2015年04月04日

週間マーケット展望( 4月 6日 ~ 4月 10日)
展望
先週は、週明け取引材料に乏しい中、ドル円・クロス円はやや小動きの展開となった。その後は、米雇用統計の発表
や、イースター休暇を控えて様子見ムードも強く、やや限定的な動きとなった。その中で、自民党議員が追加緩和の必
要性を指摘し、「4月 30日が良いタイミング」と発言したことを受けて、円売りが優勢となる場面もあった。そして、
注目された週末の米雇用統計では、雇用者数の伸びが予想外の大幅低下となったことから、ドルが主要通貨に対して軟
調な動きとなった。また、豪ドルは、利下げの可能性などを背景に軟調な展開が続いた。
今週は、先週末に欧米市場が休場となったことや、週明けの英独市場がイースター休暇で休場となることから、休場
明けの動きには注意したい。先週末の米雇用統計の結果を受けて、株式市場が大きく動く場合には、為替市場にも若干
影響する可能性もあるだろう。そして、8日には、日銀の金融政策決定会合の結果発表と黒田総裁の会見が予定されて
おり、こちらの内容に注目したい。金融政策の据え置きがコンセンサスとなっているが、先週の日銀短観が弱い内容だ
ったことから、景気判断に変化が出るのか注目したい。ここでハト派的な面が強まる場合には、月末にも追加緩和との
話も真実味が出る可能性もある。また、同日には米 FOMC議事録が公開される。先週の米雇用統計の結果を受けて、利
上げ時期の見極めが難しくなっており、議事録の内容を見て米国の利上げ時期を再度見極めたいとの思惑もあるだろう。
そのため、こちらの内容にも注目したい。
ドル/円
先週は、週明けで新規材料に乏しい中、序盤は小動きの展開となった。その後は、120.30台まで上昇したものの、
米経済指標の悪化が続いたことから、上値の重い動きとなった。そして、注目された週末の米雇用統計では、雇用者数
の伸びが予想外の大幅低下となったことから、ドルが主要通貨に対して下落し、ドル/円は 118.73まで下げる動きとな
った。
今週は、上値の重い動きが予想される。週明けは、米雇用統計の悪化が意識され、イースター休暇で休場と
なった欧米の株価に影響が出る場合には、やや軟調な動きとなる可能性も考えられる。マーケットでは、米国の利上げ
時期が先送りされるとの見方も出ており、今週の当局者の発言や、FOMC議事録(8日)の内容にも注目したい。ここで、
米経済の先行きに対する不安が示される場合には、雇用統計の悪化が再び意識される可能性もある。ただ、年内の利上
げ期待は依然として高いことなどから、下値は限定的だろう。また、8日の日銀金融政策決定会合の結果発表や、黒田
総裁の会見での発言内容も注目したい。
118.24 ~
120.37
ユーロ/円
先週は、週明けやや堅調な動きとなったものの、ギリシャ支援に関する協議が難航していることから、ユーロが主要
通貨に対して一段の下落となった。ユーロ/円は 128.41まで下落し、約 2週間ぶりの安値を付ける動きとなった。ただ、
協議が決着していないものの、来週も協議が継続されることが明らかにされたことから、合意への期待感などにより、
値を戻す動きとなった。週末には、米雇用統計が悪化したことを受けて、ユーロが対ドルで大きく上昇し、ユーロ/円
も一時 130.97まで上昇する動きとなった。
今週は、底固い展開が予想される。週明けは、独英市場がイースター
休暇で休場となるが、米雇用統計の影響が続き、ユーロ/円は底固い展開が考えられる。また、ギリシャ支援の関する
協議が進展する期待感もあり、協議の行方に注目したい。ただ、米国などとの金融政策の違いが根底にあることから、
上値はやや限定的と考えられるが、短期的には 131.51を上抜ける場合には、一段の上昇(133.02)となる可能性も考
えられる。
126.90 ~
132.56
1
ポンド/円
先週は、やや取引材料に乏しい中、週序盤はやや軟調な動きとなった。一時 176円台まで下げたものの、英 GDPが上
方修正されたことを受けて、ポンド/円は 178円台まで上昇する動きとなった。しかし、労働生産性が低下し、2008年
の金融危機前の水準を大幅に下回る状況が続いていることなどから上値の重い動きとなり、終盤までもみ合いの展開が
続いた。
今週は、底固い展開が予想される。今週は、9日に英国の金融政策発表や貿易収支の発表が予定されてお
り、結果には注目したい。特に、最近の英国の経済指標はまちまちの結果が続いており、金融政策の判断が難しくなっ
ている。そのため、前回から大きく変化はないだろう。ただ、貿易収支は赤字拡大が予想されていることから、結果に
は注意したい。そして、英総選挙を来月に控えて、総選挙の行方を左右する主要7政党党首によるテレビ討論が行われ
るなど、選挙戦が始まっている。世論調査では支持率は拮抗しており、接戦が予想されている。今回は、EU離脱の是
非を問う国民投票の可能性が懸念されており、今後のポンド相場にも影響する可能性があり、選挙動向にも注目したい。
176.49 ~
179.23
豪ドル/円
先週は、週明けから軟調な展開が続いた。豪州の経済指標がまちまちの結果が続いたことに加えて、中国の経済指標
が悪化したことを受けて、豪ドルは序盤から軟調な動きとなった。また、中国の景気減速観測で鉄鉱石価格一段と下落
したことで、豪州の資源輸出に影響するとの懸念が高まったことや、豪州の貿易赤字が 11ヵ月連続の赤字となったこ
とも豪ドルの圧迫要因となり、豪ドル/円は 90.20まで下落し、2月 3日以来の安値を付ける動きとなった。週末には、
米雇用統計の悪化を受けて、米国の利上げ期待が後退したことから、豪ドル/円は一時 91.60まで値を戻す場面もあっ
た。
今週は、軟調な展開が予想される。最大の貿易相手国である中国の景気減速観測が続いており、引き続き豪州
の資源輸出に対する懸念が残っている。そして、7日に発表される豪州の政策金利発表に注目したい。市場予想では据
え置きが予想されているものの、金利先物市場では、6月末までの 0.25%の利下げ確率が 100%、4月の利下げ確率が
60%の水準で推移しており、今回利下げが決定されるとの見方も出ている。利下げが決定される場合には、一段の下落
となる可能性があるが、据え置きとなる場合には、一時的に上昇する可能性もあるだろう。ただ、利下げ期待が消える
わけではないため、上値は限定的だろう。
89.37 ~
92.37
南アフリカ・ランド/円
先週は、週明けからやや軟調な動きとなったものの、南アの財政収支が予想を上回り、黒字に転換したことや、貿易
赤字が予想を上回ったものの、過去最大の赤字となった前月から大きく改善したことから、底固い動きとなった。また、
米主要な経済指標の結果が軒並み悪化したことから、ランド/円は比較的堅調な動きとなった。そして、週末の米雇用
統計では、就業者数の伸びが予想外の大幅悪化となったことから、米国の利上げ期待が後退し、ランドは対ドルで上昇
し、ランド/円も一時 10.11まで上昇する動きとなった。
今週は、上値の重い動きが予想される。週序盤は、イー
スター明けで前週の米雇用統計が意識された動きとなる可能性もあり、前半のランド/円は底固い展開となる可能性も
考えられる。ただ、先週発表された南アの経済指標は、製造業関連や電力発電・消費が悪化するなど、南ア経済の問題
点の改善が見られない。また、中東情勢の地政学的リスクが高まる場合も加わると、ランド相場に影響する可能性も考
えられる。ただ、南アの政策金利は、6月まで 0.50%の利上げ確率が 96%となる水準で推移しており、次回の政策金
利発表(5月 21日)での利上げ期待もあることから、下値は限定的だろう。
9.94 ~
10.20
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