生産調整期待で原油価格持ち直し - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 10 月 14 日
生産調整期待で原油価格持ち直し
▣ 生産調整なら供給超過解消へ
石油輸出国機構(OPEC)が 9 月 28 日の非公式会合で 8 年ぶりの減産の枠組みで合意したことに加え、
ロシアも生産調整に前向きな姿勢を示したことを背景に、NY原油は 10 月 6 日に、6 月以降で初めて1バレ
ル=50 ドル台に乗せました(図表 1)
。
OPECは原油生産を日量 3,250 万-3,300 万バレルのレンジまで減らすことで合意したと報じられてい
ます。国際エネルギー機関(IEA)によれば、OPECの 9 月産油量は日量 3,364 万バレルで、これまで
の最高。3,250 万-3,300 万バレルであれば、減産になります。生産が騒乱や制裁措置によって抑制されて
きたリビア、ナイジェリア、イランは減産を免除される見通し。その分、他国が減産を負担することになりま
す。
IEAは先月、供給過剰が 2017 年後半も持続するとの見通しを示していましたが、今回の合意を受け、石
油市場の需給はこれまで見込まれていたよりも早く均衡する(供給過剰が解消する)と指摘しました(図表 2)。
OPEC加盟国とロシアなど非加盟国は 10 月 12 日、トルコのイスタンブールで会合を開きましたが、減
産の配分については対立が強まっている模様です。今後、OPEC加盟各国の生産目標設定に向け委員会が設
置され、ウィーンで 28、29 日に会合が開かれる予定になっています。ロシアだけでなく、世界最大の産油国
である米国も招待されると伝えられています。11 月 30 日のウィーンでの総会までに、非加盟国を含めて生
産調整の詳細を詰めていくとみられます。
最終合意に至れば、産油国経済への懸念も後退し、投資家心理も上向きそうです。
(ドル/バレル)
図表2. 原油の需要・供給見通し
図表1. NY原油価格推移
(日量100万バレル)
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(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
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(年/月、日次)
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2016
2017
2018
需要
供給
2019
2020
(年)
(出所)OPECの「World Oil Outlook 2015」を基に、しんきん投信作成
▣ 原油高で緩和圧力は一服か
これまで、“エネルギー価格の下落”が、低インフレの主因として挙げられてきました。日銀の展望レポート
(7 月)では、
「原油価格(ドバイ)については、1バレル 45 ドルを出発点に、見通し期間の終盤である 2018
年度にかけて 50 ドル程度に緩やかに上昇していくと想定している」とし、来年度には消費者物価指数(除く
生鮮食品、前年比)が 1.7%まで上昇する見通しになっています。日銀の見通しのようには上昇しないまでも、
産油国が協調して生産調整に踏み切った場合には、マイナス圏で推移する消費者物価指数(除く生鮮食品を除
く、前年比)も、プラス圏に浮上してくることが想定されます。産油国の生産調整の可能性が高くなれば、日
銀の追加緩和への圧力も若干後退しそうです(図表 3)。
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
Shinkin Asset Management Co., Ltd
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投資環境
2016 年 10 月 14 日
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原油価格の上昇に加え、一時 99 円程度まで下落したドル円が底打ちしてきていることも、インフレ率を押
し上げそうです。しばらくは夏場までの円高による物価下押しは続きそうですが、緩やかなドル高・円安が進
行していけば、来年には円高によるインフレ率の下押し圧力が和らぐことが見込まれます。金融市場が織り込
む期待インフレ率も、消費者物価指数(除く生鮮食品、前年比)に先んじて、下げ止まってきています(図表
4)
。
もっとも、原油価格の上昇で、原油安で減少している米国の産出量が持ち直すことが見込まれます。IEA
の事務局長はインタビューで、原油価格が1バレル=60 ドルに達すれば、北米の原油生産が力強く増加する
きっかけになる可能性は高いとの見方を示しています。
今後は、産油国の生産調整の協議を確認していく必要がありますが、減産もしくは増産凍結が開始された場
合でも、原油価格は1バレル=50 ドル半ばからは上値が重くなることも想定されます。
3.0
14,000
2.0
消費者物価指数(除く生鮮食品、左目盛)
原油価格(円換算、右目盛)
(年/月、月次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
消費者物価指数(除く生鮮食品、前年比)
(年/月、月次)
物価連動債が織り込む期待インフレ率
(出所)Bloomberg、QUICKよりデータ取得し、しんきん投 信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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図表4. 物価と期待インフレ率
(%)
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(円)
06/1
図表3. 原油価格と物価
05/1
3.0
(前年比、%)
鈴木和仁)
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