強い競走馬作りのために、 世界の研究者やメーカーから 最先端情報公開!

強い競走馬作りのために、
世界の研究者やメーカーから
最先端情報公開!
2012年6月1日
Contents
1. パフォーマンスホースの栄養学 No.1 ― p.2
実際に競走馬やトレーニング中の馬に飼い葉を与える際に、運動時間との兼ね合いや….
2. 電解質の胃からの排出と腸での吸収および馬パフォーマンスに対する電解質
補充の効果 ― p.4
2011 年の AAEP(アメリカの馬獣医学会)において、飼い葉と水や牧草以外に与える….
3. パフォーマンスホースの栄養学 No.2 ― p.6
「パフォーマンスホースの栄養学 1」では、いつ、何を食べさせるかについて….
4. 離乳の準備は始めていますか? ― p.11
これまでも繰り返し離乳に関して述べてきていますが、2 ヶ月齢を過ぎた仔馬には….
※ケンタッキー・エクワイン・リサーチ社から正式な許可を得て、彼らから配信される
ニュースレターから抜粋したレポートを中心に編集しています。
PRESERVE
【プリザーブ】
ケンタッキ ー・エ クワイン・リサ ー チ 社( K E R )設 計・製 造
筋 損 傷 の 緩 和 、最 適 な免 疫 機 能 の 維 持 の 補 助として
ビタミン E 、セレニ ウム 、ビタミン C
マグ ネシウムを 科 学 的 に 配 合
用途
● 抗酸化促進剤として
ビタミンE、
セレニウムの補充サプリメントとして
● ● 競走馬のこずみと筋肉痛の防止
● 健全な免疫システムの維持
● 負傷や病気からの回復期にある馬に
使用法
以下の量を湿った餌に入れてよく混ぜ、毎日与えてください。
成 分
維持目的の場合1日1回(30g)
マグネシウム
こずみからの回復期や激しい運動後は1日2回(60g)
セレニウム
● ● これらの推奨量は、体重500kgの成熟した馬を対象としています。
ビタミンC
各自の馬の体重に基づき投与量を調節してください。
ビタミンE+
30g中
3g
2mg
750mg
1,500IU
競走馬理化学研究所 医薬品等薬物検査済み
2012年6月1日
〈1〉パフォーマンスホースの栄養学 No.1
実際に競走馬やトレーニング中の馬に飼い葉を与える際に、運動時間との兼ね合いやどんな栄養バラン
スと量を与えるか、迷うことがあると思います。
栄養の面から考えると育成期から競走馬に対して、パフォーマンス向上に効果的な餌のやり方はあるの
でしょうか?
いつ、飼い葉を与えるか?
競
走の際には、エネルギーがたっぷりと使える状
トパルプとオイルが多く配合されているのです。
態にしたい。
一般的には、牧草などの粗飼料の他には、エン麦、
そのためには血糖値が高い状態が望ましい。
ミネラルやビタミン補給を主眼とした配合飼料である
運動の 2 時間前にエン麦主体の飼い葉を与えるとど
サプリメントあるいはバランサーやコンプリート
うか?
フィード、ビートパルプ、オイルなどでしょう。
この場合、血糖値の急上昇は膵臓からのインシュリ
コンプリートフィードが海外から輸入され、あるい
ンの分泌を促し、上がった血糖を筋肉や肝臓へ蓄積さ
は日本でも作られています。いろんな選択肢が広がる
せて血糖値を下げるように働くのです。
のは好ましいことですが、基本的な考え方として、最
この状態は、飼い葉を食べてすぐから始まり、4 時
近の栄養学は、エン麦やトウモロコシなど炭水化物の
間から 6 時間持続するようです。
多給よりも、高繊維高脂肪食がよろしい、とする傾向
すなわち、飼い葉から 2 時間後は、すでに血糖値は
にあります。これは、先に書いたように、インスリン
下がってしまう時間帯なのです。
レベルを抑えて、運動中の血糖値の低下を抑制させた
このことから、馬へエネルギーを供給するに当たっ
いからなのです。
て重要なのは、いかに血糖値を上げるかではなく、既
成長期の馬にも、炭水化物が多給されると骨端炎な
に馬体にグリコーゲンとして蓄積されたエネルギー源
ど軟骨の骨化障害を起こすことが知られており、この
をいかに利用できるかであるといいます。
観点からも、同じカロリー量であれば、高繊維、高脂
インスリンレベルが低い状態で運動させるために
肪の餌の方が良いとされています。もちろん、カロリー
は、8 時間以上前に飼い葉を与えなくてはなりません。
過剰も同じ結果になるので、脂肪の与えすぎはいけま
このような状態であれば、筋肉や肝臓に蓄積された
せん。
グリコーゲンがエネルギーとして放出されやすいので
脂肪の利点は以下のように挙げられています。
す。
  1.インスリンレベルが上がらない
  2.飼い葉の量が減らせるので、運動時に体重を減ら
何を食べさせるか?
  3.脂肪代謝上、体温が、炭水化物の代謝時より低く
これに対し、乾草やオイルは血糖値を上げず、イン
抑えられるので、運動時の体温上昇による運動の
スリンも上げないため、同様にグリコーゲンをエネル
限界の観点からも有利
ギーとして利用しやすくなる。
このため、多くの競走馬用のスイートフィードには
スーパーファイバーと呼ばれる良質な繊維であるビー
2
せる
  4.血糖値の上昇は馬をうるさくするがそれが抑えら
れ、おとなしい馬をつくる
  5.グルコース節約効果
胃・腸内容を減少させることは、体重の減少(痩せ
るのではなく腸内容量の減少で、筋肉量は変わらず)
という利点がありそうです。
実際、競走馬ではレース直前はもちろん、一定期間
「運動前の飼料給与タイミングが
運動中の血中グルコース濃度に
及ぼす影響」
の牧草摂取を制限していると思います。
運動前の飼料(穀類)給与のタイミングが高強度の
この点について、世界中で馬の栄養コンサルティン
運動負荷時の血中グルコース濃度に及ぼす影響を検討
グをしている Dr. Duren は、口から入った餌がボロ
したものです。
となって排出されるまでには 24 ~ 48 時間かかるので、
KER の Pagan 博士らの実験では、運動の 3 時間前
12 時間ほどの絶食ではあまり効果なさそうだが、競
に穀類を与えるとちょうど 3 時間後がインスリン濃度
走の 12 時間前からは乾草の給与を制限し、8 時間以
のピークとなり、かえって安静時よりも血中グルコー
内は穀類の給与を中止し、水だけは自由摂取させると
ス濃度が低下し、インスリンは筋肉のグルコース利用
良いと述べています。
を阻害するため疲労が早くなるとしています。
『グルコース節約効果』を説明すると、トレーニン
今回の実験では、追い切りに近い運動をしている実
グ中にオイルを給与していると、馬の代謝経路も “ト
際の競走馬を用いています。
レーニング” され、脂肪を燃焼させて有酸素運動をす
この結果、確かにインスリン濃度は高くなるけれど
るようになり、スタミナがつくのです。また、このこ
も、グルコース濃度は安静時よりも低くはなく、やや
とにより、筋肉内に蓄積したグルコースを短距離の無
高い値を示しました。
酸素運動用に “節約できる” ので、スタミナがつく、
これは、強い運動により、アドレナリンなどのカテ
というわけです。
コールアミンが分泌され、これがインスリンと拮抗
(対
2008 年の JRA のシンポジウムで、給餌時間と運動
抗)するように働いたためであろう、と推論していま
中のインスリンレベルに関する研究結果が以下のよう
す。
にされました。
こ の 実 験 で は、1 回 の エ ン 麦 量 は 1.4kg で あ り、
Pagan 博士らの糖蜜入り 2.3kg より少なかったことも
影響しているとも推測しています。
3
〈2〉電解質の胃からの排出と腸での
吸収および馬パフォーマンスに対する
電解質補充の効果
2011 年の AAEP(アメリカの馬獣医学会)において、飼い葉と水や牧草以外に与える電解質のサプリ
メントが、大量の発汗により電解質を失う競走馬のパフォーマンスにとって有効かどうかを検討したもの
です。驚いたことに、多くの製品があり広く普及している電解質サプリメントの有効性を科学的に検証し
た論文は初めてなのです。
馬の電解質利用と胃での排出
放射性同位体により標識された電解質は胃チューブ
以
下は、この論文を紹介した雑誌 The Horse の
Lindinger はサプリメントを与えられた安静時の馬の
記事です。
胃からどのくらいの速さでこのサプリメントが消失す
に よ り 投 与 さ れ た。 こ の 研 究 の 最 初 の 段 階 で は、
るか(胃から無くなる割合)を腹部からの放射性同位
4
馬の競技用の運動中または輸送中に長時間汗をかく
体の消失として核シンチグラフィを用いて測定した。
ことは水分と電解質の補充を必要とし、馬の飼養者は
電解質からの放射能は次第に消失し、2 時間が経過す
このことから常に電解質製品に気を付けている。馬の
るまでには ES の 82%が胃から排出された。
研究チームが電解質サプリメント(ES)の流動体の
第 2 段階では、安静時の馬における腸管内の電解質
補 充 と 運 動 成 績 へ の 効 果 を 実 験 し、Guelph 大 学
の吸収の測定も含まれ、3L の ES を飲ませた馬が適
の Michael Lindinger, PhD, 准 教 授 は 2011 年 11 月
切に運動できるのかを見るため、その馬達に運動もさ
18-22 日に開かれた American Association of Equine
せた。彼らは安静時の馬でサプリメント内のナトリウ
Practitioners でこの結果を発表した。
ムとカリウムがどのくらいの速さで血漿中に現れるか
脱水は体温調整(馬は運動中体を冷ますことができ
を測定した。Lindinger は、ES 投与した馬の血中に
る)への影響と同様に、有意に心血管系、運動成績、
カリウムとナトリウムは即座に出現し、経口投与で
および回復に影響を与える。脱水は精神的鋭敏さにも
10 分以内に血中にその電解質は現れ、ナトリウムレ
影響を与える。このように、発汗による効果的な水分
ベルは運動中と運動後も維持されていたと報告した。
補充は、健康とパフォーマンスのピークを持続させる
運動の 60 分前に ES30L を投与した時、馬は対照群
ために最も重要なことである。Lindinger は馬の汗は
(水 1L または ES1L)(すぐに疲れる)と比べ 17 分間
かなりの量のナトリウム、カリウム、塩素、カルシウ
長く運動(適度な速歩)が可能だった。もしもっと多
ム、
そしてマグネシウムといったようなイオンを含み、
くの液体量を ES 処置馬に与えてもより良い体温調節
これらの汗による喪失は運動中維持されている。
が可能だと思われる。これらの馬は対照群よりも汗を
彼と同僚は汗からのイオンと水分の喪失を補充する
かいている。これを支持するために、Lindinger は
ために電解質を特別に配分したある経口電解質サプリ
ES と共に運動 1 時間前に与えた放射性ナトリウムが
メントを検証した(
「たいていのサプリメントは電解
運動開始 10 分で汗中に出てき、ナトリウムレベルは
質はでたらめな配分であるようだ。このサプリメント
運動中維持されたことを示した。
を開発したところ、初の適切な配分を持つものとなっ
彼は ES 内のデキストロースは小腸での水とナトリ
た」Lindinger 記)
。
ウムの吸収を高めることを説明した。デキストロース
はグルコース反応(血流中のグルコース糖)を誘引し
している。
ており、これは食餌中に起こっていることと同様なし
「これは馬における最初の ES 効果の試験である。
」
かし短い期間のものである。たいていの売られている
と Lindinger は述べている。
入手可能な ES はデキストロースを含んでおらず、こ
「これは馬での ES の胃からの排出そして電解質の
れは効果を損ない、吸収を遅くしているだろう。
吸収を測定した最初の実験である。電解質を補うこと
要約すると、Lindinger は「運動前に与えられた効
で、水と電解質が胃腸管から吸収され、体の隅々へと
果的な電解質サプリメントは、イオンと水分の喪失を
移動して補われ、パフォーマンスが改善される(運動
補い、長時間の運動を補助することができる。」と記
時間が長くなる)。」
Regain
【リゲイン】
エレクトロライトサプリメント
水分吸収と疲労回復を助ける
リゲインの特長
配合成分比率
発汗後の水分補給では、汗で失う電解質(ナトリウム・マグネシウム・
カリウムなど)を一緒に摂取する必要があります。リゲインは馬の汗と
ほぼ同じ比率で電解質を含んでいて、発汗で失った成分を速やかに補給
できます。
□ 発汗で失った水分補給をサポートします。
□ 発汗で失った電解質を速やかに補給します。
リゲイン活性成分
カリウム
ナトリウム
□ アルカリ剤不使用。競馬施行規則に違反しません。
□ 水分と電解質の不足からくるトラブルを改善します。
馬の汗の成分
15%
18%
53%
25%
54%
29%
マグネシウム
カルシウム
塩化物
・脱水症状やアルカローシスの予防・改善します。
・運動能力の低下を防ぎます。
2%
2%
1%
1%
・熱中症・無汗症・スクミなどを予防・改善します。
期待される効果
疲労回復
発汗時の栄養補給
サプリメント成分 (1kg 中 )
ナトリウム
21.5g
塩化物
468.5g
マグネシウム
17.25g
カリウム
152g
カルシウム
6g
その他に含まれる成分:
ブドウ糖、フレーバー
5
〈3〉パフォーマンスホースの栄養学 No.2
「パフォーマンスホースの栄養学 1」では、いつ、何を食べさせるかについて、競走馬の生理から述べ
ました。今回は、エネルギー源として何が望ましいか、馬の生理から、詳しく述べています。以下の文章は、
KER の公開している文章の翻訳です。
パ
フォーマンスホースの栄養要求量は非常に多
い。繁殖牝馬は、妊娠中に大きく健康な胎児を
炭水化物は 3 つに分類される。
(1)植物内の中間代謝産物として働く単糖
育てるため、そして泌乳期に毎日大量の栄養価の高い
(2)ショ糖、デンプン、果糖といった貯蔵化合物
母乳を出すために、大量の高品質のタンパクやミネラ
(3)ペクチン、セルロース、ヘミセルロースといった
ルが必要である。同様に、若い馬は最初の一年で多く
構造性炭水化物
の筋肉や骨を付けるために、多量のタンパクやミネラ
馬にとって、どこで、どのような速さで炭水化物を
ルが必要となる。
消化吸収するかを分類することは大切なことである。
一方、パフォーマンスホースは運動をしなければな
炭水化物は小腸でモノサッカライド(まずグルコース
らず、それはたくさんのエネルギーを必要とする。確
や果糖)として消化吸収されるか、または大腸で揮発
かに馬は他の栄養素も必要とするが、パフォーマンス
性脂肪酸や乳酸産生のために発酵される。発酵割合や
ホースのための餌の議論は、ほとんどの場合エネル
最終産物の種類は大変さまざまで、馬の健康に重要な
ギーをいかに供給するかに終始する。
影響を与える。
今日の多くのパフォーマンスホースの栄養要求量は
馬の飼料中の炭水化物を分類するための生理的関連
牧草だけでは足りない。この記事は、パフォーマンス
システムは以下のものがある。
ホースのための最適なエネルギー源の報告と、飼料に
関する問題を最小限にする方法を推奨する。
(1)加水分解グループ(CHO-H)は代謝により糖(主
にグルコース)を産生する直接分析によって計測
される。これらはすぐに小腸で消化され、食後の
餌のエネルギー効果
餌からのエネルギーは多くの場合、可消化エネル
血中グルコースの変動を生み出す単糖、ショ糖、
そしてデンプン等がある。
(2)即時型発酵グループ(CHO-FR)は初期に乳酸や
ギーのメガカロリー(Mcal)やメガジュール(MJ)
プロピオン酸を産生する。このグループはガラク
を用いて表される。可消化エネルギー(DE)は馬に
タン(ガラクトース前駆物質)、フラクタン、粘
より吸収された食糧内の全エネルギーのことを言い、
性樹脂、植物性粘質物、ペクチン(植物中の酸性
馬の DE 要求は、維持 DE 要求量と運動によるエネル
ゲル状物質の 1 種)と同様に小腸で消化されない
ギー消費を合計して計算される。基本的に、DE は 3
構造を持つ。
つの異なった飼料エネルギー源から産生される。炭水
化物、脂肪、タンパク質である。
(3)遅延型発酵グループ(CHO-FS)は主に酢酸や酢
酸塩を産生する。このグループには、セルロース、
ヘミセルロース、リグノセルロースといった中性
飼料中の炭水化物
6
デタージェントを持つ化合物が含まれる。
馬の飼料中の炭水化物は、植物内の機能や馬による
加水分解炭水化物:加水分解炭水化物(CHOH)は
消化吸収によって分類できる。植物全体からすると、
馬 の 飼 料 に お い て 重 要 な 構 成 要 素 で あ り、 特にパ
フォーマンスホースにとって血中グルコースは、筋肉
筋肉内グリコーゲンは運動中のエネルギー産生のた
内グリコーゲン合成の主な基質として機能する。しか
めに重要な燃料である。加えて、グリコーゲンは肝臓
しながら、過剰なグルコースは馬の※再発性横紋筋融
に貯蔵される。肝臓は運動中にグルコースを産生し血
解症(RER)や多糖類貯蔵性筋障害(PSSM)といっ
中に放出できる。グルコースは中枢神経が利用できる
た馬の病気を起こしたり、悪化させたりするだろう。
唯一の燃料なので、運動中の血中グルコースレベルの
それは特定個体の行動に悪影響を与えるだろう。
維持は最も重要なことである。ハイポグリセミア(低
血糖)は運動している馬において疲労の潜在的原因で
訳注:Tying Up Syndrome:すくみ
食餌へ反応して産生された血中グルコース量は、飼
ある。
料の CHO-H 含有量の有用な測定法である。表 1 は
デンプン消化は血中グルコースやインスリン(グリ
Kentucky Equine Research(KER)で測定した馬の
コーゲン合成で最重要な二つ)を直接上昇させるため、
飼料中のグリセミックインデックスを記している。グ
デンプンはグリコーゲン合成のための飼料エネルギー
リセミックインデックスは食餌から吸収された炭水化
源である。
物の割合の特性を示している。
即時型発酵炭水化物:パフォーマンスホースのための
2 つの興味深い代替エネルギー源はビートパルプと大
豆カスである。どちらも即時型発酵炭水化物(CHO-
表 1 馬の飼料グリセミックインデックス(GI)
飼料
GI
FR)(主にペクチン)が高い割合で含まれており、馬
スウィートフード
129
にとっては重要な糖新生基質である。
全粒オート麦
100
しかし、エン麦など穀物からの未消化デンプンの即
ビートパルプ+糖液
94
粗挽きコーン
90
ビートパルプ(水無し)
72
オーチャードグラス飼料
49
米ぬか
47
ンの一部は小腸での消化をまぬがれ、盲腸、結腸、大
ライグラス飼料
47
腸での急速に発酵する。揮発性脂肪酸(VFA)と乳
アルファルファ飼料
46
酸産生が増加すると、pH の顕著な低下が起こる。乳
IR ペレット+オーチャードグラス飼料
34
酸は VFA よりも酸性が強く、腸粘膜の炎症または障
ふやかしたビートパルプ
34
害の原因となるだろう。重症の場合、乳酸が後腸内の
時型発酵は乳酸を産生し、蹄葉炎につながるだろう。
乳酸は、後腸での乳酸アシドーシスの一因ともっとも
なりやすい化合物である。穀類を多給すると、デンプ
全ての酸の 50 ~ 90%を占める。さらに、乳酸蓄積は、
パフォーマンス飼料内の主な CHO-H 断片はデンプ
蹄葉炎の進行と関係する毒素や高分子の大腸粘膜の透
ンであり、炭水化物は大量のグルコース分子を含んで
過性を高める。
いる。それは主に穀類で構成されており、穀物乾物量
pH の低下は、後腸内に存在する多くの繊維発酵微
の 45 ~ 70%でできている。馬に与えている主な穀類
生 物 に は 好 ま し く な い 環 境 を 作 り 出 す。 特 に、
のコーンは、最もデンプンを多く含んでいる。
Ruminococcus albus や Fibrobacter succinogenes と
パフォーマンスホースにとってデンプンは多目的な
いったバクテリアは pH の急激な低下に敏感である。
エネルギー源である。馬は小腸でデンプンをグルコー
最適な活動のために、これらのバクテリアは pH6.5 ~
ス単位にまで分解し、血中に吸収する。血中で、グル
7.0 の間の環境を好む。pH が 6.0 より落ちると、繊維
コースは多くの異なった目的に使われる。
消化バクテリアの効率が悪くなるか、死滅し始める。
(1)グルコースは直接的に ATP を産生するために酸
化される。
繊維消化バクテリアとは対照に、乳酸を産生し、乳酸
を 利 用 す る バ ク テ リ ア は 低 pH の 環 境 で 増 え る。
(2)血中グルコースは筋肉内グリコーゲン、肝臓グリ
Streptococcus bovis といった微生物は、実際酸性下に
コーゲンまたは体脂肪を作るのに使われる。
置かれたとき、代謝を変動させ、VFA よりも乳酸を
7
産生し、問題のみを起こす。微生物数と酸の組成によ
および D- 乳酸は EquiShure 群と比較して、対照群で
る後腸の pH の変化は後腸アシドーシス(HGA)の
食 後 有 意 に 高 く な っ た(P < 0.05)。 糞 便 VFAs は
原因だろう。
EquiShure 群で有意に高くなった(P < 0.05)。
HGA の馬は食欲不振、疝痛、またはさく癖や熊癖
これは繊維発酵性微生物にとって好ましい環境に
といった悪癖が進行するだろう。さらに、pH5.8 以下
なったということを示唆している。EquiShure はト
の状態が長くなると、大腸や盲腸の粘膜へ悪影響が出
レーニング中のサラブレッドの穀類の過給による
てきてしまい、吸収能に影響するだろう。
HGA を弱める効果がある。
ルーメンアシドーシスは、穀類を過食した牛の一般
遅延型発酵炭水化物:植物の細胞壁からの遅延型発酵
的な疾病である。第一胃が低 pH 状態だと食糧の吸収
炭水化物(CHO-FS)は馬の健康な微生物環境を維持
や母乳の量が減少するため、pH の低下を緩衝するた
するのに不可欠なものである。適切な消化管機能は馬
めに牛のエサに重炭酸ナトリウムがしばしば加えられ
の健康に不可欠な物であり、繊維に富んだエサはパ
る。重炭酸ナトリウムは HGA の馬の盲腸瘻から直接
フォーマンスホースの餌設計の基本として考えられな
盲腸に注入しても効果的であることが示されている。
ければならない。パフォーマンスホースはチモーシー
残念なことに、重炭酸ナトリウムをエサに混ぜて与え
やオーツヘイ(エン麦の茎や葉の乾草)といった雑草
ても、馬の場合はその消化管の解剖上効果がない。理
が混ざっていない干し草を一日に 7 ~ 9kg 与えなけ
想的には、重炭酸ナトリウムは無傷な状態で後腸まで
ればならない。アルファルファも一日 1 ~ 2kg 必要
運ばれるように、保護されなければならない。
だろう。この干し草の摂取レベルはパフォーマンス
最近、Kentucky Equine Research
(KER)
は Balchem
ホースの維持 DE(エネルギー)要求量に合致してお
社と共同で、重炭酸ナトリウムをカプセルに入れた製
り、胃潰瘍や疝痛予防の助けとなる。
品(EquiShure)を開発した。これは、馬の胃や小腸
を通過しても残っている。
KER は大量のデンプンやフラクタン(青草に含ま
8
炭水化物分析
れ る 炭 水 化 物 の 一 種 ) を 食 べ た 馬 の HGA へ の
馬の飼料中の炭水化物はもともと NDF(中性デター
EquiShure の効果を評価するため様々な調査を行っ
ジェント繊維)といった細胞壁構成要素の測定や維持
た。一つは、
トレーニング中の 6 頭のサラブレッドに、
炭水化物を非繊維性炭水化物(NFC = 100 -水分-
一日に栄養価を高めていないスウィートフード、チモ
タンパク-脂肪-灰分- NDF)との差により計算す
シー牧草の飼葉そして粗塩 50g を基本食として与え
ることで推定されている。最近では、研究者は馬の飼
た。穀類摂取量は一日に 4 ~ 6kg の範囲内であった。
料中の付加炭水化物の直接的分析を行っている。
馬は 2 つの群に分けられ、おのおの 2 種類の実験を
Table 2 には Equianalytical Laboratories により分
行った。一方には EquiShure を一日 168g 与え、もう
析された様々な一般的な馬の食餌の化学構成を示して
一方は基本食(対照群)を与えた。馬は次の期間で処
いる。NDF や計算上の NFC 価に加え、表 2(右上)
置群と対照群を入れ替えた。飼い葉の牧草と穀類は 2
では水溶性糖類(WSS)やデンプン量の測定も示し
回に分けて与ええ、各々に EquiShure の 1/2(84g)
ている。
ずつを加えた。
WSS とデンプンの合計は非構造性炭水化物(NSC)
糞便サンプルは各期間 15 日で 8 時間中 2 時間おき
と考えられる。穀類とビートパルプといった副産物内
に採取され、揮発性脂肪酸(VFAs)
、pH、L- 乳酸お
の WSS は顕著な血糖反応を起こし、CHO-H カテゴ
よび D- 乳酸濃度を分析した。対照群の糞便 pH は食
リーに入る単糖から構成される。一方、多くの温暖な
後 6 時間で有意に減少した(Figure 2)
。
気候の牧草中の WSS は実質的にはフラクタンであり
EquiShure 群の糞便 pH はサンプル摂取期間の 8 時
CHO-FR 断片に入る。それゆえ、これらは血糖反応
間中有意な変動は見られなかった。糞便中の L- 乳酸
にはほとんど影響しないが、後腸アシドーシスや蹄葉
表 2 一般的な馬の飼料中の炭水化物含有量
オート麦
コーン
ビートパルプ
大豆皮
マメ科干し草
イネ科干し草
WSS %
  3.9
  3.5
10.6
  3.6
  9.0
10.7
デンプン %
44.3
70.5
  1.3
  1.7
  2.4
  2.8
NSC %
50.7
73.1
12.1
  5.3
11.4
13.3
NFC %
50.9
76.4
44.4
19.8
30.8
19.5
NDF %
27.9
  9.8
41.9
61.7
38.5
63.8
炎の進行には寄与するだろう。デンプンは穀類内では
ダ油として幅広く使われている。有名な例外としては、
最も一般的な炭水化物である。
ココナッツオイルは多くの中鎖飽和脂肪(12 炭素鎖)
全デンプンがグルコース鎖により構成されているけ
を含んでいる。一方、動物性油は野菜油よりも飽和し
れども、どのくらいの種類のデンプン分子が、異なっ
ている傾向があり、しばしば室温では固体となる。
た種類の穀類を構成しているのだろうか。それぞれの
馬は一般的に動物性油よりも植物性油をよりよく消
デンプンの構造におけるこれらの違いは、馬の小腸で
化する。一度適応すると、馬は一日に 500 ~ 600ml
のそれらの消化のされやすさに大きく影響している。
与えていても、食餌中の野菜油の 90%以上を消化す
穀類を日常的に最も与えられている馬では、エン麦
るだろう。しかしながら、大量の油を摂取できるよう
が最も消化されやすい形としてデンプンを含んでお
になるには時間がかかり、急に油の多い食事に切り替
り、次いでトウモロコシ、コーン、大麦となる。処理
えると、馬によっては軟便や脂肪便をするだろう。
過程は盲腸前消化に対して大きな影響を持っており、
野菜油のエネルギー密度はとても高く、デンプンの
特にコーンがそうである。KER の研究では、スチー
平均約 2.25 倍ある。野菜油はコーンの平均約 2.5 倍の
ムフレーキングコーンは粗く砕いたものより血糖反応
消化エネルギー(DE)であり、エン麦の 3.0 倍である。
が 48%も上昇する。NSC は CHO-H と CHO-FR 断片
この高い消化性により、油脂は大変安全なエネルギー
との混合物である。NSC は処理した穀類と混合物内
源となっている。もしある油が小腸で消化されなかっ
の CHO-H 内で高い傾向があるが、ある未処理の穀類
たとしても、バクテリアは長鎖の油を発酵することは
または高フラクタン飼料では CHO-FR が高いだろう。
できないので、後腸で発酵の大きな障害とはならない。
NFC はさらに混合した炭水化物類を表す。なぜなら、
飼料中に入れるべき油の量は、まずは馬が何をして
NSC 内の構成物に加え、これらは多くのペクチンや
いるかによるだろう。軽く乗馬したり、ショー用に適
NDF には入らない他の発酵性化合物も含んでいるよ
切に扱われている馬は食事中に油はほとんど必要ない
うであるからだ。例えば、ビートパルプは 12.1%しか
が、一日に 70 ~ 80ml 与えることで馬の毛並にいい
NSC を含んでいないが、NFC は 44.4%含んでいる。
影響を与えるだろう。しかし、軽い運動をする馬の
DE 要求量の約 2.5%しか供給しない。さらに激しい
油脂
運動をする馬には、多くの油が必要である。激しい運
油脂は濃縮した形で多くのカロリーを供給する、パ
なければならない。これは一日の全 DE(エネルギー)
フォーマンスホースの飼料にとって魅力的な代替エネ
摂取量の 10%に、コンセントレイト(配合飼料)に
ルギー源である。馬は、野生では大量の油脂を摂取す
より給与される DE の 18 ~ 20%に相当する。10%油
ることはないが、これらの油脂、特に野菜油はエネル
脂含有穀類混合飼料 5 または 6kg がこの量の補充野
ギー補給にとても役立つ。ほとんどの野菜油は長鎖不
菜油に加えられるだろう。
飽和脂肪(16 ~ 18 炭素鎖)でできている。これらの
低から中程度の運動では、馬は脂肪の酸化作用を用
油脂は室温で液体となり、人の食事でも調理油やサラ
いて筋肉収縮のために使うエネルギーを供給する。遊
動をする馬では一日に野菜油 400g(~ 450ml)与え
9
離脂肪酸は動物性脂肪組織から代謝され、酸化により
含まれている。魚油はある程度はオメガ -3 脂肪酸の
運動筋に運ばれる。筋肉により燃焼した全脂肪は血中
DHA や EPA を含むため、馬の飼料として高い評価
の FFA 濃度と直接比例する。適切なトレーニングと
を得ている。
の組み合わせによる長期間の油脂の給与は、遊離脂肪
酸(FFA)の動員を増やし、筋肉への FFA の吸収速
訳注:非常に臭いため、最近の製品では小さなカプセ
ルに入って食べやすくなっている
度を上げることに加え、動員速度も上げるだろう。そ
の上、食用油脂はグルコースやグリコーゲンを温存す
るのでエンデュランス競技では、疲労するまでの時間
タンパク質
を延長するだろう。KER がアラブ種を用いてこの温
パフォーマンスホースの飼料のタンパク含有量がそ
存効果について研究した。油脂補充(10%油脂)を
の要求量を超えているなら、余分なタンパクはエネル
10 週間した後、エンデュランス試験した馬のグルコー
ギー源として使われる。余剰タンパクからのアミノ酸
スと筋肉内グリコーゲンの消費量は 30%減少した。
は肝臓で分解され、タンパクからの窒素はアンモニア
訳注:グルコース節約効果という
として排泄される。炭素「骨格」は ATP を合成する
研究者は最近、脂肪酸の 2 つの種類(オメガ -3 と
ために酸化されるか、または、グルコースや脂質を作
オメガ -6)の違いに注目している。オメガ -3 はアル
るのに使われる。
ファーリノレン酸(ALA)に由来しており、一方、
過剰なタンパク摂取は、いくつかの理由から、運動
オメガ -6 はリノレン酸(LA)に由来している。ALA
する馬では避けなければならない。
と LA は生活の上で有用であるため、
「必須脂肪酸」
(1)タンパク摂取量が増えると水分要求量が増える。
として考えられているが、
これらは体内で生産されず、
(2)血中尿素レベルが上がるにつれ消化管への尿素排
食糧源から得なければならない。オメガ -3 群の重要
出が増える。これによりエンテロトキセミアと
な要素にエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘ
いった腸の疾病リスクが増す。
キサエン酸(DHA)がある。
競技馬にオメガ -3 脂肪酸を与えるメリットは軽く
訳注:腸内細菌の毒素が体に吸収される病的状態
(3)血中アンモニアの増加は炭水化物代謝において、
神経過敏や神経障害といった多くの問題の原因と
なることである。
なる。尿中のアンモニアが過剰になると、馬房内
訳注:以下の効果により馬の動きが軽くなるという意
味だろう
のアンモニアが増加し、呼吸器にも問題が生じる
高齢の競技馬の関節炎の軽減がオメガ -3 を与えた馬
だろう。
で報告された。Kansas 州大学で 10 頭のサラブレッド
を用いた実験で、研究者は、DHA や EPA に富んだ
考察
エサを与えた馬の運動中の赤血球細胞膜流動性の減少
パフォーマンスホースの飼料は、複数のエネルギー
の抑制を報告した。予備試験では、DHA と EPA の
源を混合されていなければならない。また、適量であ
両方に富んだエサを与えて 83 と 145 日後に EIPH(運
ることが重要である。馬では過剰なデンプンは疝痛や
動性肺出血)の減少がみられた。DHA 単独では見ら
蹄葉炎、すくみにつながるので避けるべきである。過
れなかった。
剰なタンパクはアンモニア産生に関連する問題に繋が
馬にエサとして与えている脂肪酸の組成はかなり異
るだろう。繊維は適切な後腸機能維持のため含まれて
なっている。(表 3 右頁下)リノレン酸(LA)はベ
いなければならない。パフォーマンスホースの飼料内
ニバナ、コーン、大豆、ヒマワリ油で最も多く含まれ
のこれらのエネルギー源の適切な配合を含むことで、
ており、
魚油(メンハーデン)では最も少ない。一方、
食餌に関連する問題を減らし、馬が運動中にエネル
アマニ油にはアルファーリノレン酸(ALA)が多く
ギー基質を最大限に利用できるようになるのだ。
10
〈4〉離乳の準備は始めていますか?
こ
れまでも繰り返し離乳に関して述べてきていま
1 年を要した、という例は意外に多いのです。これを
すが、2 ヶ月齢を過ぎた仔馬には離乳食を与え
避けるためには、最低でも離乳前に飼い葉を十分量食
ているでしょうか?
べておく必要があります。そのために、離乳のスケ
御存じの通り、離乳食には 2 つの目的があります。
ジュールをあらかじめ決めておき、その日に向けて飼
ひとつは、仔馬が成長に必要なミネラルなどの栄養
い葉を徐々に増やしていくのです。もちろん、離乳の
素を補給するため。母乳には仔馬が要求する栄養素、
ストレスが大きくならないように離乳方法を工夫する
特にカルシウム以外の微量ミネラルの含有濃度が少な
のはいうまでもありません。
く、胎児期に肝臓に蓄積したミネラルを少しずつ消費
また、最近お勧めしているのが、飼い葉食いが今ひ
しながら成長していきます。これが枯渇するのが生後
とつの場合や、神経質な仔馬の場合、離乳前の段階か
2 カ月齢だとされています。つまりこのタイミングで
らあらかじめ胃潰瘍予防を行う方法です。胃潰瘍の治
ミネラルを中心とした離乳食が必要なのです。この目
療には、御存じの通り最近オメプラゾール製剤が販売
的のためには、エン麦だけを与えてはいけないことが
されており効果を挙げていますが、何しろ高価なため、
お分かりだと思います。
そうそう予防のためとはいえ使えません。
ふたつめは、離乳の準備です。
そこで、サプリメントとして市販されている「大豆
離乳後には、少なくとも飼い葉全体として 1.5 ~ 2kg
ペプチド」が胃潰瘍予防の効果が注目されます。一旦
程度の量を食べなければなりません。離乳前に多少食
胃潰瘍になった馬には治療薬ほど効果はありません
べていたとしても、離乳のストレスで全く食べなくな
が、予防には効果を示してくれるでしょう。
り、すっかり痩せてしまい、背肉も落ち、回復までに
表3
厳選した脂肪酸(全脂肪酸中の%)
1
1
2
オメガ -3 と
オメガ -6 の
比率
リノレン酸(LA)
アルファーリノ
レン酸(ALA)2
DHA と EPA
キャノーラ油
22.1%
11.1%
-
中程度
コーン油
58.0%
  0.7%
-
低い
アマニ油
12.7%
53.3%
-
高い
ベニバナ油
74.1%
  0.4%
-
低い
大豆油
51.0%
  6.8%
-
中程度
ヒマワリ油
39.8%
  0.2%
-
低い
魚(メンハーデン)油
  2.0%
  1.5%
26.4%
高い
オメガ -6 脂肪酸、2 オメガ -3 脂肪酸
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北海道のお問合せ先 ㈱レックス TEL 0146-42-3600
発行・編集:株式会社レックス 〒 056︲0001 北海道日高郡新ひだか町静内目名 491︲2
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スピーディ・ビート−品質へ
のこだわりが違いを生み出す
どの製品にとっても、品質は真に優れたものを作り上げる上で欠かせない要素です。良品が極上の逸品となるのは優れた品質
保証とサプライチェーンシステムがあってこそ。
これはスピーディ・ビートと姉妹品ファイバー・ビートにもまさに当てはまるこ
とでしょう。
では、
スピーディ・ビートにとって品質とは何を意味するのでしょうか?スピーディ・ビートの製造元であるブリティッシュ・ホースフ
ィードの親会社・イアンソン・ブラザーズ社は、
これまで100年以上にわたり、高品質の動物飼料 メーカー向け原料の調達に携わっ
てきました。同社は、ユニバーサル飼料保証機構(UFAS)や飼料用原料保証機構(FEMAS)の会員でもあり、欧州の食品安全法に
準拠する極上の品質を常にお届けしています。
このグローバ ル化が進む時代にイアンソン・ブラザーズ社がイギリス農業界にて
大手のポジションを確保しているのは、同社が高品質の製品を提供しているからこそなのです。
品質面でスピーディ・ビートの最大の鍵となるのがサプライチェーンです。
ブリティッシュ・ホースフィード社(BHF)はビートパル
プの調達先をブリティッシュ・シュガー社に限定して指定しています。
これ以外にもBHFは、品質に対する消費者の期待に応え、
更にはラミニティス・トラストの規約に準拠するため、他社とは異なる独自の厳しい仕様に基づいてビートパルプが製造される
ような体制を整えています。BHFが毎年必要とするビートパルプ原料は1回にまとめて製造され、専用倉庫に保管されます。
ブリティッシュ・シュガー社は自社契約農家から原料を調達しており、ビートの栽培に関して多大な知識・情報を構築しています。
てん菜(ビート)種子に関
する最先端の技術やイノベーションにより肥料の使用量が大幅に減少したほか、農薬はほぼ不使用となっています。
また、
てん菜の洗浄、裁断、糖分抽出、
乾燥に薬品や添加物が使用されることはなく、糖蜜(モラセス)のてん菜への戻し入れも行われていません(糖蜜を戻しいれると白い粉が付きます)。異物
混入のない清潔な製品を製造するため、
これらの工程は全て厳格な品質管理の下に置かれています。
ビートパルプはBHFの飼料製造工場で更に洗浄され、特許を取得した工程の数々
(ここでも薬品は一切使用していません)
を経て微粉化が行われます。
微粉化とは、赤外線を使用して水分子を刺激・膨張させ、瞬時に蒸発させることにより、栄養素にゆっくりと火を通して消化しやすい状態にし、細胞壁を
壊す工程を指します。
スピーディ・ビートの場合、
この工程を通じて栄養素が壊れた細胞壁から出て小腸で吸収されるようになり、不溶性食物繊維の発
酵が容易になります。
微粉化の仕上りは加熱時間、加熱
温度、加熱機と飼料間の距離に左
右されます。イアンソン・ブラザー
ズ社は40年にわたって微粉化技術
を構築しており、各原料ごとに異な
る工程を確立しています。更に、飼
料の製造においては前処理も重要
な工程として重要視しています。
最終的にスピーディ・ビートは粉砕機にかけ
られ、独自の形状に成形されます。
しかし、品質は見た目の良さに限りません。極めて清潔でホコリ等の混入がない製品を提供するのはもちろん
ですが、それ以外にもスピーディ・ビートには様々な独自の特長があり、
それらは製品を作る工程全体に実現し
ているのです。
微粉化工程では、慎重に設定管理を行わなければビートパルプの加熱しすぎが発生しかねません。
この
ような場合、たんぱく質の消化に影響が出るだけでなく、ビートパルプに残る糖分が炭化して味を損な
う上、
フレークがぼそぼそとした粉状になるおそれがあります。
ドクター・トーマス・シャーロック
大学で動物栄養学・生化学を専攻し、1977年に理学士号を取得。
リーズ大学にて消化生理
(飼料摂取管理)
で博士号を取得後、ニトロヴィット社に栄養学者として入社。同社に5年間
勤務後にフォーF・ニュートリション社に転職。以降、
スミスクラインビーチャム・アニマルヘ
ルス社のテクニカル・セールスマネージャー、ルクタSA(香料・香辛料)のイギリス経営責任
者を歴任。1996年にコンサルタント会社を設立して動物飼料に関する技術面・栄養面のア
ドバイスを提供を開始、現在に至る。
スピーディ・ビート製品の発売以来、英国ノース・ヨー
クシャーにあるブリティッシュ・ホースフィード社のアドバイザーを務めている。
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EquiShure
【エクイシュアー】
ケンタッキ ー・エクワイン・リサー チ 社( K E R )設 計・製 造
無 症 候 性 のアシドーシスの 兆 候 のある馬 に 用いる時 間 制 御 放 出 型
大 腸 緩 衝 サ プリメント
EquiShureは無症候性のアシドーシスの症候群の影響を
緩和させるので次のような馬に適しています
●
食欲不振
●
でんぷん質の多い飼料を食している
●
蹄葉炎の傾向
●
フラクタンを豊富に含む草類の飼料を
●
軽度の疝痛の傾向
●
体重減少
●
下痢などの消化不良
多く食している
●
悪癖などの行動
日本総代理店:株式会社レックス
〒056 0001 北海道日高郡新ひだか町静内目名 491 2
TEL 0146 42 3600
FAX 0146 43 3502
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