水質汚濁による漁業被害とその対策

し
@
水質汚濁に
よ る
漁業被害とその 対策
井
「.
は
じ
め
上
和
夫
に
用水の被,月や
大なも汚染.騒乱・
労働淡月などと
である 最近はたんに漁 . 業 や化業 のつける凡失被害にと
や人命にかかわる屯 大な社会問題としてⅡ人の
関 むも 商 まってきている
-@-,
律をヴ
・えるもので
,
これを防 Ⅱするためにはあ
らかじめ除外措置を
講じなければ ならない,
と
なる現代社会においては
, ニ のような公害,すなわち
村
して公然とようご
されてぎたことは
過去の寺 実からも明らかで
汚水処刑施設の
完備をするものではな
庁菜とし
て発製してき たものであるが,阪神工業地帯の形成によ
埋立や水質汚濁のため
漁場価値を失ない
,明治後半よ り一貫して衰退をた
と
を参考として
水質汚濁防Ⅱ法を
制定しょうとする
努力がⅡなわれたが
,有害物質の
許容限度が
戦時中は国策遂行の口火のもとに
,
民の運動は肚殺され
,漁場は汚染されるにまかせた。
戦後23-24
コ
年・頃 から工業が復興するとともに
,
再む
拙著水質汚濁による大阪 而 漁業の衰退過程
㌍第
9 巻帯34
片」
の - 途をたどった" その後昭和3cw年頃からの重化学工業の
発展,とくに
大平洋ベルト
地帯の名
称による沿海諸工業都市の
発展のため,沿岸,とくに
東京湾,伊勢湾,大阪湾,瀬戸内海など
内湾は,水質汚濁により
幼稚魚の生育場を
奪われるなど,水産資源の維持再生産にいちじるし
い打撃をつけた。
以上概観したように
,わが国の水質汚濁の
原因は,後進国日本の
工業化をあせるのあまり,
公害防止を軽視したために
生じたものであり,とくに近年の
被害の激増は,重化学工業化を
中
核にする経済高座成長政策が
,生産性の増大のみを
追及したため,漁業や地域住民の
利益や公
衆衛生などにいちじるしい
被害を与えたことは
否定できない,また現在主要な
汚濁となってい
る " ルブ産業などは
,貿易自由化に
大きくゆさぶられているという
困難な状況にあるので,公
害なき工業の発展を実現すをことはきわめて
困難である。
す
水質汚濁による
漁業被害は,その
原因となる汚濁物質の
種類から,工場排水」下水道を含
船舶の廃油の海洋股栗などに
大別される。このほか外材の
輸入
, ), 農薬, し尿の海洋
投東,
に
よ
場.
り内湾の肘木場の
水質が悪化するという
問題などもあるが,
この小論では
, このうち「
窟共陽関係について,汚濁の実態と
対策の現状を明らかにしょう
2. 漁業被害の内容
油菜のう け ち被古には.Ⅱ
白、 性帯によるへい死, 囲 有機排水によ る漁場席禿 ,㎝ゅぉ具
・
網ぷ 。
の損傷,④商品価値の
低下,ゐ 経費の増大などがあ
る
l. 急性毒によるへい死
・・, 般約@こ 被害が多いのはメッキⅡ場などの
酸性別液,染色川 L 工場のアルヵり性
排水,f
ヒ
,手
工場のシアン フェノール,鉱山排水の
硫黄,釦, 鉛,塩化ビニールエ
場の水銀などであ
る,
・
また各種の殺虫剤,除草剤などの
農薬もこれに含まれる。これらの,
き 性 毒物質は,鯉を
刺戟
して粘液の異常分
秘 により呼吸困難,窒息をおこしたり
, 口 より入り,消化器系統,神経系統
をおかすことにより
魚貝類をへい托させる,
2.
有機排水による
漁場荒廃
-般に被害が多いのは
, 紙"
ルブ製造業,澱粉製造
寒 ,てん菜糖製造業,各種醸造業,都市
下水,と 役場など0@ 排水による被害が
多い。紙" ハ ブの本金排液など
有毒物が入っているもの
は 問 濃度では臼 世時と同じく
魚はへい死するが
, 低濃度の場合でも
,つきのような
有吉作用が
あ る, 排加 l」に混入している
" ルプ繊維などの浮遊物は,魚の鯉.につまり
窒息させるとか
,
ド
沖の河床に坤宿し,産卵場を荒廃させる,卵を
腐らせる。また排水に俗解している
有機物は,
府トで分解するとぎ ,水中の溶存 酸素を消費し,魚の呼吸を困難とする,
大気 @。 には20@0 近く酸素が混入しているが
,水中には飽和状態でも
l00 万分のln ぐらいしか
高くなると少なくなるので
,夏の炎天が
統くと排
溶けていない,しかもこの含有爵は,水温が
水の影響をづける
河川などで,魚のi鼻上げ」が発生するが
, これは酸素不足のためであ
る,
しかし有機物質による
被告は,これら直接的な
被害ぱかり-c.はない,排水が
河川水で稀釈さ
れ, 低濃度になると ,次汚染としてバク
チ リヤ
か発生する,水綿菌などと
俗称するスライムが
, 網 @l をふさぐ,このため
清流皓の河床に
棲息しているュス リカ, カゲワウな
河床を覆ったり
発生を妨げる
,
どの魚の餌となる
風懐昆虫やア ユ の 餌 となる硅藻類などの
放出されたサケの稚魚の胃袋が
空になっているという
報告があるが,
こ
のような餌生物の生育を阻げることが多い" さらに汚濁が
一層進むと河床に
堆積した有機物は
嫌気分解をおこし
, メタンガスが
発生し,ついには
無生物状態となってしまう。
この ょう に有機排水は
直接魚を殺すことはなくとも
,河床を荒廃させ
,水産生物の正常な生
活環境を破壊する
,
3.
船具,綱具の摂像
酸性排水のため
,船具が錆びたり
,漁網に浮遊物がつまるため,損傷・腐敗をおこす。
4.
商品価値の低下
船の排出する油性物質や" ルプ排水の松脂
臭のため,汚濁水域を
移動する魚や,のりに悪臭
がつき喰べられない,四日市の
異臭魚問題は,港湾に
排出される石油精製排水のため
伊勢湾内
で漁獲されるヵタクチイ ブシやコウ
ナ ゴ が油臭くなり,市場で
返品されることの
原因となって
いる。
経済の増大
5.
に場排水などにより
,沿岸漁ょ易が
荒廃するため
沖合に漁場を求めることになり.船の
油 代が
増えたり,船の大型化などを
行かう必要が生ずる のり 養舶莱では ヰ備紺を使
m したり,沖合
漁場揮発のため
, 莫大な社会資本の
投資を7@"なって,波浪をしずめるための
漁場改良工芸を行
な甘 なけれはならたい 、 :.のほか内治の大郡山周辺でけ
大場内群 なとが増加し
, 食品衛生ト 4,
フ
屯人な間接となる
3. 漁業被害の現状と 対策
ここでは,
前述のようにⅡ
場 ヤ菜場旧係の排水によ る漁夫被害のみを
対象とする-
l. 漁業被害事例
工場事業所の
排水によ る漁業被害事例について
,最近の統計はないので
, 第 l 表についてそ
の頃向 をのべよう,
昭和24 年頃は, 工業の復興により
漁業被害事例は
約 300 件に増加したが,昭和30 年頃になる
年間約50 億円に増加している
" この被害
と急激に増加し
,被害事例は約 800 件に,被害金額は
金額は厳密なものでなく
一応の円安にすぎないが
, これは日本の
総生産額の6 何にのばる,
しかし実際には
数字で示された
被害のかげによ り大きな被害がかくされているすなわち漁
業被害のほかに
水鹿資源の維持再生産に
甲 える影響がそれであ
る"
海は広いがどこでも ・様に角が棲んでいるわけではなく
,遠洋はいわば
砂漠地帯で,沿岸は
緑したたるオアシスであ
る,マグ戸など .部の魚種を除くと
内湾水域は温水Ⅲ魚族の
産卵湯で
あ ったり幼稚魚の
生育場 となりているが
,東京湾・瀬戸内海などでは
最近では稚魚の
生育場 と
なっている藻場が
急.激に減少していることは
,水鹿資源の再生産に深刻な
打撃をザ ・えているこ
とを意味する。
被害原Ⅲとなる業種
は,当初澱粉Ⅰ装 ,Ⅱ炭などの
鉱山,紙" ルプ産業が多かったが
,昭和
30 年頃からは排水旨の
多い紙パルプのほか
各種化学ド 業による被害が
増加する傾向にあり,各
油 化学コンビナートの
発艮に伴
Ⅱ、 ,
地の沿海工業部市におけるⅡ
水笛汚濁は質肴 ともに増川し
ている。
所得倍増片戸の -.環 として,通産雀の
工業用水需要見通しによ
拒は,昭和AW 年頃には工業用
水の需要量は,現在の2.7 倍に達することが見込まれているが
,使用する工業用水量は
,ほと
んどかそのまま
排水量となるのて ,昭和45 年には,全国の
水質汚濁は2.7 侍は増加することに
なる。
水質汚濁による
紛争の解決状況をみよう。
33 年度の被害事例のうち
紛争件数は344 円 て .被害件数の
46% と
すこし統Ⅱ か 占いか,昭和
なっており,このうち紛争か
解決したものはl37 件となっている
さらに解決事例について
, 解八方広 か見舞金なとの
金銭補償のみて
,排水を浄化するための
処理施設の新設,あ
るいは改善を
行わないものはl00 件て ,解決事例の
73% におよんている。
この事実は水質汚濁による
紛争の解決にあたって,多くの
場合は,水質の汚濁を防止するとい
う積極的な対策を
講ぜず,見舞金なとてお
茶をにこしていることを
示すものてある。
また,このような
実情は,被害側において
原因の科学的究明か
不十分なため,漁業被害を立
証しえない弱さかあ
ることは否定てきないか
,それにもまして
,加害工場側か
排水処理を行な
認識が浅いことかもっと
うことによって
,水質の汚濁を防干 するという,社会的責任について
i
く第 l 表ノ
@ 場川水なとによる
伸焦被再吉例数,被苦数お,板井今額,
関係申芙場数
被占
「
h 伊@
中
Ⅱ
な
kビ
295
333 27,108,750
20.
602.
500
21,213,750
」Ⅱ
ll:@W@l27,
28
仁も ハ
/ kg.,-
換算・
- l -ね 、
クナ
昭和25-32
製
米
1,342,508
1,735
ll
l
い
Ⅰ
さ
仁
く 第 2 表シ
ト
153
年支は凋査こ 天梅
曲峰 @ た
し
533
ャ
,10-
製
せんい
及ひ
品
3ll140
Ⅵ和
一
3W 年における l その他」に
" 食品製こっ: ん粉 以外ん
一
43
一
「せんい及び
製品の紡織以覚のもの」,「製造業のうち
食品せんい及びその 製
品, 紙 パルプ化学金属を
除いたもの」,「電気,
ガス」,「サービス
業」,「不明」
を含んでいる
水産庁調査。
水質保全法第2l 条に規定されている
和解の仲介制度の
活用状況をみると
,昭和丸年より
現在
までの仲介件数は
,わずかl9 件にしかすぎなく
,そのうちl6 件が解決しただけであ
る,
前述の2l 条は指定水域であ
るといなとを
問わず,水質の汚濁によ る被害について
損害賠償が
生じた場合,知事に
和解の仲介を申したてることになっている
,しかし実際には
,東京・大阪
などの大都市にかぎられており
,未解決の紛争があ
っても,地方自治体がこの
制度を活用しな
い場合が多い"
仲介事例の多い
束 兄部・大阪府は
,被害吉例が多いとしぅ だけではなく, 自治体が工業側の
利益のみを代典しないからであ
る.
2.
水質保全法とその
運用
水筒保全法の
連用について,のべる前に
,水質操上法 と工場排水規制法について
, ごく大さ
法などにたいしては
,いわば基本法的な
出格をもつものであ
る第 2 条では何人も公共水域の水質の
保全に心掛けなければならないという
道徳理念を掲げ
,
具体的には第5 条において,水質の
汚濁により「関係産業に
相当の損害が生じ,若しくは
公衆
影響が生.
じ ,またはそのおそれのあ
るもの」を水域をかきつて「指定水
衛生上看過しがたい
排水口の水質を
定めることにしてい
域」と指定し,その水域@こ 排水を放出する工場・茎菜場の
る,そのため
第 4 条で調査基本計画を
定めることにしている。
,第l は,水質基準の
設定にあたって,加害産業に
加重な経済的負担をか
この法律の特徴は
げないよう,産業協和の
見地から定めることになっている
,
第 2 は,水質基準には
河川水などの流水基準と工場の
排水口基準との
二つがあるが, 日本で
は排水ロ基準のみであ
る.流水基準は
, 河Ⅲ水の水資源利用の
仕方が,水道や水鹿など
呉るこ
とによって要求される
八 % が呉るもので,ぞの
典型的な事例としては
, イギリスド仁委員会の
桟 準がこれにあたる,
また排水口基準は
,イギリスにおける
基準のように, 行々のⅡ場の
水質管理目標として
合理
的な基準を掲げる
例もあるが,わが国には
,一般的な処理目標を
掲げることはなく
,各々の水
域ごとに流水基幣を考え,この流水基準を
確保するため個々の工場などの
排水口基準を掲げて
の
法律と比べると,
アメリ
ヵ
では水質汚濁防止の
祉」の見地から行な う ことになっている
,
日本の法目的とアメリ
ヵ の水質汚濁防正法のかかる
表現の差異が
, どのような実態上の
差異
と
仕っているかは
後述する,
つぎに工場排水規制法は
,製造業などによる
水質の汚濁を防止する取締法であり,排水を出
す機械 (特定施設とい力の届出や,処理方法の改善命令,水質の
測定など取締手続や
国の財
政的技術的な
援助をすることにしている
,
しかしこの法律の
対象となる工場は
,既存工場およびこれから
新設されるすべての
工場を対
,第4 条で指定水域に
排水を放出する
工場のみを対象としているだ
け
象としているのではなく
である "
最近,後進地域の
開発や新産業都市の
指定など,工場の
分散新設が増加しており
,水産側か
L 場が一定の処理施設を
有しなければ排水を許可すべきではないことは
らみた場合,すべての
もちろんであ
るが,
と
これが- 挙にできなければ
,少くとも新設工場だけでも
,指定水域であ
る
か なとを問わず
処理施設の設置を
義務づけるべきであ
る,
水質二法の制定前は,公害防止の観点から経済的に吋能なかぎり,良い
処理施設をつくると
いった行政指導が
行なわれていたが
,最近では,指定水域となり
,水質基準がぎまるまで
は処
理施設をつくらないといら
悪い傾向がある -
3.
調査基本計画
昭和3f 年 7 月に経済企画丁 告示によりて,昭和46 年 3 月までに調査する
予定水域をl2l 水域
,
と定めている そしてこの水域を・
緊急度によって
A
. R . C 水域にわけ,A 水域は調査着
までに
42 水域を調かすることにしている
この水域の決定には
,経済企曲庁が全国の耶道府県にたいする
調査の結束と
関係行省T の 要
甲 との喰い通いを
調整L たものである したがって,水 庄の山場から互て ,まだあまり汚濁し
ていない河川ても
資源保穫のため当然とりあ
げるべき水域も被,占柑度が少いとか,
地万口 冶 体
内部におけるⅠ
場誘致の耶命で報告されなかった
例がある。 工業誘致のためには
,水質汚濁な
どはやむを得ないといった
近視眼的な物の
考え万は大いに
批判されma ばならない,
調査水域の決定の
問題点
l.
として,つぎのことが
指摘できる,
汚濁の少い 水域を,水産資源保護の
立場から予防的に
残すことをせず
,いちじるしく
汚
濁するまで放置する
,
2.
地方自治体のうち
後進県ほど工場誘致をあ
せるあまり,全円防止について
前向きに取り
組も う としない このため,破片
が大きくなるまで
放置され,問題解決がⅢ
難 となる- 四
Ⅱ市の公
筈問題はその典型的な
例である。
4,
調査実施状況
Ⅲ和 34 午から37 年ほでの凋佳Ⅰ 施 状況は,第3 衷に示すょ引,-, 28 万。ぬ めてあ る
試験場,八% 試験場などが
分抑.して調査を
央施している
,
水産 F は,それぞれの
水域における水質汚濁が水鹿生物に
宇 える影響について
各 種の調査研
究を行なっている。
この 28 水域のうち,現在までに
指定水域に指定されたのは
,江戸川,木曾
川, 淀Jll, Ⅱ 杓
も 3
・
ハ
l @..
流離の4 水城にすぎなく
, これらの水域も
昭和34 午に調杏がⅡなわれてか
. 4 Ⅰも経過している・
ると 3-4
午前は隅田川を
主な汚染源とする
内湾ののり場の
水質はじ01J4PP,m)
以上の漁場
面積が3 分の l 以下であったが,昨年支は
内湾のり漁場のほとんど
全域にわたって
COD
Ppm
が4
以上となっており
,漁場価値は失なわれてしまった。
げら
水質基準の設定がおくれる
原因としては,被害原因の科学的究明が困難であることがあ
れる。たしかにこれが
原 内の @ つであるが,しかし
被害のメカニズムの
究明が行なわれても
,
これが守られるかどうかは
,工場の態度いかんにかかっており
,現状においては
,抜本的な改
善は期待できない。
く 第 3 表ノ
l.
調査実施状況
調査基本計画
水域 38 ヰ,までに調査する
水域
B 水域 4l 年までに調査する
水域
水域
C 水域 45 年までに調査する
A
2.
調 査 水 城
34,F 度 石狩川上流,江戸川,木曾川,淀川,遠賀川,水俣
35 年度 れ 村川中流,雄竹@ll, 荒Ⅲ, 日光州 , 寝屋Ⅲ,加古川,浦白酒
沼 Ⅲ,田山川,和歌川,
雄物 l, 併出川
Ⅱ
38
3.
年度
水質基準改正河川
木
竹
石
狩
37 年 4 パ
38 年 l 用
川 ぐ上 1
38 年 5 月
本年度は,調査基本計画の
A 水域が終る年度であるが, このうち,青森県仁井田Ⅲ,宮城県
広瀬Ⅲ,梅田川,石巻市地先海域.千葉県五年地先海域,岡山原高梁Ⅲ,愛媛県姉島川之江
先海域などが調査されないまま
保留された
この 理ぬとしては,
互井地先,水島など
,臨海] 某 地帯として発展途上にあ
るとか,石巻市
地先など,昨年度被害補償が
行なわれたばかりであ
るとか,漁業権
を補償したとかの
理由によ
る,
るものであったり,加害に
場が仔" 不振とかいったものであ
このほか,
34 年調査された北九州の遠賀川は
加害産業の石炭虚業の
不振のために指定水域に
ならず,高知県浦
ti 湾は,爪の口場誘致政策のため形式的な調査を
行なっただ@" である,
ナ
以 Ⅱの 運m 状況から,水門保全法のⅡ的およびその
性格は明らかであ
る.すなわち
,水質保
全広めH 的 とする「水質の
保全! は漁業などの産業に
相当の被害があり,紛争が社会問題化し
ている場合に
適用されるものであ
り,漁業権
がなくなれば,水は汚れても
構わないということ
である。
被市神階が行なわれても
,川水の処川 .を行なわなけれ
ば 水は少しも
キ レイにならないが
, 水
@
ァ
rJhl, 回の公共的財庇としての水産資源が
失なわれても,漁民が騒がなけれ
ば よいとし 考
ま た地刀自治体は工場誘致をあ
せるのあまり, 公出防止や,地先漁民の
利
ぅ
え 万 となりている
益を軽視している
,
ァメりヵの水質規制のⅢ杓は,公衆の健康と
福祉のため」(住け
水を浄化することを
義務つ
けるのと比べて
, 日本の考え方は
,一見,経済的合理性に
立脚しているよ うにみえるが
, この
ような近視眼的な
考えガでは長期的にみて
人間の生活環境を
守ることはできない。
隅田川の水
考え方のもたらした
当然の帰
質が手をつげられないほど
悪化したのは, この ょ うな工業本位の
@
連邦水門汚濁防止の
政策の仙芦第 -唄では「水質汚濁防止によっ
て公衆の健康と
福祉をもたらす」とのべてあ
り, l950 年に勧告された
川水質汚濁防
Ⅱ法弟l 項 政策の戸明には
水質の汚濁を
防 ll することか州 民の健康保持,
野生動物
こ
業よたばリクリエーシ。 ン のためにきねだって
重要であるから,あ らか
じめ心友な処理。
轟 することなしに
, 州の水源に汚濁を
放Ⅲすることを
禁止L てい
の保護,舟
5.
水質基準の内容
い たるるまでに
,指定水域の
指定と水質基準が
決定された水域は
,江戸
昭和34 年 より現在に
Ⅲ. 木竹川,促Ⅲ, 石狩ⅢL 流部04
水域であるが,それぞれの
水域に排水を出す工場につい
1
て, どのような水質基準がぎまったのか
,長年内容は
,官報などで公示されているので
, こ 二
水産牧円と関係がある江戸川,木四川,石狩川について
,水質枯準の決め刀について
説
では,
i
Ⅱ
1
1
明しよう、
の牛・ 肯場となりており
, ピ 伽耶は草魚,レン魚の流卜 卵の採取を行なっている
,中流は海産
椎
7
コ ・の特別収捕
が行なわれている
:l町
川
@
には農林刀 :;免許の漁又柑が甜足され,ボラ,
コイ,
ソナ ,
白魚など漁獲されてい
る - 河口部は,アサリの保濃水面が設定されており
,資源保段 L 重要である海域ではのり
養殖
,
場となっており
,東京および
干葉県漁民の大切な漁場となっている
ニ
のほか上流には
金町の
都浄水場があるが,ほとんど
汚れていない,問題は,下流部における
本州製紙などの
工場排水
である a
水鹿用水基準
水産Ⅱとしては
前記の漁場価他を
維持するために
,水産用水の基準として,つぎのような
河
川水の汚濁のⅡ
容限度をきめた,
河Jl@ では,ア ユ などの正常な
什 .肯を保つため
,浦安備中央における
水質は,最
前において,いかなる
場合でもC い @) 5 P Pm
Ⅱ
潮 l 時間
似ドに 保つこととし,海域においては
基準地点
において.最 @.湖 l 時間前の水貝がC け 1) 3 ドドⅢ以ドどなることである,
l)
経済企Ⅶfi.の基準
㎡済全山山は,産業協和の
観点から,つきのように
基準を定めた‥
水産庁のC0)g
CO)D
5 PPm
は測定力法を,企画山刀式に換算すると7
ド
Pm
となる。
7 P Pm
は,現状の排水の
負荷量を前捉 とすると阿川流量が
毎秒78 立方米のときの水
質である,これを渇水期の
2 月についてみると
, 2 月のうち河川流量が
78 立刀米をこえない確
率は46% であ り, 2 Ⅱ 中 l3 口が78 立刀米をドⅡ る すなわち,l3 口問は水質は7 P P,m を上回
ることになる
産菜協和の観" かわCO)n)
秒68 立刀米 のと ぎ ,
仲
7
「
P,m を
ピ
川Ⅱくの水質を
7 PPm
回る口数を2 月のうち5 l とすると,河川流量が
毎
「
に保つ必要があ
る。
そこで基準地点の
條崎水門の上流の
汚濁物量 CCOD
負荷曇 ) を l 日 5.55 トン,下流でl 日
25 トンとし, これを各工場の
責任割合で配分して
排水口基準を算定した,
,サイクレ
有名な江戸川事件の
契機となった本州製紙は,その
後,東京都・干葉県の指導で
ータⅠアクセレータ
一などの処理施設をつくり
,浮遊物の処理率はかなりよいが
, 肝心の
ROn の処理はほとんど
効果が認められていないが
,基準設定にあ
たって,不十分な
水質をそ
のまま認めた,
今まで同工場は
河川流量が減少すると
被害防止のため
操短を行なっていたが
, このような自
主的規制も今は
行なわれていない
,その他の工場は
,それぞれ決められた
水質にまで処理をす
ることになった
2.
木
曾
Jll
中流には名古里』ルプ
,東洋紡犬山工場など
, 紙パルプ工場が
数工場あり,主に名古屋市の
水道源をいちぢ るしく汚濁しており
,下流にはダンボール
原紙をつくるSCP
工場があり,上
流から流下する
汚水と毛 さなり,河口海域ののり
漁業に被月 を宇えている
,
Ⅱ
Ⅱ
水鹿T の安里水質
流品の河川水の水質については
,厚生省が水道用水の
許容基準である COD2.5
ド
Pm] を
要求しており
, もしこの基準が
守られるならば
,阿川内のアユ の産卵および
生育場の被害を
防
ll:することは叫能なので,上流部については
別に要望はしなかった
,
下流部は冬期河口海域で
行なわれるのり
養殖業に被害を
発生させないよう
,水中照度とのり
の光合成作用との
関係,および
排水ののりの生理障害について
,室内実験およびフイルド
試験
を重ねた結果,
C0)U3
PP,m を許容限度として
要望した
b 経済企画庁の水質基準
P Pm をこえる
企画庁の水質基準は
,上流部については
,産業協和の観点から,COl)2.5
, この場合は,名古屋上水道が
,活性炭などによる
特
日数が年間を
通じてl9 日となることとし
,この取水場における
現状汚濁物質量は
, COm
値で毎秒769
別の処理を行な ことになった
グラムを毎秒5:74 グラムに改善するため
,上流部の各" ルブ工場にたいして
,責任汚濁量の
割
う
合により,排水処理を
命じた。
河口部の水質については
,抜出漁場に
隣接した被害の少ない漁場と同じ水質に保つことにし
た ,その結果COD
3 PPm
の非常超過確率は
80 妨 [現状は6S%) に回復することになる。
この水質をぅ るためには,上流離の
水質の改善によるほか
, 下流部下肢製紙の
排水のCOn
l,270 ド pm
を l,000P
Pm Ⅱ ;.- ド げる必嬰がある,しかL 同工場は経常
難のため,さらにこの水
質まで浄化することは
困難なため,同工場の
排水口の水質はl, l00 P P Ⅲとした,この
結果,
木曾Ⅱ li"I@"l
耶の水質はl 年間のうち76% までは水産庁の
要望どおりになった
ねげである,
3.
石狩川ヒ流部
サケ・
マ
てしまっ
た。 そのぽか河川内で
漁獲されていたヤツメウナギ
, ソ カサギなどもとれなくな
りた,
人出山に源を発する方杣川は, 旭Ⅲ 市 まではまったく
清浄であるが, 同市にある国策。ルプ
旭川 L 場の S P 排水,合同酒精排水などの
排水のため河川水はいちじるしく
汚濁されている、
S P 排水 [硫酸により。ルフ
稀釈されると,
つぎのような第二次的被害が発生する、
スヘロチ ルスなど水綿菌が河床に密生し, さらにこれがチ 切れ,細い「ソ
となって流下し
下流の漁網の網目をふさぎ,産卵床を被覆し
,サケ稚魚の餌料であ る
力 ,
ヵゲロゥなどの,クベントスの
正常な成育をそこれる
"
ロ」
ュ スリ
この水綿菌の
発生.と水質との
関係についての
微生物学的研究は
, 日本ではほとんどれたわれ
, これらは排水中に
溶解している糖類や窒素を
栄養源としており
,水中の溶存
ていなかったが
酸素が多く,水温が
高いほど繁茂する。
流下する水綿のため
,石狩平野の農業用水取水口がつ
まり,
a
また水田に堆積することが
農業被害としても
問題となっている
,
水産庁の要望水質
水産庁は現場調査の
結果にもとづき 河川水の水質の
許容限度をR0)3
PPm
以下とした,
また基準設定にあ
たっては,国策
" ルプの排水が直接流入する
牛来別川は, BOD
が20PPln
以上で,排水路となっているので
, これを放棄し
,本流合流点下流より
適用することにした
,
b
経済企画庁の水質基準
国策" ルプの排水は,現状では
BOI)250-2anPpml
であるが,
これ.を l75 PPm
に処理す
ることとし,排水量も
多く,処理が
困難な系統の木釜排液は濃縮燃焼
法をとるにとになった
抜本的処理を行なっても,河川水中の
ザ 内水質は,明細
しかL, この ょう な日本では始めての
地白でR0n)
5.8
Ⅱ
pm
となり,水産側の要早水質をかなり
巨回 る結末となった
,
以上が,産其協和の見地から設定された水質基準の
内容である,結局,どの河Ⅲにおいても
水産側の要望する
水質の神谷限度が
確保されず,すぺての河川は中途半端な
水質に保たれるこ
とになったわけであ
る
上水道の場合は
,,
l"容限度をこえる水質の場合は
,経費はかさんでも
活性炭などによ る処理
な 行なうとか,人間の
場合は我慢するということもできるが
,水産生物の
場合,餌 生物も含
めて,一度へい死すると資源の回復には数年かかるものであ
り,長期にわたってその
影響が続
くことになる
,
水産側の要望水質を
上回る場合,工場は
定められた水質基準を
守っていても,被害を生ずる
ことがあるが,その場合は
, 民卓上の損害賠償で
解決することになっている
,
6. 水虹二法の問題点
以上で,水質ニ法の運用の実態についての
倹刊を終るが,水産側からみた
水質,法の間題点
を要約すると,つぎの問題が
指摘できる。
Ⅲ
調査水域の選疋のところで詳述したが
,水れ保全法では
相当ひどくわれた
水域か,水質に
かかわる紛やが社会問題化した
水域を対象とし
,数年後に中途半端な
基準がっくられる。
こ
0 間知事や代議Ⅱが反対運動をすれば.相当汚濁した水域も調査水域から
除かれる,調査水
域以外の工場についてはなんら
法律的な強制力はない。
この ょう なことでは,水質の
汚濁を
防Ⅱし 水鹿資源の恒久的な
保護,押出産を行な ことはできない。
う
l2) 木直問題の解決がおくれる
原因としては,一般に原Ⅲの
究明のための科学的研究が曲ちお
指摘され・ る .
くれていることが
車美水俣病や神通川の
地万病など新しい
問題については
,そ
の指摘はあてはまる・しかし
,江戸Ⅲ,木竹Ⅲ,石村川のように
,それぞれの
分野の専門家
による研究および
論議がつくされ
,水産用水としての
許容限度が明らかとなっても
,工場の
郁合いかんでは
,守られないことは
,前述のとおりであ
る,
したがって,水質の
研究の立ちおくれが
,水質汚濁問題の
解決を困難としているという
論
拠は,工業側が
汚水の処理をサボ
ルための口実でしかないことは
明らかである。
アメリカ,イギリスなどでは
工場排水は,それが
合理的な処理を
行なわなければ
公共用水
としている。
また東京都では
多摩川,隅m 川の浄化対策として
エ
10
場排水の放流基準をつくり
,行政指導を行なっているが
,水質二法はこのょう に改正しなけ
れば,その実効はあ
がらない,
囲 現在の水質行政の
組織は,- 元的な機構ではなく
,第三者たる経済企画庁が調査と基準設
,それぞれぞれの
工場の主管官庁にまかせているため
定
定を行ない,工場の
取締り,監督は
められた基準が
守られているかどうか
, また定めた基準が
,当初の計算どおりになっている
り, 淀Ⅲの例のよ5@ こ 都市下水の放流基準が
決っても,下水処理の
財
か, どうかは不明であ
政的裏付けがないため
実効があがらない例がある,
これは日本の
官庁の縄張りによる
弊害の端的な例であり,水質審議会長蝋山氏によれば
,
「不十分な基偉さえ
守られないとすれば
,私達は無駄なおしゃべりをしているのかも
知れな
い」 (第Ⅱ 呵 水質審議会) とな げかせている経済安定本部の
勧告案 では,調査と
取締りの一元的な
行政組織と,
水質ニ 法の前提となる
国 止水質研究斯の
設置が強調されているのに
,いまだに実現しないのは
蝋山氏の言によれ
性
「国の為政者がこの
問題を真面目に
考えていないからであ
る」・
水質行政を双進させるためには
, 凋査研究体制と管理運営の
一元化をはかる
必要がある,
水質汚濁による
公害防止の連動としては
,わが国では従来,農漁民の
地方的な,しかも一
% 的な闘争があるだけで,社会的な刀 となっていないが
, 公舌の激化により
,各地に対策協
議会が結成され
,その運動は東京部の例にみられるよ に地域一般住民の
運動として自治体
う
でとり上げられてきている
,
水産側においても
,昨年l2 月にようやく全漁業者団体の
共同の大会が開かれ,北海道その
他全国各地に漁民組織が結成されつつあ
る。
従来の連動は
, しばしば
- 捺的であったり,補償金日当てが
多かったが,昨年あ
たりから
, この運動が国民的運動に
発展するかどうか
ようやく,公害防止運動が
活発化してきており
77