「観光霧島」戦略の基本方針と推進施策(その2)(PDF:1080KB)

③ 環境教育のフィールドづくり
霧島山麓は秀逸な自然・景観が数多く残さ
れており、子どもたちの環境教育には絶好の
フィールドです。
「温泉の多様性」という観点からみると、泉
熱を利用した代替エネルギー ※ である地熱発
電所(九州電力大霧発電所)が牧園町にあり
ます。
地球温暖化防止に資するクリーンエネルギ
※
ー の中で、地熱発電は全国でも希少であるた
め、自然・景観と組み合わせた「環境教育プ
ログラム」の構築を図ります。
■
■
■
教育機関との連携
九州電力大霧発電所との連携
「環境教育プログラム」構築の検討
④ 「エルダーエビデンス」ビジネスの展開
近年の観光のニーズとして「健康保養・癒し」
という概念が定着していますが、これらの要素
などに医療を加えることにより、中高年の来訪
ニーズが高まるものと考えられます。
「エルダーエビデンス」とは、高齢者などの患
者に対して医療情報の妥当性や信頼性を十分
に踏まえたうえで確実・明確な判断を行うこと
を重視する医療方法です。
本市には、温泉の効能を活用した医療機関も
あり、以前より当地に根付いていた「長湯治」を医科学的に実証する新たな形態の
観光モデルとして「エルダーエビデンス」の開発を関係機関と連携して構築します。
■ 森林セラピー※基地との融合
■ タラソテラピー※との融合
■ 医療方法として定着する仕組みづくりの検討
■ 「関平鉱泉」等と絡めたビジネスの展開策の検討
■ 関係医療機関との連携促進
※代替エネルギー・・・それに見合う他のもので、代えるエネルギーのこと。最近では風力・太陽光・地熱などが代
替エネルギーとして利用されている。
※クリーンエネルギー・・・大気汚染物質を発生しないエネルギーのこと。風力・太陽光・地熱などを指す。
※森林セラピー・・・森林のもつリラックス効果やストレス解消効果等に利用される癒しを目的とした森林浴のこと。
※タラソテラピー・・・海辺に滞在して、その景観を楽しみながら、海水・海藻・海泥などを用いた療法のこと。
60
( 4 ) 国際化への対応
① インバウンド観光への対応
観光案内板の整備や通訳ガイド制度の改善、
韓国、中国、香港、台湾などの国々を対象にし
たモニターツアー※の検討、ビジネス面での交
流促進などを通して交流人口の増大を図り、イ
ンバウンド観光への対応を図ります。
■
■
■
■
■
■
■
■
本市における外国人観光客の把握とニーズ分析
外国人を対象にしたモニターツアー実施の検討
国・県が実施する「ビジットジャパンキャンペーン」との共催
韓国・中国・香港・台湾観光客のニーズ把握とモデルプログラムの作成
インセンティブツアー※誘致の検討
温泉・ゴルフ・トレッキングなどを組み合わせた誘致の促進
九州各県や鹿児島県との連携強化
大まかな場所が分かる外国人向けマップの工夫
② さまざまな媒体を利用した積極的情報発信
霧島市・鹿児島市・指宿市・知覧町などの
主要観光地や、鹿児島県観光連盟などとの連
携を強化し、霧島市における文化、歴史、温
泉、自然、食などの情報をインターネットや
雑誌などのさまざまな媒体を利用し、積極的
に情報発信していけるような取り組みを推進
します。
■
■
■
■
情報発信の内容の検討
現状の把握と整理
観光関連事業者との協力体制の推進
海外向け情報発信の工夫
※モニターツアー・・・新しく開発された商品の品質やサービスについて意見を述べてもらう旅行のこと。
※インセンティブツアー・・・海外からの招待旅行のこと。
61
( 5 ) 霧島の食・ 健康・ 癒し の情報発信
① 霧島ブランド品の開発
霧島らしい食(魚介類・野菜・果物・畜産物・農
産加工品など)を活かした特産品の開発を行い、霧
島ブランドとして確立できるシステムを構築して
いきます。
また、地産地消とのつながりもあるため、今後は
産官学や消費者団体などとも連携を密にしていき
ながら観光振興を図ります。
■ 農政畜産課との協働による仕掛けづくり
■ 現状の把握と整理、一次産品※の充実
■ 霧島市の茶などのブランド名の統一
■ 農産物直販所、JA、旅館・ホテルなどでの購入システムの再構築
■ 霧島ブランドをアピールできるシステムの検討
② 「地産地消」の推進
「地産地消」は今やどこの地域でも推進し
ているテーマです。本市では、観光と農業の
つながりを強化し、地元でしか味わうことの
できない食のスタイル確立を推進し、それぞ
れの商品に高付加価値をつけていけるよう
な「地産地消」を行います。
■
■
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■
■
■
■
■
農政畜産課との協働による仕掛けづくり(農業と観光の一体化)
教育現場などとの連携(学校給食への導入促進)
JA との協力体制
直販店での通年販売や生産者表示の検討
旅館・ホテルでの「霧島茶」等の販売や提供の促進
市民農園や貸農園などとの協力体制
一次産品の充実
霧島市における「地産地消」の実績紹介
※一次産品・・・自然の中で採取され、加工されていない産出品のこと。
62
霧 島 市 の 特 産 品 に つ い て 紹 介 し ま す
黒
酢
壷づくり純米黒酢(壷で作られるので壷酢ともいう)の
ことです。黒酢は霧島市特産品の優等生です。この酢は
江戸時代(約 200 年前)より今日まで同じ製法を守って造
られています。この酢は古くから伝わる「アマン壷」(鹿
児島弁で酢のことをアマンといいます。) と呼ばれる薩摩
焼きの壷の中で、蒸し米と麹、天然のわき水だけを原料
に、一年から三年じっくり発酵・熟成してできあがりま
す。熟成の過程で、酢の色は深みのある琥珀色に変わり、
さらにまろやかさとコクが加わります。その色から「黒
酢」と呼ばれるわけです。
「アマン壷」はまさに魔法の壷です。
「アマン壷」に麹と蒸し米、天然
のわき水を入れて、天然の気候の中に置くだけで、なぜか複雑な酢造りの過程がスムーズに行わ
れてしまうのです。「アマン壷」の中では、仕込みから発酵完了まで、乳酸菌、酵母、酢酸菌が
絶妙のバランスで増減して、酢づくりの三段階(糖化・アルコール発酵・酢酸発酵)の過程がゆる
やかなカーブを描くように重複し、自然に行われています。このような複雑な発酵がスムーズに
行われるには、「アマン壷」の材質や大きさ、それに霧島市の気候が欠かせません。
焼
酎
2005 年に雑誌社が企画した焼酎ランキングで鹿児島からはベスト 10 に 6 銘柄が入りまし
た。そのうちの 3 銘柄は霧島市に蔵元のある焼酎でした。霧島市の醸造所は小規模な工場もあ
り、希少な銘柄も数多くあります。
一つの市に 9 つの蔵元があるのは鹿児島でも珍しいことです。
焼酎には、酒税法上甲類と乙類(本格焼酎ともいいます)があります。甲類焼酎とは、連続式蒸
留機でつくった純度の高いアルコールを水で 36 度未満に薄めたもので無色透明でアルコール
の匂いが感じられず、ほのかな甘味と丸みがあり「ホワイトリカー」と呼ばれています。酎ハイ
やサワーのベースとなります。
乙類焼酎とは、単式蒸留機で蒸留したアルコール分 45 度以下のものを指し、「旧式焼酎」と
も呼ばれ、古くから作られている伝統的な焼酎です。主原料となる、芋、米、麦など素材の味を
生かした焼酎で「本格焼酎」とも呼ばれています。単式蒸留の場合、甲類に比べ、蒸留の回数が
少ないので、アルコール分と一緒に原料となる芋などの素材の風味も蒸留され独特の味がでてく
るのです。鹿児島で製造されている焼酎は大部分が「本格焼酎」です。
農
産
物
あいら新ごぼう・いちご・トマト・スイカ・里いも・にがうり・根深ねぎ・その他季節野菜
加工品
ブルーベリー製品(ワイン・ジュース・ジャム)・豚みそ・あじぶし・ふくれ菓子など
畜産物
きりしま黒豚・きりしま黒牛・きりしま地鶏などのブランド化
63
■
「食育」へ取り組んでいます!!
■
霧島食育研究会では、子どもだけではなく、乳幼児から高齢者まで人が一生涯を通じて健康な体と心を
持ち、輝く生活を送ることができるよう、食に携わる関係者が霧島の食の現状を把握し、栄養学や関連す
る学問の成果、実践を活用し、「霧島の食育」を推進する必要があると考え、発起人の千葉しのぶ代表をは
じめ会員 15 名で活動を行っています。
目指す霧島の食育とは・・・
①
霧島の郷土食・おふくろの味の継承
②
作る喜び・食べる喜び・感謝の気持ちを育む
③
個人や地域での健康づくり・食の自立
④
環境に優しい生活スタイルの提唱
こんな活動をしています・・・
①
県民の食育に対する意識高揚に関する普及・啓発事業(「霧島・食の文化祭」等の事業)
②
食文化の継承に関する研修事業(「霧島たべもの伝承塾」等の事業)
③
料理教室及び教材の開発(「子どもと大人のための霧島の食育プログラム」等の事業)
④
生活習慣病等予防教室
⑤
食育に関する情報提供及び講演
⑥
ヘルシーメニューの開発事業
⑦
その他、本会の目的を達成するために必要な事業
主な受賞歴
平成18年
1月:「地域に根ざした食育コンクール」優良賞受賞
平成18年
7月:「読売教育賞
社会教育活動部門」
平成18年 12 月:「あしたのまち・くらしづくり活動賞
■
福山の小みかん
最優秀賞受賞
食育活動部門」
■
霧島市福山は、昔からみかんの産地として有名でした
が、その歴史は小みかん栽培に端を発するものでした。
なかでもこの木は、樹齢 200 年以上といわれています。
5 月頃に花が咲き、7 月頃にはたくさんの実をつけます。
実を大きく育てるために摘果をし、50%ぐらいの実を残
します。 11 月頃になると色づき 12 月頃から収穫が始
まり、約 400∼500 キロの収穫があります。小みかん
は、温州みかんより味も香りも高く、糖度は 14 度∼15
度ぐらいあります。皮は干して薬味に使われます。
64
内閣総理大臣賞受賞
霧
島
の
食
ア
ラ
あくまき
山菜おこわ
豚みそ
黒豚角煮
山菜類
ふくれ菓子
タケノコ
ゆべし
カ
ル
ト
田舎とうふ
黒豚加工品
さつまいも
ブルーベリージャム
ブルーベリージュース
柿
酢
65
ブルーベリーワイン
霧島市の特産品販売所について紹介します
霧島市の物産館には新鮮な作物がたくさんあります。農家の方が季節の野菜・くだものを丹精こめて作り
物産館に出荷しています。農作物のほか、豚みそやブルーベリージュースなど地域の特産品を使った加工
品もあります。
国分じょうもん市場
所
在
地 :霧島市国分中央5丁目 3-10
売っているもの:農産物、加工品、弁当
営 業 時 間:9:00 ∼ 18:00
休 み の 日:1月1日∼1月5日
電 話 番 号:0995-45-3322
※ 芋掘り、稲刈りなども体験できます
66
溝辺物産館「よこでーろ」
所
在
地 :霧島市溝辺町麓 2408
売っているもの:農産物、加工食品
営 業 時 間:9:30 ∼ 18:00
休 み の 日:1月1日∼1月 3 日
電 話 番 号:0995-58-2949
竹子の里
きらく館
所
在
地 :霧島市溝辺町竹子 638-3
売っているもの:農産物、加工品
営 業 時 間:10:30 ∼ 17:30
休 み の 日:1月1日∼1月 3 日
電 話 番 号:0995-59-2425
横川物産館
よいやんせ
所
在
地 :霧島市横川町上ノ 3411-2
売っているもの:農産物、加工品
営 業 時 間:( 施設・売店 ) 8:30 ∼ 18:00
( レストラン ) 10:00 ∼ 15:00
休 み の 日:12 月 31日∼1月 3 日
電 話 番 号:0995-64-6088
67
牧園町特産品協会「特産品販売所」
所
在
地 :霧島市牧園町三体堂 2057
売っているもの:農産物、加工品、工芸品
営 業 時 間:8:30 ∼ 17:00
( 7・8 月 ) 8:30 ∼ 17:30
休 み の 日:第 3 火曜日、年末年始未定
電 話 番 号:0995-78-2741
牧園町福祉特産品販売所「ふれあいふくし市」
所
在
地 :霧島市牧園町三体堂 2057
売っているもの:農産物、加工品、工芸品
営 業 時 間:8:00 ∼ 17:00
休 み の 日:第 3 火曜日、12 月 30 日∼1 月 3 日
電 話 番 号:0995-78-3498
霧 島 温 泉 市 場
所
在
地 :霧島市牧園町高千穂 3878-114
売っているもの:加工品、菓子、みやげ
営 業 時 間:8:00 ∼ 18:00
休 み の 日:無
休
電 話 番 号:0995-78-3121
68
も ん ぺ お ば さ ん
所
在
地 :霧島市牧園町宿窪田 830
売っているもの:加工品、菓子
営 業 時 間:8:00 ∼ 不
定
休 み の 日:不
定
電 話 番 号:0995-76-0611
道の駅霧島神話の里公園「よかもん市場」
所
在
地 :霧島市霧島田口 2583-22
売っているもの:特 産 品
営 業 時 間:( 施設・売店 ) 9:00 ∼ 17:00
( レストラン )10:00 ∼ 17:00
休 み の 日:無
休
電 話 番 号:0995-57-1711(公園・レストラン)
いきいきふれあい特産市
所
在
地 :霧島市霧島田口 501
売っているもの:農産物、加工品
営 業 時 間:8:30 ∼ 17:30
休 み の 日:毎週月曜日
電 話 番 号:0995-57-3901
69
ふ き の と う
所
在
地 :霧島市霧島大窪 174
売っているもの:農産物、加工品
営
業
時
休
電
み
話
の
番
間:( 4 月 ∼ 10 月 )8:30 ∼ 16:00
(11 月 ∼ 3 月 ) 8:30 ∼ 17:00
日:1 月 1 日∼1 月 4 日
号:0995-57-3903
な が み ず 百 笑 館
所
在
地 :霧島市霧島永水 3973-12
売っているもの:農産物、特産品
営 業 時 間:( 4 月∼10 月 )9:00 ∼ 18:00
( 11 月∼3 月 )9:00 ∼ 17:00
休 み の 日:毎週水曜日、12 月 30 日∼1 月 3 日
電 話 番 号:0995-57-1001
舎 は や と の 風
所
在
地 :霧島市隼人町見次 390
売っているもの:特産品、農産物、加工品
営 業 時 間:9:30∼18:00
休 み の 日:毎週日曜日、12 月 29 日∼1 月 3 日
電 話 番 号:090-7167-0120
70
嘉 例 川 ふ れ あ い 館
所
在
地 :霧島市隼人町嘉例川 2170-3
売っているもの:農産物、加工品
営 業 時 間:9:00∼16:00
営
業
日 :毎 週 日 曜 日
電 話 番 号:0995-43-9124
浜之市ふれあいセンター
所
在
地 :霧島市隼人町真孝 390
売っているもの:農産物、加工品、水産加工品
営 業 時 間:9:00 ∼ 22:00
休 み の 日:毎週月曜日、12 月 28 日∼1 月 4 日
電 話 番 号:0995-42-7072
福山町ふくふくふれあい館
所
在
地 :霧島市福山町福山 6268-47
売っているもの:農林水産物、加工品
営 業 時 間:( 3 月∼11 月 )9:00 ∼ 18:00
( 12 月∼2 月 )9:00 ∼ 17:30
休 み の 日:第 2 火曜日、12 月 31 日∼1 月 2 日
電 話 番 号:0995-56-3765
平成19年5月
71
現在
③ 優れた食資源を利用した独自性のある食の形成
優れた食材と霧島市域の一次産品などを利用し、本
市の食のテーマを決めた独自性のある食の形成を行
い、霧島市の食を全国に情報発信していけるように推
進します。
■
■
■
■
素材の統一(黒酢、黒牛、黒豚、魚介類、地鶏など)
周辺自治体との協力・連携
観光事業者などとの連携強化(旅館・ホテルなど)
市民公募による定期的な先進地事例研究の派遣システムや研修体制の充実
④ ツーリズムの推進
体験型の観光スタイルを好む傾向があるな
かで、都会では味わうことのできない農業体験
や地元住民とのふれあいなどを霧島市で満喫
してもらい、霧島市域に広がる海・山・川など
秀逸な大自然を利用したツーリズム※を推進し
ていき、都市部住民などとの交流人口の増大を
図ります。
■
ツーリズムプログラムの検討
(グリーンツーリズム、マリンツーリズム、エコツーリズム、タウンツーリズム等)
■ エルダーホステル※などの検討
⑤ 癒しを目的とした「歩きを楽しみ、憩える空間」の発掘
「自分たちのまちを知ろう!」をコンセプ
トに、霧島市内のあちこちに 30 分∼2時間
程度のさまざまな癒しを目的とした「歩きを
楽しみ、憩える空間」の発掘を行い、内外に
情報発信していくように努めます。
■
■
■
モデルプランの検討
駐車場の整備の検討
コース別のネーミングの検討
※ツーリズム・・・体験型の観光旅行のこと。海で行う「マリンツーリズム」、自然環境保護を行う「エコツーリズム」、
史跡や城下町などを散策する「タウンツーリズム」などがある。
※エルダーホステル・・・知的好奇心旺盛な熟年のために創られた宿泊型の生涯学習講座のこと。
72
霧
島
の
農
作
牧場体験
酪農体験
和牛農家体験
お茶農家体験
田植え体験
炭焼き体験
業
体
験
ア
ラ
カ
ル
ト
き の こ 栽 培
果樹農家体験(梨)
稲刈り体験
(ブルーベリー)
森林作業体験
花き栽培(電照菊)
花き栽培(バラ)
⑥ 美と健康を意識した観光地づくり
日本国内での先駆的な事例や現状の把握を
行いながらスパ※産業などのリゾート地の形成
と、きめ細かいターゲット※戦略を検討し、美
と健康を意識した観光地づくりを目指します。
■ メディカルツーリズム※の検討
■ リラックス※できる空間づくりの検討
■ 先駆的な事例や現状の把握
※スパ・・・鉱泉。温泉。また、それを中心としたリラクゼーション施設のこと。
※ターゲット・・・標的。まと。また、販売などの対象のこと。
※メディカルツーリズム・・・観光と医療サービスをセットにした新しい観光旅行のスタイルのこと。
※リラックス・・・くつろぐこと。ゆったりした気分になること。
73
竹林間伐体験
(金魚草)
⑦ 森林セラピー基地の形成
「霧島市森林整備計画」に基づき、見るだ
けのウォーキングだけではなく、健康にも
良いウォーキングロードの整備を行い、森
林セラピー基地の形成を促進します。
■
■
■
■
駐車場の整備の検討
休憩できるスペース等の検討
セラピープログラムの作成
宮崎県日之影町など認定基地の研究
■
森林セラピーと森林セラピー基地
■
森林セラピーとは、森林の自然が彩なす風景や香り、音色や肌ざわり、森林のいのちや力を感ずること
によって、心身に元気を取り戻させようとするものです。今までも、森林はストレス解消などの効用があ
るため、
「森林浴」として多くの人々に親しまれてきましたが、その効用についての明白な科学的解明がな
されていませんでした。一方、こうしたストレス解消効果等に対する人々の関心は非常に高くなってきて
います。このため、国では、森林のもつ生理的リラックス効果など「癒し効果」を科学的に解明し、科学
的根拠に基づく健康増進やリハビリステーションのための効果的なメニューを確立する「森林セラピー」
進めていくこととしました。
現在、産官学連携による森林の「癒し効果」を医科学的に解明するための調査・研究や、森林セラピー
実践、山村振興の場としての「森林セラピー基地」の創設(認定)などの取り組みが進められています。
(社)国土緑化推進機構
参考)森林セラピーポータル
74
歩きを楽しみ、憩える空間
■
きゅうしゅう し ぜ ん ゆ う ほ どう
きつねがおか
九 州 自然遊歩道・狐ヶ丘
■
霧島市の「遊歩道」
■
きりしまこうげんこくみんきゅうようち ゆ う ほ どう
霧島高原国民休養地遊歩道
福山町から鹿屋市、
■
霧島高原国民休養地
垂水市を結ぶ「九州自
キャンプ場横から昭和
然遊歩道」の途中にあ
59 年 5 月 20 日、昭
る標高 450∼560m
和天皇をお迎えして行
の高原があり、ここか
われた植樹祭会場まで
らの桜島と錦江湾の眺めは絶景。また、初夏には
の自然散策コース。
自生のツツジが丘を染め、秋には銀色のススキの
桜の季節から新緑、紅葉と一年を通して霧島の
群生がちょうどキツネの毛並みを思わせます。
自然が様々な表情で出迎えてくれます。国民休養
地では、貸し自転車もあるのでサイクリングを楽
■
きゅうしゅう し ぜ ん ゆ う ほ どう
きりしまれんざん
九 州 自然遊歩道・霧島連山
しむこともできます。
■
遊歩道の各コースをあわせ
■
ると 21km に及ぶ自然環状
た か ち ほ か わ ら し ぜ ん たんしょう ろ
高千穂河原自然 探 勝 路
線。高千穂河原から中岳を経
高千穂河原から古宮
て霧島神宮へ抜けるコース
址へ続く高千穂峰の登
は、霧島一の高千穂峰ビュー
山道を兼ねた遊歩道。
■
ポイントやミヤマキリシマの
鳥たちの歌声が聞こ
群落地など見どころいっぱい
える赤松やブナの森で
の人気コースです。
は、野生の鹿や森の小動物たちとの思わぬ出会い
も。コース途中から「自然探勝路」へ入るとバー
なかだけ し ぜ ん ゆ う ほ どう
■
中岳自然遊歩道
ドウォッチングが楽しめる観察小屋もあります。
■
高千穂河原から続く
■
2つのコース。
秋になると、カエデ
ま る お し ぜ ん たんしょう ろ
丸尾自然 探 勝 路
■
林田温泉や硫黄谷温泉のお湯
やブナ、ミズナラの色
が流れ込む丸尾の滝、布引の滝、
鮮やかな紅葉に染まる
長さ 200m 幅 15m の岩盤の川
”もみじコース”と、
床が広がる千畳敷、霧島最古の
ミヤマキリシマの群落地を抜ける”つつじコー
岩風呂など、霧島温泉郷の原生
ス”。があり、コース内には、ベンチやテーブルも
林を巡る遊歩道。早朝や霧がで
あるのでピクニックを楽しむことができます。
たときは、神秘的な景色が広が
ります。
■
いぬかい
たき し ぜ ん ゆ う ほ どう
犬飼の滝自然遊歩道
■
■
やなぎがひらさんさく ろ
柳ヶ平散策路
■
妙見または安楽を起
柳ヶ平丘陵地を周回する散策路。植生はクヌ
点に、杉木立の中を犬
ギ・ナラ・モミジで、丘陵地の頂上からは東方に
飼の滝・和気神社まで
霧島連山、南方に錦江湾と桜島が一望できる
続く遊歩道。
360°の大パノラマが広がり、
「命の洗濯場」とも
奈良時代に道鏡との
呼ばれています。近隣には、毎年
政争により、霧島市牧
霧島国際音楽祭が開かれるみやま
園町中津川に流されたと言われる和気清麻呂公ゆ
コンセールや関平鉱泉販売所、特
かりのコース。途中露天風呂や犬飼の滝など見る
産品販売所等があり、休日は多く
ことが出来ます。
の観光客で賑わいます。
75
( 6 ) 芸術・ スポーツ ・ 歴史・ 文化資源の活用
① 音楽合宿・芸術合宿の促進
プロの集団だけではなく、小中高校の吹奏楽
部、合唱部、演劇部など、一般の人も「みやま
コンセール」などを気軽に利用できるように音
楽合宿や芸術合宿の促進を行っていきます。
また、
「霧島国際音楽祭」をはじめとした芸術
性のある地域を県内外に情報発信し、
「みやまコ
ンセール」の認知度アップや親しみやすさをア
ピールします。
■
■
■
■
■
■
音楽・芸術関係の県・九州・全国大会レベルの誘致促進
県及び団体への働きかけと連携強化
教育委員会と地域との連携強化
施設利用の促進
「霧島国際音楽祭」をはじめとした宿泊の促進(仕掛けづくりの再検討)
ホテルにおけるロビーコンサートの開催
② スポーツイベント等の誘致
霧島市には数多くのスポーツ施設があり、
プロや実業団などのスポーツチームが合宿地
として利用しています。
今後は 2008 年に「北京オリンピック」や
「ねんりんピック」などのスポーツイベント
も開催されるため、事前強化合宿として交通
アクセス、温泉、気候などの好条件が揃った
霧島市でスポーツイベントなどを誘致できる
ように推進します。
■
■
誘致しやすい設備の検討
継続できるイベント誘致のシステムづくりの検討
③ 霧島の魅力発見フォトコンテストの開催
地域住民や写真家などに、霧島の魅力を再発見し
てもらう目的で「霧島の魅力発見コンテスト」の開
催を行い、全国や地域住民に対して霧島の良さを発
信できるような仕組みづくりに取り組みます。
■
■
■
各課で行っていたフォトコンテストの統一
ジャンル別のテーマの設定
気軽に参加できる仕組みづくりの検討
76
④ 「アートの森」との連携強化
霧島山麓で芸術を体感してもらうため、湧水
町のアートの森と霧島市の「みやまコンセー
ル」との連動による芸術にターゲットを絞った
新たな空間を創出し、広域的なものへと展開し
ていけるような仕組みづくりを行います。
■
■
県・霧島市・湧水町との連携促進
芸術性のあるプログラムの研究・開発
⑤ 「神話」についての整理とストーリーづくり
霧島市は「天孫降臨」をはじめとした神話のいわれや、
関係する神社などが点在する地域です。
しかし、点在する神話の整理や把握ができていないため、
今後は神話に限らず「地域学」「霧島学」の体系を整理し、
市民や観光客などにもわかりやすい情報を発信していける
ように努めます。
■ 旧1市6町の神話の整理と“きりしま”との整合
■ 神話を学習する場づくりの推進
■ 広報誌の活用(コラム※調にした記事での紹介)
■ 定期観光物としての「地域学」の発刊
⑥
域内の歴史・文化・自然遺産の整理(博物館機能の充実)
合併を機に、本市の歴史・文化・自然遺産を伝承
する郷土館や歴史民族資料館、史跡館等の整理を行
い、博物館機能の充実や再活用方策に取り組んでい
きます。
※コラム・・・新聞や雑誌で短い評論などを掲載する欄や囲み記事のこと。
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霧島市域にある博物館や文化施設などについて紹介します
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国分郷土館
国分地域に関する歴史資料や民俗資料が展示されています。
主な展示資料としては、朱印状、止上神社の面、環頭太刀(かいと
うだち)、城山山頂遺跡出土品、国分たばこなどがあります。また、
国分郷土史年表から国分の歴史を知ることができます。
常設展示の他に、毎年、企画展・収蔵品展等も開催しています。
横川郷土館
安良神社に伝わる仮面や山ヶ野金山に関する資料、民具などが展
示されています。
中でも、山ヶ野金山コーナーの金鉱石発掘、採金の道具や鉱山の
写真などは、この地域特有の資料で大変貴重です。また、寛永 17
年(1640)、金山発見から昭和 28 年閉山まで、およそ 300 余年
の歴史を金山史年表から知ることができます。
霧島歴史民俗資料館
「霧島町の歴史と生活」をテーマに、考古・歴史・民俗資料など
を展示しています。
主な展示資料は、鎧、面、民具、古文書などですが、中でも、霧
島神宮の壁画の写真や約 300 年前に奉納された九つの面「九面」
の複製品など霧島神宮関係の資料が目を引きます。
隼人歴史民俗資料館
鹿児島神宮の境内にあります。
歴史展示室には、鹿児島神宮関係の文書資料や隼人町内出土の土
器・石斧などの考古資料が、民俗展示室には鈴かけ馬踊りなど郷土
芸能に関する資料や民具が展示されています。
また、和室では、昭和の生活空間を再現しています。
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隼人塚史跡館
国指定史跡「隼人塚」の歴史や由来を紹介するためのガイダンス
施設です。
展示室には、石像の修復状況や隼人塚の発掘状況を紹介する写真
パネル、平安時代に作られた石仏(正国寺石仏)、文献資料などが
展示されています。
また、館外には復元された隼人塚石塔が建っています。
国分ローカルエネルギー館
太陽・風力・地熱・中小水力・海洋・廃熱・バイオマスなどから
得るエネルギーのことをローカルエネルギーといいます。地球温暖
化など環境問題への取り組みが求められる中,クリーンなエネルギ
ーだけをテーマにとりあげ展示してあります。
平成 19 年 4 月 1 日から当分の間休館することになりました。
上野原縄文の森
上野原遺跡から出土した土器や石器を中心に,鹿児島の埋蔵文化
財に関する数多くの資料を展示しています。また,上野原の縄文の
世界をイメージした,「縄文シアター」やジオラマ,映像資料など
で楽しみながら学習できるスペースを設置しています。
県民の森
緑化センターでは、緑化に関する知識とその技術が学べます。
ここでは、「緑の教室」も行われ、薬草・薬木の標本がたくさん
あり、緑化に関する知識が学べます。
高千穂河原ビジターセンター
高千穂峰のふもとの高千穂河原にあります。霧島を訪れる人々に
より深く自然や文化を紹介するために設置されました。
展示室は7つのコーナーがあり,それぞれ趣向を凝らした手法で
わかりやすく解説されています。霧島山系のあらましを示した地形
模型や火山の生立ちなどを紹介した写真パネル,岩石標本などが展
示してあります。
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松下美術館
福山病院長だった松下兼介氏が開設した美術館で、福山病院のす
ぐそばにあります。
黒田清輝、藤島武二、和田英作、ルノワール、ピカソなどが描い
た絵画をはじめ、古代エジプト資料、工芸品、考古資料、民族資料
などが収蔵されています。
京セラ鹿児島ファインセラミック館
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ファインセラミックとは、高純度の原料から作る、高性能の陶磁
器製品のことをいいます。
ここでは、創業時のファインセラミック製品から現在の最先端商
品に至るまでを年代を追いながら展示されており、京セラの歴史と
共に、現在の製品や今後の事業展開も見ることができます。
くろず情報館「壺畑」
くろず情報館「壺畑」では、壺づくり純米黒酢「坂元のくろず」
の歴史や製法、研究発表等をパネルや映像にて御覧いただけます。
施設内から壺畑や桜島の風景も眺望でき、見学はもちろん、試飲や
お買い物などもお楽しみいただけます。
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200年の伝統を持つ「福山の黒酢」 ■
鹿児島を代表する「黒」の一つであり、200年の
歴史を持つ「福山の黒酢」は、冬暖かく夏涼しい気候、
藩政時代からの米の集散地という土地柄、姶良カルデ
ラから湧き出る豊富な湧水、黒酢の製造に欠かすこと
ができない薩摩焼の壺の存在。気候・米・水・壺の4
条件が整っていたことに起因します。昭和40年ごろ
から有害食品が問題となり、自然食ブームの到来によ
り、
「つぼづくり純米黒酢」の良さが見直され始めまし
た。農林水産省は、1990年から「ふるさと認証食
品品質表示推進事業」の一環として、全国各地の優良な伝統食品にEマークと呼ばれる「認
証マーク」制度を導入し、「つぼづくり純米黒酢」は全国第1号として認定されました。
黒酢は血液の浄化作用、血圧の正常化、動脈硬化の予防、肥満の解消、アレルギー反応
の抑制、免疫力の向上など、その効果は医学的にも実証されており、マスコミにも数多く
とりあげられ、今や鹿児島を代表する全国ブランドとなっています。
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