しい。
長文を読みながら内容を理解することが難しい。
①文章の構成が分かるよう
に、挿絵をカードにして並
べ、はじめ・なか・おわりが分
かるようにしました。
②挿絵の様子を短文で書くこ
とで、文章全体の内容を捉
えられるようにしました。
指導目標
ストーリーに沿って挿絵を並べる
★文章全体のストーリーや要旨を理解できるようになろう!
◆挿絵を順番に並べて、絵に描
かれている様子を見てお話を
作る学習をしました。
物語のあらすじを「見える化」
★指導の手だて=物語全体(かさ地蔵)の視覚化
村
かさじぞう
③
②
おじいさんの家
①
「かさじぞう」の全体図
◆物語全体のあらすじの図示
物語に登場する主要人物や、地理関係等を1枚の絵に「見える化」し
て、 物語の全体像をおおまかに把握させます。
-44-
—44—
指導の成果
★物語や説明文の内容の「見える化」は、意味
理解を助けることに大変に役立ちました。
★在籍学級では、児童が内容を理解している
読みやすい箇所を学級担任が指名する配慮
をすることで、学習に意欲的に参加するよう
になりました。
◆内容の「見える化」は、障害のない児童の長文読解の指導の際
にも、有効な手だてだと思われます。
-45-
—45—
長文の意味理解が苦手な児童の指導(2)
板書やICT機器の活用の工夫
アセスメントの実施
「さけがおおきくなるまで」
WISC-Ⅲ及び「文字の読み書きチェックリスト」
◆体を使ったり、教材を操作したり、動画を見たりする
課題のほうが好きである。
◆一般常識的なことはよく知っている。(理解)
◆言語の上位概念の形成が困難。(類似)
◆単語をまとまりとして読むことが難しい。
時間を軸にした表を作成して、時
間の経過とともに鮭がどこに移動し
たかを整理しました。
単語や文を滑
らかに読むこと
が難しい傾向
があります。
インターネットで鮭
について調べました。
動画の情報があるな
ど 、説明文の 内容理
解に役立ちました。
挿絵の様子を短文で書くこと
で、文章全体の内容を捉えられ
るようにしました。
★得意なことを生かして文章を読み、内容を理解しよう!
教材の工夫を通して主体的、意欲的に取り組めるようにしましょう。
鮭の稚魚の長さを測り
ながら粘土で作ってみまし
た。実際の大きさがよく分
かりました。
教科書の挿絵を活用したワークシートの工夫
「きつねのおきゃくさま」
登場人物を順番に並べました。
◆視覚化された情報を見つけることで、対象
児童が意欲的に取り組むことができまし
た。
指導の成果
イメージ図の上で、登場人物
の絵カードを動かして話の流れ
をつかみました。
-46-
—46—
★本児の心に残ったところを手掛かり
に読み取りをしたので、興味・関心を
もって取り組むことができました。
-47-
—47—
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(1)
アセスメントの実施
WISC-Ⅲ及び「絵の読み取り検査」等の実施
—様子や気持ちを表現する言葉を使って—
詩を使った気持ちの読み取り
(指導内容・方法の工夫)
体験したことを写真で文章構成
(指導内容・方法の工夫)
◆詩の場面や気持ちの移り変
わりを表情シールや絵、吹き
出しを使って分かりやすく再
現できるようにしました。
◆文章の全体の構成が分かるよう
に、体験したことを写真で順番
に示しました。
【絵の読み取り検査の結果】
(指導開始時期の書きの様子)
「私は、この絵を見て、気がついたことは、
雨の日に、男の子が、お花に水をあげている
ことです。二つ目は、木が「ありがとう」っ
といっている見たいです。」
・気持ちや考えを入れた文章を書くことが難しい。
・時系列で短文は書けるが、長文を構成して書くこと
が難しい。
◆WISC-Ⅲの結果からは、(1)順番に暗記することが得意、(2)いろいろな要素をまとめ
て全体を構成することが苦手、といった実態も明らかになりました。
指導目標と指導の手だて
指導の成果
★ 様子や気持ちを表す言葉を入れた作文が書けるよ
うになろう!
気持ちの言葉のマッチング
◆絵カードと気持ちを表す言葉
を一致させていきます。
◆体験したことに沿って、自分の気持ちや考えを入
れた作文を書くことができるようになりました。
「きんちょうする」『心の中
で笑った』など、自分の気持
ちや考えを入れた作文を書
くことができました。
★在籍学級では、学級担任が気持ちを表
す言葉を使うように、様子を見守った
り、適宜言葉掛けの支援を心掛けてく
れたりしてくれました。
◆詩などの短い文で感情を読み取る学習が、気持ちを表現する指導に
指導の手だて
★気持ちの言葉の理解
★詩を使った気持ちの読み取り
★体験したことで文章構成
-48-
—48—
有効であることが分かりました。
◆長文を構成して書くことを目標とする児童の場合には、自分の体験
を時系列で整理することが有効であることが分かりました。
-49-
—49—
—丁寧に書くことが苦手な児童への指導—
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(2)
作文「見直し十一か条」(指導内容・方法の工夫)
アセスメントの実施
「MIM-PM」及び「絵の読み取り検査」等の実施
2つの検査の結果から、次のようなことがわかりました。
【MIM-PM の結果から】
○特殊音節のある単語の読み書きの間違
いが多い。
【絵の読み取り検査の結果から】
(指導開始時の「書き」の様子)
「ねぼうして、がつこうに、ちこくして、いそがな
いと、とうこうじかんがまもれていないと かい
れといはれます。
あたまがばくはつしていてたすけてといって
るみたいです。」
指導目標と指導の手だて
●自分で書いた文章の見直しが
できるようになろう!
●100 字程度の文章を書くことが
できるようになろう!
手順シート
-50-
—50—
①先生と話しながら、書く内容を
整理する。
この2つが
支援のポイントです。
②「見直し十一か条」を参考にし
て、正しく分を書く。
★手順シート
★見直し十一か条
③最後に、自分で文を読んで確認
する。
指導の手だて
子供と一緒に目標
を考えました。
「見直し十一か条」を見ながら
作文を書いています。
(1)「作文作成手順シート」を開発し、作文づく
りに見通しがもてるようにしました。
(2)「見直し十一か条」を開発し、原稿用紙の
使い方や誤字・脱字等を、児童自らがチェッ
クできるようにしました。
分かりやすい文章が書け
るようになってきました!
★ 本児は、在籍学級でも落ち着いて学習に
取り組むことができるようになり、ノートも丁
寧な字で書けるようになりました。
◆「(文字を)丁寧に書く」ことを目標と
する児童の場合には、「自分で振り返
ることのできる」ツールの開発が有
効であることが分かりました。
-51-
—51—
文章を書くことが苦手な児童の作文指導(3)
アセスメントの実施
―書くことに負担感のある児童への指導―
指導の手だて及び指導内容・方法
指導開始時期の「読み」の様子(通級指導学級の様子から)
1 読むこと
○MIM-PMの結果から特殊音節の読み書きや
単語の意味理解が当該学年の到達程度に至って
いないことが分かった。
○音読では、語尾や文末の読み間違いがある。
2 書くこと
○文字を書くことや文章を書くことに対する苦手意識がある。
○特殊音節を含む言葉を正しく書くことが難しい。
3 話すこと
○相手に分かりやすく話すことが難しい。
○順序立てて話すことが苦手である。
◆長い作文を書くので、通級指導学級の教員は、以下の手だてを講じました。
手だてA 児童が話すことを聞き取り短冊状の紙にメモ
(聞き取りメモ)を取る。
手だてB 文章の「はじめ、なか、おわり」が表になっ
たワークシートを作り、「聞き取りメモ」を
基にパソコンに入力する。
手だて A
手だてC パソコンに入力したものに対象児童が加筆する。
手だての効果 対象児童が文章構成を意識しやすくなり、
書くことへの負担感を感じずに作文する
ことができた。
手だて B
●こうした手だてを講じることで、対象児童はいくつか
の文章を完成させることができました。
指導目標と指導の手だて(個別指導計画の作成)
連携型個別指導計画及び短期個別指導計画から
在籍学級の指導目標(長期目標)
必要なことを書いたり、相手に分かりやすく話したりすることができるよ
うになる。
通級指導学級での指導目標
長期目標 作文を書く。
短期目標 自分の思いを入れた作文を書く。(400字程度)
●在籍校の宿泊行事でカレーライスを作ったことをつ
づった作文では、火加減を調節するなど、班行動の中
で対象児童が自分の役割に取り組む様子を、気持ち
が相手に伝わるように書くことができました。
手だて C
●作文を褒めてもらったことで、書くことへの負担感が
軽減されてきました。
指導の成果
自己評価表の活用
★対象児童の書いた文章を読んだ在籍学級の担任が、対象児童を褒めてくれ
たことにより、児童の学習意欲が更に高まりました。
「短期個別指導計画」を基に対象児童と話し合い
ながら学習計画を立て、指導目標を対象児童と共有
することで、意欲をもたせる。
○今日のめあてや、各活動のめあてをしっかり意識
させる。
○自己評価することで達成感を味わわせ、次への意
欲につなげる。
—52—
-52-
●当該児童が、友達と協力してカレーライスを作ってい
在籍学級の担任
る様子や、感じたことが伝わってきました。
◆当該児童が意欲的に作文に取り組むようになったことから、在籍学級で
も年度末のまとめの作文指導に生かしていくことになりました。
—53—
-53-
第二章
自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業報告
—自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の手引—
平成 25 年度自閉症・情緒障害学級の指導内容の研究・開発事業検討委員会委員名簿
専門委員
渡部
匡隆
横浜国立大学
専門委員
野呂
文行
筑波大学
委
員
西脇
裕高
清瀬市立清瀬第七小学校
委
員
増田
優子
青梅市立若草小学校
委
員
伊藤
徳平
国分寺市立第四小学校
委
員
井ノ口
委
員
相馬
雅幸
清瀬市立清瀬第七小学校
委
員
野坂
純司
青梅市立若草小学校
委
員
北原
豊子
国分寺市立第四小学校
委
員
中村
清香
多摩市立諏訪小学校
委
員
古見
誠
清瀬市教育委員会
指導主事
委
員
長友
慎吾
青梅市教育委員会
指導主事
委
員
古林
香苗
国分寺市教育委員会
委
員
山﨑
智明
多摩市教育委員会
賀啓
-54-
教授
-55-
校長
校長
統括校長
多摩市立諏訪小学校
—55—
—54—
教授
校長
主任教諭
主幹教諭
主任教諭
主任教諭
指導主事
指導主事
Ⅰ
­56­
-56-
解 説 編
­57­
-57-
自閉症
自・閉
情症
緒・障
情害
緒学
障級
害と
学は
級とは
1 1
正式には「自閉症・情緒障害特別支援学級」と言います。本報告では、「自閉症・情
正式には「自閉症・情緒障害特別支援学級」と言います。本報告では、「自閉症・情
緒障害学級」と記します。自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び対
緒障害学級」と記します。自閉症又はそれに類するもので、他人との意思疎通及び対
人関係の形成が困難である児童・生徒や、主として心理的な要因による選択性かん黙
人関係の形成が困難である児童・生徒や、主として心理的な要因による選択性かん黙
等があるもので、社会生活への適応が困難である児童・生徒を対象とした固定式の特
等があるもので、社会生活への適応が困難である児童・生徒を対象とした固定式の特
別支援学級のことです。
別支援学級のことです。
(1)自閉症・情緒障害学級の教育課程について
(1)自閉症・情緒障害学級の教育課程について
東京都教育委員会が作成した「特別支援学級(固定学級・通級による指導)教育課程編
東京都教育委員会が作成した「特別支援学級(固定学級・通級による指導)教育課程編
成の手引き」
成の手引き」
(平成 23
(平成
年3月)では、自閉症・情緒障害学級の教育課程の編成について、
23 年3月)では、自閉症・情緒障害学級の教育課程の編成について、
次のように記述されています。
次のように記述されています。
教育課程編成に当たって
教育課程編成に当たって
自閉症・情緒障害学級における教育課程編成の考え方は、小学校及び中学校の
自閉症・情緒障害学級における教育課程編成の考え方は、小学校及び中学校の
教育課程に準ずることが基本となり、必要に応じて特別支援学校の教育課程を参
教育課程に準ずることが基本となり、必要に応じて特別支援学校の教育課程を参
考にできる。
考にできる。
ただし、自閉症・情緒障害学級では、知的障害を伴わない自閉症の児童・生徒が
ただし、自閉症・情緒障害学級では、知的障害を伴わない自閉症の児童・生徒が
在籍していることから、知的障害特別支援学校の指導の形態である「各教科等を
在籍していることから、知的障害特別支援学校の指導の形態である「各教科等を
合わせた指導」ではなく、各教科及び領域の指導を基本とすることが望ましい。
合わせた指導」ではなく、各教科及び領域の指導を基本とすることが望ましい。
自閉症・情緒障害学級においては、東京都教育委員会が知的障害特別支援学校に
自閉症・情緒障害学級においては、東京都教育委員会が知的障害特別支援学校に
位置づけた「社会性の学習」(※1)をそのまま導入することは適切ではなく、
位置づけた「社会性の学習」(※1)をそのまま導入することは適切ではなく、
障害に配慮した指導として自立活動の時間を設定し、
障害に配慮した指導として自立活動の時間を設定し、
その中で、
その中で、
「社会性の学習」
「社会性の学習」
を参考にした自立活動の指導を行うことが望ましい。
を参考にした自立活動の指導を行うことが望ましい。
(1) 児童・生徒が主体的に取り組むことができるような活動を設定するとともに、学
(1) 児童・生徒が主体的に取り組むことができるような活動を設定するとともに、学
習活動に見通しをもてるようにしていくことや学習したことの結果を分かりや
習活動に見通しをもてるようにしていくことや学習したことの結果を分かりや
すくするなどの工夫をして指導する。
すくするなどの工夫をして指導する。
(2) 児童・生徒の障害の状態や実態に応じて、基本的な生活習慣を確立することや正
(2) 児童・生徒の障害の状態や実態に応じて、基本的な生活習慣を確立することや正
しい言葉のやり取りを獲得すること、
しい言葉のやり取りを獲得すること、
自分の意思を適切に伝えること、
自分の意思を適切に伝えること、
相手の立相手の立
場に立って考える等の指導を自立活動の時間における指導との密接な関連を図
場に立って考える等の指導を自立活動の時間における指導との密接な関連を図
り指導する。
り指導する。
­58­ ­58­
-58-
(2)自閉症・情緒障害学級の対象
(2)自閉症・情緒障害学級の対象
自閉症の児童・生徒の中には、知的障害を併せ有する児童・生徒と知的障害のない児童・
自閉症の児童・生徒の中には、知的障害を併せ有する児童・生徒と知的障害のない児童・
生徒がいます。
生徒がいます。
東京都教育委員会では、
東京都教育委員会では、
「東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画」に基づき、区
「東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画」に基づき、区
市町村における「重層的な支援体制」の整備の一環として自閉症・情緒障害学級の計画的
市町村における「重層的な支援体制」の整備の一環として自閉症・情緒障害学級の計画的
な設置を進めることとしており、その対象は主として知的障害のない自閉症の児童・生徒
な設置を進めることとしており、その対象は主として知的障害のない自閉症の児童・生徒
とするとしています。
とするとしています。
このため、
このため、
この本指導資料において解説する教育課程は、
この本指導資料において解説する教育課程は、
知的障害のない自閉症の児童・
知的障害のない自閉症の児童・
生徒を対象とした教育課程となります。
生徒を対象とした教育課程となります。
(※1)「社会性の学習」
(※1)「社会性の学習」
自閉症の児童・生徒が社会性の障害を有することを前提に、対人関係や社会生活に関わる行動について対応
自閉症の児童・生徒が社会性の障害を有することを前提に、対人関係や社会生活に関わる行動について対応
できるために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、また支援を受けて行動できる力を培うことを目標とし
できるために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、また支援を受けて行動できる力を培うことを目標とし
た学習。 た学習。
(自閉症の教育課程の編成と「社会性の学習」平成19年3月
(自閉症の教育課程の編成と「社会性の学習」平成19年3月
東京都教育委員会)
東京都教育委員会)
­59­ ­59­
-59-
情・
緒情
障緒
害障
学害
級学
の級
教の
育教
課育
程課
の程
構の
造構造
2 2 自閉自症閉・症
(3)各教科の指導の考え方
(3)各教科の指導の考え方
自閉症・情緒障害学級の教育課程は、各教科等の指導に、自立活動の時間の
自閉症・情緒障害学級の教育課程は、各教科等の指導に、自立活動の時間の
指導を加えたものです。そこで、自閉症・情緒障害学級の教育課程は、以下の
指導を加えたものです。そこで、自閉症・情緒障害学級の教育課程は、以下の
3本の柱が基本となります。
3本の柱が基本となります。
◆自立活動
◆自立活動
◆各教科
◆各教科
◆交流及び共同学習
◆交流及び共同学習
自閉症・情緒障害学級は、主として知的障害のない自閉症の児童・生徒を対象とするた
自閉症・情緒障害学級は、主として知的障害のない自閉症の児童・生徒を対象とするた
め、各教科の指導は、基本的に通常の学級に準ずる内容を実施することになります。しか
め、各教科の指導は、基本的に通常の学級に準ずる内容を実施することになります。しか
し、自立活動の指導の時間を確保する必要があることから、
し、自立活動の指導の時間を確保する必要があることから、
各教科の授業時数を適宜減ず
各教科の授業時数を適宜減ず
る必要が生じます。
る必要が生じます。
授業時数を減ずるに当たっては自立活動の指導内容との関係を十分に
授業時数を減ずるに当たっては自立活動の指導内容との関係を十分に
考慮した上で当該教科を定めるとともに、自閉症の児童・生徒の障害特性に応じた指導内
考慮した上で当該教科を定めるとともに、自閉症の児童・生徒の障害特性に応じた指導内
容を検討・精選し各教科に必要な指導内容が指導できるように工夫することが重要です。
容を検討・精選し各教科に必要な指導内容が指導できるように工夫することが重要です。
(4)交流及び共同学習の考え方
(4)交流及び共同学習の考え方
(1)自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の考え方
(1)自閉症・情緒障害学級の教育課程編成の考え方
自閉症・情緒障害学級は、小学校又は中学校に設置された学級であるため、その教育課程
自閉症・情緒障害学級は、小学校又は中学校に設置された学級であるため、その教育課程
は小学校、中学校の教育課程が基本になります。しかし、特別支援学級は、特別な支援を
は小学校、中学校の教育課程が基本になります。しかし、特別支援学級は、特別な支援を
必要とする児童・生徒のために設置された学級であるため、
必要とする児童・生徒のために設置された学級であるため、
通常の学級の教育課程をそのま
通常の学級の教育課程をそのま
ま適用することは適切ではありません。そのため、自閉症・情緒障害学級では、自閉症の児
ま適用することは適切ではありません。そのため、自閉症・情緒障害学級では、自閉症の児
童・生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し、自立し社会参加する資質を
童・生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し、自立し社会参加する資質を
養うための指導の領域である自立活動の指導を取り入れる必要があります。
養うための指導の領域である自立活動の指導を取り入れる必要があります。
また、自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒の進学や将来の自立と社会参加を
また、自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒の進学や将来の自立と社会参加を
考えた場合、通常の学級との交流及び共同学習をできる限り充実させていくことが望
考えた場合、通常の学級との交流及び共同学習をできる限り充実させていくことが望
ましいと考えます。
ましいと考えます。
自閉症・情緒障害学級の教育課程は、自立活動の指導、各教科の指導、交流及び共同学習
自閉症・情緒障害学級の教育課程は、自立活動の指導、各教科の指導、交流及び共同学習
の3本の柱を基本として編成することが重要です。
の3本の柱を基本として編成することが重要です。
(2)自立活動の指導の考え方
(2)自立活動の指導の考え方
(5)自閉症・情緒障害学級の教育課程の構造
(5)自閉症・情緒障害学級の教育課程の構造
このような考え方から、自閉症・情緒障害学級の教育課程は、図のように自立活動の指
このような考え方から、自閉症・情緒障害学級の教育課程は、図のように自立活動の指
導、各教科の指導、交流及び共同学習の3本の柱が基本となります。
導、各教科の指導、交流及び共同学習の3本の柱が基本となります。
◆障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する自立活動
◆障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する自立活動
◆障害特性を踏まえて指導内容を精選した各教科
◆障害特性を踏まえて指導内容を精選した各教科
◆各教科や自立学習の時間で獲得した力を通常の学級との交流及び共同学習の中で発揮
◆各教科や自立学習の時間で獲得した力を通常の学級との交流及び共同学習の中で発揮
(教師は、交流及び共同学習の場面で課題になったことを各教科や自立活動の指導に還元する)
(教師は、交流及び共同学習の場面で課題になったことを各教科や自立活動の指導に還元する)
­60­
­60­
-60-
­61­
­61­
-61-
各教科・
領域
図:指導内容の3本の柱
図:指導内容の3本の柱
各教科・
領域
自閉症・情緒障害学級の教育課程
自閉症・情緒障害学級の教育課程
交流及び
還 元還 元
共
学習
交同
流及
び
発 揮発 揮
共同学習
自立活動
自立活動
各教科
各教科
自閉症・情緒障害学級における自立活動の指導は、指導の時間を特設して行うように
自閉症・情緒障害学級における自立活動の指導は、指導の時間を特設して行うように
します。
します。
自立活動の時間における指導は、各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間
自立活動の時間における指導は、各教科、道徳、外国語活動、総合的な学習の時間
及び特別活動と密接な関連をもたせ、個々の児童・生徒の障害の状態や発達の段階等を
及び特別活動と密接な関連をもたせ、個々の児童・生徒の障害の状態や発達の段階等を
的確に把握し、個別の指導目標や具体的な指導内容を定めて指導をすることが重要で
的確に把握し、個別の指導目標や具体的な指導内容を定めて指導をすることが重要で
す。そのためには、個別指導計画の内容の充実を図り、個別指導計画に基づく適切な
す。そのためには、個別指導計画の内容の充実を図り、個別指導計画に基づく適切な
指導を行う必要があります。
指導を行う必要があります。
自閉症・情緒障害学級の具体的な自立活動の取扱いについては後述します。
自閉症・情緒障害学級の具体的な自立活動の取扱いについては後述します。
交流及び共同学習では、自閉症・情緒障害学級の各教科の指導で学んだことや、自
交流及び共同学習では、自閉症・情緒障害学級の各教科の指導で学んだことや、自
立活動で習得したソーシャルスキルの力を発揮できる内容を設定します。
立活動で習得したソーシャルスキルの力を発揮できる内容を設定します。
交流及び共同学習を行うに当たっては、児童・生徒の障害の状況、興味・関心、発達
交流及び共同学習を行うに当たっては、児童・生徒の障害の状況、興味・関心、発達
段階、本人の集団適応の状態を十分に考慮し、安全に活動できる内容を設定します。
段階、本人の集団適応の状態を十分に考慮し、安全に活動できる内容を設定します。
通常の学級の児童・生徒にとっても交流及び共同学習は、同じ学校の仲間として交
通常の学級の児童・生徒にとっても交流及び共同学習は、同じ学校の仲間として交
友関係を広げ、共に学習に取り組みながら、互いに認め合い、理解し合い、支え合う
友関係を広げ、共に学習に取り組みながら、互いに認め合い、理解し合い、支え合う
ことの素晴らしさを学ぶ大切な機会になります。
ことの素晴らしさを学ぶ大切な機会になります。
通常の学級
通常の学級
の教育課程
の教育課程
3
各3
教科の
各指
教導
科の指導
などの学習特性があります。このことから、次の点に配慮して指導します。
などの学習特性があります。このことから、次の点に配慮して指導します。
自閉症の児童・生徒の学習の特性として、以下のようなことが挙げられます。
自閉症の児童・生徒の学習の特性として、以下のようなことが挙げられます。
★教材を視覚化する。
★教材を視覚化する。
◆言葉の理解が困難で、言葉だけではイメージをもちにくい場合がある。
◆言葉の理解が困難で、言葉だけではイメージをもちにくい場合がある。
内容を分かりやすく視覚化したワークシートを活用する(実践編参照)
内容を分かりやすく視覚化したワークシートを活用する(実践編参照)
。
。
◆数量の理解が部分的であったり偏っていたりする場合がある。
◆数量の理解が部分的であったり偏っていたりする場合がある。
★気持ちや感情の記述に傍線を引いたり、抜き出したりさせることにより、登場人
自閉症・情緒障害学級では、
自閉症・情緒障害学級では、
このような学習特性のある児童・生徒が落ち着いて主体
このような学習特性のある児童・生徒が落ち着いて主体 ★気持ちや感情の記述に傍線を引いたり、抜き出したりさせることにより、登場人
物の気持ちなどを考える。その上で、
物の気持ちなどを考える。その上で、
「誰の立場で書かれているか、どんな状況で
「誰の立場で書かれているか、どんな状況で
的に学習に取り組むことができるよう、学習環境の調整や、学習内容の精選を行うこ
的に学習に取り組むことができるよう、学習環境の調整や、学習内容の精選を行うこ
あるか」を整理する。
あるか」を整理する。
とが重要です。
とが重要です。
(1)自閉症の特性に配慮した学習指導の考え方
(1)自閉症の特性に配慮した学習指導の考え方
(3)算数科の指導における配慮について
(3)算数科の指導における配慮について
算数科の指導では、自閉症の児童・生徒には、
算数科の指導では、自閉症の児童・生徒には、
自閉症とは、
自閉症とは、
①他人との社会的関係の形成の困難さ
①他人との社会的関係の形成の困難さ
◆数の合成分解など、数を量的にとらえることが難しい。
◆数の合成分解など、数を量的にとらえることが難しい。
②言葉の発達の遅れ
②言葉の発達の遅れ
◆実際の測定等の経験が少なく、測定等の作業に時間がかかることがある。
◆実際の測定等の経験が少なく、測定等の作業に時間がかかることがある。
③興味や関心が狭く特定のものにこだわる
③興味や関心が狭く特定のものにこだわる
ことを特徴とする発達の障害です。自閉症の児童・生徒は、言語発達の遅れがあった
ことを特徴とする発達の障害です。自閉症の児童・生徒は、言語発達の遅れがあった
などの学習特性があります。
り、言葉や文章を異なった意味として理解をしてしまったりするという特性がありま
り、言葉や文章を異なった意味として理解をしてしまったりするという特性がありま などの学習特性があります。
また、このような自閉症の学習特性に加え、例えば、足し算の学習が掛け算の学習
す。さらに、言葉の指示等の聴覚情報(耳から入る情報)よりも、視覚的な情報(目か
す。さらに、言葉の指示等の聴覚情報(耳から入る情報)よりも、視覚的な情報(目か また、このような自閉症の学習特性に加え、例えば、足し算の学習が掛け算の学習
の基盤となっている(○+○=○×2)など、算数科には既習事項を基に学習内容を
ら入る情報)を処理することのほうが得意な場合が多く、学習の手掛かりとして、図や
ら入る情報)を処理することのほうが得意な場合が多く、学習の手掛かりとして、図や の基盤となっている(○+○=○×2)など、算数科には既習事項を基に学習内容を
積み上げていく特徴があります。自閉症の児童・生徒がその学習特性による困難さか
積み上げていく特徴があります。自閉症の児童・生徒がその学習特性による困難さか
絵を用いることが効果的です。
絵を用いることが効果的です。
また、自閉症の児童・生徒は環境の変化にうまく適応できないことがあります。例え
また、自閉症の児童・生徒は環境の変化にうまく適応できないことがあります。例え ら、学年相当の学習内容を未習得であった場合、学年が上がるにつれて学習内容の習
ら、学年相当の学習内容を未習得であった場合、学年が上がるにつれて学習内容の習
ば、学校の日課が急に変わると適切に対応することができず、著しく動揺する場合があ
ば、学校の日課が急に変わると適切に対応することができず、著しく動揺する場合があ 熟や定着に困難さが増していくことが考えられます。
熟や定着に困難さが増していくことが考えられます。
ります。そのため、児童・生徒が見通しをもって学校生活を送ることができるように、
ります。そのため、児童・生徒が見通しをもって学校生活を送ることができるように、 これらのことから、次の点に配慮して指導します。
これらのことから、次の点に配慮して指導します。
文字カードや絵カードなどを使った視覚的な支援を行い学習や作業の手順等を分かり
文字カードや絵カードなどを使った視覚的な支援を行い学習や作業の手順等を分かり
やすく指導することが効果的です。
やすく指導することが効果的です。
★数学的思考の視覚化や、具体物を使った動作化を取り入れ、分かりやすく提示す
★数学的思考の視覚化や、具体物を使った動作化を取り入れ、分かりやすく提示す
その一方で、自閉症の児童・生徒は、漢字やカレンダー、乗り物、描画など、特定の
その一方で、自閉症の児童・生徒は、漢字やカレンダー、乗り物、描画など、特定の
る。
る。
事物への高い興味・関心が継続し、それに関する豊富な知識や技能を身に付ける場合も
事物への高い興味・関心が継続し、それに関する豊富な知識や技能を身に付ける場合も ★生活に関わる測定等の実体験ができる活動を充実させる。
★生活に関わる測定等の実体験ができる活動を充実させる。
あります。こうしたことから、自閉症の特性に配慮した学習指導では、本人が得意なこ
あります。こうしたことから、自閉症の特性に配慮した学習指導では、本人が得意なこ ★全体学習—個別学習—全体学習(まとめ)といった分かりやすい学習で流れを作
★全体学習—個別学習—全体学習(まとめ)といった分かりやすい学習で流れを作
とを生かした学習内容の精選や調整を行うことが効果的です。
とを生かした学習内容の精選や調整を行うことが効果的です。
り、個別の課題に応じた指導を充実させる。
り、個別の課題に応じた指導を充実させる。
★考え方をあらかじめ説明した上で課題に取り組ませることで正答に導き、成功体
★考え方をあらかじめ説明した上で課題に取り組ませることで正答に導き、成功体
(2)国語科の指導における配慮について
(2)国語科の指導における配慮について
験を重ねさせる(過度に試行錯誤させることを避ける)
験を重ねさせる(過度に試行錯誤させることを避ける)
。
。
国語科の指導では、自閉症の児童・生徒には
国語科の指導では、自閉症の児童・生徒には
◆主語と述語の対応の理解が難しい。
◆主語と述語の対応の理解が難しい。
◆文章の意味を理解したり、言葉や気持ちから情緒的なニュアンスを理解したりす
◆文章の意味を理解したり、言葉や気持ちから情緒的なニュアンスを理解したりす
ることが難しい(暗喩による登場人部の心情理解が難しい)
ることが難しい(暗喩による登場人部の心情理解が難しい)
。
。
­62­
-62-
­62­
­63­
­63­
-63-
4
4
4
自
動立
の活
ポ動
イン
のトポイント
4立活自
5
5
自閉症・情緒障害学級では、自立活動の指導で、自分の意思を適切に伝えることや、
自閉症・情緒障害学級では、自立活動の指導で、自分の意思を適切に伝えることや、
相手の立場に立って物事を考えることなどを学びます。
相手の立場に立って物事を考えることなどを学びます。
自閉症・情緒障害学級の児童・生徒の卒業後の進路や将来の自立と社会参加を考え
自閉症・情緒障害学級の児童・生徒の卒業後の進路や将来の自立と社会参加を考え
た場合、通常の学級との交流及び共同学習を充実させていくことが大切です。
た場合、通常の学級との交流及び共同学習を充実させていくことが大切です。
自立活動のポイントについて
自立活動のポイントについて
交流及び共同学習のポイントについて
交流及び共同学習のポイントについて
交流及び共同学習は、自閉症・情緒障害学級に通う児童・生徒にとって、通常の学級
交流及び共同学習は、自閉症・情緒障害学級に通う児童・生徒にとって、通常の学級
の児童・生徒と、同じ社会に生きる人間として互いを理解し、共に生きていくことの大
の児童・生徒と、同じ社会に生きる人間として互いを理解し、共に生きていくことの大
切さを学ぶことができる機会です。また、通常の学級の児童・生徒にとっても、障害の
切さを学ぶことができる機会です。また、通常の学級の児童・生徒にとっても、障害の
ある児童・生徒に対する理解啓発の充実を促す機会になります。
ある児童・生徒に対する理解啓発の充実を促す機会になります。
通常の学級との交流及び共同学習を円滑に進めるために、各学校又は各学級の教育
通常の学級との交流及び共同学習を円滑に進めるために、各学校又は各学級の教育
計画に交流及び共同学習を明確に位置付けることが重要です。そのためには、児童・
計画に交流及び共同学習を明確に位置付けることが重要です。そのためには、児童・
生徒の実態を十分に踏まえて計画する必要があります。また、交流及び共同学習の実
生徒の実態を十分に踏まえて計画する必要があります。また、交流及び共同学習の実
施に当たっては、通常の学級の担任、教科担任等との連携を十分に図るとともに、通
施に当たっては、通常の学級の担任、教科担任等との連携を十分に図るとともに、通
常の学級の児童・生徒、保護者への理解啓発が大切です。
常の学級の児童・生徒、保護者への理解啓発が大切です。
交流及び共同学習場面では、自立活動で培った力を発揮し、社会性を身に付けてい
交流及び共同学習場面では、自立活動で培った力を発揮し、社会性を身に付けてい
きます。 きます。
なお、交流及び共同学習の評価は、各教科・領域の評価規準・評価の観点に基づいて
なお、交流及び共同学習の評価は、各教科・領域の評価規準・評価の観点に基づいて
行い、指導要録の評価に反映させます。また、交流先の学級、実施回数、主な内容等
行い、指導要録の評価に反映させます。また、交流先の学級、実施回数、主な内容等
を指導要録の備考欄に記載します。
を指導要録の備考欄に記載します。
特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成21年3月)では、自立活動の目
特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(平成21年3月)では、自立活動の目
標は「個々の児童・生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主
標は「個々の児童・生徒が自立を目指し、障害による学習上又は生活上の困難を主
体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身
体的に改善・克服するために必要な知識、技能、態度及び習慣を養い、もって心身
の調和的発達の基盤を培う」とされています。
の調和的発達の基盤を培う」とされています。
自立活動の内容には、(1)健康の保持、(2)心理的な安定、(3)人間関係の形成、(4)
自立活動の内容には、(1)健康の保持、(2)心理的な安定、(3)人間関係の形成、(4)
環境の把握、(5)身体の動き、(6)コミュニケーションの6つが示されています。
環境の把握、(5)身体の動き、(6)コミュニケーションの6つが示されています。
自閉症の児童・生徒の障害の特徴が、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②
自閉症の児童・生徒の障害の特徴が、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②
言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわること、であることを
言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわること、であることを
考慮すると、自立活動の6つの内容のうち、(3)人間関係の形成、(6)コミュニケー
考慮すると、自立活動の6つの内容のうち、(3)人間関係の形成、(6)コミュニケー
ションを中心に取り上げることが考えられます。また、情動のコントロールが難し
ションを中心に取り上げることが考えられます。また、情動のコントロールが難し
いことや、周りの状況や刺激を上手に受け止めて判断することの難しさに対応する
いことや、周りの状況や刺激を上手に受け止めて判断することの難しさに対応する
ためには、(2)心理的な安定と(4)環境の把握を主たる指導内容として取り上げるこ
ためには、(2)心理的な安定と(4)環境の把握を主たる指導内容として取り上げるこ
とが望ましいと考えます。
とが望ましいと考えます。
交流及び共同学習の内容
交流及び共同学習の内容
自立活動の内容
自立活動の内容
◆人間関係の形成
◆人間関係の形成
・他者とのかかわりの基礎に関すること
・他者とのかかわりの基礎に関すること
・他者の意図や感情の理解に関すること
・他者の意図や感情の理解に関すること
・自己の理解と行動の調整に関すること
・自己の理解と行動の調整に関すること
・集団参加に関すること
・集団参加に関すること
発 揮 発 揮
◆コミュニケーション
◆コミュニケーション
・コミュニケーションの基礎的能力に関すること
・コミュニケーションの基礎的能力に関すること
・言語の受容と表出に関すること
・言語の受容と表出に関すること
・コミュニケーション手段の選択と活用に関すること
・コミュニケーション手段の選択と活用に関すること
◆心理的安定
◆心理的安定
・情緒の安定の関すること
・情緒の安定の関すること
・状況の理解と変化への対応に関すること
・状況の理解と変化への対応に関すること
◆環境の把握
◆環境の把握
・感覚や認知の特性への対応に関すること
・感覚や認知の特性への対応に関すること
-64-
­64­
5
交流及交
び流
共及
同び
学共
習同
の学
ポ習
イン
のトポイント
5
­64­
還 元
◆各教科の授業への参加
◆各教科の授業への参加
知的障害のない自閉症の児童・生徒は、
知的障害のない自閉症の児童・生徒は、
自立活動の指導において人
自立活動の指導において人
間関係の形成やコミュニケーションの力を身に付けながら、通常の
間関係の形成やコミュニケーションの力を身に付けながら、通常の
学級の教科学習に参加することが考えられます。発言や話合いの仕
学級の教科学習に参加することが考えられます。発言や話合いの仕
方を身に付けながら、教科学習に参加することが大切です。
方を身に付けながら、教科学習に参加することが大切です。
◆学校行事等への参加
◆学校行事等への参加
儀式的行事のほか、
儀式的行事のほか、
健康・体育的行事や文化的行事に参加すること
健康・体育的行事や文化的行事に参加すること
が考えられます。いずれの活動内容も、児童・生徒が得意とする力を
還が考えられます。いずれの活動内容も、児童・生徒が得意とする力を
元
生かすなど、十分な満足感や達成感を味わえる活動にすることが大
生かすなど、十分な満足感や達成感を味わえる活動にすることが大
切です。 切です。
­65­
-65-
­65­
6 6
年間授
年業
間時
授数
業の
時配
数当
のの
配ポ
当イのンポトイント
表1 自閉症・情緒障害学級の週時程表編成例(小学校第2学年)
表1 自閉症・情緒障害学級の週時程表編成例(小学校第2学年)
自閉症・情緒障害学級の場合、自立活動の指導時間を確保する必要があるため、他の
自閉症・情緒障害学級の場合、自立活動の指導時間を確保する必要があるため、他の
各教科の指導時数の配分の工夫が必要になります。
各教科の指導時数の配分の工夫が必要になります。
自閉症・情緒障害学級の週時程編成の考え方
自閉症・情緒障害学級の週時程編成の考え方
①自立活動の授業時数の決定
①自立活動の授業時数の決定
まず、在籍する児童・生徒の障害等の状況から自立活動の指導時間を決定します。
まず、在籍する児童・生徒の障害等の状況から自立活動の指導時間を決定します。
このモデルでは、週2単位時間、年間70単位時間を設定しました。(表1、表2)
このモデルでは、週2単位時間、年間70単位時間を設定しました。(表1、表2)
また、自立活動の指導時間の設定は、学年によって変えることもできます。対人
また、自立活動の指導時間の設定は、学年によって変えることもできます。対人
関係やコミュニケーションの指導に十分な時間をかける必要がある低学年では、
関係やコミュニケーションの指導に十分な時間をかける必要がある低学年では、
多
多
くの指導時数を設定し、指導の成果が積み上がった高学年では、指導時数を少なく
くの指導時数を設定し、指導の成果が積み上がった高学年では、指導時数を少なく
するという設定の仕方もあります。
するという設定の仕方もあります。
②各教科等全体の授業時数の決定
②各教科等全体の授業時数の決定
自立活動を週2単位時間(年間
自立活動を週2単位時間(年間
70 単位時間)設定するため、他の教科、領域の年間
70 単位時間)設定するため、他の教科、領域の年間
授業時数を減ずる必要があります。
授業時数を減ずる必要があります。
基本的には、
基本的には、
自立活動の時間に指導する内容と重複する内容や、
自立活動の時間に指導する内容と重複する内容や、
自立活動の指導で補
自立活動の指導で補
える内容を十分に吟味した上で減ずることが望ましいと考えられます。
える内容を十分に吟味した上で減ずることが望ましいと考えられます。
例えば、例えば、
自立活 自立活
動の指導で、
動の指導で、
話合い活動や感情や気持ちを理解する内容を取り扱うことから、
話合い活動や感情や気持ちを理解する内容を取り扱うことから、
国語科の国語科の
授業時数から、同様の内容を取り扱う時数を減ずることが考えられます。また、自立活
授業時数から、同様の内容を取り扱う時数を減ずることが考えられます。また、自立活
動の指導で集団や社会の一員としての自分の役割や行動の仕方について考え、
動の指導で集団や社会の一員としての自分の役割や行動の仕方について考え、
安全で適安全で適
切な行動ができるようにするための学習に取り組むことから、
切な行動ができるようにするための学習に取り組むことから、
生活科等の時数を減ずる
生活科等の時数を減ずる
ことなどが考えられます。一方で、算数科や音楽科、理科は、自立活動で取り扱う内容
ことなどが考えられます。一方で、算数科や音楽科、理科は、自立活動で取り扱う内容
と関係が少ないため、減ずることが難しい教科であると考えることができます。
と関係が少ないため、減ずることが難しい教科であると考えることができます。
表1、表2の例では、小学校低学年は、国語科を週1単位時間(年間
表1、表2の例では、小学校低学年は、国語科を週1単位時間(年間
35 単位時間)、
35 単位時間)、
生活科を週1単位時間(年間
生活科を週1単位時間(年間
35 単位時間)それぞれ減じています。高学年は、生活科
35 単位時間)それぞれ減じています。高学年は、生活科
の代わりに総合的な学習の時間を減じています。
の代わりに総合的な学習の時間を減じています。
総合的な学習の時間では、その学習の過程において、「自分自身に関すること」(自
総合的な学習の時間では、その学習の過程において、「自分自身に関すること」(自
らの行為について意思決定する)、「他者や社会との関わりに関すること」(異なる意
らの行為について意思決定する)、「他者や社会との関わりに関すること」(異なる意
見や他者の考えを受け入れる)などの点に配慮し、児童・生徒の資質や能力や態度を育
見や他者の考えを受け入れる)などの点に配慮し、児童・生徒の資質や能力や態度を育
てていくことを示されています。
てていくことを示されています。
これらの指導内容は自立活動の時間の指導と関連する
これらの指導内容は自立活動の時間の指導と関連する
ことから、高学年は総合的な学習の時間を減じています。
ことから、高学年は総合的な学習の時間を減じています。
③交流及び共同学習の時間について
③交流及び共同学習の時間について
児童・生徒が通常の学級の授業に参加する場合、通常の学級と連携して授業時数の調
児童・生徒が通常の学級の授業に参加する場合、通常の学級と連携して授業時数の調
整を行い、
整を行い、
計画的に進めます。
計画的に進めます。
また、交流及び共同学習を円滑に進めるために、
また、交流及び共同学習を円滑に進めるために、
自閉症・ 自閉症・
情緒障害学級の時間割を、
情緒障害学級の時間割を、
できるだけ交流及び共同学習を行う通常の学級の時間割に近
できるだけ交流及び共同学習を行う通常の学級の時間割に近
付ける配慮も有効です。
付ける配慮も有効です。
-66-
66
66
月
月
火
火
水
水
木
木
金
金
1
1算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数
2
2国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語
3
3音楽 音楽 音楽 音楽 体育 体育 体育 体育 体育 体育
4
4
自立活動
特別活動
自立活動
自立活動
特別活動
自立活動
生活 生活 生活 生活
5
5国語 国語 図工 図工 国語 国語 道徳 道徳 国語 国語
6
国語科
6
図工 図工
生活科
年間
315年間
単位時間⇒280
単位時間 単位時間
国語科
315 単位時間⇒280
年間
105年間
単位時間⇒
70 単位時間
生活科
105 単位時間⇒
70 単位時間
自閉症の特性に配慮し、同じ教科はできるだけ帯で時数を取るなど、児童が見
自閉症の特性に配慮し、同じ教科はできるだけ帯で時数を取るなど、児童が見
通しをもって授業に取り組めるような工夫をすることも考えられます。
通しをもって授業に取り組めるような工夫をすることも考えられます。
表2 自閉症・情緒障害学級の週時程表編成例(小学校第6学年)
表2 自閉症・情緒障害学級の週時程表編成例(小学校第6学年)
月
月
火
火
水
水
木
木
金
金
1
1算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数 算数
2
2国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語 国語 社会 社会
3
3音楽 音楽
家庭/音楽
外国語活動
家庭/音楽
体育 体育 体育 体育
外国語活動
4
総合的な学習の時間
総合的な学習の時間
4
自立活動
特別活動
自立活動
自立活動
特別活動
自立活動
家庭 家庭
5
5理科 理科 図工 図工 理科 理科 道徳 道徳 理科 理科
6
図工/体育
6社会 社会
図工/体育
国語科
社会 社会 クラブ クラブ
国語科年間 175年間
175 単位時間⇒140
単位時間⇒140
単位時間 単位時間
総合的な学習の時間
70 単位時間⇒
35 単位時間
総合的な学習の時間
年間 70年間
単位時間⇒
35 単位時間
67
67
-67-
7
児
児徒
童の
・生
実徒
態の
把態
握の把握
の実
7童・生
自閉症・情緒障害学級の教育課程編成では、
自閉症・情緒障害学級の教育課程編成では、
自立活動の指導時間数との関連におい
自立活動の指導時間数との関連におい
て他の教科等との授業時数を調整する必要があります。
て他の教科等との授業時数を調整する必要があります。
また、各教科の指導内容を検討・精選するに当たっては、児童・生徒のアセスメン
また、各教科の指導内容を検討・精選するに当たっては、児童・生徒のアセスメン
トを適切に行うことで、児童生徒の学習習得状況を明らかにし、個々の児童・生徒の
トを適切に行うことで、児童生徒の学習習得状況を明らかにし、個々の児童・生徒の
学習課題に応じて指導内容を選択できるように配慮する必要があります。
学習課題に応じて指導内容を選択できるように配慮する必要があります。
、「算数科学習評
、「算数科学習評
ここでは、この研究において開発した「国語科学習評価シート」
ここでは、この研究において開発した「国語科学習評価シート」
国語科学習評価シートには、
国語科学習評価シートには、
小学校及び中学校における国語科の学習内容が網羅され
小学校及び中学校における国語科の学習内容が網羅され
ており、評価シートを使ってアセスメントを行うことで、児童・生徒一人一人がこれま
ており、評価シートを使ってアセスメントを行うことで、児童・生徒一人一人がこれま
でに習得してきた国語科の学習内容や、国語科に関する関心・意欲・態度の状況等が分
でに習得してきた国語科の学習内容や、国語科に関する関心・意欲・態度の状況等が分
かります。かります。
国語科学習評価シートを使うことで、
国語科学習評価シートを使うことで、
どのような学習内容を重点的に取り扱っていく
どのような学習内容を重点的に取り扱っていく
べきかを検討することができます。
べきかを検討することができます。
(2)国語科学習評価シートの活用から分かったことについて
(2)国語科学習評価シートの活用から分かったことについて
本事業で国語科学習評価シートを活用してアセスメントを行った結果、自閉症・情緒
本事業で国語科学習評価シートを活用してアセスメントを行った結果、自閉症・情緒
障害学級の児童には次のような傾向があることが分かりました。
障害学級の児童には次のような傾向があることが分かりました。
価シート」を紹介します。
価シート」を紹介します。
(1)国語科学習評価シートについて
(1)国語科学習評価シートについて
表3 国語科学習評価シート(一部抜粋)
表3 国語科学習評価シート(一部抜粋)
1、2年生
1、2年生
3、4年生
3、4年生
5、6年生
評価規準に盛り込むべき事項
評価規準に盛り込むべき事項
5、6年生
・相手に応じ,身近なことなどについて,事
・相手に応じ,身近なことなどについて,事
・相手や目的に応じ,調べたことなどにつ
・相手や目的に応じ,調べたことなどにつ
・目的や意図に応じ,考えたことや伝えた
・目的や意図に応じ,考えたことや伝えた
柄の順序を考えながら話したり,大事なこと
柄の順序を考えながら話したり,大事なこと
いて,筋道を立てて話したり,話の中心に
いて,筋道を立てて話したり,話の中心に
いことなどについて,的確に話したり,話
いことなどについて,的確に話したり,話
を落とさないように聞いたり,
を落とさないように聞いたり,
話題に沿っ
話題に沿っ
気を付けて聞いたり,進行に沿って話し
気を付けて聞いたり,進行に沿って話し
し手の意図をつかみながら聞いたり,計画
し手の意図をつかみながら聞いたり,計画
て話し合ったりしようとしている。
て話し合ったりしようとしている。 合ったりしようとしている。
合ったりしようとしている。
的に話し合ったりしようとしている。
的に話し合ったりしようとしている。
A 話すこと・聞くこと
A 話すこと・聞くこと
・話の構成や内容への関心を深め,工夫を
・話の構成や内容への関心を深め,工夫を
・話したい聞きたいという願いをもって,進
・話したい聞きたいという願いをもって,進
・立場や意図をはっきりさせながら,適切
・立場や意図をはっきりさせながら,適切
しながら話したり聞いたりしようとしてい
しながら話したり聞いたりしようとしてい
んで話したり聞いたりしようとしている。
んで話したり聞いたりしようとしている。
に話したり聞いたりしようとしている。
に話したり聞いたりしようとしている。
る。
る。
・経験したことや想像したことなどについ
・経験したことや想像したことなどについ
・相手や目的に応じ,調べたことなどが伝
・相手や目的に応じ,調べたことなどが伝
・目的や意図に応じ,考えたことなどを文
・目的や意図に応じ,考えたことなどを文
て,順序を整理し,簡単な構成を考えて文
て,順序を整理し,簡単な構成を考えて文
わるように,段落相互の関係などに注意し
わるように,段落相互の関係などに注意し
章全体の構成の効果を考えて書こうとして
章全体の構成の効果を考えて書こうとして
や文章を書こうとしている。
や文章を書こうとしている。
て文章を書こうとしている。
て文章を書こうとしている。
いる。
いる。
B 書くこと
B 書くこと
このように、国語学習評価シートを活用することで、児童一人一人の得意なことや
このように、国語学習評価シートを活用することで、児童一人一人の得意なことや
苦手な部分を明らかにすることができます。こうした評価結果を基に、年間指導計画
苦手な部分を明らかにすることができます。こうした評価結果を基に、年間指導計画
を作成します。
を作成します。
また、評価結果を個別指導計画を作成する際の資料とすることで、
また、評価結果を個別指導計画を作成する際の資料とすることで、
児童・生徒一人一
児童・生徒一人一
人に応じた学習目標や、学習内容、指導の手だてを検討することができます。
人に応じた学習目標や、学習内容、指導の手だてを検討することができます。
・自分の思いを書いて伝えることのよさを
・自分の思いを書いて伝えることのよさを
・自分の考えが明確になるように,工夫を
・自分の考えが明確になるように,工夫を
・自分の考えを明確に表現するため,適切
・自分の考えを明確に表現するため,適切
見付けたり楽しさを感じたりしながら,進
見付けたり楽しさを感じたりしながら,進
しながら書こうとしている。
しながら書こうとしている。
に文章を書こうとしている。
に文章を書こうとしている。
んで書こうとしている。
んで書こうとしている。
・書かれている事柄の順序や場面の様子な
・書かれている事柄の順序や場面の様子な
・目的に応じ,内容の中心をとらえたり段
・目的に応じ,内容の中心をとらえたり段
・目的に応じ,内容や要旨をとらえ,自分
・目的に応じ,内容や要旨をとらえ,自分
どに気付いたり,想像を広げたりして読も
どに気付いたり,想像を広げたりして読も
落相互の関係を考えたりしながら,本や文
落相互の関係を考えたりしながら,本や文
の考えを明確にしながら本や文章を読もう
の考えを明確にしながら本や文章を読もう
うとしている。
うとしている。
章を読もうとしている。
章を読もうとしている。
としている。
としている。
C 読むこと
◆算数科と比べて、国語科に苦手意識をもっている児童が多い。
◆算数科と比べて、国語科に苦手意識をもっている児童が多い。
◆話すこと・聞くことに関しては、相手の話を最後まで静かに聞くことや、自分の
◆話すこと・聞くことに関しては、相手の話を最後まで静かに聞くことや、自分の
話を相手に分かりやすく伝えることに困難がある。
話を相手に分かりやすく伝えることに困難がある。
◆国語科の内容に関しては、読むことに比較的意欲的に取り組める一方で、書くこ
◆国語科の内容に関しては、読むことに比較的意欲的に取り組める一方で、書くこ
とには意欲をもって取り組むことが難しい傾向がある。
とには意欲をもって取り組むことが難しい傾向がある。
◆作文では、経験したことは書けるが、自分の感じたことや気持ちを書くことが難
◆作文では、経験したことは書けるが、自分の感じたことや気持ちを書くことが難
しい傾向がある。
しい傾向がある。
◆文章の読解では、説明文の読み取りはできるが、物語文等で登場人物の心情を読
◆文章の読解では、説明文の読み取りはできるが、物語文等で登場人物の心情を読
み取ることに困難がある。
み取ることに困難がある。
C 読むこと
・知識を得たり好きなところを紹介したり
・知識を得たり好きなところを紹介したり
・読んで感じたことや考えたことを明らか
・読んで感じたことや考えたことを明らか
・読書を通して自分の考えを広げたり深め
・読書を通して自分の考えを広げたり深め
するために,本を選んで,楽しんで読書し
するために,本を選んで,楽しんで読書し
にしながら,幅広く読
に書
しし
なよ
がう
らと
,し
幅て
広い
く読書しようとしてい
たりしようとしている。
たりしようとしている。
ようとしている。
ようとしている。
る。
る。
(3)算数科学習評価シートについて
(3)算数科学習評価シートについて
・身近なことや経験したことなどから話題
・身近なことや経験したことなどから話題
・関心のあることなどから話題を決めてい
・関心のあることなどから話題を決めてい
・考えたことや伝えたいことなどから話題
・考えたことや伝えたいことなどから話題
を決めている。(ア) を決めている。(ア)
る。(ア)
る。(ア)
を決めている。(ア) を決めている。(ア)
・話題に合わせて,必要な事柄
・話題に合わせて,必要な事柄
を思い出し
を思い出し
・必要な事柄について調べ,要点をメモし
・必要な事柄について調べ,要点をメモし
・収集した知識や情報を関係付けている。
・収集した知識や情報を関係付けている。
ている。(ア)
ている。(ア)
ている。(ア)
ている。(ア)
(ア)
(ア)
・相手に応じて,話す事柄を順序立ててい
・相手に応じて,話す事柄を順序立ててい
・相手や目的に応じて,理由や事例などを
・相手や目的に応じて,理由や事例などを
・目的や意図に応じて,事柄が明確に伝わ
・目的や意図に応じて,事柄が明確に伝わ
る。(イ)
る。(イ)
挙げながら筋道を立てている。(イ)
挙げながら筋道を立てている。(イ)るように話の構成を工夫している。(イ)
るように話の構成を工夫している。(イ)
A 話すこと・聞くこと
・丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を
・丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を
・丁寧な言葉を用いるなど適切な言葉遣い
・丁寧な言葉を用いるなど適切な言葉遣い
・場に応じた適切な言
・葉
場遣
にい
応で
じ話
たし
適て
切い
な言葉遣いで話してい
で話している。(イ) で話している。(イ)
る。(イ)
る。(イ)
A 話すこと・聞くこと
付けて話している。(イ)
付けて話している。(イ)
・相手を見たり,言葉の抑揚や強弱,間の
・相手を見たり,言葉の抑揚や強弱,間の
・姿勢や口形,声の大きさや速さなどに注意
・姿勢や口形,声の大きさや速さなどに注意
・共通語と方言との違いを理解し,また,
・共通語と方言との違いを理解し,また,
取り方などに注意したりして話している。
取り方などに注意したりして話している。
して,はっきりした発音で話している。(ウ)
して,はっきりした発音で話している。(ウ)
必要に応じて共通語で話している。(ウ)
必要に応じて共通語で話している。(ウ)
(ウ)
(ウ)
・話し手の意図をとらえながら聞き,自分
・話し手の意図をとらえながら聞き,自分
・大事なことを落とさないよう
・大事なことを落とさないよう
にしなが
にしなが
・話の中心に気を付けて聞き,質問をした
・話の中心に気を付けて聞き,質問をした
の意見と比べるなどして考えをまとめてい
の意見と比べるなどして考えをまとめてい
ら,興味をもって聞いている。(エ)
ら,興味をもって聞いている。(エ) り感想を述べたりしている。(エ)
り感想を述べたりしている。(エ)
る。(エ)
る。(エ)
算数科は、例えば第3学年で円の中心や直径、半径について学習した上で、第
算数科は、例えば第3学年で円の中心や直径、半径について学習した上で、第
5学
5学
年で円周率について学習し、第
年で円周率について学習し、第
6 学年で面積の求め方を学習するように、下学年で学
6 学年で面積の求め方を学習するように、下学年で学
習した内容を基に上学年の学習内容が積みあがっていきます。そのため、算数科の学
習した内容を基に上学年の学習内容が積みあがっていきます。そのため、算数科の学
習を進める上で、
習を進める上で、
児童・生徒一人一人がこれまで習得してきた学習内容を把握すること
児童・生徒一人一人がこれまで習得してきた学習内容を把握すること
は不可欠です。
は不可欠です。
・互いの考えの共通点や相違点を考え,司
・互いの考えの共通点や相違点を考え,司
・互いの話を集中して聞き,話題に沿って話
・互いの話を集中して聞き,話題に沿って話
・互いの立場や意図を
・は
互っ
いき
のり
立さ
場せ
やな
意が
図をはっきりさせなが
会や提案などの役割を果たしながら,進行
会や提案などの役割を果たしながら,進行
し合っている。 (オ) し合っている。 (オ)
ら,計画的に話し合っている。(オ)
ら,計画的に話し合っている。(オ)
に沿って話し合っている。(オ)
に沿って話し合っている。(オ)
※68 ページ及び70ページに掲載した「国語科学習評価シート」
※68 ページ及び70ページに掲載した「国語科学習評価シート」
「算数科学習評価シート」は、平成
「算数科学習評価シート」は、平成
23、24 年度の
23、24 年度の
本研究・開発事業において専門委員を担当された独立行政法人国立特別支援教育総合研究所主任研究員の小澤至賢先
本研究・開発事業において専門委員を担当された独立行政法人国立特別支援教育総合研究所主任研究員の小澤至賢先
生が、開発されたものです。
生が、開発されたものです。
-68-
68
68
69
69
-69-
算数科学習評価シートは、
算数科学習評価シートは、
このような学習習得状況を読み取るツールとしても有効に使
このような学習習得状況を読み取るツールとしても有効に使
うことができます。
うことができます。
個別指導計画作成の基礎資料とするとともに、
個別指導計画作成の基礎資料とするとともに、
学習内容を精選する際
学習内容を精選する際
などにも活用することができます。
などにも活用することができます。
表4 算数科学習評価シート(一部抜粋)
表4 算数科学習評価シート(一部抜粋)
1年生
技能
1年生
技能
知識・理解
知識・理解
数学的な考え方 数学的な考え方
算数への 関心・意欲・態度
算数への 関心・意欲・態度
数の意味や表し方,加法及び減法の計算など
数の意味や表し方,加法及び減法の計算など
数についての感覚を豊かにするとともに,整
数についての感覚を豊かにするとともに,整
ものの個数や順番を数えたり,加法及び減法
ものの個数や順番を数えたり,加法及び減法
数の意味と加法及び減法の計算に親しみ
数の意味と加法及び減法の計算に親しみ
についての知識及び技能の習得や活用を通
についての知識及び技能の習得や活用を通
数の意味と表し方や,加法及び減法の意味
数の意味と表し方や,加法及び減法の意味
の計算をしたりするなどの技能を身に付け
の計算をしたりするなどの技能を身に付け
をもち,それらについて様々な経験をもとう
をもち,それらについて様々な経験をもとう
して,数理的な処理に親しみ,考え表現したり
して,数理的な処理に親しみ,考え表現したり
について理解している。
について理解している。
ている。
ている。
としている。
としている。
工夫したりしている。
工夫したりしている。
・ものの個数を数えたり比べたりす
・ものの個数を数えたり比べたりす
・具体物などのものの個数を正し
・具体物などのものの個数を正し
・一つの数をほかの数の和や差と
・一つの数をほかの数の和や差と
・ものとものとを対応させることに
・ものとものとを対応させることに
ることを通して,数の読み方,表し
ることを通して,数の読み方,表し
く数えたり表したりしようとして
く数えたり表したりしようとして
してみるなど,数の構成についての
してみるなど,数の構成についての
よって,ものの個数を比べることが
よって,ものの個数を比べることが
方,大小や順序について考えてい
方,大小や順序について考えてい
いる。
いる。
豊かな感覚をもっている。
豊かな感覚をもっている。
できる。
できる。
る。
る。
・10 のまとまりを作って数えるこ
・10 のまとまりを作って数えるこ
・ものの個数や順番を数を用いて
・ものの個数や順番を数を用いて
・ものの個数や順番を正しく数えた
・ものの個数や順番を正しく数えた
・2位数の表し方について理解して
・2位数の表し方について理解して
とを通して,十を単位とした数の表
とを通して,十を単位とした数の表
表すことのよさに気付いている。
表すことのよさに気付いている。
り表したりすることができる。
り表したりすることができる。
いる。
いる。
し方を考えている。
し方を考えている。
・数の大小や順序を考えることに
・数の大小や順序を考えることに
・簡単な場合について,
・簡単な場合について,
3位数の表
3位数の表
よって, 数の系列を作ったり,数直
よって, 数の系列を作ったり,数直
A 線の上に表したりすることができ
A 線の上に表したりすることができ
し方を知っている。
し方を知っている。
る。
る。
数
数
・具体物をまとめて数えたり等分
・具体物をまとめて数えたり等分
と
と
したりするなど,数の大きさや構成
したりするなど,数の大きさや構成
計 ・一つの数をほかの数の和や差とし
計 ・一つの数をほかの数の和や差とし
についての豊かな感覚をもってい
算 てみることができる。
算 てみることができる。 についての豊かな感覚をもってい
る。
る。
・数を十を単位としてみることがで
・数を十を単位としてみることがで
きる。
きる。
このことから、年間指導計画や単元指導計画を作成するに当たっては、以下のよ
このことから、年間指導計画や単元指導計画を作成するに当たっては、以下のよ
うな配慮を行うことが大切です。
うな配慮を行うことが大切です。
◆計算は得意であるが、文章問題は内容を理解して立式することが難しい。
◆計算は得意であるが、文章問題は内容を理解して立式することが難しい。
立式の考え方(手順)の視覚化や、具体物を使った動作化を取り入れ、分かり
立式の考え方(手順)の視覚化や、具体物を使った動作化を取り入れ、分かり
やすく提示する。計算は得意であることから、日常的に計算問題に取り組んで成
やすく提示する。計算は得意であることから、日常的に計算問題に取り組んで成
功体験につなげ、学習に対する意欲の向上を図ることができる。
功体験につなげ、学習に対する意欲の向上を図ることができる。
◆物の長・短、軽・重の比較はできるが、長さや重さ等を実測する経験が少ない。
◆物の長・短、軽・重の比較はできるが、長さや重さ等を実測する経験が少ない。
生活に関係の深い長さや重さの学習を充実させることで、習熟を図る。長さを比
生活に関係の深い長さや重さの学習を充実させることで、習熟を図る。長さを比
べる学習においては、木片や色板等の具体物を用いて、直接比較できるようにし、
べる学習においては、木片や色板等の具体物を用いて、直接比較できるようにし、
得意な、分かりやすい活動による成功経験を増やしながら、単位の学習や定規等を
得意な、分かりやすい活動による成功経験を増やしながら、単位の学習や定規等を
使った測定の学習に取り組ませる。
使った測定の学習に取り組ませる。
◆平面図形については理解できるが、立体図形については裏側や反対側が見えないため
◆平面図形については理解できるが、立体図形については裏側や反対側が見えないため
構成する要素を理解することが難しい。
構成する要素を理解することが難しい。
平面図形については理解ができていることから、立体図形各面の「上、下、前、
平面図形については理解ができていることから、立体図形各面の「上、下、前、
後」等の構成要素を表す言葉を付けることで、見えない面を児童・生徒がイメー
後」等の構成要素を表す言葉を付けることで、見えない面を児童・生徒がイメー
ジしやすくなる。
ジしやすくなる。
・具体物を幾つかずつまとめて数え
・具体物を幾つかずつまとめて数え
たり等分したりすることができる。
たり等分したりすることができる。
・1位数と1位数との
・1位数と1位数との
加法及びその 加法及びその
・1位数と1位数との加法及びその逆
・1位数と1位数との加法及びその逆
・合併や増加,求残や求差など,加
・合併や増加,求残や求差など,加
・1位数と1位数との加法及びその逆
・1位数と1位数との加法及びその逆
逆の減法の計算の仕方を考えよう
逆の減法の計算の仕方を考えよう
の減法の計算の仕方を考えている。
の減法の計算の仕方を考えている。
法及び減法の意味について理解し
法及び減法の意味について理解し
の減法の計算が確実にできる。
の減法の計算が確実にできる。
としている。 としている。
ている。
ている。
・加法及び減法を用いて身の回り
・加法及び減法を用いて身の回り
・簡単な場合について,2位数などの
・簡単な場合について,2位数などの
の問題を解決するなど,加法及び減
の問題を解決するなど,加法及び減
加法及び減法の計算の仕方を考えて
加法及び減法の計算の仕方を考えて
法を進んで用いようとしている。
法を進んで用いようとしている。
いる。
いる。
(4)算数科学習評価シートの活用から分かったことについて
(4)算数科学習評価シートの活用から分かったことについて
算数科学習評価シートを活用してアセスメントを行った結果、自閉症・情緒障害学級
算数科学習評価シートを活用してアセスメントを行った結果、自閉症・情緒障害学級
の児童には次のような傾向があることが分かりました。
の児童には次のような傾向があることが分かりました。
得意とする学習内容
得意とする学習内容
数と計算数と計算
整数の四則計算
整数の四則計算
苦手な学習内容
苦手な学習内容
文章問題文章問題
量と測定量と測定
目盛りの読み取り
長さ・水のかさ・重さの直接比較
長さ・水のかさ・重さの直接比較
目盛りの読み取り
数量関係数量関係
図形
式による表現、
式による表現、
資料の分類・整理
資料の分類・整理
図形
平面図形の識別や分類
平面図形の識別や分類
70
70
-70-
「東京ベーシック・ドリル」の活用について
「東京ベーシック・ドリル」の活用について
東京都教育委員会は、東京都における公立小学校の児童の「確かな学力」の定着
東京都教育委員会は、東京都における公立小学校の児童の「確かな学力」の定着
と伸長を図ることを目的として、基礎的・基本的な知識等を確実に身に付けさせる
と伸長を図ることを目的として、基礎的・基本的な知識等を確実に身に付けさせる
ための教材として「東京ベーシック・ドリル」を作成しました。
ための教材として「東京ベーシック・ドリル」を作成しました。
「東京ベーシック・ドリル」は、小学校第4学年までの学習指導要領に示されてい
「東京ベーシック・ドリル」は、小学校第4学年までの学習指導要領に示されてい
る教科の目標や内容を基に、
る教科の目標や内容を基に、
基礎的・基本的な内容を繰り返し学習することができる
基礎的・基本的な内容を繰り返し学習することができる
教材です。
教材です。
小学校の自閉症・情緒障害学級においても、
小学校の自閉症・情緒障害学級においても、
学習内容の学習習得状況を読み取るツ
学習内容の学習習得状況を読み取るツ
ールとして有効に使うことができます。また、個別指導計画作成の基礎資料とする
ールとして有効に使うことができます。また、個別指導計画作成の基礎資料とする
とともに、学習内容を精選する際などにも活用することができます。
とともに、学習内容を精選する際などにも活用することができます。
なお、「東京ベーシック・ドリル」は、電子データで都内公立全小学校に配布され
なお、「東京ベーシック・ドリル」は、電子データで都内公立全小学校に配布され
ています。
ています。
立体図形の特徴や構成
立体図形の特徴や構成
71
71
-71-
表5
国語科
国の
語年
科間
の指
年導
間計
指画
導の
計例
画の例
8 8
こくご(光村図書1年)
こくご(光村図書1年)
通常の学級の
学期
指導時数
教材名
教材名
学期
はる
ここで紹介する年間指導計画例では、年間授業時数は、自立活動の指導の時間を
ここで紹介する年間指導計画例では、年間授業時数は、自立活動の指導の時間を
設定するために、学習指導要領に定める国語科の年間標準時数から
設定するために、学習指導要領に定める国語科の年間標準時数から
35単位時間を
35単位時間を
減じています。
減じています。
はる
国語科の年間指導計画作成の考え方
国語科の年間指導計画作成の考え方
①年間授業時数の決定
①年間授業時数の決定
国語科の年間指導計画について、1年(低学年)、3年(中学年)、5年(高学
国語科の年間指導計画について、1年(低学年)、3年(中学年)、5年(高学
年)の作成例を紹介します。自立活動の指導時数との関連等において増減した教材
年)の作成例を紹介します。自立活動の指導時数との関連等において増減した教材
ごとの指導時数を「増減」欄に記載しています。
ごとの指導時数を「増減」欄に記載しています。
②単元指導計画の時数の増減について
②単元指導計画の時数の増減について
ここで例示した年間指導計画は、
ここで例示した年間指導計画は、
国語科学習評価シートによるアセスメント結果を参
国語科学習評価シートによるアセスメント結果を参
考に作成しています。
考に作成しています。
自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒は、
自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒は、
物語文の内容を読
物語文の内容を読
み取る上で、主語と述語の関係理解が難しい傾向や、文章の意味を理解したり、言葉や
み取る上で、主語と述語の関係理解が難しい傾向や、文章の意味を理解したり、言葉や
気持ちから情緒的なニュアンスを理解したりすることが難しい傾向があります。そこ
気持ちから情緒的なニュアンスを理解したりすることが難しい傾向があります。そこ
で、物語文や説明文の教材を取り扱う場合は、
で、物語文や説明文の教材を取り扱う場合は、
指導時数を増やして内容読解の指導の充
指導時数を増やして内容読解の指導の充
実を図りました。
実を図りました。
また、話す・聞くに関する学習で、話合いや発表を行う内容については、自立活
また、話す・聞くに関する学習で、話合いや発表を行う内容については、自立活
動や特別活動で取り扱うよう調整しています。なお、本計画例は、基本的にどの教
動や特別活動で取り扱うよう調整しています。なお、本計画例は、基本的にどの教
材も網羅して指導できるよう計画しましたが、
材も網羅して指導できるよう計画しましたが、
通常の学級において年度末に取り扱
通常の学級において年度末に取り扱
う発展的な学習については、基礎的・基本的な学習の充実を図るために指導時数を
う発展的な学習については、基礎的・基本的な学習の充実を図るために指導時数を
減じています。
減じています。
この計画例は一つの参考例であり、当該の学級に在籍する児童・生徒の状態によ
この計画例は一つの参考例であり、当該の学級に在籍する児童・生徒の状態によ
って、指導時数や学習内容を検討する必要があります。
って、指導時数や学習内容を検討する必要があります。
※本計画例では、青梅市立若草小学校の実践を参考に作成しました。
※本計画例では、青梅市立若草小学校の実践を参考に作成しました。
教科書は、光村図書を使用しています。
教科書は、光村図書を使用しています。
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
42
+2
03
-3
0自立活動の中で取り扱う。
-3
自立活動の中で取り扱う。
どうぞ よろしく
どうぞ よろしく
3
03
-3
0活動体験があり、児童が興味・関心をもてるため。
-3
活動体験があり、児童が興味・関心をもてるため。
おはなしよんでおはなしよんで
4平易な文章であるため。音読の指導を丁寧に行う。
+2
平易な文章であるため。音読の指導を丁寧に行う。
3
33
0
3
0
うたにあわせてあいうえお
うたにあわせてあいうえお
3
33
0
3
0
ふたりでおはなし
ふたりでおはなし
3
33
0
3
0
あかいとり ことり
あかいとり ことり
1
31
+2
活動体験があり、児童が興味・関心をもつことができる。音読だけではなく、自分の鳥の
活動体験があり、児童が興味・関心をもつことができる。音読だけではなく、自分の鳥の
3
+2
特徴を考え、発表を行う。
特徴を考え、発表を行う。
はなの みち
7
107
2
52
+3
児童にとって身近なことや経験したことであると同時に他者の気持ちを想像させる。教科
児童にとって身近なことや経験したことであると同時に他者の気持ちを想像させる。教科
5
+3
書に扱われている表情以外のものも取り扱う。
書に扱われている表情以外のものも取り扱う。
1 なぞなぞあそび
なぞなぞあそび
3
学
あいうえおであそぼう
期 あいうえおであそぼう 3
33
0
3
0
33
0
3
0
はなの みち
くちばし
8
128
文章が少なく、物語の内容がわかりやすい。初めての物語文の読解と基本的文型を身に付
文章が少なく、物語の内容がわかりやすい。初めての物語文の読解と基本的文型を身に付
+3 10
+3
けさせる。
けさせる。
挿絵が多く、児童が興味・関心をもてる。初めての説明文の読解と基本的文型を身に付け
挿絵が多く、児童が興味・関心をもてる。初めての説明文の読解と基本的文型を身に付け
+4 12
+4
させる。
させる。
なんていったらいいのかな
なんていったらいいのかな
3
03
-3
0自立活動の中で取り扱う。
-3
自立活動の中で取り扱う。
おさるがふねをかきました
おさるがふねをかきました
4
44
0
4
0
こんないしみつけたよ
こんないしみつけたよ 3
33
0
3
0
おむすびころりん
おむすびころりん
6
66
0
6
0
はをへを つかおう
はをへを つかおう
3
33
0
3ゲーム等の活動体験を通じて、児童が興味・関心をもてる。
0
ゲーム等の活動体験を通じて、児童が興味・関心をもてる。
すきなものなあに
すきなものなあに
3
33
0
3
おおきな かぶおおきな かぶ
6
106
かけるようになった
かけるようになった
3
33
0
3
0
ひらがなあつまれ
ひらがなあつまれ
3
33
0
3
0
ゆうだち
7
77
0
7児童が興味・関心をもてる。
0
児童が興味・関心をもてる。
ゆうだち
0
児童にとって親しみのある物語であり、リズミカルな音読を児童が楽しめる。ロールプレ
児童にとって親しみのある物語であり、リズミカルな音読を児童が楽しめる。ロールプレ
+4 10
+4
イング等の活動体験を取り扱う。
イング等の活動体験を取り扱う。
おはなし きいて
おはなし きいて
4
04
-4
0友達の話を最後まで静かに聞く姿勢を身に付けるのに適している。
-4
友達の話を最後まで静かに聞く姿勢を身に付けるのに適している。
かずと かんじかずと かんじ
1
11
0
1漢数字が、児童にとって身近な漢字である。
0
漢数字が、児童にとって身近な漢字である。
みいつけた
8
78
-1
7発表の活動については、実際の生活に即して自立活動の中で取り扱う。
-1
発表の活動については、実際の生活に即して自立活動の中で取り扱う。
かたかなをみつけよう
かたかなをみつけよう 1
みいつけた
11
0
1
かんじの はなし
かんじの はなし
7
27
-5
2日常的な漢字の指導の中で取り扱う。
-5
日常的な漢字の指導の中で取り扱う。
10
10
10
くじらぐも
2 しらせたいな、見せたいな
しらせたいな、見せたいな
8
学
ことばで あそぼう
2
期 ことばで あそぼう
じどう車くらべじどう車くらべ
12
0
0 10
場面の様子を想像したことをを言語化するのに適しているため。
0
場面の様子を想像したことをを言語化するのに適しているため。
88
0
8観察や発見等の経験したことを言語かするのに適しているため。
0
観察や発見等の経験したことを言語かするのに適しているため。
12
-1
1内容の紹介として取り扱う。
-1
内容の紹介として取り扱う。
12
12
0 12
児童が興味・関心を示す題材である。
0
児童が興味・関心を示す題材である。
まの いい りょうし
まの いい りょうし 1
11
0
むかしばなしが いっぱい
むかしばなしが いっぱい
4
24
-2
2内容の紹介として取り扱う。
-2
内容の紹介として取り扱う。
日づけとよう日日づけとよう日
11
0
1
あつまれ ふゆの ことば
あつまれ ふゆの ことば
10
710
-3
7言葉集めの内容を中心に取り扱う。
-3
言葉集めの内容を中心に取り扱う。
ずうっと、ずっと、大すきだよ
ずうっと、ずっと、大すきだよ
8
88
0
8文体、長さ等が物語文の読みの力を定着させるために適している。
0
文体、長さ等が物語文の読みの力を定着させるために適している。
てんとうむし
2
12
-1
1音読を楽しむ内容として取り扱う。
-1
音読を楽しむ内容として取り扱う。
2
12
-1
児童の経験を生かした言葉の仲間わけを行うことで、ことばに対する興味・関心を抱ける
児童の経験を生かした言葉の仲間わけを行うことで、ことばに対する興味・関心を抱ける
1
-1
ため。
ため。
おみせやさんごっこをしよう
おみせやさんごっこをしよう
8
08
-8
0話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
-8
話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
かたかなのかたち
かたかなのかたち
11
0
1
てんとうむし
ものの 名まえものの 名まえ
1
1
たぬきの 糸車たぬきの 糸車
10
3
学
期 ことばを たのしもう 2
ことばを たのしもう
10
10
1昔話に親しませる。
0
昔話に親しませる。
0
0
登場人物の心情や場面の様子を想像したことをを言語化する力を定着させるために適して
登場人物の心情や場面の様子を想像したことをを言語化する力を定着させるために適して
0 10
0
いるため。
いるため。
12
-1
1音読を楽しむ内容として取り扱う。
-1
音読を楽しむ内容として取り扱う。
これは なんでしょう
これは なんでしょう 6
06
-6
0話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
-6
話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
どうぶつの 赤ちゃん
どうぶつの 赤ちゃん 12
12
12
にて いる かん字
にて いる かん字
3
だって だっての おばあさん
だって だっての おばあさん
8
いい こと いっぱい一年生
いい こと いっぱい一年生
10
0 12
比較の観点をもって説明文を読むのに適している内容であるため。
0
比較の観点をもって説明文を読むのに適している内容であるため。
33
0
3漢字を形や意味の類縁関係で理解するのに適した内容であるため。
0
漢字を形や意味の類縁関係で理解するのに適した内容であるため。
88
0
8長い文章から「好きなところを探す」学習に適しているため。
0
長い文章から「好きなところを探す」学習に適しているため。
010
-10 0話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
-10 話合い活動や集会として自立活動や特別活動の時間で取り扱う。
文字の指導(漢字の読み書きなど)
文字の指導(漢字の読み書きなど)
13
13
13
0 13
0
通
通
10
年 書写指導(硬筆)
年 書写指導(硬筆)
し
し
間 作文指導(行事の振り返りなど)
間 作文指導(行事の振り返りなど)
25
て
て
10
10
0 10
0
25
25
0 25
0
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
35
総計
­72­ ­72­
-72-
増減
3
くじらぐも
3
学
期
自閉症・
情緒障害学級の
増減
指導時数
2
くちばし
2
学
期
自閉症・
通常の学級の
情緒障害学級の
指導時数
指導時数
あかるい こえで
あかるい こえで
わけを はなそう
わけを はなそう
1
学
期
国語科年間指導計画例(第
表5 国語科年間指導計画例(第
1 学年)1 学年)
総計
306
35
35
0 35
0
272
306
-34272
-34
第1学年では年間
第1学年では年間
34 単位時間を自立活
34 単位時間を自立活
動の時間に当てています。
動の時間に当てています。
­73­ ­73­
-73-
表6
国語(光村図書3年)
国語(光村図書3年)
学期
学期
教材名
どきん
教材名
通常の学級の
指導時数
どきん
2
きつつきの商売
きつつきの商売
国語辞典のつかい方
国語辞典のつかい方
1
学
期
漢字の音訓
漢字の音訓
春の楽しみ
春の楽しみ
自閉症・
自閉症・
通常の学級の
情緒障害学級の 情緒障害学級の
増減
指導時数
指導時数
指導時数
2
2
11
11
11
2
2
1
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
増減
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
3
33
03
情景がイメージしやすい。
0
情景がイメージしやすい。
3
31
-2
1
短い物語で読み取りをしやすい。
-2 短い物語で読み取りをしやすい。
活 動 は 話活
合動
いは
活話
動合 い 活 動
と し て 自と
立し
活て
動自
で立 活 動 で
取り扱います。
取り扱います。
-11 付録を使った学習は発展課題として精選する。
-1 付録を使った学習は発展課題として精選する。
-11 内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
10
10
11
良寛・芭蕉など
良寛・芭蕉など
2
2
1
-11 短歌、俳句の紹介として取り扱う。
-1 短歌、俳句の紹介として取り扱う。
気になる記号 気になる記号
4
4
2
-22 自立活動のソーシャルスキルの学習と合わせて行う。
-2 自立活動のソーシャルスキルの学習と合わせて行う。
ばけくらべ
ばけくらべ
2
2
1
-11 読み聞かせの教材であり、読んで内容を確認することで取り扱う。
-1 読み聞かせの教材であり、読んで内容を確認することで取り扱う。
夏の楽しみ
夏の楽しみ
2
2
1
-11 内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
+111 児童が興味・関心がもてる内容である。読解を丁寧に指導する。
+1 児童が興味・関心がもてる内容である。読解を丁寧に指導する。
1
学
期
+210 児童にとって身近な題材である。場面を細かく区切って指導する。
+2 児童にとって身近な題材である。場面を細かく区切って指導する。
本は友だち
手紙を書こう 手紙を書こう
教材名
のどがかわいた
のどがかわいた
-30 自立活動における話合い活動等で取り使う。
-3 自立活動における話合い活動等で取り使う。
本は友だち
教材名
自閉症・
自閉症・
通常の学級の 通常の学級の
情緒障害学級の
情緒障害学級の
増減
指導時数
指導時数
指導時数
指導時数
物語の内容が分かりやすい。
物語の内容が分かりやすい。
聞く・話すに関する
聞く・話すに関する
011
0
50音の復習。国語辞典の使い方を定着させる。
50音の復習。国語辞典の使い方を定着させる。
2
1
10
8
学期
丘の上の学校で
丘の上の学校で
あめ玉
あめ玉
3
0
8
学期
0 2 平易な文章である。音読の指導を繰り返し行う。
0
平易な文章である。音読の指導を繰り返し行う。
2
海をかっとばせ
海をかっとばせ
国語科年間指導計画例(第5学年)
表7 国語科年間指導計画例(第5学年)
国語(光村図書5年)
国語(光村図書5年)
増減
3
よい聞き手になろう
よい聞き手になろう
1
学 イルカのねむり方
イルカのねむり方
期 ありの行列
ありの行列
表7
国語科年間指導計画例(第3学年)
表6 国語科年間指導計画例(第3学年)
本の楽しさに触れ、様々な本に興味をもたせるため。図書館に実際に行って調べる学習を取り入
本の楽しさに触れ、様々な本に興味をもたせるため。図書館に実際に行って調べる学習を取り入
+1
れる。
れる。
6
6
7
+17
2
2
2
0 2 音読の指導を繰り返し行う。
0
音読の指導を繰り返し行う。
いろはにほへと
いろはにほへと
春から夏へ 春から夏へ
1
11
01
新聞を読もう
新聞を読もう
2
21
-1
1
新聞を読む機会をつくる。内容の紹介として取り扱う。
-1 新聞を読む機会をつくる。内容の紹介として取り扱う。
0
漢字の成り立ち
漢字の成り立ち
漢字に興味をもつ。内容の紹介として取り扱う。
-1 漢字に興味をもつ。内容の紹介として取り扱う。
2
21
-1
1
見立てる
4
1 見立てる
学 生き物は円柱形
生き物は円柱形
2
期
竹取物語・枕草子・平家物語
竹取物語・枕草子・平家物語 2
45
+1
5
説明文と物語文の違いを知るため場面ごとに読み取りを行う。
+1 説明文と物語文の違いを知るため場面ごとに読み取りを行う。
21
-1
1
内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
21
-1
1
内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
きいて、きいて、きいてみよう
きいて、きいて、きいてみよう4
41
-3
1
話合い活動の一環として、自立活動で取り扱う。
-3 話合い活動の一環として、自立活動で取り扱う。
百年後のふるさとを守る
百年後のふるさとを守る
8
89
+1
9
伝記を読むことで、伝記の特徴を知り、伝記に親しみをもたせるため場
伝記を読むことで、伝記の特徴を知り、伝記に親しみをもたせるため場
+1
面ごとに丁寧に読み取りを行う。
面ごとに丁寧に読み取りを行う。
敬語
2
21
-1
1
話合い活動の一環として、自立活動も含めて取り扱う。
-1 話合い活動の一環として、自立活動も含めて取り扱う。
次への一歩活動報告書
次への一歩活動報告書
敬語
2
20
-2
0
発表の活動の一環として自立活動で取り扱う。
-2 発表の活動の一環として自立活動で取り扱う。
夏の日
1
11
01
俳句や短歌に親しみをもち季節を感じるため
0
俳句や短歌に親しみをもち季節を感じるため
われは草なり
われは草なり
1
11
01
詩の特徴を捉えやすい。
0
詩の特徴を捉えやすい。
カンジー博士の暗号解読
カンジー博士の暗号解読
1
11
01
豊かな言葉の使い手になるためには
豊かな言葉の使い手になるためには
8
82
-6
2
発表の活動の一環として自立活動を含めて取り扱う。
-6 発表の活動の一環として自立活動を含めて取り扱う。
和語・漢語・外来語
和語・漢語・外来語
2
21
-1
1
内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
大造じいさんとガン
大造じいさんとガン
8
89
+1
9
中心人物の心情が各場面で徐々に変化していく様子を理解する。
+1 中心人物の心情が各場面で徐々に変化していく様子を理解する。
漢字の読み方と使い方
漢字の読み方と使い方
2
秋の空 学 秋の空
期
天気を予想する
天気を予想する
2
21
-1
1
内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
1
11
01
俳句や短歌に親しみをもち季節を感じる。
0
俳句や短歌に親しみをもち季節を感じる。
6
68
+2
8
文章の組み立てについて丁寧に指導する。
+2 文章の組み立てについて丁寧に指導する。
算数科の学習と関連して取り扱う。
-2 算数科の学習と関連して取り扱う。
夏の日
0
わたしと小鳥とすずと
わたしと小鳥とすずと
みいつけた
みいつけた
わたしたちの学校行事
わたしたちの学校行事
3
0
-30 発表に関する活動として、自立活動における話合い活動等で取り使う。
-3 発表に関する活動として、自立活動における話合い活動等で取り使う。
へんとつくり へんとつくり
2
2
0
-20 漢字の学習の時間を活用し日常的に学習する。
-2 漢字の学習の時間を活用し日常的に学習する。
秋の楽しみ
秋の楽しみ
2
2
1
-11 内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
ローマ字
2
学
ちいちゃんのかげおくり
ちいちゃんのかげおくり
期
3
3
1
-21 演習課題に点いては精選する。
-2 演習課題に点いては精選する。
12
12
13
ローマ字
2
学
期
3
修飾語
修飾語
2
2
1
+113
戦争に興味・関心をもたせるため。
戦争に興味・関心をもたせるため。
+1
会話文が多いので、会話文に着目して読み取れるよう指導していく。
会話文が多いので、会話文に着目して読み取れるよう指導していく。
-11 他の教科書から修飾語を探す党の発展課題を精選する。
-1 他の教科書から修飾語を探す党の発展課題を精選する。
すがたをかえる大豆
すがたをかえる大豆
7
7
8
+18 児童にとって身近な食材である。文章の組み立てについて丁寧に指導する。
+1 児童にとって身近な食材である。文章の組み立てについて丁寧に指導する。
食べ物の秘密を教えます
食べ物の秘密を教えます
3
3
2
-12 内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
一茶・百人一首など
一茶・百人一首など
2
2
1
-11 百人一首の紹介として取り扱う。
-1 百人一首の紹介として取り扱う。
漢字の意味
漢字の意味
2
2
1
-11 発展課題は精選する。
-1 発展課題は精選する。
三年とうげ
三年とうげ
6
6
2
-42 民話の紹介の学習として取り扱う。
-4 民話の紹介の学習として取り扱う。
にた意味の言葉、
にた意味の言葉、
反対のいみの言葉
反対のいみの言葉
2
2
1
-11 発展課題は精選する。
-1 発展課題は精選する。
冬の楽しみ
2
2
1
-11 内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
4
5
普段あまり触れる機会がない詩集。興味・関心をもたせることが可能。詩集に触れ、自分の好き
普段あまり触れる機会がない詩集。興味・関心をもたせることが可能。詩集に触れ、自分の好き
+15
+1
な詩を選び、読んだり書いたりする。
な詩を選び、読んだり書いたりする。
8
8
授業でカルタを使用することもあり、児童にとって身近な教材である。百人一首に取り組む活動
授業でカルタを使用することもあり、児童にとって身近な教材である。百人一首に取り組む活動
08
0
も取り入れる。
も取り入れる。
冬の楽しみ
はしる しるしる 雪など
はしる しるしる 雪など
かるた
かるた
4
8
しりょうからわかった
しりょうからわかった
ことを発表しよう
ことを発表しよう
3
3
3
学 本で調べてほうこくしよう
学 本で調べてほうこくしよう
期
期
16
カンジーはかせの
カンジーはかせの
音訓遊び歌 音訓遊び歌
モチモチの木 モチモチの木
3
1
16
10
2
2
1
15
15
15
-21 発表に関する活動は、自立活動における話合い活動等で取り使う。
-2 発表に関する活動は、自立活動における話合い活動等で取り使う。
-610
百科事典を活用する学習として取り扱う。
百科事典を活用する学習として取り扱う。
-6
発表に関する活動は、自立活動における話合い活動等で取り使う。
発表に関する活動は、自立活動における話合い活動等で取り使う。
-11 歌を作る等の発展課題は精選する。
-1 歌を作る等の発展課題は精選する。
015 だれもが主人公と似た経験をもつことから、親しみやすい教材である。
0
だれもが主人公と似た経験をもつことから、親しみやすい教材である。
とらとおじいさん
とらとおじいさん
4
4
1
-31 ふろくの発展課題であり、脚本教材であり、内容を紹介して取り扱う。
-3 ふろくの発展課題であり、脚本教材であり、内容を紹介して取り扱う。
百人一首を楽しもう
百人一首を楽しもう
2
2
1
-11 付録の発展課題であり、百人一首の紹介として取り扱う
-1 付録の発展課題であり、百人一首の紹介として取り扱う
文字の指導(漢字の読み書き等)
文字の指導(漢字の読み書き等)
20
20
20
020
0
通
通
17
年 書写指導(硬筆・毛筆)
年 書写指導(硬筆・毛筆)
し
し
間
間
て
て
作文指導(行事の振り返りなど)
作文指導(行事の振り返りなど)
15
17
17
017
0
15
15
015
0
35
34
-134 1回分については、図書館に実際に行って調べる学習を取り入れる。
-1 1回分については、図書館に実際に行って調べる学習を取り入れる。
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
35
総計
総計
245
245
210
2
学
期
-35
210
-35
­74­­74­
-74-
グラフや表を引用して書こう
グラフや表を引用して書こう 4
42
-2
2
声にだして楽しもう
声にだして楽しもう
1
11
01
私たちの「図書館改造」案
私たちの「図書館改造」案
2
20
-2
0
実際の学校生活に即したことについて特別活動等で取り扱う。
-2 実際の学校生活に即したことについて特別活動等で取り扱う。
千年の釘に挑む
千年の釘に挑む
5
52
-3
2
説明文の学習は「天気を予想する」で重点的に行う。
-3 説明文の学習は「天気を予想する」で重点的に行う。
雪女
1
10
-1
0
読み聞かせの教材であり、図書の時間等で取り扱う。
-1 読み聞かせの教材であり、図書の時間等で取り扱う。
2
21
-1
1
内容の紹介として取り扱う。
-1 内容の紹介として取り扱う。
雪女
詩の楽しみ方を見つけよう
詩の楽しみ方を見つけよう
ゆるやかにつながるインターネット
ゆるやかにつながるインターネット
8
書き言葉、話し言葉
書き言葉、話し言葉
88
08
児童にとって身近な題材である。
0
児童にとって身近な題材である。
すいせんします
すいせんします
2
20
-2
0
実際の学校生活に即したことについて特別活動等で取り扱う。
-2 実際の学校生活に即したことについて特別活動等で取り扱う。
複合語
1
11
01
1
11
01
複合語
冬から春へ 冬から春へ
わらぐつの中の神様
わらぐつの中の神様
3
学
期
0
7
3
物語を作ろう
2
学 物語を作ろう
期 この本、読もう-本は友だち-1
この本、読もう-本は友だち-
0
0
79
+2
9
物語の流れの強弱が少なく、心情を読み取ることが難しいいため、心情
物語の流れの強弱が少なく、心情を読み取ることが難しいいため、心情
の変化した部分のきっかけとなる出来事を読み取らせる。中心人物がク
の変化した部分のきっかけとなる出来事を読み取らせる。中心人物がク
+2
ライマックスに心情が変化したきっかけとなったことについて詳しく読
ライマックスに心情が変化したきっかけとなったことについて詳しく読
み取る。 み取る。
20
-2
0
発展的な課題であるので必要に応じて内容を適宜紹介して取り扱う。
-2 発展的な課題であるので必要に応じて内容を適宜紹介して取り扱う。
10
-1
0
-1
通信文のいろいろ
通信文のいろいろ
1
10
-1
0
-1
幽霊を探す 幽霊を探す
1
10
-1
0
-1
演劇ができるまで
演劇ができるまで
1
10
-1
0
ニュース番組作りの現場から
ニュース番組作りの現場から 1
10
-1
0
-1
巻末の発展課題であり、必要に応じて内容を適宜紹介して取り扱う。
-1 巻末の発展課題であり、必要に応じて内容を適宜紹介して取り扱う。
たくさんのありがとう
たくさんのありがとう
1
10
-1
0
-1
古典の世界 古典の世界
1
10
-1
0
-1
評価・判断や感情を表す言葉
評価・判断や感情を表す言葉 1
10
-1
0
-1
カンジー博士の漢字学習のすすめ
カンジー博士の漢字学習のすすめ
1
10
-1
0
-1
文字の指導(漢字の読み書きなど)
文字の指導(漢字の読み書きなど)
10
通
通
年 書写指導(硬筆・毛筆)
年 書写指導(硬筆・毛筆)
10
し
し
間
間
て
て
作文指導(行事の振り返りなど)
作文指導(行事の振り返りなど)
10
10
10
10
0
0
10
10
10
0
0
10
10
10
0
0
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
図書室での学習(読み聞かせ・読書)
35
35
35
35
0
0
175
140
-35
140
-35
総計
総計
175
­75­­75­
-75-
発展的な課題の時数は
発展的な課題の時数は
減らしてあります。
減らしてあります。
9
9
算数科の年間指導計画の例
算数科の年間指導計画の例
表8 算数科年間指導計画例(第 1 学年)
算数科の年間指導計画では、計算に関する知識・技能の定着を図るなど、自閉症・情
緒障害学級に在籍する児童・生徒の状態に応じて、通常の学級の授業時数に比べて、
算数科の年間指導計画では、計算に関する知識・技能の定着を図るなど、自閉症・情
学期
緒障害学級に在籍する児童・生徒の状態に応じて、通常の学級の授業時数に比べて、
指導時数を増やした単元があります。
指導時数を増やした単元があります。
1
学
期
算数科の年間指導計画作成の考え方
算数科の年間指導計画作成の考え方
①算数科の年間授業時数
①算数科の年間授業時数
自立活動の指導時間を確保することにより、他の教科の授業時数の調整が必要に
自立活動の指導時間を確保することにより、
他の教科の授業時数の調整が必要に
なります。
なります。
国語科は、自立活動の指導内容と国語科の指導内容が重なる部分があったり、国
国語科は、自立活動の指導内容と国語科の指導内容が重なる部分があったり、国
語科の指導内容を自立活動の時間で補うことができることなどから授業時数を減
語科の指導内容を自立活動の時間で補うことができることなどから授業時数を減
じていますが、算数科の場合は、自立活動の指導内容と関係する部分が少ないこと
じていますが、算数科の場合は、自立活動の指導内容と関係する部分が少ないこと
から、授業時数を減ずることなく標準の授業時数としました。
から、授業時数を減ずることなく標準の授業時数としました。
授業時数は標準授業時数どおりですが、年間指導計画を作成する場合には、自閉
授業時数は標準授業時数どおりですが、年間指導計画を作成する場合には、自閉
症の障害特性や学級に在籍する児童・生徒全体の傾向等によって、単元ごとに配当
症の障害特性や学級に在籍する児童・生徒全体の傾向等によって、単元ごとに配当
する時数や学習内容の調整が必要になります。
する時数や学習内容の調整が必要になります。
②単元指導計画の時数の増減について
②単元指導計画の時数の増減について
自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒は、
数の合成分解など、
数を量的にとらえ
自閉症・情緒障害学級に在籍する児童・生徒は、
数の合成分解など、
数を量的にとらえ
ることが難しいことから、
分数や少数の意味や表し方について学習する指導時数を増や
ることが難しいことから、
分数や少数の意味や表し方について学習する指導時数を増や
しています。また、実際の測定等の経験が少なく、測定等の作業に時間がかかることが
しています。また、実際の測定等の経験が少なく、測定等の作業に時間がかかることが
あることから、
計測器具の扱い方の習熟を図る授業についても、
指導時数を増やしてい
あることから、
計測器具の扱い方の習熟を図る授業についても、
指導時数を増やしてい
ます。一方で、発展的な学習については、基礎的・基本的な学習の充実を図るために、
ます。一方で、発展的な学習については、基礎的・基本的な学習の充実を図るために、
指導時数を減じて調整をしています。
指導時数を減じて調整をしています。
なお、
学年が上がるにつれ、
学習内容の定着に差が生じてくることが考えられること
なお、
学年が上がるにつれ、
学習内容の定着に差が生じてくることが考えられること
から、第
から、第66学年については個別学習を重視し、児童・生徒一人一人の個に応じた学習が
学年については個別学習を重視し、児童・生徒一人一人の個に応じた学習が
展開できるように配慮しています。
展開できるように配慮しています。
また、交流及び共同学習や中学校進学を踏まえ、原則として全ての学習内容を網羅で
また、交流及び共同学習や中学校進学を踏まえ、原則として全ての学習内容を網羅で
きるよう計画しています。
2
学
期
3
学
期
教科書は、東京書籍を使用しています。
教科書(東京書籍)
なかまづくりとかず
教材名
1
学
期
2
学
期
3
学
期
­76­
6
あわせていくつ ふえるといくつ
10よりおおきいかず
7
8
1
1
6
6
6
14
6
14
2
2
15
3
7
5
1
1
2
2
136
自閉症・
11
情緒障害学級
の指導時数
1
2
12
17
26
87
88
91
81
16
1
6
6
6
6
14
6
6
14
14
6
2
14
22
15
2
3
14
37
75
41
11
12
02
0
136
136
+1 数え方や読み方、数字の書き方や構成を丁寧に指導するため。
増減 12
時数増減の理由及び配慮すること
1
0
2
0
+1 数え方や読み方、数字の書き方や構成を丁寧に指導するため。
8
+1 具体物、数図、数字、の段階を丁寧に指導するため。
0
0
8
+2 「5まで」「10まで」の加法計算を定着させる。
+1 具体物、数図、数字、の段階を丁寧に指導するため。
9
+2 「5まで」「10まで」の減法計算を定着させる。
+2 「5まで」「10まで」の加法計算を定着させる。
8
0
+2 「5まで」「10まで」の減法計算を定着させる。
1
0
0
1
0
0
6
0
0
6
0
基礎的・基本的な学習の充実
0
6
0
0
14
0 基礎的・基本的な学習の充実
を図るため、時数を増やして
0
6
0
0
14
0 を図るため、時数を増やして
います。
0
2
0
0
います。
2
0
0
-1
0 14
0
-1 3
7
0
0
4
-1
0
0
-1 1
0
1
0
0
0
-2 個に応じて、余剰時数で取り扱う。
-2 個に応じて、余剰時数で取り扱う。
0
-2 余剰時数で取り扱う。
余剰時数で取り扱う。
-2 136
0
0
表9 算数科年間指導計画例(第2学年)
算数科年間指導計画例(第2学年)
自閉症・
自閉症・
教科書(東京書籍)
教科書(東京書籍)
通常の学級の通常の学級の
学期
情緒障害学級
情緒障害学級
増減
教材名
指導時数
教材名
指導時数
の指導時数
の指導時数
ひょうとグラフ
2
ひょうとグラフ
時こくと時間
3
時こくと時間
11
たし算のひっ算
たし算のひっ算
1
11
ひき算のひっ算
ひき算のひっ算
学
2
どんな計算になるのかな
どんな計算になるのかな
期
11
長さのたんい
長さのたんい
14
3けたの数3けたの数
8
水のかさのたんい
水のかさのたんい
4
計算のくふう
計算のくふう
11
たし算とひき算のひっ算
たし算とひき算のひっ算
9
三角形と四角形
三角形と四角形
2
分数 2
学 分数
26
かけ算①
期 かけ算①
1
九九ビンゴ
18
かけ算② 九九ビンゴ
14
4けたの数かけ算②
4けたの数
10
長いものの長さのたんい
長いものの長さのたんい6
たし算とひき算
3
たし算とひき算
7
はこの形
学
2
計算ピラミッド
期 はこの形
3
2年のふくしゅう
計算ピラミッド
総 計
-76-
­76­
通常の学級の
指導時数
のこりはいくつ
ちがいはいくつ
なんじなんじはん
10よりおおきいかず
はなはなんこさいたかな
なんじなんじはん
どちらがながい
はなはなんこさいたかな
3つのかずのけいさん
どちらがながい
どちらがおおい
3つのかずのけいさん
2
たしざん
学
どちらがおおい
かたちあそび
期
たしざん
ひきざん
かたちあそび
どんなけいさんになるのかな
ひきざん
どちらがひろい
どんなけいさんになるのかな
20よりおおきいかず
どちらがひろい
なんじなんぷん
20よりおおきいかず
ずをつかってかんがえよう
なんじなんぷん
3
かたちづくり
ずをつかってかんがえよう
学
かたちづくり
期 ビルをつくろう
ビルをつくろう
ばしょをあらわそう
ばしょをあらわそう
けいさんピラミッド
けいさんピラミッド
1ねんのふくしゅう
1ねんのふくしゅう
総 計
2年のふくしゅう
総 計
時数増減の理由及び配慮すること
の指導時数
こえにだしてよもう
なんばんめ
11
なかまづくりとかず
いくつといくつ
1
こえにだしてよもう
1
2
なんばんめ
学
あわせていくつ ふえるといくつ
期 のこりはいくつ ちがいはいくつ7
いくつといくつ
表9
学期
自閉症・
通常の学級の
情緒障害学級 増減 1 学年)
算数科年間指導計画例(第
指導時数
総 計
きるよう計画しています。
※本作成例では、多摩市立諏訪小学校の実践を参考にして計画例を作成しました。
※本作成例では、多摩市立諏訪小学校の実践を参考にして計画例を作成しました。
教科書は、東京書籍を使用しています。
表8
教科書(東京書籍)
教材名
学期
175
2 2
3 3
1111
1111
2 2
1111
1414
8 8
4 4
11
11
9
9
4
2
26
26
1
1 18
1814
1410
10 6
6 5
7 2
2 3
3175
175
­77­
増減
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
0
02
0
03
011
0
011
0
02
0
011
0
014
0
08
0
04
0
0
11
0
0
9
0
+2 分数について充分理解する。
4
+2 分数について充分理解する。
0
26
0
0
1
0
0
18
0
0
14
0
0
0
010
6 箱の形が理解できる。
0
-2
-2 箱の形が理解できる。
05
02
0
03
0
175
0
-77-
­77­
表 10 算数科年間指導計画例(第3学年)
表 10 算数科年間指導計画例(第3学年)
学期
1
学
期
2
学
期
3
学
期
自閉症・
自閉症・
教科書(東京書籍) 教科書(東京書籍)
通常の学級の
通常の学級の
情緒障害学級 増減
情緒障害学級
学期
教材名
教材名
指導時数
指導時数
の指導時数
の指導時数
10
かけ算 かけ算 5
時こくと時間のもとめ方
時こくと時間のもとめ方
12
わり算
わり算
1
9
円と球
円と球
学
10
たし算とひき算の筆算
たし算とひき算の筆算
期
2
暗算
暗算
11
あまりのあるわり算
あまりのあるわり算
1
考えるちからをのばそう
考えるちからをのばそう
11
大きい数のしくみ
大きい数のしくみ
1
かたちであそぼう
かたちであそぼう
15
かけ算の筆算(1)
かけ算の筆算(1)
1
どんな計算になるのかな
2 どんな計算になるのかな
3
学 大きい数のわり算
大きい数のわり算
期 長いものの長さのはかり方
6
長いものの長さのはかり方
12
小数
小数
10
三角形
三角形
11
分数
分数
□をつかった式 □をつかった式4
1
全体と部分に目をつけて
全体と部分に目をつけて
13
かけ算の筆算(2)
かけ算の筆算(2)
ぼうグラフと表
3 ぼうグラフと表9
1
学 かたちであそぼう
かたちであそぼう
期 重さのはかり方と表し方
9
重さのはかり方と表し方
1
考えるちからをのばそう
考えるちからをのばそう
3
そろばん
そろばん
4
3年生のふくしゅう
3年生のふくしゅう
総 計
175
総 計
1010
5 5
1212
9 9
1010
2 2
1211
1 1
1111
1 1
1515
1 1
3 3
7 6
1412
1010
1311
2 4
1 1
1413
9 9
1 1
9 9
0 1
1 3
2 4
175
175
時数増減の理由及び配慮すること
増減時数増減の理由及び配慮すること
10
0
0
5
0
0
12
0
0
9
0
0
10
0
0
2
0
0
+1 12
あまりのだし方に習熟し、わり算の基本を定着させる。
+1 あまりのだし方に習熟し、わり算の基本を定着させる。
1
0
0
11
0
0
計測器具の使い方を習熟する学習に
計測器具の使い方を習熟する学習に
1
0
0
15
0
0
ついては時数を増やしています。
ついては時数を増やしています。
1
0
0
3
0
0
7
+1 計測器具の使い方に慣れて、実践的な力を付ける。
+1 計測器具の使い方に慣れて、実践的な力を付ける。
小数の意味理解や位取りの仕組みについて理解できるようにする。
+2 14
+2 小数の意味理解や位取りの仕組みについて理解できるようにする。
10
0
0
+2 13
量を表す分数に十分習熟する。
+2 量を表す分数に十分習熟する。
2
-2 応用的な内容で理解が難しい。
-2 応用的な内容で理解が難しい。
1
0
0
+1 14
2位数や3位数の乗法の筆算の定着を図る。
+1 2位数や3位数の乗法の筆算の定着を図る。
9
0
0
1
0
0
9
0
0
0
0
発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
0
発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
1
-2 発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
-2 発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
2
-2 発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
-2 発展課題等の時数は基礎基本の充実に当てる
0 175
0
表 12 算数科年間指導計画例(第5学年)
表 12 算数科年間指導計画例(第5学年)
学期
1
学
期
2
学
期
3
学
期
教科書(東京書籍)
学期
教材名
自閉症・
自閉症・
教科書(東京書籍)
通常の学級の
通常の学級の
情緒障害学級 増減情緒障害学級
教材名
指導時数
指導時数
の指導時数
の指導時数
整数と小数
整数と小数 5
13
直方体や立方体の体積
直方体や立方体の体積
1
14
小数のかけ算
小数のかけ算
学
16
小数のわり算
小数のわり算
期
1
どんな計算になるのかな
どんな計算になるのかな
合同な図形
合同な図形 11
11
偶数と奇数、倍数と約数
偶数と奇数、倍数と約数
16
単位量あたりの大きさ
単位量あたりの大きさ
1
かたちであそぼう かたちであそぼう
2
考える力をのばそう
2 考える力をのばそう
分数と小数 学 分数と小数 6
期 算数の目で見てみよう
2
算数の目で見てみよう
図形の角
図形の角 8
11
分数のたし算とひき算
分数のたし算とひき算
13
四角形と三角形の面積
四角形と三角形の面積
15
百分率とグラフ 百分率とグラフ
1
考える力をのばそう
考える力をのばそう
1
かたちであそぼう かたちであそぼう
11
正多角形と円周の長さ
3 正多角形と円周の長さ
学 分数のかけ算とわり算
6
分数のかけ算とわり算
角柱と円柱 期 角柱と円柱 5
2
算数の目で見てみよう
算数の目で見てみよう
2
算数おもしろ旅行 算数おもしろ旅行
2
5年のふくしゅう 5年のふくしゅう
175
総 計
総 計
表 11 算数科年間指導計画例(第4学年)
表 11 算数科年間指導計画例(第4学年)
学期
1
学
期
2
学
期
3
学
期
教科書(東京書籍) 教科書(東京書籍)
通常の学級の
学期
教材名
教材名
指導時数
7
大きい数のしくみ
大きい数のしくみ
10
角の大きさ
角の大きさ
わり算の筆算1
1 わり算の筆算118
16
学 垂直・平行と四角形
垂直・平行と四角形
期 折れ線グラフ 6
折れ線グラフ
1
考える力をのばそう
考える力をのばそう
2
そろばん
そろばん
小数のしくみ 小数のしくみ 10
わり算の筆算2 わり算の筆算217
整理のしかた 整理のしかた 4
計算のきまり
2 計算のきまり 9
12
学 面積のはかり方と表し方
面積のはかり方と表し方
期 分数
11
分数
変わり方調べ 変わり方調べ 5
1
かたちであそぼう
かたちであそぼう
1
考える力をのばそう
考える力をのばそう
18
小数のかけ算わり算
小数のかけ算わり算
直方体と立方体 直方体と立方体12
がい数の表し方
3 がい数の表し方 8
1
学 どんな計算になるのかな
どんな計算になるのかな
期 かたちであそぼう
1
かたちであそぼう
2
算数おもしろ旅行
算数おもしろ旅行
3
4年のふくしゅう4年のふくしゅう
総 計
総 計175
自閉症・
通常の学級の
情緒障害学級
指導時数
の指導時数
77
10
10
18
18
16
16
66
01
22
10
12
17
17
44
99
12
12
11
13
55
01
01
18
20
12
12
88
01
01
02
43
175
175
5 5
13 13
14 14
16 16
1 1
11 11
11 11
16 16
0 1
0 2
8 6
0 2
8 8
13 11
15 13
16 15
0 1
0 1
12 11
8 6
5 5
0 2
0 2
3 2
175175
0
0
0
0
0
0
0
0
-1
-2
+2
-2
0
+2
+2
+1
-1
-1
+1
+2
0
-2
-2
+1
0
増減
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
5
0
13
0
14
0
16
基礎的基本的な学習を中心にした場合、発展課題等に配当
基礎的基本的な学習を中心にした場合、発展課題等に配当
0
1
されていた時数を調整し、重点的に取り組む単元に振り分
されていた時数を調整し、重点的に取り組む単元に振り分
0
11
けます。0
けます。
11
0
16
0
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-1 基礎的・基本的な学習を中心にする。
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-2 基礎的・基本的な学習を中心にする。
8
分数と小数の関係について理解できるよう、具体物を用いた学習を行う。
+2 分数と小数の関係について理解できるよう、具体物を用いた学習を行う。
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-2 基礎的・基本的な学習を中心にする。
8
0
異分母同士の分数のたし算・ひき算に至るまでの通分・約分等の説明に時間をかける。
13
+2 異分母同士の分数のたし算・ひき算に至るまでの通分・約分等の説明に時間をかける。
面積の公式を導き出し、覚え、計算できるようにするために、時間をかけたため。
15
+2 面積の公式を導き出し、覚え、計算できるようにするために、時間をかけたため。
16
学習内容を理解し、定着を図るため。
+1 学習内容を理解し、定着を図るため。
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-1 基礎的・基本的な学習を中心にする。
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-1 基礎的・基本的な学習を中心にする。
12
学習内容を理解し、定着を図るため。
+1 学習内容を理解し、定着を図るため。
分数という数量概念が理解しにくいため、面積図等を用いるなどして説明に時間をかける。
8
+2 分数という数量概念が理解しにくいため、面積図等を用いるなどして説明に時間をかける。
5
0
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-2 基礎的・基本的な学習を中心にする。
0
基礎的・基本的な学習を中心にする。
-2 基礎的・基本的な学習を中心にする。
3
+1 まとめ及び発展課題の時数は、基礎基本の重視に当てる。
まとめ及び発展課題の時数は、基礎基本の重視に当てる。
175
0
表 13 算数科年間指導計画例(第6学年)
表 13 算数科年間指導計画例(第6学年)
自閉症・
情緒障害学級
増減
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
増減
の指導時数
0
0
0
0
0
-1
0
+2
0
0
0
0
+2
0
-1
-1
+2
0
0
-1
-1
-2
1
0
7
0
10
0
18
0
16
0
6
0
0
応用的な内容で理解が難しい。
-1 応用的な内容で理解が難しい。
2
0
12
小数の位取りの仕組みについて理解できるようにする。
+2 小数の位取りの仕組みについて理解できるようにする。
17
0
4
0
9
0
12
0
13
仮分数や帯分数をなおす方法を理解できるようにする。
+2 仮分数や帯分数をなおす方法を理解できるようにする。
5
0
0
抽象的な図形を作成することが難しい。
-1 抽象的な図形を作成することが難しい。
0
応用的な内容で理解が難しい。
-1 応用的な内容で理解が難しい。
小数×整数・小数÷整数の計算方法を理解できるようにする。
20
+2 小数×整数・小数÷整数の計算方法を理解できるようにする。
12
0
発展的な課題の
発展的な課題の
8
0
時数は減らして
時数は減らして
0
応用的な内容で理解が難しい。
-1 応用的な内容で理解が難しい。
あります。
あります。
0
抽象的な内容で理解が難しい。
-1 抽象的な内容で理解が難しい。
0
応用的な内容で理解が難しい。
-2 応用的な内容で理解が難しい。
4
4年生で学習した内容を復習を通して深めるため
1
4年生で学習した内容を復習を通して深めるため
175
0
78
78
-78-
学期
自閉症・
自閉症・
通常の学級の
通常の学級の
教科書(東京書籍) 教科書(東京書籍)
情緒障害学級 増減
情緒障害学級
学期
指導時数
指導時数
教材名
教材名
の指導時数
の指導時数
円の面積
円の面積 8
1
1
文字と式
文字と式 3
学
学
11
分数のかけ算
期
期 分数のかけ算
2
学
期
3
学
期
14
分数のわり算
分数のわり算
13
対象な形 対象な形 11
比と比の値 比と比の値 2
10
拡大図と縮図
拡大図と縮図
学
13
速さ
速さ
期
5
角柱と円柱の体積角柱と円柱の体積
7
およその面積
およその面積
20
比例と反比例
比例と反比例
15
資料の調べ方
資料の調べ方
場合の数 3 場合の数 7
9
学 量の単位のしくみ
量の単位のしくみ
期 計算トレーニング
計算トレーニング
9
算数卒業旅行
算数卒業旅行
20
算数のまとめ
算数のまとめ
総 計
175
総 計
8 8
3 3
1111
1414
1313
1111
1010
1313
5 5
7 7
2020
1515
7 7
9 9
9
9
2020
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
9
-9
0
175
175
0
増減
時数増減の理由及び配慮すること
時数増減の理由及び配慮すること
8
円の面積(円周率は3)を求める公式を覚えて面積を求める。
0 円の面積(円周率は3)を求める公式を覚えて面積を求める。
3
0
11
分数のかけ算のやり方を説明し、計算問題を繰り返し取り組ませる。
0 分数のかけ算のやり方を説明し、計算問題を繰り返し取り組ませる。
14
分数のわり算のやり方を説明し、計算問題を繰り返し取り組ませる。
0 分数のわり算のやり方を説明し、計算問題を繰り返し取り組ませる。
13
線対称と点対称の図形の特徴を覚え、識別できるよう取り組む。
0 線対称と点対称の図形の特徴を覚え、識別できるよう取り組む。
11
比の値を求める。
0 比の値を求める。
10
拡大図と縮図の特徴を理解する。
0 拡大図と縮図の特徴を理解する。
13
速さを求める公式を覚えて時速を求める。
0 速さを求める公式を覚えて時速を求める。 高学年では、学
高学年では、学
5
体積を求める公式を覚えて体積を求める。
0 体積を求める公式を覚えて体積を求める。 習内容の定着に
習内容の定着に
7
0
差が生じてくる
差が生じてくる
20
2つの量の比例と反比例の変わり方について理解する。
0 2つの量の比例と反比例の変わり方について理解する。
ことに配慮し
ことに配慮し
15
て、個別指導を
て、個別指導を
グラフの見方を理解する。
0 グラフの見方を理解する。
重視していま
重視していま
7
0
す。
す。
9
長さ、重さの単位関係の比較をする。
0 長さ、重さの単位関係の比較をする。
9
基礎基本を重視し、計算の習熟度を上げる。
9 基礎基本を重視し、計算の習熟度を上げる。
発展課題の時数は、基礎基本の重視に当てる。
-9 発展課題の時数は、基礎基本の重視に当てる。
20
個別指導を中心に行う。
0 個別指導を中心に行う。
175
79
0
79
-79-
自立活
自動
立の
活た
動めののた児
め童
の・児
生童
徒・の
生実
徒態
のの
実把
態握
の把握
10 10
表 14 社会性・行動のチェックリスト
表 14 社会性・行動のチェックリスト
社会性・行動のチェックリスト 対象児童( )記入者( )記入日 年 月 日
社会性・行動のチェックリスト 対象児童( )記入者( )記入日 年 月 日
観察項目等
自立活動の指導内容を検討するため、東京都教育委員会で作成した「社会性・行動
自立活動の指導内容を検討するため、東京都教育委員会で作成した「社会性・行動
のチェックリスト」を活用します。
のチェックリスト」を活用します。
「社会性・行動のチェックリスト」は、対人関係、
「社会性・行動のチェックリスト」は、対人関係、
順番やルールの理解、情緒のコントロールについて、児童・生徒の観察に基づいて記
順番やルールの理解、情緒のコントロールについて、児童・生徒の観察に基づいて記
入するチェックリストです。チェックリストを基にレーダーチャートを作成するこ
入するチェックリストです。チェックリストを基にレーダーチャートを作成するこ
とで、それぞれの児童・生徒に対して重点的に指導すべき項目を浮き彫りにすること
とで、それぞれの児童・生徒に対して重点的に指導すべき項目を浮き彫りにすること
ができます。
ができます。
対
人
関
係
指
導
者
と
一
対
一
の
場
面
順
番
や
理
ル
解
1
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
模倣
簡単な動作の模倣、手遊び等
模倣
簡単な動作の模倣、手遊び等
対
会話の成立
指示に従う態度
指示に従って行動する等
指示に従って行動する等
人
関
アイコンタクト・表情や態度の意思疎通
アイコンタクト・表情や態度の意思疎通
言葉以外のやりとり
言葉以外のやりとり
1
係
指
相手の意図の
相手の意図の
表情の理解や指さし指示だけで着席する等
表情の理解や指さし指示だけで着席する等
導読み取り
1
読み取り
者
と
気持ちの理解
相手の気持ちが理解できる等
気持ちの理解
相手の気持ちが理解できる等 1
一
対
物や人との適切な距離の把握等
物や人との適切な距離の把握等
相手との距離
相手との距離
1
一
の
順
場
順番の理解
相手と順番を守ってやり取りできる等
順番の理解
相手と順番を守ってやり取りできる等
1
番
面
や
理
ルールの理解
ルールを守ってやりとりできる等
ルールの理解
ルールを守ってやりとりできる等1
ル
解
ル
順序立てた行動
情
緒
ロ
の
コ
ル
ン
ト
切り替え 情
の
緒
ロ
の
感情の抑制
コ
ル
ン
こだわり ト
スケジュールにそって一人で活動する等
順序立てた行動
スケジュールにそって一人で活動する等
1
感情の切り替えができる等
切り替え
感情の切り替えができる等
ル
の
理
解
情
緒
の
コ
ル
ン
ト
ロ
5 4
4
5
4
5 4
2
5
2
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
3 2
4 3
5 4
3
5
3
1
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
1
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
指導者の指示に注目する等
注目(集団)
指導者の指示に注目する等
1
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
簡単な動作の模倣、手遊び等
模倣(集団)
簡単な動作の模倣、手遊び等
1
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
人
関
会話の調整(集団)
係
声のトーンや言葉の抑揚、間のとり方、声の
声のトーンや言葉の抑揚、間のとり方、声の
会話の調整(集団)
1
大きさ等
大きさ等
2 1
3 2
4 3
5 4
2
5
2
言葉づかい(集団)
正しい語句、丁寧な言葉、慣用句で話す等
正しい語句、丁寧な言葉、慣用句で話す等
言葉づかい(集団)
1
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
集団行動の状況
列に並んだり、みんなが何をやろうとしている
列に並んだり、みんなが何をやろうとしている
集団行動の状況
1
ことも見て活動できる等
ことも見て活動できる等
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
順番の理解(集団)
の
集団のルールが分かり、守りながら活動でき
集団のルールが分かり、守りながら活動でき
順番の理解(集団)
1
る等
る等
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
番
集団のルールが分かり、守りながら活動でき
集団のルールが分かり、守りながら活動でき
で
ルールの理解(集団)
ルールの理解(集団)
1
や
る等
る等
の
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
4
5
4
中
行
順
ル
順序立てた行動
動
ル
集団の流れの中でスケジュール等のそって
集団の流れの中でスケジュール等のそって
順序立てた行動
1
活動する等
活動する等
話し合い・相談の場面で、人の意見を受け入
話し合い・相談の場面で、人の意見を受け入
の
話し合い・相談(受容)
話し合い・相談(受容)
1
れることができる等の受容
れることができる等の受容
理
解
話し合い・相談の場面で、自分の意見を適切
話し合い・相談の場面で、自分の意見を適切
話し合い・相談(表出) 話し合い・相談(表出)
1
に表出できる。(表出) に表出できる。(表出)
切り替え 情
緒
ロ
の
感情の抑制
コ
ル
ン
こだわり ト
気持ちの切り替えができる等
切り替え
気持ちの切り替えができる等
1
自分の感情をコントロールできる等
自分の感情をコントロールできる等
感情の抑制
1
こだわりが出てしまう等
こだわり
こだわりが出てしまう等
1
こだわり
感情の抑制
切り替え
話し合い・相談(表出)
話し合い・相談(受容)
4 3
5 4
3
5
3
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
2 1
3 2
4 3
5 4
3
5
3
指示に従う態度
指示に従う態度
5
5
こだわり
注目
切り替え
4
注目
模倣
4
模倣
会話の成立
話し合い・相談(表出)
順序立てた行動
3
3
2
2
1
1
0
0
相手の意図の
読み取り
気持ちの理解
気持ちの理解
相手との距離
相手との距離
順番の理解
集団行動の状況
言葉づかい(集団)
言葉以外のやりとり
相手の意図の
読み取り
順番の理解(集団)
集団行動の状況
会話の成立
言葉以外のやりとり
ルールの理解(集団)
順番の理解(集団)
3 2
3 2
話し合い・相談(受容)
順序立てた行動
ルールの理解(集団)
2 1
2 1
感情の抑制
順番の理解
ルールの理解
言葉づかい(集団)
順序立てた行動
会話の調整(集団)
模倣(集団)
切り替え
模倣(集団)
注目(集団)
80
4 3
4 3
注目(集団)
会話の調整(集団)
80
-80-
3 2
3 2
2 1
1
感情の抑制
自分の感情をコントロールできる等
自分の感情をコントロールできる等
1
こだわりが出てしまう等
こだわり
こだわりが出てしまう等
2 1
2 1
対
模倣(集団)
集
団
順
番
や
ル
1
会話の成立
会話が成り立つ、質問等の適切に答える等
会話が成り立つ、質問等の適切に答える等
1
指示に従って行動する等
指示に従って行動する等
指示に従う態度(集団)指示に従う態度(集団)
集
団
の
中
で
の
行
動
結果
特記事項
注目
指さした場所・ものに注目する等
指さした場所・ものに注目する等
1
ル
の
対
人
関
係
○いつもできる
○できることもある
○できることもある
○だいたいできる
○だいたいできる
○時々できる
○時々できる ○いつもできる
○できない
○よくできる
○よくできる
○少しできる
○少しできる ○普通にできる
○普通にできる
○まあまあできる
○まあまあできる
結果
○課題がある
○全く課題がない
○ほとんど課題
○ほとんど課題○たまに課題になる
○たまに課題になる ○全く課題がない
○時々課題になる
○時々課題になる
○できない
観察内容
○課題がある
観察内容
注目
指示に従う態度
「社会性・行動のチェックリスト」の活用について
「社会性・行動のチェックリスト」の活用について
「社会性・行動のチェックリスト」に児童・生徒一人一人の様子を観察して記入し
「社会性・行動のチェックリスト」に児童・生徒一人一人の様子を観察して記入し
ます。チェックリストの記入・集計により、個別の指導課題だけでなく、学級全体の
ます。チェックリストの記入・集計により、個別の指導課題だけでなく、学級全体の
傾向も把握することができます。
傾向も把握することができます。
例えば、「指導者と1対1の場面」の平均値が、
例えば、「指導者と1対1の場面」の平均値が、
「感情の抑制」について低くなっ
「感情の抑制」について低くなっ
ていたとします。また、
ていたとします。また、
「集団の中での行動」の平均値が「会話の調整」
「集団の中での行動」の平均値が「会話の調整」
、「話合い・
、「話合い・
相談」について低くなっていたとします。
相談」について低くなっていたとします。
この結果から、
この結果から、
学級全体の傾向として、
学級全体の傾向として、
「児
「児
童・生徒が感情をコントロールし、
童・生徒が感情をコントロールし、
自分の意見を適切に述べて話合いをすることに困
自分の意見を適切に述べて話合いをすることに困
難がある。
難がある。
」ことが分かります。
」ことが分かります。
このような傾向をもとに、自立活動の指導内容を検討します。
このような傾向をもとに、自立活動の指導内容を検討します。
例えば、
「話合い活動において自分の意見をもち、相手に伝えようとすることがで
例えば、
「話合い活動において自分の意見をもち、相手に伝えようとすることがで
きるようになる」といった学級目標を設定し、指導することが考えられます。
きるようになる」といった学級目標を設定し、指導することが考えられます。
そして、自立活動の指導内容に話合い活動を取り入れ、児童・生徒が自分の意見を
そして、自立活動の指導内容に話合い活動を取り入れ、児童・生徒が自分の意見を
適切な方法で相手に伝えるとともに、相手の考えや気持ちを受け止めることができ
適切な方法で相手に伝えるとともに、相手の考えや気持ちを受け止めることができ
るようになることを目指して指導計画を作成します。
るようになることを目指して指導計画を作成します。
そのほかにも、
そのほかにも、
「指導者と1対1の場面」に比べて、
「指導者と1対1の場面」に比べて、
「集団の中での行動」の評価
「集団の中での行動」の評価
が低かったり、ばらつきが見られたりする児童が多くないか等の視点から傾向を分
が低かったり、ばらつきが見られたりする児童が多くないか等の視点から傾向を分
析することもできます。このような傾向があれば、集団の中での社会性やコミュニ
析することもできます。このような傾向があれば、集団の中での社会性やコミュニ
ケーション能力をいかに高めていくことができるかについて、指導目標を設定し、
ケーション能力をいかに高めていくことができるかについて、指導目標を設定し、
指導内容を検討することが考えられます。
指導内容を検討することが考えられます。
例えば、人と接する上でのマナーや、相手の意見を聞き、共感したり、自分の考
例えば、人と接する上でのマナーや、相手の意見を聞き、共感したり、自分の考
えや気持ちとの折り合いをつけられるようにすることを目標に、自立活動の時間の
えや気持ちとの折り合いをつけられるようにすることを目標に、自立活動の時間の
指導計画を作成していくことが考えられます。
指導計画を作成していくことが考えられます。
観察項目等
感情の抑制
注目(集団)
こだわり
こだわり
指示に従う態度(集団)
指示に従う態度(集団)
81
81
-81-
ルールの理解
順序立てた行動
切り替え
感情の抑制
特記事項
11 1自1立活自動立の活指動導のの指例導の例
自閉症・情緒障害学級における自立活動の指導内容例を挙げます。
自閉症・情緒障害学級における自立活動の指導内容例を挙げます。
児童・生徒一人一人のアセスメントを基に、指導内容を工夫し検討します。自立活動の
児童・生徒一人一人のアセスメントを基に、指導内容を工夫し検討します。自立活動の
(2)自立活動の指導のポイント
(2)自立活動の指導のポイント
◆自閉症の児童・生徒は、自分の感情や情動をコントロールすることが難しい場合もあ
◆自閉症の児童・生徒は、自分の感情や情動をコントロールすることが難しい場合もあ
るので、自分を落ち着かせることができる場所に移動してその気分を鎮めること
るので、自分を落ち着かせることができる場所に移動してその気分を鎮めること
(「ク
(「ク
ールダウン」
ールダウン」
)などの方法を指導することが大切です。
)などの方法を指導することが大切です。
(1)自立活動の指導例について
(1)自立活動の指導例について
◆自閉症の児童・生徒は「自分がどのような人間であるのか」といった自己の理解が困
◆自閉症の児童・生徒は「自分がどのような人間であるのか」といった自己の理解が困
話合いの場面で自分の気持ちを適切に伝えることや、ゲームなどの活動において友達と
話合いの場面で自分の気持ちを適切に伝えることや、ゲームなどの活動において友達と
難な場合があります。そのため、友達の行動に対して適切に応じることができないこ
難な場合があります。そのため、友達の行動に対して適切に応じることができないこ
一緒(チーム)であることを理解して、自分の考えを相手に伝えることができるとともに、
一緒(チーム)であることを理解して、自分の考えを相手に伝えることができるとともに、
とがあります。このような場合は、体験的な活動を通して、自分の得意なことや不得
とがあります。このような場合は、体験的な活動を通して、自分の得意なことや不得
相手からの働き掛けも受け止められるようになることを目指した指導例を挙げています。
相手からの働き掛けも受け止められるようになることを目指した指導例を挙げています。
意なことの理解を促したり、他者の意図や感情を考え、その対応方法を身に付けたり
意なことの理解を促したり、他者の意図や感情を考え、その対応方法を身に付けたり
する指導を関連付けて行うことが必要です。
する指導を関連付けて行うことが必要です。
表 15 自立活動の指導内容例
表 15 自立活動の指導内容例
◆自閉症の児童の場合、言葉による遊びの説明を理解できず、遊び始めてしまうなど、
◆自閉症の児童の場合、言葉による遊びの説明を理解できず、遊び始めてしまうなど、
単元の内容 単元の内容
単元
単元
ルールを理解していない場合があります。このため、ルールを段階的に指導したり、
ルールを理解していない場合があります。このため、ルールを段階的に指導したり、
表情のイラストからどんな気持ちなのかを想像することや、
表情のイラストからどんな気持ちなのかを想像することや、
相手がうれしいと感じる言葉掛けな
相手がうれしいと感じる言葉掛けな
どんな気持ち?
どんな気持ち?
どについて学習する。
どについて学習する。
ロールプレイによって適切な行動を具体的に学習したりすることが必要です。
ロールプレイによって適切な行動を具体的に学習したりすることが必要です。
指導は、個に応じて行うものであることに十分留意する必要があります。
指導は、個に応じて行うものであることに十分留意する必要があります。
グループ編成をし、ボール遊び・キャッチボール・椅子取りゲーム・輪投げ・カルタ・ビンゴ・
グループ編成をし、ボール遊び・キャッチボール・椅子取りゲーム・輪投げ・カルタ・ビンゴ・
ルールを守ってゲームをしよう
的あて・すごろく・フルーツバスケット・じゃんけん列車・リレーゲームを行う中でより良い参
ルールを守ってゲームをしよう
的あて・すごろく・フルーツバスケット・じゃんけん列車・リレーゲームを行う中でより良い参
加の仕方を学ぶ。
加の仕方を学ぶ。
通常の学級と交流及び共同学習をする際の自己紹介の仕方や挨拶、
話合い活動の参加の仕方につ
通常の学級と交流及び共同学習をする際の自己紹介の仕方や挨拶、
話合い活動の参加の仕方につ
交流及び共同学習に参加するために
交流及び共同学習に参加するために
いて学ぶ。 いて学ぶ。
クラスのいいところ
クラスのいいところ
クラスのいいところ探しから、
さらに良いクラスにするためにはどのようなことをお互いが心が
クラスのいいところ探しから、
さらに良いクラスにするためにはどのようなことをお互いが心が
けていったらよいか。
けていったらよいか。
公共施設や公共の交通機関について
地域の公共施設や交通機関を利用するときのルールやマナーについて学ぶ。
公共施設や公共の交通機関について
地域の公共施設や交通機関を利用するときのルールやマナーについて学ぶ。
こんなときどうする?
こんなときどうする?
友達と仲良く遊ぶために守ること、
相手の気持ちを考えて行動すること、
友達や先生と関わる際
友達と仲良く遊ぶために守ること、
相手の気持ちを考えて行動すること、
友達や先生と関わる際
の約束など の約束など
相手の気持ちを考えよう
相手の気持ちを考えよう
SSTカードや人形劇から場面、表情、気持ちを読みとっていくとともに、適切な行動について
SSTカードや人形劇から場面、表情、気持ちを読みとっていくとともに、適切な行動について
話し合い、練習をする。
話し合い、練習をする。
表情カードを使ってのコミュニケーション・気持ち当てゲーム・二人組でのリレーなど協力して
表情カードを使ってのコミュニケーション・気持ち当てゲーム・二人組でのリレーなど協力して
表情を見て気持ちを考えよう
表情を見て気持ちを考えよう
行うゲームを行う。
行うゲームを行う。
わたしは誰でしょう
わたしは誰でしょう
自己紹介をクイズ形式で行う。
自己紹介をクイズ形式で行う。
自分のいいところや直したいところを考えて、
書きだしたり、
友だちに言ってもらったりして自
自分のいいところや直したいところを考えて、
書きだしたり、
友だちに言ってもらったりして自
考えてみよう 考えてみよう
自分探しの旅 自分探しの旅
分を見つめ直す。
分を見つめ直す。
得意と苦手
多様な感覚に関すること、予定の変更、変化、見通し、勝ち負け、初めてのことなどについて自
多様な感覚に関すること、予定の変更、変化、見通し、勝ち負け、初めてのことなどについて自
分自身を振り返り、人はそれぞれ得意と苦手があることを知る。
分自身を振り返り、人はそれぞれ得意と苦手があることを知る。
みんなで協力して遊ぼう
みんなで協力して遊ぼう
風船とうちわを使ったサッカー型のゲームやベースボール型のゲームを簡単なルールから理解
風船とうちわを使ったサッカー型のゲームやベースボール型のゲームを簡単なルールから理解
し、全員で楽しめるようにする。
し、全員で楽しめるようにする。
得意と苦手
集団行動のマナーを身につけよう
相手や場に応じたコミュニケーションを習得する。
集団行動のマナーを身につけよう
相手や場に応じたコミュニケーションを習得する。
学校行事を成功させよう 通常の学級と一緒に行う演奏や競技を事前に練習し、自信をもって集団参加できるようにする。
通常の学級と一緒に行う演奏や競技を事前に練習し、自信をもって集団参加できるようにする。
学校行事を成功させよう
ゲームをしよう
ゲームをしよう
ゲームは全員賛成で一致したものを行う。
担任とのペアや子供同士のペアなど、
対戦の仕方を段
ゲームは全員賛成で一致したものを行う。
担任とのペアや子供同士のペアなど、
対戦の仕方を段
階的に設定する。
階的に設定する。
82
-82-
82
配習
慮で
す配
る慮
こと
すに
るつ
こと
いに
てついて
12 1交2流及交び流共及同び学共習同で学
交流及び共同学習の場面における授業の参加状況や、話合いや相談活動への参加
交流及び共同学習の場面における授業の参加状況や、話合いや相談活動への参加
について児童・生徒の状況を把握します。
について児童・生徒の状況を把握します。
(1)交流及び共同学習の学習態勢チェックリストについて
(1)交流及び共同学習の学習態勢チェックリストについて
交流及び共同学習の場面における授業の参加状況や、話合いや相談をする活動への
交流及び共同学習の場面における授業の参加状況や、話合いや相談をする活動への
参加について児童・生徒の状況を把握します。
参加について児童・生徒の状況を把握します。
授業の参加において交流先の教室で円滑に自席に着くことができるか、話合いの場
授業の参加において交流先の教室で円滑に自席に着くことができるか、話合いの場
面で自分の意見を発言する様子(強く主張したり、他人の意見に耳を傾けられなかっ
面で自分の意見を発言する様子(強く主張したり、他人の意見に耳を傾けられなかっ
たりすることはないか)を見ていきます。
たりすることはないか)を見ていきます。
休み時間等の構造化されていない時間帯についても問題なく参加できているか、不
休み時間等の構造化されていない時間帯についても問題なく参加できているか、不
安になったりしていないかの様子を観察します。
安になったりしていないかの様子を観察します。
実態把握の結果を生かして、それぞれの児童・生徒にとって無理がなく「やってよ
実態把握の結果を生かして、それぞれの児童・生徒にとって無理がなく「やってよ
かった」と思える交流及び共同学習を実施していきます。
かった」と思える交流及び共同学習を実施していきます。
83
83
-83-
表 16
表 16
交流及び共同学習の学習態勢チェックリスト
交流及び共同学習の学習態勢チェックリスト
交流及び共同学習の学習態勢チェックリスト
交流及び共同学習の学習態勢チェックリスト
氏名( )授業名( )
氏名( )授業名( )
記録日 年 月 日
記録日 年 月 日
項目
項目
1
座っていられる
座っていられる
1
2
教科書を見ていられる
教科書を見ていられる
2
○
△ ○
× △
×
様子・課題
様子・課題
先生の話を聞く
先生の話を聞く
3
教科書にマーカー等が入れられる
教科書にマーカー等が入れられる
3
4
ノートが取れる
4
ノートが取れる
5 授 教科書を読む
5 授 教科書を読む
業
業
6 中 発言できる
6 中 発言できる
7
質問できる
7
質問できる
8
個人の課題に取り組める
8
個人の課題に取り組める
9
グループの課題に取り組める
グループの課題に取り組める
9
10
不適切な発言はしない
不適切な発言はしない
10
11
周りの友達に不適切な関わりをしない
11
周りの友達に不適切な関わりをしない
12
友達に話し掛ける
友達に話し掛ける
12
ⅡⅡ 実実践践編編
13 休 友達と遊ぶ
13 休 友達と遊ぶ
み
み
14 時 一人で適切に過ごせる
14 時 一人で適切に過ごせる
15 間 適切な場所にいられる
15 間 適切な場所にいられる
16
友達に不適切な関わりをしない
友達に不適切な関わりをしない
16
(2)交流及び共同学習の配慮点について
(2)交流及び共同学習の配慮点について
交流及び共同学習に参加する児童への支援についてまとめました。
交流及び共同学習に参加する児童への支援についてまとめました。
◆学級担任の全体説明時
◆学級担任の全体説明時
・児童・生徒にとって理解が難しい言葉は、分かりやすい言葉に置き換えて伝える。
・児童・生徒にとって理解が難しい言葉は、分かりやすい言葉に置き換えて伝える。
◆全員で考える時
◆全員で考える時
・挙手して指名されなくても、不安定にならないよう支援する。
・挙手して指名されなくても、不安定にならないよう支援する。
・友達の意見の理解度を確かめ、必要に応じて分りやすく伝えることで、友達の意見を
・友達の意見の理解度を確かめ、必要に応じて分りやすく伝えることで、友達の意見を
聞くことができるよう支援する。
聞くことができるよう支援する。
◆グループでの活動時
◆グループでの活動時
・「今からグループで、どんな活動が始まるか、何をすればよいか」を確認する。
・「今からグループで、どんな活動が始まるか、何をすればよいか」を確認する。
・どこに行って話合いをするか伝える(特に新しい班編成になった直後は大切)
・どこに行って話合いをするか伝える(特に新しい班編成になった直後は大切)
。 。
・協力して活動できているか確認し、活動の流れ等を分かりやすく伝える。
・協力して活動できているか確認し、活動の流れ等を分かりやすく伝える。
・教員が児童・生徒を支援するほかにも、
・教員が児童・生徒を支援するほかにも、
「~さんに相談してみてごらん」等、通常の学
「~さんに相談してみてごらん」等、通常の学
級の児童・生徒と関わることができるように言葉を掛ける。
級の児童・生徒と関わることができるように言葉を掛ける。
◆挙手したとき
◆挙手したとき
・答えや予想をノートに書いてある場合は、
・答えや予想をノートに書いてある場合は、
「正解」などと伝え、挙手をするよう言う。
「正解」などと伝え、挙手をするよう言う。
・児童・生徒が発言に慣れない時期は、発言内容を事前に聞き取り、自信をもたせるなど
・児童・生徒が発言に慣れない時期は、発言内容を事前に聞き取り、自信をもたせるなど
の支援をする。
の支援をする。
84 84
-84-
85 85
-85-
自閉症・情緒障害学級における「国語科」の指導
(読む:心情の読み取り) 第3学年
指導方法の工夫
実施したアセスメント等と結果
◆「お母さん」の言葉は複数あるので、 板書するなどして、児
童に提示します。
◆その中から、心情を表すキーワードはどれかを考えます。辞
書で調べた言葉がヒントになることを児童に伝えます。
【アセスメントの実施】
・国語科学習評価シート
『
【アセスメントの結果】
◆辞書で重要語句を調べます。
◆作品世界の背景を端的に表し
ている言葉なので、調べて理
解することが極めて重要です。
名
前
ワ
ク
シ
(
ト
)
)
報を絞り、読みやすくする。
※場面ごとにワークシート
を用意する。
ー
、
読よ
み
取と 文章を一場面で区切り、情
ー
ゅ
。
気持ちを表すキーワードから気持ちを
一言で書きます。
会話や行動を基に端的に分りやすく
物語の内容をつかみます。
月
日
ん
の
か
げ
お
く
り
』
気き
持も
ち
を
表わあら
す
言こと
葉ば
に
注ちう
目もく
し
て
ち
い
ち
ゃ
た
す
き
(
う
い
く
さ
☆
意い
味み
調らし
べ
、
所
で
は
な
く
。
う
か
?
ょ
ょ
た
で
し
た
言こと
葉ば
を
書か
き
写つう
し
ま
し
ょ
っ
っ
ど
ん
な
気き
持も
ち
だ
。
お
母か
あ
さ
ん
が
言い
り ☆
ま 登とじう
し 場う
人んじ
う 物ぶつ
の
会かい
話わ
や
ょ
お
母か
あ
さ
ん
は
と
こ
ろ
、
広ひろ
い
空そら
は
、
所
に
か
わ
り
ま
し
た
と
こ
ろ
登場人物の会話や行動等の「言葉」に注目し、心情を読み取る。
一
ど
ん
な
所こと
にろ
か
わ
り
ま
し
た
か
?
・ 知らない語句を調べたり、文の主語や述語等に注意したりして、登場人物
の会話や行動を正確に読み取らせること。
・ 読み取ったことを基に、登場人物の心情を想像させること。
・ 感情語や比喩や隠喩から登場人物の心情を想像すること。
学習のねらい
二
、
(3)読解では登場人物の心情を読み取ることが苦手である。
単元名:「ちいちゃんのかげおくり」
三
、
(2)作文では、経験したことを書くことができる。
、
(1)音読は、比較的スムーズに取り組むことができる。
一
④
⑤
障害特性に応じた指導の工夫
1 知らない言葉を調べる。
思い浮かぶイメージ
2
誰が何を言ったか抜き出す。
3 一言で気持ちを書く。
を考える。
○気持ちを表す単語(キーワード)に気付くようになってきました。
学習の流れ
○登場人物の心情の変化に気付くようになってきました。
指導の成果
1 初めて聞いた語句の意味調べをする。
2 会話文を抜き出して書く。
3 ワークシートを活用し、登場人物の
心情を考え、端的に書く。
○どのような場面での会話かヒントを出
すことで、考える支援をします。
-86-
­86­
◆読み取りやすくするために、場面を区切って短い文で指導する
ことが有効であることが分かりました。
◆短く区切った場面ごとにワークシートを用意し、スモールステッ
プで学習を進めることが有効であると分かりました。
◆登場人物の心情を読み取るために、キーワードを抜き出すことは
効果的であることが分かりました。
-87-
­87­
自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(1)
(時計:時刻の読み) 第1学年
指導内容・方法の工夫
実施したアセスメント等と結果
個別指導
全体指導
【アセスメント】
「算数科学習評価シート」
【アセスメントの結果(学級の児童の実態)】
◆段階的な指導と視覚支援
◆ ワークシート
1分、2分、3分・・・
(1)「直接的に比較すること」や「時計への関心」が高い児童が多い。
(2)「測定(目盛りの読み)
」の経験が少ない児童が多い。
(3)「実生活との関わりを想像すること」が不得意である児童が多い。
1分読み!
指導目標の設定
「直接的に比較すること」や「時計への関心」の高さを生か
落ち着ける環境を用意して・・・
し、「測定(目盛りの読み)」、「時刻の実生活との関わりの理
解」ができるように、時刻を読むことを目標としました。
5とばし読み!
単元名:「なんじ・なんぷん」
5分、10分、15分!
障害特性に応じた指導の工夫
★学習にメリハリをつける
・全体指導→個別指導→全体指導
指導の成果
(1)全体指導(20分)
○クイズ:「なんじ?・なんじはん?」
・スライドを使って、個別課題のやり方の説明
・
「何分」の読み方の発表
学級の児童のほぼ全員が、
「5とばし読み」ができるようになりました。
◆児童の中には、「自分が朝起きる時間は何時何分か?」といったように、自分
の生活と関連付けて時計や時間(目盛り)への興味が育ってきた子供もいます。
(2)個別指導(15分)
○ワークシート(時刻の読み)
(3)全体指導(10分)
○復習クイズ「なんじ?・なんじはん?」
○学習の振り返り
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カード等を使って、教員が本
時の授業の流れを説明
★アセスメントの結果に基づいて、
(1)「時計」を題材にしたことで、
(2)興味をもって「目盛を読む」学習を継続でき、
(3)実生活との関わりも少しずつ理解でき始めたようです。
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自閉症・情緒障害学級における「算数科」の指導(2)
(分数の計算のしかたを考えよう) 第3学年
実施したアセスメント等と結果
指導内容・方法の工夫
【アセスメント】
「算数科学習評価シート」
【アセスメントの結果(学級の児童の実態)】
(1)計算はできるが計算の意味の理解が難しい。
(2)1/4を4/1と書いてしまうなど、分数の仕組みや表記の仕方
の理解が難しい。
(3)抽象的な数直線や図形に「○分の○」を書き込むことが難しい。
教科書で取り扱っているℓマスは、全体を
「1」として捉えやすく、「○分の○」を
イメージしやすいことが分かりました。
計算が得意という実態を考慮して、まず、計
算の仕方を重点に取り扱って学習を進めまし
た。
「なぜこうなるか」については、
「10 分
の○」を例にして説明してから、個別指導
の時間で一人ひとりに応じて取り組ませま
した。
②
①
指導目標の設定
◆同分母分数の加法と減法ができることを知り、計算
方法が理解できる。
単元名:「分数の計算のしかたを考えよう」
障害特性に応じた指導の工夫
◆目盛りで○分の○が分かりやすいので、ℓマスを活用しました。
◆通常の学級では、単元の流れが、
『小数⇒三角形⇒分数』となるが、学習内
容の関連性と分かりやすさを重視し『小数⇒分数⇒三角形』にしました。
◆発展課題は個別の対応とし、基本的な計算の仕方の習得に重点を置きまし
た。
(1) 全体指導(20分)
※教科書の挿絵などを電子黒板で見ながら考える
・分数の足し算の計算の仕方を以下の順番で考えさせる。
①立式をする。
②具体物<リットルます>の図を操作させて、その
分数が表している意味を理解する。
③分数の足し算の答えを出す。
④①と②の答えを見て、答えの決まりを見つける。
(2) 個別の取組(15分)
・自分の机で「分数の計算」の問題をしましょう。
(3) 全体指導(10分)
大型の画面を使って、教員が
・分数の足し算の決まりを端的に書いて計算の理解
につなげます。
・
【下はそのまま、上だけ足す】という言葉を複数回
唱えるなど、理解を確実にしていきます。
指導の成果
◆分母が同じ分数の加法と減法ができること
を知り、計算方法が理解できました。
◆自閉症の特性から、一度決めたことや考えたことを変更し
ていくことが難しい児童が多いため、基礎的基本的な内容
の指導に重点をおきました。
★理解を確実にするため、時数を通常の学級より増やしました。
★発展的な課題については、個別指導の時間に一人一人の学習状況
に応じて学習課題を用意し対応しました。
本時の授業の流れを説明
・学習の振り返り
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自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(1)
自閉症の特性に応じた支援の工夫
実施したアセスメント等と結果
作戦会議では、次の支援を行った。
○相談手順の明確化 ○ワークシートの活用
【アセスメントの実施】
「交流及び共同学習の学習態勢チェックリスト」
「社会性・行動アセスメント」
【アセスメントの結果】
作戦会議
・学級のほとんどの児童は、集団の中で「話合い・相談」
(受容)
・
「話合
い・相談」
(表出)に課題があることが分かった。
・感情の抑制についても共通の課題としてあげられた。
(50点カードを隠す場所を決める)
①チームリーダーを決める。
リーダーは作戦会議を進める。
②一人ずつ、お勧めの場所を発表する。
自立活動の指導の重点
○自分の考えを伝えたり、相手の意見を受け入れたりできる
ようにする。
ワークシート
①50点のカードを隠す場所
②50点カードを隠すお勧めの
場所(みんなの意見)
※友達が発表したら、うなずく等の
反応をする。
(リアクション)
③みんなのお勧めの場所から相談して
50 点カードを隠す場所を決める。
○ホワイトボードの後ろ
○カレンダーのうら
○ロッカーの右
指導内容及び配慮点
単元名「宝をさがそう!」
1 単元(題材)の目標
①協力・話合いの活動を通して、他者からの働き掛けを受け止め、
自分の気持ちを適切に伝えたりすることができる。
2 宝探しゲーム
ゲームの準備
①カードを隠すチームと探すチームの2チームに分かれて競う。
②チームに分かれて作戦会議をする。
・カードを隠すチームは、50 点のカード1
枚をどこに隠すか相談する。
・カードを探すチームは、探し方を相談する。
ゲーム開始
③カードを探すチームが、カードを探す。
④探したカードの合計点が得点!
⑤攻守入れ替えて、もう一度。
⑥得点の高いチームの勝ち。
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作戦会議の様子
指導の成果
○話合いのリーダーになれる児童が増えました。
○自信をもって、意見を言える児童が増えました。
○友達の意見を取り入れ、チームで意見をまとめる
ことができるようになりました。
○他の教科でも、話合いの場面で自信をもって自分の
意見を言うことのできる児童が増えました。
考察
○話合いの場面では、司会や記録等の役割分
担をし、手順表やシナリオ等の視覚的な支援
が有効であることが分かりました。
○自立活動では、意図的に話合いの活動を加え
ることが重要であることが分かりました。
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自閉症・情緒障害学級の「自立活動」の指導(2)
指導内容及び配慮点(2)
児童の状況について
◆ 勝ち負けへの思いが強く、負けないようにルールを変えてしまった
り、負けてしまうと怒ったりすることがある。また学習では、問題を
一問でも間違えると不安定になってしまう。
◆ 苦手なことが多いという気持ちから、自己肯定感が低下してしまう。
◆ 他人の「できないこと」について厳しいところがある。
活動名「自分や友達の得意・苦手」
学習内容
・視覚や臭覚等の感覚や、予定の変更、見通し、片付け、勝ち負け、初めて
のことへの気持ちについて考える(自己理解・他者理解)
得意なことには○苦手なことには△を付けます。
×は付けません。苦手なことはいけないことではないですから。
活動
聞く
見る
におい
さわる
味わう
勝負
見通し
予定の
変更
片付け
初めて
のこと
苦手か
どうか
△
△
○
○
○
△
○
△
○
△
自立活動の指導の重点
○自分と友達の得意なこと・苦手なことを知り、苦手なところも含め
た自分の良さについて考えることができる。
「大きな音を聞くのは苦手かな」
指導内容及び配慮点(1)
活動名「デコレーションケーキの相談」
学習内容
・上記を基に、友だちに対しての行動を考える
「みんなそれぞれ得意なことや苦手なことがあるんだね」
「○○くんはこの前○○をがんばったね、えらかったね」
最後にみんなが得意な「部首カルタ」をしましょ
う。今日は先生と対戦です(児童が勝ちました)。
・一定の前提の上で、ケーキに載せたいものを考える。
・上記を友だちに伝える。
「みんなが食べられるもの」
「作るのがあまり難しくないもの」
という前提の上で考えます
「私はイチゴをのせたい」
「僕はケーキにチョコペンで飾りを書きたい」
「○○さん生クリームは好きだったっけ?」
・友だちからの同意を得る
「負けるのはいやだなあ」
指導の成果
○相手の意見を打ち消さないで話合いができました。
○友達の良いところを認め合い、仲良くなることができました。
考察
おいしそうだね。楽しそうだね。
配慮点
・話合い活動では、「私は、○○と思う」と自分
の意見を言えるテーマが有効です。
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○話合いに慣れ、相手の意見を尊重する態度を育てるためには、話合いのテー
マに配慮し、出し合った意見を皆が認めあえる内容が有効です。
○一人一人の児童には、それぞれ得意とすることや苦手とすることがあること、
苦手なことがあることは、決していけないことではないことを学級で確認する
ことが大切です。
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自閉症・情緒障害学級における
「交流及び共同学習」の指導(1)
本学級における交流及び共同学習の取組
自閉症の特性に応じた支援の工夫
○児童が困る場面(グループでの話合いなど)では、具体的な指示を出す。
【児童の実態】
○当該学年の学習活動が可能で、当該学年の学習内容に興味をも
って取り組める。
○自閉症の特性を有しているが、特定の人とのコミュニケーショ
ンが十分できる。
意見があれば、
手を挙げよう。
まず、友達の意
見を聞こう。
○授業以外の時間(授業準備の時間、片付け、教室の移動など)、に具体
的な指示を出す。
机の上のものを
しまおう。
○児童の実態や興味・関心に応じ、通常の学級の授業や休み時間に
おける交流及び共同学習の在り方を検討した。
机と椅子を
運ぼう。
○授業時の自閉症・情緒障害学級の教員と、通常の学級の教員の支援や
配慮事項について整理し、同様の働き掛けを行うとともに、お互いの役
割を明確にする。
指導の成果
交流及び共同学習ための支援内容
自閉症・情緒障害学級における指導
○必要に応じて通常の学級で学習する教科の予習や復習を実施
○嫌なことを言われたときの対応の仕方を指導
通常の学級における授業中の支援内容
○教員の指示を聞くための支援(難しい言葉の説明など)
○ノートの取り方の支援(書き出し、改行、使う鉛筆など)
○話合いに参加できるための支援(話合いのグループの指示、
意見の述べ方、自分の感情の抑制等)
通常の学級における授業中以外の支援内容
○授業準備、教室移動の場面での支援
○授業が終わった後の片付けの場面での支援
○休憩中の支援
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○いずれの児童も通常の学級の授業に計画通り
参加でき、学習に取り組むことができました。
○自閉症・情緒障害学級の児童が授業中に発言
する場面もありました。
○周囲の児童も、当たり前のように、自閉症・
情緒障害学級の児童を受け入れています。
考察
○授業時以外の時間(休み時間や教室移動時などの“構造
化”されていない時間)の支援は欠かせないことが分かりま
した。
○円滑な交流及び共同学習の実施には、通常の学級の担任
との打合せ事項を蓄積していくこと重要です。
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自閉症・情緒障害学級における
「交流及び共同学習」の指導(2)
本学級における交流及び共同学習の取組
自閉症・情緒障害学級に在籍する5年生1名の児童について
【児童の実態】
○自閉症スペクトラム障害の児童である。
○担任の指導により、始業式の舞台上の挨拶ができた。冬休みの
宿題で間違えたところがあっても動揺しないで訂正できた。
○ノートの取り方を習得した。
○以上の実態から自閉症・情緒障害学級で身に付けた力を交流及び共
同学習で発揮することを検討した。
○通常の学級での授業参加について当該児童が不安を感じる部分につ
いて自閉症・情緒障害学級担任が支援する。
交流及び共同学習の活動の内容
○単元名「工業生産を支える人々」
○本時の目標
自動車はいくつの部品でできているか考えることを通して、自動車に関心をも
ち、自動車作りを調べる意欲をもつことができる。
○主な学習活動と当該児童の様子
主な学習内容
○自動車にはどのような部品があるのか、知っ
ている部品を書く
※ 板書の工夫
自動車を解体した写真を提示し、部品点数
の多さを視覚化して提示した。
当該児童の様子
サイドミラー、カーナビゲーション
ステアリング等の部品をノートに書くこと
ができた。
通常の学級担任の発問に対して挙手して答
えることができた。
○自動車作りについて調べてみたいことを短
冊に書く。
○グループの中で意見をまとめて、調べたいこ
とを発表する。
※グループに当該児童を参加させるための言
葉掛けがあった。
短冊を渡した友達に対して、会釈をして受
け取ることができた。
「なぜ外国で組み立てるのか」を短冊に書
くとともに、グループ内で発言することが
できた。落ち着いて話合いに参加できた。
指導の成果
交流及び共同学習ための支援内容
自閉症・情緒障害学級における指導
○授業中の発言の仕方についての指導の実施
○グループでの話合い活動における意見のまとめ方の指導
(友達の意見が自分と違っても良いところを認めてグループの話
合いに参加する)
。
○当該学年の進度と連携して教科学習を進める。
○当該児童の興味・関心の高い内容を把握するともに、興味・関心
の幅を広げる。
通常の学級における授業中の支援内容
○ 視覚的に分かりやすい教材の活用
○構造化された分かりやすい板書の工夫
○当該児童の発言等の良いところを賞賛して意欲を高める。
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○授業の開始当初、当該児童が気後れして自席に着
けなくなる場面がありましたが、自閉症・情緒障害
学級担任が教室の後ろに席を移動して、当該児童
が着席しやすい環境を作りました。
○その後は、当該児童の興味・関心の高い学習内容で
あったことから、自信をもって参加することがで
きました。
考察
○自閉症・情緒障害学級担任と通常の学級担任とが連携すること
で、児童が円滑に交流及び共同学習に参加することができます。
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東京都特別支援教育推進計画第三次実施計画に基づく
特別支援学級の教育内容・方法の充実事業報告
小・中学校の特別支援教育の推進のために
東京都教育委員会印刷登録
25年度
第201号
発行日
平成26年3月28日
発
行
東京都教育庁指導部義務教育特別支援教育指導課
所在地
〒 163-8001 東 京 都 新 宿 区 西 新 宿 2 丁 目 8 番 地 1 号
電話番号
03(5320)6847
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