オゾンと食品分野(1) - 関西オゾン技術研究会

技術ノート No29
オゾンと食品分野(1)
(1)オゾン利用の現状と用途
関西オゾン技術研究会
www.k-ozone.org/
食品には様々な微生物が付着しており、それらが増殖して変敗、食中毒などの原因にな
る。これらの原因になる微生物は、食品の原料からや調理・製造の過程で食品に混入する。
したがって、安全な食品を提供するためには、変敗などの原因になる微生物を安全に不活
化(殺菌)する必要がある。
オゾンは強力な殺菌剤であり、残留しない特徴をもっているので、食品分野で使用する
殺菌剤に適している。わが国では、オゾンは既存食品添加物に認定されており、一部の食
品及びその製造に古くから利用されてきたといわれている。しかし、オゾンは生物に対し
て有害であるとされており、毒ガスのイメージがある。また、オゾン利用は企業秘密で、
公表されていない場合が多い。このような事情から、食品分野におけるオゾン利用は、ま
だ市民権を得るまでに至っていないと言えよう。
食品分野に利用するオゾン
(1)気体オゾン
ほとんどの商用オゾン発生器は無声放電方式であり、混合状態の気体の状態で提供され
る。適当な濃度のオゾンガスを対象と接触させることにより、対象の表面に付着している
微生物を不活化する。
不活化に影響する因子としては、湿度がもっとも重要である。一般的に湿度が RH45%
以下ではほとんど殺菌効果を示さないとされている。不活化には水の共存が必要と考えら
れる。オゾン濃度は、不活化の速度に関係する。高いと速くなると、食品の脱色や損傷も
進むので、濃度と時間を適当に選択することが重要である。
(2)オゾン水
オゾンを水に溶解させた状態で使用する。ただし、オゾンの安定性は気中より水中の方
が低い。水中でのオゾンの安定性は pH に依存し、アルカリ性になると不安定になる。使
用する水の水質も影響する。水中のオゾンの分解機構はたいへん複雑であり、他の要因も
考慮しなければならない。水温も重要であり、低い方が安定になる。
食品工場へのオゾンの利用例
内藤は、食品工場でオゾンが利用できる形態として、次のケースを上げている。
(1)多量の低濃度オゾン水(0.2~0.6ppm)による食品及び食品原材料の洗浄殺菌
(2)低濃度オゾンガスによる食品及び食品原材料の表面殺菌
(3)食品製造環境の夜間のオゾンガス殺菌
(4)食品製造工場環境の日中に床、側溝をオゾン水で洗浄
(5)食品工場の業務用冷蔵庫及び冷凍庫のオゾンガス殺菌及び脱臭
(6)冷凍食品の解凍へのオゾン水の利用
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(7)食品の包装時微量のオゾンガス又はオゾンの封入
(8)水産物や農産物のオゾン氷による鮮度保持
(9)オゾンガス及びオゾン水による食品原材料の脱色および脱臭
(10)オゾンガスとオゾン水による農産物や水産物の鮮度保持
(一般財団法人食品分析開発センターホームページより)
中山繁樹
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