日本油脂グループ 事業案内

日本油脂グループ
事業案内
ご挨 拶
化学は社会の発展と人の生活向上に大きな貢献を果
より積極的に社会への貢献を果たしてまいります。
たしてきました。今、新たな歴史の幕開けの中で、さ
経済のグローバル化はさらに進み、その速度も速く
らに化学が注目されております。21世紀の発展のた
なっています。当グループはこれまでの基盤技術に
めには、環境・安全などにかかわる課題の解決が必須
立って、高付加価値製品の市場投入や新規市場の開
であり、
これらの解決に化学技術や化学産業の新しい
拓を推進し、メガ・コンペティションに負けない製品の
役割が期待されているからです。また、社会と産業と
開発を進めます。当グループの幅広い領域の中から、
のインターフェイスの増大に伴い、環境、社会との共
特にライフサイエンスおよび電子材料関連・環境関連
生に重大な責任を負っているからでもあります。
の分野に注力し、人類のクオリティ・オブ・ライフの向
日本油脂グループは、歴史ある総合化学の企業グル
上に努めていきます。
ープであり、地球との共生と、地球環境に優しく、を
今後とも、経営革新の手を緩めず、事業体質の強化・
コンセプトに製品を開発してまいりました。これからは、
経営の効率化を進める一方、皆さまに評価される製
永年培ってきた多様な固有技術を組み合わせて、
品の供給を続けてまいります。
「バイオから宇宙まで」のキャッチフレーズのもと、
バ イ オ か ら 宇 宙 ま で ・・・
目
次
経営理念・行動指針・倫理行動規範
2
日本油脂グループからのメッセージ
3
環境保全の取り組み
4
会社概要
5
組織図・事業所案内
6
日本油脂グループの事業構成と
連結子会社・持分法適用会社
沿
革
日本油脂グループ(主要会社一覧表)
1
7
8
9
油化事業
10
化成事業
12
化薬事業
14
食品事業
18
ライフサイエンス事業
20
電材事業
22
DDS事業
23
防錆事業
24
研究開発
25
経営理念
行動指針
私たち日本油脂グループは、バイオから宇宙まで
まず お 客 様 聴 い て みよう
求 める価 値を
次代の足音を
幅広い分野で新しい価値を創造し、
人と社会に貢献します。
わくわく技 術 育 てよう
力あつめて
スピ ー ディー に
1 カスタマーニーズに応え、最高の品質と
サービスをグローバルに提供します。
地 球 の 未 来 守って いこう
2 総合力を発揮し、未来を拓く先端技術と
優れた商品を開発します。
3 環境との調和に努め、製品と事業活動に
おける安全を確保します。
4 適切な利益水準を維持し、支える人々に
公正な還元で報います。
環 境 を
生 命 を
きらきら 利 益 生 み 出 そう
みんなのために
明日のために
夢 いきいき チャレンジしよう
事業の革新に
自ら の 革 新 に
5 意欲ある挑戦を支援し、働き甲斐と
豊かな人生の実現に努めます。
倫理行動規範
2
当社は、事業活動の基本方針として、当社の経営活
る倫理的側面を規定する基本的方針・原則として、
動を展開する際に指針となる基本的価値観・哲学・信
「日本油脂倫理行動規範」を2002年4月1日に制定し
念あるいは目標である「経営理念」と、その実現のた
ました。
めに必要な行動・心構えを示す「行動指針」を定めて
当該規範は、法令遵守および企業倫理の観点から、
おります。
私たち一人ひとりが日頃心がけていくべき基本的事
さらに、当社は、社会の公器としての企業の社会的責
項を具体的に定めたものであり、役員はじめすべて
任を適切に果たすために、「経営理念」・「行動指針」
の従業員に対し、これを社内外におけるあらゆる活
の背景にあって、「経営理念」・「行動指針」を遂行して
動に際しての拠り所として、責任ある行動をとること
いく私たち役員はじめすべての従業員の行動におけ
を強く求めるものであります。
日本油脂グループからのメッセージ
「人に優しく・地球に優しい企業グループ」を目指して
新しい価値への取り組み
私たちは、化学企業グループとしての長い歴史の中で、多岐にわたる分野で様々な固有技術を育んでき
ました。これらの固有技術をよりパワーアップし、さらに新たな価値を見出すため、私たちは各事業の境
界を越えたテクノロジーの複合化を進めています。その一つが、新機軸であるライフサイエンス事業です。
高齢化社会の訪れに向け、今後ますます、人々の健康を支える製品や高度な技術がクローズアップされ
ます。私たちは、人々の豊かで健やかな暮らしに役立つものは何かを見つめ、自由な発想で一つ一つ、
新しい価値を創造していきます。
人々の豊かな暮らしのために、
できること・
・
・
■医薬用製剤の開発
■高純度リン脂質の応用研究
■ドラッグ・デリバリー・システムの開発
■機能性ポリマーの医療分野への応用
■ニトログリセリン医薬原料の開発
■医療滅菌用資材の開発
■生体関連材料の開発
■診断薬用素材の開発
■機能性脂質の安定化・製品化
■医療栄養食の開発
3
環境保全の取り組み
私たちは、化学企業グループとして継続して事業活動を行うためには、その活動や製品が社会におい
て有用であるとともに、持続可能な社会を未来世代に引き継いでいくために「地球環境の保全」に努
めて行くことが重要であると考えています。
化学企業が社会の一員として共生するためには、すべての事業活動が自然環境や社会環境と調和が
図られているとして社会から認識・評価され受容されるものでなければならないし、そのためには事業
活動全般にわたり「責任ある配慮」を及ぼすことが必要です。
このような考えのもと、私たちは「レスポンシブル・ケア※」活動を積極的に実践し、顧客・地域住民・従
業員に対する安全と健康の確保のため、また、環境の保全ならびに生態系および資源の保護のために、
製品の開発から廃棄に至るすべてのプロセスにおいて「責任ある配慮」に全力をあげて取り組んでい
ます。私たちは、
これからも環境保全に細心の注意を払い、良き企業市民であることを心がけて、環境・
安全・健康に配慮した製品・技術を開発することで、社会に貢献していきます。
地 球 の 未 来 の た め に 、できること・・・
■オゾン層を破壊しない代替フロン用新冷凍機油
■排ガス規制対応型の軽油用潤滑性向上剤
■プラスチック・リサイクルへの機能性ポリマーの応用
■鉛フリーはんだ用フラックス
■クロムフリー防錆剤
■海洋観測機器
■環境分析・評価
レスポンシブル・ケア
4
※レスポンシブル・ケア(責任ある配慮)
1985年、カナダから始まった化学品に関する安全確保の
ための自主管理活動。化学物質にかかわる研究開発、製造、
使用、廃棄に至る全サイクルにわたって環境保護、安全と
健康が確保されるように責任をもって配慮することです。
概
要
創
立
資本金
昭和12年6月1日(設立 昭和24年7月1日)
15,994百万円(2005年3月31日)
従業員
1,608名(2005年3月31日)
本
東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号(恵比寿ガーデンプレイスタワー)
役
社
員
代表取締役会長
代表取締役社長
取締役兼専務執行役員
業
取締役兼常務執行役員
取締役兼常務執行役員
取締役兼常務執行役員
取締役兼常務執行役員
取締役兼執行役員
宇野 允恭
中嶋 洋平
石田 英樹
大井
大池
鈴木
服部
藤郷
弘雄
弘一
重雄
勝英
栄康
監査役
監査役
監査役
監査役
売上高
93,302
79,165
84,290
88,849
90,917
経常利益
125,000
12,500
100,000
10,000
75,000
●事業部門別売上高 2004年度(単位 : 百万円)
ライフサイエンス事業部
2.6%
2,410
電材事業開発部
0.3%
237
DDS事業開発部
2.0%
1,860
食品事業部
15.0%
13,625
7,500
油化事業部
41.7%
37,908
6,394
4,748
3,579
4,780
5,457
50,000
5,000
25,000
2,500
0
11,256
化薬事業本部
12.4%
化成事業部
26.0%
23,618
0
2000年度
2001年度
売上高
2002年度
2003年度
2004年度
経常利益
績(連結)
●売上高・経常利益の推移(単位 : 百万円)
売上高
経常利益
144,764
133,776
136,309
137,478
133,682
150,000
15,000
125,000
12,500
100,000
10,000
7,414
5,832
7,028
7,547
●事業セグメント別売上高 2004年度(単位 : 百万円)
その他の事業
1.3%
1,740
火薬・加工品事業
23.0%
30,784
8,567
75,000
7,500
50,000
5,000
25,000
2,500
化成製品事業
34.7%
46,314
0
0
2000年度
売上高
5
昭一
律夫
宗
真吾
績(単独)
●売上高・経常利益の推移(単位 : 百万円)
業
小林
小圷
早坂
山崎
2001年度
2002年度
経常利益
2003年度
2004年度
油脂製品事業
41.0%
54,843
組
織
図
経営企画室
筑波研究所
研 究 本 部
大阪支社
名古屋支店
秘
書
室
福岡支店
油化学研究所
設 備・環 境
安全統括室
油 化 事 業 部
尼崎工場
川崎事業所
人 事・総 務 部
取締役会
社
経
理
部
資
材
部
長
千鳥工場
化成品研究所
化 成 事 業 部
大分工場
経営審議会
衣浦工場
監 査 役
システム部
監査役会
愛知事業所
武豊工場
特機事業部
化薬事業本部
火薬事業部
知的財産部
食品研究所
経理サービスセンター
食 品 事 業 部
システム改革推進本部
中国プロジェクト本部
川崎事業所
筑波研究所
ライフサイエンス事業部
電材事業開発部
大師工場
DDS研究所
DDS事業開発部
川崎事業所
DDS工場
尼崎工場
事
業
所
本社・支社・支店・営業所・駐在員事務所
本
社
〒150-6019
東京都渋谷区恵比寿4-20-3(恵比寿ガーデンプレイスタワー) TEL.03-5424-6600
FAX.03-5424-6800
部
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
TEL.03-5424-6665
FAX.03-5424-1408
経 理サ ービスセンター
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
TEL.03-5424-6709
FAX.03-5424-1482
システム改革推進本部
〒150-0013
東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
TEL.03-5475-6341
FAX.03-5475-6347
社
〒530-0003
大阪市北区堂島2-4-27(新藤田ビル)
TEL.06-6454-6550
FAX.06-6454-6570
店
〒450-0002
名古屋市中村区名駅4-8-14(名古屋三井ビル北館)
TEL.052-551-6261
FAX.052-551-2310
店
〒810-0001
福岡市中央区天神4-2-20(天神幸ビル)
TEL.092-741-5131
FAX.092-741-9112
所
〒060-0052
札幌市中央区南2条東2丁目9番(大都ビル)
シ
ス
大
テ
阪
名
古
福
支
屋
支
岡
札
ム
幌
支
営
業
ジャカルタ駐在員事務所
TEL.011-281-9871
FAX.011-281-9880
Wisma Kyoei Prince 7th floor, Room 703,
TEL.62-21-2869-0095
JI. Jend. Sudirman Kav. 3 Jakarta 10220, Indonesia
FAX.62-21-2869-0095
工場
尼
崎
川
崎
工
事
業
場
〒660-0095
尼崎市大浜町1-56
TEL.06-6416-1321
FAX.06-6416-8900
所
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-2153
FAX.044-288-7954
千
鳥
工
場
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-2153
FAX.044-288-7954
大
師
工
場
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-281-2500
FAX.044-281-2512
D
D
大
S
分
愛
知
工
工
事
業
場
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-3146
FAX.044-288-3149
場
〒870-0111
大分市大字中ノ洲2
TEL.097-527-5201
FAX.097-524-0029
所
〒470-2379
愛知県知多郡武豊町字北小松谷61-1
TEL.0569-72-1221
FAX.0569-74-0008
衣
浦
工
場
〒470-2345
愛知県知多郡武豊町字西門82
TEL.0569-72-2563
FAX.0569-74-0009
武
豊
工
場
〒470-2379
愛知県知多郡武豊町字北小松谷61-1
TEL.0569-72-1223
FAX.0569-72-0914
所
〒506-1105
飛騨市神岡町和佐保1039-3
TEL.0578-2-6022
FAX.0578-2-6022
所
〒891-3702
鹿児島県熊毛郡南種子町平山3138-4
TEL.0997-26-2961
FAX.0997-26-2963
所
〒300-2635
つくば市東光台5-10
TEL.029-847-8891
FAX.029-847-8862
所
〒660-0095
尼崎市大浜町1-56
TEL.06-6419-7484
FAX.06-6419-4040
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-7953
FAX.044-288-7958
所
〒470-2345
愛知県知多郡武豊町字西門82
TEL.0569-72-1403
FAX.0569-72-1921
所
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-281-2502
FAX.044-281-2518
所
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-7952
FAX.044-288-7958
研 究 開 発 部〔 化 薬 事 業 〕 〒470-2379
愛知県知多郡武豊町字北小松谷61-1
TEL.0569-72-0917
FAX.0569-73-7376
電材研究開発室
〔電材事業〕 〒470-2345
愛知県知多郡武豊町字西門82
TEL.0569-72-1403
FAX.0569-72-1921
千 鳥 開 発 室〔 電 材 事 業 〕 〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
TEL.044-288-7947
FAX.044-288-7958
神
種
岡
子
出
島
張
事
業
研究所
筑
油
化
食
D
6
波
化
成
研
学
品
品
D
究
研
研
研
S
研
究
究
究
究
日本油脂グループの事業構成と連結子会社・持分法適用会社
当社グループの事業は、油脂製品、化成製品、火薬・加工品、その他の事業の
4セグメントに大別され、当社の各事業、事業セグメント別主要製品および
連結子会社・持分法適用会社の対応関係を示しております。
これらの情報は、有価証券報告書、事業報告書等にも提供しております。
当社グループ
の各事業
当社の各事業
事業セグメント別主要製品
連結子会社・持分法適用会社
ニチユ物流(株)
日油商事(株)
食用加工油脂
健康関連食品
運送、不動産他
物流・不動産他
食品事業
日油工業(株)
ニチユソリューション(株)
その他
油脂製品
日本工機(株)
日油技研工業(株)
昭和金属工業(株)
北海道日本油脂(株)
日邦工業(株)
(株)ジャペックス
(株)オートリブニチユ
*
(株)カクタス
無煙火薬
産業用爆薬類
ロケット関連製品
医薬原料
自動車用安全部品
海洋機器
金属加工品
火薬・加工品
油化事業
化薬事業
化成製品
防
錆
事
業
防
錆 特
加 殊
工 防
錆
処
理
剤
・
D
D
S
事
業
D
D
S
医
薬
用
製
剤
原
料
ラ
イ
化成事業
フ
サ
電
イ
材
エ
ン
事
ス
業
事
業
電
子
材
料
M
P
C
関
連
製
品
(株)日本ダクロシャムロック
METAL COATINGS INTERNATIONAL INC.
MICHIGAN METAL COATINGS COMPANY
GEORGIA METAL COATINGS COMPANY
DACRAL S.A.
DACRAL MANUFACTURING NV
METAL COATINGS BRAZIL IND. E COM. LTDA.
*ナゴヤダクロ(株)
7
脂肪酸
脂肪酸誘導体
界面活性剤
油化産業(株)
NOF Europe
(Belgium)NV
*ニッサン石鹸(株)
*PT.SINAR
OLEOCHEMICAL
INTERNATIONAL
エチレンオキサイド・
プロピレンオキサイド誘導体
有機過酸化物
ポリブテン
無水マレイン酸
機能性ポリマー
反射防止フィルム
PT.NOF MAS CHEMICAL
INDUSTRIES
無印:連結子会社
*印:持分法適用会社
沿 革
1910
1910.
9 (明治43年) 日本リバーブラザーズ(現尼崎工場)設立
1917.
8 (大正6年)
1919. 11 ( 大 正 8 年 )
鈴木商店王子製油所(旧王子工場)設立
帝国火薬工業(現愛知事業所 武豊工場)設立
1930
1936.
6 (昭和11年) 日邦工業(株)設立
1937.
6 (昭和12年)
第一次日本油脂(本社:日産館)
1938.
1 (昭和13年)
北海道油脂工業他14社合併
1940
1943.
2 (昭和18年)
昭和金属工業(株)設立
1945.
4 (昭和20年) 日本鉱業化学部門と合併
1947.
6 (昭和22年) 日油商事(株)設立
1949.
7 (昭和24年)
▲明治43年設立当時の尼崎工場
日産化学工業に社名変更
第二次日本油脂(本社:日本橋白木屋)
〔企業再建整備法により独立〕
1950
1951. 10 (昭和26年)
1957.
2 (昭和32年)
1960
1961.
7 (昭和36年) 日油工業(株)設立
本社を丸の内東京ビルに移転
1954. 10 (昭和29年) ロケット推進薬製造開始
1961. 11 (昭和36年)
武豊工場(現愛知事業所衣浦工場)で有機過酸化物の製造を開始
千鳥工場開設
1966.
2 (昭和41年)
油化産業(株)設立
1967.
5 (昭和42年)
本社を有楽町ビルに移転
1970
1970.
6 (昭和45年)
帝国火工品製造(株)と合併
1973.
6 (昭和48年) (株)日本ダクロシャムロック設立
1980
1980. 12 (昭和55年) 日油技研工業(株)設立
1974. 11 (昭和49年)
▲昭和12年7月20日 日本油脂創立披露会
家庭品事業部門分離(ニッサン石鹸(株)設立)
1984.
に出資し、METAL COATINGS
9 (昭和59年) アメリカのMETAL COATINGS INTERNATIONAL INC.
1984.
9 (昭和59年)
INTERNATIONAL INC.
の子会社であるフランスのDACRAL S.A.の株式も間接的に取得
1988. 12 (昭和63年)
筑波研究所開設
NOF AMERICA CORPORATION設立
1990
1990. 11 ( 平 成 2 年 ) ドイツに現地法人 Nippon Oil & Fats GmbH設立
1992. 10 ( 平 成 4 年 )
神岡試験場(現 神岡出張所)開設
1993.
9 ( 平 成 5 年 ) インドネシアにPT.SINAR OLEOCHEMICAL INTERNATIONAL設立
1994.
4 (平成6年)
1994. 11 ( 平 成 6 年 )
北海道日本油脂(株)設立
本社を恵比寿ガーデンプレイスタワーに移転
1995. 11 ( 平 成 7 年 ) インドネシアにPT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES設立
1995. 12 ( 平 成 7 年 ) 日油技研工業(株)が株式店頭公開
1996.
2 ( 平 成 8 年 ) (株)ジャペックス設立
1997. 12 ( 平 成 9 年 )
1999.
種子島事業所開設
5 (平成11年) (株)オートリブニチユ設立
1999. 10 (平成11年) 日本工機(株)を株式取得により子会社化
1999. 12 (平成11年) ライフサイエンス事業部発足
2000
2001.
4 (平成13年)
2001. 10 (平成13年)
電材事業開発部発足
DDS事業開発部発足
2002.
9 (平成14年)
2004.
4 (平成16年) (株)タセトの全株式を神鋼タセト(株)に売却
2004.
6 (平成16年)
2004. 10 (平成16年)
ニチユソリューション(株)設立
大師工場開設
常熟日油化工有限公司を中国に設立
2004. 10 (平成16年) 日油サービス(株)と日武産業(株)の合併により、ニチユ物流(株)を設立
2005.
8
4 (平成17年) 日本油脂BASFコーティングス(株)の全株式をBASF Coatings AGに売却
日本油脂グループ (主要会社一覧表)
事
業
油 化
社
*印は連結子会社
名
藺印は持分法適用会社
* 日油工業㈱
* ニチユソリューション㈱
事
業
内
容
油脂製品、化学製品の製造・販売
住
所
〒569-0011
高槻市道鵜町4-22-1
TEL.
FAX.
072-669-5141 072-669-5144
製紙工業用薬剤、飼料用脂肪酸カルシウム、レジンコンクリート 〒150-0013
03-5793-1405 03-5793-1480
(RC)等の製造・販売、合成樹脂床材施工工事、技術サービス 東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
〒150-6019 東京都渋谷区恵比寿4-20-3
(恵比寿ガーデンプレイスタワー)
㈱ジュアンビューティ
基礎化粧品、トイレタリー商品の製造
藺ニッサン石鹸㈱
化粧用・工業用各種石鹸類の製造・販売
〒538-0052
大阪市鶴見区横堤2-5-106
06-6912-3131 06-6912-8431
千葉脂肪酸㈱
各種脂肪酸、グリセリンの製造・販売
〒290-0045
市原市五井南海岸12
0463-22-3611 0436-21-4791
㈱ニチユ・テクノ
分析測定、自動分析装置の製造・販売
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-3
044-280-0701 044-280-0704
藺PT.SINAR OLEOCHEMICAL INTERNATIONAL
各種脂肪酸、グリセリンの製造・販売
JL. K. L. Pulau Irian No2, Kawasan Industri Medan,
62-61-685-1582 62-61-685-1930
20242, North Sumatra, Republic of Indonesia
台湾日油股 有限公司
金属石鹸、エチレンビスアルキルアミドの製造・販売
中華民国台中縣大肝郷社脚村沙田路
一段854巷67-3號
* 油化産業㈱
油脂製品・化学製品の販売、化粧品原料の
製造・販売
〒150-0013
03-5791-4101 03-5791-5200
東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
常熟日油化工有限公司
脂肪酸誘導体、有機過酸化物の製造・販売
中華人民共和国江蘇省常熟経済
開発区沿江工業区
化 成
* PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES
有機過酸化物の製造・販売
Kawasan Industri Bekasi Fajar, Block D-1 Mekar Wangi, MM2100
62-21-898-0636 62-21-898-0638
Industrial Town Phase III, Cibitung-Bekasi 17520,Indonesia
化 薬
* 日本工機㈱
防衛用装備品、産業用爆薬の製造、火工品、 〒105-0003
東京都港区西新橋2-36-1(新橋桜ビル)
防犯用関連商品の製造・販売
* 日油技研工業㈱
温度管理用示温材、医療滅菌用資材、建設資材、電設器
材、ロケット用火工品、化工材、海洋機器他の製造・販売
〒350-1107
川越市的場新町21-2
0492-31-2103 0492-32-1334
* 昭和金属工業㈱
銃用雷管、小火器用空包、火工品、シート
ベルト用ガス発生器の製造・販売
〒309-1211 桜川市岩瀬2120
0296-76-1811 0296-76-1815
* 北海道日本油脂㈱
産業用火薬類の製造、氷雪路面改良製品の
製造・販売
〒079-0167 美唄市光珠内549
0126-67-2211 0126-62-1114
* 日邦工業㈱
猟用・射撃用装弾の製造・販売
〒410-1121 裾野市茶畑1838
055-992-0476 055-993-2805
ニッサンミロク㈱
猟用・射撃用装弾、銃の販売
〒410-1121 裾野市茶畑1838
055-995-0271 055-992-7161
* ㈱ジャペックス
産業用火薬類の販売
〒105-0003
03-3506-9061 03-3580-8244
東京都港区西新橋1-11-5(新橋中央ビル)
油化
・
化成
藺㈱オートリブニチユ
防 錆
物流
・
不動産他
9
エアバッグ用ガス発生器の製造・販売
〒470-2379
愛知県知多郡武豊町字甚田23-3
03-3442-6331
886-4-2698-0650 886-4-2699-1427
86-512-5229-3301 86-512-5229-3303
03-3436-3711 03-3433-5505
0569-74-0862 0569-74-0852
* ㈱カクタス
電設工具、溶接材、温度管理用示温材、
滅菌資材等の販売
〒112-0011
03-5940-3671 03-5940-3679
東京都文京区千石4-37-4(千石コートハウス)
* ㈱日本ダクロシャムロック
金属防錆剤の製造・販売
〒244-0816
045-864-3551 045-871-3150
横浜市戸塚区上倉田町481-1(八恍ビル)
* METAL COATINGS INTERNATIONAL INC.
金属防錆剤の製造・販売
275 Industrial Parkway Chardon,
Ohio 44024 -1083,U.S.A.
1-440-285-2231 1-440-285-5009
* MICHIGAN METAL COATINGS COMPANY
金属防錆処理加工
2871 Research Drive Rochester
Hills, MI 48309, U.S.A.
1-248-853-3210 1-248-853-3260
* GEORGIA METAL COATINGS COMPANY
金属防錆処理加工
3033 Adriatic Court Norcross, GA
30071, U.S.A.
1-770-446-3930 1-770-446-3932
* DACRAL S.A.
金属防錆剤の製造・販売
120, rue Galilee F-60315
CREIL Cedex, France
33-3-44-64-63-62 33-3-44-64-63-40
* DACRAL MANUFACTURING NV
金属防錆剤の製造・販売
Bouwelven 1, Industriezone Klein32-14-259831 32-14-224563
Gent, B-2280 Grobbendonk, Belgium
* METAL COATINGS BRAZIL IND. E COM.LTDA.
金属防錆剤の製造・販売
Rua Minas Gerais No85 Vila Oriental CEP
55-11-4071-5651 55-11-4071-4118
09941-760 Diadema Sao Paulo, Brazil
KOREA SHAMROCK CO.,LTD. 金属防錆剤の製造・販売
3F, Chung Ang Bldg., 411-18 Dogok82-2-571-4051 82-2-571-4053
Dong Kangnam-Ku, Seoul, Korea
藺ナゴヤダクロ㈱
金属防錆処理加工
〒454-0823
名古屋市中川区富船町4-1
052-361-1191 052-361-1192
* ㈱NCZ
金属表面処理システムの販売
〒244-0816
横浜市戸塚区上倉田町481-1
045-864-3626 045-864-2685
㈱ニッカコーティング
金属防錆処理加工
〒342-0008
吉川市旭3-6 東埼玉テクノポリス
048-991-9854 048-991-9858
* ニチユ物流㈱
自動車運送業、倉庫保管業、荷役業務請負
〒210-0865
川崎市川崎区千鳥町3-2
044-280-0560 044-280-0563
* 日油商事㈱
日本油脂製品の販売、保険代理業、
不動産業
〒150-0013
03-5789-8211 03-3445-2777
東京都渋谷区恵比寿1-18-14(星和恵比寿ビル)
* NOF Europe (Belgium) NV
化学品等の輸出入および販売
Bouwelven 1, Industriezone Klein32-14-259830 32-14-224563
Gent, B-2280 Grobbendonk, Belgium
NOF AMERICA CORPORATION
化学品等の輸出入および販売
11 Martine Avenue, Suite 1170,
White Plains, N.Y. 10606, U.S.A.
1-914-681-9790 1-914-681-9791
油化事業
油脂化学の追求と
石油化学を融合した機能性製品の創造
油化事業は、1910年の油脂事業創業以来、
わが国油脂化学分野のパイオニアとして業界
をリードしてきました。
現在では、脂肪酸類、脂肪酸誘導体、界面活性
剤等油脂化学分野の製品に加えて、石油化学
分野においてもアルキレンオキサイド誘導体や
(メタ)アクリル酸エステル等をベースとした
種々の機能性製品を開発し、環境・エネルギー
分野、情報・電子分野、パーソナル分野等、技術
革新が目覚ましい成長分野へ提供しています。
これからも、古くて新しい素材「油脂」のさら
なる可能性を探究するとともに、長い間蓄積
してきた当社固有の技術力をベースに油脂
化学・石油化学の幅広い分野で新たな高機能
素材を開発し、成長する先端分野で存在感の
ある事業を展開してまいります。
尼崎工場
天然の油脂を原料として各種の脂肪酸とグリセリンを製造して
います。これらの脂肪酸およびグリセリンを出発原料として数
多くの機能性化合物を製品化しています。
低刺激性界面活性剤
ヘアシャンプー、ボディシャンプーなど様々な製品に活用されています。
川崎事業所 千鳥工場
エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドを原料として各
種多様なポリオキシアルキレン誘導体を製造しています。
■低刺激性界面活性剤
毎日使用するヘアシャンプー、ボディシャンプーなどの身体清浄剤には、皮膚や目に対
する刺激が少ないものが求められています。当社はいち早くこの要望に対応し、低刺激
性界面活性剤「ダイヤポン獏(アシルメチルタウリン塩)」、「ニッサンアノン獏LA(アミ
ノ酸型両性界面活性剤)」などの製品化を行っています。「ダイヤポン獏」は、当社独自の
手法で高品質化、量産化に成功したもので、その組成は生体関連類似物で構成されてい
ます。「ニッサンアノン獏LA」は、ボディシャンプー用基剤として当社独自のコンセプ
トで開発した低刺激性界面活性剤です。これらの界面活性剤は多くの最終製品に使用さ
PT.SINAR OLEOCHEMICAL INTERNATIONAL(インドネシア)
脂肪酸を製造しています。
れ、高い評価を受けており、低刺激性界面活性剤の開発にさらに大きな期待が寄せられ
ています。
主要製品
■脂肪酸類
硬化油、一般脂肪酸、単体蒸留脂肪酸、
ステアリン酸、
グリセリン、高級アルコール
■脂肪酸誘導体・界面活性剤
金属石鹸、
アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、
ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、繊維油剤、
金属油剤、合成樹脂添加剤、重合用乳化剤、香粧品原料、
医薬品原料、
クリーニング用洗剤、食品用乳化剤、
飼料添加剤、紙パルプ工業用薬剤、発酵工業用薬剤、
各種洗剤原料、石炭用分散剤、
土木・建築・セラミック用添加剤
■石油化学品
ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、
ポリアルキレングリコール、消泡剤、
エポキシ樹脂反応性希釈剤、
各種メタクリル酸誘導体、難燃剤、
各種ポリアルキレングリコール誘導体
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■高純度不飽和脂肪酸
天然油脂に含まれる様々な成分を純粋に取り出す技術は、日本油脂の独壇場ともいえる
分野です。バイオテクノロジーを融合した独自の分離・精製法によって作り出される高
純度不飽和脂肪酸は、世界初99.9%以上の純度を誇り、無色・無臭で安全性、安定性にお
いて比類ない特長を持っています。製品としては、応用性の高いオレイン酸を中心に、
高純度不飽和脂肪酸「エキストラシリーズ」(オレイン酸、パルミトオレイン酸、リノー
ル酸、α-リノレイン酸ほか)と、高純度オレイン酸の誘導体があります。これらは医薬
品や化粧品、健康食品などの中でもハイテク分野に需要が高く、利用範囲もますます大
きく広がっています。
油化事業
■エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体
油脂化学分野から誕生した界面活性剤は、新たな原料を石油化学にも求めるようになっ
たのを機に、1961年、川崎市に千鳥工場を新設。エチレンオキサイド・プロピレンオキ
サイド誘導体の事業化に進出しました。エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘
導体は、界面活性剤・潤滑油などのベースオイルとして、広く洗浄剤、香粧品、金属加
工等の分野に使用されています。
■高分子型機能剤
高分子特有の増粘、増膜、凝集、分散、接着などの性質を活かし、特殊な機能を付与す
るための薬剤としての高分子型機能剤。この分野における代表的な素材には、無水マレ
イン酸とエチレンオキサイド・プロピレンオキサイド誘導体技術との融合により開発さ
れた「マリアリム獏」があります。「マリアリム獏」は、液体と固体の界面に働き、固体粒
子の液体中への分散作用を有する機能剤として注目されています。最近のコンクリート
構造物には高強度化、高耐久性化が要求され、使用水量を減少させることが必要となっ
日 本 油 脂グル ープ会 社による
製品展開
●日本油脂が得意とする脂肪酸を原料
とし、乳牛・肉牛・豚用の飼料添加物を
製造、販売しています。ミネラルその他
の飼料添加物と合わせて、多様な畜産
用途に対応する高機能な製品群は高い
評価を得ています。
●製紙の製造工程ではデポジット
(異物)
を少なくすることが、省資源や古紙利用
率向上のカギとなりつつあります。この
問題解決に優れた技術を持って取り組
み、提供する製紙薬剤(デポジットコント
ロール剤)は、国内大手の製紙工場で
採用されています。
ていますが、「マリアリム獏」は、この目的を達成するための重要な薬剤として、大きな
期待が寄せられています。
■電気・電子・情報関連材料
近年、電気・電子・情報関連分野におけ
る微細化、高速化の追求に伴い、特殊な
性質を持つ化学材料が求められていま
デポジットコントロール剤「ミルスプレー獏」
す。当社は、その脂肪酸精製技術、エス
製紙工程中の不純物の対策に大きな力を発揮しています。
テル合成技術、金属石鹸製造技術を利用
して、油脂化学品に高度な加工を施し、
電気・電子・情報分野のニーズに適合し
たまったく新しい素材として登場させよ
うとしています。
高純度脂肪酸エステルの融解挙動、電気
特性などを利用した電子材料用潤滑剤、
業界初の1袙クラスの微細金属石鹸の粒
エレクトロニクス関連材料
脂肪酸関連技術は、電気、電子、情報分野での活用も注目され
ています。
子挙動、静電特性を利用した画像形成材料、極性オリゴマーの特異な離型性を利用した
電子製品離型剤などを皮切りに夢が実現に近づこうとしています。脂質とエレクトロニ
●塗床材分野では、施工の迅速化と多
様化および高品質化が求められていま
す。
「ブレンマー獏RC(メタクリル系樹脂)」
は、硬化時間が短く、マイナス温度でも
硬化し、骨材との優れた接着力で高強
度のコンクリートモルタルが得られるとい
った特長を備え、食品工場、物流セン
ター、倉庫などの各種施工にお役立て
いただいています。
クスの結合、馴染み深いけれど新しい、それが当社の目指す電子材料の姿です。
■光反応性モノマー
近年の情報・通信等の電子機器の高性能化に伴い、感光性樹脂用(メタ)アクリル酸エ
ステルモノマーの需要が高まっています。これらは紫外線硬化型塗料、接着剤、刷版材
料、感光性レジスト、身近なところでは歯科材料などの分野に活用されています。当社
ではエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド誘導体をベースに、光反応性に優れ、
刺激性の少ない(メタ)アクリル酸エステルモノマーの開発製造を行っています。これ
らは、電子材料の他に土木、医薬品など幅広い分野にも需要があり、これからも省エネ
ルギー、環境保護といったニーズに合った製品の開発が期待されています。
11
塗床材「ブレンマー獏RC」
床材、駐車場やプラットホームなどの新設、補修材に
最適です。
化成事業
斬新な発想で、ケミカルの新分野を開拓
化成事業は、1957年の有機過酸化物事業創業以
来、着実に事業領域を拡大し、現在では、有機過酸
化物製品、石油化学製品、機能性ポリマー製品を柱
として、多彩な事業を展開しています。
有機過酸化物製品事業では、積極的な製品開発と
新規用途開拓に努め、世界有数の総合有機過酸化
物メーカーとして高い評価を受けています。
石油化学製品事業では、
ポリブテン、
イソパラフィン
系無臭溶剤、無水マレイン酸等を製造し、広く関連
業界の発展に寄与しています。
機能性ポリマー製品事業では、特異構造グラフトコ
ポリマー・ブロックコポリマーの樹脂改質分野への
提供、独自の技術と発想から生まれた反射防止フ
ィルム、機能性フィルムの市場開拓等、斬新な発想
から生まれた高機能製品群の積極的な応用展開
を図っています。
これからも、次世代技術に対応すべく固有技術を
駆使して最先端素材の開発に注力し、ケミカルの
新分野を開拓してまいります。
愛知事務所 衣浦工場
有機過酸化物、機能性ポリマーおよび反射防止フィルムを製造
しています。
大分工場
ポリブテン、
イソパラフィン系炭化水素溶剤、無水マレイン酸を
中心に製造しています。
パソコンのハウジング
PT.NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIES
(インドネシア)
有機過酸化物を製造しています。
主要製品
■有機過酸化物
■有機過酸化物
有機過酸化物は、プラスチック、フィルム、AV機器のハウジングなど、様々な合成樹脂
製品や合成ゴム製品の重合開始剤および架橋剤として使われています。当社は自社技術
による有機過酸化物の工業化に成功し、1957年に販売を開始して以来、様々なニーズに
不飽和ポリエステル樹脂硬化剤、
合わせた有機過酸化物の開発と新しい用途を積極的に開拓してきました。日本のトップ
塩化ビニール重合開始剤、
メーカーとして、世界の総合有機過酸化物メーカーとして、その品質と技術開発力は高
低密度ポリエチレン重合開始剤、
い評価を受けています。高品質の有機過酸化物を安全に製造する技術に対して、1965年
その他各種ポリマー重合開始剤、
ポリオレフィン架橋剤、各種合成ゴム架橋剤
■機能性ポリマー
低収縮剤、高分子表面改質剤、
ポリマーアロイ相溶化剤、特殊低反射フィルム
■石油化学品
ポリブテン、無水マレイン酸、フマル酸、
イソパラフィン系無臭溶剤、
化粧品ベースオイル、各種マレイミド
12
有機過酸化物は、重合開始剤、架橋剤として様々な合成樹脂に使われています。
には有機合成化学協会から技術賞を、1967年に日本化学会から化学技術賞を授与されま
した。1995年には有機過酸化物の海外生産拠点として、インドネシアにPT.NOF MAS
CHEMICAL INDUSTRIES(NMC)を設立しました。
化成事業
■石油化学分野
C4(ブタン、ブテンなど)留分を原料とする石油化学分野への進出を目指し、1969年に
大分工場を開設しました。ここでは、ポリブテン、イソパラフィン系無臭溶剤、無水マ
レイン酸等を製造。潤滑油、粘・接着剤、絶縁油、不飽和ポリエステル、有機酸等の原
料として、広く関連業界の発展に寄与しています。
化粧品ベースオイル「パールリーム獏」
化粧品の油性基剤であるスクワランなどの高価なオイルの代
替品として世界中で使われています。
■スペシャリティーポリマー製品
「モディパー獏/ノフアロイ獏シリーズ」
近年、合成樹脂の分野では、新しい樹脂を開発するよりも、コスト・研究効率の面から、
既存の樹脂の改質により高機能性樹脂を開発する動きが一般的です。特殊有機過酸化物
をベースに開発した日本油脂独自のスペシャリティーポリマー製品「モディパー獏/ノフ
アロイ獏シリーズ」は、樹脂の改質やポリマーアロイの相溶化剤として、また防曇加工用
途にも高い評価を受けています。この成果に対し1992年、日本化学会から化学技術賞を
授与されました。今後もさらに高機能素材の開発を進め、幅広いニーズにお応えします。
スキーゴーグルに使用されている防曇塗料
「モディパー獏/ノフアロイ獏シリーズ」を応用した防曇塗料
を適用して様々な用途で製品化されています。
■機能性フィルム
独自の「材料開発技術」、「製品設計技術」、「薄膜コーティング技術」の三つのコアテク
ノロジーを核に反射防止フィルム「リアルック獏」を始め、透過光制御フィルム「ライト
ナビ獏」、書味向上フィルム「ペンフィット獏」など各種ディスプレイ分野で広く使用され
ている製品群を開発しています。
リアルック獏の製造
特殊低反射透明板「リアルック獏F」
反射を抑えたクリアな光学性と、強い安全性、軽量さが特長。
目的に合わせて、サイズやデザインも自由に設計できます。
13
化薬事業
最先端のパイロテクノロジーによる
新しい未来への挑戦
化薬事業は、1919年の火薬事業創業以来、
卓越した研究開発力と製造技術による高機能
製品群と安全性を最優先とした応用技術を創
出し、社会に提供してきました。
現在では、世界でも稀有な総合火薬メーカー
として確固たる事業基盤を築いており、産業
用火薬事業、防衛・宇宙開発用火薬事業およ
び民生品事業を展開しています。
産業用火薬事業では、膠質ダイナマイト、含水
爆薬、電気雷管および遠隔制御発破装置等に
より、
トンネル掘削をはじめとする国土開発に
寄与しています。
防衛・宇宙開発用火薬事業では、発射薬、銃砲
弾、ロケット用推進薬、火工品等、最先端技術
を活かした高性能製品によって、国の防衛と
宇宙開発に貢献しています。
また民生品事業では、自動車用安全部品、海
洋機器、示温材、滅菌資材、医薬品原料、防犯
機器等、日常生活に関連する様々な分野へ製
品を提供し、幅広く社会に貢献しています。
これからも、最先端のパイロテクノロジー(火
工品技術)を最大限に活用して新しい未来へ
挑戦してまいります。
愛知事務所 武豊工場
万全な安全体制のもとで、ハイクオリティな各種火薬類製品を
生産しています。
神岡出張所
安全と環境に配慮して、奥飛騨山麓の地下空間で各種火薬類
の評価試験を展開しています。
H-ⅡAロケット
固体ロケットブースタに当社の高性能大型固体推進薬を提供。
(写真提供:宇宙航空研究開発機構)
種子島事業所(宇宙航空研究開発機構:種子島)
宇宙ロケット用固体推進薬の製造を担い、日本の宇宙開発に貢
献しています。
■宇宙ロケット用固体推進薬
宇宙航空研究開発機構(旧宇宙開発事業団)
は2001年8月、
日本の商業衛星打ち上げ参入を目指
主要製品
して、
H-Ⅱロケットを低価格、
高性能に改良したH-ⅡAロケットの打ち上げに成功しました。H-ⅡAロ
■爆薬
ケットは、
液体水素と液体酸素を燃料とする 液体ロケットエンジン と、
日本油脂火薬技術の粋を集
膠質ダイナマイト、粉状ダイナマイト、
エマルション系含水爆薬、
アンホ爆薬
■火薬
猟用・射撃用発射薬、防衛用発射薬、防衛用推進薬、
弾頭炸薬、宇宙開発用ロケット推進薬
■填薬・組立
ミサイル・砲弾・空包・機雷
■火工品他
雷管、
ロケット用各種火工品、安全発破器類、
盗難防止警報機、静的破砕剤、火薬類廃棄
■自動車用安全具
エアバッグ用インフレータ、
シートベルトプリテンショナー用マイクロガス発生器
■医療
心疾患治療剤用医薬原料(ニトログリセリン系)
、
医療滅菌用資材
14
めた高性能大型推進薬を使用した 固体ロケットブースタ を基本構成とした2段式ロケットで、
世界
の大型ロケットに肩を並べる高い打ち上げ
能力をもっており、静止軌道に2トン以上の
衛星を打ち上げることができます。また、MⅤロケット打ち上げにも当社の技術陣が係
わっています。M-Ⅴロケットは世界でも類の
ない全段高性能固体推進薬を用いた3段
式ロケットで、21世紀の宇宙探査計画を支
えるロケットとして熱い注目を集めています。
1997年12月には、
種子島宇宙センター内
に種子島事業所を開設し、
効率的な宇宙
開発に寄与しています。
H-ⅡAロケットSRB-Aモータ
高性能大型推進薬を使用した固体ロケットブースタ。
(写真提供:宇宙航空研究開発機構)
化薬事業
■産業用爆薬
国土・海洋開発や各種鉱山等の分野で高い信頼を集めて
いる当社グループの産業用爆薬。安全指向の高まりに応え
て開発された高性能かつ安全性の高いエマルション爆薬
は、
トンネル掘削をはじめとする幅広い分野で使われていま
す。起爆方式においても新システムを開発し、
これまで難所
とされていた海中での発破を可能にした電磁誘導式の遠
隔制御発破装置「RCB」は、瀬戸大橋の建設にも使用され
ました。さらに、
これらの技術の応用から、電磁誘導起爆シ
ステム「MBS」ならびに集中管理発破システムの実用化を
達成。また、
レーザーやマイクロ波を利用した起爆システム、
トンネル用爆薬装填ロボットなども開発中です。
用途に応じた産業用爆薬
油中水型エマルション系の含水爆薬、膠質ダイナマイト。
■海洋機器
21世紀の世界的テーマの一つに海洋の利用・開発がありま
す。その海洋開発において日本の役割は大きく、国家のプ
ロジェクトとしても大きなウエイトを占めています。グループ会
社の日油技研工業( 株 )は、海洋観測・調査に必要な「海
洋調査機器」の研究・開発に取り組み、固有の火工品技術
による固体式ガス発生器を応用した「水中自動切離装置」
を開発し、超音波や計測・制御などとの複合化された技術
によって、最先端の海洋開発機器を誕生させてきました。最
新のL-Ⅱ型切離装置は、水深1万mまでの切離しを実現し、
深海の調査 、海流の計測 、海底ケーブルの敷設や海洋土
木工事などの飛躍的な進歩に貢献している他、
これらの技
術や製品は、現在、国家プロジェクトとして進められている大
陸棚調査においても海底地震計用の切離装置として、海底
ボーリングマシーンとして重要な役割を担っています。そして
今、地球環境問題などがクローズアップされている中、確か
な安全性と信頼性に裏打ちされた製品作りと技術サービス
は、関係官庁、研究機関、学術関係、産業界から大きな期待
と注目を集めています。
水中自動昇降装置
15
化薬事業
自動車用エアバッグ試験
「パワー&制御」未来に向かって
当社のガス発生剤・点火薬が使用されている自動車用エアバッグ。
■発射薬
創業以来、一貫して生産してきた防衛用・民需用の発射薬は厳しい品質保証体制に基づ
き、常に高性能な製品を生み出しています。また長年にわたって蓄積してきた技術をフ
ルに活かして、絶えず新製品の開発に力を注いでいます。研究開発中の製品には、高射
機関砲用、戦車砲用、訓練弾用、新多目的榴弾用などの発射薬があります。
日本工機株式会社
防衛用装備品から産業用火薬、一般産業用精密加工品まで
各種火薬関連製品を製造・販売しています。
日油技研工業株式会社
医療滅菌用資材、海洋機器から宇宙開発に至る幅広い分野で
の製品を製造・販売しています。
発射薬
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化薬事業
■推進薬
1954年に製造を開始したロケット用推進
薬は、主に防衛用ロケットやミサイルの
推進燃料として発展してきました。ダブ
ルベース推進薬、コンポジット推進薬を
はじめ、あらゆる種類の推進薬を市場に
送り出し、その技術力は高い評価を得て
います。さらに高性能で低コストの新し
い組成、新しい製造法による推進薬を生
み出していきます。
圧伸式推進薬
■銃砲弾
グループ会社の日本工機、昭和金属工業、
日邦工業が製造・販売する防衛用銃砲
弾、民需用装弾は各種空包、信号弾、普
通弾、実弾、焼夷榴弾、曳光弾、徹甲弾、
擬製弾、競技・猟用装弾など多岐にわた
り小・中口径銃砲弾のすべての種類をカ
バーしています。また大口径砲弾につい
ての填薬・組立を行っています。
各種小火器用空包
専用ゲージによるチェック
■医薬原料
新規事業として脚光を浴びているのが、
ニトログリセリンをベースにした製剤原
料の量産化技術です。製剤原料の製造承
認許可を取得し、日本における高齢化、
食生活の欧米化に伴い急増している心臓
病患者への製剤原料の製造を開始しまし
た。化薬事業は医薬品の分野でも社会へ
の貢献をはじめました。
狭心症患者用製剤
バッカル剤、テープ剤、注射
剤等。ニトログリセリンをベ
ースにした日本油脂の製剤原
料が使用されています。
■自動車用安全具
米国では90年型車からエアバッグまたはパッシブシートベルトの全車種への装着が義務付けられ、
国内においてもこれら自動車用安全具の標準装備化は急速に進みました。グループ会社のオート
リブニチユ、
昭和金属工業はエアバッグ用インフレータ、
シートベルトプリテンショナー用マイクロガス
発生器などの自動車用安全具の生産、
販売を行っています。火薬の瞬間的爆発エネルギーをコン
トロールして私たちの生活に役立つものを提供するグループ総合力が結集されています。
シートベルトプリテンショナー
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食品事業
おいしく、健やかに
「食」の豊かさを一つ一つかたちに
食品事業は、1917年の創業以来、常に他
社に先駆けて食用油脂の精製・加工技術の
革新に取り組んできたパイオニアです。現
在では、事業領域を拡充し、食用加工油脂
事業と健康関連事業を展開しています。
食用加工油脂事業では、マーガリン、ショ
ートニング、製菓改良脂、離型油、フィリ
ング・トッピング材、粉末油脂、調理・冷
凍食品用素材等、油脂加工のパイオニアと
して培ってきた技術をベースに「おいしさ」
を追究した製品開発に努め、広く食品産業
に貢献しています。
健康関連事業では、機能性脂質、乳化・可
溶化製品、油脂コーティング製品、医療栄
養食等、社会へ「健康」を提供するための
技術研鑚に努め、次々と新製品を開発して
います。
おいしく、健やかに、「食」の豊かさを一つ
一つかたちに、これからも社会に貢献でき
る製品を提供してまいります。
川崎事業所
主要製品
大師工場
クロスコンタミネーションの防止、完全なゾーニングなどHACCPを取得した最新鋭工場
■ショートニング
製菓・製パン用
■マーガリン
製菓・製パン用、テーブル用、冷凍食品用、調理用
■クリーム用油脂
ホイップクリーム用、コーヒークリーム用
■フィリング・トッピング素材
製菓・製パン用、調理用
■粉末油脂
インスタント食品用、スナック食品用、
冷凍食品用、飼料用
■離型油
製パン用、和・洋菓子用
■食用加工油脂
食用油脂は、3大栄養素の一つとして私達の健康に重要な役割を果たすとともに、食品の
おいしさの主役として多くの食品でその機能を発揮しています。
当社では様々な加工食品向けに、マーガリン、ショートニング、フィリング、乳化油脂、
粉末油脂などの食用加工油脂を提供し、広く食品産業に貢献してきました。
当社の固有の油脂加工技術を活かし、多様化する食品のニーズにすばやく的確に対応す
ることができます。油脂の機能を活かした新しいパン・菓子等の開発、調理・冷凍食品
の開発など新たなマーケットを創生する当社独自の提案により豊かな「食」を一つ一つ
形にしていきます。
■医療栄養食
■特別用途食品
■機能性脂質
■マイクロカプセル製品(油脂コーティング)
■可溶化液製品
■日持向上製剤
■加工食品素材
新製品開発ミーティング
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食品事業
■機能性脂質
当社では、油脂の抽出、精製、安定化技術を基盤として、人々の健康な生活に寄与する機能
性脂質の開発を行っています。
母乳にも含まれる機能成分「DHA」にいち早く着目し、独自の精製脱臭、加工技術で製品化
しました。
現在は油脂のみに留まらず、脂質全体を視野に入れた研究開発に取り組み、幅広い機能性
脂質素材を市場に展開しています。
最 近 では 、新しい D H A 素 材「 P C - D H A 」
(DHA結合リン脂質)や、新しいブレインフード
素材「PS」
(ホスファチジルセリン)などが、高
PC-DHA
魚 卵から抽 出した P C - D H A
(DHA結合リン脂質)を配合し
たソフトカプセル。
付加価値素材として注目され、機能食品市場
で高い評価を得ています。
タブウェルコート獏
当社の粉粒体技術を応用した打錠品群。素材をマイクロカプセ
ル化(油脂コーティング)
して配合することにより、打錠適性の大
幅改善を実現しました。
■医療栄養食
当社の脂質の栄養生理学から生まれた病人用の医療栄養食 。近年 、高齢者人口の増加
により増えている脳卒中、骨粗鬆症などに起因する長期臥床患者等や、手術前後の体力回
わが
復を図る食品として利用されているのが濃厚流動食「サンエット獏 」シリーズです。また、
国の腎臓病患者は潜在患者を含め300万人といわれています。この治療に当たっては、蛋白
質摂取制限が必要であり、医師・管理栄養士に指導を受けている方にご利用いただいている
のが低蛋白質・高カロリーの「マクトン獏 」シリーズです。
医療栄養食
液状濃厚流動食「サンエット獏-N3 ソフトバッグ」。
■乳化・可溶化製品
永年蓄積してきた油脂の乳化技術を活かして、様々な製品を開発しています。
蘆製菓用乳化油脂
油脂を乳化することで、
ケーキ生地に添加しやすくなり、
また様々な機能を付与することができます。
蘆多重乳化製品
加 熱により失われやすい風 味 成 分 、不 安 定な機 能 成 分 等を、油 脂 相と水 相で多 重に乳 化
することで、食品の焼成時に安定に保持することができます。
蘆可溶化製品
乳化粒子をナノレベルまで微細化( 可溶化 )することで、透明性、安定性向上、生体利用率
( Bioavailability )の向上等の新たな機能が得られます。この機能を生かしてビタミン、機
能性脂質等の可溶化液を開発しています。
■マイクロカプセル化(油脂コーティング)
当社が独自に開発した「マイクロカプセル化技術」は、油脂で芯物質をコーティングすることによ
る安定性向上、味のマスキング、吸湿防止、接触回避などの機能を実現し、食品、医療、飼料な
どの広範囲な分野に様々な展開を可能にしました。粉末状の芯物質を常温でそのままカプセ
ル化することが可能で、各種ビタミンや健康ニーズを背景とした天然抽出物などを中心に多様
なマイクロカプセルが実用化されています。
ビフィズス菌マイクロカプセル
最近では、新たに水溶性物質によるコーティング技術を開発し、
これらを組み合わせることで、胃
生きたままビフィズス菌を封じ込める独自の技術。
での耐酸性付与や生体吸収性の向上機能を実現し、
さらにその応用分野が広がっています。
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ライフサイエンス
事業
独創的なテクノロジーで
クオリティ オブ ライフに貢献
ライフサイエンス事業は、
「リン脂質極性基
を 有 す る M P C ポリマ ー の 製 造 技 術 の 開
発 」の 成 功 を 機 に 本 格 的 に 事 業 運 営 体 制
を 整え、M P C 応 用 製 品 の 積 極 的な 市 場 展
開を進めています。
MPCポリマ ー の画期的特性である高度な
生体適合性機能を発揮できる分野として、
現在では、
コンタクトレンズ保存液・洗浄液、
スキンケア・ヘ アケア用 化 粧 品 材 料 、さら
には「 肌に優しい 繊 維 」を 可 能にする繊 維
加工剤等、多岐分野にわたって生体関連材
料・LIPIDURE 獏(リピジュア 獏シリ−ズ)の
応用展開を進めています。
また、脂質・遺伝子・糖等を対象として開発
した 酸 化 ストレスマ ー カ ー は、診 断・研 究
用試薬として、老化や 生活習慣病に伴う病
気の研究等に活用されています。
今後も、独創的なキーテクノロジーを核に、
「クオリティ オブ ライフ」に貢献してまいり
ます。
MPC(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)
・生体にやさしい機能性モノマー(生体適合性材料)
重
合
性
の
部
位
生
体
親
和
性
の
部
位
MPCポリマー(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体)を配合した化粧品
■生体関連材料
当社は科学技術振興機構の協力のもと、生体適合材料として画期的な新素材MPC(2−メタ
クリロイルオキシエチルホスホリルコリン)をモノマーからポリマーまで一貫して製造す
る商業プラントを、世界に先駆けて完成させました。MPCは、細胞膜に酷似した成分と重
合性基を有する成分からなるため、生体への親和性が高く、コンタクトレンズ、コンタク
トレンズ液等アイケア分野、化粧品分野、繊維加工剤、さらには医療ディバイス等への新
素材として、幅広く使用されています。
蘆化粧品用材料
健康で美しい肌を保つためには、皮膚表面のしなやかさ、滑らかさ、柔らかさなどの性
質が必要です。これらの性質を左右するのが、表皮の最外層である角質の水分量です。
MPCのもつ高い保湿性、保護皮膜形成、肌荒れ抑制効果等を活かして、MPCポリマー
(商品名:LIPIDURE獏/リピジュア獏)は、スキンケア、ヘアケア、メイキャップ等の分
野の様々な化粧品に用いられています。
大分工場MPCポリマープラント
蘆コンタクトレンズケア用品
大分石油化学コンビナート内に立地しています。世界に先駆け
てMPCモノマー・ポリマー製造プラントを設立しました。
MPCポリマーにより、簡単ケアを可能にする酵素一体型のハードコンタクトレンズ用洗
浄保存液を開発、コンタクトレンズメーカー各社に提供しています。MPCポリマーの働
きで、レンズに付着した蛋白質を分解する酵素を安定化させ、優れた洗浄力を付与する
主要製品
ことができます。コンタクトレンズの装用感に優れ、眼の乾きを低減させることもでき
■生体関連材料
ることから、従来品とは一線を画する製品として好評をいただいています。
コンタクトレンズ、
コンタクトレンズケア用品、
化粧品用材料、
MPCポリマーを原料に用いたソフトコンタクトレンズは、眼の乾きやすい方々にも処方
繊維加工剤、
可能なコンタクトレンズとしてアメリカFDAの認可を受け、アメリカ、ヨーロッパで高
医療ディバイス用コーティング材料
い評価を得ています。
■診断・研究用試薬
酸化ストレスマーカー、
ELISAキット
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蘆コンタクトレンズ
ライフサイエンス
事業
蘆繊維加工剤
近年、肌にトラブルを抱えている人が増加しており、繊維の機能化の一つとして、スキンケア加工が注目されています。MPCポリマーは角質層
のバリア機能を高めることから、皮膚刺激を低減させる効果やバリア機能の回復効果を発揮します。この利点を活かしてMPCポリマーを繊維に
加工することにより 肌に優しい繊維 を実現し、さらに、吸保湿性、帯電防止性および防汚染性などの機能を付加することも可能になります。
蘆医療ディバイス用コーティング材料
医療用ディバイス・人工臓器で要求される性能の一つとして、抗血栓性が挙げられます。MPCポリマーをコーティングすることにより血小板等
の蛋白質の吸着を防ぐことができ、抗血栓性を主目的にした人工透析やカテーテル等の医療ディバイスのコーティング材料として注目されてい
ます。
蘆生化学研究用診断薬
LIPIDURE獏-BLシリ−ズは、リン脂質系高分子を原料とする完全合成のマルチ人工蛋白質です。合成高分子なので、生体由来の高分子のような
感染のリスクはなく、熱・凍結融解に対して高い安定性があり、ロット間差や交差反応はありません。また、化学合成品なので、分子量、親水
/疎水バランス、電気化学的性質等自由にコントロールできます。この製品の使用により、試薬の管理が容易になり、試薬性能の向上・改善お
よび生物学的危険性の排除が期待できます。
■診断・研究用試薬
蘆アッセイ用試薬
免疫学的測定用ブロッキング試薬およびペルオキシダーゼ安定化試薬の販売をしていますが、これらの試薬は主成分が完全合成ポリマーからな
っており、BSAなどの動物由来の原料を一切使用していません。ブロッキング性能、酵素安定化性能に優れている他、合成物ならではの種々の
特性をもっています。
蘆酸化ストレスマーカー
免疫研究用抗体
動脈硬化、ガン、糖尿病など、老化に伴う多くの病気が酸化ストレスに起因するといわれています。脂質、遺伝子、糖を対象として、その酸化
ストレスを測定するマーカーを開発しています。現在、脂質のマーカーとして抗ACR(アクロレイン)抗体、抗4-HNE(4-ヒドロキシノネナー
ル)抗体、抗MDA(マロンジアルデヒド)抗体、抗CRA(クロトンアルデヒド)抗体を、遺伝子のマーカーとして抗8-OHdG(8-ヒドロキシデ
オキシグアノシン)抗体を、糖のマーカーとしては抗MG(メチルグリオキザール)抗体を販売しています。これらのマーカーは、老化や生活
習慣病に伴う病気の研究に活用され、また生体内の有害な活性酸素を抑える食品(老化予防用抗酸化食品)などへの開発に活用されています。
ELISAキット
生体内で脂質の過酸化反応で生じるアクロレインの定量的な測定にACR測定用ELISAキット、
その他、遺伝子の酸化ストレスマーカー8-OHdG測定用ELISAキットを販売しています。
ELISAキット
生体内で脂質の過酸化反応によって生じるアクロレイン
の定量的な測定にACR測定用ELISAキット、その他、遺伝
子の酸化ストレスマーカー8-OHdG測定用ELISAキット
を販売しています。
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電材事業
いずれも日 本 化 学 会 の 化 学 技 術 賞を 受 賞
した「グラフトポリマ ー 化技術 」および「ブ
ロックカルボン酸 硬 化 技 術 」を キ ーテクノ
ロジーとして開発した高機能製品群を、情
報・電子関連先端分野へ 提供することを目
的に、2001年に電材事業部門として独立
しました。
変革の著しい電子材料分野において、先進
的 な 世 界 のデファクトスタンダード商 品と
なるべく、液 晶 表 示 関 連 製 品 、ハンダ実 装
関 連 製 品 、高 周 波 基 板 関 連 製 品 、リチウム
電池用電解質等を主要製品として、積極的
な技術開発と市場展開を進めています。
これからも 最 先 端 技 術を 駆 使した 画 期 的
な 高 機 能 素 材 を 情 報・電 子 分 野 へ 提 供 す
るため、挑戦し続けます。
最先端技術を情報・電子分野へ
■液晶表示関連
当社の固有技術であるブロック酸硬化技術をベースとした透明性、耐熱性を活かすため、
液晶ディスプレイ関連材料の開発を戦略的に進めています。
■高周波基板関連
情報・通信機器分野では、伝送周波数の高周波数化が進み、GHz領域で使用可能な電気
特性に優れる基板材料の開発が強く要望されています。当社では、グラフトポリマー化
技術を活かして高周波対応基板などの開発を推進しています。
■リチウム電池電解質
当社固有の末端修飾ポリエーテル化技術を活用した、電子材料関連、特に、固体リチウム二
次電池用電解質の開発を進めています。
■その他
情報・電子分野では、高性能化のために材料への新しい機能要求が常に生じています。これ
らの要求に応えるべく、固有技術を活かした分野への技術開発に積極的に取り組んでいき
日本化学会技術賞
ます。具体的には、地球環境問題から鉛フリーはんだの開発が世界的な潮流になってお
り、このようなはんだに対応できるフラックスとして、ブロックカルボン酸技術の応
用による高機能フラックスの開発などに取り組んでいます。
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DDS事業
現在、医薬品開発分野では、薬物の治療効果
を 最 大 限に発 揮させ る薬 物 送 達システム
(DDS:Drug Delivery System)が注目
されています。DDSとは、医薬品の生物活
性、副作用、病巣へのターゲティング、化学的
安定性、代謝活性等を調整して、体内の必要
な場所に必要な量を必要な時間だけ作用さ
せ、医薬品をより効果的に使用できるように
するものです。
当社は、
このDDS分野において、ポリエチレ
ングリコール(PEG)誘導体、
リン脂質、高純
度不飽和脂肪酸等、当社固有技術である合
成・精製・品質制御技術によって開発された
創造性の高い製剤材料および製剤技術を提
供しています。
これからも、高純度素材および新規技術によ
りDDS革新へ貢献してまいります。
高純度素材および新規技術によりDDS革新へ貢献
■PEG修飾剤
蛋白質製剤は一般に体内での安定性、抗原性に問題があり、これらの問題点を解決する
ための一手段としてPEG誘導体による修飾が進められています。当社では、独自の合
成・高純度精製技術を駆使して開発した活性化PEG「SUNBRIGHT獏シリーズ」を提供し
ています。
■リン脂質
1990年代初期よりcGMPに対応した高純度リン
更に新
脂質「COATSOME獏シリーズ」を供給し、
規リン脂質やPEGリン脂質およびそれらを用い
たリポソーム処方技術の開発も行っています。
また、簡単に薬物や遺伝子を処方できる
研究
用中空リポソーム製剤 「COATSOME 獏ELシ
リーズ」も提供しています。
リポソーム電顕像
(写真提供:日本エフイー・アイ㈱)
■高純度不飽和脂肪酸
高度精製技術を用い、高純度不飽和脂肪酸およびこれらの誘導体「NOFABLE獏シリーズ」
を提供しています。特に高純度オレイン酸(99%以上)を用いた非イオン界面活性剤は、
不純物が少なく安全性も高く、乳化剤、溶解剤として配合する際に薬物の性能低下を極
力抑制することができます。
クリーンルーム
リポソーム、
マイクロカプセルなどを製造しています。
尼崎工場
1987年にリン脂質のGMP生産設備を完成し、世界に先駆
けて海外のリポソーム医薬品向けに高純度リン脂質を供給し
ています。
オレイン酸の結晶
応用度の高いオレイン酸は、今後ますます
ハイテク分野での活用が期待されます。
W/O/W エマルジョン
■新規素材
新しいナノ粒子として、コレステロールプルラン誘導体を用いたものも開発しています。
コレステロールプルランのナノ粒子に、抗原や特定の蛋白質を埋包あるいは結合させるこ
とにより、免疫応答系への応用が可能となります。
川崎事業所 DDS工場
薬物修飾用高純度PEG誘導体製造設備の稼働を2005年10
月に開始しました。
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防錆事業
環境にやさしい、表面処理を!
防錆事業は、独創性の高い防錆処理剤を
核に最先端の表面処理技術を蓄積し、自動
車部品防錆処理の世界的デファクトスタン
ダードとなるまでに発展してきました。
現在では、国内およびアジア地域で事業を
展開する株式会社日本ダクロシャムロック
を中心に、米国ではMETAL COATINGS
I N T E R N A T I O N A L I N C . , 欧 州では
DACRAL S.A.(仏)等グローバルなネッ
トワークを構築し、全世界の自動車生産拠
点に向けた防錆処理剤の供給体制を整え
ています。
これからも環境にやさしい表面処理を最
優先課題に、高機能製品の開発と防錆処
理技術の向上に取り組んでまいります。
「ジオメット獏処理」をした部品
環境負荷物質を含まず地球に優しい完全無公害防錆剤「ジオメット獏」が世界の自動車メーカーに採用されています。
株式会社日本ダクロシャムロック
METAL COATINGS INTERNATIONAL INC.
本社(アメリカ)
「ダクロタイズド獏処理」をした部品
主力の自動車用途以外にも、アクアラインのセグメントボルト、橋梁など土木用途の締結金具にも使用が増加しており、プレハブ住宅金具、
家電・船舶機器など多様な分野に展開しています。
DACRAL S.A. 本社(フランス)
DACRAL
MCII
NDS
KSR
MCB
ダクログループ各社の販売テリトリー
主要製品
■自動車部品用防錆コーティング剤
■透明プラスチックの表面硬化処理剤と加工
■無排水塗装前処理システム
■マグネシウム合金用水系クロムフリー表面処理剤
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「ハードコート処理」
新幹線車両窓、防毒マスク面体、バイク風防、建機車両窓、
メーターカバー、パネルカバー、スクリーンに採用されて
います。
研究開発
Innovate Materials, Innovate Technologies.
─新素材を創出し革新的技術を創造する─
日常の生活スタイルを変化させるIT・
情報家電の発達、生命の深奥にまで切り
込もうとするライフサイエンスの革新
等、技術進化が目覚ましい状況の中で、
化学素材分野においても時代に適応でき
る変革が求められています。
これらの課題に対応するため、油化、化
成、化薬、食品等の基幹事業を支える各
研究所、開発事業の早期展開を目的に開
設した新しい各研究所、それぞれの研究
拠点において、時代のニーズをいち早く
捉えた「新技術・新製品の開発」に挑戦
し続けています。
また研究本部では、新規事業発掘のセン
サー的役割を担うため、筑波研究所を中
心に世界の先端技術を探索し、日本油脂
グループの固有技術とのシナジー・融合
を目指して、独自の研究開発に意欲的に
取り組んでいます。
筑波研究所
筑波研究所は、当社グループの研究開発のリーダー、そし
てセンサー役を担っています。
・第一研究室(研究本部)
第一研究室は、バイオマテリアル、機能材料、ファイン
ポリマーを主体に息の長い研究に取り組んでいます。ま
た内外の研究機関との情報交換・技術交換をはじめ、異
業種を含めた幅広い共同研究も積極的に行っています。
・第二研究室(ライフサイエンス事業部)
生体適合材料の新素材であるMPCポリマーを核としてア
イケア分野、化粧品分野、医療デバイス分野、繊維加工
分野への応用研究に取り組んでいます。
筑波研究所
筑波研究所での会議
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研究開発
新たな価値の創造を目指して
単なる素材の開発のみならず、高付加価値を追求した製品や技術の開発に取り組む研究部門。各事業の研究部門の技術を融合させ、ラ
イフサイエンスをはじめとする新たなテーマに挑戦し続けます。
油化学研究所(油化事業部)
化成品研究所(化成事業部)
研究開発部(化薬事業本部)
油脂とその誘導体、界面活性剤、高分子を中心とした基礎研
究、応用研究を中心に、様々な角度からアプローチし、パー
ソナルケア、環境・エネルギー、情報・電子等、幅広い研究
開発を進めています。
有機過酸化物の研究・開発により培われた合成技術、分析技
術、重合技術、物性評価技術などを高度に利用した合成樹脂
分野への展開に加え、新たに機能フィルム分野へも挑戦して
います。
新しい技術、新しい分野の開拓、将来の国際化を見据えた海外
との協力体制を構築しながら発射薬、爆薬および燃料等の研究
開発を進めています。そのための試験設備として環境を考慮し
たトンネル構造の神岡出張所が大きな力を発揮しています。
食品研究所(食品事業部)
電材研究開発室(電材事業開発部)
DDS研究所(DDS事業開発部)
油脂加工・乳化・可溶化・粉末化・マイクロカプセル化など
の加工技術、乳化剤・酵素などの機能利用技術、DHAなど
の機能性脂質の技術を基に、食用加工油脂、機能食品、医療
栄養食など、より「安全・安心」な製品開発に努めています。
ブロックカルボン酸技術、グラフトポリマー化技術を電子材
料分野へ展開すべく、日々研究開発に励んでいます。
活性化PEG、リン脂質とリポソーム化技術など、高度な素
材や技術をDDS分野に広く展開するための研究開発を行っ
ています。
千鳥開発室(電材事業開発部)
PAG末端機能化誘導体を、高純度化、高機能修飾化技術に
より全固体リチウム電池電解質としての開発に取り組んでい
ます。
日本工機株式会社 白河製造所 研究開発部
日油技研工業株式会社 研究開発部
株式会社日本ダクロシャムロック 技術部
長年携わってきた防衛装備品製造技術、あるいは各種火薬類
および自動車安全装置を含む精密加工品製造技術を駆使し
て、世相を反映した新規のセキュリティ分野、防犯分野の製
品開発に力を注いでおり、各方面から期待されています。
固有技術をベースに、その利用や新しい技術を加えた複合化
を得意とし、化学・電気・機械・制御・加工など各分野の専
門領域を越えた研究開発体制により、数多くの新製品を創り
出しています。
自動車用部品などの防錆剤の開発に取り組み、他社に先駆け
て高品質のクロムフリー防錆剤を上市しています。
※詳細につきましては、当社ホームページ(URL:http://www.nof.co.jp)をご参照ください。
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