台 湾 主要指標 電気事業 の 企業形態 o経済部(省に相当)の管轄下に

【台
国
湾】
名
主要指標
台 湾
企 業 形 態
国営
(台湾電力公司)
3万6,193km2
発電設備容量
4,886万kW
(2014年、事業者計)
口
2,342万人
(2014年)
発 電 電 力 量
2,192億kWh
(2014年、事業者計)
P
5,055億ドル
(2014年)
販 売 電 力 量
2,059.6億kWh
(2014年、台湾電力)
首
都
面
積
人
G
D
台
北
エネルギー資源が
乏しく輸入依存度
が極めて高い。
エネルギー資源
電
原子力開発を推進
していたが、新規開
発を中止。
電気事業
の
企業形態
電力需給
動
向
化
率
100%
(2014年)
o経済部(省に相当)の管轄下にある国営電気事業者「台湾電力公司」が、離島
を含む台湾全土に発送配一貫で電力を供給している。
o1994年に「電業法」
(Electricity Law)が改正され、発電部門への民間資本の参
入が認められる。台湾電力公司は、IPPの公募を数回実施、多数の大企業から応
募があり、2006年までに10社の参入が決定(2013年現在9社参入)。
1.発電設備
o台湾電力公司以外にもIPPや地方自治体あるいは各産業が所有。
o発電事業者の総設備容量(2014年):4,885.9万kW。内訳は台湾電力公司4,079
万kW(66%)
、IPP845.7万kW(17.3%)、地方自治体とコジェネ事業者818.3万kW
(16.75%)
。
o台湾電力公司の電源構成(2014年)
:火力63%(天然ガス26%、石炭19%、石油
8%)、原子力13%、水力6%、再生可能エネルギー(風力)5%で、火力の比率が
高い。
o再生可能エネルギー:台湾電力公司以外に民間事業者も進出。2014年の再生可
能エネルギー発電の設備容量は378万kW(台湾電力公司と民間)で、そのうち
民間は168万kW。
2.供給電力量、発電電力量
o台湾電力公司の供給電力量(2014年):2,192億kWh。うち自社発電電力量(発
電端)1,690億kWh(全体の77%)、IPP、地方自治体とコジェネ事業者からの購
入電力量502億kWh(23%)。1998年のIPP参入後、IPP、コジェネ事業者からの
購入量が優遇措置などにより増加傾向にある。
o台湾電力公司の発電電力量(2014年、発電端):1,690億kWh。電源別では、火
力55%、原子力19%、水力1%、再エネ2%。石炭が最も多いが、近年、天然ガス
を燃料とするコンバインド・サイクルも増えている。原子力は、石炭と天然ガス
に次ぐ重要電源されている。
o風力発電電力量(台湾電力公司とIPPの計、2014年)
:14.9億kWh。内訳は、台
湾電力公司7.1億kWh、IPP7.8億kWh。
o太陽光発電電力量(台湾電力公司とIPPの計、2014年):5.1億kWh。内訳は、
台湾電力公司0.2億kWh、IPP4.9億kWh。
【台
湾】
電源開発
動
向
電気事業
再編動向
環境問題
へ
の
取組み等
3.販売電力量
o台湾電力公司の販売電力量(2014年)
:2,059.6億kWh。内訳は、電灯用613.8億
kWh(29.8%)、電力用1,445.8億kWh(70.2%)。
o2000~2014年の需要の伸びは、工業用は堅調に増加している。
o全需要家数は13,389千軒(2014年末)、電化率は100%。
o台湾電力公司が2013年に策定した「長期電源開発計画」では、既設発電所の増
強や改修によって供給力を増強するとともに、IPPからの買電を積極的に推進。
oIPP導入推進の背景:環境問題で、発電所建設を懸念する地域住民の反対運動が
激化していること、地権者の権利意識の高まりにより用地取得が困難になってい
ることなど、台湾電力公司の電源開発がスムーズに進展していない。
o第4原子力発電所(135万kW×2基):2004年の1号機運転開始を目指して1999
年に着工され、陳政権下で建設が中断されたが、裁判所が建設再開の判決を下し
た。2014年には住民投票を実施するまで凍結を決定。
o経済部・能源局の主導で2015年中に総額3,000万元(約1億1,400万円)を投じて
台湾初となる地熱発電所(10万kW)を北部の大屯火山地帯(Datun Volcanic Area)
に建設する計画を発表した
o台湾電力公司の電源開発計画では、2024年までに開発が計画されている電源の
設備容量は、台湾電力公司1,419.2万kW、IPP530.2万kW。IPPの電源は、再生
可能エネルギーの比率が大きい。
o政府の「公営企業の民営化政策」により、改革が打ち出されているが進んでい
ない。
o経済部は1999年、
「台湾電力公司の民営化計画」を策定、2001年1月に行政院が
承認。同計画では、台湾電力公司を部分民営化するとともに、「独立系統運用機
関」(ISO)を設立し、電力市場への競争原理を導入することが盛り込まれてい
る。自由化は盛り込まれていないため、電力部門の競争は、卸売市場や一部の大
口需要家を対象にしたスポット市場における台湾電力公司とIPPとの競争に限
定されている。
o政府は2007年、
「電業法」を改正し、電力自由化を2008年からスタートする方針
を打ち出したが、進展は見られない。電業法」改正案の主な内容は次のとおり。
① 発電部門以外に、送電、配電部門に民間資本の参入が可能。
② IPPなどの民間企業が台湾電力公司の送電線にアクセスし電力の小売供給を
行うことが可能、また、民間企業による送電線建設も可能。
③ 民間の配電会社の設立が可能。
④ 台湾電力公司が通信事業を行うことや通信ネットワークの他の事業者への
貸し出すことが可能(現行の電業法では認められていない)
。
o経済部は電業法改正案を2014年に改正案を国会に提出、2015年以降に台湾電力
公司を発電会社と送配電会社の2社に分割(発送電分離)し、2017年以降にそれ
ぞれを株式会社化するとしている。
(1)気候変動関連対策
o台湾は国連に加盟していないため、国連の「気候変動枠組み条約」(UNFCC)
を批准していないが、自主的に温室効果ガスの削減に取り組んでいる。
o政府は2009年、2016~20年のCO2排出量を2008年の水準に、25年に2000年の
水準に、50年に2000年の50%まで削減する方針を発表。
o政府は2013年5月、環境対策費用を確保するため、2014年以降に二酸化炭素税
(CO2税)を導入すると発表。
o環境汚染に対する一般市民の関心の高まりに対応し、発電部門での環境対策は、
主にガス火力の増設や再生可能エネルギーの開発に向けられている。
o「2015年国家発展計画」(2014年末)では、経済成長率を年平均3.1~3.7%とする
【台
湾】
ため、経済改革とともに、物価対策や高齢化対策などが必要とされ、環境面では、
CO2削減のため、再エネの導入を加速させるとしている。
ス マ ー
トグリッ
ドに関す
る計画
再生可能
エネルギ
ー開発動
向
o台湾電力公司は2007年、今後20年間に亘る「スマートグリッド計画綱要」を公
表、同年から工業団地などにスマートメータの設置を開始。
o2013年末時点で、高圧需要家24,100軒にスマートメータ設置済み。一般需要家
については、2013年に10,000個を設置し、データ分析が行われている。
o2013 年末時点で自動開閉器の導入率が 44%に達し、事故時の平均対応時間が従
来の 1 時間から 5 分に短縮された。
o2009年に制定された、
「再生可能エネルギー発展法」において、固定価格買取制
度の導入を決定。政府機関、学校、公営企業の建築物には再生可能エネルギー
発電施設の設置を義務付けられている。再生可能エネルギー発電設備容量が延
べ1,000万kWまでは補助金が支給される計画となっている。
o経済部・能源局は2010年、020年までのエネルギー供給量に占める再生可能エネ
ルギーの割合を5%に引き上げることを決定(1998年の計画では3%)。2020年に
は再生可能エネルギー発電設備を638.8万kWにまで拡大するとしている(南部
に洋上風力発電設備を計画)。
o経済部・能源局は2010年、固定価格買取制度について買取期間と価格水準を規
定し、同年9月から同制度を実施に移した。台湾電力公司による買取期間は20年
間。買取価格は半年ごとに見直される。買取価格と台湾電力公司の発電コストの
差額は、
「再生能源発展基金」から補填される。
o台湾電力公司は2018年に中西部の彰化県で台湾初となる洋上風力発電所(11万
kW)の工事を着工するとしている。運開予定は2020年。
o政府は2012年2月、太陽エネルギー開発計画を発表、2030年の発電設備容量の
目標値を310万kWとした。
海外電力調査会作成