第20回の補足説明 Pのみ2自由度PID制御のαを可変した時の応答特性

第 20 回の補足説明
「P のみ2自由度 PID 制御のαを可変した時の
応答特性」
第 20 回の第 20.3 図において、γ= 0 として P 動作
この図1から、次のような重要な知見が得られる。
のみの2自由度 PID 制御とすると、目標値 SV から制御
量 PV への伝達関数 ZSV'(s)、外乱 D から制御量 PV へ
の伝達関数 ZD'(s)は⑴式および⑵式のようになる。
Z SV’(S) =
Z D’(S) =

1 
a+
K p α
 G p (s)
T

I⋅S 
⑴ 比例ゲイン2自由度化係数αを変えると、外
乱抑制特性は不変のままで、目標値追従特性
のみを変化させることができる。
⑵ 比例ゲイン2自由度化係数αを変えると、α
= 1.0(PI − D 制御)からα= 0(I − PD 制御)
までの間の目標値追従特性を連続的に変化さ
せることができる。
⑶ 比例ゲイン2自由度化係数αによって、目標
値追従特性を大きく改善することができ、α
= 0.2 ∼α= 0.4 近傍で応答が速く、
オーバー
シュートが小さい応答が得られる。
…⑴

1
TD⋅S 
1 + K p 1 +
+
 G p (s)
 TI⋅S 1 + η ⋅ TD⋅S 
G p (s)

1
TD⋅S 
1 + K p 1 +
+
G (s)
+
T
1
η ⋅ TD⋅S  p

I⋅S
…⑵
制御対象の特性をゲイン K =1,時定数 Tp =5sec,
むだ時間 Lp =2sec とし、その時の外乱抑制特性最適
PID パラメータ値を比例ゲイン Kp = 3.04、積分時間 TI
= 3.24sec、微分時間 TD = 0.86sec として、比例ゲイ
ン2自由度化係数αを 0.2 刻み、つまり 0 → 0.2 → 0.4
→ 0.6 → 0.8 → 1.0 と変化させたときの応答特性を図1
に示す。
α=1.0
(PI−D制御)
α=0.8
(αを変えても外乱抑制特性は不変)
α=0.6
SV
α=0.4
α=0.2
α=0.0
(I−PD制御)
外乱
MV
図1 P のみ2自由度 PID 制御のαを可変した時の応答特性
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