食と環境への取り組み

食と環境への取り組み
2015
目次
Contents
編集方針
1
経営基本方針・21世紀のヤマザキの経営方針
2
会社概要
3
事業概要
5
ヤマザキと社会や環境との関わり
9
お客様とともに 食の安全・安心への取り組み
11
AIBフードセーフティシステムに基づく
工場での安全・安心の取り組み
13
お客様の安心のために
15
お客様とのコミュニケーション
16
社会・地域とともに (公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団を通じた
食生活の向上のための食品科学振興助成
17
(公財)
国際開発救援財団
(FIDR)
を
通じた国内外への支援
19
スポーツ振興支援
21
地域に愛される工場を目指して
22
食を大切に ヤマザキの
「食」への考え方
25
国産食材の利用拡大を目指して
27
と
「栄養バランスの大切さ」
を発信
「朝食の大切さ」
29
従業員とともに 「新しいヤマザキ」
を牽引する人材の育成
働きやすい職場づくりに向けて
て
「食と環境への取り組み」
を毎年発行し、テーマごとに取り組
み内容をご報告してきました。2015年度版でも引き続き、食品
を製造しお届けする立場からお客様の関心の高い
「食の安全・
安心への取り組み」
「
、食料資源の有効利用」
「
、国産食材の利用
拡大」
「
、食育活動」
などについても具体的な事例をご紹介して
32
います。
製品づくりにおける環境への影響
35
環境目標と実績
36
環境マネジメント
37
環境会計
38
省エネ活動の推進
39
物流における取り組み
41
店舗における取り組み
42
副産物・排出物の発生抑制と再資源化
43
製品における環境配慮
45
環境コミュニケーション
47
食と環境への取り組み 2015
ヤマザキでは、
「お客様」
「
、社会・地域」
「
、従業員」
「
、環境」
とヤ
マザキの関わりについて、皆様にご理解いただくことを目的とし
31
環境活動報告 1
編集方針 ●対象期間
2014年度
(2014年1月1日~2014年12月31日)
のものを報告
しており、過去の実績・推移が必要と思われる項目についてはこ
れを併記し、一部の取り組み事例については、最新のものを掲
載しています。
●対象組織
山崎製パン株式会社単体
(一部グループ企業)
を対象としてい
ます。
●発行
2015年11月
おことわり
●本報告書に記載したデータはお断りなく変更する可能性もあ
りますのでご了承ください。
●本誌からの無断転載・複製はご遠慮ください。
●一部の製品は、地域・時期により販売されていない場合があ
ります。
綱領
わ
が社は、 企 業 経 営 を 通じ
て社会の進展と文化の向上に
寄与することを使命とし、個
ら開始する生命の道の教えに導かれ
て、
すべての仕事を種蒔きの仕事か
学的・合理的な事業経営手法とし
衛生管理体制の上に築き上げる科
科学的根拠の上に立った食品安全
げると同時に、
これを補完するため、
および具体方針)
」を改めて高く掲
達成に 進する」
という山崎製パン
株式会社の
「経営基本方針
(綱領
独立の協力体制を作り、
もって使命
上に寄与することを使命とし、
自主
営を通じて社会の進展と文化の向
当社は、 世紀の事業環境と社
会の変化に対応するため、「企業経
業 戦 略、小 委 員 会による
「なぜなぜ
て、会社別、部門別の製品施策・営
連 動させる
「2本立ての5S」
によっ
5Sと全 員 参 加の従 業 員の5Sを
る5つの重要な質問による管理職の
カーのセルフアセスメントツールであ
命の道の教えと、ピーター・ドラッ
ヤマザキを導く言葉として掲げ、生
原理に基づき、困難に屈する
う生命の道を導く言葉を 世紀の
知 識によって変 化に挑 戦し、新しい
う」
というヤマザキの精神と
「知恵と
質と製 品、
サービスをもって世に問
具 体 的 な 事 業 経 営にあっては、
「 良 品 廉 価・顧 客 本 位の精 神で品
世 紀 の ヤマ ザ キ の 経 営 方 針
具体方針
る部門別製品施策・営業戦略、
小
改善」
に徹し、新しい価 値と新しい
⑤ 業 務の遂 行に関するすべての決 定を行なうに
あたって、常にその一件を処理する上での便宜よ
りも、事 業 全 体にとって何が正しいか、何が最
善であるかを中心に考えること。
④ 産 業界と一般社会との間に協力関係を創り出
し、維持していくため、実行可能な一切のことを
行なっていくこと。
③ 入 手できる限りの、事業に独特な要求に適合
した最善の設備と施設を備えること。
この設備や施設の調達は、維持運営が経済的
であることと会社の組織に最も仕事をしやす
い道具を与えるという二つの観点から考えられる
こと。
② 充 実した効 率のよい積 極 的な組 織 体を作り
あげ、
そして維 持 拡 充していくため、
あらゆる
可能の努力を注ぐこと。
その組 織 体の人々は、会 社を信 頼し、仕 事が
喜びであり、普 通ではできない仕 事を完 遂す
ることが個人的な願望にまでなっていること。
工場、財産並びに設
それは、製品、組織、仕事、
備のなかに表わさるべきこと。
① 最 高の品質と最善のサービス
(今日到達しうる
ベストクオリティー・ベストサービスの実 践、実
行、実 証 )
を目 標とし、品 質は今 到 達しうる
最高のものであり、新鮮であること。
委員会による
「なぜなぜ改善」を実
需要を創造して 世紀のヤマザキの
ことのない勇 気 と 忍 耐 とに よって高い倫理的水準に導かれ
る事業を永続させること。
わ
れわれは、常に良きものへ向
って絶えず 進 歩 しつづけるた
め、 各 人が自 由な決心に基づ
き、 正しき道につき、 断 固と
して実 行 し、 自 主 独立の協
価 値と新しい需 要を創 造する」
とい
践、
実行、
実証することを 世紀の
使命達 成に 進してまいります。
かつ相
⑥ 顧 客に接するときは、常に公明正大で、
手が何を欲しているかを充分に考慮すること。
【平成 年
月制定】
7
本
力 体 制 を 作 り、 もって使 命
その成 果が
配 達や品 質やサービスについては、
最優秀なものになるように努力すること。
21
27
21
基
人の尊 厳と自 由 平 等の ヤマザキの経 営 方 針といたします。
21
21
営
達成に 進すること。
針
方
21
経
(1)
(2)
2
食と環境への取り組み 2015
会社概要
会
社
本
Corporate profile
名 山崎製パン株式会社
(YAMAZAKI BAKING CO., LTD.)
■
工場所在地
社 〒101-8585
東京都千代田区岩本町3-10-1
TEL 03-3864-3111
代表取締役社長 飯島 延浩
設
立 1948年6月21日
資
本
金 110億1,
414万3千円
売
上
高 9,950億円
(連結)
、6,955億円
(単体)
1 札幌工場
2 十和田工場
7 松戸第一工場
8 松戸第二工場
13 杉並工場
14 横浜第一工場
18 大阪第一工場
19 大阪第二工場
22 神戸冷生地事業所
23 岡山工場
25 福岡工場
26 熊本工場
従 業 員 数 17,654人
販 売 店 舗 約108,
000店舗
主 な 事 業 内 容 食パン、菓子パン、和菓子、洋菓子、調理
パン・米飯類等の製造および販売なら
びにその他仕入れ商品の販売、
コンビニ
エンスストア事業
売 上 構 成 比
(単体)
(単体)
製菓・米菓類 5.3%
デイリーヤマザキ事業10.1%
(内部消去0.8%)
デイリーヤマザキ事業10.1%
(内部消去0.8%)
製菓・米菓類 5.3%
調理パン・米飯・
調理麺
4.9%
調理パン
・米飯・
調理麺 4.9%
パン 58.3%
洋菓子 12.4%
パン 58.3%
洋菓子 9.8%
12.4%
和菓子
和菓子 9.8%
(連結)
その他事業 1.0%
(連結)
その他事業
1.0%
流通事業
6.4%
流通事業
6.4%
製菓
・米菓類
16.0%
製菓・米菓類
調理パン
・米飯・
16.0%
調理麺 13.5%
調理パン・米飯・
洋菓子 12.9%
調理麺 13.5%
洋菓子 12.9%
食品事業
92.6%
食品事業
92.6%
パン 43.3%
パン 43.3%
和菓子 6.9%
和菓子 6.9%
(2014年12月31日現在)
ホ ー ム ペ ー ジ http://www.yamazakipan.co.jp/
3
食と環境への取り組み 2015
3 仙台工場
4 古河工場
5 伊勢崎工場
6 新潟工場
9 千葉工場
10 埼玉第一工場
11 埼玉第二東村山工場
12 武蔵野工場
1 札幌工場
15 横浜第二工場
16 名古屋工場
17 安城工場・安城冷生地事業所
伊勢崎工場 5
新潟工場 6
20 阪南工場
21 京都工場
京都工場 21
2 十和田工場
神戸冷生地事業所 22
岡山工場 23
広島工場 24
福岡工場 25
3 仙台工場
10 埼玉第一工場
11 埼玉第二
東村山工場
13 杉並工場
4 古河工場
24 広島工場
7 松戸第一工場
8 松戸第二工場
9 千葉工場
熊本工場 26
香川製餡事業所
大阪第一工場 18
大阪第二工場 19
泉佐野事業所
阪南工場 20
15 横浜第二工場
14 横浜第一工場
12 武蔵野工場
17 安城工場・安城冷生地事業所
16 名古屋工場
食と環境への取り組み 2015
4
事業概要
Summary of business
パン部門
パン本来のおいしさを知っていただくため、
品質にこだわり、
技術を磨き、常に新しい技術で新しいおいしさをつくり続け
ています。パン部門が開発する新製品は、年間1,000アイテ
ム以上。常に新しいおいしさをお届けするためには、お客様
のニーズを的確に把握した新製品の開発が大きな要となり
ます。ヤマザキでは一人ひとりが開発担当者であり、毎日が
マーケティングだと考え、積極的に技術革新にチャレンジし、
新しいおいしさを追求していきます。
和菓子部門
四季折々の素材と伝統の技でつくりだす繊細な味、
それが和菓子のおいしさです。
ヤマザ
キは一つひとつの素材にこだわり、
最高の品質を厳しく吟味し、
技術とノウハウを活かして
伝統の味をお届けしています。
洋菓子部門
市場ニーズを的確に捉えるために、
ヤマザキの発想
はいつもフレキシブルです。ニーズを読みとる先取
性と発想力、それを支える技術力。ヤマザキはいつ
も果敢に挑戦し、食の楽しさをお届けしています。
5
食と環境への取り組み 2015
調理パン・米飯・調理麺部門
ヤマザキグループの調理パン・米飯・調理麺部門は、
(株)
サ
ンデリカを中核とした効率的な生産・販売・管理体制のも
と、デイリーヤマザキやヤマザキショップをはじめ、全国の幅
広い業態へお届けしています。
菓子部門・その他製品
ヤマザキは、
(株)
不二家、
ヤマザキ・ナビスコ
(株)
(
、株)
東ハトなど、グルー
プの製菓会社が製造するビスケットやクッキー、
チョコレート、米菓類など、
バリエーション豊かな菓子をご提供しています。
また自社工場で製造する、各種ジャムやゼリー、水ようかんなどの進物
品、
レトルトカレー、パン用スプレッドなど、食をテーマにさまざまな製品群を
お客様の食卓へお届けしています。
飲料・米菓ほか
食と環境への取り組み 2015
6
販売ネットワーク・店舗開発
多様化する生活者ニーズと市場環境の変化に応えるさまざまな機能の店舗展開をすすめています。
コンビニエンスストア
デイリーヤマザキ
ナショナルブランド・メーカーが展開するコンビニエン
スストアとしての強みを活かし、
品質の高いパンやお弁
当、
サンドイッチなどフレッシュ製品の充実強化を図って
います。
また、
ヤマザキグループの特徴を発揮して、
焼き
たてパンをはじめとする店内調理・店内加工システムの
導入をすすめています。
さらに、
顧客満足の向上をめざ
し、
電子マネーへの対応
など各種サービスの充
実をすすめ、
生活者ニー
ズを的確に捉えたコン
ビニエンスストアとして
全国展開しています。
小型コンビニエンスストア ニューヤマザキデイリーストア
コンビニエンスストアとしての機能を装備した小型
店舗です。ヤマザキグループの総力を結集して付加価
値の高い商品群を拡充し、お客様のニーズにお応えし
ています。素材や原材料、製法にこだわった
「ヤマザキ
ベストセレクション」
シリーズをはじめ、和菓子のバラ
販売や、洋菓子ケーキの対面販売を行うなど、ヤマザ
キグループならではの
高 品 質な製 品を豊 富
に品揃えし、地域に根
ざした店舗を目指して
いきます。
地域密着型小売店
ヤマザキショップ
ヤマザキのパン、和菓子、洋菓子、
お弁当、
おにぎり、
調理パン等の主力製品、季節製品を主体に、日常生活
での必需品を揃え、立地や客層に応じ、手づくりサンド
イッチ等の機能を付加した地域密着型店舗です。予約
販売活動や近隣世帯のお客様に対するフレンドリー
サービスにより、地域で愛されるお店づくりを目指して
います。また路面店舗
に加え、病 院・学 校な
ど 施 設 内 の 立 地に合
わせた店舗づくりに取
り組んでいます。
7
食と環境への取り組み 2015
フレッシュベーカリー
ベーカリーカフェ
サンエトワール
ヴィ・ド・フランス
焼きたてパンと手づく
焼きたてパンを提供す
りサンドイッチを提供する
るベーカリーショップで
ベーカリーカフェです。店
す。大型ショッピングセン
内には焼きたてのパンや
ター内のインストアベーカ
作りたてのサンドイッチと
リー、
デパート内でのスク
ドリンク類をお召しあがり
ラッチベーカリー、イート
いただけるイートインコー
インを併設した駅構内店
ナーを併設しています。
を中心に展開しています。
スーパーマーケット
ヤマザキプラザ市川
スーパーヤマザキ
ヤマザキの品質、
技術、
生鮮食料品を中心とし
おいしさのすべてを集結
た地域密着型のスーパー
したフレッシュベーカリー、
マーケットです。山崎製パ
和菓子、洋菓子の専門店
ンの創業20年記念事業
です。
2009年にヤマザキ
として1967年に設立さ
の創業の地である千葉
れ、
東京都町田市の鶴川
県 市 川 市のサンプラザ
団地に1号店が開店しま
35ビル1階にオープンし
した。
ました。
不二家
洋菓子店
不二家
レストラン
サーティワン
アイスクリーム
1910年に横浜元町に第1号店を開
戦前からの不二家の洋食の伝統を
1974年に東京・目黒に国内1号店を
店した、日本の洋菓子界の草分けとも
受け継ぎ、ファミリーレストランを全国
開店した、高品質で楽しく夢のあるアイ
いえる洋菓子店です。
で展開しています。
スクリーム専門店です。
ヤマザキグループのご紹介
食品事業
流通事業
その他の事業
● 株式会社不二家
● 株式会社スーパーヤマザキ
● 株式会社ヤマザキエンジニアリング
● 株式会社サンデリカ
● 株式会社ヤマザキクリーンサービス
物流事業
● ヤマザキ・ナビスコ株式会社
● 株式会社ヤマザキ物流
● 株式会社ヤマザキ
(保険事業部)
● 株式会社ヴィ・ド・フランス
● 株式会社サンロジスティックス
● 株式会社サンミックス
● 株式会社東ハト
● 株式会社食品共配システム
● 日農生研株式会社
● 株式会社イケダパン
海外事業
(株)
不二家の主要関連会社
● 大徳食品株式会社
● ヴィ・ド・フランス・ヤマザキ
(アメリカ) ● 株式会社不二家フードサービス
● 株式会社ヴイ・ディー・エフ・サンロイヤル ● ヤマザキカリフォルニア
● 株式会社ダロワイヨジャポン
● 株式会社サンキムラヤ
● ヤマザキフランス
● 株式会社不二家東北
● 株式会社スリーエスフーズ
● 香港ヤマザキ
● 株式会社スイートガーデン
● 株式会社高知ヤマザキ
● タイヤマザキ
● 不二家サンヨー株式会社
● 株式会社末広製菓
● 台湾ヤマザキ
● 不二家乳業株式会社
● 株式会社盛岡デリカ
● サンムーランヤマザキ
● 不二家(杭州)食品有限公司
(マレーシア)
● 株式会社ヤマザキ
● 株式会社不二家システムセンター
(ヤマザキプラザ市川事業部) ● サンムーランヤマザキシンガポール
● 秋田いなふく米菓株式会社
● 上海ヤマザキ
● 持分法適用関連会社 B-Rサーティワンアイスクリーム株式会社
● 株式会社札幌パリ
● フォーリーブズ
● 持分法適用関連会社 日本食材株式会社
(シンガポール)
● 株式会社金沢ジャーマンベーカリー
● ヤマザキインドネシア
● 持分法適用関連会社 日糧製パン株式会社
食と環境への取り組み 2015
8
ヤマザキと社会や環境との関わり
お客様
ヤマザキは、お客様のよりよい食生活に貢献
するため、安全・安心で高品質な製品を提供
しています。
●
AIB国際検査統合基準に基づく工場での
安全・安心への取り組みについては P11〜14
●
細菌検査、品質検査については P15
●
お客様との関わり、表示については
P16をご覧ください。
原材料仕入先
ヤマザキは、厳しい検査を経た安全で高品
質な原材料を調達しています。
●
原料の安全性の確認については
P15をご覧ください。
国内産地の視察
(イチゴ)
環境
ヤマザキは、地球環境の保全に向けて、生
産、物流、製品開発など、さまざまな活動を
通じて環境負荷の低減に努めています。
9
●
環境目標と実績については P36
●
環境会計については P38
●
省エネルギーの取り組みについては P39〜40
●
製品における環境配慮については P45〜46を
ご覧ください。
食と環境への取り組み 2015
LNG
(液化天然ガス)
サテライト設備
(岡山工場)
ヤマザキの
「食と環境への取り組み」
を皆さんにわかりやすく紹介する
環境キャラクター
「エコッペくん」
です。コッペパンをモチーフにしています。
販売店様
ヤマザキは、販売店様とパートナーとしての
協力関係を築き、最高の品質と最善のサー
ビスを目標とし、食の提案をともに行ってい
ます。
● ヤマザキマーケットクルーによるミールソリュー
ションについては P29〜30をご覧ください。
スーパー店内での親子サンドイッチ教室
社会・地域・行政
ヤマザキは、社会の進展と文化の向上に寄与
するため、社会・地域・行政とのコミュニケー
ションを積極的に図り、学術文化活動、国際
協力活動、スポーツ振興支援などを通じ、社
会の発展に貢献できるよう努めています。
●
学術文化活動、国際協力活動、
スポーツ振興支
援については P17〜21
●
各工場の地域貢献活動についてはP22〜24を
ご覧ください。
「幕張チャレンジトライアスロンフェスタ2015」
に参加・協賛
(千葉工場)
従業員
ヤマザキは、従業員の仕事に対する喜び、働
きがいを実現するために、より働きやすい職
場づくりに取り組んでいます。
●
人材育成については P31
● より働きやすい職場づくりに向けた取り組みにつ
いては P32〜34ご覧ください。
ファミリーバスハイク
(埼玉第一工場)
食と環境への取り組み 2015
10
お客様とともに
食の安全・安心への取り組み
ヤマザキの工場では、原料調達から販売までのすべての工程で、
科学的根拠に基づいた徹底した衛生・品質管理を行っています。
食品衛生管理体制
ます。
「 食品安全衛生管理本部」
は、各工場との密接な連
ヤマザキは食品企業として、食品の衛生や安全性を守
携のもと、原料調達から生産、販売までのすべての工程で、
る品質管理を、何よりも優先すべき重要な使命であると考
「AIB国際検査統合基準」
に則った徹底した衛生・品質管
えています。そのため当社では、衛生・品質管理を強化す
理を行っています。
る専門部署として
「食品安全衛生管理本部」
を設置してい
製品の流れ
原料調達
生産
物流
販売
製品
STORE
お客様
情報の流れ
食品安全衛生管理本部
(本社各部門)
お問い合わせ
お客様相談室
ご返答
ご意見
ご要望
情報の流れ
製品の流れ
食の安全を守る450名の専門スタッフ
「食品安全衛生管理本部」
は、食品衛生管理の役割別に
製品の衛生管理、製造設備の清掃、お客様からのお問い
「食品衛生管理センター」
「
、食品品質管理部」
「
、お客様相
合わせ対応など食の安全・安心の徹底のため日々活動し
談室」
の3つの部門に分かれています。すべての工場に本
ています。
社直轄の組織を設け、衛生・品質管理を行っています。各
部門では総勢約450名の専門スタッフが、原料の検査や
■
食品安全衛生管理体制
食品安全衛生管理本部
本社
食品衛生
管理センター
食品品質
管理部
お客様
相談室
工場
●食品衛生管理センター分室
(食品検査室)
●フードハイジーンセンター
すべての工場に本社直轄の組織を設けています。
11
食と環境への取り組み 2015
各工場の食品衛生管理センター分 フードハイジーンセンターでは、科
室では、
原材料や製品の細菌検査、 学的な根拠に基づき、通常の従業
員では手の届かない製造設備の清
理化学検査などを行っています。
掃などを行っています。
AIB国際検査統合基準とは
ヤマザキの食品安全管理システムのもととなる
「AIB
フードセーフティシステム」
は、米国およびヨーロッパの食
されており、食品安全衛生上の危害が生じる可能性をなく
すために不可欠な内容になっています。
品安全衛生に関する各種法律・規則をもとにAIB
(米国製
パン研究所)
が独自に作成した
「AIB国際検査統合基準」
に則ったシステムです。原材料の入荷から製造・配分・出
荷まで、
すべての工程において安全性を確保するための5
つのカテゴリーで構成されています。
「AIB国際検査統合基準」
は、国際的に認められた衛生
AIB監 査では、生 産
設備の隅々まで厳し
くチェックします。
管理手法であるHACCP
(危害分析と重要管理点)
の前提
条件ともなるGMP
(適正製造規範)
の考え方をもとに作成
「AIB国際検査統合基準」
を構成する5つのカテゴリー
1
作業方法と従業員規範
原材料の受入から製造・配分・出荷までの工程で、製品が従業員や生産工程によって汚
染されることを防ぐための方法を示しています。
原材料の受入、保管、検査、取扱い、加工処理、最終製品の配送、従業員の衛生・健康
管理など
2
食品安全のための
メンテナンス
衛生的で信頼性のある製造環境を維持するための施設や設備の最適な設計、維持管理方
法を示しています。
建屋、機械の維持管理
(点検・清掃・保全しやすい設計)
、水の管理、潤滑剤の使用・保管
管理、
ガラス類の管理など
清掃活動
製品の汚染を回避するための製造設備、器具、および建築物の清掃や洗浄殺菌方法を示
しています。
清掃手順、清掃計画
(マスタークリーニング スケジュール)
に従い実施、洗剤・清掃用具の
管理など
3
4
5
IPM
(総合的有害生物管理)
前提条件と食品安全
プログラムの妥当性
有害生物
(虫・ネズミ・鳥・その他野生動物)
による製品の汚染を避けるための方法、管理
方法を示しています。
有害生物の活動を抑制するためのプログラムの作成、有害生物のモニタリングと防除活
動、野外生物の侵入対策など
上記カテゴリーの実施方法や管理方法についてのプログラムが確立され、実際に行われ
ているかを確実にするための基準を示しています。
清掃手順書・清掃計画
(マスタークリーニング スケジュール)
などの清掃プログラム、機
械・設備・備品類の管理プログラム、従業員への教育訓練プログラムなどの作成、自主監
査
(内部監査)
によるプログラムの遂行状況の定期的な評価など
AIBフードセーフティシステムの導入について
2000年の食の安全・安心に対する社会的な関心の高
ティシステム」
はパン業界にとどまらず、製粉、乳製品、菓子
まりをきっかけに、パン業界においても異物混入対策を含
をはじめ多くの食品関連施設で導入されています。ヤマザ
めた食品安全への新たな取り組みが急務となりました。
キでは、
すべての工場でAIBの基準をクリアしています。
ヤマザキは海外での事例を調査・検討した結果、米国の
パン工場などにおいて標準となっていた
「AIBフードセーフ
ティシステム」
が大変有効であると考え、AIBより指導員を
当社に招聘し、2000年にこのシステムを導入しました。
現在はAIBのライセンスのもとに一般社団法人日本パン
技術研究所フードセーフティ部が、食品工場や倉庫などに
おける教育、指導、監査を実施するなど、
「AIBフードセーフ
米国AIBより
感謝状が贈られました
2012年6月に開催されたAIB監
査11周年記念式典で、日本へ
のAIB監査の導入と普及への貢
献により飯島社長が感謝状を贈
呈されました。
食と環境への取り組み 2015
12
AI
Bフードセーフティシステムに基づく
工場での安全・安心の取り組み ※食パンの生産工程は
簡略化して表現しています。
ヤマザキでは、食の安全・安心を確保するために原料調達から販売にいたるまでの工程において 厳しい安全衛生管理を徹底しています。製品が店舗に届くまでをご紹介するとともに、
AI
B国際検査統合基準の各カテゴリーごとの安全の取り組みをご紹介します。
〔カテゴリー1〕
作業方法と従業員規範取り組み事例
小麦粉中の異物除去
原料受入れ時の確認
金属検出機で製品を検査
小麦粉をサイロから製造へ送る送粉
ラインに設置した篩
(ふるい)
で小麦
粉中の異物をモニタリング・除去し
ています。
原料受入れ時は表面の異物・汚れが
ないことや、期限や品温を確認し記
録、
また納入日を記入し先入先出を
行っています。
すべての生産ラインに金属検出機を
設置し、出荷する製品に金属の混入
がないことを確認しています。
液卵
(要冷蔵)
の入庫時検温状況
金属検出機によるチェック
入庫時は外装を点検し納入日を記入
インラインシフターの設置
原料受入
仕込
発酵
成型
パンづくりに必要なさまざ
まな原料を入庫します。
小麦粉や水、酵母などを
混ぜてこね合わせます。
発酵室でパン生地を発酵
させます。
分割して形を整えてから
もう一度発酵させます。
〔カテゴリー3〕
清掃活動取り組み事例
〔カテゴリー4〕
I
PM取り組み事例
機械・設備や高所の清掃管理
清掃用具の色分け管理
清掃と調査による防虫管理
マスタークリーニングスケジュール
(清
掃計画表)
に基づき機械・設備や高
所の定期清掃管理を行っています。
清掃場所別にブラシの毛の色を変え
て、
細菌汚染やアレルゲンの混入防
止を図っています。
機械・設備の定期清掃を行うととも
に屋内に昆虫・有害生物用トラップ
を設置し定期確認を行っています。
屋内に設置したライトトラップ
仕込ミキサー上部清掃風景
13
食と環境への取り組み 2015
清掃用ブラシの色分け管理表
屋内に設置した歩行虫トラップ
〔カテゴリー2〕
食品安全のためのメンテナンス取り組み事例
生産ライン入室時の身だしなみ確認
蛍光灯・ガラスの安全対策
生産ライン入室時は私物持込みを
禁止し、毛髪の落下を防止するヘア
ネット、帽子、白衣を着用後、手洗い、
アルコール消毒、粘着ローラー、
エア
シャワーを行います。
生産ライン入室前のエアシャワー室
清掃可能な設備改善
機械内部の点検や清掃ができるよう
機械・設備の改善を行っています。
香料・洋酒びんを樹 蛍光灯は飛散防止タ
脂製へ変更
イプを使用
内部を確認しやすいよ 粉タンク内部点検用
うにカバーを透明化
ハッチの設置
焼成
包装
配分・出荷
販売
オーブンに入れて焼き上
げます。
冷ましたパンをパッケージ
に入れていきます。
番重
(ケース)
に丁寧に入れ
て店舗ごとに配分します。
工場から店舗へフレッシュ
な製品を直接配送します。
〔カテゴリー5〕
前提条件と食品安全プログラムの妥当性取り組み事例
工場外部の有害生物対策
食品安全プログラムの作成
食品安全プログラムの定期評価
安全な食品を提供するために、
すべ
ての部署が効果的で確実に機能する
よう経営陣の支援のもと、文書・教
育・訓練・モニタリングのシステムを
明確にしています。
適格な監査員が定期的に設備の自主監
査を行い「前提条件と食品安全プログラ
ム」
の遂行・監視状況を評価しています。
搬出口屋根裏部に設置した防鳥ネット
工場外周に設置した
鼠調査用の専用ボッ
クス(外周に一定間
隔で設置)
食と環境への取り組み 2015
14
お客様の安心のために
ヤマザキでは、積極的な技術革新による製品開発を通じ、新しい価値を創造するとともに、
国内はもとより海外から集められた原料や全国の工場で生産された製品の
安全性および品質についても厳しくチェックしています。
原料の安全性を確保するために
最新機器を用いた安全性の確認
購買部門では、お客様に安全・安心で良品質な製品を
中央研究所では、当社で使用する原料について、最新機
提供し続けていくために、原料の安全管理と品質管理を
器を用い、定期的に厳正な品質検査を実施しています。輸
最重要課題として取り組んでいます。購買、食品安全衛
入農産物の定期的な残留農薬検査や、米などの原料中の
生、生産部門の各担当者が定期的に原料の産地や原料
遺伝子検査による品種判別を実施し、安全性や品質を確
メーカーを訪問し、農薬等の管理状況の確認や、良品質な
認しています。また、製品への異物・薬物等の混入や異
原料を確保すべく製造現場のチェックを行っています。ま
味・異臭等の品質異常が発生した場合に、迅速な成分の
た、ヤマザキが求めている安全性や高い品質基準につい
特定から原因追究を行うため、最新の分析技術による精
てより深く理解してもらえるように、現地・現場の方々と
度の高い分析体制を整備しています。
の意見交換も絶えず行っています。
海外産地の視察
(レーズン)
市場での製品買い付けによる品質検査
蛍光X線装置による元素分析
トランス脂肪酸情報開示への対応
ヤマザキでは、安全・安心な製品をお客様にお届けする
ヤマザキでは、2011年2月に消費者庁より発表された
ために、工場で毎日生産される製品をサンプリングし、衛
「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」
に対応し、使用
生検査を実施しています。また、食品衛生管理センターや
原料の情報に基づいた算出システムを開発し、
ホームペー
中央研究所のスタッフが各地で実際に市場で販売されて
ジ上で主要製品の栄養成分値とあわせて、
トランス脂肪
いる全工場の製品の定期的な買い付けを抜き打ちで行っ
酸、飽和脂肪酸、
コレステロール量の数値を公開していま
ています。買い付けた製品は、細菌検査をはじめ、重量や
す。算出値については、栄養表示基準の誤差の許容範囲に
形状および外観を評価し、安全性や品質をチェックしてい
収まることをガスクロマトグラフによる分析により確認して
ます。結果を各工場にフィードバックし、問題点の把握と改
います。一方、油脂および素材メーカーと共同で、当社製品
善に役立てています。
で使用する油脂やフィリング等のトランス脂肪酸の低減化
をすすめてきた結果、多くの製品において、以前の品質と
遜色なく、
トランス脂肪酸量の低減を実現しています。
市場買い付け製品の細菌検査
(本社検査室)
ガスクロマトグラフによる分析
15
食と環境への取り組み 2015
お客様とのコミュニケーション
ヤマザキでは、お客様と会社を結ぶ架け橋として、
「お客様相談室」
を設置しています。
お客様からのお問い合わせやご要望など、お聞きした
“お客様の声”
を製品やサービスに反映できるよう、
お客様とのコミュニケーションの充実に努めています。
お客様の声を活かすコミュニケーション
お客様情報管理システムの概要
ヤマザキでは2008年4月に、全国の工場と本社をネット
お客様相談室では、
「 迅速」
・
「的確」
・
「丁寧」
に、お客様
のご質問・ご相談・ご指摘にお応えすべく、お客様の目線
ワークでつなぐ、
お客様情報管理システムを導入しました。
に立ち、安全・安心はもとより、
お客様にご満足いただける
このシステムにより、お客様の声を工場と本社で情報共有
よう製品・サービスに関する情報を提供しています。お客
できるようになり、お客様のご要望・ご質問に対する回答
様から当社に寄せられたご意見・ご要望は真摯に受け止
や食品事故の未然防止策の水平展開がより迅速となりま
め、工場や本社の関連部署にフィードバックし、製品の開
した。なお、お客様からお預かりした個人情報は、セキュリ
発、改良・改善やサービスの向上に役立てさせていただい
ティーを施したデータシステムに保管し、厳重に管理してい
ています。
ます。
■
お客様情報管理システム
お客様の声を製品やサービスに反映しています。
■
お客様の声
報告
枠内は、厳重なセキュリティーが施されています。
製品の改善・サービスの提供
関連部署(生産・営業・購買など)
お 客 様
お客様相談室
情報管理システム
データベース
(電話・手紙)
(情報の蓄積・共有・一元化)
ご返答
連絡
工場
ご意見・ご要望
お問い合わせ
お客様からのお問い合わせ内容内訳
(2014年度)
その他
10,018件
期限に関する
質問
3,764件
製品に対する要望
2,146件
カロリーについて
7,119件
お問い合わせ
合計
33,594件
製品の特徴について
5,991件
製品の品質に
関する質問 4,556件
お客様の声を活かした改善事例
ホームページでの情報発信
ホームページでの情報発信
ヤマザキでは、多くのお客様が製品に関する情報を手軽
に入手できるように、ホームページを通じた情報発信を
行っています。そのひとつとして、
お客様の日々の食生活で
栄養成分を計算されるときの目安となるように、ホーム
ページの
「商品情報」
サイトの
「栄養成分表示」
に、主要製品
の
「カロリー、
たんぱく質、脂質、炭水化物、
ナトリウム、飽和
脂肪酸、
トランス脂肪酸、
コレステロール」
の数値を記載し
ています。
■中華まんの温め方についての記載を追記
電子レンジのオート機能を使ったり、温め過ぎたりするこ
とにより、中華まんの生地や具材が固くなってしまうことが
あるとのお申し出をいただいておりました。そのため電子レ
ンジの温め個数と時間を見やすくし
「オート
(自動)
設定不
可」
の説明文を追記
することでお客様に
注意していただくよ
うに改善いたしまし
た。
ホームページ掲載例
(食パンの栄養成分表示)
食と環境への取り組み 2015
16
社会・地域とともに
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団を通じた
食生活の向上のための食品科学振興助成 米麦等主要食糧に関する食品科学分野の学術研究助成事業を行っています。
食品科学分野の学術研究助成支援
ヤマザキは、わが国の食品産業の発展と食生活・食文
化の向上への寄与を目的に、公益財団法人飯島藤十郎記
管の財団法人として設立したのち、
2013年4月1日に公益
財団法人へ移行しました。
念食品科学振興財団を通じて、米麦等主要食糧に関する
当財団は、
2014年7月に設立30周年を迎え、2014年
食品科学、食品と健康、食品の加工技術、安全性等の分野
度までに実施してきた助成事業の総件数は、
2,
000件を
を中心に研究者への助成活動を支援しています。
超え、助成金等の総額は36億3千万円に達しています。
当財団は、当社創業者の故飯島藤十郎社主が主たる基
なお、
2015年の助成事業の件数は86件でした。
本財産を出捐し、当社と共同で1984年に、農林水産省所
学術研究助成
全国の国公私立大学、公
的試験研究機関の、食品化
学、栄養学、食品機能学、食
品工学、食品衛生学、調理科
学等の研究を行う研究者お
よび研究グループから公募
ならびに推薦のあった研究
の中から、選考された個人研
究と共同研究に研究助成金
を交付しています。
平成26年度学術助成金贈呈式、
飯島藤十郎賞授与式、特定課題
研究等助成金贈呈式
設 立 当 初は、食 品の加 工
に関する研究助成が約50%
を占めておりましたが、食品
の加工や製造に関する助成
は徐々に減少する一方、衛生
や保存性および機能性等の
栄養に関する研究助成が増
加しており、特にここ10年
は、栄養に関する研究助成が
約半数を占めています。
17
食と環境への取り組み 2015
■
学術研究助成の研究分野別助成件数構成比の推移
(件)
500
400
300
200
100
0
■:その他
■:開発
■:品質
(官能評価を含む)
■:流通・需給・その他
■:調理
■:衛生・貯蔵・保存性
■:加工・製造
■:成分分析・物性・成分間反応
(機能性を含む)
1984~1993 1994~2003 2004~2013(年度) ■:栄養
飯島藤十郎食品科学賞・技術賞
当財団では、食品科学分野の研究で、学術上特に優れた
業績をあげた研究者に飯島藤十郎食品科学賞を、
また食品
され、
これまでに食品科学賞は16件、食品技術賞は15件、
合わせて31件の研究者・研究グループを表彰しました。
加工等の食品の技術開発に優れた業績をあげた研究者ま
飯島藤十郎賞の受賞者は、食品科学関連学会等からの
たは研究グループに飯島藤十郎食品技術賞を授与し表彰
推薦を受け、飯島藤十郎賞選考委員会の審議を経て、理事
しています。それぞれ賞状・賞牌のほか、研究奨励金が贈呈
会で決定します。
◆2
014年度
飯島藤十郎食品科学賞
受賞者氏名
京都大学大学院農学研究科教授 河田照雄 氏
研究業績
肥満とエネルギー代謝に関する食品健康機能学研究
◆2
014年度
飯島藤十郎食品技術賞
受賞者氏名
大塚製薬株式会社佐賀栄養製品研究所主任研究員 内山成人 氏
研究業績
食品として利用可能なエクオール産生乳酸菌の発見と
それを利用したエクオール含有食品の開発
飯島藤十郎食品科学賞
学術講演会の開催
当財団の事業活動の一環として、学術研究助成の対象
者となった研究者から、その研究成果を発表していただく
学術講演会を毎年開催し、毎回400名を超える方々が出
席されています。
また、研究成果の概要をとりまとめた財団
年報と記念誌を発行し、学術研究成果の紹介と食品科学
の知識の啓蒙に努めています。
2014年は設立30周年記念講演会として開催されまし
た。
2013年度飯島藤十郎食品科学賞を受賞された門脇基二教授
(新潟大学)
が
「栄養によるタンパク質代謝調節と米の新規機能性に関する研究」
とい
う演題で講演されました。
飯島藤十郎記念食品科学振興財団設立30周年記念式典
設立30周年記念特別講演として、当財団評議員の畑江敬子昭和学院短期
大学学長が
「和食と小麦粉」
という演題で講演されました。
(公財)
飯島藤十郎記念食品科学振興財団 WEB http://www.iijima-kinenzaidan.or.jp/
食と環境への取り組み 2015
18
フ ァ イ ダ ー
(公財)
国際開発救援財団
(F
IDR)
を通じた国内外への支援
開発途上国の自立的発展のために援助活動を行うとともに、
自然災害による被災者に対して国内外で緊急援助や復興支援を行っています。
開発途上国の自立的発展支援
ヤマザキは、開発途上国の人々のよりよい生活の実現を
を数え、現在は、
カンボジア、ベトナム、
ネパールに事務所を
願い、公益財団法人国際開発救援財団
(F
IDR)
への支援を
置き、保健衛生、農業、収入向上などの分野において、地域
通じて国際協力活動を推進しています。
F
IDRは、
1990年
に根ざしたきめ細かい活動を展開しています。そのひとつ
に当社創業者の故飯島藤十郎社主が主たる基本財産を出
のカンボジアでは、国立小児病院を拠点として、小児外科
捐し、設立されました。子どもの未来を育む
「チャイルド・ケ
や病院給食という同国ではそれまでなかった専門領域を扱
ア」
と
「日本企業と日本人による国際協力の推進」
をミッシ
う人材を育成するとともに、施設の改善支援等の活動を行
ョンに掲げ、開発途上国の人々の自立と発展を目的とした
っています。
国際協力および海外や日本国内での自然災害における緊
急援助を実施しております。
F
IDRの設立より今日までの事業実施地域は世界29ヶ国
1998年にカンボジアの国立小児病院に外科病棟を建設し、2006年に
は給食棟を建設しました。病院食という概念がなかったことから、栄養バ
ランスのよい給食を提供できる施設と運営体制を確立しました。
ヤマザキ
「ラブ・ローフ」
募金
ヤマザキは、
特定非営利活動
法人ワールド・ビジョン・ジャパ
※
IDRが飢えと貧困
ン
(WVJ)とF
に苦しむ世界の人々を支援する
ために共催・実施しているヤマ
ザキ
「ラブ・ローフ」
募金に協賛 募金箱設置風景
し、
デイリーヤマザキやヤマザキ (デイリーヤマザキ)
ショップなど約4,
500店に募金箱を設置し、
お客様よ
りご協力をいただいております。これまでの募金額
は、
累計で約10億460万円にのぼり、
WVJとF
IDRを
通じてカンボジア、ベトナムやタンザニアなどでの国
際協力活動に役立てられています。
また、新潟県中越沖地震、
ミャンマーサイクロン、
中国四川大地震、
スマトラ島沖地震、ハイチ大地震、
東日本大震災、
フィリピン台風、
ネパール大地震の際
も緊急募金を行い、緊急援助に役立てられました。
※特定非営利活動法人 ワールド・ビジョン・ジャパンとは
世界のワールド・ビジョンと同一の理念並びに精神に立って、飢
饉、疫病、災害などに苦しむ人々に対して総合的、継続的、全人的
援助事業を行う援助団体
19
食と環境への取り組み 2015
2015年度の事業規模は約3億5千万円、
これらの活動
は約300の法人賛助会員と約2,400の個人賛助会員をは
じめとする多くの支援者により支えられております。
カンボジアでは、小児外科医療の
分野で適切な診療が行われるよ
う、国立小児病院を拠点に地方に
も広がるよう支援しています。
ベトナムでは、米の収量増加を目的
とする農法の普及で、
米の生産性が
低いという課題の解消に向けて顕
著な成果をあげることができました。
■
「愛の泉」
チャリティーコンサート
ヤマザキは、
「 国際開発救援財団
(F
IDR)並びにワール
ド・ビジョン・ジャパン
(WVJ)
を支援する会」
が主催する
「愛の泉」
チャリティーコンサートの開催に協力しています。
2015年8月に開催された
「第15回『愛の泉』
チャリティー
コンサート」
で集められた善意の募金は、
F
IDR、WVJや燈
台※を通じてネパールの大地震緊急・復興支援事業、
コン
ゴ民主共和国の小学校建設支援事業・アフガニスタンの
学校施設整備事業の支援活動に使われました。
サントリーホールで開催された第15回
「愛の泉」
チャリティーコンサート
※特定非営利活動法人 燈台とは
アフガニスタン難民およびアフガニスタン・イスラム共和国国民のため
に、同国内とその周辺地域において、医療および教育等の活動を通して、
同国難民等の福祉と健康の向上に、寄与することを目的とする団体
東日本大震災の被災地復興支援
おおつちちょう
■岩手県大槌町、山田町を中心に復興支援活動を継続
F
IDRは、東日本大震災の発生から4年が経った現在も
被災地での活動を継続しております。震災発生からの2年
間は避難所への食糧支援、仮設住宅入居者への家電製品
配布、仮設保育所の建設、自治会再構築支援など、早期に
日常生活を回復できるよう努めました。現在は、大槌町、山
大槌町と山田町に町民バスを支援しました。
2014年、仮設園舎に替
わる待望の新園舎が 完
成した大 槌 町の吉 里 吉
里保育園とみどり幼稚園
に、遊具などの支援を行
いました。
田町を中心に産業の立て直しや地域の活性化を後押しす
る活動をすすめています。大槌町においては、水産業の早
期回復や新しい町づくりの支援に取り組んでおり、2013
年には新しい漁船の建造や定置網の支援を、2014年には
町と仮設住宅を結ぶ町民バスの支援を行いました。
製品を通じた復興支援
2011年10月に発売した食
パン
「モーニングスター」
の売上
から1斤につき1円がF
IDRを通
じて被災地復興支援金として
役 立てられています。累 計 額
は、1億2,815万円
(2015年8
支援により新造した定置網漁船第一久美愛丸による定置網漁の様子
月まで)
に上っています。
ネパール大地震の被災地復興支援
F
IDRは、2015年4月25日に発生したネパール大地震へ
ムーズに地域や関係先と連携し、地震発生後迅速に援助
の援 助 活 動を実 施しています。この地 震による死 者は
活動を開始し、米や生活用品など、当座の生活に必要な物
9,000名に上り、多くの家屋が倒壊するなど甚大な被害が
資の配布を行いました。
6月以降は、教育環境の早期復旧
出ています。
F
IDRは、2012年よりネパール中部の山間部
のため、
まず仮設教室の設置支援を行い、その後は、校舎
において、地域の生活向上の支援を行っていたため、ス
再建の支援に取り組んでいます。
大地震により倒壊した校舎
緊急食糧としての米の配布
校舎再建後のイメージ
(公財)国際開発救援財団(FIDR) WEB http://www.fidr.or.jp/
早期の学校再開のための仮設教
室の支援
(特非)ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ) WEB https://www.worldvision.jp/
食と環境への取り組み 2015
20
スポーツ振興支援
ヤマザキは、国内最高峰の駅伝大会
「全日本実業団対抗駅伝競走大会」
への協賛をはじめ、
「東京マラソン」
などへの協賛を通し、国際的なスポーツ選手の育成や地域の振興にも寄与しています。
○全日本実業団対抗駅伝競走大会
毎年元日に駅伝日本一の座をかけて行われる全日本実業団対抗駅伝競走大会に協賛しています。当社が協賛を始めて22回目となりました。
○東京マラソン
○日本陸上競技選手権大会
国内外のトップランナー
に混じり多くの市民ラン
ナーも参加する東京マ
ラソンに公式スポンサー
として協賛しています。
給食ポイントでは給食用
のパンも配 布していま
す。
○神戸マラソン
2015年11月に開催された第5回神戸マラソンにボランティアスポン
サーとして協賛するとともに、参加ランナーの給食ポイントで給食用のパ
ンを配布しました。
21
食と環境への取り組み 2015
第15回世界陸上選手権大会の代表選考会をかねた第99回日本陸上選
手権大会に特別協賛しました。
地域に愛される工場を目指して
ヤマザキは地域のくらしを守るために、工場周辺地域の防災・防犯・交通安全活動に積極的に参加して
います。その一部をご紹介します。
防 災
平常時より地域と連携を取り、いざという時に備えています。
○伊勢崎工場
○千葉工場
首都圏の都県と政
利根川水系連合・総合水防
令指定都市の九都
演習(国土交通省、関東1都
県市が合同で行った
6県等主催)の会場に出展
「九都県市合同防
し、
災害時に役立つ
「長期保
災訓練」に参加し、
存羊羹」
と伊勢崎市とのコ
救援物資緊急輸送
ラボ製品
「やまざきようかん
訓練を行いました。
べぇ~」
を紹介しました。
災 害
災害発生時には、地域と連携を取り、救援活動を行っております。
○古河工場
○広島工場
2015年9月9日~11日に関東・東北地方で発生した豪雨で、
2014年8月20日発生の土砂災害に伴い、
現地対策本部への救
河川の決壊・越水が相次ぎました。古河工場では豪雨当日から
援物資を届けたことに対する感謝状贈呈式が行われ、
広島市長
古河市や近隣市町村への緊急食糧の配送を行い、
9月19日に
より感謝状をいただきました。
は被害の大きかった茨城県常総市への災害ボランティアに参加
させていただきました。
防 犯
地域の防犯活動に積極的に参加しています。
○大阪第一工場
○阪南工場
吹田駅前にて街頭
羽曳野警察署の防
犯罪への防犯意識
犯 キャンペ ーンに
の 向 上を目 的とし
参加しました。
たキャンペーンに参
加しました。
交 通
春と秋の全国交通安全運動で、地域とともに活動に取り組んでいます。
○古河工場
○安城工場
古河市交通安全街
安城市が 主催する
頭 キャンペ ーンに
イベントに合わせ、
参加し、
「安心パン」
交通事故ゼロドーナ
と称したあんぱんを
ツを配布しました。
配布しました。
食と環境への取り組み 2015
22
地域 に
愛される工場
を目指して
街
地域美化ボランティア
川
河川清掃ボランティア
山
森林保全・自然保護ボランティア
工場近隣の地域の清掃活動に
地域の皆様と一緒に参加しています。
工場近隣の河川の清掃・整備活動に
地域の皆様と一緒に参加しています。
ヤマザキは、企業経営を通じて社会の進展と文化の向上に
寄与することを使命とし、地域社会の一員として地域貢献活動や
環境保全活動を推進しています。
本社
千葉県山武市に当社が所有している竹林では、
創業の地市川市の市民ボランティア団体
「いちかわ里山倶楽部」
の皆様と一緒に
なって整備をすすめています。
熊本工場
金峰山県立自然公園一帯の植林と
下草刈りに参加しています。
京都工場
京都市まちの美化
推進事業団の主催する清掃
活動に参加しています。
名古屋工場
「全市一斉クリーンキャンペーンなごや」
に
参加しています。
大阪第二工場
泉佐野事業所
泉佐野市食品コンビナート協会加盟の
「松原市きれいなまちづくり
美化キャンペーン」
各社による清掃に参加しています。
に参加しています。
23
食と環境への取り組み 2015
本社
一般財団法人消費科学センター様の
主催する森林ボランティアへ
参加しています。
大阪第一工場
「LOVE遊淀川上流クリーン作戦」
に
参加しています。
松戸工場・
デイリーヤマザキ事業統括本部
「江戸川クリーン作戦」
に
参加しています。
松戸工場
「松戸駅周辺ポイ捨てウォッチング」
に
参加しています。
千葉工場
地域環境展に出展
「千葉市ごみゼロクリーンデー」
に
参加しています。
地域で行われる環境展にも積極的に参加し、工場が開
発する地産地消製品や省エネルギー活動、リサイクル
活動などを紹介しています。
武蔵野工場
「東久留米市環境フェスティバル」
に
出展しました。
安城工場
新潟工場
「東海エコフェスタ」
にて出展しました。 「新潟市環境フェア」
に出展しました。
松戸工場・千葉工場・本社・
デイリーヤマザキ事業統括本部
「いちかわ環境フェア」
に出展しました。
十和田工場
十和田市青年会議所の小学生の職
場体験学習の催しのなかでサンドイ
ッチ教室を行いました。
食と環境への取り組み 2015
24
食を大切に
ヤマザキの
「食」
への考え方 ヤマザキでは、
「食育基本法」
の基本理念に基づき、
“『食』
を大切にする”
をテーマに取り組んでいます。
食事
食べものを大切にする心
食事を大切にする心
食料資源の有効利用と国産食材の利用拡大
ヤマザキでは、貴重な食料資源をムダなく利用するた
めに、食品ロスを発生させないことを第一に取り組んで
います。やむを得ず発生してしまう食品副産物は食品原
料への利用をすすめ、そのう
えで、食品リサイクル法に基
づき飼料化を最優先に再生
利用を行っています。
また、地
産地消製品の開発による国
産食材の利用拡大や未利用
国産小麦も積極的に利用
農産物の有効活用にも力を
しています。
入れています。
食 を大 切にする 心
食料資源
朝食の欠食率改善と食事バランス改善の提案
1日3回きちんとバランスよく食べることを提案するた
めに、
ヤマザキでは、
「朝食をちゃんと食べよう!!」
ロゴを
製品に表示し、朝食の欠食率改善に取り組むとともに、
「食事バランスガイド」
を活用
した栄養バランスの取れたメ
ニュー提案を行っています。
ま
た、食育活動の専門スタッフ
であるマーケットクルーによる
メニュー提案活動を通じ、
つく
親子サンドイッチ教室を通
ること・食べることの楽しさや
じて食事の大切さを伝えて
大切さを伝えています。
います。
食品ロスの発生量を減らすために
ヤマザキの各工場では、
「5S活動」
や
「なぜなぜ改善」
な
どにより、製品の品質向上をはじめとする現場改善活動を
推進しています。その結果として、不良製品や原料使用の
ムダが減少し、食品ロスの発生量の削減につながっていま
す。また、新製品発売前にはラインテストを実施し、作業の
ポイントを確認するなど、食品ロスの発生抑制対策を絶え
ず実施しています。
食品ロスの発生抑制策を話し合い、
日々改善に努めています。
「5S活動」
の一例
未利用食料の有効活用
●「ふんわり食パン」
の品質向上による不良削減
「ふんわり食パン」
は大変柔らかい製品のため、製造ラインを
流れる際に、
コンベア上の溝で両サイドに負荷がかかり折れ
「まるごとバナナ」
を生産する際に、切り取ったバナナの両
端やケーキスポンジのカット部分を原料の一部として有効
に利用しています。
たり潰れるなどして不良が発生することがありました。改善
策として、
ステンレスの台を取り付け溝をなくすことで製品の
品質を向上させ、不良の削減にもつながりました。
改善前
改善後
「切れてるバナナパウンドケーキ」
大阪第一工場食パン課の事例
25
食と環境への取り組み 2015
「りんごのパイケーキ」
食パンの耳もムダなく有効利用
ヤマザキでは、
パンづくりの過程で発生する副産物である食パンの耳を従来からムダなく利用しています。食料資源として
の価値を最大限に利用するために、
グループ企業において食品原料として使用することを第一に取り組んでいます。さらに、
豚や鶏などの飼料原料としても再生利用され、
その全量が有効に利用されています。
食パンの生産工程
生産された
製品の一例
食パンと
「ランチパック」
シリーズ
製品の生産工程でカットされた食パン
の耳は、専用ラインで自動搬送され、
衛生的に管理されています。
まずは…
食パンの耳を食品原料として有効利用した製品の開発
菓子部門
グループ企業である㈱末広製菓では
「ちょいパクラスク」
をは
じめ、食パンの耳を製菓原料として活用し、製品化しています。
次に…
業務用パン粉に加工
委託先のパン粉メーカーで業
務用パン粉として加工されて
います。
TOPIC
●エコプロダクツ大賞を受賞
「ちょいパクラスク」
は、食品ロス
の発 生 抑 制などが 評 価され、
2012年に
「第9回エコプロダク
ツ大 賞 エコプ ロダクツ部 門
環境大臣賞」
を受賞しました。
最後に…
飼料に加工
さらに、食パンの耳は、飼料化
を推奨する食品リサイクル法
に基づき、飼料原料としても
再生利用され、その全量が有
効に利用されています。
「ちょいパクラスク」
フレンチトースト味
食と環境への取り組み 2015
26
国産食材の利用拡大を目指して ヤマザキでは、地元の生産者の皆様と協力して、地産地消製品の開発を積極的に行っています。
これにより、地域特産物の利用拡大や規格外農産物の有効利用につながっています。
北海道
北の大地が生んだ食パン
新潟県
(北海道産小麦春よ恋の小麦粉
100%使用)
うずまきさつまいも
デニッシュ
愛媛県
北海道産小麦
「春
よ恋」
などの道産
素材を使った贅
沢なこだわり食パ
ンです。
(新潟県産いもジェンヌのあん使用)
ちぎれるデニッシュサンド
愛媛県産伊予柑のゼリー&ホイップ
(愛媛県産伊予柑のゼリー使用)
新潟県産
「いもジェ
ンヌ」
を使用したい
もあんをうずまき
デニッシュの上に絞
り、砂糖とゴマをト
ッピングしました。
軽い食感のデニッシュ生地に愛
媛県産伊予柑ゼリーとホイップ
クリームをサンドしました。
札幌工場
広島県
ランチパック
レモンマーマレード&ホイップ
PICK UP!
千葉県
(広島県産レモンのマーマレード使用)
たかみ
広島県産レモンの
マーマレードとホイ
ップクリームをサン
ドしました。
貴味メロン
山形県
仙台工場
新潟工場
岡山工場
★福岡工場
広島工場
名古屋工場
安城工場
★千葉工場
ランチパック
ずんだあん&
ホイップクリーム
(山形県産だだ茶豆のあん使用)
山 形 県 産 のだ
だ茶豆を使用し
たあんとホイッ
プクリームをサ
ンドしました。
石川県
愛知県
PICK UP!
佐賀県
うれしの茶
27
食と環境への取り組み 2015
生どらやき
小倉&抹茶ホイップ
(西尾の抹茶使用)
ふんわりとしたどら
やき生地に小倉と
西尾の抹茶を使用
したホイップクリー
ムをサンドしました。
もち食感オムレット
いちごソース&フロマージュクリーム
(石川県能登町産赤崎いちごのピューレ使用)
もちもちとしたマーブル模様の生地に石川
県能登町産の赤崎いちごのピューレとフロ
マージュクリームをサンドしました。
※掲載したご当地製品は一例です。
また、一部地域のみでの販売製品や、
販売季節が限定されているものも含まれています。
た か み
千葉県 貴味メロン
規格外メロンの有効活用が
生産者の励みに
JAちばみどり様では、規格外メロンの
有効活用として、2012年から地元の加工
業者と共同でメロンピューレの製造をされ
ています。一方、千葉工場はこれまでにも
JA全農ちば様と連携し
「長生トマト」
など
県内の農産物を使った
「千産千消」
製品を
開発した実績もあり、JAちばみどり様の
温暖な気候が育む、
風味豊かな
「貴味メロン」
「貴味メロン」
ピューレを使った製品の開発
に至りました。
「ヤマザキさんの販売網と
ネームバリューにより、知名度向上にもつ
「貴味メロン」
の主産地である千葉県旭
ながっています。また、規格外品が有効に
市は、温暖な気候と水はけのよい砂地に
使われることは生産者にとって励みになり
恵まれ、
メロン栽培に適した地域です。
「貴
ます。」
と当社の取り組みを評価いただい
味メロン」
は糖度が高いだけでなく、香り・
自負しています。」
と胸を張ります。
これからも
「千産千消」
に
取り組みます
発した、
「四角いメロンパン」
を発売しました。
は全く変わらないのに見た目がよくない、
「生産者の方々が我が子のように一生懸命
いわゆる規格外品が出てしまいます。規
高品質なお茶の産地、嬉野
メロン』
を感じていただける商品になったと
学、県立銚子商業高等学校と産学連携で開
をつくろうとしても自然が相手なので、味
佐賀県 うれしの茶
ある香りを活かし、封を開けた瞬間に
『貴味
を使った製品の第二弾として、千葉商科大
どり常務理事 石神嘉明様は
「よいメロン
業の難しさを教えてくださいました。
ンロ~ル』は
『貴味メロン』の最大の特長で
荷するほど好評で、11月には
「貴味メロン」
方の市場に出荷されています。JAちばみ
近隣に配布することなどもあります。」
と農
業課大山は、
「2015年7月に発売した
『メロ
「メロンロ~ル」
は計画数量の1.4倍を出
食感のよさも特長で、主に関東・東北地
格外品は市場に出せないため、生産者が
ています。製品開発を担当した千葉工場営
育てられたメロンですので、少しでもお手伝
(左から)
当社千葉工場 営業課長 森能 達也
ちばみどり農業協同組合 常務理事 石神 嘉明 様
当社千葉工場 営業課 大山 智史
いできればと思っています。引き続きJA様と
協力し、
『 千産千消』製品の開発に取り組ん
でいきます。」
と抱負を語りました。
お茶の産地のひとつとなっています。佐賀
に
『うれしの茶』を使っていただいたこと
県農業協同組合みどり地区茶業部会部
で、生産者はもちろん地元の方々も地域
会長の池田様は、
「毎年実施される全国茶
の活性化につながると喜んでいます。これ
品評会
(主催:全国茶生産団体連合会)
に
からも
『うれしの茶』
をたくさん使っていた
おいて、
『うれしの茶』は
『蒸し製玉緑茶の
だいて、嬉野の更なる発展にご協力いた
部』で5年連続、
『 釜炒り茶の部』で3年連
だきたい。」
と池田様からご期待の言葉を
続の産地賞
(高品質な茶の生産地に贈ら
いただきました。山岡は
「『うれしの茶』は
れる賞)
を受賞しており、全国的にも高く
当社にとっても非常に大切な農産物であ
評価されています。」
と
「うれしの茶」
の優
り、引き続き製品を通して
『うれしの茶』の
位性をお話ししてくださいました。
消費量拡大とブランド価値向上に貢献し
パンとの相性も良好です
「うれしの茶」
の歴史は室町時代にまで
ヤマザキでは、2012年3月に発売した
さかのぼり、渡来した唐人が自家用に栽培
九州各県のご当地ランチパック
「九州味め
したのがはじまりといわれ、歴史の深いお
ぐり」
において、佐賀県代表として
「うれし
茶です。嬉野市は、昼夜の寒暖差が大き
の茶」
を使った製品を開発してからは、毎
く、肥沃な土地に恵まれ、九州を代表する
年新茶の収穫期に合わせて製品を発売し
ていきたいと考えています。」
と応えまし
た。
ています。
「香り高く、渋みが少ないのにコ
クがあり、味がしっかりしている
『うれしの
茶』は、パンにもよく合う食材です。」
とは
福岡工場の製品開発担当の山岡です。
「うれしの茶」
の消費量拡大と
ブランド価値向上に向けて
「全国展開しているヤマザキさんの製品
(前列左から)
嬉野市産業建設部うれしの茶振興課長 宮田 誠吾 様
佐賀県農業協同組合みどり地区茶業部会長 池田 正吾 様
嬉野市産業建設部うれしの茶振興課副課長 井上 章 様
(後列左から)
当社福岡工場 営業課 山岡 和憲
当社福岡工場 営業統轄次長 桑田 泰行
食と環境への取り組み 2015
28
「朝食の大切さ」
と
「栄養バランスの大切さ」
を発信 専門スタッフ
(マーケットクルー)
が、
ミールソリューション活動やサンドイッチ教室を通して
食事の大切さを伝えるために
“朝食をちゃんと食べよう”
を合言葉に、
欠食の改善や栄養バランスの大切さを伝えるための取り組みを継続的に行っています。
エム
(Mクルー)
わたしたちがマーケットクルー
です!
「Mクルー」
とは全国の営業拠点のある20工場の営業課
に所属しており、現在約100名在籍しています。
食に関するさまざまな情報をお客様にお伝えするため
に、
スーパーマーケットの店頭や各地の食育イベント、学校
などで店頭プロモーションやサンドイッチ教室の開催を行っ
ています。お客様との直接的なコミュニケーションを大切に
し、
パンを通じて食に関する情報や知識を提供しています。
1993
1996
2000
米国 FIM が
提唱
米国スーパー
マーケット業界で展開
2002
日本での展開
スーパー等
2004
2005
2010
ヤマザキ
「食育基本法」
M クルー発足 制定
※米国F
IMとは…米国食品マーケティング協会
ミールソリューション活動
「ミールソリューション」
とは、直訳すると
「食事に関する
問題解決」
となり、製品を販売することに加えて、調理の方
るとよい食材を使い、簡単にでき、栄養価を考えたメニ
ュー提案を実施しています。
法やメニュー提案、栄養管理など食生活全般にかかわる
例えば、お子様のお弁当メニューでお悩みのお客様には
問題を解決するという、米国から始まった考え方といわれ
「彩りがよく、持ち運びに便利なロールサンド」
を、毎朝朝
食づくりに時間をかけられないお客様には
「毎日のトース
ています。
食品事情の変化が激しく、いろいろなお客様の食事へ
トがちょっとおいしくなるひと工夫」
など、お客様になるほ
対する要求があるなか、
ヤマザキはお客様のニーズに合わ
どと思っていただけるような提案を行い、
「 安い」
から買う
せた
「パンを使った食の提案」
に着手しました。
マーケットクルー発足の2004年より、パンと組み合わせ
お客様への提案
のではなく
「つくってみたい」
から買うという購買動機付け
をねらい、販売店様の店頭を中心に活動しています。
販売店様への提案
キャベツたっぷりサンド
季節ごとの素材と相性のよい、当社のいろいろな食
パンを使ったメニューを提案
子どもが食パンの耳を食べなくて困っている
食パンの耳を具材に使ったメニューを提案
食と環境への取り組み 2015
お悩み 解決! お悩み 解決!
お悩み 解決! お悩み 解決!
29
トースト、サンドイッチ以外の食パンのおいしい食べ
方ないかしら?
春キャベツのマヨトースト
パンの売上だけ上がってもなぁ…
その日のお店のオススメ品を使ったメニューを考え、
お客様にPRします
お客様はうちのお店をどう思っているのかなぁ…
お客様と直接お話したなかでの情報をお店にフィー
ドバックします
親子でつくるサンドイッチ教室
2007年夏より、
「食の大切さ」
について広く伝える体験
型のイベントとして、保護者の方とお子様が一緒に参加し
組み込み、
「つくる楽しさ」
「 朝食の大切さ」
「 栄養バランス
の大切さ」
を伝えています。
て楽しめるサンドイッチ教室を実施しています。ただ手順
食事で
「心と体の健康問題を解決」
していくヤマザキの
通りにサンドイッチをつくるだけではなく、
「 食事バランス
ミールソリューションの考えをもとに、
お子様の将来を考え
ガイド」
を使用しながら食に関するマナーや知識を内容に
た活動を展開しています。
❶衛生指導
(手洗いの大切さ、
エプロン・帽子の着用)
❷マナー指導
(あいさつ
「いただきます」
「ごちそうさま」
の大切さ、箸の持ち方等)
❸
「食事バランスガイド」
を活用し、食事の栄養バランスの大切さを説明
「朝食をちゃんと食べよう!!」
をキャッチコピーに、
“1日の始まりに朝食は大切”
“
、忙しい朝には
パンが便利”
という気持ちを込め、依然高い朝食の欠食率の改善に向け取り組んでいます。
海外での活動
(台湾ヤマザキ)
台湾ヤマザキでもサンドイッチ教室に取り組んでおり、
お子様のみならず、保護者の方々にも大変ご好評いただ
いています。今後も引き続き、積極的に活動を行い、台湾
の食文化の向上につなげていきます。
子どもたちの楽しい声が
広がったサンドイッチ教室
パンをおいしく楽しむレシピサイト
「ヤマザキッチン」
ヤマザキでは、自社ホームページのレシピサイト
「ヤマザキッチン」
で、目的別や食シーン
にあわせたレシピを掲載しています。なかでもパンを最も食べる
「朝食」
に活用できるレシピ
(お手軽レシピ)
が人気です。
また、人気レシピをMクルーがスーパーの店頭で実演するなど、お客様とのダイレクトな
コミュニケーション活動にも活用し、パン食需要の更なる拡大に役立てています。
ホームページで食育の情報を発信
ヤマザキでは、自社ホームページにおいて、
「YAMAZA
K
Iと食育」
というテーマで、バランスよく食べること、
きちん
と食べることを中心としたヤマザキの
「食」
を大切にする取
り組みを発信しています。
バランス弁当シリーズを通じて「栄養バランスの大切さ」を発信
「食事バランスガイド」
を基準に、管理栄養士の監修のもと、一食
あたりの主食・副菜・主菜のバランスを整えた日替わりの
「バランス
弁当」
シリーズをヤマザキショップ中心に販売しています。
食と環境への取り組み 2015
30
従業員とともに
「新しいヤマザキ」
を牽引する人材の育成
ヤマザキでは、世の中の変化を先取りして、革新的にチャレンジする人材を育成しています。
人材育成の考え方
ヤマザキでは、早くから企業成長の原動力は人材であることを認識し、
「人材の育成」
「
、社員の能力開発」
に取り組んでき
ました。このことが今後の事業展開にも、最も重要なキーになるものと確信しています。
基幹職研修
(箱根研修センター)
米国での製パン技術研修
(AI
B:米国製パン研究所)
留学授業
女性リーダー研修
(本社)
各種研修によるキャリアアップ支援
ヤマザキでは、入社時研修をはじめ、階層別研修や、部門ごとの専門性を高める部門別研修、
さらには個々人が独力でスキルアップを図る通信教育など、多角的な研修プログラムを体系化し
ています。生産部門では、毎年70名程度の従業員が日本パン技術研究所や当社の製パン技術
伝承の場であるVEM技術研修所での研修を通じて、製パンの理論やノウハウを習得しています。
また、製パンの知識や技術の習得に加え世界の食文化を体感し、国際感覚を養うことを目的とし
た数ヶ月にわたる海外研修
(米国AIB留学)
も実施しており、現在までに約200名の従業員を派遣
しています。また、女性社員の活躍に焦点を当てた取り組みとして、女性の基幹職対象の
「女性
リーダー研修」
を実施しています。
従業員向け通信教育の案内
■
キャリアアップ体系図
入社
階層別研修
新入社員研修・
フォロー研修
(半年・2年目・3年目)
個別育成
自己啓発
技術研修
事業所研修
31
異動・昇格・昇進
食と環境への取り組み 2015
基幹職研修
準管理職研修
自己申告制度・育成面談・通信教育
管理職昇進者研修
ライフプラン
セミナー
【国内】VEM技術研修・日本パン技術研究所研修
【海外】米国AIB留学・ヤマザキフランス留学
新入社員・中堅社員・基幹職・監督職研修およびテーマ別研修
(安全衛生・食品衛生等)
働きやすい職場づくりに向けて
ヤマザキでは、一人ひとりがお互いの個性を尊重し、安全で安心して働くことのできる
職場環境づくりに力を入れ、前向きで明るい毎日を応援しています。
人権の尊重
一人ひとりの人権を尊重することは、企業の社会的責任であるとともに、従業員
が安心して働くことのできる職場の実現につながると認識しています。ヤマザキで
は、具体的な取り組みとして、①階層別の人権啓発研修の実施 ②採用担当者全員
に対し、公正選考教育を実施したうえで、選考活動を実施 ③
「東京人権啓発企業
連絡会」
に加入し、人権啓発活動の実施・外部講習会へ参加しています。2009年
度は、同連絡会加盟121社を代表して会長会社を務めました。
(2015年8月現在、
125社が加盟)
社員制作の社内用ハラスメント防止ポスター
人権・セクハラ防止委員会
(本社)
点字ブロック歩行体験による啓発
(本社)
障がい者雇用
障がいのある従業員が能力を充分に発揮できる職場を
■
障がい者雇用状況
(2014年12月現在)
拡大する取り組みとして、事業所内での雇用に留まらず、
直営店舗での雇用をすすめています。それぞれの障がいに
応じた
「補助器具」
の導入により、
「お客様」
や
「店舗スタッ
フ」
とのコミュニケーションをサポートしています。
(単位:%)
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
当社雇用率
1.97
2.02
2.09
2.16
2.18
民間企業
全国平均
1.68
1.65
1.69
1.76
1.82
法定雇用率=2.0%
(2013年4月より、1.8%から引き上げ)
バッジ
フレッシュベーカリー聴覚障がい者就労の様子
(サンブレッタ八千代店)
筆談用器具
筆談用器具の使用事例
食と環境への取り組み 2015
32
労働安全衛生の徹底
安心して働ける職場環境づくりには、従業員の安全・健
一例として、安全パトロールによる不安全箇所・不安全
康への配慮が不可欠であり、
ヤマザキでは安全衛生管理
行動の撲滅、
危険模擬体験機による教育、
セルフチェックや
計画に基づいて、
日々安全衛生活動を行っています。
リスク
ストレッチ体操を取り入れた転倒災害防止研修や階層別の
アセスメント
(安全の先取り活動)
による設備改善を推進す
安全衛生教育などを実施し、
災害ゼロの職場づくりに努め
るとともに、
各種安全衛生教育活動に力を入れています。
ています。
危険模擬体験機による教育
(埼玉第二東村山工場) 転倒転落災害防止研修での体操
(武蔵野工場)
安全衛生研修
(岡山工場)
従業員の健康管理
全従業員が心身の健康を維持できるよう、法定健診後
■従業員食堂で健康づくりを応援
の確実なフォロー体制の構築、過重労働による健康障害
ヤマザキの従業員食堂では、健康を考慮し栄養バランス
防止を目的とした保健指導や助言指導、心の健康づくり
のとれた
「健康バランスメニュー」
や、低カロリーの
「ヘル
計画に基づいたメンタルヘルス対策の実施、
ウォーキング
シーメニュー」
を提供しています。
また、2015年より新たな
キャンペーンの開催等、健康づくりへの支援を行っていま
取り組みとして、和洋女子大学の学生と共同で考案した
す。さらに毎年、全国労働衛生週間に合わせて各事業所で
「健康メニュー」
の提供を開始しています。さらに、パン製造
さまざまな健康啓発イベントを実施し、従業員の健康意識
過程でやむを得ず発生する食パンの耳等を飼料にして育
の高揚を図っています。
った豚肉
「エコポーク」
も用い、健康・地産地消・エコを勘
案した食堂運営を行っています。
メンタルヘルス講習会
(本社)
地産地消メニュー
(京都工場)
「エコポーク」
使用のバランスメニュー
(安城工場)
従業員食堂地産地消メニュー喫食 和洋女子大学とのコラボメニュー
風景
(福岡工場)
(本社)
ウォーキング講習会
(本社)
33
食と環境への取り組み 2015
仕事と育児の両立を支援
定年退職後再雇用制度
ヤマザキでは、すべての社
当社では、定年退職後の生活基盤を確保し、いきいきと
員が 充 実した仕 事と豊かな
意欲を持って仕事をしていただくための定年退職後再雇
生活の調和を図れるよう、各
用制度として、2002年に
「スキルドパートナー制度」
を導入
種人事諸制度を導入してい
し、一定条件を満たすすべての希望者をスキルドパート
ます。育児短時間勤務につい
ナーとして再雇用しています。2013年4月には、スキルド
ては、1日8時 間 の 就 業 時 間
パートナー制度を一部改正し、改正高年齢者雇用安定法
を最 大2時 間 短 縮 する制 度
に対応するとともに、
スキルドパートナーの更なる職域拡大
で、多数の社員が利用してい
と定年退職後の生計費確保につながるよう制度を見直し
ます。
ています。
両立支援ガイドブック
育児休業、育児短時間勤務制度利用者数推移
■
(人) 育児休業 短時間勤務(人)
300
240
200
160
120
80
82
19
40
0
98
2008
2009
■
130
34
2010
148
70
2011
149
183
225
2012
900
750
200
600
150
122
(人)
250
100
119
132
2013
0
2014 (年度)
50
スキルドパートナー在籍者数推移
755
853
863
2010
2011
821
795
768
2012
2013
2014 (年度)
587
450
300
150
0
2008
2009
従業員同士の交流
働きやすい職場づくりのためには、従業員の連帯感とコ
諸行事を実施しています。さらに、従業員組合とタイアップ
ミュニケーションの充実が重要と考え、ヤマザキの各事業
してスポーツサークル・文化サークル活動の充実にも力を
所では、従業員旅行や成人式、
ファミリーバスハイク等の
入れており、事業所間での交流も盛んです。
従業員旅行
(埼玉第一工場)
ファミリーバスハイク
(福岡工場)
成人式
(京都工場)
全国事業所対抗駅伝大会
(万博記念公園)
全国事業所対抗バレーボール大会
(千葉ポートアリーナ)
第50回目となる日本製パン野球記念大会で、武
蔵野工場が優勝しました。
(ナゴヤドーム)
食と環境への取り組み 2015
34
環境活動報告
製品づくりにおける環境への影響
ヤマザキでは全国に27工場
(2冷生地事業所を含む)
を展開しています。
受注〜生産〜物流〜販売を一貫して効率よく行うことにより、
全国のお客様にフレッシュで高品質な製品をご提供できる体制を整えています。
製品づくりにおけるマテリアルフローと環境保全
ヤマザキの事業活動の各過程における環境への影響を
把握し、省エネルギー・省資源、副産物・排出物の発生抑
わかりやすく図に示しました。INPUTは資源・エネルギー
制と再資源化、容器包装の削減、物流の効率化などの環
の利用、OUTPUTは環境への負荷を表しています。ヤマ
境保全活動を推進しています。
ザキでは、
これら各事業活動に伴う環境への影響を正しく
■
2014年度ヤマザキのマテリアルフロー図
O U TP U T
I NPU T
副産物・排出物
原材料
● 原料
小麦粉
501千t
油脂類
81千t
糖類
57千t
クリーム・餡・ジャム
58千t
その他
344千t
● 容器包装材料
プラスチック
22千t
紙
2千t
その他
1千t
合計
1,066千t
工場での
生産活動
未利用食料
汚泥
紙類
プラスチック類
金属・ガラス類
その他
合計
CO(
2 生産部門)
合計
エネルギー
(生産部門)
ガス
電気
油
合計
111千kℓ
94千kℓ
8千kℓ
213千kℓ
5,275千m3
954千m3
761千m3
6,990千m3
物流
軽油
ガソリン
天然ガス
合計
食と環境への取り組み 2015
3,238 千m3
2,262 千m3
5,500千m3
合計
消費
製品販売数
約69億個
1.エネルギーについては、
「エネルギーの使用の合理化に関する法律」
に基
づく原油換算係数を使用して算出した値を掲載しています。
2.CO2については、
「地球温暖化対策の推進に関する法律」
に基づくCO2
排出係数を使用して算出した値を掲載しています。
3.お客様のご使用後の容器包装は、
販売実績から推定したものであり、
実
測値ではありません。
35
河川放流
公共下水放流
合計
CO(
2 物流・販売部門)
燃料
(物流・販売部門)
23千kℓ
3千kℓ
0.4千kℓ
27千kℓ
448千t
排水
用水
井水
水道
工業用水
合計
126千t
19千t
14千t
17千t
3千t
3千t
182千t
67千t
お客様のご使用後の容器包装
プラスチック製
容器包装
紙製容器包装
ペットボトル
ガラスびん(無色)
合計
20千t
1千t
0.8千t
0.3 t
22千t
4.排出物については、
事業場内で中間処理されるものも含んでいます。
5.当社では、
食パンの耳などの副産物、
生産工程から排出される生地・製
品ロス、
生産過剰などの製品として出荷できなかった食品を未利用食料
と呼んでいます。
6.当社では、
廃棄物の再資源化率が高く、
有効に資源化されているため、
廃棄物ではなく、
排出物と呼んでいます。
環境目標と実績
ヤマザキでは、一般社団法人 日本パン工業会の環境自主行動計画に基づき
環境管理項目ごとに改善目標を設定し、具体的な対策を講ずることにより、
継続的な環境負荷の低減に取り組んでいます。
2014年度の環境活動実績
2014年度は、生産部門では高効率機器への更新を中
た、副産物・排出物発生量は、前年度に対し2.0%の削減
心とした省エネ関連施設の整備などにより、生産高10億
となりました。分別の徹底と有効な再資源化をすすめたこ
円あたりのCO2排出量は、前年度に対して、2.6%の削減
とで食パンの耳・排出物の再資源化率は97.1%と1.3%
となり、2014年度目標を達成することができました。物流
向 上、食 パンの 耳などの 未 利 用 食 料 の 再 資 源 化 率は
部門では、引き続きハイブリッド車・CNG車 等の低燃
99.7%と高水準を維持し、いずれも2014年度目標を達
費・低公害車導入などの積極的な省エネ対策により、通
成することができました。
期のCO2排出量削減目標を達成することができました。
ま
※CNG車とは…圧縮天然ガス車
※
項目
地球温暖化防止対策の推進
1
中期目標
(2011〜2020年度)
(1)
生産部門のCO2排出量の削減
2020年度までに2009年度比42,000
トン削減
(10年間累計)
( 日本パン工業
会環境自主行動計画目標の毎年原単位
1%削減に相当する削減量)
【具体策】
①コージェネレーション設備導入
②高効率機器の導入
③燃料転換の実施
(2)
物流部門のCO2排出量の削減
2020年度までに2009年度比で8,000
トン削減
(10年間累計)
( 日本パン工業
会環境自主行動計画目標の毎年原単位
1%削減に相当する削減量)
【具体策】
①物 流 の 合 理 化 に よる 配 送 車 両 の
削減、延べ走行距離の短縮
②配送車両に低燃費・低公害車導入
副産物・排出物の発生抑制と再資源化の推進
2 (1)副産物・排出物の発生抑制
副産物・排出物発生量の継続的抑制
【具体策】
①生産ロスの削減
②正確な発生量の把握
③余剰汚泥の発生抑制
(2)
再資源化の推進
2020年度までに副産物・排出物の再
資源化率を80%以上に維持向上
■2020年度までに未利用食料の再資源
化率を90%以上に維持向上
■
2014年度目標
生産高10億円あたりのCO2 排
出量前年度比1%削減
■
2014年度実績
生産部門CO2 排出量448千トン
(前年度比
99.2%)
■生 産 高 1 0 億 円 あたりのCO 排 出 量 は 2
739t-CO2/10億円
(前年度比97.4%)
■2009年度比で51,488
トン増加
(13.0%増加)
■
生 産 高10 億円あたりのエネル ■生産高10億円あたりのエネルギー使用量は
ギー使用量
(エネルギー原単位) 351kℓ/10億円
(前年度比97.5%)
1%削減
(省エネ法で定める目標) ■ボイラー・コンプレッサーの更新
(17台)
■ヒートポンプ式空調設備・高効率ブロワー・
蒸気駆動コンプレッサーの導入
■
売上高10億円あたりのCO2 排
出量前年度比1%削減
■
低燃費・低公害車の導入推進
■
生産高10億円あたりの副産物・
排出物発生量の対前年量の削減
■
生産工程・原材料管理の強化
ト
ラックスケールの工場設置を推進
■汚泥削減対策
(廃水処理設備の
見直し、改修等)
物流部門CO2 排出量67千トン
(前年度比
99.8%)
■売 上 高 1 0 億 円 あたりのCO 排 出 量 は 2
107t-CO2/10億円
(前年度比99.0%)
■2009年度比で7,100トン削減
(9.5%削減)
■
ハイブリッドトラックの導入台数累計203台
(前年度比21台減)
■CNGトラックの導入台数累計46台
(前年度
比2台減)
■
副産物・排出物発生量182千トン
(前年度
比98.0%)
(前年度
{食パンの耳除く発生量111千トン
比98.2%)
}
■生産高10億円あたりの副産物・排出物発
生量は299t/10億円
(前年度比96.3%)
■
21工場が自社計量器による発生量実績管理
廃水処理システム改修
(2工場)
■
■
■
■
副産物・排出物の再資源化率を
80%以上に維持向上
■
未 利 用 食 料 の 再 資 源 化 率 を
90%以上に維持向上
■
副産物・排出物の再資源化率97.1%
(前年
度1.3%向上)
■
未利用食料の再資源化率99.7%
(前年度±
0%)
■
食と環境への取り組み 2015
36
環境マネジメント
ヤマザキでは、環境に配慮した事業活動を継続的に行うため、
各工場に
「工場環境推進会議」
を設置し、工場の実情に即した環境活動を展開するとともに、
研修の実施や社内報による広報を通じて、環境目標の達成に向けて活動しています。
環境マネジメント体制
環境パトロール
ヤマザキでは、環境管理活動を効果的に行うために、各
各工場では、
工場環境推進委員を中心とした環境パト
工場に工場環境推進会議を設置し、工場の実情に即した
ロールチームが、
節電や節水、
排出物の分別状況などを定期
独自の環境活動を組織的に推進することで継続的な改善
的にチェックしながら、
従業員への協力を呼びかけています。
を図っています。
■
工場における環境管理体制図
工場長
環境パトロールチーム
環境管理責任者
環境パトロール
(埼玉第一工場)
事務局
重点管理項目主管部署
環境教育
工場各課環境推進委員
重点管理項目
ヤマザキでは、工場レベルで具体的に環境対策に取り組む
総務課
人事課
経理課
資材課
営業課
セールス課
製品管理課
営業所
食パン課
菓子パン課
和菓子課
洋菓子課
工務課
・
・
・生産各課・
・
・
各工場では、
工場環境推進会議を定期的に開催し、
環境
関連法令の遵守と環境保全への意識向上に努めています。
環境推進会議の開催
(福岡工場)
際、重点的に管理すべき事項を定めています。
1省エネルギー活動の推進
地球温暖化の主な原因となるCO2排出量の削減を図る
ため、省エネルギー施設の導入や新技術の導入を推進
するとともに、従業員への教育による省エネルギー意識
の向上に取り組む。
2排出物の削減と再資源化率の向上
排出物の排出による環境負荷低減のために、生産ロス
の低減、新技術の導入など排出物の発生量を削減する
環境情報の共有・従業員啓発
ヤマザキでは、社内報やまざき
(毎月7,800部発行)
でさ
まざまな環境情報を紹介する
「エコらいふ」
ページを設け、
従業員の環境意識の高揚を図っています。各工場において
も、工場独自の
「環境壁新聞」
を作成し、
エネルギー使用量
や排出物の発生状況などの環境情報を共有化しています。
とともに、排出物の再資源化率を向上させる。
3環境汚染の防止
大気汚染、水質汚染をはじめとする環境汚染の防止に
積極的に取り組む。
社内報やまざき
「エコらいふ」
ページ
37
食と環境への取り組み 2015
「かんきょう新聞」
(埼玉第一工場)
環境会計
ヤマザキでは、環境保全に関連する投資と費用を把握し、
その効果を定量的に把握することで、より効率的な環境保全対策を推進しています。
2014年度の投資・費用の状況
ヤマザキでは2014年度、環境保全への取り組みとし
ました。計画的な設備投資などによる効果によって、日本
て、廃水処理設備送風機の最新型への更新やヒートポン
パン工業会の環境自主行動計画目標
(物流部門CO2排出
プ式空調設備の導入などで585百万円の投資を行いまし
削減目標、副産物・排出物の発生量抑制および再資源化
た。また、環境保全に係る費用として6,
907百万円を要し
目標)
を達成することができました。
(単位:百万円)
コストの分類
内訳項目
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額 投資額 費用額
2014年度の主な取り組み内容
事業エリア内コスト
公害防止 大気汚染防止
コスト
水質汚濁防止
251
地球環境 省エネ
保全コスト 地球温暖化防止
445 2,630
444 2,827
476 3,302
409 3,656
376 3,962
■
資源の有効活用
資源循環
副産物・
コスト
排出物処理
39 1,403
3 1,354
91 1,461
7 1,452
49 1,376
■
小計
735 4,866
735 5,044
857 5,678
780 6,057
585 6,306
833
288
863
290
915
364
949
160
968
最新型ボイラー更新
(3工場:9台)
廃水処理システム改修
(2工場)
■
■
高効率コンプレッサー更新(6工場:8台)
ヒートポンプ式空調設備導入
(松戸二、
武蔵野、
埼玉二、
伊勢崎)
■廃水処理高効率ブロワー導入
(4工場:5台)
■
下流コスト
容器包装再商品化委託
0
661
0
661
0
550
0
585
0
594
管理活動コスト
環境教育・セミナー・
環境情報開示
0
10
0
9
0
8
0
8
0
7
合計
735 5,537
735 5,714
857 6,236
780 6,650
排出物置場空調設備導入
(名古屋)
エコプロダクツ2014出展
食と環境への取り組み2014作成
■
■
585 6,907
環境保全効果
2014年度は、廃水処理設備送風機の最新型への更新
%の削減となりました。また、副産物・排出物に関しても発
やヒートポンプ式空調設備をはじめとする省エネ機器の導
生抑制の取り組みにより、2.0%の削減となり、発生場所
入によるエネルギー利用の効率化をすすめ、
エネルギーの
での分別や自社計量器による実績管理の徹底、処理先の
使用量、
CO2排出量は前年度に対し、
それぞれ0.7%、0.8
再検討などにより、再資源化率は、1.3%向上しました。
効果の分類
環境パフォーマンス指標
2010年度
219
エネルギー投入 数量(千kℓ)
(原油換算)
原単位(kℓ/生産高10億円)
383
3
事業活動に投入する
使用量(千m )
7,362
用水の投入
資源に関する
3
12.9
原単位(m /生産高百万円)
環境保全効果
数量(千kℓ)
29
車両燃料投入
(原油換算)
原単位(kℓ/売上高10億円)
46.9
排出量(千トン)
406
CO2排出
原単位(t-CO2/生産高10億円)
710
事業活動から排出する
発生量(トン)
183,499
環境負荷および
副産物・
副産物・排出物に関する 排出物発生
原単位(トン/生産高10億円)
321
環境保全効果
副産物・排出物の再資源化量(トン)
167,411
再資源化率(%)
91.2
事業活動から産出する
容器包装材料の使用抑制量(トン)
▲305
製品に関する環境保全効果
2011年度
211
365
7,144
12.4
27
43.7
421
729
178,345
309
164,497
92.2
2012年度
213
361
7,032
11.9
27
43.0
450
762
181,687
308
170,298
93.7
2013年度
214
360
6,979
11.7
26
41.2
452
758
185,217
311
177,389
95.8
2014年度
213
351
6,990
11.5
27
40.8
448
739
181,587
299
176,293
97.1
206
97
111
110
(注)
2013年度・2014年度の電気の使用に伴うCO2排出量の算定には、
環境省公表の電気事業者別のCO2排出係数
(2013年度実績)
を用いています。
食と環境への取り組み 2015
38
省エネ活動の推進
ヤマザキの各工場では、パンをつくる過程で使用する電気やガスなどのエネルギーの効率的な利用を
推進することで、温暖化の主要因であるCO 2の排出削減に取り組んでいます。
生産部門からのCO2排出量
エネルギー管理体制の構築
2014年度の生産部門からのCO2排出量は448千トン、
2010年4月に施行された改正省エネ法により、
これまで
生産高10億円あたりのCO2排出量は739トンとなりまし
の工場・事業場単位でのエネルギー管理から、事業者単位
た。工場で使用する燃料をCO2排出係数の高い重油・LPG
(企業単位)
でのエネルギー管理が義務付けられました。ヤ
から係数の低い都市ガス(天然ガス)へと変更する燃料転
マザキでは、全社的なエネルギー管理体制の構築による、
換や、最新型ボイラー・高効率コンプレッサーをはじめとす
従業員一丸となった更なるエネルギー使用の合理化を推
るさまざまな省エネ機器の導入をすすめるとともに、
適正な
進しています。
運転管理を行うための省エネ管理体制を強化しています。
■
■
山崎製パン
(株)
エネルギー管理体制図
生産部門のエネルギー使用量とエネルギー原単位の推移
エネルギー使用量
(原油換算千kℓ) 電力 ガス 重油 250
200
150
219
383
211
365
100
エネルギー原単位(kℓ/生産高10億円)
500
213
214
361
360
213
351
エネルギー管理統括者
(生産担当役員)
450
エネルギー管理副統括者
400
350
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
(総務担当役員)
(生産統括本部長)
エネルギー管理企画推進者
(施設本部長)
300
50
0
社長
0
事務局
生産部門のCO2排出量とCO2排出量原単位の推移
施設本部
総務本部
■
(千t-CO2)
500
400
300
200
CO2排出量
406
421
710
729
450
CO2排出量原単位 (t-CO2/生産高10億円)
1,000
762
452
758
448
739
900
800
700
100
600
0
0
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
(注)
2013年度・2014年度の電気の使用に伴うCO2排出量の算定に
は、環境省公表の電気事業者別のCO2排出係数
(2013年度実績)
を用いています。
工場
工場
工場
燃料転換の実施
クリーンエネルギーの利用をすすめるヤマザキでは、重
油・LPGから都市ガス
(天然ガス)
への燃料転換を順次推
進しています。
2007年度には、都市ガス供給が可能な地
域の燃料転換をすべて完了し、
2008年度からは都市ガス
パイプラインの未整備地域における
「LNGサテライト方式」
自然エネルギーの活用
岡山工場・香川製餡事業所でLNGを供給しています。燃
風力や太陽光などの自然エネルギーを利用した発電設
料転換はCO2排出量の削減以外にも、SOx・NOxの排出
備を一部の工場で導入し、従業員の意識高揚に役立てて
量削減といった大気汚染の軽減が図られるなどのメリット
います。
があります。
(上)
太陽光発電パネル
(神戸冷生地事業所)
(右)
風力発電機
(埼玉第一工場)
39
を利用した天然ガスへの燃料転換を採用しており、
すでに
食と環境への取り組み 2015
LNG
(液化天然ガス)
サ
テライト設備
(岡山工場)
コージェネレーションシステムの導入
廃熱の有効利用
工場で使用する電気エネルギーと発酵などの製造工程
武蔵野工場・横浜第二工場の2工場では、コージェネ
で使用する熱エネルギーを供給するため、都市ガスを利用
レーションシステムの廃熱を多段的に利用するため、蒸気
したコージェネレーションシステムを7工場で導入していま
駆動コンプレッサーを新たに導入しました。コージェネレー
す。コージェネレーションシステムはエネルギーを使用する
ションシステムで発電機を駆動したガスエンジンから排出
場所でつくる分散型エネルギーシステムであり、従来の送
される熱で蒸気を発生させ、発生した蒸気でエアーコンプ
電による損失が軽減されます。
また、
発電した電気と発生し
レッサーを駆動して圧縮空気を製造し、
さらに、蒸気駆動コ
た熱の両方を使用することで一次エネルギーの約70%が
ンプレッサーの冷却水をボイラー設備で使用する給水の加
有効利用され、
省エネルギーとCO2排出量の削減につなが
温に利用することで、熱エネルギーを無駄なく連続的に回
っています。新たに伊勢崎工場へ導入したガスタービン式
収することができます。
のシステムでは、廃熱から発生する蒸気量が多いことが特
徴で、
パンの具材などに使用する餡やクリームの製造工程
に大量の蒸気を必要とする生産品目の特性に適合したも
のとなっています。コージェネレーションシステムは災害な
■
コージェネシステムを中心とした高効率の熱利用システム
ガスエンジン
コージェネ
レーション
都市ガス
どにおける計画停電時にも利用することが可能です。
これ
により電源が二重化され、
非常時にも電力の供給が可能と
ボイラー
なるため、生産活動を継続することができるようになりま
吸収式冷凍機
稼働させ、電力負
廃熱ボイラー
荷 の 平 準 化にも
省エネ機器の導入
ヤマザキの各工場では、エネルギーの効率的な利用を
廃熱で給水を加温
コージェネレーション
システム
(伊勢崎工場)
温水
ガスエンジン
廃熱
す。
さらに、
夏期の昼間など電力需要が最大となる時間帯に
役立っています。
電気
冷水
高圧蒸気
蒸気駆動
コンプレッサー
工場
低圧蒸気
圧縮空気
廃水処理における省エネルギー
目指し、ボイラーやコンプレッサーなどの機器を最新型の
工場の生産活動で使用した機器や器具の洗浄用水は廃
ものに更新しています。また、空調用冷水の熱源には従来
水処理施設に流入され、活性汚泥法と呼ばれる微生物に
のチラーや吸収式冷温水機に変わり、エネルギー効率の
よる分解処理を行い、法規制を遵守しながら河川や公共下
よいヒートポンプ式空調設備を採用し導入を推進していま
水道に放流しています。この廃水処理過程で微生物に空
す。ヒートポンプは省エネ効果が大きく、冷却方法も空冷
気を送りこむブロワーを、回転部の摩擦によるエネルギー
式となることから水質管理が難しい冷却水が不要となり、
損失の少ない高効率タイプのものへ順次入替えています。
節水にもつながります。
2014年度は松戸第二工場、武蔵
2014年度は千葉工
野工場、埼玉第二東村山工場、伊勢崎工場に導入し、年間
場、埼玉第一工場、埼
で約240トンのCO2排出量削減につながりました。
玉 第 二 東 村 山 工 場、
札幌工場の4工場に
導入し、年間で約300
トンのCO2排出量削
減につながりました。
ヒートポンプ式空調
設備
(伊勢崎工場)
高効率ブロワー
(千葉工場)
食と環境への取り組み 2015
40
物流における取り組み
新鮮な製品を毎日自社の車両で配送しているヤマザキでは、物流における環境配慮にも力を入れています。
物流部門からのCO2排出量
エコドライブの推進
2014年度の物流によるCO2排出量は67千トンで前年
2006年8月から配送部門を持つ全国20工場でエコドライ
比99.
8%でした。売上高10億円あたりの排出量は107ト
ブを実施する体制を整備しました。
運行管理システムを活用
ンと前年度に対し1.
0%の削減となりました。ヤマザキで
し配送ドライバーの運転状況を把握することで、
エコドライブ
は、運行管理システムを活用し店舗への到着時間や荷室
の評価につなげているほか、
エコドライブリーダーによる同乗
の温度のほか、平均速度や急激な速度変化の回数など
指導などを実施しています。
その結果、
販売店舗数が増加し、
を記録し、
エコドライブに役立てています。
CVSコースを中心に1コースあたりの配送店舗数が増え、
トラ
■
(千t-CO2)
100
CO2排出量
CO2排出量原単位 (t-CO2/売上高10億円)
200
76
80
60
72
71
68
67
160
120
123
40
116
113
108
107
20
80
40
0
■
ックにかかる負荷が増えるなか、
低燃費を維持しています。
物流部門のCO2排出量とCO2排出量原単位の推移
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
0
自社配送車両の平均燃費の推移
■
(km/ℓ)
燃費
販売店舗数(店)
6.23 110,000
6.4
6.24 6.21 6.23 6.22 6.20
6.2
108,003 105,000
5.96 6.08
6.0
5.86
103,381105,886
100,000
5.8 5.75
100,994
98,991
5.6
95,000
97,464
96,509
96,506
96,865
96,891
5.4
90,000
0
■
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014(年度)
運行管理システムによる速度評価チャート
最高速度
(一般)50
運行管理システムの仕組み
120
急減速回数 0
平均速度
(一般)19
20
出発
0
納品
帰着
40
0
急加速回数 0
20
スピード管理・温度管理・時間管理
速度超過回数 0
最高速度
(高速)79
80
0
0
メモリに記録して
分析、改善
80
50
160
70
0
140
平均速度
(高速)60
20
20
連続走行超過回数 0
チルド物流の取り組み
デイリーヤマザキ店舗への配送に関して、2015年より
随時、
これまで別の配送センターから店舗に届けていたチ
ルド商品
(牛乳・サンドイッチ・弁当など)
を、ヤマザキの工
場経由でパンと一緒に配送しております。
店舗に納品するトラックの台数が2割削減
(5台⇒4台)
と
なり、CO2の削減につなげています。
実施前
実施後
常温製品
赤線
(→)
は新たなルート
常温製品
(各メーカー)
(各メーカー)
常温
配送
センター
チルド製品
配送
センター
1便
チルド
常温
チルド製品
(各メーカー)
(各メーカー)
チルド
2便
1便
パン
山崎製パン工場
パン
パン
41
食と環境への取り組み 2015
1便
2便
山崎製パン工場
パン
チルド
チルド
2便
3便
(仙台工場・新潟工場・岡山工場・広島工場エリアで導入)
店舗における取り組み
ヤマザキのコンビニエンス業態であるデイリーヤマザキの店舗では省エネルギー、排出物の削減と
再資源化、CO 2削減活動に取り組み、環境にやさしく、お客様に便利な店づくりを目指しています。
①レジ袋削減活動
②省エネルギー活動
●お客様に必要かどうかの声かけ運動を実施
デイリーヤマザキでは、
約800店で焼きたてパン、
できたて弁当・調
●入口のドアにレジ袋削減ポスターを掲示
理パンなど、
店内で調理したフレッシュな商品をお客様にお届けし
□2014年度の1店舗あたりのレジ袋使用量は月
ております。
お客様の
間13,298枚、前年より2.4%削減されました。
● 店 内 の 温 度を夏 期2 8 ℃、冬 期
19℃に設定
●夏期期間、店舗クルーはポロシャ
動向を見ながら調理
ツタイプのユニフォームを着用
するので、
いつでもで
□2014年度の1店舗あたりの電気
きたてを提供でき、
無
使用量は年間166,240kwh、前
駄なくお買い求めい
年より1.3%削減されました。
ただいております。
③フロン排出抑制法
への対応
3
●2015年、
フロン排出抑制法の施
行に伴い、各店舗で冷凍冷蔵機
2
器とエアコンの点検を定期的に
実施
(機器の温度は適正になって
4
いるか、埃が付着したりしていな
6
1
いか、室外機は正常に運転され
ているかなどの点検を行い、
フロ
ンの漏えいの未然防止を図って
います。)
⑦トイレ
7
●トイレに人感センサー付き照明
を導入
5
④廃食用油リサイクル
●揚げもので使用した油は油脂原
料や飼料原料へリサイクル
□2014年度は約1,300店舗、
フラ
⑤店頭
⑥照明
●店頭のリサイクルボックスで回収
●店舗の照明に消費電力の少ないL
ED照明を使用し、
省エネルギー化を推進
した缶・びん・ペットボトルを分
□外装看板
(省エネ効果154kwh/月)
、店内照明
(省エネ効果957kwh/
別し、
リサイクル実施
イヤー使用店の約90%でリサイ
□2014年度は1店舗あたりのリサ
クルを実施しました。1店舗あた
イクル量は年間1.8トンでした。
月)
、パン什器の照明
(省エネ効果37kwh/月)
、冷ケースの照明
(省エネ
効果218kwh/月)
●一部の店舗に外光センサーを設置し、店内の照明を窓側、中間、奥側に分
割して、照度を調節
りのリサイクル量は年間1.0トン
でした。
物流
□省エネ効果252kwh/月
排出物の発生抑制と再資源化の取り組み
店舗には、
ヤマザキの工場から直接パンが配送されています。いつでもフ
2014年度のデイリーヤマザキ1店舗あたりの月間排出物量は、1,521㎏
レッシュなパン、和洋菓子をお客様に提供しています。
で、ダンボールやペットボトル等のリサイクルのほか、売れ残り等の食品につ
また、冷蔵・冷凍製品を外部の物流センターからヤマザキの自社物流によ
いては飼料や肥料へリサイクルしています。これらの食品排出物を含む全排
る共 同 配 送への
出物再資源化率は、41.4%となっています。
切り替 えをす す
め、各店舗に納品
されるトラックの
台 数を削 減して
います。
(4 1ペー
ジ参照)
■
1店舗あたりの月間排出物量と再資源化率の推移
(kg)
2,000
1,500
1,000
500
0
再資源化量
再資源化されない排出物量
再資源化率
(%)
39.1
40.2
40.8
40.3
41.4
622
634
641
608
630
969
942
931
902
891
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
食と環境への取り組み 2015
42
副産物・排出物の発生抑制と再資源化
ヤマザキでは、限りある資源を有効活用するために、副産物・排出物の発生抑制を
積極的に推進しています。やむを得ず発生してしまうものを中心に、
より付加価値の高い再資源化に取り組み、循環型社会の形成に取り組んでいます。
副産物・排出物の発生状況
パンなどを製造する過程で、食パンの耳などの副産物
また、各工場における分別の徹底や処理方法の変更など
の発生は避けられませんが、
「なぜなぜ改善」
や5S活動な
が寄与し、再資源化率は97.1%と前年度に対して1.3%
どの現場改善活動などによりヤマザキでは可能な限り発
向上させることができました。食品由来の副産物・排出物
生抑制に努めています。
をはじめとする未利用食料は99.7%が再資源化されてお
2014年度は、副産物・排出物の発生量は182千トンと
り、日本パン工業会の2014年度目標を達成することがで
前年度に比べ2.0%減少し、生産高10億円あたりの排出
きました。
物発生量は299トンと前年度に対し、3.7%減少しました。
■
副産物・排出物発生量の推移
■
(千t) 食パンの耳を除く発生量 食パンの耳発生量
(%)
200
150
68
66
70
73
100
0
再資源化率
90
71
80
100
50
再資源化率と生産高10億円あたりの発生量
91.2
202
92.2
95.8
194
70
115
112
112
113
111
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
(t/生産高10億円)
発生量原単位(食パンの耳除く)
250
93.7
189
189
97.1
210
182
60
0
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
再資源化量
181,587t
未利用食料
125,689t
食パンの耳
生地・製品ロス
バナナの皮
廃食油
その他
71,027t
39,555t
4,042t
239t
10,826t
未利用食料
125,350t
(99.7%)
パン粉・製菓原料
油脂・油脂製品
メタンガス
その他(熱回収等)
100,094t
9,740t
10,687t
213t
834t
自社処理 6,356t
自社乾燥…4,920t
自社焼却…1,436t
3,784t
非食品系
50,943t
(91.1%)
非食品系
55,898t
汚泥
段ボール・紙くず
プラスチック類
空缶・金属くず
ビン・ガラスくず
その他
176,293t
(97.1%)
飼料
肥料
18,970t
14,388t
16,533t
2,983t
108t
2,915t
肥料
製紙原料
金属原料
固形燃料
プラスチック原料
その他再資源化
15,807t
13,389t
2,947t
3,119t
1,034t
14,647t
再資源化されない
排出物 3,858t
(注)
再資源化量には自社乾燥前の汚泥排出量が含まれています。
また、
自社処理後の残さが再資源化量および排出物に再算入されているため、
副産物・排出物発生量の合計と処理量の合計は一致していません。
43
食と環境への取り組み 2015
190
170
副産物・排出物処理フロー
発生量
230
0
販売店様への納品容器の再生利用
ヤマザキでは、創業当初からパンの納品に、繰り返し使
2008
開発・導入し、販売店様への納品に利用しています。
用できる
「番重
(ばんじゅう)
」
と呼ばれる容器を用いること
年からは、番重メーカー様と協力し、長期間使用した番重を
で、ダンボールなどの梱包材の発生を抑制してきました。
新しい番重の原料として再生利用する取り組みを開始して
1967年からは従来の木製に替わりプラスチック製番重を
おり、資源の有効利用に努めています。
古くなった番重を回収
新しい番
重として
再生利用
破砕・洗浄し、原料化
2014年は約6万枚の番重を再資源化
プラスチック類のごみ袋への再生利用
ヤマザキでは、
食パン加工製品を生産する過程で一時的
と、
この袋を原料として再生加工されたごみ袋を工場で使
に加工用食パン
(三斤)
を保管するためにプラスチック製の
用しています。ごみ袋は消耗品であるため継続的に原料が
袋を使用しており、
そのリサイクルを推進しています。
さらに
必要となることから、
リサイクルが円滑にすすむという利点
すすんだ取り組みとして、
3工場
(武蔵野工場、
古河工場、
広
があり、
今後、
他の工場へも拡大していきます。
島工場)
では、処理先のプラスチック再生業者の協力のも
武蔵野工場・古河工場・広島工場
加工用食パン袋
プラスチック再生業者
圧縮梱包機投入後の当該物
ペレット
成型機
再生加工したごみ袋を
工場で使用
ゼロ・エミッション工場の拡大
ヤマザキでは、
やむを得ず発生した排出物については積
極的に再資源化しています。
その結果、
2014年度末までに
14工場
(安城工場、広島工場、埼玉第二東村山工場、福岡
VOI CE
ゼロ・エミッションを達成いたしました。
横浜第一工場 総務課 葉山 泰康
横浜第一工場は2013年にゼロ・エミッションを
達成し、
2014年からは作業性の向上と再資源化
工場、
大阪第二工場、
名古屋工場、
阪南工場、
札幌工場、
武
手法の改善に取り組んでいます。棚をなくし移動式ラックを
蔵野工場、杉並工場、横浜第一工場、横浜第二工場、新潟
多用することで、
運搬作業を効率化しました。
さらに、
屋外保
工場、
岡山工場)
がゼロ・エミッションを達成しました。
ゼロ・
エミッションを達成した工場については、
今後もゼロ・エミッ
ションを維持するとともに、
リサイクルの質の向上を図って
いきます。
管の粗大ごみのうち、
材料リサイクルできるものを分別し屋
内保管に変更したことで、
搬出時の移動距離削減、
再資源化
手法の高付加価値化につながりました。従業員から
「排出作
業が楽になった。
」
との声も聞かれ、
やりがいを感じています。
食と環境への取り組み 2015
44
製品における環境配慮
ヤマザキでは、容器包装の簡素化・軽量化など、容器包装にかかわる環境負荷を低減したり、売上の一部
を森林整備に充てるカーボン・オフセット製品の発売など、
さまざまな取り組みを行っています。
容器包装の削減
ヤマザキでは、食品の安全衛生の確保と品質の保持を第一に考え、容器包装の設計と選択を行っています。そのうえで可
能な限り、容器包装の簡素化・軽量化を図ることによる、資源の節約と廃棄物の発生抑制に努めています。
食パン袋の軽量化
食パン1斤袋の高さの適正化を図り、製品1個あた
りの容器包装重量を約4%削減し、年間約126トン削
減しました。
「ランチパック」
袋の軽量化
「薄皮パン」
袋の軽量化
2015年より
「薄皮パン」
のフィルムの厚さを見直し、
製品1個あたりの容器包装重量を約14%削減しまし
た。主力製品の軽量化を行ったことにより、年間約
60トンの削減が見込まれます。
「ドーワッツ」
袋の軽量化
「ランチパック」
のフィルムの厚さを見直し、製品1個
「ドーワッツ」
の包装紙の厚さを薄くして、製品1個
あたりの容器包装重量を約10%削減し、年間約88ト
あたりの容器包装重量を約18%削減し、年間約13ト
ン削減しました。
ン削減しました。
容器包装リサイクル法への対応
1997年に容器包装リサイクル法が施行されて以来ヤマ
ザキでは、容器包装の削減の取り組みとともに、家庭で消
費されるヤマザキ製品の容器包装のリサイクルを公益財
団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しています。
2014年度は、
21,
867トンの容器包装を利用し再商品
化委託料として510百万円
(実質費用)
を負担しました。
■
容器包装の再商品化委託料と容器包装重量の推移
(百万円)
800
再商品化委託料
661
661
600
400
20,671
20,977
容器包装重量 (t)
40,000
550
20,771
518
20,674
21,867
30,000
20,000
10,000
200
0
510
2010
2011
2012
2013
2014(年度)
0
※2014年度より、コンビニエンスストア事業
「デイリーヤマザキ」
使用
分を含みます。
45
食と環境への取り組み 2015
へらそう
神戸大学
「減装研究会」
との取り組み
装が少ない商品」
=
「減装
(へらそう)
商品」
を、
お客様が積極的
に選んで購入する買い物行動=減装
(へらそう)
ショッピング
の普及・定着による家庭ごみの削減に向けた社会実験を行っ
お客様
「減装商品」
の販売
ポスター・POPによる
情報提供
に参加しています。同研究会では同NPOが推奨する
「容器包
NPO
減装ショッピングの
普及・啓蒙活動
「減装商品」
の推奨
NPO法人
「ごみじゃぱん」
が主催する
「減装
(へらそう)
研究会」
減装ショッピングのフロー図
「減装商品」
の選択・購入
ヤマザキでは、神戸大学の教授、学生を中心に活動する
■
ています。ヤマザキでは、
この考えに賛同し、
学生の皆さんや
お客様と協働し、
新たな社会モデルづくりを目指しています。
流通
メーカー
「減装商品」
の
開発・提供
(スーパーマーケットなど)
約12cm削減
(約31%軽量化)
減装ショッピングの普及に向け、大
学 の 教 職 員・学 生・企 業
( メー
カー、流通)
・消費者の方々が活発
な意見交換を行っています。
学生が中心となって児童館や小中
学校などに出向き、家庭ごみの削
減に向けた出前授業を行っていま
す。
変更前
(留め具あり)
■容器包装の軽量化による家庭ごみの削減
変更後
(留め具なし)
ともに、包装の長さを約12cm短縮でき、包装の重量を約
ヤマザキでは、
2011年7月から、
「新食感宣言直焼ロール」
31%軽量化できました。以後この形態の製品を延べ9品発売
の包装形態を留め具を使用したものから使用しないものに変
し、
いずれも従来の形態と比較し30〜40%包装が軽減され、
更し、
NPO法人
「ごみじゃぱん」
の推奨する
「減装商品」
のロゴ
2015年6月末現在で累計約43トンの家庭ごみの削減と資源
マークを包装に表示しました。留め具そのものが不要となると
の節減につながっています。
カーボン・オフセットの取り組み
カーボン・オフセットとは、自社で削減できずにどうしても排出されるCO2の全部、
または一部を他の場所での削減・吸収
量でオフセット
(埋め合わせ)
することをいいます。
カーボン・オフセットの仕組み
「大山の森クレジット」
(岡山工場)
事例
2012年10月、鳥取県を販売エリアとする岡山工場では、
(公財)
鳥
だいせん
大山の森
取県造林公社とオフセット・クレジット契約を締結し、公社造林地の整
森林整備に活用
備を通じて環境省の認証を受けたオフセット・クレジット
(J-クレジッ
ト)
を購入しました。購入資金には、地元鳥取県の
「白バラ牛乳」
を使用
した地産地消製品の売上の一部が充てられ、製品の製造に係るCO2
鳥取県
J-クレジットの資金を利用して間伐や植林活動等を行
い、
CO2の吸収による地球温暖化防止につなげます。
J-クレジットの売却
J-クレジットの購入
排出量の一部をオフセットするのに役立てられています。2015年3月
までに合計29種類の製品がオフセット・クレジットの対象となり、合計
で321トンのCO2をオフセットしました。
山崎製パン株式会社
対象製品を1個販売するごとに
(お客様が1個お買い求めいただくごとに)
1円をJ-クレジットの購入に充当
お客様
お客様が対象製品を購入することで、地球温暖化防止につながります。
白バラ牛乳入りの
菓子パンシリーズ
裏面にカーボン・オフセットの
取り組みをプリントしています。
食と環境への取り組み 2015
46
環境コミュニケーション
ヤマザキでは、
お客様と環境意識を共有するため、食品リサイクルループの構築、環境イベントへの出展など、
環境に配慮した製品を通じたコミュニケーションをすすめています。
エコプロダクツ2014に出展
エコプロダクツ2014 ヤマザキのブース
2014年12月に東京ビッグサイトにて開催され、
747社
が参加した国内最大級の環境イベント
「エコプロダクツ20
不二家のカントリーマアムの地産地消製品と容器包装削
14」
( 主催:一般社団法人産業環境管理協会 日本経済
減、ヤマザキ・ナビスコ
(株)
のリッツの外装フィルム削減、
新聞社)に出展しました。
9回目の出展となった今回は
「ヤマザキグループの自然保護活動」
として、千葉県山武
「『食』
を大切に」
をテーマとして、食料資源の有効利用に
市の社有地整備活動と、
( 株)
不二家の森林保全活動
「ペ
つながる食パンの耳を利用した製品、地域農産物の利用
コちゃんの森」
を紹介しました。
拡大や規格外農産物の有効利用に貢献する地産地消製
なお、食パンの耳を有効利用した製品事例として紹介し
品、容器包装を軽量化した
「減装
(へらそう)
商品」
、
カーボ
ている
「ちょいパクラスク」
は、食品ロスの発生抑制などが
ン・オフセット製品などを環境配慮型製品
(エコプロダク
評価され2012年度に
「第9回エコプロダクツ大賞 エコ
ツ)
として、来場者の方々に紹介しました。
プロダクツ部門 環境大臣賞」
を受賞しています。
(公財)
日本野鳥の会に協力
(公財)日本野鳥の会が発刊する
「ミニミニ野鳥図鑑」
(累計11万部発刊)
の制作に協力しているほか、野鳥の会
が主催するさまざまな行事にも協賛し、身近な野鳥を通じ
た命の大切さや自然の尊さについての普及活動を応援し
ています。
47
また
「ヤマザキグループのエコプロダクツ」
として、
( 株)
食と環境への取り組み 2015
食品リサイクルループの構築
2000年に制定された
「食品リサイクル法」
では、未利用
れる飼料化に対応するため、各工場で発生する食パンの耳
食料の発生抑制に最優先に取り組むことと再生利用につ
などの副産物は、
エコフィードなどの原料として利用されて
いては飼料化を優先的に取り組むことが定められておりま
います。エコフィード利用畜産物を積極的に活用すること
す。ヤマザキでは食パンの耳などの副産物の食品原料とし
が循環型社会構築をはじめ、飼料自給率向上や食料自給
ての利用、食品ロスの発生原因の究明や改善に取り組み、
率向上につながると考え、エコフィードに関連する事業者
発生抑制に努めています。食パンの耳などの副産物の成
である飼料加工業者、畜産業者、精肉業者、食肉加工業者
分、
カロリーを有効に利用でき、飼料自給率向上に寄与で
との連携により、食品リサイクルループを構築しています。
きることから、次に優先して選択することが重要であるとさ
事例 エコニコポーク
■
(
(株)
スーパーヤマザキ)
この製品の食品リサイクルループ図
お客様
(関東地区)
山崎製パン
(株)
・
※
(株)
サンデリカ
(各工場)
(有)
八王子安澤畜産
飼料の製造・肥育
食パンの耳等の未利用食料
(株)
スーパーヤマザキ
(全店舗)
認証番号:24認証第8号
「エコニコポーク」
として販売
JA全農ミートフーズ
(株)
食肉処理
(部分肉・精肉加工)
※ 山崎製パン
(株)
:松戸第一工場、
松戸第二工場、
千葉工場、
武蔵野工場、
埼玉第二東村山工場、
横浜第一工場、
横浜第二工場
(株)
サンデリカ:千葉事業所
エコフィードとは
“環境にやさしい
(ecological)
”や
“節約する
(economical)
”等を意味
する
“エコ
(eco)
”
と飼 料を意 味する
“フィード
(feed)
”
を併せた造語です。
食品循環資源
(未利用食料)
を原料に
して加工処理されたリサイクル飼料で
す。
エコフィード認証制度とは
飼料中の食品循環資源の利用率お
よび飼料中の栄養成分の把握、飼料
化を行う関連業者の連携および飼料
化工程管理等について、一定の基準
を満たした飼料を
「エコフィード」
とし
て認証する制度で、2009年から実施
されています。
エコフィード利用畜産物認証制度とは
認証されたエコフィードを給与した
家畜から得られた畜産物およびその
加工食品について、一定の基準を満た
したものを
「エコフィード利用畜産物」
として認証する制度で、2011年から
実施されています。
※ エコフィードおよびエコフィード利用畜産物については
(公社)
中央畜産会のHPをご参照ください。 http://ecofeed.lin.gr.jp/
フードバンク活動
ヤマザキでは、障がい者支援施設、児童養護施設等の福
祉施設などへ食品を無償配布しているフードバンク へ、
※
■
フードバンク関係図
提供いたしました。
食品・食材
フードバンク
広島工場)
およびグループ企業の㈱サンキムラヤが製品を
(一般家庭・農家)
2014年は、
4工場
(松戸工場、千葉工場、名古屋工場、
各企業・個人
過剰製品の一部を試験的に寄贈しています。
受益者
各福祉施設・団体
支援者
※フードバンクとは・・・メーカーや個人から、安全性が確保されている食
品等の提供を受け、支援を必要とされる方々に無償で配布する活動。
食と環境への取り組み 2015
48
〒101-8585 東京都千代田区岩本町3-10-1
TEL 03-3864-3111
http://www.yamazakipan.co.jp/
本レポートは、適切に管理された森林から生まれた
「FSC®認証紙」
を使用し、
VOC成分を含まない植物油インキおよび有害な廃液の出ない水なし印刷で
印刷しています。