2月3日当日版

2月3日当日版
第 3 学 年 理 科 学 習 指 導 案
3年2組 指導者 森田 和則
子供が仲間と共に、磁石の性質を追究し、見つけた磁石の性質を利用しながらものづ
くりを進めていくには、どのような支援が必要か。
研
単
元
じしゃく①
究
課
題
~じしゃくをつかっておもちゃをつくろう~
本学級の子供たちは、「明かりをつけよう」の学習で、豆電球に明かりをつけることに興味
をもち、日常生活で使っている物を持ち寄り、電気を通す物と通さない物を班の仲間と交流し
ながら調べる学習を経験した。これらの学習を通して、身近な自然事象に興味をもち、好奇心
旺盛に事象とかかわったり、仲間と考えを交流したりしながら、自然事象のもつ性質や働きな
どを追究していくことの楽しさを感じている姿が見られるようになってきている。このような
子供たちが、引き合ったり退け合ったりするなどの磁石の性質を使ったおもちゃで繰り返し遊
んだり、仲間と交流したりしながら主体的に見つけ出していく。そして、見つけた磁石の性質
を用いて、自分だけの「磁石おもちゃ」をつくっていくことは、磁石の性質についての実感を
伴った理解を深めることにつながると考える。
本単元は、磁石の性質を仲間と共に解明していき、自分たちで見つけた磁石の性質を使って、
おもちゃづくりに生かしていく学習である。学習の中で、子供たちは「もっと楽しいおもちゃ
をつくりたい」という願いのもとに、何度も試行錯誤しながらおもちゃづくりをしていく。し
かし、子供たち一人一人が磁石の性質を効果的に取り入れたおもちゃつくることは容易なこと
ではない。なぜならば、磁石のおもちゃづくりには磁石についての多様な気付きや自分のおも
ちゃの磁石の仕組みをよりよく工夫してみようという思いが必要だからである。そこで、同じ
ようなおもちゃをつくっている者同士で相談したり、自分のおもちゃにはない磁石の働きや性
質を使っている仲間のアイディアを取り入れたりしながら、おもちゃづくりをしていくことが
大切になってくる。よって、上記のような課題を設定した。
そして、次の支援を具体化し、課題の解明を図ることにした。
・ 単元の始めに、子供達は教師制作の磁石のおもちゃで遊び、磁石の力への驚きや疑問をも
てるようにする。その上で、疑問の重なりを共有しながら学習のめあてを決め、磁石の性質
を見つけていこうという意欲をもてるようにする。
・ 2次では、子供の疑問に思っている磁石のひみつを内包している簡単なおもちゃづくりを
仕組む。磁石と材料を使ってグループで自由に磁石の仕組みを試しながら制作することを保
証することで、自分たちなりに磁石の性質についての考えをもつことができるようにする。
・ 話し合いでは、実際のおもちゃを使ったり、黒板に図示したりしながら説明することを促
す。こうすることで、互いの磁石の性質についての考えを伝わりやすくし、考えの違いや重
なりが感じ取れるようにする。
・ 3次で、磁石の性質をうまく取り入れている子供に自分の工夫点をくわしく語るように促
したり、制作に行き詰まっている子供にアドバイスをしたりする時間を設けたりする。そこ
で出てきた制作上の視点を板書に整理することで、磁石の性質を効果的に取り入れるための
視点を学級全体で共有できるようにする。
1
研究課題について
○ 仲間と交流しながら磁石に付く物や磁石の働きを調べたり、おもちゃをつくったりする
活動を通して、磁石の性質についての考えをもつことができる。
○ 仲間とアイディアを交流しながら、磁石の性質を生かしたものづくりの楽しさを味わう。
2
目
標
3
評価規準
関心・意欲・態度(関) 思考・判断(思)
○磁石の力に興味をもち、 ○磁石に付く物、付かな
磁石の性質を探ろうと い物を比較したり、見
している。
えない磁石の力につい
○ 磁石の性質を利用した て考えたりしている。
おもちゃづくりに進ん ○磁石の性質を生かした
で取り組もうとしてい おもちゃの仕組みを考
る。
えている。
技能・表現(技)
○磁石に付く物や磁石の性
質を物や道具を使って安
全に調べたり、おもちゃ
をつくったりしている。
○磁石の性質を使った仕組
みを、おもちゃの設計図
に表現している。
第1次 オリジナル磁石おもちゃづくりにむけた学習の見通しをもつ
4
指導計画
学習活動
33M(11時間)
学習内容 ・見えない磁石の力への興味(関)
知識・理解(知)
○磁石が鉄を引き付けた
り、物との間を開けて
も引き付けたりするこ
とを理解している。
○磁石の異極は引き合い
同極は退け合うことを
理解している。
6M(2時間)
が本時
□教師の自作おもち ・先生のつくった手品のおもちゃ、なぜ手で触ってもないのに動くの
ゃで遊ぶ
か不思議だな。磁石を使っていたんだね。僕もつくってみたいな。
学習の後半で磁石のおもちゃづくりをするのか!楽しみだな。僕は
みんながあっと驚くようなおもちゃをつくりたいな! M
□おもちゃづくりに ・僕は「魚釣り」で遊んだ時、磁石に付く魚と付かない魚があったん
取り入れたい、磁 だ。磁石には付く物と付かない物があるのかな。「グルグルセロテ
石の力についての ープ」で遊んだ時、セロテープが下にある時も落ちずに回っていた
疑問を出し合い、 のが不思議だったな。「バス」に磁石を近づけたら、バスに触って
学習の見通しをも もないのにバスが動いたよ。なぜ動いたのかな。「スキージャンプ」
つ
には磁石が使われてたよ。磁石って引き付ける物なのに、なぜジャ
ンプしたのかが不思議だった。磁石ってとても不思議だね。磁石の
ひみつを調べて、「磁石おもちゃ」をつくろう。まずは、磁石に付
く物付かない物を調べていこう。調べてみたい物を家から持ってこ
よう! M
第2次 おもちゃづくりに取り入れるための磁石の性質を調べる
12M(
12M( 4時間)
4時間 )
(3 )
(3 )
学習活動
学習内容 ・磁石の性質を探ろうとする意欲(関)
・見えない磁力についての考え(思)
・磁石の性質を見つけるための実験や記録(技)
・磁石の性質や磁石に付く物についての理解(思)
□磁石の性質調べ① ・竹でできた定規や折り紙は予想通り磁石に付かなかったよ。針金は
「磁石に付く物と付 予想通り付いたよ。アルミ缶は付かないな、コーティングをはがし
かない物」
たら電気は流れたから、磁石も付くんじゃない?あれ!付かない。
アルミは磁石に付かないんだね。磁石に付いた物と付かない物を表
に整理して書いてみよう。磁石には鉄が付くことがわかったね。先
生の「魚釣り」はこの性質を利用したんだね。僕もつくれそうだ。 M
□磁石の性質調べ② ・先生の「クレーン」のおもちゃだ。磁石を一つだけ使っているんだ
「磁石の力の強いと って。でも、つり下げる所は見えないな。たくさん釘を持ち上げた
(3 )
ころ」
「S極 N極」
ぞ。どうやって持ち上げたのかな。僕たちもグループで考えて、た
くさん釘を持ち上げるぞ。僕たちは棒磁石を使ったんだけど、両端
に釘がたくさん引き付けられたよ。私たちはU磁石を使ったんだけ
ど、やっぱり両端に釘がたくさん引き付けられたよ。真ん中はほと
んど付かないね。磁石の力が一番強い所を「極」と言い、極には「N」
と「S」があるんだって。方位磁針のSが付くのが「N極」でNが
付くのが「S極」なんだね。 M
□磁石の性質調べ③ ・「サッカーゲーム」だ。先生は触ってないのに、選手が動いている
「挟んだり隔てたり ぞ。どうやって動かしているのかな。材料をもらって僕たちもつく
しても働く磁力」 ってみよう。なるほど、選手にクリップを付けて箱の裏の磁石を動
かしているんだな。今度は「鉄拾い潜水艦」だ。潜水艦が水の中の
釘を引き付けたぞ。磁石は、物を挟んだり、隔てたり、水の中に入
れたりしても働くんだね。
□磁石の性質調べ④ ・「バス」だ。前遊んだ時、手で触っていないバスが動いたよね。材
「同極は退け合う」 料をもらって僕たちもつくってみよう。バスの中にある磁石と外の
「異極は引き合う」 磁石のS極とS極を向き合わせると、はね返してくるね。N極とN
極でも同じようになったよ。同じ極同士は退け合うのか。S極とN
極は近づけると引き付けられたよまた新たに磁石のひみつが見つか
ったね。次に「スキージャンプ」をつくるのだね。極を調べて、二
つの磁石が退け合うようにしよう。人形の下の磁石のとジャンプ台
の下の磁石を同じ極にしたら飛んだよ。極の向きを考えると、引き
付けたり退けたりするおもちゃが作れそうだね。
第3次 磁石の性質を利用して、おもちゃをつくる
15M(5時間)
(3 )
(3M)
学習活動
学習内容 ・磁石のおもちゃづくりへの意欲(関)
・磁石の性質を利用したおもちゃのアイディア(思)
・磁石の性質を使った安全なおもちゃづくりの工夫(技)
□磁石の性質を使っ ☆私は同極が退け合う性質を利用して常に揺れているおもちゃをつく
た磁石おもちゃの るわ。丸磁石が3こくらい必要ね。名前はユラユラUFO。設計図
設計図を書く
を書こう!同じ極が向き合うようにして台に貼り付けよう。材料は
学校のの厚紙と画用紙を使って、それ以外の部品を家から持ってこ
よう。みんなはどんなおもちゃをつくるのかな。 M
□友達と交流し、磁 ・つくってみたけど、僕のおもちゃは思った通りの動きをしないぞ。
石おもちゃをつく ○君のおもちゃは僕と同じで、退け合う性質を利用しているんだね。
る
相談してみよう。どうやら、磁石の数を増やすといいみたいだ。早
速、試してみよう。△さんは鉄を引き付ける性質を使っているのか。
自分のおもちゃに取り入れてみたいな。僕は、同じ極が退け合う性
質と違う極が引き付け合う性質を使って、「ぱくぱくワニ」をつく
っているよ。上顎と下顎のちょうど同じ位置に同極の磁石を貼ると、
よく口が開くよ。私は鉄を引き付ける性質を使って「磁石福笑い」
をつくっているよ。箱の裏の磁 石を貼る場所を変えると、とても
面白いよ。私の「ユラユラUFO」は思ったような動きをしません。
どうしたらいいかな?下の磁石の数を増やしてみたらどうかな。そ
して、下の磁石を動かせるようにすると、UFOがよく動くと思う
(3
)
よ。教えてくれてありがとう。友達の工夫を取り入れて、もっと楽
しいおもちゃにしよう。僕のおもちゃは磁石の性質を2つ取り入れ
てるぞ。これからもっと楽しくなりそうだ。 M
□磁石おもちゃで遊 ・ついに私だけの「磁石おもちゃ」が完成したぞ。UFOが本当に飛
び合い、学習を振 んでいるみたいだ。△さんのおもちゃも磁石の性質をうまく生かし
り返る
ているね。みんなの磁石おもちゃで遊ぶと楽しいね。いろんな磁石
の性質が取り入れられているね。また、学習したことを生かしてお
もちゃをつくってみたいな。 M
(3 )×3
(3 )
11:20~12:05 於 理科室
(1)ねらい 2つの磁石を使ったおもちゃをつくったり、そのときの極について調べたりし
な
がら、磁石の退け合ったり引き合ったりする性質について気付くことができる。
(2)学習過程
①おもちゃをつくりながら、
支 援
①おもちゃをつくりながら 、磁石のひみつを調べ話し合う。
磁石のひみつを調べ話し合う 。(25分
( 25分)
25分 )
5
本時案
平成21年2月3日
学習内容・2つの磁石を使ったおもちゃづくり(技)
・ 退け合う性質を生かしたおもちゃの仕組みについての考え(思)
○子供たちに、極が記
・遊んだ時とても面白かった、先生の「スキージャンプ」と「バス」 されていない丸磁石
だ。あのおもちゃの磁石のひみつを見つけたいんだ!
を材料として配り、
まず、磁石2つを使って「バス」をつくりましょう。「バス」に使われ
磁石の向きを変えな
ている磁石のひみつを見つけましょう。
がら、ものづくりを
▲棒磁石のS極を丸磁石に近づけたら
させることで、引き
「バス」
磁石同士が引き合ったので、N極を
付け合ったり退け合
近づけたら磁石同士が退け合って、
ったりする磁石の性
バスが進みました。
質を感じ取りやすく
・ぼくたちの班はその反対でした。
する。
・磁石が二つあると、引き付け合ったり、退け合ったりします。
磁石が引き付け合ったり退け合ったりするひみつが見つかりましたね。で
は、どんな時に磁石は引き付け合ったり退け合ったりするのでしょう?
○実物を使ったり黒板
・▲さんがN極を近づけた時に退け合ったので、丸磁石の極が分かれ に描いたりして、極
ば退け合う時が分かると思います。
について調べて分か
・方位磁針で極を調べると分かります。
ったことを、説明す
・同じ極を向き合わせると、真ん中に見えない何かがあるようだ。磁 ることを促す。そう
石同士が離れようとするのを感じるね。
することで、互いの
・方位磁針を使って調べると、「S極とS極」「N極とN極」が向き 考えを分かりやすく
合っている時に、お互いの磁石が退け合うことが分かりました。
する。
・それとは反対に「S極とN極」が向かい合っているときは、互いの
磁石が引き合うことが分かりました。
②極を調べ、もう一方のおもちゃをつくる。
(20分) ○見つけた性質を使っ
学習内容 ・方位磁針を使った磁石の極調べやおもちゃづくり(技)
ている、もう一つの
・磁石の性質の取り入れたおもちゃのつくり方(思)
「同じ極が向き合うようにすると退け合う」というひみつを見つけ
たね。このことを使って、もう一つのおもちゃをつくってみよう。
おもちゃづくりを行
う。そうすることで
磁石の退け合う性質
を更に実感できるよ
うにする。
・極が分かるように、N極に赤色のシ 「スキージャンプ」
ールを貼っておくといいね。
・同じ極を向き合わせると、真ん中に
見えない何かがあるようだ。磁石同
○子供の発言を板書に
士が離れようとするのを感じるね。
整理し、自分たちが
・できた!磁石の退け合う仕組みを使ったおもちゃの完成だ!
見つけた磁石の性質
③新たに見つけた磁石のひみつや感想を発表する。
(5分
③新たに見つけた磁石のひみつや感想を発表する 。
( 5分)
5分 ) として価値付ける。
学習内容 ・次時のおもちゃづくりへの意欲(関)
そうすることで、磁
・今日は退けたり引き付けたりする磁石の性質を見つけたぞ。
石の性質を生かして
・同じ極を向き合わせ、退け合わせることができるんだ。違う極を向 おもちゃをつくって
き合わせると引き付け合わせることができるんだ。これらのことを いこうとする意欲に
使うと面白いおもちゃがつくれることが分かったぞ。
つなげる。
・次の時間からおもちゃづくりだ。楽しみだな !