ユベ-E錠 100mg ユベ-E顆粒 20

2009 年 11 月改訂(第 2 版)
日本標準商品分類番号
87315
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会のIF記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
ビタミンE剤
ユベ-E錠 100mg
ユベ-E顆粒 20%
Yube-E Tablets 100mg
Yube-E Granules 20%
(トコフェロール酢酸エステル製剤)
剤
形
ユベ-E錠 100mg:橙色糖衣錠
ユベ-E顆粒 20%:白色の顆粒剤
ユベ-E錠 100mg:
トコフェロール酢酸エステル 100mg 含有
規格・含量
ユベ-E顆粒 20%:
1g中トコフェロール酢酸エステル 200mg 含有
一
般
和名:トコフェロール酢酸エステル
名
洋名:Tocopherol Acetate
ユベ-E錠 100mg:製造承認年月日:2009 年 4 月 7 日
製造承認年月日
薬価基準収載
販売年月日
薬価基準収載年月日:2009年9月25日
販売年月日:1972 年 2 月 1 日
ユベ-E顆粒 20%:製造承認年月日:2009 年 3 月 26 日
薬価基準収載年月日:2009年9月25日
販売年月日:1972年2月1日
開発・製造
輸入・販売・提携
販 売 会 社 名
製造販売元:鶴原製薬株式会社
担当者の連絡先
2009 年 7 月改訂(第 6 版)の添付文書の記載に基づき作成した。
IF利用の手引きの概要―日本病院薬剤師会―
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MRと略す)等にインタビ
ューし、当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたイン
タビューフォームを、昭和63年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第
2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下、IFと略す)として位置付
けを明確化し、その記載様式を策定した。そして、平成10年日病薬学術第3小委
員会によって新たな位置付けとIF記載要領が策定された。
2.IFとは
IFは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって
日常業務に必用な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の
裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領
を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している
学術資料」と位置付けられる。
しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反
した情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはな
らない。
3.IFの様式・作成・発行
規格はA4判、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体で記載し、印刷は一
色刷りとする。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。
IFは日病薬が策定した「IF記載要領」に従って記載するが、本IF記載要領は、
平成11年1月以降に承認された新医薬品から適用となり、既発売品については
「IF記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また、再審査及び
再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、
記載内容が大きく異なる場合にはIFが改定・発行される。
4.IFの利用にあたって
IF策定の原点を踏まえ、MRへのインタビュー、自己調査のデータを加えてIF
の内容を充実させ、IFの利用性を高めておく必要がある。
MRへのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬
理作用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改定される使用
上の注意等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用
医薬品添付文書、お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安
全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆、整備する。そのための参考として、表
紙の下段にIF作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。な
お適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売
状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合
があり、その取扱いには慎重を有する。
目
Ⅰ.概要に関する項目
次
1
1.開発の経緯
2.製品の特徴及び有効性
Ⅱ.名称に関する項目
2
1.販売名
2.一般名
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
5.化学名(命名法)
6.慣用名、別名、略号、略号番号
7.CAS登録番号
Ⅲ.有効成分に関する項目
3
1.有効成分の規制区分
2.物理化学的性質
3.有効成分の各種条件下における安定性
4.有効成分の確認試験法
5.有効成分の定量法
Ⅳ.製剤に関する項目
4
1.剤 形
2.製剤の組成
3.製剤の各種条件下における安定性
4.混入する可能性のある夾雑物
5.溶出試験
6.生物学的試験
7.製剤中の有効成分の確認試験法
8.製剤中の有効成分の定量法
9.力価
10.容器の材質
11.その他
Ⅴ.治療に関する項目
7
1.効能又は効果
2.用法及び用量
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
8
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
2.薬理作用
3.生物学的同等性
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.生物学的同等性
9
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
10
1.警告内容とその理由
2.禁忌内容とその理由
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
5.慎重投与内容とその理由
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
7.相互作用
8.副作用
9.高齢者への投与
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
11.小児等への投与
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
15.その他の注意
16.その他
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
12
1.一般薬理
2.毒性
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
13
1.有効期間又は使用期限
2.貯法・保存条件
3.薬剤取扱い上の注意点
4.承認条件
5.包装
6.同一成分・同効薬
7.国際誕生年月日
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
9.薬価基準収載年月日
10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容
11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容
12.再審査期間
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
15.保険給付上の注意
ⅩⅠ.文献
15
1.引用文献
2.その他の参考文献
ⅩⅡ.参考資料
15
ⅩⅢ.備考
15
1.その他の関連資料
2.商品情報お問い合わせ先
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
該当資料なし
2.製品の特徴及び有効性
脂溶性ビタミンであるビタミン E(トコフェロール)は、生体膜中に存在する多不
飽和脂肪酸の過酸化反応を防止し、膜の構造や透過性維持に関与する。
1
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和名
ユベ-E錠 100mg
ユベ-E顆粒 20%
(2)洋名
Yube-E Tablets 100mg
Yube-E Granules 20%
(3)名称の由来
特になし
2.一般名
(1)和名(命名法)
トコフェロール酢酸エステル
(2)洋名(命名法)
Tocopherol Acetate
3.構造式又は示性式
CH3
CH3
O
H3C
CH3
CH3
CH3
CH3
O
CH3
H3C
O
4.分子式及び分子量
分子式:C31H52O3
分子量:472.74
5.化学名(命名法)
2,5,7,8-Tetramethyl-2-(4,8,12-trimethyltridecyl)chroman-6-yl acetate
6.慣用名、別名、略号、略号番号
酢酸トコフェロール
7.CAS登録番号
7695-91-2
2
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.有効成分の規制区分
該当しない
2.物理化学的性質
(1)外観・性状
トコフェロール酢酸エステルは無色~黄色澄明の粘性の液で、においはない。
(2)溶解性
本品はエタノール(99.5)、アセトン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ヘキサ
ン又は植物油と混和する。本品はエタノール(95)に溶けやすく、水にほとんど溶
けない。
(3)吸湿性
該当資料なし
(4)融点(分解点)、沸点、凝固点
該当資料なし
(5)酸塩基解離定数
該当資料なし
(6)分配係数
該当資料なし
(7)その他の主な示性値
本品は旋光性を示さない。
3.有効成分の各種条件下における安定性
本品は空気及び光によって変化する。
4.有効成分の確認試験方法
(1) 硝酸による呈色反応
(2)赤外吸収スペクトル測定法
5.有効成分の定量法
液体クロマトグラフィー
3
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
ユベ-E錠 100mg は直径約 10.5mm、厚さ約 6.5mm、重量約 500mg の橙色糖衣錠
である。
ユベ-E顆粒 20%は白色の顆粒剤である。
2.製剤の組成
(1)有効成分の含量
ユベ-E錠 100mg は、1錠中トコフェロール酢酸エステル 100mg 含有
ユベ-E顆粒 20%は、1g中トコフェロール酢酸エステル 200mg 含有
(2)添加物
ユベ-E錠 100mg:
黄色5号、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、ステア
リン酸マグネシウム、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、タルク、アラビアゴム末、
カルナウバロウ
ユベ-E顆粒 20%:
軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、乳糖水和物
4
3.製剤の各種条件下における安定性
【ユベ-E錠 100mg】
試験期間及び保管
試験期間
保存包装
試験項目
長期保存試験
(1)性状
室温
5年
①PTP 包装
(2)確認試験
②バラ包装
(3)崩壊試験
(4)定量
(1)性状
いずれの条件においても、変化は認められなかった。
(2)確認試験
いずれの条件においても、すべて「適」であった。
(3)重量偏差試験
いずれの条件においても、すべて「適」であった。
(4)崩壊試験
いずれの条件においても、変化は認められなかった。
(5)定量
いずれの条件においても、含量の低下はほとんど認められなかった。
以上の結果から、本剤はこの包装形態において、室温で 5 年間安定であった。
よって本剤の有効期限は 5 年間とする。
【ユベ-E顆粒 20%】
試験期間及び保管
試験期間
保存包装
試験項目
長期保存試験
(1)性状
室温
5年
バラ包装
(2)確認試験
(3)崩壊試験
(4)定量
(1)性状
いずれの条件においても、変化は認められなかった。
(2)確認試験
いずれの条件においても、すべて「適」であった。
(3)崩壊試験
いずれの条件においても、すべて「適」であった。
(4)定量
いずれの条件においても、含量の低下はほとんど認められなかった。
5
以上の結果から、本剤はこの包装形態において、室温で 5 年間安定であった。
よって本剤の有効期限は 5 年間とする。
4.混入する可能性のある夾雑物
該当資料なし
5.溶出試験
該当資料なし
6.生物学的試験
該当しない
7.製剤中の有効成分の確認試験法
ユベ-E錠 100mg:
薄層クロマトグラフィー
ユベ-E顆粒 20%:
薄層クロマトグラフィー
8.製剤中の有効成分の定量法
ユベ-E錠 100mg:
紫外可視吸光度測定法
ユベ-E顆粒 20%:
紫外可視吸光度測定法
9.力価
該当しない
10.容器の材質
ユベ-E錠 100mg:
PTP包装:ポリ塩化ビニル
アルミ箔
バ ラ包装:ポリエチレン袋
ブリキ缶
ユベ-E顆粒 20%:
ポリエチレン袋
ブリキ缶
11.その他
特になし
6
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
1.ビタミンE欠乏症の予防及び治療
2.末梢循環障害(間歇性跛行症、動脈硬化症、静脈血栓症、血栓性静脈炎、糖尿
病性網膜症、凍瘡、四肢冷感症)
3.過酸化脂質の増加防止
1.以外の効能については、効果がないのに月余にわたって漫然と使用
すべきではない。
2.用法及び用量
通常、成人にはトコフェロール酢酸エステルとして1回50~100mgを、1日2~3
回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
7
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連のある化合物又は化合物群
該当資料なし
2.薬理作用
1.ビタミンEの代謝における特異的意義は明らかにされていないが、Cytochrome b およ
び c の間に働いている電子伝達系の cofactor として作用している。
2.抗酸化作用
フリーラジカルを消去することによって生体膜中に存在する多不飽和脂肪酸の過酸化反応
を防止し、膜の構造や透過性維持に関与する。さらに、-SH 化合物やビタミン A 等の酸
化も防止する1)。
3.微小循環改善作用
毛細血管抵抗性を上昇させるとともに皮膚血流量を増加させて皮膚温の上昇や寒冷負荷後
の皮膚温回復を促進する2)。また、抗凝固作用、線溶促進作用により循環動態を改善す
る3)。
4.ラットで長期にわたる VE 欠乏により卵巣機能が低下し、VE 投与により回復が認められ
ている4)。
8
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.生物学的同等性
該当資料なし
9
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
記載事項なし
2.禁忌内容とその理由
記載事項なし
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
記載事項なし
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
記載事項なし
5.慎重投与内容とその理由
記載事項なし
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
記載事項なし
7.相互作用
(1) 併用禁忌とその理由
記載事項なし
(2)併用注意とその理由
記載事項なし
8.副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1)重大な副作用(頻度不明)
記載事項なし
2)その他の副作用
下記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
頻
度
不
消化器
便秘、胃部不快感、下痢
過敏症
発疹
明
10
9.高齢者への投与
記載事項なし
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
記載事項なし
11.小児等への投与
記載事項なし
12.臨床検査結果に及ぼす影響
記載事項なし
13.過量投与
記載事項なし
14.適用上及び薬剤交付時の注意
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTP シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして
縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
15.その他の注意
記載事項なし
16.その他
記載事項なし
11
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
該当資料なし
2.毒性
該当資料なし
12
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
1.有効期間又は使用期限
外箱、容器に表示
2.貯法・保存条件
遮光保存
3.薬剤取扱い上の注意点
ユベ-E錠100mg:錠剤の表面が退色するおそれがあるので遮光して保存して下さ
い。なお、表面が退色しても主成分の変化はありません。
4.承認条件
特になし
5.包装
ユベ-E錠 100mg
100 錠(PTP)、1000 錠(PTP)、5000 錠(PTP・バラ)
ユベ-E顆粒 20%
100g、1000g
6.同一成分・同効薬
同一成分薬:
ユベラ錠 50mg、ユベラ顆粒 20%(エーザイ株式会社)
7.国際誕生年月日
不明
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
ユベ-E錠 100mg:
承
認
番
号
:22100AMX00539000
承 認 年 月 日:2009 年 4 月 7 日
ユベ-E顆粒 20%:
承
認
番
号
:22100AMX00506000
承 認 年 月 日:2009 年 3 月 26 日
9.薬価基準収載年月日
2009 年 9 月 25 日
13
10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容
ユベ-E錠 100mg:1995 年 11 月 29 日(効能再評価結果による一部承認変更)
ユベ-E顆粒 20%:1995 年 11 月 29 日(効能再評価結果による一部承認変更)
11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容
1995 年 9 月 7 日(効能再評価結果)
12.再審査期間
該当しない
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
ユベ-E錠 100mg
3150002F2057
ユベ-E顆粒 20%
3150002D1050
15.保険給付上の注意
特になし
14
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1)Tappel, A. L.:Vitamins and Hormones, 20, 493 (1962)
2)神村瑞夫:ビタミン、33, 166 (1966)
3)友田 豊 :ビタミン、27, 442 (1963)
4)佐々木光司:日本不妊学会雑誌、5, 228 (1960)
2.その他の参考文献
第15改正日本薬局方
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での販売状況
なし
ⅩⅢ.備考
1.その他の関連資料
なし
2.商品情報お問い合わせ先
鶴原製薬株式会社
医薬情報部学術課
〒563-0036 大阪府池田市豊島北1丁目 16 番 1 号
TEL:072-761-1456(代表)FAX:072-760-5252
15
製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北 1 丁目 16 番 1 号
文献請求先:鶴原製薬(株)医薬情報部学術課