今月の診療予定 - パル動物病院

PAL
パル動物病院
犬と猫の繁殖について
①性成熟
NEWS
2005 年 7 月号
~人と動物の絆~
よりよい関係を目指して
達し、乳汁が分泌されることがあります。これを
動物が妊娠したり、妊娠させるようになる状 偽妊娠といい、卵巣のホルモンの変化によって起
態を性成熟といいます。メスは初回発情がくる こります。交配の有無、時期などが妊娠との鑑別
月~土
午前 9:00 ~ 12:00
午後 2:00 ~
日・祝
9:00
午前 9:00 ~ 12:00
午後 2:00 ~
7:00
沼津病院
平日
歯 科
りません。そしてオス犬に交尾を許すように メスの発情期に膣より分泌されるフェロモンなど
なると卵巣から排卵が始まります。この時期 により発情期となります。
このようにして 1 回の発情を終えます。しか ることもあります。妊娠の可能性がある場合、エ
午前 9:00 ~ 12:00
し発情が終わり妊娠していなくても乳腺が発 コー、レントゲンなどの検査で判別できます。
ノミ、ダニの予防
裾野センター病院
TEL: 055-993-3135
暖かな季節となり今年もノミやダニが発生し始めました。月に 1 回の投薬で
確実に予防できます。各種予防薬がありますので詳しくはご相談下さい。
沼津病院
TEL: 055-922-6255
7月28日(木)
腫瘍科
午後 2:00 ~
日・祝
エキゾチックペット
くなり頻尿や多飲などがみられます。しかし り返します。
この時期はまだオス犬に交尾を許すことはあ オス犬およびオス猫:一定の発情期はありません。
情出血は排卵が終了しても 1 週間位続きます。 犬と猫の妊娠期間は 63 日ですが、多少前後す
休診
奥田 綾子 先生
霍野 晋吉 先生
午前 9:00 ~ 12:00
木曜日
7月13日(水)
個体によって差があり、おおよそ 3 ~ 27 日で 回の発情期に何度も発情行動を反復する特徴があ
す。発情期が始まった動物は、落ち着きがな ります。多くの場合 2 ~ 3 週間毎に 2 ~ 3 回繰
に受精が成立すると妊娠します。メス犬の発 ③妊娠
7:00
ご希望の方は事前に受付にて
飼育環境などにより差があります(裏面表 1)。 と違いメス猫の発情は季節が関係します。このよ
うに発情に季節が影響する動物を季節繁殖動物と
②発情
ス犬の発情は、陰部からの出血によってその ため繁殖シーズンに若干のズレが生じることがあ
開始は明瞭であります。また発情の持続時間は ります。また犬と異なり、交配が行わなければ1
裾野センター病院
診察を行います。
お申し込み下さい。
(要予約)
地域に密着した動物病院を目標にして 情まで 6 ~ 10 ヶ月間、発情は休止します。メ し一般の家庭で飼育される猫の場合、夜間照明の
〈診療時間〉
今月は下記の日程で専門科の
状態、オスは精巣内に精子が作られる状態を 点となります。
いいます。性成熟となる時期は品種、栄養状態、 メス猫:1 年に 2 ~ 3 回発情期があります。犬
メ ス 犬:1 年 に 1 ~ 2 回 発 情 期 が あ り ま す。 いい、猫の場合日照時間が関係しており、日本で
私たちは最先端の診療技術を生かし、性成熟に達した動物は、発情終了から次の発 は 1 ~ 9 月頃に繁殖シーズンとなります。ただ
おります。
今月の診療予定
・パルニュースで取り上げて欲しいテーマがございましたらお気軽にスタッフまでお申し付け下さい
・ご希望の方にはこのニュースを毎月無料で郵送いたします。受付までどうぞ
7月19日(火)
川村 裕子 先生
放射線科
7月4日(月)
、
11日(月)
、
16日(土)
、
18日(月)
、25日(月)
眼 科
7月2日(土)
、
6日(水)
、9日(土)
、
20日(水)
、
23日(土)
、
27日(水)
、
小野 啓 先生
子宮蓄膿症 :Pyometra
メスの生殖器に関連して特に多い疾患が子宮蓄膿症です。 この病
波検査では、 膿が溜まって大きくなった子宮陰影が認められます。
気は避妊手術をしていない中齢から高齢のメスに多く発症しますが、
症状が特に進行した動物は、 敗血症や菌血症も併発し緊急事態
まれに若齢でも発症します。 子宮蓄膿症はその文字通り、 子宮の内
となります。
腔に膿 (うみ) が貯留する病気です。 病気の進行程度によって様々
治療 : ①外科手術により子宮および卵巣を摘出する方法、 ②内
な症状を示し、 状態によっては死亡することもある恐ろしい病気の一
科治療として抗生物質の投与や輸液などによる支持療法がありま
つです。 また猫に比べて犬に多い病気です。
す。 ただし、 内科治療は子宮内の膿を除去できないため症状が進
原因 : 子宮内に細菌が感染することであり、 その背景には性ホルモ
行しやすいこと、 再発の可能性が高いことから、 一般的に外科手
ンが関係しています。 発情後、 二ヶ月ほど続く黄体期に黄体ホルモン
術が選択されます。 しかしこの病気の難しい点として、 多くの動物
(プロジェステロン) 濃度が上昇すると子宮内の環境は大きく変化しま
は病気を発見したときには全身状態がかなり悪く、 全身麻酔の危
す。 発情前期と発情期に部分的に開いた子宮頚管を通じて膣から細
険性が高くなっていることです。 そこでわれわれはこの病気に遭遇
菌が侵入しやすくなります。 さらに子宮内のp h は通常酸性であり細
したとき、 手術が可能な状態か?そうでなければ内科治療で手術
菌感染を起こしにくいのですが、 黄体期にはアルカリ性となるため子
が可能な状態にすることができるか?を考えます。 そして最終的な
宮内に細菌が感染しやすい環境となります。 そして子宮内膜は厚くな
治療方法を動物の状態をみて、 飼い主さんとともに決断します。
り子宮内の分泌液が多くなるため、 細菌が増殖しやすくなります。
繁殖をしないのであれば、 早めに避妊手術をすることによって子
症状 : 食欲の低下、 元気の消失、 多飲多尿 (飲水量と尿量が増え
宮蓄膿症は予防できます。
ること)、 嘔吐、 腹部膨満、 外陰部から膿汁の排泄などです。 前述の
表1 犬と猫の性成熟
症状がすべて出ている動物や、 陰部から膿が出ていても比較的元気
がある動物など症状は動物により様々です。
診断 : 中齢から高齢のメスで前述のような症状がいくつか認められた
場合、 血液検査、 レントゲン検査、 超音波検査などにより診断をすす
メス
オス
犬
生後 6 ∼ 15 ヶ月
生後 9 ヶ月
猫
生後 7 ヶ月、体重 2.3 ∼ 2.5kg 以上
生後 9 ヶ月、体重 3.5kg 以上
めます。 血液検査では主に白血球数の上昇、 レントゲン検査や超音
パルニュース 2005 年 7 月号