第2号 - 北海道小平高等養護学校

笑 顔
北海道小平高等養護学校
助 け 合 い
平成27年7月24日
学 び 合 い
第2号(通巻74号)
おんねの丘を下りて
~キャリア発達の視点から~
校長
矢野
光男
7月中旬くらいから気温も上がりはじめ、本格的な夏の訪れとなりました。鬼鹿のツインビーチでは海水浴を楽しむ家
族連れが増えてきていますし、道の駅「鰊番屋」や春に新装オープンした「観光交流センター」(本校の学科製品を展示
させていただいています)にも多くの観光客や地域の方々が立ち寄り、賑わいをみせています。
さて、今学期を振り返りますと、生徒たちは様々な学習や行事等に意欲的、主体的に取り組み、夢に向かって挑戦を続
け、未来に向けて(学校教育目標)確かに歩み続けています。
本校の学校経営の基本姿勢として「社会参加と地域に貢献する 特色ある教育活動の推進」を掲げ、地域に根ざす、か
かわる、貢献する活動を積極的に進めているところであり、今学期についても生徒一人一人が高校生パワーをいかんなく
発揮し、十人十色の輝きを見せていました。
今一度いくつか振り返りますと、
5月には、2学年の宿泊研修(2泊3日)での新たな取り組みとして、販売や接客を通してコミュニケーション能力を
高め、生徒の社会的、職業的な自立を図ることをねらい、イオンモール旭川西店で「おびらマルシェ」と銘打ち、特産の
タコの加工品や超硬質小麦ルルロッソの乾燥パスタ麺、学科製品である湯飲み茶碗や巾着袋などの販売会を行い、好評を
得ました。前週には、春にオープンしたばかりの小平町観光交流センターで学科製品や留萌や小平町の特産品のプレ販売
会を行い本番に備えました。どちらの会場においても、生徒たちの表情には、緊張感が漂う中にも販売会をやり遂げた充
実感や達成感に満ちあふれていました。
6月には、開校20周年記念オビリンピック(体育祭)が開催され、ご来賓の皆様のご臨席のもと、保護者や地域の皆
様からの大声援と拍手喝采を受け、生徒たちは日ごろの学習や練習の成果を十分に発揮し尽くしたと思います。各種目に
おいては赤組と白組の熱戦が繰り広げら、まさに本校の校訓であります「笑顔、助けあい、学び合い」の精神が随所に見
られるなど、、生徒一人一人の最高のパフォーマンスと、多くのドラマと大きな感動が創られたと確信するところです。
7月には、恒例の総合学習(前期)が実施され、各学年を縦割りのグループで編成し学習に取り組みました。①くきの
会G(グループ)では介護等体験、交流活動②ちびっこGでは、子ども園、幼児あそびクラブ訪問、交流活動、③観光グ
ループでは観光案内冊子の制作、④環境ボラGでは、留萌市のリサイクル施設見学、地域の清掃活動、⑤文化Gでは、旧
花田家番屋見学、ほたて水産加工場見学、⑥漁業Gでは、魚釣り体験、ほたて養殖場見学、地引き網体験を行いました。
特に、観光Gの新たな取り組みとして、小平町観光情報誌「おびらん」の作成と安全祈願お守りを制作し、道の駅「鰊番
屋」前で観光客に配布するPR活動を行い、本校の教育及び小平町を知ってもら良い機会になりました。各グループでの
創意工夫した取り組みとともに、生徒たちは実際的、体験的な学習活動を通して、自ら課題を見つけたり、工夫したりす
る力を育んだと思います。
このように本校では、地域に根ざし、人とかかわる教育活動の推進や地域に貢献する活動を行っており、併せて生徒一
人一人のキャリア発達の視点も大事にした特色ある教育活動を進めています。
中央教育審議会答申「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方」では、キャリア教育は「一人一人の社会
的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育」、キャリア発達は
「社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程」と押さえられています。
例えば、クリーニング科では役場や老人施設での清掃作業、生活園芸科では地域の花壇整備や留萌教育局から依頼を受
けての紙すきによる賞状制作、昨年木工科では小平町役場から依頼を受けてのハンガー製作、納入、産業科では本校協力
会の依頼を受け協力会会員に湯飲み茶碗を配布する活動、観光交流センターやゆったりかんでは学科製品の展示など、本
校の教育活動の理解・啓発に努めています。
おんねの丘を下りて、積極的に地域に出向き人とかかわる活動や、地域に貢献する活動は、キャリア発達の視点でもあ
りますし、生徒たちが社会の中で自分の役割を果たすことにつながるとともに、自分らしい生き方を考える貴重な機会に
なっています。
このようなことから、今後も職業学科を置く本校の特徴と強みを生かし、地域への社会参加と貢献活動等を積極的に行
い、生徒一人一人の自己有用感(人の役に立つ、人から感謝される、人から認められる)や自尊感情を高め、生活する力
や働く力を大きく、太く、力強く育てていきます。
1学期の学び
1学期の学び
開校20周年記念オビリンピック
保健体育部長
平尾
「宿泊研修での販売会について」
陽子
6月13日(土)、「開校20周年記念オビリンピック」を
開催いたしました。練習期間中は天候に悩まされ続け、本番当
日も雨や雷を心配する中でのスタートとなりました。生徒たち
のがんばりと会場の熱いご声援のお陰か、途中からは汗ばむほ
どの陽気となり、2年ぶりに全日程をグラウンドで行うことが
できました。保護者、地域の方々や、卒業生などのたくさんの
声援を受けながら、生徒たちは、のびのびと競技に取り組むこ
とができました。ご家庭の皆様には、遠方より朝早くから応援
に駆けつけてくださり、ありがとうございました。
2学年主任 永井 進
5月20日(水)からの3日間、2学年30名は
宿泊研修に行ってきました。1日目は札幌で自主研
修を行い、宿泊地の深川で2日目を過ごし、3日目
にはイオンモール旭川西で販売会「おびらマル
シェ」を開催しました。1日目の札幌や深川で購入
した材料を使い、2日目の調理学習で小平町の特産
品を使ったメニューを作り、3日目の「おびらマル
シェ」でPRするなど、つながりをもって研修する
ことができました。「おびらマルシェ」では本校製
品と小平町の特産品の販売や、おびまるとともに小
平町のPR活動を行いました。大きな声と生き生き
した表情で取り組み、一人一人が練習の成果を発揮
することができました。
総合的な学習の時間(前期)
1学年主任
森
淳王
6月下旬から7月中旬にかけて、全6回の「前期総合学習」を行いま
した。本校では、6つの活動グループに分かれて、学年の枠を越えた学
習を行っています。「群来の会グループ」や「ちびっこグループ」は、
生徒たちが交流会の内容を企画して、小平町のお年寄たちや子どもたち
と交流を深めました。「観光グループ」は、小平町の観光パンフレット
や交通安全の御守りを制作して、道の駅を訪れた観光客に配布しました。
「環境ボランティアグループ」は、留萌市のごみ処理施設を見学してリ
サイクルについて調べたり、鬼鹿町のバス停清掃をしたりしました。
「文化グループ」は、小平町埋蔵資料館や旧花田家番屋を見学して、小
平町の歴史や文化について調べました。「漁業グループ」は、鬼鹿町の
有志の方々のご好意で、地引網漁を体験させてもらったり、ほたて養殖
場を見学したりして、小平町の漁業について調べました。7月13日の
全体発表会は、それぞれのグループが学習した内容について創意工夫に
満ちた発表をして、すばらしい会となりました。
救急救命講習
保健体育部
清野
道恵
6月19日に学校職員、7月9日に寄宿舎職
員を対象として、救急救命講習を実施しました。
学校職員は『3分間の胸骨圧迫(心臓マッサー
ジ)』で技術の習得を目指し、『アナフィラキ
シーショック・気道内異物による窒息・運動中
の心停止』を想定した実技により、迅速かつ的
確な処置を行うための対応を学びました。寄宿
舎指導員は、心肺蘇生法の実技を2分間、『食
事中の窒息・夜間巡回時の呼吸停止』を想定し
た実技、さらに担架を使った運搬法を学びまし
た。参加した職員は、細かい点を講師に質問し
ながら熱心に取り組んでいました。
夏休みの個別の教育支援計画の返却について
本校では、生徒一人一人の教育的ニーズを正確に把握し、福祉や医療、労働等の様々な関係機関と連携していくことを
目的に、個別の教育支援計画を作成しています。夏休みの期間中、ご家庭では新たに福祉事業所等でサービスの利用を開
始することがあると思います。そのようなときにお子さんの得意なことや苦手なこと等の情報を、事業所と共有するため
のツールとして活用していただきたいと考え、個別の教育支援計画を一時ご家庭に返却させていただきます。2学年、3
学年は1学期の終業式に、1学年は家庭訪問の際にお渡しいたします。
あわせてご家庭で一度目を通していただき、内容をご確認ください。関係機関との連携のためには、常に新しい情報に
書き換えていくことが必要になります。修正や変更などがありましたら、担任へ連絡をお願いします。
なお、個別の教育支援計画は、2学期の始業式に学校へお持ちくださいますようお願いいたします。
「iPad」が導入されました!
「平成26年度道立特別支援学校教材実践事業」として、昨年度末にiPad10台とWi-Fiのア
クセスポイント5台、テレビとの接続ケーブル2本が導入され、本年度から使用を開始しています。
生活単元学習や総合的な学習の時間などで調べ学習に使ったり、運動している自分の姿をその場で
見てフォーム等のチェックをしたり、カメラ機能を利用して美術の作品作りに役立てたりなどして、
使用しています。今後iPadの使い方の研究・研修を重ね、生徒たちが能動的に学習活動に取り組み、
学習効果をより高めることができるようにしていく予定です。
教務主任 越田 淳