プロジェクトとは プロジェクト定義

■プロジェクトとは
PMBOK1.2
−人により遂行される
−使用資源の制約がある
定常事業活動:継続や反復性があり
−計画され、遂行され、管理される
プロジェクト:有期性と成果物の独自性がある
有期性:全てのプロジェクトには明確な開始点と終結時点がある
独自性:プロジェクトが創出する成果物やサービスはある部分で他とは類似性はあっても
基本的には唯一無二である
プロジェクトの遂行
一人で遂行
<=>
何千人で遂行
数週間で終了
<=>
5 年以上継続(2k)
一つの組織で完結
<=>
複数組織が連合
(ジョイントベンチャーやパートナーリング)
プロジェクトは組織のビジネス戦略の実現の重要な要素
!
プロジェクトはよく、組織の戦略計画を達成する手段として実施される
■プロジェクト定義
= =プロジェクトには目標とゴールがある= =
PMBOK2000
ESI 1-7
−特定の成果を達成するために組織
−期間が限定されている
:
有期性
−個別にユニークで同じものはない
:
−相互に関連する作業の調整がなされる
成果達成
独自性
:
相互関連性
相互関連性
プロジェクト
有期性
独自性
<Start→END>
<唯一無二>
1.プロジェクトの統合マネージメント
-1-
プログラム
・スコープがプロジェクトより大きい
Project
Project
Project
Project
・しばしば相互に関連する複数のプロジェクトを包含する
・期間がプロジェクトより長く、明確な終了点が想定されていないことがある
1.プロジェクトの統合マネージメント
-2-
■プロジェクトマネジメントとは
PMBOK1.3
プロジェクトオーナーやステークホルダーの要求や期待を満たすまたはそれ以上の成果をあげるた
めに最適な知識、技術、ツールや技法を用いる。
!
要求事項間のバランスを取る
スコープ
スケジュール
それぞれに優先する要求事項
コ ス ト
品
期待が異なるステークホルダー間
質
明示的な要求事項と暗黙の期待感
■プロジェクトのライフサイクル
PMBOK2.1
○費用の発生と要員数は開始直後は緩やかで
初期 Phase
終わりに向かって山が高くプロジェクトの
中間 Phase
最終 phase
労
終結近くで急激に落ち込む。
力
投
○プロジェクト開始時点では成功の確率は最小
入
(リスクと不確実性は最高)、プロジェクトの
時
進行に伴い成功裡の確率が上昇する。
間
○プロジェクトの成果物の最終特性に対するステークホルダーの影響力は開始時点が最大で
プロジェクトの進行に伴い徐々に弱まっていく。
!
ステークホルダーは時間と共に変わり役割も変わっていく
先行するフェーズのプロダクツは通常、次のフェーズの業務開始までに承認をいける。
しかしながら予想されるリスクが許容範囲内とみなされる場合は、先行するフェーズ
のプロダツが承認される前に後続のフェースが開始される事もある、このようにフェ
ースを重ねて実行することをファーストトラッキングと呼ぶ
1.プロジェクトの統合マネージメント
-3-
□ライフサイクルの各フェーズの作業
ESI1-7
○コンセプトフェーズ
・データ収集
・ニーズ、選択肢の明確化
・ゴール、可能性、リスク、戦略の設定
・リソース概算見積り
・プロポーザルの提出
○開発( プランニング) フェーズ
Concept
・プロジェクト憲章作成
・主要なチームメンバーの指名
・スコープ・ベースラインの作成
・マスタープラン、予算、WBS、方針/プロシージャーの
設定
・リスクアセスメント(評価)
・プロジェクト実施の正当性の確認、および
○実施( 遂行) フェーズ
Development
承認の取得
・組織の発足
・詳細レベルの技術要件作成
・ワーク・パッケージの決定と実行
・スコープ、品質、スケジュールおよびコストの管理、監視
およびコントロール
○終結( 終了) フェーズ
Implementation
・プロジェクトのレビューおよび受領
・責任の移行
・結果の文書化および評価
・リソースの解散および再配置
Termination
1.プロジェクトの統合マネージメント
-4-
■プロジェクトのステークホルダー
PMBOK2.2
ステークホルダー
当事者としてプロジェクトにか
○プロジェクトマネージャー
かわっているか、あるいはその
プロジェクトの管理責任を持つ個人
○顧
利害がプロジェクトに影響される
個人や組織
客
プロジェクトの成果物を使用する予定の個人・組織
○遂行組織
その従業員がプロジェクトの業務遂行に最も直接的
に関与する企業体
○スポンサー
プロジェクトの財源を現金あるいは現物の形で提供
!
ステークホルダーは時間とともに変わる
! ステークホルダー間の意見の食い違いは顧客の意見で解決されることが多い
□組織構造がプロジェクトに与える影響
マトリックス
機能型
プロジェクト型
弱いマトリックス
中間のマトリックス
強いマトリックス
限定
低∼中
中∼高
プロジェクトマネージャ
極めて小
ーの権限
高∼全権
PMBOK2.3.3
■マネージメントスキル
○リーダーシップ
〔PM 必須要件〕
--------------------
○コミュニケーション力
PMBOK2.4
方針の設定、人々を方向付け、動機付けと鼓舞
送り手は理解されるように明確でわかりやすく伝える
受け手は正しく理解したか受け手に確認する
○ネゴシエーション力
○問題解決力
---------
---------------------
○組織に対する影響力
---------
妥協点を見出す、意見を一致させる
問題の解決と意思決定をあわせたもの
物事をまとめあげる能力を含む
1.プロジェクトの統合マネージメント
-5-
■標準( 規格) と法規
基
PMBOK2.5.1
(規格)
準
イドライン、あるいは製品、プロ
セス、サービスの特性などの、準
規
準拠することが強制される、
準拠義務
的な使い方を想定したルール、ガ
ガイドライン
認知された団体が承認した、汎用
法
行政上の規定も含んだ、製品、
プロセスあるいはサービスの
特性を含んだ文書
拠については強制がない文書
■プロジェクトのプロセス
PMBOK3.1
プロセス:結果をもたらす連続したアクション
立ち上げ
計画
プロセス
プロセス
Initiating Processer
Planning Processes
コントロール
遂行
プロセス
プロセス
Contorolling Processes
Executing Processes
終結
プロセス
Closing Processer
! プロセスのグループは自ら作り出す結果によってつながりを持ち、一つのプロセスの結果が他への
インプットとなる
プロジェクトマネージメントプロセス
プロダクト( 製品) プロセスは
は プロジェクトの成果物を特定し、 体系
プロジェクト成果物を特定し、創り出す
化することを主眼におく
ことを主眼におく
1.プロジェクトの統合マネージメント
-6-
□フェーズ内のプロセスのオーバーラップ
コントロールプロセスは
全 Phase にまたがっている
遂行
プランニング
立ち上げ
終結
コントロール
フェーズの開始
時間
フェーズ完了
実際のプロジェクトではオーバーラップが多く発生する、例えば計画の
プロセスはプロジェクトの現在のフェーズを成功裡に終結させるための詳
細な作業規定を行うだけでなく、後続のフェースの予備的な作業規定も準
備しておく必要がある。このように進行しながらプロジェクトの計画を詳
細化していく事を通常ローリングウエーブ方式の計画と呼ぶ。
■プロジェクト計画の目的
PMBOK4.1
○プロジェクト遂行のための指針作り
“前提条件 仮定条件”
○プロジェクト計画時に仮定事項として採用した項目の明文化
○プロジェクト計画時に下した複数選択肢の決定案に関わる文書記録
○各ステークホルダー間の意志の疎通を計るための拠り所の提供
“決定のものさし”
○マネージメントレビュー会議に関する内容、範囲、時期の決定
○進捗測定とプロジェクトコントロールのためのベースライン設定
“承認されたプラン”
予 算 額 はプロジェクトマネージメントチームが取り得るスコー
プ、要員スケジュールの選択に対する制限要因
プラン作成の基礎情報
請 負 契 約 の下で遂行するならばその契約条件が
・先行プロセスからの計画資料
制約要因
・実績情報
・組織の方針
(会社の方針)
・制約条件
仮 定 条 件 とは計画を立てるにあたって「真であ
・仮定条件
る」、「現実に起こる」あるいは「確実に起こる」と
仮定を置いた条件
Assumtion
1.プロジェクトの統合マネージメント
-7-
■プロジェクト計画書
PMBOK4.1
○プロジェクト計画書はプロジェクトの遂行を管理・統制するための正式に承認されたコミュニケー
ションマネージメント計画書の定めるところに従い配布される書類
必須内容
4.1.3.1
・プロジェクト憲章
・スコープ記述書
・プロジェクトマネージメントアプローチ・戦略記述書
・WBS
・主要マイルストーン
・コストとスケジュールの進捗率算出のためのベースライン
・主要スタッフ
・主要リスク
・コープマネージメント計画書、スケジュールマネージメント計画書、
(補完的マネージメント計画書)
詳細バックアップ資料
4.1.3.2
・本プロジェクトに含まれず、他の計画プロセスにて作成された成果物
・本統合プロジェクト計画書策定時に作成された追加情報と追加書類
・技術書類(要求事項、仕様書、設計書)
■プロジェクト計画の実施
PMBOK4.2
○プロジェクト計画の実施はプロジェクト計画遂行の主要プロセス
! プロジェクト予算の大半がこのプロセスによって費やされる
4.2.1 Input
是正策とはプロジェクトの遂行
1 プロジェクト計画書
のパフォーマンスをあらかじめ
2 詳細バックアップ資料
設定したベースラインに戻すた
3 組織の方針
めに取られるあらゆる方策
4 是正策
1.プロジェクトの統合マネージメント
-8-
リーダシップ、コミュニケーション能力、交渉能力
4.2.2 Tool&techniques
プロジェクトチームはプロジェクトの成果物に対
1 一般的なマネージメントスキル
する技術と知見(知識)を内部に保有
2 成果物に関するスキルと知識
するか無理なく外部から利用できる
3 業務遂行裁可システム
状態にあること
4 進捗検討会議
5 プロジェクト管理システム
業務裁可システムはプロジェクト遂行におけ
る各作業を所定のスケジュールでただし手
順に則って実施することを認可する
プロシジャー
プロジェク管理システムは他のプロセスにおけ
る成果物を統合集約配布するための
情報統合手段であり技術である
4.2.3 Output
1 作業結果
2 変更要求書
作業結果とはプロジェクト遂行のために
実施された各作業の結果の集合体
全てを含んでいる
■変更管理
PMBOK4.3
(a)変更により良好な結果が得られるように、変更を発生させる要因に働きかけること
メリットとデメリット
(b)変更が実際に発生したか確定すること
やるかやらないか
(c)変更発生時に実際に対処すること
きっちりやっているか
1.プロジェクトの統合マネージメント
-9-
4.3.1 Input
変更要求は
1 プロジェクト計画書
口頭もしくは文書
2 進捗報告書
直接指示もしくは間接指示
3 変更要求書
外部からの要求もしくは自組織内
法的な強制もしくは自発的変更
仕様変更・コスト・プラン・契約等全
てに対して
承認済みの正式文書を変更する際の
手順を記した手順書類
手順書
4.3.2 Tool&techniques
変更追跡システム
1 変更管理システム
変更要求書を認可するのに必要な
2 コンフィグレーションマネージメント
許可基準等
3 進捗測定
4 計画の追加作業
変更管理システムは、多くの変更要求書の
5 プロジェクト管理システム
承認と却下に権限を持つ変更管理委
員会(CCB:Change Contorole Board)
をその組織内に持つ
通常はバージョン管理
変更管理システムは、事前承認が取れない
ような緊急のケースを想定した、現場等
で 下 さ れ る 変 更 対 処 法 (Automatic
Change)を定める
※承認ルールを細かく決めておく
1.プロジェクトの統合マネージメント
- 10 -
更新とは
4.3.3 Output
本計画書とそのバックアップ資料の本文
1 プロジェクト計画書更新版
に関するあらゆる変更を指し、更新に
2 是正策
関する連絡は該当するステークホルダーに的
3 教訓
確に行わなければならない
計画からのずれが生じた場合これを
是正し、初期の目的達成に向けての軌
道修正の方策を指す
計画と実績の差を発生させた原因分
析結果や、実際の是正案を採択した理
由等の教訓は必ず文書し、当該プロジ
ェクトのじ後の遂行、将来のプロジェクトの
ための実践則としてデータベースに残す
! 変更管理(Change Control)の場合、是正策と教訓は必ずある
1.プロジェクトの統合マネージメント
- 11 -
■プロの責任
(Professional Responsibility)
プロの責任のタスク・ステートメント
−PM コミュニティーや全ステークホルダーを保護するよう法的要請や倫理基準を遵守し
て、個々人の健全性と専門意識とを確保する。
−コミュニティー内でPMサービスの質を向上させたり、同僚の技量を増強したり、専門
的職業を前進させるために、教 訓 や ベ ス ト プ ラ ク テ ィ ス 、 研 究 成 果 等 を 共 有 す る ことに
より、PM知識の基盤に貢献する
−サービスを向上させる専門知識を増し、適用することにより、個人の能力を増強する
−競合する要件や目標を満足させる公正な解決を求めるアプローチを勧めて、ステークホ
ルダーの利害を調和させる
− 個 人 的 、 人 種 的 、 文 化 的 相 違 を 尊 重 し、強調的なPM環境を確保するために、チームや
ステークホルダーと専門的かつ強調的にお互いに影響を及ぼす
! “PMP Code of Professional Conduct”として実践が求められる
1.プロジェクトの統合マネージメント
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□P M P C o d e o f P r o f e s s i o n a l C o n d u c t
A 組織のルール・方針の遵守
1PMI に対する情報の適切、正確な提供する責任
2事実に基づき PMP 行動規範違反の可能性を報告する責任
3倫理規定違反に関する情報収集へ協力する責任
4重要な状況を顧客に対し公開する責任
B 専門的職務遂行
Ⅰ職務に対する責任
1資格、経験、成果を適切に報告する責任
2法律、規制、倫理基準を遵守する責任
C専門性の推進
1他者の知識財産を尊重し、業務遂行・調査において適性に行動
する責任
2PMP 行動規範の普及に努める責任
A 専門サービスとしての資格、経験、成果
1結果等の社会への報告を適正に行う責任
2業務範囲、業務目的を完遂する責任
Ⅰ対顧客・社会に
対する責任
3業務を通じて得た秘密を保持する責任
B 紛争や禁止事項
1紛争を顧客の合法意識に妥協を与えたり専門家の判断に影響さ
せない責任
2不当な対価の受け取りに断る責任
1.プロジェクトの統合マネージメント
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