2013年4月

フランス学術情報(平成 25 年 4 月分)
平成 25 年 4 月 19 日
ストラスブール研究連絡センター
フランス高等教育研究省
●「高等教育・研究の方向付けに関する法案」
2013 年 3 月 20 日、フランス高等教育研究省ジュヌヴィエーヴ・フィオラゾ(Geneviève Fioraso)大
臣は閣議で、高等教育・研究の方針に関する法案を提出した。同法案提出までの経緯は 2012 年 7
月にフィオラゾ大臣による”Assises”高等教育諮問委員会の発足の発表*1 以来、同委員会による 85
の高等教育研究機関の諮問の総合評価*2、25 の地方レベルでの討論会レポート(2 万人の参加)、
国レベルでの討論会(700 人参加)のあと、専門家による 120 回の会議によって 135 項目の提案が
まとめられ、2012 年 12 月にフィオラゾ大臣からオランド大統領に高等教育諮問委員会の報告書が
提出された*3。これを機に同法案が作成され、今回の閣議提出に至った。
フィオラゾ大臣は、提出書類の冒頭で次のように語っている(以下は概要)。
「・知識と若者に投資することは、科学技術、経済、環境、社会がめまぐるしく変遷する世界に対応
できるように競争力をつけ、新たな「フランスのモデル」を築くことであり、未来に「賭ける(成果を期
待して投資する)」ことである。将来に向けた職能資格のレベルアップ、就職のための教育の充実、
職業教育課程のイノベーションにとりかかる。
・高等教育は経済危機を乗り切るための武器であり、知識と若者に重点を置くことは現在の問題に
取り組むことでもある。
・韓国*4 では人口 5,900 万人当たり 330 万人が学生である一方、フランスは人口 6,540 万人に対し
240 万人である。日本では福島の惨事以後、高等教育・研究は国の「復興(再生)」プロジェクトの中
心である。高等教育・研究の保護の重要性を認識していたドイツは、産業の重要な担い手となるハ
イレベルの労働者を育成し、成功の原動力にしている。知識がグローバル化する中で競争力を高
めるためにも高等教育・研究の重要性が一段と高まっている。
・フランスは、経済、国の栄光、国際的地位の衰退の危険を冒してまで、こうした世界の動向から距
離を置いたままでいるべきであろうか?高等教育・研究は、現在我々が直面している社会、経済、
科学的な課題を乗り越えようと、かつてないほどの変動を見せている。これが政府として取り組んで
いる本法案の意味するところであり、今回初めて、高等教育・研究に関連したあらゆる問題を結集さ
せている。
・本法案は、対話と信頼に基づいた一連の新機軸の取り組みの成果である。”Assises”高等教育諮
問委員会は国全体の活力と共にあり、50 年以上の歴史ある自治の精神に基づいている。その原則
では、二重の責任、つまり、企画者としての国家の責任と高等教育・研究機関自身の責任を前提と
している。しかし、同法案は高等教育の関連機関にのみ向けられたものではない。
・今回の改革は社会全体に関係する。本法案では、同じ年齢層での学位取得率 50%を目指し、ま
た、研究の質を維持する、といった明確な目標を設定して各機関を活発化することを目指してい
る。
・これらの目標達成のため、本法案では「開放と障壁除去」の 2 大基本方針を設定する。
<全ての学生に「高等教育を受ける機会を」開放>
・職業バカロレア取得者*5 の S.T.S.(Section de Technicien Superieur:上級技術者養成課程)の進
学、技術バカロレア取得者の I.U.T.(Institut Universitaire de Technologie:工業技術短期大学)へ
の進学を奨励すること
・生涯学習も含め、大学の講義を一般に開放すること
・大学を社会経済的環境へ開かれたものとし、社会経済界の代表者がガバナンスに参加できる
体制を整えると同時に、科学的発見を社会や経済に応用するための技術移転を新たな使命とし
て法案に盛り込むこと
・世界各国から学生を引きつけるため、外国語による講義を奨励し、国際的に開かれた教育をめ
ざすこと
<障壁の除去>
・フランスの高等教育・研究は複雑な体制のため、障壁を取り除き簡素化することを目指す。学科
間、大学の課程間の障壁を取り除き、進路変更や方向転換をしやすくする。高校のグランゼコー
ル準備クラスと大学を混同することなく連携させ*6、両機関を一ヶ所に設置することを奨励する。
同様にグランゼコール準備クラスと大学の教育と研究の一体化を図る。
我々は自分たちの高等教育と研究に自信を持っている。多数のノーベル賞とフィールド賞の受賞
がフランスの研究の質の高さを証明している。フランスに新しい息を吹きこみ、欧州・世界レベルの
新たな戦略を国として立てる必要がある。法案で全てが解決するわけではなく、続いて新たな政令、
革新的かつよく練られた運営方法を提案する予定にある。」
○全体的政策構想に含まれる方針(20 項目)*7
優先事項:学生の成功(①~⑨)*8
①高等教育及び研究の国家戦略を仕上げ、高等教育研究大臣がバカロレア取得後の諸教育シス
テムをコーディネートする。
②諸教育課程の名称の単一化を図り、特殊専門化を避ける。
③職業バカロレア取得者の上級技術者養成課程(STS)への進学を、また技術バカロレア取得者の
工学技術短期大学(IUT)への進学を指導する。
④高等学校にグランゼコール準備クラス(CPGE)又は(及び)上級技術者養成課程(STS)を並置し、
バカロレア取得後の選択肢を広める。
⑤大学新入生に幅広い課程の選択を与え、専門課程への進学を段階的に指導。各課程間の壁を
なくし、相互に学生が編入できるよう配慮する。
⑥企業研修などを大学課程の代替とすることにより、学生就職の促進を図る。
⑦高等教育全般、特に教育方法においてデジタル化を推進する。
⑧大学の他学科の学生が、医学部の 2 年生、又は 3 年生に編入できる機会を与える(試みとし
て)。
⑨これまで極めて狭き門であった高級公務員への採用を、博士号取得者にも開けるようにする。高
等教育研究大臣は、企業に対しても博士号の認識を広める。
研究の新たな目標(⑩~⑭)*9
⑩ヨーロッパのプログラム Horizon2020 と歩調を合わせて、フランスの研究の道標を定め、優先研
究を決定する。
⑪首相の下にフランスの研究戦略を決定する研究戦略評議会を設置し、高等教育研究大臣がコ
ーディネーションを行う。
⑫AERES(高等教育研究評価機構)を廃止し、独立行政法人 Haut Conseil de l’évaluation de la
recherche et de l’enseigmenent supérieur(研究及び高等教育評価高等評議会)がそれに代わる。
⑬PRES(研究・高等教育拠点)、RTRA(先端研究テーマネットワーク)、CTRS(臨床研究テーマネ
ットワーク)を廃止し、フランスの研究支援と評価を簡素化する。
⑭雇用や新産業創生のため、高等教育・研究機関で得られた新知見を産業界に容易に移行する
ための措置を取る。
改革手段としての障壁除去(⑮~⑱)*10
⑮すべての高等教育研究機関を、フランス各地域のアカデミー(あるいはいくつかのアカデミーを
統合した拠点)に所属させ、各アカデミー全体での高等教育、研究戦略のコーディネーションを行
う。
⑯教育及び学生生活評議会と研究評議会を一つに編成した Conseil Académique(アカデミー評議
会)を新設する。
⑰大学を社会経済界に門戸を開くため、Conseil d’Administration(管理評議会)にその委員を参
加させる。
⑱大学や他の高等研究機関の評議会員は、男女同数を計る。
欧州と世界に開かれた高等教育研究(⑲、⑳)*11
⑲学生や研究者の流動性を高めるため、各高等教育機関は諸外国との交流を促進すると共に、
学生のカリキュラムのなかで外国留学可能な期間を定める。
⑳外国の高等教育機関と協定がある場合、外国語での授業を認める。フランス大学生には、外国
語教育を学べる措置をとる。
JSPS ストラスブール研究連絡センターフランス学術情報(平成 24 年 9 月分)
海外における高等教育の動向(平成 24 年 10 月分)
海外における高等教育の動向(平成 25 年 1 月分)
JSPS ストラスブール研究連絡センターフランス学術情報(平成 25 年 3 月分)
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海外における高等教育における動向(平成 25 年 2 月分)
海外における高等教育に関する動向(平成 24 年 10 月分)
キャンパス計画の再発進、5 年間で学生寮 40,000 戸建設、教員資格準備学生を 3 年間で
18,000 人養成、企業での研修制度の強化
*9 ①ANR の基礎研究でプロジェクトについてより長期の支援期間の採用を考慮する。
②フランスの大学研究者のより一層のヨーロッパ研究プロジェクト(PCRDT)への参加呼びかけ
る。
③4 年間で研究職員の 8,400 ポストを正規のポストとし、ANR における CDD(有期労働契約)
での採用を制限する。
④技術分野の研究の発展のため Instituts Carnat や、CEA-Tech、ANR の当該プログラムを強
化する。
⑤Jean-Luc Beylat / Pierre Tambousin 両氏による答申に従い、2013 年前期に研究の産業への
技術移転の改革案が提出される予定。(フランス学術情報 平成 24 年 11 月号参照)
⑥ドイツと共に、フランスは Arione6 プログラム(2012 年 11 月ナポリの ESA 大臣評議会で決定)
への主要参加国である。
*10 ①例外的措置として、大学へ給料の援助
②2013 年度、大学に 1,000 の教員ポスト新設(うち農学 20)
*11 ヨーロッパの研究プログラム Horizon2020 へのフランスの参加、特に KET への参加。
(フランス学術情報 平成 24 年 11 月号参照)
*1
*2
*3
*4
*5
*6
*7
*8
・高等教育研究省 “Projet de loi d'orientation E.S.R. : édito de Geneviève Fioraso”(2013 年 3 月 21
日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid70849/projet-de-loi-d-orientation-e.s.r.-edito-de-g
enevieve-fioraso.html
・高等教育研究省 “Une loi pour l'enseignement supérieur et la recherche”(2013 年 3 月 21 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid70897/une-loi-pour-l-enseignement-superieur-et-l
a-recherche.html
・JST HP “高等教育・研究の方針に関する法案”(2013 年 4 月 9 日)
http://crds.jst.go.jp/daily/data/20130409-001.html
●「CAMPUS d'@VENIR プロジェクト」
2013 年 4 月 11 日ストラスブールにて、フランス高等教育研究省フィオラゾ大臣は預金供託公庫
最高責任者の Jean-Pierre Jouyet 氏と、CAMPUS d'@VENIR(未来のキャンパス)と題された 2013
~2018 年期のパートナー協定に調印した。この協定は、フランス高等教育研究省と預金供託公庫
との間に締結されたフランス初の協定で、官民が連携して未来に向けた大学作りに取り組むことに
なる。本プロジェクトでは、知識の発展を社会的な問題の解決の起動力にし、全学生のキャリア成
功に向けた高等教育機関のスマート化と開放を目指して、大学の改築やオンライン講義の導入な
どのデジタル革命、学生寮の充実などを図る。
フィオラゾ大臣は、「1566 年に起源を持ち、メッテルニヒやゲーテも学び、現在二人のノーベル賞
受賞者(Prof. Jean-Marie Lehn、Prof. Jules Hoffmann)、一人のフィールズ賞受賞者、三人の
CNRS 金賞受賞者を生んだストラスブール大学のキャンパスで調印式に臨むことを誇りに思う。」と
述べた。
またこれより先、大学のための公的・私的パートナーシッププロジェクト担当の Peylot 報告を受け
て、2013 年 3 月 28 日、フィオラゾ大臣は 5 年間停滞していた 12 の大学キャンパス改善事業につ
いて、大学、国、地方、預金供託公庫が一体となって再開を実現させるとも述べている。
・フランス高等教育研究省 “Geneviève Fioraso relance et accélère la réalisation des plans Campus”
(2013 年 3 月 28 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71258/genevieve-fioraso-relance-et-accelere-la-re
alisation-des-plans-campus.html
・フランス高等教育研究省 “Convention de partenariat pour les CAMPUS d'@VENIR avec la
Caisse des Dépôts”(2013 年 4 月 4 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71439/convention-de-partenariat-pour-les-campus
[email protected]
・ フ ラ ン ス 高 等 教 育 研 究 省 “ Signature d'une convention de partenariat pour les CAMPUS
d'@VENIR avec la CDC”(2013 年 4 月 11 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71427/signature-d-une-convention-de-partenariatpour-les-campus-d-@venir-avec-la-cdc.html
●「医学系の学生をめぐる動き」
2013 年 5 月 13 日に国民議会で審議される予定の高等教育・研究の方向付けに関する法案のう
ち、医学系の学生に関する項目(第 22 条)が「高等教育の民主化」に反するのではないかといくつ
かの組合団体が懸念していた。これに対し、2013 年 4 月 4 日、フランス高等教育研究省フィオラゾ
大臣は、医学、歯科学、薬学、助産学課程の 1 年目における試験は学生を選抜することではなく、
早期に進路変更の機会を与えることで学生を守ることだと説明した。
また、2013 年 4 月 2 日上院の口頭答弁の際に、フィオラゾ大臣はマッサージ・運動療法施術者
の教育課程を学士・修士・博士課程(大学の正規課程)に組み込むことについて次のとおり説明し
た。
・マッサージ・運動療法施術者免許は学士号に相当させる。
・大学と連携した養成機関による免許の発行が義務化される。
・大学との協定に登録することで修士 2 年への進学が可能になる。
・高等教育研究省” Réponse de Geneviève Fioraso à la question du sénateur Bernard Fournier”
(2013 年 4 月 9 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71391/reponse-de-genevieve-fioraso-a-la-questio
n-du-senateur-bernard-fournier.html
・高等教育研究省” Expérimentation en première année d'études de santé”(2013 年 4 月 4 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71347/experimentation-en-premiere-annee-d-etud
es-de-sante.html
●「フィオラゾ大臣、ブルゴーニュ大学を訪問」
2013 年 3 月 21 日、フランス高等教育研究省フィオラゾ大臣がブルゴーニュ大学を訪問した。今
回の訪問は、3 月 20 日に閣議提出した高等教育・研究の方向付けに関する法案を説明する機会と
なった。
現在、5 人に 1 人の割合で高等教育機関に在籍する学生が学位を取得する前に中退するという
現状を挙げ、学生の成功、すなわち自分の進路を見据えて学業を修めて就職できるよう、高等教
育制度を見直すことを強調した。具体的には、新入生へのオリエンテーションの強化、幅広いカリ
キュラム選択と専門課程への段階的指導、職業バカロレアや技術バカロレア取得者の進学指導、
起業研修の強化などを図る。
・フランス高等教育研究省 “Déplacement de Geneviève Fioraso à l'Université de Bourgogne”(2013
年 3 月 21 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid70962/deplacement-de-genevieve-fioraso-a-l-univ
ersite-de-bourgogne.html
●「Cité U(パリ国際大学会館)に歴史センターL/Oblique 設立」
2013 年 4 月 16 日、フランス高等教育研究省フィオラゾ大臣はマニュエル・ヴァルス(Manuel
Valls)内務大臣と共にパリにある外国人学生や教員受け入れ施設である Cité U(パリ国際大学会
館)を訪れ、その機会に外国人学生・研究者の受入に関して次のように語った。
「外国人学生や研究者はフランスにとって財産であり、また、その受入はフランスの大学や科学
界の威光に欠かせない。と同時に、競争力強化、フランス語やフランス文化、我々の価値が世界に
浸透するという意味での政治的な影響や経済バランスのためにも重要である。
現在 1 年間に 29 万人の外国人学生がフランスに滞在する。フランスにおける博士号の 41%は外
国人学生によって取得されている。フランスはドイツと並び、非英語圏で外国人学生を受け入れるト
ップの国であるが、その地位は確立されたものとは言えない。世界においてフランスは外国人の受
入数では第 8 位であり、例えばインドは学生数を倍に増やしたいと考えているがフランスには 3,000
人足らずしか在籍しておらず、インドに滞在するフランス人学生も 1,000 人に留まっている。
フランスは国際的に優れた学生を魅了し続けなければならない。例えば BRICs 諸国(ブラジル、
ロシア、インド、中国)のような新興国やアフリカにも目を向ける必要がある。
そのためには外国人学生の受入だけではなく、フランス人学生の海外派遣を含めた双方向での
大学の国際化が欠かせず、フランスにおける外国人学生受入条件をより整えることが重要だ。まず、
外国語コースの充実を図る。そして、弱点でもあった宿舎を特にパリ地域で増加させたい。その点、
Cité U は 1,800 の新しい宿舎を増築し、勢いがある。これは現在 2,200 万ユーロを投資し国全体で
行っている 13 の優先プロジェクトの一つである。さらに、査証や滞在許可証の発行について改善す
る必要がある。ヴァルス内務大臣と共に、Guéant 通達(フランスの高等教育機関で学位を取った外
国人学生の卒業後の滞在を制限する移民政策)廃止後の外国人受入を新しいレベルで次のとお
り実施したい。
①滞在許可証の複数年発行(学部生 3 年間、修士学生 2 年間)
②外国人学生、研究者のための大学内専用窓口設置
③修士・博士学生から就業へのスムーズな移行(滞在許可証の便宜)」
・フランス高等教育研究省 “Inauguration du centre de valorisation du patrimoine L/Oblique à la
Cité U”(2013 年 4 月 16 日)
http://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid71509/inauguration-du-centre-de-valorisation-dupatrimoine-l-oblique-a-la-cite-u.html
フランス国立科学研究センター(CNRS)
●「公職における労働条件の改善」
2013 年 2 月 28 日付けの経済・財務大臣、国家改革・地方分権・公務員大臣、経済・財務大臣付
予算担当大臣の通達により、2012 年 3 月 12 日の Sauvadet 法が変更されることが発表された。この
法律は、正規職員への雇用と公職における臨時職員の労働条件の改善に関するもので、今回の
変更により、法によって定められた 6 年間という期間を超えて同じ職務に就いていた者の任期付契
約を任期の限られない労働契約(CDI: Contrat a duree indeterminee)へと切り替えることが可能とな
る。CNRS では、本件に該当する場合には所属地域の人事部に書類を提出することを勧めている。
・CNRS “Cédéisation « multi-employeurs » : les intéressés sont invités à déposer leur dossier au
service des ressources humaines de leur délégation”(2013 年 3 月 15 日)
http://intranet.cnrs.fr/intranet/actus/130315-cedeisation-multi-employeurs.html
●「2013 年 CNRS イノベーション賞」
テクノロジー、経済、臨床医学、社会分野において革新的な成果を上げた優秀な研究者を
対象とする 2013 年 CNRS イノベーション賞の受賞者が次のとおり発表された。
○Prof. Philippe Cinquin、グルノーブル TIMG-IMAG(医療工学及び情報・数学・応用総合
研究所)所長:コンピュータを用いての外科技術の先端的研究
○Prof. Ludwik Leibler、CNRS/ESPCI の MMC(軟物質と化学)研究所長:高分子の動力学とナ
ノ構造への貢献
○Prof. Stéphane Mallat、ENS Paris/Ecole Normale Supérieure(コンピュータ科学とシグナルプロ
セス):調和分析への寄与
本賞は、2013 年 6 月 12 日にフランス高等教育研究省ジュヌヴィエーヴ・フィオラゾ大臣によって
授与される予定である。
・ CNRS “ Stéphane Mallat, Ludwik Leibler et Philippe Cinquin, lauréats de la médaille de
l'innovation 2013 du CNRS” (2013 年 3 月 20 日)
http://www2.cnrs.fr/presse/communique/3037.htm
フランス国立研究機構(ANR)
●「HAL(オンラインハイパー記事)」
2013 年 4 月 2 日、ANR の Pascale Brian 会長は、フランス科学アカデミーにおいて、HAL*(Hyper
Articles en Ligne:オンラインハイパー記事)共有プラットフォームと公開アーカイブに関するパート
ナー協定に、他の 25 機関の代表者と共に調印した。この協定は、オープンアクセス、研究成果の
共有と発信・保護に関する国の政策に合致する。
*HAL:220,000 件の資料を有し、内 34,000 件の学位論文が無料アクセス可能で、毎月 2800 件
以上の記事が提出される。
・ANR “HAL : l’ANR s’engage”(2012 年 4 月 15 日)
http://www.agence-nationale-recherche.fr/informations/actualites/detail/hal-lanr-sengage/