ISO17100 の翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験 翻訳プロジェクト

ISO17100 の翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験内容カバー率
翻訳プロジェクト・マネージャー資格試験内容カバー率
文責:一般社団法人
文責:一般社団法人日本翻訳協会
法人日本翻訳協会
1.算出法
①JTA の TPM 資格試験問題(2014/3/4 版 候補問題リスト)
の6サブカテゴリーにおいて、
各問題の内容を ISO17100 がカバーしている度合いを、以下の3段階で評価。
a.完全にカバーしている問題(問題と ISO17100 の規定で、内容が一致)
b.一部をカバーしている問題(問題と ISO17100 の規定で、内容に関連性がある)
c.まったくカバーしていない問題(問題と ISO17100 の規定で、内容が無関係)
②a.=1点、b.=0.5 点、c.=0 点で、サブカテゴリー毎に合計点を算出し、問題数
で除算して、内容が一致するパーセンテージを算出。
2.計算結果(結果は
5%単位で概算にしてあります)
2.計算結果
①時間管理 a=29、b=21、c=4
(29+21*0.5+4*0)/54 *100=7
75%
②人材管理 a=56、b=11、c=2
(56+11*0.5+2*0)/69 *100=90
90%
90%
③資源管理 a=45、b=13、c=6
(45+13*0.5+6*0)/64 *100=80
80%
80%
④コスト管理 a=0、b=14、c=35
(0+14*0.5+35*0)/49 *100=1
15%
⑤顧客管理 a=15、b=30、c=12
(15+30*0.5+12*0)/57 *100=5
50%
⑥コンプライアンス管理 a=9、b=17、c=53
(9+17*0.5+53*0)/79 *100=20
20%
20%
☆上記パーセンテージは、感覚的な印象を考慮しても、ほぼ的確と思われます。
3.考察
①時間管理(75%一致)
ISO17100 には「時間管理」という項目はないが、TPM 問題の内容と合致する記載は多
い。「プロセス」に関する規定(「4.制作前プロセス」、「5.制作プロセス」、「6.制作
後プロセス」)の中に、納期管理・作業の効率化など、時間管理に関連した記述は頻出する。
また、
「3.2.技術とテクノロジーのリソース」に関する箇所でも、テクノロジーの活用
による作業の効率化という記述がある。
②人材管理(90%一致)
ISO17100 には「3.リソース」という大項目があり、ここで「人材」に関して、翻訳者・
リバイザー、レビュアー、TPM など個々の役割ごとに、詳細にわたって規定している。
「プ
ロセス」関連の規定の中にも、人材の採用や活用に関連する記述がある。10%の不一致は、
JTA の試験問題が詳細・具体的に過ぎることが理由。
③資源管理(80%一致)
「人材」以外のリソース(資源)に関しては、ISO17100 では「3.2.技術とテクノロジ
ーのリソース」以外には独立した規定はない。ただし、クライアントから提供される情報
の取り扱いや、翻訳テクノロジーの活用に関しては、「プロセス」関連の規定で、詳細にわ
たって記述されている。人材管理と同様、20%の不一致は、JTA の試験問題が詳細・具体
的に過ぎることが理由。
④コスト管理(15%一致)
ISO17100 には、
「コスト」に関する直接的な規定項目はない。ただし、
「プロセス」に関
する規定の中で、クライアントに対する「見積り」の的確さや、作業の効率化、クレーム
対応などのリスク管理といった、結果的にコスト管理につながる記述が見られる。
⑤顧客管理(50%一致)
ISO17100 には、
「クライアント」に関する独立した規定項目はない(「2.用語および定
義」には client、customer の定義が存在)。ただし、「プロセス」に関する規定では、制作
前プロセス、制作プロセス、制作後プロセスのすべてを通じて、クライアントとの関係を
意識した記述が随所に見られる。引き合いから見積り、顧客情報の取り扱い、顧客とのコ
ミュニケーション、Q&A、クレーム対応、納品後のフィードバックなど、対顧客という観
点でのビジネスプロセスに関する記述は、思いのほか多い。
⑥コンプライアンス管理(20%一致)
ISO17100 には「コンプライアンス」に関する独立した規定項目はない。ただし、
「コス
ト管理」と同様、「プロセス」に関する規定の中で、顧客情報の適正な取り扱いに関する記
述がある。また、
「人材」に関する規定の中にも、TSP の人材が持つべき適正な資格に関し
て規定されている。
以上
2014/6/13