ブル・フラット化もそろそろ一服 - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2016 年 6 月 10 日
ブル・フラット化もそろそろ一服
▣ 米早期利上げ観測後退で安心感
先週まで米国の早期利上げに身構えていた国内債券市場でしたが、6 月 3 日に発表された5月の米雇用統計
で、雇用者数の伸びが 3.8 万人増と大幅に鈍化したことから、状況が一変しました。6 日にはイエレン米連邦
準備制度理事会(FRB)議長が講演で、雇用統計には「失望した」として早期の追加利上げを示唆しなかっ
たことを受け、内外の債券市場に買い安心感が広がりました。
イエレン議長の主な発言のポイントは以下のとおりです。
緩やかに利上げを進めるのがおそらく適切(5 月下旬には「数か月以内の利上げが適切」と述べ、6 月

もしくは 7 月の利上げに前向きな姿勢を示していたものの、今回の発言で 6 月の利上げ観測は後退)

5月の雇用統計に失望。動向を注視する考えを強調

米経済は回復が続く。インフレ率も原油安やドル高一服と労働市場の改善に伴い、2、3 年内に 2%目
標に向かうとの見通しは維持
英国が欧州連合(EU)離脱なら経済的に甚大な影響及ぼす恐れ

▣ ブル・フラット化も 2003 年に並ぶ水準
6 月は国債の大量償還月ということも手伝い、7 日の 30 年国債入札は落札利回りが過去最低をつけるなど
良好な結果となりました。20年債利回りも0.22%を下回り過去最低を更新しました。
もっとも、国内債市場ではイールドカーブ(利回り曲線)のブル・フラット化(平坦化・利回り低下)が進
行しており、超長期債の割安感が薄れてきています(図表 1)。過去、ブル・フラット化が大きく進行したのは、
2003 年の長期金利が 0.43%まで低下した局面(図表 2)
。このときには、長期金利が 6 月に底を打つ前に、
10 年-20 年ゾーン、10 年-30 年ゾーンの利回りスプレッドが底打ちしました。
直近の利回りスプレッドは、
10 年-20 年ゾーンの利回りスプレッドについては 03 年 5 月の 30bp(1bp=0.01%)程度に対し、35bp 程
度とかなり接近しています。また、10 年-30 年ゾーンはすでに 03 年をわずかながら下回っています。
図表1. ゼロ金利政策後のイールドカーブ変化
1.5
図表2. 利回りスプレッド
(%)
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
1.0
0.5
0.0
(%)
1.4
1.2
1.0
0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
-0.6
長期金利(左目盛)
00/1
01/1
02/1
03/1
04/1
05/1
06/1
07/1
08/1
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
-0.5
(%)
-1.0
0
5
10
変化幅
15
20
25
2016/1/28
30
35
2016/6/9
40
20年債利回り-10年債利回り(右目盛)
(年限)
30年債利回り-10年債利回り(右目盛)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
(年/月、日次)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんき ん投信 作成
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投資環境
2016 年 6 月 10 日
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▣ 押し目買い姿勢か
10 日には英国のEU離脱懸念を背景に、英国債、独国債利回りが過去最低を更新した流れを受け(図表 3)
、
国内の長期国債は一時マイナス 0.155%まで低下し過去最低を更新、20 年債利回りも過去最低の 0.19%をつ
けました(10 日 13:00 時点)
。ただ、全体的な利回り低下で、超長期ゾーンのフラット化はひとまず一服し
た格好。超長期債の利回り低下を促す材料としては、
(1)日銀がマイナス金利幅を拡大すること、(2)英国
が国民投票でEU離脱を選択し内外の金融市場が混乱すること、(3)米国が利上げできないとの観測が強ま
ること、などが挙げられます。
(1)については、三菱東京UFJ銀行が国債市場特別参加者(PD)の資格を返上するとの報道を受け、
銀行の国債離れへの懸念も浮上してきています(図表 4)
。日銀の追加緩和については、長期国債や指数連動
型上場投資信託(ETF)などの買入規模の拡大に加え、マイナス金利幅の拡大などが挙がっていますが、今
回の報道でマイナス金利政策の弊害も意識され、日銀がマイナス金利幅の拡大に動きにくいとの見方が出てき
ています。
(2)についてはまだ予断を許さない状況です。
(3)については、早期の米利上げ観測は後退して
いますが、利上げの方向性は変わっていません。
超長期ゾーンのフラット化が限界に近づく中、超長期債のプラスの利回りは魅力がありますが、押し目買い
姿勢が無難とみられます。
1.5
図表3. 日米欧のイールドカーブ
(%)
2016/6/9
300,000
(億円)
2013年2月以降は運用の中心
であった中期債も売り越し継続
200,000
1.0
図表4. 都銀の国債売買累計
100,000
0.5
0
0.0
-100,000
-200,000
-0.5
仏国債
ドイツ国債
日本国債
(年限)
(出所)Bloombergよりデータ取得し、しんきん投信作成
超長期国債
長期利国債
16/4
15/4
14/4
(年/月、月次)
中期国債
(出所)日本証券業協会よりデータ取得し、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
13/4
12/4
11/4
30
10/4
25
09/4
20
08/4
15
07/4
10
06/4
5
05/4
0
04/4
-300,000
-1.0
鈴木和仁)
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