日本のモノづくり改革

2008年10月1日
株式会社トキメックは
に
社名変更いたしました。
〒144-8551
東京都大田区南蒲田2-16-46
TEL.03-3732-2111 FAX.03-3736-0261
http://www.tokyo-keiki.co.jp/
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S P R I N G
Whole number 102
TOKIMEC REPORT
2002 SPRING
「天使は目に見えないから描かない」
のアンチテーゼだったのだろうか?
写実主義絵画の創始者、ギュスターブ・クールベは口
写実主義の思想に照らせばそういうことになるだろう。
癖のように言ったという。
だが、少し違和感も覚える。
確かに彼の作品には現実の労働者や農民をテーマにし
彼の絵はこう語りかけているように感じるからだ。
たものが多く、しかも、そこには何の物語的背景や主
「絵の中に 美 があるのではない。それは、鑑賞す
観的脚色も施されず「ただ見たまま」の姿が写実的に
ることを通じてあなたの心の中でイメージされるもの
描かれている。
だ。もし、あなたが私の絵の中に 美 を発見したの
19世紀当時、フランスの画壇では「美しいもの」を描
なら、それは私とのコラボレーションが成立したとい
くことが芸術であると考えられていた。つまり、見た
うことだ。
」
ままに描くのではなく画家の主観や創造力を加えるこ
そう、彼の絵は「鑑賞者との関係性をもって完結す
とによって対象を理想化し、そこに内在する「美」を
る」芸術なのだと思う。観賞することを通じて私達は
象徴的に表現することが求められたのだ。
彼と共に創作活動に参加し、彼と共に新しい価値を創
しかし、クールベはその要求を拒否した。なぜだろ
出するのである。
う?
主観や脚色を排除して写実表現に徹した理由も、実は
現実を見据えることが重要な価値であり、それは美の
そこにあるのではあるまいか。
追求に優先すると考えたからか?
あるいは古典やルネサンス期の芸術を模倣する風潮へ
「共創価値の創出」と「コラボレーション」を実現さ
せるために。
平成 14 年 3 月発行(通巻 102 号)
発
行/
株式会社トキメック 社長室 広報グループ
〒 144-8551 東京都大田区南蒲田 2-16-46
TEL.03-3730-7013 FAX.03-3733-3690
発 行 人/ 鈴 木 富 雄
編 集 人/ 田 中 伸 幸
編 集 協 力/
(株)パルナス
本誌に対するご意見、お問い合わせは広報グループまで
URL :http://www.tokimec.co.jp/
Mail:[email protected]
日本のモノづくり改革
〜新しいプロダクトモデル構築への試み〜
日本のモノづくり改革
〜新しいプロダクトモデル構築への試み〜
豊かな労働力を背景に日本の製造業を猛追するアジア圏
2002
SPRING
の産業地域。米国産業界も、得意のITによる効率的な部
Whole number 102
品調達などで勢いを取り戻しつつあります。繊維、鉄鋼、
造船と広がっていく国内基幹産業の空洞化や、企業系列
の崩壊は、中小企業間に激しい競争をもたらしました。し
かし、これによって、製造プロセスそのものを見直す、企
業間ネットワークを作る、といった、従来とは異なるプロ
ダクトモデルの模索、構築が進んだことも事実です。新
しい道を歩み始めている日本の製造業界のモノづくりを、
1
3つの視点から見ていきましょう。
日本のモノづくり改革
視点①
Digital Hub (ディジタル ハブ)
最小限のコストで、良い資源(人材や
下流までをすべて抱えるのではなく、設
部品など)を早く手配できることが、企
計や製造に特化するといった動きが目立
業活動を効率的に展開するためには必要
ってきました。開発、設計、調達、量産、
です。従来、企業内では、集中的な人
品質管理、販売などの一連の業務の中か
事・業務管理による効率の追求、そして、
造業でトップの座を走っていました。し
ら、核(コア)となる業務だけを残し、
企業の外では市場原理を利用して部品調
かし、海外と国内の技術力の差は年々小
その他はアウトソーシングするといった
達などの効率の追求がなされていました。
さくなり、市場の中で平準化するまでの
戦略です。
日本では、系列に象徴される企業外の企
●自社の事業領域(ドメイン)は何か
日本は世界の工場として、これまで製
8
内航船にフィットした航海支援システム
「電子海図表示装置 ECS-3000」
時間、いわば鮮度が落ちるまでの時間が
Sea Japan 2002 出展のお知らせ
こうした生産プロセスの見直しは、
業(子会社、関連会社)へも管理が及び
「自社は何を提供する企業なのか」とい
ましたが、今ではそれも徐々に崩れはじ
情報通信技術の発達や海外への技術移
う企業のアイデンティティ、すなわち事
め、社内ベンチャーなどによる企業内へ
転が進んでいることが背景にありますが、
業領域(ドメイン)の明確化につながって
の市場原理の導入が見受けられます。
各社のスピード経営の背景には、利潤を
いきます。自らの事業領域を明確に定義
また、ある製品の組み立てを考える時、
得られる期間を少しでも長く獲得するた
しないままに事業縮小、コスト削減を推
すべて内製するのが効率的か、それとも
めに身軽になることが必要である、とい
し進めてしまうと、その企業の存在価値
一度外部の組み立て業者の開発コンペを
う共通の改革意識が生じています。
が空中分解しかねないからです。たとえ
通じて、買い取るのが効率的か、という
経営面だけではなく、製造現場でもス
ば、
「アウトソーサー」として自社のドメ
シビアなコスト感覚に基づいた判断が求
ピードと柔軟性が要求されています。つ
インを確立し、その強みをアピールすれ
められるようになってきました。
まり、モデルチェンジの速さや顧客の個
ば、他社の業務を受託するといった事業
別ニーズに対応できる多品種少量生産体
拡大も可能になることでしょう。
短くなっています。
アトリウム展示コーナーがオープンしました。
●企業に求められる組織の柔軟性
生産プロセス全体でみれば、上流から
メーカの構 造 改 革
6
現場改革です。
しかし、効率を追求すること自体が
「モノづくり」の目的ではありません。
「モノづくりを通じて世の中に問う価値
制、さらに言えば変種変量生産体制への
1
日本のモノづくり改革
〜新しいプロダクトモデル構築への試み〜
ます。
を具現化したい」
、あるいは「モノづくり
す。また、親会社は工場をEMS として
通じて生活者や顧客にすばらしい価値を
独立させつつ、グループ傘下に収めるこ
豊富な製造ノウハウが蓄積されるEMS
提案したい」という目的関数がなければ、
とで、生産設備などの資産を見かけ上減
を生産インフラとして活用することで、
企業の活力を失うことにもなりかねない
らし、身軽になれるというメリットもあ
日本のモノづくり業界が復活の足がかり
でしょう。
ります。
をつかもうとしています。
一方、EMS 企業側では、既存の生産
視点②
新 たなプロダクトモデル構 築 へ
●フルセット型の産業構造の解体
電子機器の生産工程を中心に、完成品
メーカから製造、販売、サービス業務な
■従来の生産体制
OEM委託
企業
他社工場
さらに、大企業からスピンオフして、
設備や培ったノウハウを資産に、ファブ
自らファブレス・メーカを立ち上げるベ
レス・メーカ(量産工場を持たずに開発、
ンチャー企業も出ています。
設計に特化するメーカ)など複数のメー
あるいは、海外に製造拠点を移したほ
カから業務を引き受けることができるた
うが効率的だという判断の企業では、製
め、保有する設備能力や技術力を最大限
造部門への権限の委譲、フラットな組織
に活かし、規模と範囲の両面での利益を
への変身といった組織改革が盛んです。
追求することが可能になるのです。
図1生産体制の構造変化
技術指導
材料支給
生産工場
協力工場
納品
系列による生産
■オープン化した生産体制
メーカが相次いで製造部門を独立させ
他社工場によるOEM
どを請け負う独立採算制の受託サービス
松下電器産業は、昨年11 月末に業務
るのは、単に不採算部門の整理という形
( EMS / Electronics Manufacturing
改革の一環として自社製造部門を独立さ
ではなく、時代の変化に合わせて、限ら
Service)システムが、米国から上陸し
せ、「ファクトリーセンター」 に統合。
れた経営資源を特定領域に集中せざるを
てきました。EMS 会社は、自らが資材
他社製品も取り扱うEMS に生まれ変わ
得ない事情があります。その意味で、本
や生産設備を調達することで、特定メー
りました。松下グループで培った高度な
業は、長い期間で見ると市場ニーズなど
カの専属会社とならず、不特定多社に対
技術力を産業界に活用してもらいたいと
から変化していくこともあります。
して中立的に存立するという特性を持っ
いう考えです。
企業
協力工場
生産工場は企業から独立し、
グループ系のEMSに転換
生産工場
グループ系EMS
生産・物流
サービスの委託
それは「総合メーカ」といった裾野の
独立系EMS
ています。従って、メーカの生産計画に
ソニーでは、昨年12 月に子会社のソニ
広い事業展開ではなく、 今この時点で
沿って業務を行ってきた製造部門や、元
ー中新田工場(宮城県)と台湾の生産子
のドメイン への集中、といった傾向と
請けから資材や生産技術を投入される系
会社を、米ソレクトロンに売却。合わせ
して現れています。
列の下請け部品加工メーカとは根本的に
て、AV ・パソコン関連の生産工場を独
90 年代以降、コンピュータメーカから
性格を異にします。
自のEMS として集約しています。売却
サービス業(システムインテグレータ)
製品の頻繁なモデルチェンジや多品種
益を確保すると同時に、同社のハイテク
への転換を果たした日本IBM は、現在、
化の中で、自社工場だけで厳しい生産ス
技術を支える充実した生産設備をEMS
アウトソーシング事業などの情報システ
試作なしの量産に踏み切る企業も増えて
疑問も提示されてきました。その象徴的
加えて、遊休設備の活用による設備
ケジュールに対応することが、多くのメ
を通じて利用してもらうのが狙いです。
ム関連で好調な業績を収めています。こ
きました。ある自動車メーカでは、実物
な例が、一人屋台生産という方式です。
投資の削減や、仕掛品や在庫の減少、
ーカにとって重荷になっています。こう
商品配送などの顧客サービスも利用でき
の例は、パソコン販売事業から比重をソ
大のクレイモデルといった試作品を作ら
この方式は、ひとつの製品の組立、検
変種変量需要に対する機敏さが生まれて
した悩みを抱える企業が、自社工場を
ます。
リューション提供事業に移したことが成
ずに、三次元CAD データをもとに設計、
査、包装までの全工程を一人の作業者が
きます。自動化が行き過ぎると、省力化
功要因として挙げられるでしょう。
開発、製造現場が一体となってダイレク
すべて行う生産システムで、小人数のチ
のメリットより多額の設備投資によるデ
トに量産に進むコンカレント・エンジニ
ームで一つの製品を組み立てるセル生産
メリットが上回る場合もあり得るという
アリングも採用されています。
方式の発展形と位置づけることができま
ことでしょう。
EMS として独立させ、設計や開発業務
現在、企業の情報システムやデータ・
に特化するというケースが多くなってい
ストレージの運用・管理を肩代わりする
ます。逆に、メーカ側はEMS を活用す
データセンターサービス市場が伸びてい
ることで、生産ラインの仕様変更や在庫
ますが、EMS は製造工場をオープン・
管理、人材育成などに対するコストを削
減し、製品化のスピードアップが図れま
●自動化一辺倒からの脱皮
った、各組織レベルにおいての思い切っ
た改革が求められています。
開発リードタイムの短縮化のために、
たりすることもあります。
こうした流れの中、モノづくりの最前
線である工場では、
「自動化」に対する
コンベヤーを使って分業していた時期と
比べて、三倍以上の生産性の向上が達成
されています。
いま、本業の明確化と連動して、トッ
このように各工程での常識や既成概念
す。作業者の自主性を重んじ、創意工夫
これが全てではありませんが、人材を
プラットフォームとして社外に開放し、
プの意識改革、開発陣の独創的なアイデ
を見直せば、ある工程の守備範囲が広が
を行うことで改善成果が現れているよう
活用して多能工化を進め、各人のやる気
アウトソーシングを行う点で通底してい
ア創出、モノづくり現場の改革などとい
ったり、場合によっては全く不要になっ
です。あるプリンター工場では、ベルト
を引き出す効用が、現場の効率化を生
2
3
日本のモノづくり改革
〜新しいプロダクトモデル構築への試み〜
ただし、開発、設計では、設計者のイ
ユニークなのは、発注企業からの開発
メージを推し量りながら金型や治工具を
依頼に応じて、それに関連する会員企業
作り上げる加工の専門職の力が必要な商
が集まり、それぞれが保有する高度技能
品も数多くあります。精度や金型のライ
をうまく組み合わせていくことで、ラッ
個人個人の技能を社員教育などによっ
フサイクルにもよりますが、どこまで分
シュすみだとしての「製品」を作り出し
て高めるか、それともいっそ技能に依存
業化するのか、技能集団と協業するのか
ていること。単に「共同で受注、仕事
しない仕組みを構築するか。先述のセル
を判断し、工場の自立とともに、相互の
に応じて分業」というだけの流れではな
生産方式は、権限と責任を作業者に委譲
人材交流、情報交流のネットワークの構
く、共同体の中で「知恵の集積化」が
することで、意欲を盛り立てながら技能
築も考えておく必要があるでしょう。
なされています。
み出す原動力にもなっていることは確か
なようです。
●熟練技能との決別
オリジナリティがあり、かつ、売れる
を伸ばす効果があります。また、欧米の
ようなマイスター制度を導入することで、
技能の習得と伝承を図る動きも活発化し
視点③
企 業 プラットホームの活 用
企業プラットホームの運用
交代で受付け窓口を行う
企業
A社
最も業務の多い企業が
幹事社となり、元請けと
やり取りする
B社
C社
D社
J社
E社
ネットワークの中から
参加企業を募集
F社
I社
H社
製品を求めて、企業同士が知恵を出し
G社
D社
F社
I社
依頼案件ごとに、必要かつ
最適な技術・技能をもった
企業が参加し、製造チーム
が組まれる
合い、役割を補完しあうことで新たな価
値を創出する――。そのためには、技術
ています。
ダイハツのミゼット工房のように、高
度熟練技能者のノウハウを活用し、遊休
図2
●企業という枠組みの変化
( http://www.cuusoo.com/ )
」があ
と考えられます。
の善し悪しを見抜く目利きや、マーケッ
「不透明な時代」
、
「価値観の多様化」と
トをコーディネートするプロデューサー
は、見方を変えると、モノが溢れている
ります。また、カスタマイズ販売では、
の存在も必要になっています。日本では、
中で、生活者の欲しいものが見えにくく
マイ・クリエーションと呼ばれるシチズン
発に参画できれば、モノづくりの喜びは
より増すと考えられます。
生活者の利用シーンを知った上で、開
設備などを使って初期投資を抑え、コス
いま、中小企業が連合して、自らをビ
トダウンを図りながら採算性と技能継承
ジネスインフラとする産業のプラットフ
休眠状態の特許が数多く存在しますが、
なっていることの現われとも言えます。
の腕時計の取り組みがあります。また、
を両立させる試みも出ています。
ォーム化が進んでいます。当面の目標は
眠った知恵を発掘するプロデューサーと
そこで、ニーズをはっきり持っている顧
主婦6万人のネットワーカーを結び、ア
それとは逆に高度技能、専門技能を技
技能の共有化、受発注の一本化などで
それを利用してモノづくりを行う技術
客と、そうでない顧客を見分けることが
ンケートや意見交換会を通じて商品開発
メーカサイドで一意的に決定できなくな
術化(IT 化)しようとする動きもありま
すが、多くの連合体で、ゆくゆくは独自
者・メーカを結び付けることが、企業ネ
重要となります。問題を抱えていればソ
を進めるベンチャー企業も出てきました。
ってきました。異分野からのアイデアや
す。いわば、熟練技能者の持つ知恵、す
のブランド製品を作り出すことを目標と
ットワークの使命の一つになっていま
リューション(解決策)という形で提案
さて、ここで問題になるのは、受注生
生活者の思いがけない使われ方によっ
なわち「暗黙知」を最新テクノロジーで
しています。下請けでないモノづくり集
す。
できますが、はっきりしていない場合は、
産に生産ラインが対応しきれるのか、と
て、新しいマーケットが生み出される場
ニーズやマーケットを一緒に作り上げる
いう点です。セル生産などで対応するこ
合も少なくありません。
ところから始めなくてはいけません。
とも考えられますが、その前に「カスタ
システム至上主義的な管理方法や市
これは無駄な在庫を減らし、環境対策
マイズ」
、
「パーソナライズ」といっても、
場原理による効率化、さらにマクロ的な
にもつながります。安価な物をひたすら
完全なオーダーメイドはそれほどないと
貿易収支などの統計情報に気をとられが
企業連合の中で、製造業にもプレゼン
作り続けるようなやり方で世界中が張り
いうことです。いくら製品が多様化する
ちになると、東南アジア脅威論や日本悲
能力が求められているのだと言えるでし
合ってばかりいては、根本のリソースと
といっても、一人一人がまったく違うも
観論に陥って、つい腰が引けてしまいが
ょう。
なる自然環境を破壊し、大量の廃棄物
のを持っていることにユーザーは魅力を
ちです。しかし、本当のものづくりの楽
を生み、資源不足を招くことは目に見え
見出さないからです。たとえば、車の外
しさ、自信、誇りといったものは、発想
ています。環境再生システムも視野に入
装の色を選べるというカスタマイズ・サ
の転換と視点を変えることで現れること
れながら、モノづくりや関連ビジネスを
ービスを行う企業がありますが、顧客が
が多いのは事実です。広い視点を持ちな
考える必要があるでしょう。
改良できるのは自動車製造の工程全体
がら、まず現場の一人一人の可能性を引
インターネットを活用したダイレクト
から見ればほんのわずかな部分にしか過
き出してみることが重要ではないでしょ
顧客ニーズをつかむことは簡単ではあ
販売として、購入希望者が想定最小ロ
ぎません。顧客にとってより重要なのは、
うか。
りません。そもそも、
「移り気な顧客」や
ットに達したら商品化を行う「空想生活
製作に参加できるインタラクティブ性、
「明の知」へ転換しようとする試みです。
団への変革意志が伺えます。
仮に洗浄技術を基本としていた企業な
こうした企業に、株式会社インクスが
こうした横の連携として、町工場のネ
らば、それを核に表面処理なら一任して
あります。独自開発の金型設計ソフト
ットワーク化を進めるラッシュすみだ
くれ、と事業領域と販路を広げることも
(KATACAD)を使い、ネットワークと、 (墨田区)や諏訪 Virtual 工業団地など
3次元 CAD システム、そして光造型装
置(積層形成技術)で金型の即納を実現
が注目されています。
平成元年の設立のラッシュすみだで
しています。システムを運用するのは、
は、部品加工、金属加工、プレス、プ
20 代のアルバイトなどで、技能への依存
ラスチック加工などの技術を有する企業
度をほぼゼロにしています。
が集合し、共存共栄を図ります。ベテラ
いずれの企業にしても、技能も先端技
ン会員が若手会員に刃物の研ぎ方などの
術も、といった総花的なアプローチでは
職人技を伝承し、一方で若手はNC 工作
ないことが注目されます。ある部分に特
機械のプログラム設定条件などをベテラ
化し、ある部分は思い切って取り払って
ンに教えて、技能水準全体の底上げに取
いるのです。
り組んでいます。
4
考えられます。
結 びに代 えて
●生活者と直結したモノづくり
5
そもそも、商品がどう使われるかが、
デ
家電キングの座は
テレビからパソコンへ
ィ
ジ
タ
ル
ハ
ブ
ップルが想定しているのは、PC
(Macintosh)をハブにして、他のデ
家電としてのPCを
再び考察すると…
提唱する「ディジタルハブ」が持つ
電なのである。
ベクトルは、前述のようにまさしく家
「家電の王」というモノがあるの
ィジタル系機器やインターネットをつ
さて、改めて家電という位置づけ
なら、これまで歴史の中では、間違
なぎ、あるコンテンツを自在にやり取
でパソコンを考えた場合、まずその
もっとも、現状では、パソコンを
いなくテレビであったと言えるだろ
りをしようといった、極めて現実的
デザインが、オフィスユースのモノと
家電と言い切ってしまうには、まだ
う。それはテレビが
なものだ。
は当然変わってくる。家電という意
いくつか問題が残っている。大きな
他のディジタル系機器とは、ディ
味合いにおいて、デザインに徹底し
ものとしては、いわゆる
個電
となっ
てしまった以降でも、生活の中で、
相性
と
番組を見る、ビデオを観る、テレビ
コンは基本的に、HD(ハードディ
Dを内蔵したテレビも出てきた。こ
ジタルカメラやディジタルビデオ、C
てこだわったと思われる2つの象徴
呼ばれる、いかにもパソコンらしい不
ゲームで遊ぶ…等、AV 機器を従え、
スク)に情報を記録していくわけだ
のHD録画テレビは、きれいな画質
D/DVDドライブ、携帯用PC
的マシンがある。1つはアップルの最
具合だ。この相性問題は、OS とアプ
中心的なポジションであり続けてい
が、1時間という単位で動画を保存
で、大画面で映像を見られるという
(PDA)等だ。それぞれがサポートす
新型iMac(液晶モデル)で、一方が
リケーションソフトとの間、またハー
る事には変わりない。
していくには、データ容量をいくら圧
大きなアドバンテージを持つが(パソ
るコンテンツをいったんPCへ取り込
ソニーのバイオW である。共に、 液
ドとしてのパソコンと周辺機器との
ところが、その
縮(エンコード)しても、なお大容
コン用モニタは、20 インチ以下がほ
み、必要な形式にデータ化してしま
晶ディスプレイをどう扱うか
間にも生じてくる。
量のHDが必要となる。CPU 性能の
とんどである)
、残念ながらほとんど
えば、様々なメディアへと再展開で
点が置かれたモデルで、結果、いわ
家電の場合、例えば「A 社のテレ
パソコンがテレビに取って代わろうと
向上と共に、こうした条件がクリア
のタイプではテレビ自身だけで完結
きる。例えば、音楽CDが内蔵する
ゆる オシャレなマシン という位置
ビとB 社のビデオデッキは相性が悪い
している。そもそも、パソコンにはモ
されるようになったのは、昨年ぐらい
してしまい、録画データ(コンテン
コンテンツ(つまり楽曲)をパソコ
づけになっている。
から、きちんと録画ができない」な
ニタが付いており、CD-ROM は完全
からである。
ツ)の、他のディジタル系機器への
ン用のデータ形式に変換し、自分の
ここ2か月ほど、パソコン雑誌の
接続性はあまりよくない。
好きな曲だけを選んでCD-R へと焼き
ほか一般誌でも頻繁に紹介されてい
込めば、自分専用ベスト盤が簡単に
るため目にした方も多いと思うが、 「A 社のパソコンとB 社のCD-R は相
性が悪いから、きちんと記録できな
その見栄えはオーディオラックに並べ
ザ・家電
キング・オブ・
のポジションを、いま、
に標準搭載で、機種によってはスピ
ところが、いったん、パソコンでテ
ーカも最初から内蔵している。音楽
レビが見られる・録画できる、とな
この接続性というものは、次に述
CDを聴き、DVD を再生し、特別な
ると、テレビにない取り回しのラクチ
べる「ディジタルハブ」という考え方
ボードを差せばテレビ番組を映し出
ンさと相まって、活用の場ががぜん
に係わってくる。
し、ラジオを視聴できる。パソコン
広がってきた。
は、家電的に、かなり強力な統合型
装置なのだ。
どということは、基本的にあっては
ならないことだ。ところがPCでは、
映像についても同様である。前述
て何の違和感もない。本来、機能を
い」といったようことは、なにも特別
のHD録画したデータを、MPEG-1
ウリとするツールであり、デザイン傾
な状態ではなく、逆に「パソコンと
などの軽いデータ形式(画像品質は
向は明らかに事務用品のそれだった
はそんなもの」でまかり通ってしま
落ちるが)にしてPDA へと流し込め
パソコンは、初代iMac のトランスル
う。
ば、それは即、携帯ビデオデッキと
ーセント・モデル(いわゆるスケルト
しかし、本来このような不安定さ
Apple Computer(アップル)は
なる。ディジタルビデオで撮った映像
ン)の登場以降、劇的に家電化して
は、明らかにプロダクツとしての未熟
いった。
さである。しかも、特定の機器でな
録画に関して言えば、まずVHS
テープという、物理的メディアが要
つくれるわけだ。
に力
ディジタルハブと
コンテンツの展開
このテーマの、一番の本質は、実
らなくなる。しかも録画したデータは
に言い尽くされたことだが、
「情報の
劣化せず、他のメディア(D V D や
ディジタル化」にある。多くのエン
miniDV テープ、VHS テープなど)
昨年来、
「ディジタルハブ」とうコン
を、PCで編集して、ほとんどの家
ターテイメント情報がディジタルで記
に移したり、歌番組なら音だけを取
セプトを標榜して、それに見合った
庭が持っている従来のVHS ビデオに
もっとも、アップルのコンセプト・
ければ接続の動作保証をできないと
録され、配信・配布されていくよう
り出して、お気に入りCD を作ること
製品(ソフト及びハード)を供給し
再録画して配布するといったことも
メイキングを主導するカリスマ的リー
いうのでは、ハブと言うにはいかにも
になった結果、その取り扱いに、が
もできる。インターネットで番組の録
てきている。
「ハブ」とは、中心、あ
可能だ。
ダー、ステーィブ・ジョブスは、いか
不自由な存在だ。
ぜんパソコンが有利になってきたとい
画予約をしたり、録画させながら、
るいは中継所、といったような意味
ものすごく単純に言えば、ディジ
にMac がパソコンの家電化に最大限
日本が世界に誇ってきた信頼性こ
うわけだ。
モニタではそのアタマから再生したり
合いだ。同社が言う「ディジタルハ
タルハブ構想とは、個人的なエンタ
の貢献をしていようと、Mac を 家
そが、まさにプロダクツ(家電)で
そして、テレビをノックアウトする
と、テレビ視聴は、これまでとはか
ブ」は、日本では近年、
「ホームサー
ーテイメント(娯楽)の充足を、P
電 などとは考えてもいないだろう。
あることの条件だろう。ますます個
必殺技(キラーアプリケーション)
なり違った形態=パソコン的ユース
バ」として語られてきたことにかなり
Cを使ってやってしまおうということ
言ってみれば、PC(Mac)とは、
人的なエンターテイメントを取り込
と言われるのが、
「テレビ番組録画・
に変わってきている。
近い。ただし、
「ホームサーバ」は家
になる。こうした役割を果たすもの
最高にエレガントであるもの、である
んでいくと予想されるパソコンだが、
再生ソフト」だ。これまでパソコン
では、
「テレビでもHD録画してし
電全般をネットワークしてつなげると
は、従来、趣味の家電と呼ばれてき
ようなのだ。しかし、彼がそれをエレ
ソフト的にもハード的にも堅牢な安
にとって、家電化するための大きな
まえばいいじゃないか」ということで、
きの要(かなめ)という、かなり大
た。つまり、パソコンの家電化であ
ガントと位置づけようと、アーティス
定性を手に入れたとき、名実共に
ネックが、映像の蓄積だった。パソ
テレビ接続用のHDレコーダや、H
きな概念だった。対して、現状、ア
るに他ならない。
ティックなと形容しようと、同社が
「家電の王」と呼ばれることになる。
6
7
products
内航船にフィットした航海支援システム
「電子海図表示装置 ECS-3000」
「電子海図表示装置 ECS-
運 航 を積 極 的 に支 援 します。 「 電 子 海 図 表 示 装 置 E C S -
3000」は、内航船向けに新
輻輳した海域を運航する機会
3000」が真価を発揮します。
開発した「海のカーナビ」と
の多い内航船や小型船にこそ
安全航海の実現と運航者の労
information
力低減にぜひお役立て下さい。
も言うべき航海支援システム
(ECDIS)と異なり、内航船
にジャストフィットした仕様
となっているのが特長です。
ブリッジのサイズやレイアウ
トに合わせてユニットタイプ、
スタンドタイプをお選びいた
だけるなど、ユーザーフレン
ドリーな設計思想が随所に活
かされています。
もちろん、何よりも大切な
「安 全 航 海 」を支 援 する機 能
も充実しています。海図とレ
ーダ映像,ARPA ターゲット
の重畳機能,自船の危険状態
を感知して知らせる各種警報
機能とによって、船舶の安全
ブースイメージ
トキメックは、日本唯一の国際海事展として注目を集める
「Sea Japan」に航海計器、船舶用無線機器および AIS,VDR
など各種新商品を多数出展いたします。万障お繰り合わせの上、
ぜひご高覧賜りますようご案内申し上げます。
です。大型船を対象に開発さ
れた従来の電子海図表示装置
Sea Japan 2002 出展のお知らせ
●おもな出展物
特長 (※はオプション)
○小型船にマッチした省スペース設計によって既存船
にも装備が可能。
○危険状態を感知すると即座に運航者に知らせる各種
警報設定機能を搭載。
○操船インタフェースによるルートトラッキング機能
を搭載※
○海図とレーダ画像の重畳機能が搭載※
・ジャイロコンパス
・電子海図情報表示装置 ECDIS
・マリンレーダ
・ GMDSS 無線通信機器/インマルサット船舶地球局
・自動船舶識別装置 AIS
・ VDR(Voyage Voice Recorder)
・レーダ式液面計 TankRadar(一般タンカー/LNG 船向け)
おもな機能
・船舶用 BS アンテナ
・座礁監視:ガードフレーム, 座礁警報,避険ライン・
エリアの作成/選択
・航路監視:航路離脱許容範囲の設定と警報,変針点
接近警報
・走錨監視:自船位置からの離脱許容範囲の設定
・ ARPA 監視:自船位置から ARPA ターゲットまで
の CPA(Closest Point Approach)
と TCPA(Time to CPA)の設定
■お問い合わせ先
船舶港湾事業営業部
●会期: 4 月 10 日(水)〜 12 日(金)
10 : 00 〜 17 : 00
●会場:東京ビッグサイト(東1ホール)
※ Sea Japan につきましては、下記オフ
ィシャルサイトに詳細な説明が掲載されて
おりますのでご参照ください。
当社出展ブースは日本舶用工業会(JASMEA)展示
ゾーン内です。
http://www.seajapan.ne.jp
●ブース番号: JSM-08
03-3737-8611
トキメックでは、Sea Japan 以外にも下記の展示会に出展を予定しておりますので、あわせてご案内申し上げます。
《第 20 回油圧・空気圧国際見本市 IFPEX 》
topics
アトリウム展示コーナーがオープンしました。
トキメック主要商品を結集
した展示コーナーが、本社ビ
ル 1 階のアトリウムにオープ
ンいたしました。弊社の営業
時間内でしたらいつでもご覧
いただけますので、本社ビル
にお立ち寄りいただいた際に
はぜひご覧ください。
《展示商品》
●船舶港湾機器
統合ブリッジシステム, SAAB タンクレーダ, 各種船舶用無線機器
●流体管理機器
電波レベル計 RTG-40/MRG-10, 超音波流量計 UF-900, ポータブル超音波流量計 UFP-10
●油圧制御機器
小型パワーパッケージ TU-PAC, マニホールドブロック TMCD, ピストンポンプ PH シリーズ
●通信機器
各種マイクロ波デバイス
ご自由にご覧いただけます
が、商品説明をご希望される
場合は受付けにお申し付けい
ただければ営業担当者がご説
明にあがります。どうぞお気
軽にお声をおかけください。
皆さまのご利用を心からお待
ちいたしております。
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《下水道展 '02 名古屋》
●会期: 6 月 11 日(火)〜 14 日(金)
10 : 00 〜 17 : 00
●会場: 東京ビッグサイト
●出品予定商品:可変容量形ピストンポンプ、比例制御弁、
電磁切換弁など各種油圧機器
●会期: 7 月 23(火)〜 26(金)
10 : 00 〜 17 : 00
●会場:名古屋市/ポートメッセなごや
●出品予定商品:超音波流量計、電波レベル計など各種流体管理
機器
クイズ
8 1 2
6
5
3
A 4
8 1
9
7
3
6
B
5
1
9
3 9
2 4
5
7 5 4
6 2 8
4
9 5
2 8
8 1
7
6
C
2
9 5
3
●問題
マス(A)
(B)
(C)のそれぞれに入る数字の合計をお答えください。
●ルール
タテ列の各行(9行)に含まれる9個のマス、ヨコ列の各行(9行)に含まれる9個の
マス、太線で区切られた3×3のブロック(9ブロック)の中に含まれる9個のマス、
のそれぞれが、1から9までの数字が1回ずつ使われるように埋めてください。各行、
各ブロックの中で、数字が重複して使われてはいけません。
■回答と応募の方法
答えを、ハガキ、FAX、Eメールいずれかの方法で、
(株)トキメック 社長室 広報グルー
プ宛にお送り下さい。その際、本誌へのご感想も添えて頂ければ幸いです。
ご応募頂いた方の中から、抽選で100名の方に、弊社オリジナル・テレホンカードを差
し上げます。締切は、2002年5月10日とさせていただきます。
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