Assignment 第13回目

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物理学A
2006.07.18
剛体の運動では、剛体の並進運動と回転運動がカップルして面白い運動を引き起こすこと
があります。その一例として、ここではビリヤードで回転をつけた手玉がビリヤード台の
淵の壁でクッションする様子を考えることにしましょう。
問題を簡単にするため、左図の
ように、ビリヤードの球は初め
は右向き回転(回転角速度:
−ω0 )をしながら、ビリヤード
-ω0
Y方向
台の壁に向かって垂直方向か
+ω
-Vy0
ら速度 −v yo で進入してきたも
のとします。この球はやがてビ
X方向
リヤード台の壁に当たり、撃力
Fxy
Fx
を受けて跳ね返されます。この
時、ビリヤード台の壁は非常に
弾性に富んでいるため、y 軸方向には非常に短い時間 ∆t の間に力 Fy を受け、結果として反
射された球はy軸方向に速度 + v y = + v y 0 を持つものとしましょう。またビリヤード台の壁
は滑りにくく出来ているため、球が壁に衝突した際には非常に短い時間 ∆t の間に球はその
回転 −ω0 を止めようとする摩擦力 Fx を受けて、回転の角速度が +ω に、またそのx方向の
速度は +vx に変化したとします。
1)球がビリヤード台の壁に衝突した瞬間のx方向、y方向に関する運動方程式、および
回転に関する方程式を、球の質量M、半径 a 、回転に関する慣性モーメントI、x方向、y
方向への速度 vx , v y 、衝突の際に働く力 Fx 、 Fy を用いて書き表して下さい。
dv
dvx
dω
= Fx , M y = Fy , I
= aFx )
dt
dt
dt
2)1)で得た式を衝突前後の極めて短い時間 ∆t の間で積分することにより、次の式が導
(M
かれることを確認して下さい。
Mvx = Fx ∆t
2Mv y 0 = Fy ∆t
I (ω + ω0 ) = aFx ∆t
3)上式からビリヤード台の壁に衝突後の球のx方向への速さ vx と回転角速度 ω の関係式
を求めて下さい。
( I (ω + ω0 ) = aMvx
-----(1))
4)ビリヤード台の壁に衝突前後で球の運動エネルギーは保存されることを確認して下さ
い。
(衝突の際に働く撃力は仕事(=力x移動距離)をするかどうか、位置エネル
ギーの変化はあるか否かを考えてみて下さい。)
5)壁への衝突前後で運動エネルギーが保存されるとして、その保存則を式で表してみて
下さい。
(
1
1
1
1
M (−v yo ) 2 + I (−ω0 ) 2 = M (vx 2 + v y 0 2 ) + I ω 2
2
2
2
2
6)(2)式を整理したものを(1)式で割ることにより、 ω0 − ω =
--------(2))
vx
となることを確かめて下
a
さい。
7)6)で求めた式と(1)式からビリヤード台に衝突した後の球のx方向への速度 vx 、および
回転の角速度 ω を、衝突前の回転の角速度 ω0 を用いて表してみて下さい。ただしここでは
授業で学んだ球の慣性モーメント I =
( vx =
4a
3
ω0 , ω = ω0 )
7
7
2
Ma 2 の関係を用いることにします。
5