小さい頃は、スチュワーデスに憧れた。その夢は、いつしかホテルの

小さい頃は、スチュワーデスに憧れた。その夢は、いつしかホテルのコンシエルジュへと変化。それ
を叶えるためホテルの専門学校へと進学した。その学校が岩本さんの運命を変えた。授業コマの1つ
にあったバーテンダー講座。その講師と意気投合し、先生の友人がオープンしたイタリアンレストランで
バイトすることになった。
「ほんの手伝い、という感覚で始めたバイトが楽しくて楽しくて。前菜場の子が盛りつけた料理の『葉
っぱ1枚の角度が悪い』と、シェフが皿ごと捨ててしまう光景を見て、プロの世界は凄いと感じた。そん
な世界をもっと深く知りたいと、うずうずしてしまったのがキッカケです」
より深く飲食業界にのめり込むキッカケとなったのは、現在の「アクアプランネット」の福政惠子社長
との出会い
だ。女性同士なので「ひと目惚れ」との表現が正しいのかはさておき、「自分の良さを引き出して貰え、
なおかつ自分も恩返しできる」と出会った瞬間に直感した人物だという。
銀座店がオープンして4年間。この店で初めて店長を経験し、この店とともに成長してきた。マネージ
ャーと店長の差は「腹筋と背筋ほど違うが、どちらが強すぎてもうまくいかない」と岩本さん。その心は、
「バランス感覚」。「現場が大好き」だという岩本さんは、「お客様の立場になって絶対にブレないこと」を
心掛けてきた。
銀座・コリドー街にある「ベルジアンビア・カフェ・アントワープ・シックス」の店長で、銀座、丸の内、赤
坂の3店を統括する東日本統括マネージャーも兼務する。来月開店する八重洲店も統括する。
「お客様も従業員も同じ。自分が本気でないと人は絶対についてきてくれない。迷ったら現場に立
つ。答えはパソコンの中ではなく現場にありますから」
笑顔が眩しい。コリドー街の天使が今日も微笑む。