2014年 秋号 - 鈴鹿中部地域包括支援センター

平成26年 秋号 (第69号)
鈴鹿中部地域包括支援センターだより
鈴鹿市社会福祉協議会
鈴鹿市神戸地子町383-1
059-382-5233
鈴鹿の福祉びと 第17回
鈴鹿の福祉びとと題して、鈴鹿市内で活躍する福祉関係者を紹介してい
ます。今回は、伊勢マリンホーム白子の林純子さんからバトンを受けた居
宅介護支援事業所「祐里」の介護支援専門員:今村一郎さんです。今村さ
ご存じですか?
んは介護支援専門員としての経験も豊富で、鈴亀地区居宅介護支援事業所
認知症の方の列車事故
愛知県大府市で、認知症のために要介護認定④の認定を受けていた男性(当時91歳)が JR の列車にはねられ
死亡した事故がありました。この事故は事故後の裁判をマスコミが大きく報道したことから、ご存じの方も多い
連絡協議会の幹事も務められるなど、地域の介護支援専門員のリーダー的
存在の方です。
⇒プロレスが大好きな今村さん
のではないでしょうか?
この裁判では、JR 側が事故遅延に伴う旅客の振替輸送費等の損害賠償を男性の遺族に求め、争われました。
一審の名古屋地裁の判決は、男性の介護に携わっていた妻(91歳)と長男(63歳)に「男性を見守る義務が
あった」として、JR 側の請求通り720万円の支払いを命じました。遺族側が控訴した二審判決では、「長男に
は見守る義務は無かった」
、
「JR 側にも事故を防止できる可能性があった」として、遺族側の責任を軽減し、賠償
額も360万円に半減されましたが、何れの判決も妻に対して「男性を見守ることを怠った過失」が追及され、
ご家族にとっては非常に厳しい判決となりました。
責任を求められた妻も高齢で、自身も要介護①の認定を受けていました。妻は男性の主たる介護者であり、介
護のため、夜中も何度も起きていました。妻がその日常に疲れ果てた結果、日中に睡魔に襲われ、数分間目を離
した間に事故が起こりましたが、このような妻の状況を考えると憤りを感じる判決でした。
裁判の争点は「遺族の責任をどこまで認定するのか」「JR 側にも過失は無かったのか」ですが、実際のところ
介護者(家族等)が認知症の方の徘徊を完全に防ぐことは困難ですし、鉄道会社側も認知症の方が線路内に入る
ことを完全に防ぐことはできません。裁判に対する新聞等のコメントを見ると「事故発生の損害は当事者の責任
にするのではなく、社会的に救済する制度を設けるべき」との意見が多くを占め、当事者団体である「認知症の
人と家族の会」も同様のメッセージを出しています。
国土交通省によると、2012 年度に発生した鉄道事故件数は811人で、死亡者は295人あり、NHK の分析
では、最近8年間で認知症の人が徘徊して起きた鉄道事故は少なくとも76件あり、このうち64名の方がお亡
くなりになったそうです。同局の報道によると、認知症の方の行方不明者は年間1万人以上に上っており、その
うち350人の方がお亡くなりになっています。
鈴鹿の福祉びと
~プロレスラーのように~
私は父の影響もあり、幼稚園の頃からプロレスファンです。
幼少の頃クリスマスプレゼントとして両親にタイガーマスクと相手レスラーの人形とリングを買ってもら
い、ガチャガチャと遊んだことや、中学・高校時代に仲間と教室等でプロレスごっこをしたのをよく憶えてい
ます。
プロレスのどこがいいのかというと、それはプロレスにしかない特性・特徴です。相撲や柔道、ボクシング
等の格闘技は相手の良さを封じてひたすら勝つことを目指しますが、プロレスは対戦相手の技を受け合うこと
で試合が成り立ち、対戦相手の良さを引き出したり、光らせたりしながらひとつの試合を作り上げていくとこ
ろが好きです。
ところでプロレスと相談業務ってどことなく似ていると思いません?利用者様やその御家族の希望等を十分
に聞き取り、その方々にあったサービス調整をおこなっていく、それも一辺倒ではなく、おひとりおひとりご
とに、また、その時その場で多種多様に対応し、利用者様やその御家族に満足していただけるように調整等し
ていくところが似ているなぁと私は思っています。
相談時において御本人と御家族の今後に対する意向や希望するサービス種類・内容等が合わない、金銭面(利
用料)に納得していただけない、また、希望されているサービス事業所から受け入れ困難の返答をいただく等
思うようにいかないことも多々あります。しかし、最終的には利用者様、御家族ともにサービス等に満足して
いただき安心して生活ができるように、また、サービス事業所にも安心して援助提供していただけるようにし
ていかなければなりません。そういった流れもプロレスに似ていると思っています。
そのため相談等いただくと、「さあ、プロレスして来よう。」といった気持ちになり、まさにリングに向かう
現在462万人の方が認知症と言われており、厚生労働省は同規模で
プロレスラー気分で出掛けて行きます。あまりにも対戦相手(利用者様、御家族等からの相談内容)が強過ぎ
その予備軍が存在すると推計しています。医療技術が進歩し寿命が延び
て上手く対応等できないこともありますが、プロレスラーのようにやられてもやられても立ち上がり、最終的
続ける中、誰もが認知症になる可能性があります。まさに他人事ではな
に「こいつに任せて良かった。
」と思われるケアマネになりたいと思っています。頑張るぞ!
く、明日は我が身なのです。
認知症の問題は法廷間で争う問題ではなく、問題意識を広げ、社会全
次回は、さと和デイサービス鈴鹿
相談員 伊藤美樹さんにリレーします。お楽しみに!
体の問題として捉え議論していくことが大切だと考えています。皆さん
も共にお考えください。
次回は、ホワイト介護居宅介護支援事業部 ケアマネジャーの酒井美和さんです。お楽しみに!
鈴鹿中部地域包括支援センターではホームページとブログにて情報を公開中です。
ホームページの
ご案内
http://houkatsu.jp へのアクセスをお待ちしております!
★介護の日
公開講座
★①若年性認知症意見交換会
2014
~日ごろの思い、話し合いませんか?~
~認知症地域包括ケアのためのまちづくり~
・と き:平成26年10月11日(土)13:00(12:30 受付)~15:30
・と き:平成26年11月2日(日)9:40~12:00(受付 9:15~)
・ところ:鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパス(鈴鹿市岸岡町1001-1)
・ところ:鈴鹿市労働福祉会館大会議室(鈴鹿市神戸地子町388)
・対 象:当事者、ご家族、支援者、行政、ボランティア等
・内 容:講演会及び寸劇(寸劇出演:介護老人保健施設ゆなみ職員)
・内 容:上記対象の方で意見交換会を行います。
・テーマ:松尾芭蕉に学ぶ認知症予防術~芭蕉は認知症専門医だった?~
・参加費:無 料
・講 師:玉井 顯 氏(医療法人 敦賀温泉病院理事長)
★②若年性認知症カフェ~お気軽にご参加ください~
・参加費:無 料
・主 催:鈴亀地区介護支援専門員協会
・と き:平成27年1月31日(土)10:00~15:30
・共 催:鈴鹿市内4地域包括支援センター
亀山市地域包括支援センター
・ところ:鈴鹿医療科学大学千代崎キャンパス(鈴鹿市岸岡町1001-1)
・対 象:当事者、ご家族、支援者、行政、ボランティア、学生等
三重県地域包括・在宅介護支援センター協議会
・申込み:鈴鹿西部地域包括支援センター
・内 容:午前中は、囲碁・将棋・トランプ・ゲームなどをします。その間、ご家族や
支援者は食事づくりにご協力いただきます。
電話:059-370-3751
昼食後は、場所を体育館に移動し、スポーツや運動を楽しみます。
FAX:059-370-0887
① 「意見交換会」②「カフェ」に参加を希望される方は、下記まで連絡ください。
どちらか一方の参加も大歓迎です。
・参加費:無 料
★第11回在宅医療ケア勉強会
~在宅での認知症ケア~
※若年性認知症とは、18歳以上、65歳未満で発症する認知症のことで、65歳以上で
・と き:平成26年11月8日(土)19:00~20:30(受付 18:30~)
発症する老人性認知症と同様に、脳血管障害やアルツハイマー病などによって、もの忘れ・
・ところ:鈴鹿市文化会館
言語障害などの症状が現れます。 若年性の認知症は、働き盛りに発症するため、ご家族
けやきホール(鈴鹿市飯野寺家町810)
・テーマ:在宅での認知症ケア
にも大きな影響を与えます。 今回の「意見交換会」並びに「認知症カフェ」はご本人・
・プログラム
ご家族の交流機会の一つとして開催されます。お気軽にご参加ください。
進行/座長 真鈴川 聡 医師(ますずがわクリニック)
19:00 挨拶 鈴鹿市地域包括在宅医療ケアシステム 議長 西城 英朗
医師
19:05 一般講演「鈴鹿市地域包括在宅医療ケアシステムについて」
講
師:運営会議事務局 木村 英夫 医師
19:15 特別講演「認知症を支える地域連携の取り組み」
(仮)
講
師:内海
・主 催:三重県(イトーファーマシー受託事業) ・協 力:鈴鹿亀山管内地域包括支援センター
・後 援:鈴鹿市認知症の人と家族の会三重支部
・申込み:
(有)イトーファーマシー 電話:059-382-8490
久美子 医師(北海道砂川市立病院精神神経科 認知症疾患医療センター長)
20:30 閉会
・対 象:医療関係者、ケアマネジャー、介護施設職員、介護サービス事業所職員、行政職員等
・参加費:無 料
・主 催:鈴鹿市地域包括在宅医療ケアシステム運営会議/武田薬品工業株式会社
・申込み:鈴鹿中部地域包括支援センターに FAX でお申込みください。
・FAX :059-382-8015
※今回の研修は医療関係者、ケアマネジャーの方々は勿論、ヘルパーさんや施設職員さんなど、現場
の介護に従事される方々にも多くのご参加をいただきたく、医師会が中心となり企画されました。
そのため会場も鈴鹿市文化会館けやきホールとなっています。今後、鈴鹿市の地域包括システムを
構築していく上で、医療と介護の関係は非常に重要となります。皆さまご多忙とは思いますが、
どうかお誘いあわせの上、ご参加ください。 皆さまかの研修申込みをお待ちしています。
★第31回
介護者の集い
~介護方法を学びましょう!~
・と き:平成26年12月3日(水)13:30~15:30
・ところ:鈴鹿市社会福祉センター(鈴鹿市神戸地子町383-1)
・テーマ:身体に負担がかかりにくい介護方法と福祉用具の選び方
・講 師:老人保健施設アルテハイム鈴鹿 理学療法士
・参加費:無 料
・主
催:鈴鹿市内4地域包括支援センター
・申込み:鈴鹿中部地域包括支援センター
・電 話:059-382-5233