FTEX Institute 第 17 回全体研修会メールマガジン 2014 年 10 月 31 日

FTEX Institute 第 17 回全体研修会メールマガジン
2014 年 10 月 31 日
第 17 回全体研修会にむけた第 3 回メールマガジンです。
今回は、研修会長講演、基調講演、シンポジウムⅠについてです。
たくさん紹介しますが、一読してください。なお、ホームページは「Ctrl+クリック」で
閲覧できます。
研修会長講演;川口浩太郎先生(兵庫医療大学)
はじめに、講師のプロフィールをホームページでご紹介します。
http://www.huhs.ac.jp/index.php/rehabilitation/physicaltherapy/c2/168.html?id=892:2011-07-28-02-11-13&catid=280
教授ですね~。そこで、
「教授」の意味を goo 辞書で調べてみました。
「学問や技芸を教え
授けること。児童・生徒・学生に知識・技能を授け、その心意作用の発達を助けること。」
だそうです。
タイトルと講演の概要は以下の通りです。FTEX Institute の講習会では、知識や技能の
習得を図りますが、本公演では、その根底にある大切なことを話して頂けそうです。当日は
ご教授頂きましょう。
「機能的アプローチがもたらすもの
―How to からの脱却を目指して―」
FTEX Institute では「動作学」を中心に問題点を捉え,それらに対する対
応策として FEX,FTA,FOI,FMT を提唱してきた.その中で「機能的な診かた」
を強調してきている.しかし,講習会や検定会,勉強会を通して FEX,FTA,
FOI が How to として用いられている嫌いがあると感じることがある.そこに
は,私自身も含め,動作をどのように診て,どのように捉えればよいか,ま
た,診たもの,捉えたものをどのように考えればよいか,十分な分析,解釈が
できていないことが根底にあると考えられる.
本講演では,動作の「機能的な診かた」について具体例を提示しながら,今
一度,
「動作の障害」
「機能の障害」
「機能の障害を引き起こす原因」の関連に
ついてどのように考えたらよいのかを整理するとともに,研修会に参加され
ている皆さまとこの点につて一緒に考える機会としたい.
本来、FTEX Institute の概念を理解して共有することが重要なことで、その考えを具現
化したものが FTEX Institute の各種手技であります。しかし、具現化されたことを講習
会で伝えた結果、概念より How to が伝わりやすくなっています。
全体研修会で見直しを図ることは重要です。これを機会に自分自身の How to になって
いる点を見直し、修正を図りたいですね。
FTEX Institute 第 17 回全体研修会メールマガジン
2014 年 10 月 31 日
基調講演;菅谷啓之先生(船橋整形外科病院)
プロフィールは、以下のホームページでご紹介します。
http://www.fff.or.jp/seikei/shoulder_center/doctor.html
基調講演のタイトル及び概要は以下の通りです。
「スポーツにおける上肢外傷・障害の診かた」
スポーツにおける上肢外傷で最も頻度が多く,スポーツ選手の選手生命を
脅かす問題は外傷性肩関節不安定症である.コリジョン・コンタクトアスリ
ートやオーバーヘッドスポーツの利き手側が特に問題となる.治療は基本的
に手術を要する本症は,未だ術者の技量や経験に依存する傾向はあるものの,
近年の関節鏡視下手術の技術進歩によりこれらのアスリートも手術によりほ
ぼ 100%のパフォーマンスで競技復帰が可能となった.コリジョン・コンタク
トアスリートでは,病態に応じて如何に再発の無い安定した肩を作るかが,
またオーバーヘッドスポーツの利き手側では,如何に投球パフォーマンスの
落ちない肩を作るかが鍵となる.特に後者は手術だけでなく,術後のアスレ
ティックリハビリテーションが極めて重要となる.
外来診療では,まず症状と経過を確認した後,機能的問題点を評価すると
同時に,局所の解剖学的破綻の有無を評価する.治療は,解剖学的異常があ
ってもまず理学療法にて機能修正を図る.機能が正常化したのちも解剖学破
綻による局所症状が取れない場合のみ手術適応となる.手術はクリーニング
手術と再建手術があるが,術後も機能修正のための理学療法やコンディショ
ニングが必要不可欠である.本講演では,外傷性肩関節不安定症の治療につ
いて,および肩・肘のスポーツ障害の診断と治療の流れおよび治療成績につ
いて述べる.
菅谷啓之先生の上肢外傷・障害に関する文献の一部は以下の通りです。2013 年以降の 2
年に満たない短期間に多くの情報を発信しております。
1.
肩関節の変性疾患(五十肩と腱板断裂)(河合伸昭, 菅谷啓之 医学と薬学
70(5/6):
905-915, 2013.)
2.
中・高齢者の肩痛(笹沼秀幸, 菅谷啓之 治療 95(3):
3.
スポーツ愛好家の若年女性にみられた難治性凍結肩の治療経験(星加昭太, 菅谷啓
之, 高橋憲正, 河合伸昭, 田中基貴, 渡海守人
387-403, 2013.)
臨床スポーツ医学
30(5):
489-
492, 2013.)
4.
特集 機能からみた投球スポーツにおける肩・肘障害へのアプローチ(菅谷啓之 臨
床スポーツ医学 30(9): 815-815, 2013.)
FTEX Institute 第 17 回全体研修会メールマガジン
5.
投球障害における腱板関節面断裂の診断と治療(高橋憲正, 菅谷啓之 臨床スポー
ツ医学
6.
30(9):
873-878, 2013.)
新しい領域を切り開け! 肩関節鏡, スポーツ整形外科の発展(菅谷啓之 整形外科サ
ージカルテクニック
7.
3(1):
4-14, 2013.)
ビーチチェアポジションにおけるアームホルダーについて(河合伸昭, 菅谷啓之
整形外科サージカルテクニック
8.
3(2):
203-206, 2013.)
肩関節鏡視下手術の夜明けを語る 鏡視下での再建術, 修復術の始まり(菅谷啓之
整形外科サージカルテクニック
9.
2014 年 10 月 31 日
3(6):
624-632, 2013.)
肩周辺骨折の鏡視下手術―どこまで可能か?―(河合伸昭, 菅谷啓之 関節外科
32(9):
1071-1077, 2013.)
10. 投球障害肩に対する低侵襲治療(河合伸昭, 菅谷啓之 整形外科最小侵襲手術ジャ
ーナル (69):
75-83, 2013.)
11. テニスによる傷害および肘関節障害の実態(大西和友, 菅谷啓之, 高橋憲正, 河合
伸昭, 渡海守人, 田中基貴, 上田祐輔, 星加昭太
21(4):
日本臨床スポーツ医学会誌
5226-5226, 2013.)
12. 症候性腱板断裂に伴う上腕二頭筋長頭腱肥大化の検討 -超音波による健側との比
較-(今泉光, 高橋憲正, 岩本航, 田中基貴, 河合伸昭, 菅谷啓之
科学会雑誌
25(2): 142-146, 2013.)
13. 変形性肘関節症に対する鏡視下手術(河合伸昭, 菅谷啓之
27(5):
東日本整形災害外
MB Orthopaedics
69-76, 2014.)
14. コリジョンアスリートの反復性肩関節前方不安定症に対する鏡視下手術(菅谷啓之
MB Orthopaedics
27(5):
14-20, 2014.)
15. オーバーヘッドアスリート利き手側の反復性肩関節脱臼に対する鏡視下手術(高橋
憲正, 菅谷啓之
MB Orthopaedics
27(5): 1-6, 2014.)
16. 骨欠損を伴う反復性肩関節脱臼に対する関節鏡視下腸骨移植術(高橋憲正, 菅谷啓
之
整形外科最小侵襲手術ジャーナル (71):
75-83, 2014.)
17. 肩腱板断裂術後における外旋筋力回復経過について(萬谷尚大, 鈴木智, 高村隆,
高橋憲正, 菅谷啓之, 白土英明 東日本整形災害外科学会雑誌
26(3):
283-283,
2014.)
菅谷先生は、「世界に名を轟かすスーパードクター(紹介画像より)」でもあります。
腱板断裂で出演された YouTube(前編・後編)をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=LeDN5ZyuYoM
https://www.youtube.com/watch?v=dlZv6_kHdQs
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2014 年 10 月 31 日
シンポジウム I は「競技種目別の上肢の使い方とトレーニング」です
各講師のプロフィールまたはご所属を紹介します。
野球 宮下浩二先生(中部大学)
http://www.chubu.ac.jp/about/faculty/profile/7e46c5fbacf8b509ee7b4a55a4edd59f03df16
29.html
柔道 高畑芳信先生(高岡市民病院)
http://www.med-takaoka.jp/specialty-section/specialty/rehabilitationka/
バレーボール 河部誠一先生(㈲バレーボール・アンリミテッド)
http://unlimited.volleyball.ne.jp/index.html
シンポジウム I の概要は以下の通りです。
野球:宮下浩二 先生
投球動作における肩や肘の運動は,下肢・体幹の機能の影響も受けてい
る.テイクバック動作に始まり,後期コッキング期から加速期に移行する肩
外旋運動を誘発する lagging back 現象,そしてフォロースル―期における
減速運動に至るまで,下肢や体幹の機能低下の結果,上肢の関節運動が変化
してしまうことは多い.そのため,投球動作における上肢の使い方とトレー
ニングとしては,各関節の運動と上肢関節の運動との関係を常に考慮する
必要がある.ただし,今回は,特に肘関節・前腕に関連する内容を中心に話
を展開する.
柔道:高畑芳信 先生
近年の国際化によるルール改定に伴い、競技による外傷も少しずつ変化し
ているように思われる。従来の両手で柔道着を持ち、組み合って技を掛け合
うスタイルから、組み手争いの中での積極性の有無により(指導の数で)勝
敗が決まるといったスタイルに変わってきている。当然、投げ技の掛け合い
による下肢外傷は減り、組み手争いによる上肢外傷が増えることになる。
柔道では一方で袖を握り,一方で襟を持つ組み方が基本となる。袖を持つ
側を引き手,襟を持つ側を釣り手という。引き手と釣り手の使い方は、「相
手を崩す」「技を掛ける」「投げられないように技を防ぐ」といったように
目的によってそれぞれ異なる。
今回は、勝敗を左右する重要なポイントとなり得る釣り手の押し動作に焦
点を当て、効率的な使い方やトレーニング方法について解説したい。
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2014 年 10 月 31 日
バレーボール:河部誠一 先生
バレーボールにおける上肢の使い方として、最も障害につながりやすいの
はスパイクスイングなのは間違いないだろう。スイングの仕方によって肩の
手術を受けるトップ選手もいれば、肘を痛める選手も少なくない。
スパイク指導で多く教えられているのが、スパイクジャンプをできるだけ
垂直に跳ぶことである。前跳びを極力抑える VJ スパイキング(Vertical Jump
Spiking)では、助走の勢いを垂直方法に転換することで、高く跳べると信じ
ていることもあり、打点を高くするための必須と認識しているバレーボール
指導者は少なくない。そのため、着地点が前に流れてしまう、BJ スパイキン
グ(Board Jump Spiking)は間違ったスパイクであるとされ、壁に向かってス
パイクアプローチからのジャンプを練習するなどの矯正方法がいくつも存在
する。これまで指導者に嫌われてきた BJ スパイキングであるが、得点能力を
上げる鍵を握っており、なおかつ肩にやさしい打ち方なのである。
いかがでしたか?ボリュームの割にすんなりと読むことができたらうれしい限りで
す。ストレスだった方は申し訳ない。まだまだがんばります。
最後になりましたが、FTEX Institute では、第 17 回全体研修会のホームページを立ち上
げており(http://www.kenshukai.ftex.org/)
、プログラムをみることができます。御確認を
お願いします。
第 17 回全体研修会では参加申し込みを受け付けています。ホームページに申し込み方法
などの詳細が掲載されております。申し込みがまだの方は、お早めに申し込み手続きをして
下さい。