1 平成27年千代田区議会第2回定例会議事速記録(第1348号

平成27年千代田区議会第2回定例会議事速記録(第1348号)(未定稿)
◎日
時
平成27年6月19日(金)午後1時
◎場
所
千代田区議会議事堂
◎出席議員(25人)
1番
岩
田
かずひと
議員
2番
秋
谷
こ う き
議員
3番
岩
佐
りょう子
議員
4番
寺
沢
文
子
議員
5番
大
串
ひろやす
議員
6番
米
田
か ず や
議員
7番
大
坂
隆
洋
議員
8番
池
田
とものり
議員
9番
山
田
丈
夫
議員
10番
飯
島
和
子
議員
11番
牛
尾
耕 二 郎
議員
12番
木
村
正
明
議員
13番
小
枝
す み 子
議員
14番
小
林
た か や
議員
15番
戸
張
孝 次 郎
議員
16番
永
田
壮
一
議員
17番
内
田
直
之
議員
18番
嶋
崎
秀
彦
議員
19番
たかざわ
秀
行
議員
20番
は や お
恭
一
議員
21番
林
則
行
議員
22番
河
合
良
郎
議員
23番
松
本
佳
子
議員
24番
小
林
や す お
議員
25番
桜
井
た だ し
議員
◎欠席議員
な
し
◎出席説明員
区
長
石
川
雅
己
君
長
山
口
正
紀
君
保 健 福 祉 部 長
松
本
博
之
君
副
区
1
高齢者総合サポートセンター準備室長
門
口
昌
史
君
地域保健担当部長
千代田保健所長
田
中
敦
子
君
地 域 振 興 部 長
立
川
資
久
君
オリンピック・パラリンピック担当部長
河
合
芳
則
君
コミュニティ振興担当部長
吉
村
以 津 己
君
環境まちづくり部長
細
越
正
明
君
まちづくり担当部長
坂
田
融
朗
君
政 策 経 営 部 長
政策推進担当部長
歌
川
さ と み
君
特 命 担 当 部 長
須
田
正
夫
君
会 計 管 理
者
高
橋
誠 一 郎
君
総
長
清
水
章
君
企 画 調 整 課 長
古
田
毅
君
財
長
亀
割
岳
彦
君
長
島
崎
友 四 郎
君
長
保
科
彰
吾
君
教 育 担 当 部 長
小
川
賢 太 郎
君
阿
部
寿
君
長
大
矢
栄
一
君
事 務 局 次
長
纓
片
淳
一
君
議
事
主
査
桐
谷
孝
行
君
議
事
主
査
長
田
美
樹
君
議
事
主
査
平
尾
丈
治
君
議
事
主
査
吉
田
匡
令
君
務
課
政
課
(教育委員会)
教
育
子 ど も 部
(監査委員事務局)
監査委員事務局長
◎区議会事務局職員
事
務
局
2
午後1時01分
開議
○議長(戸張孝次郎議員)
ただいまから平成27年第2回千代田区議会定例会継続会を開会い
たします。
昨日に引き続き一般質問を続けます。
初めに、24番小林やすお議員。
〔小林やすお議員登壇〕
○24番(小林やすお議員)
平成27年第2回定例会において、自由民主党議員団の一員とし
て一般質問をいたします。
2020年オリンピック・パラリンピックを控え、海外からは今以上の数の観光客が訪れると
思います。現在でも多くのアジア系外国人が成田、羽田はもちろん、関空、セントレア、茨城な
どの空港に到着し、関東圏と関西圏の観光地をめぐっています。その中で、中国系観光客の人気
ツアーは何といってもゴールデンルートであります。ゴールデンルートとは、東京圏と関西圏を
結ぶ東名高速を利用するルートのことで、東京スタートの場合、成田に到着し、2日目は東京デ
ィズニーランド、3日目に秋葉原で買い物をして皇居周辺や新宿の観光後に横浜に入り、その後
箱根に泊まります。4日目は、箱根観光から富士山5合目まで行き、東名高速利用で京都に泊ま
り、5日目は京都観光の後に大阪に入り大阪城など観光して、翌日に関空から帰国のルートです。
大阪ルートの場合は、関空に到着し、翌日は大阪心斎橋、道頓堀で買い物をしてから、大阪城
見学の後に京都に入り清水寺や平安神宮を観光し京都に泊まります。3日目は、東名高速で富士
山から箱根観光、4日目には、箱根から東京入りして皇居周辺から新宿の歌舞伎町を観光、その
後に東京タワーに行き、5日目は東京コースと同じで、午前中に秋葉原で買い物をし、浅草寺か
ら仲見世観光、その後は田崎真珠とお台場のトヨタショールーム、そして東京ディズニーランド、
翌日には成田から帰国のルートです。
また、同じアジア系ですが、内田君の好きなタイの観光客も多く日本に来ています。彼らには
中国系とは違うゴールデンルートがあり、羽田到着後、いきなり富士山5合目、忍野八海、御殿
場プレミアムアウトレットに行き、その日は山中湖のアジア系資本のホテルに泊まります。2日
目は、鎌倉大仏を拝み、新横浜ラーメン博物館を訪れ、新横浜から新幹線で東京に入り、皇居周
辺観光後、銀座や青山で買い物をして、宿泊は池袋サンシャインプリンス、3日目は、浅草観光
からビックカメラとユニクロで買い物、最終日は明治神宮に参拝して、木更津のアウトレットで
買い物、その後にお台場経由で羽田から帰国がタイの観光客のゴールデンルートらしいです。仏
教国のタイの観光客には、異国で仏教を感じることのできる鎌倉大仏は人気が高いそうです。
そして今、中国系観光客は買い物中心旅行から、日本の歴史、文化、風習を味わうツアーに目
的が変わり始めています。京都の名刹、奈良吉野で花見、金沢の伝統的建造物群保存地区、白川
郷の合掌造りなど、日本ならではの景色や文化が味わえる観光名所へのリクエストが多くなって
きています。
とはいえ、買い物をしたい観光客はまだまだ多く、ある調査によると、今年の春節に訪日した
中国系観光客の買い物ランキングによると、1位、医薬品、2位、化粧品、3位、温水洗浄便座、
3
4位、生活雑貨品、5位、炊飯器でありました。
その買い物ランキングの中でも指定ブランドがあり、のど薬では龍角散の龍角散ダイレクト、
目薬は参天製薬のサンテボーティエなど、ケース買いする爆買いがありました。そしてその爆買
い現場の1つである秋葉原では観光バスの駐車マナーが問題になっています。(「そうだ」と呼
ぶ者あり)
午前中に来る幾つかのツアー客が、帰国するために使用する航空機が同じか、同じような出発
時間のため、必然的に似たような日程を組んでいて秋葉原でバッティングします。そして免税店
前では観光バスが普通にとめられず、二重駐車をし、観光客をおろし、そのバスは近くの駐車で
きそうな場所を探しピックアップの時間まで待機しています。そのバスの多くが待機中はエンジ
ンを切らずエアコンを作動させています。その待機場所は秋葉原免税店のある万世橋地区はもと
より、文京区、台東区にまで及び、そのほとんどが路上駐車です。
私の借りている駐車場も中央通り沿いにありますが、出入り口を塞いでの駐車や出入り口ぎり
ぎりにとめるなど、目に余るものがあります。
一方、自転車の運転ルールでは、自転車は軽車両であり車道通行が原則ですが、秋葉原では3
車線の道路に大型バスがとまると、自転車は2車線目を通行することになり非常に危険であり、
近隣住民からも自転車に乗るのが怖いとの苦情が寄せられています。
このように、以前から近隣住民の皆さんから観光バスの問題を指摘されていましたが、このこ
とは警察の管轄で区の関与することではないとしてまいりましたが、区長招集挨拶の中で、日本、
東京の玄関口である千代田区にふさわしい清潔感があり安心して過ごせる安全なまちづくりや、
外国人等の来街者が快適に過ごし、千代田に何度でも訪れたいと思えるよう、まちの魅力や回遊
性、快適性を高めるための取り組みを進める。また、駅周辺の放置自転車ランキングでは、秋葉
原駅周辺がワーストワンであり、駅周辺放置自転車対策会議を立ち上げたとのことでありました
ので、同じ秋葉原の迷惑観光バスについても、警察に頼るだけでなく対策会議を設けるべきと考
えますが、いかがでしょうか。
また、ある情報によりますと、九段一口坂を東京家政学院に向かう通りにある中華料理店に食
事に来るツアー客を乗せた大型観光バスが来て、食事終了までその店の前に駐車していたとの話
も聞きました。この道路に大型バスが駐車したらどうなるか、皆さんにも想像できると思います。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)
このような無神経な駐車をする観光バス、観光客が乗降時間を守らないことも問題ですが、事
業者と運転者の心構えにも問題があると思います。万世橋警察署の交通ホームページを見ますと、
「観光バス、事業者、運転者の皆様へ」の表題があり、その中には秋葉原は世界のアキバと言わ
れ、日本を訪れる外国人観光客の主要な観光及び買い物スポットの1つとなっています。近年、
外国人ツアー客の増加に伴い、客待ちのため幹線道路に長時間駐車をする大型観光バスが増加し、
交通渋滞を引き起こすなど、他の交通妨害や交通事故の要因にもなっています。また、客待ちの
アイドリングについても付近住民や店舗等から苦情の声が寄せられています。観光バス事業者並
びに運転手の皆様には、秋葉原地区の道路事情をご理解いただき、安全かつ円滑な道路交通の確
4
保のため、下記についてご協力をお願いいたします。1、ツアー客の円滑な乗車、2、アイドリ
ングの禁止、3、バス駐車場の利用とありました。
そして、東京都は環境ホームページの中で、アイドリングストップの遵守をうたっていて、運
転者の義務第52条では、自動車等を駐車または停車するときはエンジンを停止する義務があり
ますとあり、第54条、事業者の義務でも同様にうたっていますが、条例の効果はいかがなもの
かと思います。
区内の靖国通り交差点付近には赤色塗装を施した交差点があり、駐停車禁止をアピールし、停
車しただけでも違反切符を切れる道路帯が多くあります。秋葉原地区でも区から警察に要請して
赤色塗装地帯を増やしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
最後に、秋葉原で一番ツアー客が訪れる免税店前の道路のアスファルトには、何と観光バスの
タイヤのわだちができていました。なかなか遠くから見えづらいかと思いますが、これが道路の
わだちですね。観光バスのタイヤのサイズになっています。これも同じものですけどアップにし
てみました。こんな感じです。きのう、おとといの雨で水たまりができていました。
以上、秋葉原の観光バスツアーの二重駐車と迷惑駐車及びアイドリングストップについて質問
いたしました。2020年オリンピック・パラリンピックに向け、早急に解決すべき問題の1つ
と考えますので、誠意ある答弁を期待いたします。(拍手)
〔まちづくり担当部長坂田融朗君登壇〕
○まちづくり担当部長(坂田融朗君)
小林やすお議員の秋葉原の観光バスに関するご質問にお
答えいたします。
秋葉原は、7年前の無差別殺傷事件や東日本大震災による影響で観光客の減少が危ぶまれまし
た。しかし、歩行者天国の再開後の運営や防犯パトロールの実施など、地域主体の取り組みによ
り安全・安心なまちとして認知され、現在では、平日や休日にかかわりなく国内外から多くの
方々が訪れております。
また一方では、外国人観光ツアーの不定期な観光バスが増加し、特定箇所に二重に停車したり、
またエンジンを切らずに路上駐車するために、付近の交通の妨げや環境の悪化といった地域課題
も生じております。議員ご指摘のとおり、バスが待機中にアイドリングを続けていることは都条
例に反するものでもあります。
バスを誘導する場所の確保や、赤色舗装地帯等の規制エリアの設置などは大変困難な課題では
ありますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、観光客がますます増加すること
を考えますと、この課題に対応する必要性は認識しておりますので、どのような体制で協議を進
めるべきかという点も含めまして検討をしてまいりたいと思います。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、4番寺沢文子議員。
〔寺沢文子議員登壇〕
○4番(寺沢文子議員)
初めに、マイナンバー制度についてお伺いいたします。
私は、本年3月の予算委員会の総括でもマイナンバーについて質問いたしました。仕組みの総
論部分は何となくわかりましたが、詳細の大部分は判然としないままです。また、間違った理解
5
をしているかもしれません。マイナンバー、社会保障・税番号制度が、本当に国民、つまり区民
のためになるのか、IT弱者の立場から何点か質問いたします。
1、マイナンバーは住民票を有する全ての人に12桁の番号をつけ、社会保障・税・災害対策
の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関にある個人の情報が同一人の情報であることを確認
するために活用するものと説明されております。
国の法律で定められた制度でありながら、自治体への影響は多大な負担だと考えます。システ
ム改修、改修・対応コストの負担、特定個人情報保護影響評価の実施、個人番号利用・提供に関
する条例、個人情報保護条例の改正、付番と通知、個人番号カードの発行、住民への対応などが
挙げられています。自治体が独自の判断でできる分野は限定的だと聞いておりますが、千代田区
ではどの分野を独自に行うのか、また行わないのか、区としてその洗い出し作業の状況はどうな
っているのでしょうか。
2、国によりますと、マイナンバーは行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な
社会実現の基盤であるとし、所得や行政サービスの受給状況が把握しやすくなるため、不正防止
につながり、公平・公正な社会の実現が図れる。行政手続が簡素化され、国民の負担が軽くなり、
国民の利便性の向上につながる。公の機関で現在はさまざまな情報の照合、転記、入力などに要
している時間や労力が削減され、行政の効率化が図れるとメリットを挙げています。
一方、この制度に疑義を持つ人たちからは、①、プライバシーに深くかかわり、差別的扱いの
原因となるおそれがある。②、生活保護、障害、疾病、要介護などのセンシティブな情報や世帯
の情報がネットワークを通して提供され、このような情報が行政機関や関係する民間機関の間で
情報共有されることが、漏えいや本人の意思に反した利用が心配されると危惧しています。
また、あるジャーナリストは、ネット上のパスワードを月に1回は変えましょうという時代に、
一生同じ番号であらゆる個人情報を一括管理するなんて時代に逆行していると述べています。
果たして区はこの制度のメリット、デメリットについてどう考えているのでしょうか。また、
費用負担は区が今年度当初予定した予算で可能でしょうか。今年度、次年度以降のマイナンバー
関係の予算と補助金、交付金の見通しはいかがでしょうか。
3、従来の住民基本台帳システムとは全く異なるこのマイナンバー制度について、国は、本年
の10月以降に国民一人一人のマンナンバーを通知するための通知カードを配付するとしていま
す。そして、2016年、平成28年、1月以降に希望者には券面に氏名、住所、生年月日、性
別、マイナンバー、本人の顔写真が入った個人番号カードの交付が受けられるとされています。
最近、話をする機会があった区民の方々にマイナンバー制度について伺ってみても、名称程度
はわかるけれど、詳細はよくわからないとおっしゃる人が多数いました。区は、個人情報の連携
や、それを利用したサービスの変化についての全体像を自治体としてどの段階でどの程度踏み込
んで区民に周知されるのでしょうか。細かいことを言えば、住民票を置いている住所地に実際に
は居住していない人、認知能力が低下している人、路上生活で住民票のない人、DV等で避難し
ている人など、多様な生活実態の状況があり、個人情報を保護しながら一つ一つ解決していくの
は大変な時間と労力を要することであり、とてもすんなりとこの制度が進むとは受けとめられま
6
せん。区は、単に広報紙で知らせるだけでなく、例えば、庁舎や出張所で説明会を開き、疑問、
質問にも現段階でわかる情報をありのままに丁寧に区民、住民に説明するべきではないでしょう
か、お答えください。
この質問の最後は、国民の約80%が不安に感じている情報漏えいについてです。今、マスコ
ミをにぎわしている日本年金機構の約125万件に及ぶ基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の
個人情報の流出で、マイナンバー法改正案を審議している参議院内閣委員会が改正案の採決を当
面見送ったとニュースで報じられました。国民の理解を得るため状況の推移を見きわめる必要が
あり、法案の審査を一旦とめたい。今月内の法案の採決はないだろう。物理的に無理だと参議院
内閣委員長が記者団の質問に答えました。このような状況でマイナンバー法改正がおくれた場合
でも、10月以降に区民に通知カードは送付されるのでしょうか。
先日、NHKの「クローズアップ現代」という報道番組で、日本年金機構の個人情報流出につ
いて専門家が解説しておりました。日本のさまざまな組織に対するサイバー攻撃が増加しており、
企業、団体の内部情報流出を狙い、巧妙にヒューマンエラーを誘発するようなメールがその発端
となるようです。今回の情報漏えいの発端となった5月8日の外部専用メールアドレスでは「厚
生年金基金制度の見直しについて(試案)に関する意見」と題され、「添付ファイルをごらんく
ださい」と、いかにも本当のように見えるメールをあけたところ、ウイルス感染を起こしている
リンク先のファイルは中国語などがまじり、文字化けした状態であったようです。
その後の対応の遅さ、判断ミスが事態を大きくし、国民の不信感を招きました。その後、詐欺
によって女性がだまされて300万円を引き出される被害が発生したのは皆さんご承知のとおり
です。
藤沢市役所では、職員がサイバー攻撃にどう対応するかの研修を行ったとのことです。標的型
メール(本当のようなメール)が届いた場合、完全に防ぐことはできないことを前提に研修を進
め、安全性を第三者に評価してもらう仕組みや、今どうなっているのかの情報を持ち寄って対策
を考えるなどとしていました。
インターネット社会では印刷されたペーパーを回収するのとは全く異なり、一旦流出してしま
った情報を回収するのは不可能です。マイナンバー制度では、共有情報フォルダと基幹系フォル
ダは遮断されており、芋づる式に情報が漏えいする危険はないと説明されていますが、全て人間
のやることです。区の情報漏えいに対する考え方や方針、職員研修のやり方、対処方法等につい
てわかりやすくご答弁ください。
続いて、小学校、中学校の体操服のリサイクルについて質問いたします。
千代田区の現業に従事されている清掃、道路、河川、橋梁等、工事に携わる職員、建築関係、
技術業務等に従事されている職員等には被服貸与規定により作業服が貸与されています。その材
質はエコマーク認定商品やリサイクル素材が使用され、環境に与える負荷を少なくする配慮がさ
れています。
学校でも、子どもたちに環境教育がされているのは承知していますが、いま一つ身近に体験で
きる具体的な実践があってもいいのではないでしょうか。
7
6月12日に、区民ホールで今年も環境・リサイクル祭りが開催されました。興味深い展示が
幾つかありましたが、その出店ブースの1つに私は足をとめました。古い体操服らしきものが透
明の筒状の容器に詰め込まれ、そのそばにはデザインの異なった真新しい体操服の上下が数点展
示されていました。説明を伺ったところ、「体操服!いってらっしゃい、おかえりなさいプロジ
ェクト」と名づけて、汚れたり破れたりして着られなくなった体操服を回収してリサイクル工場
へ送り、資源として細かく砕き粒状にし、化学処理で分解し、新しい繊維に再生して縫製し、ま
た新しい体操服として生まれ変わるリサイクルシステムのことでした。小さくなって着用できな
くなった場合にはそのままリユースされるのは言うまでもありません。ごみの排出量を減らし、
石油の消費量を減らし、二酸化炭素の排出量もエネルギーの消費量も大幅に削減できる環境に優
しいこの体操服のメリットは、多くの保護者から、とても早く乾くようになり、夜洗っても翌朝
には乾いている。運動会前の体育が毎日あるときでも、夜洗えば翌朝には乾いているのでとても
助かるとの声が届き、洗濯物が乾きにくい冬の雨の日でも翌朝には全てさらっと乾いていたとの
ことです。
現在、京都市の小学校がこのプロジェクトに参加し、子どもたちからは、汗をかいてもさらっ
と快適な繊維の特徴から、さらさらふわふわして気持ちがいい。さらさらして体が軽くなった気
がするとの感想があるということでした。デメリットとしては、体操服を回収し、愛媛県松山市
にある工場へ送る運搬費などの費用がかかり、市販品よりも数%、金額にして数百円販売価格が
高くなると説明を受けました。しかし、考えようによっては、速乾性があることで今まで2着そ
ろえなければならなかったのが1着で繰り返し使えるのであれば、その分保護者の負担は軽くな
ります。
地球の資源には限りがあることはほとんどの大人や子どもが理解している現在、最初に述べた
ように、物は捨てないで生かし切って再生を図ることが実感できる、子どもたちに具体的で身近
な環境教育の実践例となるのではないでしょうか。
千代田区の全ての学校がこのプロジェクトに積極的に参加する体制を教育委員会、環境政策課
が協力して支援するよう求めて質問を終わります。(拍手)
〔教育担当部長小川賢太郎君登壇〕
○教育担当部長(小川賢太郎君)
寺沢議員のご質問のうち、学校の体操服のリサイクルについ
てお答えいたします。
現在、区立の小中学校では、環境教育の一環としてエコキャップ運動やペットボトルのリサイ
クルなどに取り組んでおります。また、お茶の水小学校、昌平小学校、麹町中学校などでは、標
準服やかばん、体操服など、学校によって品目は異なりますが、PTAによるリユース活動を行
っております。寺沢議員ご指摘の体操服をリサイクルする取り組み「体操服!いってらっしゃい、
おかえりなさいプロジェクト」につきましては、一部の自治体の学校で既に導入されていること
は承知をしております。この取り組みのメリットや効果について十分に検証し、子どもや保護者、
学校現場の意見などを踏まえ、導入について検討してまいります。
〔政策推進担当部長歌川さとみ君登壇〕
8
○政策推進担当部長(歌川さとみ君)
寺沢議員のご質問のうち、マイナンバー制度についてお
答えをいたします。
本年10月以降に個人番号の通知が開始されることが予定されているマイナンバー制度は、国
が法律で定める事務のほか、地方公共団体が条例で定める事務にも利用可能とされています。し
かし、国から独自に利用するための基準が示されておらず、現時点では検討を行える状況にござ
いません。
次に、マイナンバー制度のメリットとデメリットについてでございます。メリットといたしま
しては、国が示している項目のとおりと考えております。一方、デメリットですが、国が制度設
計の段階であらかじめデメリットとなるものを排除しているため、区民にとってデメリットとな
る事項は現時点では想定できません。ただし、マイナンバー制度の導入により、区民一人一人が
これまで以上にご自身の個人情報の管理に責任を負うことになりますので、精神的にご負担を感
じられることは考えられます。区は、ご自身の個人番号の管理の重要性を周知するとともに、こ
れまで以上に情報セキュリティーの確保に努めてまいります。
また、今年度の費用負担につきましては、現時点では国から大きな仕様の変更等は示されてお
らず、当初予算で対応が可能と考えております。来年度以降の予算や国の補助については、現時
点では見通せる状況にはなっておりません。
区民への周知については、これまで区公式ホームページに加え、6月20日号の広報千代田を
皮切りに、月1回程度の頻度で区の広報紙を使った周知を行ってまいります。また、ほりばた塾
の活用などにより、マイナンバー制度を区民に直接説明する機会の確保に努めてまいります。
情報漏えいについては、主に職員のミスや故意によるものと外部からのサイバー攻撃によるも
のとに大別できます。このうち外部からのサイバー攻撃によるものも、被害の発端は電子メール
やインターネット閲覧時に被害を及ぼす添付ファイルやリンクをクリックすることなどであるこ
とから、職員の意識や気づきにより被害を防止できる可能性が高まるものと考えております。
そのため、先ほど申し上げました情報セキュリティーの確保には、職員に対する研修等が必須
と考えており、攻撃への感度や意識の向上のため、標的型メールへの対応訓練や定期的なパスワ
ードの変更、汚職防止研修などを実施し、情報漏えいの可能性の低減に努めています。またウイ
ルス感染につきましては、IT推進課で全庁LANの端末を監視し、感染が発覚した時点で直ち
にネットワークケーブルの抜線と上司への報告を指示し、感染したPCの回収を行い、対応を行
っておるところでございます。
○4番(寺沢文子議員)
4番寺沢文子、自席から再質問いたします。
小中学校の体操服のリサイクルについては、導入について検討していくというご答弁をいただ
きましたので、折に触れてどのように検証をされていかれたのか、検討をしていかれたのかをま
た再度確認させていただきたいと思いますので、それについての対応を進めていただきたいとい
うふうに思っております。
それから、このマイナンバー制度についてですけれども、非常にやはり私なんか特にそうです
けど、IT弱者なものですから、不安が大きいわけですね。それで月1回順次広報していく。そ
9
れからほりばた塾と、(ベルの音あり)あ、あと30秒。ほりばた塾というふうにおっしゃいま
したけど、このほりばた塾でやるよということを非常に大きく広報していただかないと、なかな
かそこで手を挙げる人も気がつかなくて、いないと思いますので、その辺はどんなふうに周知し
ていくのかお答えください。
〔政策推進担当部長歌川さとみ君登壇〕
○政策推進担当部長(歌川さとみ君)
寺沢議員の再質問にお答えをいたします。
今ご質問にありましたとおり、制度に対するわからないことに対する不安というのは非常に大
きなものがございますので、私ども、今ほりばた塾という一例を申し上げましたけれども、でき
る限り直接ご説明をする機会というのを増やしていきます。それとまた、ほりばた塾の周知とい
うものも出張所等も通じて行っていきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、3番岩佐りょう子議員。
〔岩佐りょう子議員登壇〕
○3番(岩佐りょう子議員)
第2回定例会に当たり、一般質問をいたします。
今回は、まちづくりについて2点お伺いいたします。
まず、道路の名称についてです。海外に比較して日本の道路に名前がないということは、日本
を訪れる外国人、とりわけ欧米人からよく指摘されています。現在、千代田区内の国道、都道は
ほぼ通り名がついていますが、区道に限って言えば、700余りの道路に対し1割程度しか名前
がある道路はありません。これは日本に限ったことではなくアジア特有だと言われています。確
かに欧米ではどんなに小さな路地でも名前がついており、通りの名前さえわかっていれば必ず目
的地に行けますし、通り名のみで目的地を説明できます。実際に住んでいても、同じ千代田区内
でも新しいお店などに行く際あるいは説明する際に、それが路地裏の小さな店だったりすると、
明神下の交差点を秋葉原方面に行って1本目を左に曲がって、さらに2本目を右に曲がって真ん
中辺に印刷屋の手前のビル、なんていう説明しかできません。住所を頼りに地図を見ても、結局
名前のある通りから曲がる角を確認し、本数を数え、歩きながら1本目、2本目と確認しないと
いけないし、住居表示自体が街区方式である日本では、行きついたブロックでさらにうろうろと
迷うことも少なくありません。住んでいてもそうなのです。まして外国人も含め、土地に明るく
ない人ならば迷ってしまうことは想像にかたくありません。
東京都が昨年解散した東京都通称道路名検討委員会では、道路に名称をつけることは、地域振
興、観光振興、緊急時の利便性などの理由があると説明しており、この委員だった増田明美さん
は、自身のブログで、「滞在したロンドンでは、リージェント通りやオックスフォード通りとい
う目抜き通りはもちろん、車が通れないような路地に至るまで名前がついていました。五輪のマ
ラソンコースも、「リーデンホール通りからマーケットに入ってライム通りに抜ける」という説
明が、また中継でも、「選手はクイーンビクトリア通りを東に向かっています」というので、画
面に映る景色に彩りが感じられました。道の名前は長く人々の生活にかかわっています」と述べ
ています。
また、観光政策のトップランナーである京都や札幌は、ほぼ全ての道路に名前があることで知
10
られています。観光政策の基本として、また路地裏も含めた商店街の振興のために位置情報の基
本となる通り名は必須ではないでしょうか。
やはり観光都市である長崎市も、2006年に行われた長崎さるく博の際に、観光客の誘致・
案内と歴史と由緒ある旧町名の復活を目指して通り名プロジェクトを発足し、地元自治会や商店
街と検討を重ね、多くの道しるべをつくりました。その結果、まちへの愛着や通りへの愛着、ま
ちづくりへの意欲などが向上することも検証されました。また、各商店が店舗の広告をしやすく
なったという効果も見逃せません。大通りに面していないお店にとって店舗情報をしっかりと発
信し、ユーザーにわかってもらうということは死活問題ですから、通り名とリンクすることによ
ってご商売はしやすくなると思われます。
千代田区にも、もっとプロモーションしていきたいまちの歴史や由緒ある旧町名がたくさんあ
ります。オリンピック・パラリンピックを機に、長くお住まいの方、商店を営まれている方、そ
して新しい住民がその歴史と成り立ちを振り返り、愛着のある名称をつけることはコミュニティ
を醸成する大きなきっかけにもなり得ます。そういった効果を期待しつつ、以下4つお伺いしま
す。
まず、サイン計画や各表示のリニューアル、地図の見直しなどの際に、通り名を一度整理し、
特に、駅前などでエリア的に来街者が多いところ、駅から観光スポットに向かうところ、人通り
の多いところを確認し、通り名、愛称とあわせて整理する必要があるかと思います。道路の相性
などの実態について、どのように情報収集していくのかお聞かせください。
そして、こうした情報収集を踏まえて、区が予定するシティプロモーションの中で旧町名や歴
史などをアピールする際に、通り名を新たにつけたり、既にある名称にさらに愛称をつけること
を取り組みの1つとしてできないでしょうか。
例えば、港区のプラチナ通りは、外苑西通りの白金六丁目交差点から白金台交差点までの緩や
かな坂道の愛称として有名です。名前をつけたことにより観光スポット化し、プラチナの名前を
つけるお店が後をたちません。通り名自体がブランドとなっており、わかりやすくその魅力をア
ピールするのに通りの名前や愛称は有効だと思われますが、いかがでしょうか。お考えをお聞か
せください。
次に、小さな道路でも各町会や商店街、地域にはさまざまな歴史や特徴があり、旧町名も含め
て地域でアピールしたい残していきたいというものがたくさんあります。地域が決める地域なり
のプロモーションの基本として名もない道路に名前をつけていくという作業を、まずは手続を地
域へ提案し、地域ぐるみでのオリンピック・パラリンピックの参加、観光振興への興味を推進さ
せてはいかがでしょうか。
また、道路だけではなく、交差点なども含めて区は管理をされているかと思います。この点、
交差点に注目し、全ての交差点をナンバリングするなどしてわかりやすく表示する試みをしてい
る自治体があります。成田市と高知県が有名なようですが、番号で表示し、地図とリンクをさせ
ることによって、観光客や運転手への案内の一助としているようです。車社会ではない千代田区
でどこまで有効かは検討する必要があるかと思いますが、来街者へ位置情報をしっかりと提供す
11
るための表示を道路の名前以外でももっと工夫してはいかがでしょうか。また、交差点について
は、主要と思われるところについても名称がないところが見受けられます。地域の愛着を醸成し、
道しるべとしての機能を期待して、名称標識の設置を推進してはいかがでしょうか、ご所見をお
伺いします。
オリンピック・パラリンピックを契機にさまざまなまちづくりが進められる中で、観光政策の
第一歩として名前という一番の基本的情報にしっかりと向き合うことをお願いし、次の質問に移
ります。
少子高齢化が進むことにより、福祉費が年々増加していることは全国的に問題となっており、
持続可能な介護・医療のためにも長期的な視点での介護予防に重点が置かれつつあることはご承
知のとおりかと思います。
介護予防については、各自治体取り組んでいるものの、それぞれの事業が科学的に検証されて
いるわけではなく、効果の点から言えば、どの事業を何年と言い切れないことは理解しておりま
すが、現在、区が行っている介護予防事業は多彩なメニューは充実しているもののスポット型の
ものがほとんどで、またそれぞれが週に1回程度のものと、日常的に行われているものではあり
ません。さらに、対象年齢が65歳からに限定されていますが、介護予防は生活習慣病予防も含
め、今や40代から始めたほうがいいと言われており、40代からも気楽に参加できる介護予防
事業が必要だと思われます。
そこで、東京オリンピック・パラリンピック開催を契機にまちづくりをするに当たり、日常生
活の中で介護予防を実現できるようなまちづくりをあわせて進められないでしょうか。
オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、区ではバリアフリーのまちづくりを推進する
としています。千代田区には皇居周辺のウォーキングはもとより、飯田橋、富士見、神田、神保
町、秋葉原、丸の内、番町、麹町とまち歩きに適したエリアが多く存在しています。こうした地
の利を生かしながら、オリンピック・パラリンピック開催中はもとより、開催後においても、日
常的な介護予防として、また認知症予防にも効果が高いと言われている歩くこと、ウォーキング
をしたくなるまちづくりを進める必要があると考えます。
そこでお尋ねします。日常生活の中で、年齢を問わず介護予防を推進することについて、区と
してはどのようにお考えでしょうか、基本的な考え方をお伺いします。
次に、日常生活を通じた介護予防として、歩くこと、ウォーキングを推進するため、誰もが歩
きたくなる魅力ある歩行空間づくりを進めることが必要だと考えますが、区のご所見とオリンピ
ック開催に向けた今後の方向性についてお聞かせください。
また、年齢が高い方々がウォーキングするに当たっては、定期的に休めるスポットが必要です。
こうしたスポットの整備により、日常的に歩いていけると思える範囲が広がると考えます。公園
以外でも、ちょっと座ることができるよう、歩道や公開空地上へのベンチ整備などについての考
え方についてもお聞かせください。
さらに、屋外だけではなく、雨の日でも運動が身近な場所でできるよう、例えば建物の中にお
いても階段を利用することを促すことが必要ではないかと考えます。しかしながら、昨今のオフ
12
ィスビルや公共施設などの建物はセキュリティーの関係もあるのか、階段が利用しにくい状況に
なっています。
そこでお伺いします。区役所や出張所など、区の公共施設の運営の中でもっと階段の利用を促
すような工夫ができないでしょうか。また、今後の施設整備の中で、エレベーターだけではなく、
階段使用も選択しやすいような工夫は考えられないでしょうか、ご所見をお伺いします。
以上、施設整備についてお伺いしましたが、次に、実際に行動を促す取り組みについてお伺い
します。
例えば、階段に消費カロリーを表示することによって、階段利用へのモチベーションが上がる
ことが知られています。ある地下鉄駅で階段に消費カロリーと励ましのメッセージを表示したと
ころ、エスカレーターの利用者が減り階段の利用者が倍増したという事例がありました。介護予
防施設にわざわざ疑似階段を設置していることからすれば、階段を昇降することは介護予防にそ
れなりの効果があると思われるので、日常的な階段の利用の促進をぜひ進めてはいかがでしょう
か。
そこでお伺いします。まちづくりや道づくりの中で、目的地とそこまでの消費カロリー表示を
可視化することはできないでしょうか。例えば、飯田橋の駅から区役所といった、拠点から拠点
の間の距離と所要時間、そのほかに消費カロリーを道に提示するなどの工夫ができないでしょう
か、ご所見をお伺いします。
こうした取り組みの積み上げにより、区内の散歩ルートを消費カロリーとともに提案したマッ
プなど、歩くことのモチベーションを上げる試みが可能になるのではないかと考えます。また、
介護予防インセンティブの仕組みとして、企業で最近はやっているウォーキングマイレージ制度
があります。これは一定程度歩いた分のマイルがたまれば表彰されたり、ウォーキングシューズ
などの商品が当たるというものです。こうした仕組みを導入できないか、ご所見をお伺いします。
以上、2020年までに進むことが予定されているまちづくりの中で、ぜひ取り入れていただ
きたい2点について質問させていただきました。前向きなご答弁を期待して質問を終わります。
ありがとうございます。(拍手)
〔区長石川雅己君登壇〕
○区長(石川雅己君)
岩佐議員のオリンピック・パラリンピックを契機としたシティプロモー
ションにおける道路の名称についてお答えいたします。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向け、区民の皆さんに大会へ
の関心を高めていただく機運醸成をするためには、区民とともに区の魅力を高めるシティプロモ
ーションの推進は重要だと認識しております。現在、シティプロモーションについては、検討組
織として、区内在住、在勤、在学者で構成をいたします千代田区魅力発信会議を新たに設置して
議論を始めたところでございます。今後、さまざまな観点から区の魅力についてのご論議をいた
だき体系化していきたいと考えております。
議員ご提案の道路の通称名や愛称は、道路への愛着が地域への愛着につながり、そのことがオ
リンピック・パラリンピック開催の機運醸成がなされていくものと考えております。区では、こ
13
れまでも地域発意に基づく道路の名称、通称名をつけてきたところでありますが、道路の通称名
や愛称が設定された道路が増えていくことは、シティプロモーションの観点からも必要であると
認識をしております。
なお、詳細その他の事項については、関係理事者をもってご答弁をさせます。
〔地域保健担当部長田中敦子君登壇〕
○地域保健担当部長(田中敦子君)
岩佐議員のご質問のうち、年齢を問わない介護予防とウォ
ーキングマイレージ制度についてお答えいたします。
初めに、年齢を問わない介護予防についてですが、議員ご指摘のとおり、若いころから日常生
活の中で健康づくりや生活習慣病予防に取り組むことが高齢者になった際の介護予防につながる
ものと考えております。また、高齢者を対象に実施している介護予防事業は、きっかけづくりと
しては大きいものの、事業に参加するだけでは十分でなく、日常生活の中で継続していくことが
重要であると考えております。
次に、ウォーキングマイレージ制度につきましては、介護予防や健康づくりのモチベーション
を高める取り組みの1つと認識しております。まずは、既にこのような取り組みを導入している
企業や自治体の事例について、効果や課題等を研究してまいりたいと考えております。その上で
行政が直接取り組むべきかどうかについても検討してまいります。
〔環境まちづくり部長細越正明君登壇〕
○環境まちづくり部長(細越正明君)
岩佐議員のご質問のうち、道路通称名の設定等に関する
ご質問に区長答弁を補足してお答えいたします。
区では、道路通称名設定要綱に基づき、道路愛護精神の涵養や道路交通の道しるべとしての効
果を期待して道路通称名の設定を推進しています。これは地域の発意に基づく申請を受け、区の
コミュニティ、商工観光関係者で構成される選定委員会の調整・審査を経て区長が決定するもの
で、現在73路線に通称名が設定されております。
道路の愛称などの実態把握のご質問ですが、通称名が設定されていない道路についても、地域
の中でさまざまな要望があることは認識しております。こうした地域の声については、日常の道
路管理を行う中で情報収集するとともに、出張所などを通じて聞き取りに努めてまいります。
次に、道路通称名の設定手続の地域への提案についてのご質問ですが、東京オリンピック・パ
ラリンピックに向けた観光振興の観点から、親しみやすい道路通称名を設定する機運の盛り上が
りに対応するべく、通称名設定の手順・手続の周知や選定審査のあり方についても検討を進めて
まいります。
また、交差点標識における番号表示につきましては、成田市における成田山新勝寺など、特定
の目的地に向けた案内機能として有効であることはご指摘のとおりでございます。しかしながら、
本区は首都東京の中心に位置し、来街者の目的地も多様であることが想定され、こうした番号表
示の効果は限定的であると考えられます。また、実施に当たり、道路管理者や交通管理者との調
整も必要となることから、あわせて今後の研究課題とさせていただきます。
一方、交差点標識につきましては、その場所が交通上著名な地点名等をつけることとなってお
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ります。区道の交差点においても、設置がふさわしいものにつきましては、地域の要望などを踏
まえ、交通管理者との協議を経て設置することが可能でございます。今後も東京オリンピック・
パラリンピックに向けた地域の機運の盛り上がりに対応して、名所設定、標識設置ができるよう、
手続の明確化などを検討してまいります。こうした動きを加速することが来街者への位置情報の
提供にも寄与するものと認識しております。
次に、介護予防の視点を盛り込んだまちづくりについてお答えいたします。
区は、誰もが移動しやすい環境の整備を進めることを長期計画ちよだみらいプロジェクトの目
標の1つに掲げ、バリアフリー歩行空間の整備等を推進しています。これまでも千鳥ヶ淵緑道の
改修では、バリアフリー化とともに千鳥ヶ淵四季の道として桜を初め、四季を通じて水辺と折々
の草花を楽しめる遊歩道を整備したほか、歩行者専用道の大手町川端緑道では、都市の歴史を感
じる意匠やベンチの設置など、歩いて楽しい道づくりにも取り組んでおります。さらに、電線類
地中化にあわせて、まちづくりを通じた地域の魅力の向上に資する歩行空間の整備も進めており、
バリアフリーに加えて歩く楽しさにもつながる歩行空間の創出に取り組んでおります。
また、拠点間の距離や歩くことによる消費カロリーの可視化についても、先進自治体の取り組
みなどを研究するとともに、区の公共施設においても、歩けるという視点から階段利用も選択で
きる施設の運用や整備について研究してまいります。
一方、歩くことを促すために適度に休めるスポットが必要であることは議員ご指摘のとおりで
ございます。歩道や園路といった歩行空間におけるベンチの設置や開発に伴う広場整備等におい
て、休む場所を確保することもオリンピック・パラリンピックに向けたまちづくりの課題である
と認識しております。
○議長(戸張孝次郎議員)
午後1時56分
議事の都合により休憩します。
休憩
15
午後2時07分
再開
○議長(戸張孝次郎議員)
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
21番林則行議員。
〔林則行議員登壇〕
○21番(林則行議員)
平成27年第2回定例会に当たり、子どもの遊び場確保と保育所の整
備計画について質問いたします。
4月に、西神田、四番町、麹町保育園3園と、ふじみ、いずみこども園の計5園の砂場の入れ
かえをしました。5月8日、四番町保育園の砂場で透明プラスチック片が見つかりました。砂場
の点検をしたところ、麹町保育園、ふじみ保育園でも透明プラスチック片が見つかりました。5
月12日、区は砂の納入業者に調査を依頼し、プラスチック混入が確認され入れかえを要請しま
した。ところが1カ月以上たっても園児たちは砂場での遊びができない状態が続いております。
この業者が砂の入れかえをした他自治体でも砂にプラスチック片の混入が発生しているとのこと
です。砂の納入業者からは、静岡県西部地区の採取場所でプラスチック片が混在していたとの報
告があったそうです。砂の入れかえは7月中旬以降になる予定だそうです。
保育園には、先月砂場の入れかえをしましたが、その中にプラスチック片がたくさん見つかり
ました。大変危険なので、再度砂の入れかえをしていただく予定です。なお、子どもたちの安全
を考慮し、砂を入れかえるまでは砂場遊びは当面禁止にいたしますのでご理解とご協力をお願い
しますとの掲示があります。
区長は招集挨拶で、子どもの成長と子育てを支援していくことは明るい未来のため不可欠、本
年度から始まるちよだみらいプロジェクトにおいても、子育てしやすいまちを第一の重点プロジ
ェクトと、子育て環境の充実を述べられました。にもかかわらず、保育園、こども園の園児が2
カ月も砂場で遊ぶことができない事態を改善できずにいる現実と、区長招集挨拶の意気込みとの
乖離に対し、区教育委員会はもっと深刻に受けとめる必要があります。
そこでお尋ねをいたします。今回の事件の原因分析とともに、納入業者の責任問題、対応の遅
さについて、区教育委員会の見解をお示しください。
次に、保育所の代替園庭としている公園等の整備について伺います。
千代田区には現在59の公園、児童遊園があります。そのうち民間保育所などが園庭を整備で
きずに19園を近隣の公園等、代替園庭としております。その1つ西神田公園の遊具は小さな滑
り台、ブランコは2台で、乳児が乗れるかご型のブランコはありません。鉄棒もありません。敷
地内には介護予防遊具6基が設置されています。ブランコ遊びをしているとたばこの煙が漂いま
す。公園内にはボール遊びは禁止など、子どもが自由に遊べないよう禁止事項の看板があります。
この看板はどの公園、児童遊園にも必ず設置されております。園庭がなく、公園でしか外遊びが
できない民間保育所の園児たちのためにも、これまでの区の公園改修計画を大幅に変更すべきだ
と思います。
千代田区オリンピック・パラリンピック推進プロジェクトで、公園、児童遊園の整備が掲載さ
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れておりますが、代替園庭となっている19園を最優先に整備していくことが子育てしやすいま
ち千代田区の最優先課題だと考えております。
以上を踏まえてお尋ねいたします。本年度より事業部の筆頭部となった子ども部は、子どもの
目線から庁内で代替園庭として活用している19園の改修を要請しているのか、庁内の議論を含
め、これまでの取り組み状況をお答えください。
次に、公園の禁煙化について伺います。
区長招集挨拶で、区は公園についてこれまで分煙を基本としてきた。しかし、公園利用者との
トラブルが多発、こうした状況を打破すべき公園を道路と同様に禁煙対象とする条例改正を行い
順次取り組むと述べられました。「何かを始めるのに遅過ぎることはない」の言葉どおり、全国
に先駆け、罰則である過料を徴収できる条例を制定した千代田区が、路上だけでなく公園まで禁
煙対象区域を広げることは非喫煙者から歓迎されるはずです。平成25年2月に行われた区長選
挙の法定ビラや選挙公報に、石川区長は、子どもの遊ぶ公園は禁煙公園と公約を掲げられました。
私も子どもが遊ぶ公園は禁煙公園に大賛成です。本年度中に保育所が代替園庭として利用してい
る19園を禁煙対象に先行して行うべきだと考えております。
公園の分煙は失敗でした。芳林公園の喫煙所は、前期の環境文教委員会で現地調査をした結果、
分煙は不可能だとの認識で一致しました。喫煙所の建物を公園内に設置することもできない現状
では、公園を禁煙対象にするしかありません。
そこでお尋ねをいたします。区長招集挨拶の公園を禁煙対象にすべく順次取り組む、そして、
区長選公約である子どもが遊ぶ公園は禁煙公園にどのような手順で取り組んでいこうと考えてい
るのかお答えください。
次に、保育所の整備計画について伺います。
前期の環境文教委員会で、麹町保育園が一番町の本園舎に戻る平成28年5月以降も引き続き
80名規模の保育所として活用していくことを確認しておりました。保育需要の高まりを踏まえ、
この地区に新たな認可保育所の誘致も必要だと議論を積み重ねてまいりました。
昨年、平成26年第2回定例会で、私の代表質問に対し区長は、現在、麹町保育園が利用して
いる三番町仮園舎の移転後利用は、英知を結集し、当面、保育機能として利用できるよう早急に
答えを出したい。麹町地区の保育需要が従来に比べてかなり多いということ、待機という概念に
は入っていないが、育児休業中の方々が安心して職場へ復帰できるよう対応を考える必要がある。
仮園舎は、さまざまな知恵を働かせ活用を考えていきたいと答弁しました。つまり、麹町保育園
が移転後も三番町仮園舎を残し、保育需要がなくなるまで保育機能を活用していくと本会議場で
明言をしております。そして、2年前の区長選挙でも、区民に三番町仮園舎を保育施設として引
き続き活用していくとしておりました。ところが、6月1日に行った三番町仮園舎の保育所運営
事業者募集要項では、議会が積み重ねてきた議論と石川区長が区長選挙の際に区民に公約してき
たこととはかけ離れたものになっています。定員は40名程度、平成29年に現在の仮園舎を解
体、運営事業者は靖国通り南側から麹町通り北側までの広範囲の中に80名規模の保育所を新た
に設置するなどが条件です。
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本年度も、区掲示板で区立保育園の保育士を募集していたくらいですので、年度途中の保育士
確保は極めて困難です。議会でも、保育所を増やす最大の課題は保育士の確保という認識は一致
しておりました。三番町仮園舎近隣は保育需要が極めて高い地域です。なぜ、区長は本会議答弁
と委員会の集約や区長選挙の約束と異なる方針を出されたのか不思議でなりません。
0歳児人口推計は、区の次世代育成支援計画で平成27年度511名であったのが6月1日現
在614名に達しているとのことです。にもかかわらず、三番町仮園舎を1年半後に解体しなけ
ればならない理由を見つけることは極めて困難だと誰もが感じるはずです。
三番町仮園舎の場所が都市公園計画予定地なのは承知しております。しかし、渋谷区や世田谷
区は公園内に保育所を新たに設置しております。本区でも昭和4年から東郷公園に九段小学校プ
ール、錦華公園にお茶の水幼稚園仮園舎など、数十年にわたり区長の判断により公園内に子ども
施設が設置されております。
また、隣地の民有地に崖があり、区は補強工事ができないことも、消防法との関係で準耐火性
の建物だということも把握した上で議会では議論を重ねてまいりました。
そこでお尋ねいたします。なぜ、区は平成29年に三番町仮園舎を解体する方針となったのか。
区長選の公約と本会議区長答弁を踏まえてお答えください。あわせて三番町仮園舎を活用しない
で保育需要を満たすことのできる根拠があればお示しください。
次に、神田保育園の園舎について伺います。淡路公園内に仮園舎、神田消防署跡地に仮々園舎
と点々としてきた神田保育園は、平成25年、ようやく本園舎が完成しました。その神田保育園
エレベーター前の柵に不備があり、木の部分がささくれ立つ欠陥施設となっております。小さな
事例ですが大きな問題をはらんでおります。なぜ手抜き工事が見抜けなかったのか、なぜ発見後
すぐに対策工事ができないのか、そしてなぜ放置され続けているのかです。
区長招集挨拶で、今後とも子どもたちが健やかに学び、遊び、成長していくことができるよう
質の高い保育を推進とありましたが、真逆の事態が区立保育園の新園舎で起きていることが深刻
なのです。区は、今年度子ども部を事業部の筆頭部にしましたが、組織をいじれば、質の高い保
育ができるわけではないことを証明するような事例です。
そこでお尋ねいたします。神田保育園園舎の欠陥部分について、把握されてからどのような対
策をとられてきたのかお答えください。
最後に、就学前児童人口の増加に対する区の方針を伺います。
子ども・子育て支援新制度の課題として、次世代育成支援計画の人口予想を上回り増え続けて
いる、需要数と供給数の見直しを早急に進め、区民ニーズに応えると招集挨拶で述べられていま
す。千代田区は、流入人口や再開発による大規模高層住宅も増え続けております。それらに対応
し認可保育所や無認可保育所である東京都認証保育所を次々と誘致しております。地価の高い千
代田区では民間保育所は園庭を整備できません。代替園庭となる公園等の場の空間確保の限界が
どこにあるのか早急に調査する必要があります。限界を見きわめ、遊び場確保のために土地の購
入も視野に入れなければ保育所でなく託児所ばかりになってしまいます。子どもが健やかに育つ
ための環境確保の条例に基づき、公立、私立の格差をなくすためにも用地が必要となってくるは
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ずです。
そこでお尋ねをいたします。現状で千代田区はあと何名程度まで子どもが健やかに育つための
環境を確保された保育施設が設置できると認識しているのか、限界数値があればお答えください。
あわせて外遊びのできる用地購入等の是非についてもお答えください。
以上、明快なる答弁をお願いいたしまして一般質問を終わります。ありがとうございました。
(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
林議員の子ども遊び場確保と保育所の整備計画についてのご質問
にお答えいたします。
まず、保育園の砂場についてでございますが、保育園では定期的に砂場の砂の入れかえを実施
しております。このたび砂の採取場所にプラスチック片が混在し、業者の責任で入れかえるとの
報告を受けてございます。現在、砂の採取場所変更の手配を行っておりまして、7月10日を目
途に砂の入れかえ作業が完了する見込みでございます。
次に、保育所の代替園庭として活用している公園の改修についてでございますが、子どもが健
やかに育つための環境の確保に関する条例に基づきまして、園庭の確保が困難な保育所に対しま
して、全ての区立学校の校庭や園庭も共同で利用できるよう調整を進めてきたところでございま
す。また、近隣の公園や児童遊園なども一定の時間帯に利用できるよう所管課と連携し、利用方
法の基準づくりの検討を進めております。その中で公園等の整備につきましても、必要な整備に
ついての協議を進めてまいりたいと思います。
次に、子どもが遊ぶ公園の禁煙化についてでございますが、公園につきましては分煙化で非喫
煙者への受動喫煙防止が十分に達せられないと認められる場合には、屋内喫煙所設置助成制度を
活用した屋内喫煙所を設け、禁煙化や分煙化など適切な手段を講じていくのが区の方針でござい
ます。加えまして、保育園での代替園庭での利用制限や時間限定での禁煙化につきましても、子
どもの健康を第一に考え、運用面において対応してまいりたいと思います。
次に、三番町の麹町保育園仮園舎についてでございますが、ご指摘のとおり、三番町の麹町保
育園仮園舎は都市公園として未供用という中で、麹町保育園の仮園舎建築工事期間中の仮設建築
物の許可を得て設置したものでございます。したがいまして、新園舎竣工後は除却するのが原則
となってございます。しかしながら、就学前人口の急増によりまして保育需要の増大により、三
番町の仮園舎の活用なくして保育需要の充足は困難と見込まれることから、緊急保育施設として
新たな認可保育所設置までの間、活用とすることとしたものでございます。しがいまして、緊急
保育施設設置の必要性がなくなれば、本則に立ち戻り、除却し、子どもの遊び場等を含め有効活
用を検討することになります。
次に、神田保育園園舎のふぐあいについてでございますが、神田保育園園舎はいずれも軽微な
ものではございますけれども、修理の必要な箇所が見受けられるという状況でございます。その
都度施工業者に補修を求め対応しているところでございますが、先日も瑕疵検査がございまして、
施工業者に対し改修を指示しているところであり、今後も修繕等の必要があれば適切に対応して
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まいりたいと思います。
次に、保育施設設置の限界数値と外遊びできる用地購入の是非等でございますが、例えば、育
児休業が、現在は原則、子が満1歳になるまででございますが、育児休業期間が延長されれば保
育需要が減少する可能性がございます。このように、保育需要は就学前人口の動向のみならず、
両親の働き方と深いかかわりがございまして、限界数値の算出は極めて困難と考えてございます。
また、子どもが安全に外遊びできる場所の確保は喫緊の課題と認識をしてございますが、用地
の確保は極めて困難なのが実情でございます。したがいまして、低未利用国公有地の一時借用な
ど、可能な手段を模索してまいりたいと考えております。
○21番(林則行議員)
21番林則行、自席から再質問いたします。
2点、再度確認します。
代替園庭となる公園、19の公園、児童遊園の禁煙化についてです。今まで運用面で大変工夫
を凝らしてきたんですけれども、残念ながら効果を発揮しなかったんで、今定例会の区長招集挨
拶になったような、あるいは区長選挙で公約に掲げられたような、公園を全面禁煙にするという
ところに踏み込むのかなと思ったら、どうやらそうでもないようなので、庁内でどう、今までの
反省点を踏まえて、運用面で何が改善できるのかという根拠を示していただきたい。
2点目が、三番町仮園舎についてです。それは、(ベルの音あり)除却というのはそうなんで
しょう。で、私が質問で聞いたのは、新たな認可保育所と、加えて三番町の現在の80名規模の
園舎を解体してまで保育需要が満たせる根拠があれば示していただきたいという質問をしたんで
す。その点について一切お答えになられていないんで、根拠を示していただきたいと言っており
ます。
以上です。
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
林議員の再質問にお答えいたします。
まず1点目の代替園庭についてでございます。これにつきましては、公園につきまして保育園
の代替園庭での子どもが遊ぶ時間帯の例えば時間帯での利用制限とか、時間限定での禁煙化等、
子どもの健康を第一に考え、さらに運用面において、現在、所管課と協議をしております。した
がいまして、その結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えてございます。
それから、2点目の三番町の仮園舎でございますが、先ほど申し上げましたとおり、三番町の
麹町保育園仮園舎は、あくまでも仮設の建築物でございます。(「わかっているよ」と呼ぶ者あ
り)したがいまして、新園舎完成後は速やかに除却するのが原則となってございます。しかしな
がら、三番町の仮園舎の活用なくして待機児童の解消は困難と考えてございまして、待機児童が
解消されるまでの緊急保育施設で活用するということでございます。したがいまして、待機児童
が解消するまでは存続するということでございますので、現時点で将来の活用期限を決定したも
のではありません。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、10番飯島和子議員。
〔飯島和子議員登壇〕
20
○10番(飯島和子議員)
日本共産党区議団の一員として一般質問を行います。
初めに、教科書採択について質問します。
今年8月は区立中学校及び中等教育学校前期課程で来年度から4年間使用する教科書の採択が
えが行われます。採択用見本教科書の展示会が7月3日まで千代田図書館で開かれており、私も
公民の教科書を数社見比べてみました。驚いたことに、ある教科書は現憲法が押しつけられたも
のとし、改憲手続の記述に多くの字数が費やされたり、軍事力と日米同盟が平和に必要と記述が
される、特定の党首の写真を頻繁に掲載するなど、公正とはとても言いがたい内容でした。
かつて教育、教科書は軍国少年、少女たちをつくるために使われました。この過ちを二度と繰
り返してはなりません。教科書を戦争をする人づくりの道具にすることがないよう、慎重に良識
を持って採択に臨める環境にし、将来に禍根を残すことがないようにすべきです。そのために2
点改善点を求めます。
1つは展示会場の増設です。多くの保護者、区民が気軽に見ることができるためには、千代田
図書館1カ所では不十分です。まちかど図書館など、区有施設を利用して展示会場を増やすこと
を求めます。
もう1つは、採択にかかわる教員と教育委員の方々が丁寧に比較検討できるようにすることで
す。例えば、社会科教科書だけでも全社で約5,000ページになり、多忙な教員や非常勤の教育
委員が短期間で調査することができるでしょうか。今年も複数の教科書会社が教員の自宅にまで
営業活動訪問をしていることが問題になっています。教員側から見本本を要求した例もあったと
報道されています。丁寧に調査するため手元に置きたかったのかもしれません。内容をしっかり
吟味できるよう、採択関係者に見本教科書を配付することを求めます。
次に、75歳以上の医療費助成制度について質問します。
今国会で入院給食費や紹介状なしの大病院受診時の負担増などが含まれた医療保険制度改悪法
案がわずかな時間で自民、公明、維新などによって強行採決されました。さらに、後期高齢者医
療保険料は2年ごとの見直しのたびに上がり、低所得者の軽減特例措置は2016年度から廃止
です。前定例会で該当する区民は加入者の40%、約2,100名、その額は2,000万円と伺
いました。一人当たりにすれば平均約1万円の負担増となります。年金受給額が減らされる中で
負担増が幾つも重なり、継続的治療が必要な複数の疾病を抱える高齢者は受診抑制にもなりかね
ません。全国的な医療機関である全日本民医連が648の病院に行った調査では、経済的な理由
による受診抑制で重篤化となり、死亡の例が2014年に56件もあったことが発表されました。
この数字は氷山の一角にすぎないと思われます。早期発見、早期治療によって重篤化を防ぐため
に、当面75歳以上の方の医療費助成を区独自に行うことを再度提案します。
東京・日の出町は、助成を実施し、住民からは喜ばれた上、医療費支出が減る効果もあったと
聞いています。生存権にかかわる医療費は本来無料、低額であるべきですが、当面、以下の2点
を求めます。
3割負担を2割に引き下げることと同時に、年間窓口負担の一定額以上について助成をするこ
とを求めます。
21
最後に、障がいのある方が安心してくらせるための質問に移ります。
日本は、障害者権利条約を昨年1月にやっと批准しました。141番目の締結国であり、世界
でも極めておくれた国です。批准に向けた法整備の中で、2006年につくられた自立支援法は
応益負担が原則とされ、自立支援の名前と正反対のものでした。これに対して憲法13条、14
条、25条、ノーマライゼーションの理念に反するとした14地裁、71名の原告による違憲訴
訟は、1年半に及ぶまさに命を削る運動となり、国との間で基本合意文書を取り交わすことで2
010年1月に和解するに至りました。合意の内容は、国は応益負担導入によって障害者、家族、
関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけた
という反省の上に立って、自立支援法を廃止し、憲法に基づく障害者の基本的人権の行使を支援
する制度をつくることでした。しかし、その後つくられた障害者総合支援法は、応益負担が残さ
れるなど、極めて不十分なものであり、関係者からは怒りの声が上がりました。この支援法のも
とに、区障害福祉計画、平成27年度から29年度までの計画が策定されました。内容は、地域
で生活するための支援計画策定となっています。ちよだみらいプロジェクトは、目指すべき10
年後の姿として、地域において障害の種類や程度にかかわらず自立した日常生活を過ごせるため
の配慮がなされていることと記されていますが、現状に照らすと課題は山積しています。区内の
障害者手帳所持者、医療助成を受けている方は2014年8月で2,000人弱となっています。
その中で、精神に関する方はこの4年間で100名近く急増し、今後顕在化することも予想でき、
関係部署の体制の整備拡充が必要と思われます。
3つの角度から質問します。
1つ目は、地域で暮らすために不可欠な居住の確保についてです。障害者権利条約第19条は、
全ての障害者が他の者と平等の選択の機会を持って居住地、居住施設を選択する権利の保障を明
記しています。区の計画策定に向けたアンケート結果は、区営住宅等一般住宅の確保を望む方が
多いとなっています。しかし、区営住宅空き家募集はいつも100倍近くであり、当選はままな
らない現状です。区営住宅は障害者手帳を持つ方とそのご家族の申し込みは3倍の優遇措置があ
ります。身体1から4級、愛の手帳1から3度、精神1から2級の方となっており、わずかな支
援があれば日常生活を送ることができる軽度の方は該当していません。障害のある方の地域での
生活の可能性を広げるためにも、区営住宅は計画中の99戸だけではとても不十分なことは明ら
かです。借り上げ型なども含めて増設が必要です。当面、世帯全員が手帳を持っている場合、軽
度であっても区営住宅申し込みの優遇措置が該当するよう拡充を求めます。
東京都が行った平成25年度障害者の生活実態調査によると、主たる収入は、精神の3割が生
活保護、その他は年金、恩給が多く、その年収額は50万円から100万円未満の層が最も多く
なっています。収入なしが精神の3割、その他でも1割近くを占めています。この方々が入居で
きるグループホームが必要です。グループホームは日中就労やデイサービスなどで過ごしながら
食事提供などの支援を受ける共同生活の場です。現在、区内にはグループホームが2カ所ありま
す。いずれも家賃助成があるとはいえ、共益費や光熱費、食費などの自己負担分は9万円から1
1万円になります。グループホームで暮らすある方は、障害者年金と福祉手当は合計約7万5,0
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00円、ホームの支払いにも足りません。ジョブサポートの平均工賃は1万6,000円前後であ
り、仕送りがない限り定住は困難です。家賃が応能負担のグループホームの整備計画が必要では
ないでしょうか、見解を求めます。
いかなる居住形態を選択しようと、そこで安心して暮らせるためには個別ニーズに対応できる
体制が必要です。総合支援法は、今年4月までに全ての福祉サービス受給者のサービス利用計画
案の作成を必須化していました。利用計画は数カ月おきの見直しも必要です。この計画相談を提
供する区内事業者はえみふる1カ所、3名で対応しています。時間がかかる割に報酬単価が低く、
事業所や人材が確保できず、東京で10%程度の達成率だったと聞いています。千代田区では、
期日までに全ての福祉サービス利用者の計画相談は行えたのでしょうか。きめ細かな利用計画を
策定できるよう、早急に体制の強化を求めます。
総合支援法は、65歳以上の方に対して介護保険利用を優先することとしています。支援法に
よるサービスは無料あるいは自己負担上限金額が定められていますが、介護保険は多く使えば利
用料は高くなり、利用料の設定も異なるため、同様のサービスを利用しても自己負担分が異なり
ます。例えば、障害支援区分3、要介護度4の方がショートステイを利用する場合、支援法に基
づくえみふるは1泊1,800円ですが、介護保険の特養ホームは3,000円を超えます。また、
介護保険はサービス給付限度があり、限度以上の利用は10割負担となります。区独自の施策を
利用してもサービス内容は限られています。65歳以上になってから障害を発症してサービスを
受ける場合、総合支援法と介護保険の選択ができるようにすることを求めます。また、介護保険
利用の場合も、総合支援法の上限額以上について助成をすることを求めます。
障害の発症は交通事故や疾病、高齢化によるなど、誰にでも起こり得ることです。また防ぐこ
とも可能な公害や労働環境の悪化など、社会的な原因によるものもあります。中でも戦争は多く
の人の身体や精神に障害をつくり出してきました。40年以上前、米軍の化学兵器使用でベトナ
ムではいまだに障害を持つ赤ちゃんが生まれています。このようなことにつながりかねない戦争
法案は廃案、撤回すべきことをつけ加え、質問を終わります。(拍手)
〔教育長島崎友四郎君登壇〕
○教育長(島崎友四郎君)
飯島議員の教科書採択についてのご質問にお答えいたします。
まず、教科書展示会場についてのご質問ですが、教科書展示会は教科書発行臨時措置法に基づ
き実施することとされており、本区ではその会場を千代田図書館としております。また、神田さ
くら館の区立教育研究所には教育センターが設置され、各種教科書を常時展示しており、今回の
教科書採択にかかる見本本についての展示もなされております。見本本として本区に送付される
教科書の部数は限られており、会場を増やして展示会を行うことは困難ですが、教育研究所にお
いても自由な閲覧ができることについてはホームページ等で周知してまいります。
次に、採択関係者に見本本の配付をとのご質問ですが、区に送付される部数が限られているこ
とから、採択関係者に個別配付することは事実上不可能でございます。教育委員会では、調査委
員や選定委員、教育委員等の関係者が十分に教科書の内容を吟味できるよう時間的余裕を持った
採択スケジュールを設定するとともに、各中学校、中等教育学校への配付や教育委員会事務局で
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の配置により、関係者が実際に見本本を手に取って調査研究できるような配慮をしております。
教育委員を初めとする関係者の十分な調査研究をもとに、公正かつ適正に教科書採択が行われ
るよう、十分な配慮のもとに採択事務を執行してまいります。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
飯島議員のご質問のうち、初めに75歳以上の医療費助成制度
についてお答えいたします。
まず、後期高齢者医療制度の窓口負担についてですが、現在、所得や収入に応じて1割、また
は3割負担となっております。急速な少子高齢化のもとで後期高齢者医療制度に限らず社会保障
制度の持続可能性を高めるためには、年齢による負担から負担能力に応じた負担へ見直しが進め
られることは避けて通れません。このような状況下では、一定以上の所得のある加入者の窓口負
担割合を75歳以上であることを理由に3割から2割へ引き下げることは適当でないと考えてお
ります。
次に、年間窓口負担の一定額以上に助成する制度の創設についてですが、後期高齢者の医療費
の支払いに関しては、他の医療保険制度と同様に高額療養費制度があり、所得区分に応じて月ご
と診療区分ごとに患者が負担する限度額が決められております。また、同時に介護保険も利用し
た場合には、高額介護合算療養費制度があり、医療費の自己負担額と介護保険の利用者負担額を
合算して限度額を超えた額を払い戻しております。
これらの制度におきましても、負担能力に応じた負担とすることが必要であり、後期高齢者医
療制度だけに助成制度を設けることは適当でないと考えます。
続いて、障害者福祉についてお答えいたします。
まず、障害者の住まいの問題です。この課題に取り組む上では、障害に対する日常的な支援の
面と障害者の所得水準が平均的に低いという面の両面から考える必要があると考えております。
また、周囲の住民の理解という面も考慮していかなければならないと思います。保健福祉部では、
障害者の住まいの問題を重要な課題として認識しており、本年4月に組織整備も実施し集中的に
検討を開始しております。
ご質問として、区営住宅申し込み時の優遇措置と、応能負担家賃のグループホーム整備につい
て具体的な要求と提案をいただきましたが、どちらの課題につきましても、福祉の視点からの住
まい方を考えていく中で十分検討してまいりますので、ご理解いただきたいと存じます。
次に、サービス等利用計画の作成についてですが、平成26年度末現在の本区における作成状
況は52%となっております。100%に至っていない主な原因は、サービス等利用計画作成の
必要性が障害福祉サービスを利用されている方に十分理解されていないことにあると考えており
ます。区では、えみふるの運営法人に対して必要な体制強化には全面的に支援すると以前から伝
えており、今後とも法人と力を合わせて障害福祉サービス利用者への働きかけに努めてまいりま
す。
最後に、介護保険サービスと障害福祉サービスとの関係についてです。現行制度では、介護保
険優先を原則としつつ、介護保険の支給限度額を超える場合や、介護保険サービスには相当する
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ものがない障害福祉サービスを必要とする場合、また、利用可能な介護保険サービスが身近で提
供されない場合などには障害福祉サービスを利用することになっております。議員ご指摘の問題
点は、障害者団体などからも強く指摘されている状況がございますので、国において適切に制度
の再検討が図られることを期待しております。
○10番(飯島和子議員)
10番飯島和子、自席から再質問いたします。
まず初めに教科書採択についてなんですが、教育センターでも見られるようになってますよと。
ちょっとお声が小さかったんで聞こえなかったんですが、これからホームページにも掲載をしま
すよと言われたんですか、現在してないんですよね。今は、見るのは図書館だけだというふうに、
ホームページになっているんですよね。ですから、そこの点は改善を早急に求めたいというふう
に思います。
また、おりてくる教科書の冊数が限られているというふうにおっしゃいましたけども、やはり
慎重に比較検討ができる、そういう条件をつくるためには、もし何カ所も、本当に見れる自治体
もあるんですね、中にはね。そういうところはどうなっているのかちょっと聞いてみて、また都
教委や文科省のほうにも、実際に採択にかかわれる人数分よこせというふうに言ってほしいと思
いますね。(発言する者あり)やっぱり子どもたちがこれから学んでいく大事な教科書なんです
ね。そこの点で、きちっと調査に当たる方が時間をかけて比較検討した上で選ぶという、そうい
う条件がどうしても必要だと思います。その点で、今の状況では不十分だということを私は思っ
ているんですが、教育長は不十分な体制をとっているというふうにお思いなんでしょうか。その
点をちょっと確認したいと思います。
それから、障害者の方の問題なんですが、今、障害者の方の介護をしている方はほとんどご家
族の方で、ご家族の方は親御さんが多くて、高齢になった場合、自分の亡き後、親亡き後がどう
なるかというご心配、非常に大きいものです。それは区長の耳にも直接入っていると思います。
それをきちっと手当てしていくというのは、非常にさまざまな問題はあることは私も承知してい
ます。所得が低いこと、それに対してきちっと応能負担でやっていけるというためには、やっぱ
り区立のグループホームなりが必要ではないかというふうに思うわけです。実際に23区、近隣
区でも、区立でグループホームをつくっているところ何カ所かあります。そういうところをぜひ
事例を参考にして、千代田区でもその方向へ進んでいただくように、ぜひ検討を、(ベルの音あ
り)お願いしたいというふうに思います。
じゃあ、以上で質問を終わります。
〔教育長島崎友四郎君登壇〕
○教育長(島崎友四郎君)
飯島議員の再質問にお答えいたします。
まず、教科書展示会場のPRのことですけれども、教科書展示の案内をしているホームページ
には、現在、教育研究所の教科書センターのところでも閲覧ができるというふうな表示に直して
おります。
○10番(飯島和子議員)
いつ直したの。きのう――きのうまでは完全に違いましたよ。
○教育長(島崎友四郎君)
現在直しております。
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○10番(飯島和子議員)
あそう」と呼ぶ者あり)
○教育長(島崎友四郎君)
はい。(発言する者あり)
それから、(発言する者あり)それから2点目の、教科書採択が見本本の配付の問題ですけれ
ども、この教科書の展示に関する事務は教科書発行に関する先ほどの臨時措置法によって本来都
道府県の事務とされていて、それが特例条例で区におりて執行しています。各教科書会社による
公平さを担保するとともに、採択の公正さを確保するために、かなり厳密な規則とかあるいは都
区間の取り決めの中で実施しています。その中で、各教科書間の公正さを確保するという意味で
は、なかなか単独の区で自由に動くというところが難しいところがございます。現行の中で、区
によって冊数等違ってくると思いますけれども、私どもは公正さと公平さを確保するという現行
のシステムの中で、なるだけ多くの方に見ていただくとか、あるいは採択の関係者がなるだけ手
に取って見られるような最大限の工夫をして、公正かつ公平に教科書採択ができるように最大限
の工夫をとっているということでございます。
〔保健福祉部長松本博之君登壇〕
○保健福祉部長(松本博之君)
飯島議員の障害者に関する再質問にお答えいたします。
障害者の家族会の方とは定期的に区長を含めまして懇談の機会を持たさせていただいておりま
して、その中でも、ご指摘のとおり、親亡き後の心配というのが最大のことであるということは
区長ももちろんですし、保健福祉部としても重く受けとめておるところでございます。
そうしたこともあり、それに応えていくためにも、今年度組織も改正をし、その改正というの
も、今まで障害者の部門と生活保護などの部門が1つの課になっておりましたが、障害者福祉の
課を単独で設けるとともに、障害者を含めました福祉的な視点からの住まいのあり方を検討する
専管の課長を置き、今年度精力的に検討を始めておるところでございます。
これからその中でどういう方針を打ち出していくかということになってまいりますけれども、
ただいまご指摘のありましたようなグループホームという形式も大きな選択肢のうちの1つでご
ざいますし、またさまざまな方が1つの建物の中に一緒に住んでいくというようないろいろな事
例がありますので、そうしたことも含めまして、千代田区の実情に合ったいい方針を導いていけ
ればよいなということで、精力的に取り組む所存でございます。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、11番牛尾耕二郎議員。
〔牛尾耕二郎議員登壇〕
○11番(牛尾耕二郎議員)
日本共産党区議団の一員として一般質問を行います。
私は、子育て世代を応援するという立場から3つの問題を質問します。
まず1つ目に、どの子も希望する保育園に通えるよう認可保育園の整備を進めることです。
(「そうだ」と呼ぶ者あり)今年3月、認可保育園を希望しながら不承諾となった子どもの数は
253人でした。昨年の140人から100人以上増えています。希望する認可保育園に入れな
かった場合、認証保育園などを利用しながら認可保育園があくのを待つことになります。保護者
の中には、上の子、下の子を別々の保育園に通わせながら認可保育園があくのを待っている方も
います。私自身、少し前までは姉妹を神田と一番町別々に預けていました。送り迎えなど、その
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苦労は身にしみてよくわかります。なぜ認可保育園の待機児が増えるのでしょうか。
確かに千代田区の子どもの数は増えています。しかし根本に待機児を解消していくという区の
姿勢があるのではないでしょうか。2つの面で見てみます。
第1に、待機児の認定です。国は待機児の定義を認可保育園を希望し入れない児童としていま
したが、2001年に定義を変え、認証保育所などを利用し認可保育園を待つ児童は待機児から
外しました。今年度からの子ども・子育て支援新制度では、さらに定義を変え、幼稚園の一時預
かりを利用したり、居宅型保育、いわゆるベビーシッターを利用しながら認可保育園を待つ児童
まで待機児から外しています。待機児童を認可保育園を増やして解消するのではなく、定義を変
えて少なく見せようという国の姿勢は大変問題です。
それでは、千代田区はどうでしょうか。区の今年4月の待機児数はゼロでした。しかし実際は
千代田区でも認可保育園を待ちながら他の保育施設を利用する児童がいます。そうした児童は待
機児童に数えていません。また今年度からはベビーシッターも同様の扱いにしています。さらに、
ベビーシッターの利用を断った世帯の児童も待機児とはしていません。ベビーシッターについて
は、1人の人に自宅で子どもを預けることに不安を持ち利用をためらう保護者も当然います。そ
うした保護者の児童を待機児童とみなさないのはいかがなものかと考えます。
私は、待機児の数をより実態に合った数え方にすべきだと思います。他区の例を紹介します。
杉並区では、国の定義は保育需要の実態と乖離があるとして、国の定義では待機児童にならない
児童も、杉並区では独自に待機児童として数えています。例えばベビーシッターを利用する児童
についても待機児としています。こうして、杉並区独自の基準の待機児童数をホームページ上で
も区民に知らせています。
千代田区でも他の保育園に行きながら、認可保育園を待ついわゆる特定園留保の数など、認可
保育所の待機児童数を区民に明らかにし、誰もが希望する保育所に行けるよう認可保育所の整備
計画を持つことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
次に、待機児の解消を民間任せにしているという問題です。区が昨年出した保育需要計画では、
今年度を含め5年間で575人分の保育を供給するとしていますが、その多くは民間の保育所誘
致です。しかし、今、認可保育園の開設事業者の募集をかけても、保育士が足りないなどの理由
でなかなか応募がないという問題も言われています。
特に千代田区の場合、保育所として活用できる賃貸物件も少ないということがさらなる壁とな
ります。実際に来年4月から100人規模の私立の認可保育園の開設予定となっていますけれど
も、いまだに具体的な計画は明らかになっていません。
私は、そういう状況を考えるならば、民間中心で保育を供給していくという方針はもう限界に
来ているのではないかと考えますが、区の認識をお聞かせください。
子ども・子育て支援新制度においても、児童福祉法24条1項で、保育に欠ける子への保育実
施の自治体の責任は変わりません。その立場から私は、認可保育園の待機児を解消するためにも、
区立保育園の増設を訴えたいと思います。区長は招集挨拶で、就学前児童の人口が次世代育成支
援計画の予測を上回っていることを踏まえ、各種事業の需要数と供給数の見直しを早急に進め区
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民ニーズに応えると述べました。では、区民のニーズはどうでしょうか。昨年区が行った子育て
ニーズ調査では、利用したい保育サービスについて区立認可保育園が46.3%でトップです。と
りわけ0歳児で見ると61.8%の保護者が区立保育園を希望しています。区立保育園の現状を見
ても増設が求められていると思います。現在、区立保育園、こども園長時間で保育需要の高い1、
2歳児は定員197人に対し4月時点で園字数が231人います。年度初めの4月から既に34
人も定員をオーバーしています。
私は、今後の保育供給計画の中に区立保育園の増設を入れること、このことを検討すべきだと
考えますが、いかがでしょうか、答弁を求めます。
次に、第2子以降の保育料の無料化に踏み出すことを提案します。第1回定例区議会で、我が
党の代表質問で、2,000万円の予算があれば実現可能な第2子以降の保育料の無料化を求めま
した。残念ながら前向きな答弁はありませんでした。区は、理由の1つとして、千代田区の保育
料が23区の中でも突出して安い保育料になっていることを挙げました。しかし、本当でしょう
か。認可保育園の保育料を都心区で比べても、千代田区が決して突出して安いとは言えません。
区は何をもって突出して保育料が安いと言っているのでしょうか、根拠を教えてください。
私は、なぜ第2子の保育料の無料化が必要なのかを強調したいと思います。フランスやドイツ
などヨーロッパでは保育料の無料化が進んでいます。それは女性の社会進出が当たり前となる中
で、社会全体で子育てを応援していこうということが大きな流れになり、さらにお金のあるなし
で幼児教育に差が生まれないようにするためには、幼児教育を無料にすることが最も有効性があ
るとされてきているためです。今、第2子以降の保育料の無料化はお隣の港区を初め、高知市や
岡山県佐用町、香川県観音寺市や山口県下松市など全国に広がりつつあります。少子化対策にも
なり、社会で子育てを応援していくことにもなる第2子以降の保育料の無料化を提案します。い
かがでしょうか、ご答弁ください。
最後に、子育て世代の働き方について質問します。私は、2013年11月に行われた子育て
ニーズ調査の結果報告書を見て驚きました。それは子育て世代の働く実態です。まず、帰宅時間
ですけれども、就学前の児童を持つ父親の帰宅時間で一番多い回答が深夜の23時以降で20.
6%、小学生の児童を持つ父親でも23時以降の帰宅が一番多く15%を超えています。子ども
が就寝するであろう22時以降では、就学前児童の父親が33.3%、小学生の父親で28.6%、
約3割のお父さんが平日子どもたちと十分に交流する時間を持てません。お父さんの健康の面で
も心配な数字が報告から読み取れます。それは労働時間です。就学前児童を持つ父親の何と35.
8%が1日12時間以上の労働をしています。小学生の児童を持つ父親では31.5%です。私は
大変深刻だと思います。1日12時間と言えば4時間の残業です。月にすれば過労死ラインの8
0時間に達します。これだけのお父さんが過労死ラインを超えて働いているわけです。小さい子
どもさんを育てている父親の3割以上が過労死の危機に直面している事態をどう思いますか、区
長のご認識をお聞かせください。
区は、次世代育成支援計画を5年単位で定めています。前回2011年4月から2015年3
月の計画では、これですね、区民、企業、行政が一体となって子育て支援に取り組むとし、その
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中で長時間労働の解消に取り組むことが明記されていました。しかし、これからの5年間、20
15年4月から2020年3月の計画、こちらですね、子育てしやすい環境を整えることは企業
の社会的責任としながらも、長時間労働の解消という言葉が抜けてしまいました。これはなぜで
しょうか。長時間労働の解消という言葉をしっかり盛り込むことを求めたいと思います。答弁を
求めます。
区は、この計画の中で、千代田区には日本有数の企業が集中している。千代田区の企業の取り
組みは全国への波及効果も大きく、企業への働きかけは千代田区の責務とも言えるとしています。
取り組みの一環として次世代育成の支援行動計画をつくった中小企業に奨励金を支払うなどの施
策を行っています。こうした取り組みは大変評価できると思います。しかし、今、長時間労働で
社会問題になっているのは千代田区にも集中している日本有数の大企業です。例えば、千代田区
に本社がある三菱電機は、労使協定で年間1,200時間、月100時間まで残業が可能となって
います。同じ千代田区に本社がある丸紅では、年間1,100時間、月92時間まで残業が可能で
す。大企業では毎日のごとく過労死ラインを超える労働時間を労働者に強いることができるので
す。私は、子育てしやすい環境を整える上で、大企業にこそ長時間労働の是正など、社会的な責
任が問われていると思います。
区は、区内の大企業に対して、長時間労働を是正するために何かしらの働きかけを行っていま
すか。もし具体的な働きかけを行っていないのなら、区として長時労働をなくす働きかけを行う
べきではないでしょうか。今、行われている国会で、安倍政権が狙う労働基準法の改悪案には大
変大きな問題があります。最大の問題の1つは、高度プロフェッショナル制度の名で、年収が1,
075万円以上の労働者に対し残業代を一切支払わなくてもよいということです。これは1日8
時間、週40時間という労働時間の規制を法的になくし、一定の収入があれば幾ら働かせても構
わないようにするというもので、8時間労働制の否定です。到底認められません。しかも、経団
連の榊原会長は、制度が適用される範囲をできるだけ広げていっていただきたいと、年収1,07
5万の基準の引き下げを要求しています。経団連はこれまで年収400万円以上は残業代ゼロの
対象とも言ってきたわけで、一旦この法案が通れば対象がどんどん広げられ、長時間労働、過労
死が蔓延する社会になることは目に見えています。労働者を際限なく働かせ、過労死を助長させ
る労働基準法の改悪に区長としてきっぱり反対すべきではないでしょうか、ご答弁ください。
以上、3つの問題を取り上げましたけれども、子育て安心のまちづくりのために千代田区がさ
らに子育て支援に力を入れることを求め、質問を終わります。(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
牛尾議員の子育て安心の千代田区についてのご質問にお答えいた
します。
まず、特定園留保を含め認可保育所の待機児童を区民に公表すべきとのご質問でございます。
厚生労働省通知による保育所等利用待機児童の定義では、他に利用可能な保育所、家庭的保育事
業、事業所内保育所、居宅訪問型保育事業があるにもかかわらず特定の保育所等を希望する場合
は待機児童に含めないということとされてございます。本区では、この基準に従い、待機児童数
29
の公表を実施しているところです。なお、特定園留保や転所留保などの人数につきましては公表
をしてまいりたいと思います。
次に、認可保育所の整備計画を持つこと、民間の認可保育所中心で保育供給をする方針は限界
に来ているのではないか。さらには区立保育園の増設を検討すべきではないかとのご質問でござ
います。本年3月に次世代育成支援計画を策定し、今後5年間の保育供給の量の見込みと確保数
を明らかにいたしました。しかしながら、就学前人口が計画値を上回って推移をしてございまし
て、今後、供給計画を見直していく予定でございます。また、区立保育園4園は基幹園とし、新
たな保育需要への対応は私立認可保育所を中心に整備をしていくこととしてございます。
次に、区の保育料や第2子以降の保育料の無料化についてのご質問でございますが、本区は平
成10年以来保育料の改定を実施しておらず、新制度に伴う保育料の改定におきましても保育料
金の値上げを行いませんでした。一方で、増加する待機児童を解消するため、保育定員の大幅な
拡大に取り組む中で、私立保育所への補助を初め、多額の費用負担をしてございます。こうした
ことから、サービス水準と比べ、少ないご負担で質の高い保育サービスが提供できているものと
考えてございます。
なお、第2子以降の保育料無料化についてでございますが、本区では、認証保育所等の保育料
減額補助や所得制限なしで利用できる高校生までの医療費助成、さらには次世代育成手当など、
子育て世帯への経済的な支援に取り組んでおります。したがいまして、個別の軽減策ではなく、
次世代育成に関する施策にかかる収入と支出のバランスを勘案しながら、総体としての子育て世
帯の経済的負担の軽減に努めてまいりたいと思います。
次に、長時間労働による過労死や区の次世代育成計画から長時間労働の解消が抜けているとい
うご指定でございます。次世代育成支援行動計画には、その基本理念の1つとして、働き方の見
直しは企業の社会的責任であることを明記をしてございます。子育ては未来の人材を育む大切な
営みでありまして、長時間労働の解消を含む子育て世帯のワークライフバランスの実現は子ども
の発達・成長に不可欠であるばかりでなく、企業の人材確保の観点からも、さらにはよりよい仕
事の達成にとっても重要と認識をしてございます。
また計画では、多彩な取り組みの推進といたしまして、仕事と家庭の生活の調和の実現のため
の働き方の見直しを掲げてございます。長時間労働の問題を計画から外したというものではござ
いません。
〔政策推進担当部長歌川さとみ君登壇〕
○政策推進担当部長(歌川さとみ君)
牛尾議員のご質問のうち、大企業の長時間労働と労働基
準法の改正についてお答えをいたします。
まず、大企業に対する長時間労働是正のための働きかけについてでございますが、雇用問題は
一義的には国や東京都の所管する問題であると認識してはおりますが、この区役所と同じ建物内
には厚生労働省の東京労働局があり、東京しごとセンターなどの労働行政機関が近接しておりま
す。今後とも、こうした関係機関と連携して、ワークライフバランスの重要性について周知啓発
に努めてまいります。
30
また、ご指摘の高度プロフェッショナル制度の創設を含む労働基準法の改正については、まさ
に、現在、国政の場で議論が行われているところでございます。こうした国政の動向を注視する
とともに、区といたしましては、区政の重要課題である子育て支援のための各種施策に取り組ん
でまいります。
○11番(牛尾耕二郎議員)
11番牛尾耕二郎、自席より再質問いたします。
残念な答弁が多いんですけれども、1点、区立保育園のニーズなんですけれども、ニーズ調査
でも、または定員を上回って子どもを入れているという点でも、ニーズが高い、それは思うんで
す。そのことを区のほうは認めますか。区立保育園のニーズが高いということです。
もう1つ、子育て、健やかに育つための環境の確保に関する条例、これでどの子も等しく良好
な子育て環境が享受できるようにする必要があると条例で言っているわけです。区立保育園の子
どもたち、そしてそこに行きたいけれどもベビーシッターなどを利用しなければいけない、そう
いう子どもたち、もちろんベビーシッターの方が悪いと言っているわけではないですけれども、
親としてベビーシッターは不安だと思っている方もいらっしゃるわけで、そうした点からも、や
っぱりひとしく良好な子育て環境を享受できるようにするというためには、やはり区立保育園の
増設が求められているのではないかと私は思うんです。そのことについて、もう一度ご答弁をい
ただきたいと思います。
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
牛尾議員の再質問にお答えをいたします。
区立保育園のニーズが高いのではないかということでございますが、私どもの基本的なスタン
スは、公立であろうが私立であろうが、実施主体の差にかかわらず等しく良好な教育をご提供す
るということでございます。具体的に申し上げますと、どこの地域に住んでいようが、6歳にな
れば、7歳になれば、就学年齢に達すれば、学区域が同じであれば同じ学校に小学校に進学をす
るということでございます。したがいまして、公立園に行っているとか私立園に行っているとか
いうことではなくて、良好な保育環境を提供してまいりたいということでございます。
したがいまして、今般の次世代育成の計画では、新たな保育所への対応は、私立の認可保育所
を中心に整備していくという方針を立てさせていただいてございます。
以上でございます。
○議長(戸張孝次郎議員)
午後3時13分
議事の都合により、休憩します。
休憩
31
午後3時30分
○議長(戸張孝次郎議員)
再開
休憩前に引き続き、会議を開きます。
一般質問を続けます。
1番岩田かずひと議員。
〔岩田かずひと議員登壇〕
○1番(岩田かずひと議員)
(「議長に挨拶しておかないと」と呼ぶ者あり)しました。(発
言する者あり)平成27年第2回定例会一般質問をさせていただきます。
私は、去る4月26日に執行されました千代田区議会議員選挙におきまして、区民の皆様から
信託を得て当選させていただきました。(発言する者あり)その際、私は、議員報酬、政務活動
費、議員定数の削減を公約に掲げてきたわけでございますが、今後よりよい千代田区にするため
に、まずは我々議員自らが襟を正し、自らが変わらなければ何も変わらないと考えております。
そのために、(発言する者あり)今、区民の皆様からも注目されている政務活動費について一言
申し上げます。
政務活動費は、そもそも政策、調査、研究等の活動のために支給される費用であります、政務
活動費の詳細は各自治体の条例により定められているとはいうものの、その使途基準の中には区
民目線とはかけ離れたものもあり、しばしば批判の対象になっているということもまた事実でご
ざいます。政務活動費の出どころは、言わずと知れた税金であり、その使い道にはより慎重にな
るべきで、領収書のインターネットによる全面公開などを含めた透明性が求められていると考え
ております。今までしてきたからそれでいいのではなく、これからは今までの過去を見直し、区
民目線に立ち返り、区議の皆様とともによりよいクリーンな千代田区をつくっていこうではあり
ませんか。
さて、クリーンと言えば、我が千代田区では、全国に先駆け、平成14年10月から生活環境
条例がスタートしましたが、条例施行後10年以上が経過しました。この条例は、ヘビースモー
カーである石川区長が自らをも律した大英断であると認識しております。(発言する者あり)確
かに、条例施行前と比べると、現在は路上喫煙者や吸い殻のポイ捨ても格段に減り、かなりの効
果がございました。これは千代田区のホームページを見ても明らかであります。
千代田区では、路上喫煙対策の成果を見る1つとして、あらかじめ決められた地点に落ちてい
るポイ捨てされた吸い殻の本数を調べるために秋葉原地区において定点観測をしておりますが、
週平均の吸い殻本数の推移は、条例施行前の平成14年9月29日には995本であったものが、
条例施行後の同年10月9日には208本、平成14年度下半期は59.12本、平成15年度は
31.04本、平成16年度は11.88本、平成17年度は9.84本、平成18年度7.89本、
平成19年度9.89本、平成20年度6.42本、平成21年度6.1本、平成22年度5.06
本、平成23年度6.13本、平成24年度8.25本、平成25年度17.4本となっており、吸
い殻の本数は条例施行後に激減し、現在までほぼ横ばいの状況が続いています。
しかし、条例違反者は全くのゼロではなく、千代田区ホームページによりますと、路上喫煙過
料処分された件数だけでも、平成14年度には2,583件、平成15年度は5,388件、平成
32
16年度は6,002件、平成17年度は9,069件、平成18年度は1万799件、平成19
年度は8,948件、平成20年度は7,146件、平成21年度は6,209件、平成22年度は
5,684件、平成23年度は5,874件、平成24年度は6,240件、平成25年度7,00
8件の件数がありました。
私はふだん区内を歩いている際、路上喫煙者を見つけ注意を促し喫煙をやめさせておりますが、
特に夜間や路地裏での違反者が多く、巡回パトロールをしている指導員の方々だけでは手が届か
ない実態も承知しております。とはいえ、条例違反者にはまだまだ認識が不足していると言わざ
るを得ません。
また、巡回パトロールの人件費などに年間7,000万から8,000万円ほどの多額の経費が
かかっていることも承知しております。平成25年度までに収納された過料の合計額は1億6,1
90万円、つまり過料処分件数の合計8万950件掛ける2,000円であり、費用対効果を考え
るならば圧倒的な赤字であります。
そこで、懲罰的な意味合いも含め、そろそろ過料の金額を上げるべきではないかと考えており
ます。現在、条例違反者に対する過料は2,000円ですが、それはあくまでも当面の間でありま
す。
資料を提示します。こちらに千代田区が以前配布したチラシがございます。裏面を見ますと、
条例による規制の内容という表がございまして、その上に小さい文字で「過料は当面2,000円
です」と書いてあります。拡大したもので、この文字がわかるようにさらに拡大したものがこち
らです。(発言する者あり)「過料は当面2,000円です」と書かれてあります。(発言する者
あり)しかし、条例には2万円以下の過料と定められており、条例制定から13年もの月日が流
れ、消費税も上がった今、過料の金額を引き上げてもいい機会ではないかと考えております。
ちなみに世界的にも喫煙事情に厳しいシンガポールでは、たばこのポイ捨ても喫煙禁止の場所
での喫煙も犯罪であり、たばこのポイ捨ては吸い殻1本につき600シンガポールドルの罰金が
科せられます。けさのレートで言うと92.19円ぐらいでしたので、計算すると約5万5,30
0円ぐらいです。今年の1月には、シンガポールの38歳男性が33回もたばこのポイ捨てをし
たために、1万9,800シンガポールドル、当時のレートで約188万円の罰金が科されました。
ここで質問いたします。今後の生活環境条例の取り組みについて、過料の金額引き上げの可能
性等を含めお答えください。
続けて質問いたします。現在、ごみの収集は民家や事業所等から出された透明か半透明のごみ
袋、もしくはふたつきの容器に入れたごみを公道に設置されている集積所に集め、それを回収車
が収集するという方法をとっております。ただ、今ではほとんどの方がふたつきの容器は使わず
にごみ袋を直接ごみ集積所に出しております。これはごみを出す側も回収する側も便利であり、
確かに理にかなっておりますが、回収車が収集するまでの間はごみ袋が山積みになっております。
たとえネットをかぶせていても、それをカラスたちがいたずらし、袋が破けて中のごみが散乱す
ることがあり、非常に不衛生でもあり、見ばえもよくありません。
2020年東京ではオリンピック・パラリンピックが開催されます。それに伴い多くの外国人
33
観光客が来日されると予想とされますが、外国人観光客がそれを目の当たりにしたときに、彼ら
に余りいい印象を与えないであろうことは容易に想像がつきます。
ここで質問いたします。それを打開するために区としての方策は何かないのかをお答えくださ
い。
以上で一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
〔区長石川雅己君登壇〕
○区長(石川雅己君)
(「ええっ、区長が答えるの。……じゃないかよ。……じゃねえか」と
呼ぶ者あり)岩田議員のご質問のうち、ごみの収集についてお答えをいたします。
ところで、私は現在喫煙者ではございませんので、ご理解をいただきたいと思います。
まず、東京のごみの収集についての変遷は、実は前回の50年前の東京オリンピックの開催に
あわせて収集方法を変えたという経緯がございます。すなわち、当時は実は備えつけのごみ箱が
ありまして、そしてそこに捨てるという形であったわけですが、まちの美化、治安対策上の観点
から備えつけ方式をやめて、容器を置いて定時収集方式に切りかえたのが東京オリンピックのと
きの経緯であります。まさにごみの収集というのは大きなイベント、ムーブメントのときにかな
り大胆に変えてきているという経緯があります。その後、容器収集から現在の方式に変わったの
は、ご案内のとおり、大変分別収集が徹底され、そして個別に出される生ごみの量は減ってきて
おりまして、一方では家族構成の大きな変化ということで、ごみ容器をそれぞれ収集後に撤収し
てそれぞれのご家庭に戻すというそのことがなかなか難しくなった。いわゆる単身世帯、共働き
世帯が多く、したがって容器がそのまんままちの中に残るという、こういう状況がありましたし、
しかも容器そのものの上に紙袋でごみを出しているという経緯があって、そこで現在のような方
式に変えたという、こういう歴史がございます。
したがって、我々のほうでも、現在のやはり半透明のポリ袋による出し方が本当にいいのかど
うか。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、日本、東京の玄関口で
ある千代田区にふさわしい清潔感のあるまちを進めるためにも、ごみの収集方法、集積所のあり
方について効果的な対策をとるべきだということで、今、内部的にもさまざまなところを勉強し
ながら進めているという現状でございますので、ご理解を賜りたいと思います。
なお、詳細並びに他の事項については、関係理事者をもって答弁をいたさせます。
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
岩田議員の生活環境条例における過料の引き上
げについてのご質問にお答えをいたします。
生活環境条例におきましては、条例に違反した場合、罰則として2万以下の過料に処すると規
定しているところでございます。条例発足当時、実際の過料の額につきまして検討をし、違反し
た方が過料としてその場で支払うことができる額であることや、現場におけるトラブルを極力招
かない額であることなどを考慮した結果、当面2,000円の過料をいただくということになった
経緯がございます。
区といたしましては、そもそも過料の徴収が目的ではなく、路上喫煙やポイ捨てをなくすこと
34
を目指しており、実効性のある額とするためには、発足当時、当面というただし書きがついてい
たものの、現在においても2,000円という額が妥当であると考えており、今のところ過料の引
き上げは考えておりません。ただし、今後、経済情勢の変化により、2,000円の過料が著しく
低く、効果がないと判断された場合には、改めて検討する必要があると思っております。
マナーからルールへ、そしてマナーへとあるように、最終的には喫煙者のマナーによりルール
をなくすのが区としての最終目標であり、その最終目標の実現に向け引き続き取り組んでまいる
所存でございます。
〔環境まちづくり部長細越正明君登壇〕
○環境まちづくり部長(細越正明君)
岩田議員のご質問のうち、ごみの集積所対策について、
区長答弁を補足してお答えいたします。
千代田区内には、現在、約3,700カ所の集積所がありますが、マンション等の専用集積所を
除くとそのほとんどが道路上に設置されている状況にございます。道路上の集積所は、そこにお
住まいの方との話し合いによって、場所や利用者、管理方法などが決められています。現在、可
燃ごみの収集は午前8時30分、9時30分、午後0時30分の3段階の排出時間を定め、区民
の皆様のご協力のもと、ごみの置かれている時間を短くすることでカラス等によるごみの散乱被
害の防止や歩行者への配慮、まちの環境美化、環境衛生の向上に努めているところでございます。
また、集積所を管理している方からの申し出を受け、防鳥ネットを貸し出すことでカラス等によ
るごみの散乱被害の防止も図っております。
議員ご指摘のとおり、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、日本の
顔、東京の玄関口である千代田区にふさわしい清潔感のあるまちづくりが課題となっております。
そのため、現在区内の集積所がどのような形態で管理されているのか、その実態調査を進めてい
るところでございます。まずはその調査結果を踏まえ、地域の方々にもご協力をいただきながら、
ごみの集積所と収集方法のあり方について検討してまいります。
○1番(岩田かずひと議員)
1番岩田かずひと、自席より再質問させていただきます。
たばこのポイ捨ての過料の引き上げの件なんですが、効果がないと思われたときに値上げを考
えるというようなお話でしたが、先ほど私の質問のときに、違反者が平成24年度には6,240
件だったものが25年度には7,008件、768件ですね、つまり10%以上の件数が増えてい
るわけです。しかも、定点観測で捨てられているたばこの本数も、24年度は8.25本だったも
のが、25年度には17.4本で、2倍以上に増えております。これは効果がないとは言わないま
でも、効果が薄れているのでないかと思いますので、値上げの再検討をお願いしたいと思います。
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
岩田議員の再質問にお答えをいたします。
確かに数字を見ますと、平成25年度につきましては過料の件数等若干上昇してございますが、
これにつきましては、表通りでの取り締まりはほとんど見受けられなくなってきており、その分
裏路地等に入っていって取り締まりをしているというようなところで件数が若干増えているとい
う傾向はあるかと思います。したがいまして、今のところ、それを、件数が若干増えたからとい
35
って、直ちに過料の引き上げをするということは考えてございません。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、20番はやお恭一議員。
〔はやお恭一議員登壇〕
○20番(はやお恭一議員)
平成27年第2回区議会定例会において一般質問をさせていただ
きます。
去る5月、国のがん対策基本計画に掲げられていた「2015年までに、75歳未満のがんの
年齢調整死亡率を20%減少させる」という目標の達成は困難、との見解が報告されました。目
標であるがん死亡率の20%減の設定の根拠としては、「自然減によるもの」が10%、「喫煙
率の半減によるもの」が1.6%、「がん検診受診率50%達成によるもの」が4.0%、「がん
医療の地域格差の是正によるもの」が4.7%とされていました。このうち、喫煙率については目
標の50%減に対し、実際は26%減となる見込みで、死亡率への寄与は目標の1.6%に対し0.
2%にとどまっている状況です。
また、がん検診受診率も、目標は50%以上であったものの、実際はそこまで及んでおらず、
今回、基本計画の目標達成が困難となった要因は、主に喫煙率の低下が進まなかったことと、が
ん検診受診率の向上が進まなかったことであると分析されています。
本区では、平成24年から28年度の5カ年計画である保健福祉総合計画に基づき、その行動
計画として改定健康千代田21が示されています。改定健康千代田21では、区民の健康づくり
を推進していくための取り組みとして、生活習慣病の予防、がんの予防、歯や口の健康づくり、
心の健康づくりの4つの重点課題を掲げ、それぞれに具体的な到達目標を設定しています。特に
到達目標については5年後の目指す姿として示されており、平成27年度である現在はゴールま
で残すところあと1年半余りという地点にあります。そこで、いま一度その進捗状況を確認する
とともに、到達目標の達成に向けて今後取り組んでいくべきことは何かを確認したいと思います。
まず、がん検診の受診率向上にも関係するがんの予防については、例えば区内医師会への委託
を活用し、自宅近くの医療機関においてがん検診が受けられるようにしたり、土日など、休日で
もがん検診を受診できる施設を増やすなど、区民がより検診を受診しやすい環境を整備するため
にこれまで取り組んでこられました。一方で、本区で把握できる受診率はあくまでも自治体が行
うがん検診のみであり、個人で人間ドックを利用したり、職域での健診にがん検診も含まれてい
たりするケースについては正確には把握できないという現状もあります。
そのため、区民の死亡原因の第1位はがんであることを踏まえ、今後はさらに啓発や知識の普
及を図り、自治体が実施する検診だけでなく、さまざまな形で実施されているがん検診そのもの
への関心や高い意識を醸成し、受診行動につなげていくことが求められていると言えます。
そこで、次の2点について伺います。
まず1点目は、改定健康千代田21が施行された平成24年度以降の本区における各種がん検
診の受診率の実績と推移についてお答えください。
2点目は、同じく改定健康千代田21において示されている5年後の目指す姿について、現段
階での到達状況と今後の見通しをお答えください。土曜・日曜にがん検診を実施している医療機
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関の割合の増加や、がん予防の知識を持っている人の割合の増加についてです。
次に、改定健康千代田21における4本柱の1つ生活習慣病の予防について伺います。
先ほどから述べている改定健康千代田21では、生活習慣病の予防について大きく5つの項目
に分け、それぞれの項目で具体的に5年後の目指す姿が示されています。そこで、5つの項目の
中でもがんの予防とも関連してくる健診とたばこについて質問させていただきます。
ここで言うところの健診は、生活習慣病予防に関する健診であることから、特定健診、いわゆ
るメタボ健診を指しています。特定健診やそれに伴う特定保健指導の成果と課題に関しては、昨
年の第1回定例会で代表質問を行い、確認したところです。その際の答弁では、第1期特定健診
等実施計画での目標値に届いたのはメタボリックシンドローム予備軍者の減少率のみで、それ以
外の例えばメタボリックシンドロームの該当者率は目標値の10%減少に対して7.7%の増加、
特定保健指導終了率は目標の45%に対して動機づけ支援が13.9%、積極的支援が9.0%と
いう結果であると報告をいただきました。そして、今後の課題として、これまでの勧奨策を十分
効果があったとは言えないため、さらなる取り組みが必要であるとの答弁をいただきました。
特定健診は、若年期から生活習慣の改善によって生活習慣病の有病者を未然に防ぎ、さらに実
際の医療費の抑制効果を期待して始まった健診制度です。したがって、メタボリックシンドロー
ム予備軍者が減少していることは一定の評価ができるんではないかと考えます。しかしながら、
実際に指導を受けなくてはならないレベルに達している特定保健指導の対象者の指導終了率が低
いということは若干の懸念が残ります。それらの指導の実施の強化は、生活習慣病の有病者の減
少につながっていくと考えられるため、今後の対策が期待されます。
さらには、がんの主な原因は、成人期の食事と肥満が30%、喫煙が30%、運動不足が5%、
アルコールが3%と言われ、このような個人の生活習慣ががんの原因になる割合はおよそ70%
にも及んでいるという推計報告があります。一方で、遺伝によるものは5%程度であることから
も、いかに生活習慣の改善ががんの予防につながるかということが理解できます。したがって、
がんの予防という点においても日々の生活習慣はとても重要であり、適切な保健指導によって生
活が改善されていくことは、生活習慣病だけに限らず、がんの予防にもつながる重要事項となっ
ています。
また、たばこに関しては、改定健康千代田21において、本人の喫煙習慣の改善だけでなく、
受動喫煙に対する対策を強化することがポイントの1つとして挙げられています。たばこが生活
習慣病やさまざまながんの発生リスクを高めているということは周知されつつあり、本区におい
ても禁煙を希望する若年層の割合が増えてきていますが、それに伴い、喫煙による害だけでなく
受動喫煙を意識する人の割合も増加してきています。特に、たばこに関する個別目標の指標に挙
げられている区立施設の禁煙、分煙化率100%については、建物だけでなく、公園等を含めた
公共施設が対象になることから、残り1年半余りの計画の中で目標達成に向けた整備が求められ
ているところです。
先日の区長招集挨拶においても、公園における喫煙対策についての言及がありました。公園で
の喫煙については、分煙スペースがあっても受動喫煙の原因となるたばこの先から出る煙、副流
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煙が限局的にその近辺に集中してしまうため、子育て中の方からは、子どもを安心して公園で遊
ばせることができないという声や、近隣住民の方からは、換気口から屋内に入ってくる空気がた
ばこのにおいになっているといった声を聞く機会が増えています。
また、5年後に迫った東京オリンピックでは、国内外から多くの人々が本区にも訪れると予測
されることからも、路上禁煙の周知徹底とともに公共施設の禁煙及び分煙化の徹底、さらには飲
食店等にも対象を広げた取り組みを進めていく必要に迫られております。
そこで、次の3点について伺います。
まず1点目は、特定健診及び特定保健指導に関する課題に対し、その後の取り組み状況につい
てお答えください。
2点目は、改定健康千代田21の項目である、健診において5年後の目指す姿の現状とその見
通しについてお答えください。健診受診率の増加や、メタボリックシンドローム該当率の減少に
ついてです。
3点目は、改定健康千代田21の項目であるたばこにおいて、5年後の目指す姿の現状とその
見通しについてお答えください。喫煙する人の割合の減少、区立施設の禁煙、分煙化率100%、
それに加え禁煙、分煙の構成率もお答えください。
以上につきまして、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め、質問を終わります。ありがと
うございました。(拍手)
〔地域保健担当部長田中敦子君登壇〕
○地域保健担当部長(田中敦子君)
はやお議員のご質問のうち、初めにがんの予防についてお
答えいたします。
1点目の、がん検診の受診率につきましては、無料クーポンも含め平成26年度は肺がん15.
0%、胃がん27.3%、大腸がん29.5%、子宮頸がん26.7%、乳がん26.3%でありま
した。いずれのがんにおいても平成24年度以降横ばいで推移しております。改定健康千代田2
1の指標である受診率30%以上を目指す取り組みとして、子宮頸がん及び乳がん検診は平成2
1年度から、大腸がん検診については昨年度から5歳年齢きざみで無料クーポンを配布している
ほか、年度の途中でまだ受診していない方には再勧奨はがきを送付しています。また、特に乳が
ん検診につきましては、11月のピンクリボンキャンペーンや3月の女性の健康週間において啓
発に努めているところです。
肺がん以外の健診受診率は30%に近いものの、肺がん検診の受診率はその半分ほどであるた
め、医師会の先生方ともご相談し、さらなる受診率向上のための方策を練っていきたいと考えて
おります。
2点目の、土曜・日曜のがん検診を実施している医療機関の割合につきましては、平成27年
度は82件中34件、41.5%で、平成23年度より増加をしております。また、がん予防の知
識を持っている人の割合につきましては、来年度アンケート調査を実施し、改定健康千代田21
のその他の項目と合わせて評価を行っていく予定ですが、先ほどの乳がんの啓発だけでなく、広
報や講演会等さまざまな手法で知識の普及に努めてまいります。
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次に、生活習慣病予防についてお答えいたします。
1点目の、特定健診及び特定保健指導の課題である受診率向上の取り組みについてですが、特
定健診に関しては、平成26年度は新たに11月末までに千代田区に転入された方に対して個別
通知を開始しました。特定保健指導については、利用者へのインセンティブとして、BMIや体
脂肪率等を表示できる体重体組成計をプレゼントしています。今年度はさらに健診と医療機関受
診のレセプトのデータを突合することにより、前年度の健診未受診者でかつ生活習慣病での医療
機関受診歴もない、つまり全く健康状態のわからない方を抽出し、改めて受診勧奨を行います。
この取り組みは新しいアプローチであり、これまでの勧奨では受診されなかった方の受診を期待
しております。
2点目の健診の現状等につきましては、平成26年度の特定健診の受診率は39.2%で横ばい
で推移しておりますが、先ほど述べた取り組みにより増加を目指しております。
メタボリックシンドローム該当者率についても、平成26年度13.9%でほぼ横ばいで推移し
ておりますが、該当者が確実に特定保健指導の利用に結びつき、その結果、メタボリックシンド
ローム該当者の減少につながるよう保健指導の利用促進策についてさらに工夫してまいりたいと
考えております。
最後に3点目のたばこに関する項目についてです。喫煙する人の割合につきましては、来年度
行うアンケート調査で評価をする予定ですが、喫煙率の減少に向けた取り組みとして、たばこの
害についての知識の普及と禁煙したい方への支援が重要と考えております。世界禁煙デーにおけ
る啓発活動や講演会等による知識の普及とともに、禁煙支援薬局等による禁煙支援を行っており、
今後も啓発や支援に努めてまいります。
区立施設の禁煙、分煙につきましては、現在、保養施設、清掃事務所、土木事務所以外は禁煙
もしくは分煙になっており、敷地内禁煙が25.6%、建物内禁煙が48.8%、喫煙室を設けた
空間分煙が14.0%で、禁煙、分煙化率は23年度の76%から88.4%に増加しております。
なお、学校、保育園等の子どもの施設は、全て既に敷地内禁煙になっていたため、また、公園、
児童遊園等は屋外のため、この指標の計算には初めから含まれておりません。
今後は、公園等も含め、引き続き区立施設の受動喫煙防止対策を進めるとともに、禁煙もしく
は完全分煙の飲食店を登録する「空気もおいしいお店」について、より効果的な方法を検討する
など、飲食店における受動喫煙防止についても取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○20番(はやお恭一議員)
20番はやお恭一、自席より再質問をさせていただきます。
質問のポイントとしては3点あります。
1点目は、先ほど、今年度よりさらに健診と医療機関受診のレセプトデータを突合する、マッ
チングさせる。これによってということなんですけど、これは一定程度、評価したいと思います、
やれるのであればですね。期待するとともに、このレセプトデータの、これ疑問なんですけど、
生活習慣病の内容を把握することができるのか。レセプトデータでね。それがまず第1点ですね。
これは、まず評価をしたいという。
次の2点目、3点目につきましては、正直申しまして、見通しについて答弁を願ったんですけ
39
ど、この見通しについては非常に弱い答弁だったと私個人は認識しました。と申しますのは、先
ほど5月に国のがん対策基本計画が掲げられて、そして国自体がこの75歳未満の、結局は死亡
率20%にするよということに関して、達成の見込みができなかった。そして、本区においても、
その方向としてはかなり厳しい状況でありながら、じゃあ、どう、次、手を打っていくのか。そ
してまた、この法令計画も次につくっていかなくちゃいけないという状況の中で、2つのことが
挙げられています。1つは、喫煙率の低下が進まなかったという1つの柱。あともう1つは、が
ん検診受診率が向上しなかった。このことに対して、もう少し真摯に我々基礎的自治体のほうは
対応していかなくちゃいけない。そして、1つは、こういうような、国保の保険者という立場だ
けではなくて、何度も言っているのですけど、千代田区民全体、これを命を守るという基礎的自
治体の立場からしたときに、もっと大胆でそして施策を打ち出していかなかったら、この検診受
診率の把握はできないんじゃないの。
そしてもう1つは、今後、マイナンバー制度が導入されてきます。そして高齢者総合サポート
センターができます。そのことにより、医療と介護、(ベルの音あり)そして地域包括ケアシス
テムで地域連携が強化されていきます。そういう中で、電子化のカルテだとか、身近な医療に対
して、そしてカルテの共有化ということを大胆に打ち出していく必要があるんじゃないんですか。
そこのこと、計3点についてお答えいただきたい。
〔地域保健担当部長田中敦子君登壇〕
○地域保健担当部長(田中敦子君)
はやお議員の再質問にお答えいたします。
1点目の、レセプトで生活習慣病がわかるかどうかというご質問ですが、病院や診療所から提
出される医科レセプトには、医師が診断した病名が記載されておりますので、それだけでも生活
習慣病の状況はある程度把握ができます。また今回、区が千代田区としてデータ分析を委託して
いる会社は、この医科レセプトに記載されている診断名だけではなく、どんな検査を行ったかで
すとか、薬局のほうの調剤のレセプトの薬の内容等まで含めて分析する独自のノウハウを持って
おりまして、より精密な分析が可能となっております。
2点目の、より大胆な施策をというご質問ですが、まず国保の保険者だけではなくということ
でしたけれども、特定健診保健指導については、制度的に保険者が行うことになっておりますの
で、国保の保険者として行っておりますが、そのほかのがん対策、がん検診も含めがん対策、た
ばこ対策、生活習慣病の対策は、国保加入者だけではなく、区民全体を対象に行っているもので
ございます。改定健康千代田21が議員ご指摘のとおり来年度で終了いたしますので、来年度そ
の評価を行い、29年度からの計画を策定しようと考えておりますので、その中でより効果的な
施策を検討してまいりたいと考えております。
最後の、電子化された医療情報の共有というご質問ですが、議員がおっしゃるように、地域包
括ケアシステムを構築し、今後、医療と介護の連携を進めていくためには、患者さんにかかわる
医療や介護の情報を関係者が共有していくということは非常に重要なことだと考えております。
ICTを活用してその情報を共有していくということにつきましては、ただ、医療機関ですとか、
介護の事業者さんの意向が非常に重要になってくると考えておりますので、また国や都の動向も
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踏まえて、医師会等ともご相談しながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(戸張孝次郎議員)
次に、14番小林たかや議員。
〔小林たかや議員登壇〕
○14番(小林たかや議員)
平成27年第2回定例会に当たり、3点にわたり質問いたします。
まず初めに、昨日来多くの議員が問題提起をしている路上禁煙条例の問題点と公共喫煙所の設
置の必要性についてお伺いいたします。
路上禁煙条例、罰則つき条例は制定後今年の10月で13年になります。ポイ捨てや歩きたば
こには一定の成果を上げてきました。しかし、これらの成果の反面、最も根源的で大きな問題も
生じております。千代田区が路上禁煙条例導入後、タクシーやJR駅を初め、公共スペースが全
面禁煙になり、職場でも禁煙が強化されました。喫煙者は行き場を失い、昼食時ともなると喫煙
が禁止されていない公園やたばこの販売店付近の路上、駐車場は喫煙者で占拠状態になるケース
が出てきております。
公共喫煙所の絶対数の不足により、喫煙者が公園や公園併設の公共喫煙所に集中し、区民や子
どもたちに多大な影響を与えているさまざまな苦情が発生しているわけです。
新しく改修された公園には喫煙所が併設されていますが、喫煙スペースをただガラスの柵で覆
っただけのもので、許容量を超える煙に対して浄化能力はありません。保育園に近い公園はほと
んど全てが私立の代替園庭になっているため、子どもや保護者にとって受動喫煙は深刻な問題に
なっています。
芳林公園の喫煙所は、秋葉原という立地上喫煙者の過度の集中によって、近隣住民の生活を害
している状態です。昨年、議会に近隣住民から芳林公園喫煙所の廃止または整備を求める陳情が
提出され、前環境文教委員会で審査され、委員全員一致で対応を行政に求めましたが、対応はさ
れず、結局のところ陳情者は生活することが困難と判断し、今年の3月にとうとう引っ越しをし
てしまいました。先日、前回同様の芳林公園喫煙所の廃止または整備を求める陳情が近隣の住民
より提出されました。この陳情を見ても対応が後手になり、有効な対策ができていないのではな
いでしょうか。私は、この状態は、千代田区が憲法第25条の生存権を侵しているのではないか
と思えてなりません。生存権とは、人間が人間らしく生きる必要な諸条件の確保を要求する権利
のことであり、人間が人間らしく生きる権利のことです。国家・政府の方には国民に人間らしい
生活を保障する義務があるんです。
千代田区は、喫煙所により近隣住民の生活を害しています。憲法に保障された生活権の侵害に
当たるのではないでしょうか。この状態をどのように考えているか、区の見解を求めます。
また昨年、東京中央たばこ商業協同組合から、千代田区における喫煙所の絶対数不足解消に向
けた改善を求める陳情が提出されました。海外のお客様に向けたおもてなしの一環として重要な
指摘であり、早急に抜本的改善を求められました。早急に適所に複数の喫煙所を設置し、喫煙所
の周知徹底をすることは喫緊の課題です。
では、現在どんな対策が行われているのでしょうか。千代田区は、昨年、喫煙対策に関する調
査を実施しました。具体的な対策としては、民間喫煙所の設置基準緩和と助成金の拡大を行い、
41
民間の喫煙所設置の新設と改修をやりやすくしました。しかし、あくまでも民間の喫煙所がメー
ンで、区独自で公共喫煙所を設置することを避けて他人任せで進めているのが現状です。議会で
は、前環境文教委員会が現場視察をして現状を把握し、委員会として区に改善を申し入れました。
課題は、対策する担当と実際の施設改修する部署が違い、組織がまたがっていて直接対策ができ
なかったのですが、現状の組織でもまだやれることはたくさんありました。しかし、本来喫煙所
対策は組織上、安全生活課と道路公園課が一緒にやるべきものです。今年度、組織改正で安全生
活課の所管を道路公園課と一緒の環境まちづくり部になるべきでしたが、ハード的な対応ができ
ない今まで同様の地域振興部に移しただけでした。組織対応を考えていない組織改正になってし
まった。隔靴掻痒の感があります。靴の上から足のかゆいところをかくような組織になってしま
っています。
昨年、区の喫煙者動向調査では、喫煙者は身近なところに喫煙所があるとわかれば必ず立ち寄
るという結果が得られました。この結果は、喫煙所をある一定の間隔で配置し、絶対数を増やし
て分散化することで有効な対策ができることを意味しております。この結果と結論、対策につい
てどう考えるのか、区の見解を求めます。
最後に、私は次に挙げる8つの対策が有効であると考えますが、区の見解をお伺いいたします。
1、喫煙所の絶対数を増加させるため、公衆トイレの屋上や2階建等も考慮し喫煙所を配置す
る。公衆トイレの周辺で適地に整備する。
2、秋葉原の有料トイレ、オアシス@akiba方式のように、区道上に設置可能な場所を選
択し設置する。
3、現在設置されている公園の喫煙所は単なる間仕切りだけなので、近くを通る人や公園で遊
んでいる人の受動喫煙になる。間仕切りを改造し、最新式の空気清浄機を設置し、煙が外に漏れ
ないよう工夫する。
4.保育園の代替園庭は公園利用を制限する。
5、公園を時間限定で全面禁煙にする。
6、公園を子どもの利用する時間帯にあわせて喫煙トレーラーハウスを設置する。
7、トレーラーハウスは固定式ではなくても、移動式で、土日休日の集まる時間や場所に配置
する。秋葉原などでは移動喫煙トレーラーを設置する。
8、喫煙所の場所を示す表示板、マップを設置し、配布し、喫煙者に喫煙所の周知徹底をする。
以上です。
次に、区立幼稚園園児の定員超過による問題点と対策についてお伺いします。
千代田区の2歳児の人口が、平成27年4月1日住民基本台帳上569人と、前年比の431
人を138人も大きく上回っています。この傾向は、1歳児、0歳児の人口動向を見ると二、三
年は続くことが推測できます。6月1日現在では、0歳児は614人となったところです。2歳
児の人口569人が3歳児になり、区立保育園に入園できる可能性を割り出すと、単純計算する
と143人程度が入園できず私立幼稚園か認可保育園に行かなくてはならないのです。この数字
は全員が区のどこかに入園できる数字ではありません。既に今年度地元の幼稚園に入園できない
42
事態が発生しております。来年度はもっと多くの区立幼稚園で定員オーバーとなり、各園とも抽
せんになってしまう状況が考えられます。今年度、ふじみこども園では、定員20人に31人の
応募があり、定員増で25人まで受け入れましたが、定員超過で抽せんが実施され、九段幼稚園
に5名、千代田幼稚園に1名入園しています。千代田幼稚園ではこの影響で学区外の申込者1名
は入園できませんでした。幼稚園は小学校と同様に学区域が設けられており、他の学区への通園
は幼稚園園児の立場から簡単に変更することは難しい。定員オーバーになり、抽せんに外れた場
合、他の学区へ行くことになるか、他区の私立幼稚園に行かなくてはなりません。
区は、今まで保育園の待機児童ゼロの実現を目標に子育て計画を立ててきました。なぜ幼稚園
問題がなおざりになり、対策がとられなかったのでしょうか。保育園の待機児童同様、深刻な問
題です。幼稚園の定員超過問題は今後さらに事態は深刻化します。区はこの状況をどのように捉
え、どのように受けとめて、いかが対応するつもりか、区のご見解をお伺いいたします。
さて、現状では幼稚園各園とも広さや教員採用問題で簡単に定員増ができません。仮にすぐ動
いたとしても、対象となる幼稚園職員をパート、アルバイトの補助職員として簡単に雇用するこ
とができる現状にはありません。この条件で採用することは難しいはずです。
ここで質問します。区として、幼稚園の定員増加可能数を至急現状調査して、実現可能数を算
出するとともに、職員確保のために職員定数条例の1,080人と行革条例の人口比率25%を見
直すべきです。定員を今まで以上に増やさない限り、特効薬はないはずです。区のご見解をお伺
いします。
最後に、外国人の食習慣に適切に対応する「食のおもてなし」についてお伺いいたします。
2014年の訪日外国人観光客は1,341万4,000人、消費金額は2兆305億円に上り、
これらはいずれも過去最高を記録しております。政府もインバウンド観光客を増やすためさまざ
まな施策を行っており、千代田区でも秋葉原地区を中心に多くの外国人観光客が訪れています。
しかし、多様な国から外国人観光客が来訪するようになった現在、外国人に対する食のホスピタ
リティ、おもてなしが問題になりつつあります。
具体的には、主義、宗教等の違いにより、菜食主義であるベジタリアン、より厳密に卵、乳製
品、蜂蜜なども取得しない絶対菜食主義であるビーガン、イスラム教の教えに基づき、豚、アル
コールなどを摂取しないハラール食しか食べられない方など、さまざまな食習慣を持った外国人
の方々がいらっしゃいます。
日本人にとってムスリムやビーガンなどの食習慣は一般的になじみの薄いものですが、202
0年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、食を通じて異文化間での互いの文化を理解
する努力を行い交流を深めることは重要です。
これらの外国人の方々は、ネットなど限られた情報の中で自ら努力して食べられる物を探して
いるのが現状です。このような方々を対象に適切に情報を提供することは、千代田区に来訪して
くれた外国人に対するホスピタリティ向上において重要と考えられます。特に外国人観光客が集
中する秋葉原地区以外のエリアにおける飲食店や商店街等の情報を提供することで新たな集客が
見込めます。
43
国や地方公共団体でもさまざまな取り組みが始まっています。千葉県議会では、平成25年1
0月22日に海外観光客誘致のためにハラール推進を求める意見書を可決、農水省でも、ハラー
ル認証取得の助成を行うなど、外国人の食習慣に適切に対応する食のホスピタリティへの関心が
高まっています。一方、特にハラールに関しては、顕著な問題ですが、認証機関が林立し、ムス
リムの方々にとってわかりづらい状況が生じています。日本には、有力なハラール認証機関は6
つあると言われていますが、認証は東南アジア各国の認証機関が管理しているため、日本の認証
機関がどの国と相互認証をとっているか明確にする必要があります。
千代田区でも、保健所では日ごろ食品衛生事業はもちろんのこと、食育や食品表示、健康づく
り協力店事業など、積極的に取り組まれております。また、料理、飲食業組合や食品衛生協会と
の連携も密にしております。
そこでお尋ねいたします。
1、千代田区において、外国人の食習慣に適切に対応する食のホスピタリティ、おもてなしに
関して検討したことはありますか、今後、検討する予定はあるかお答えください。
2、外国人観光客や地域の商店街有識者や民間事業者等を交え継続的に情報交換、調査検討を
行い、千代田区として外国人の食習慣に適切に対応する食のホスピタリティに対する具体的な指
針をまとめる研究会の設置を検討してはいかがでしょうか。
3、墨田区と江東区、中央区の商店街振興会が「ムスリム食のおもてなし」ガイドブックを作
成して、地元の飲食店の方に配布したとのことですが、これら近隣区との連携をとってはいかが
ですか。これが「ムスリム食のおもてなし」というガイドブックで、非常にわかりやすく、こん
なのが商店に置いてあるといいかと思います。後で区長に差し上げますので。
以上の点について、区長並びに関係理事者の明快な答弁を求め、質問を終了いたします。どう
もありがとうございました。(拍手)
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
小林たかや議員の区立幼稚園の定員超過についてのご質問にお答
えいたします。
幼稚園には、小学校と異なり通園区域の設定はなく、基本的にどの幼稚園にも応募ができます
が、小学校との連携を考慮し、小学校の通学区域を準用して通学区域内に居住する幼児を優先し、
あきがあれば他学区域の幼児も受け入れております。現在でも、幼稚園の定員総体としてはあき
がある状況でございますけれども、これまでも特定の幼稚園に応募が集中し、抽せんとなること
がたびたび発生しております。
また、幼稚園は保育所とは異なり、幼稚園設置基準により1学級の幼児数は35人以下と定め
られております。したがいまして、幼稚園の定員を増やすためには定員35人未満の幼稚園の定
員を見直すか、あるいは学級数そのものを増やすことが考えられますけれども、本区の幼稚園は
全て小学校の併設園として整備をされておりまして、保育室の増設工事は極めて困難なのが実情
でございます。
一方で、子ども・子育て支援事業計画策定のためのニーズ調査では、フルタイムで就労してい
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る母親は47.5%でございまして、パート、アルバイト等で就労している方も含めますと、実に
61.2%のご家庭が共働きという結果となってございます。したがいまして、過半数の幼児は幼
稚園よりも保育所を選択することが考えられ、今後ともこの傾向は強まるものと考えております。
現在、計画値を超える就学前人口の増加によりまして、次世代育成支援計画を見直す予定であ
り、その検討の中で幼稚園の需要数も再精査をしてまいりたいと思います。あわせまして、定員
35人未満の設定の幼稚園の環境や園児に与える影響なども考慮しながら定員増を検討するとと
もに、3歳から5歳児までの短時間保育を実施する認定こども園の導入も検討してまいります。
〔地域振興部長立川資久君登壇〕
○地域振興部長(立川資久君)
小林たかや議員の食のおもてなしに関するご質問にお答えいた
します。
まず、区としての検討でありますが、オリンピック・パラリンピック推進プロジェクトにおい
て、外国人等の観光客への情報発信の充実を掲げ、外国人等の観光客に向けて地域の飲食店等の
情報を効果的に発信し、ムスリム対応などの情報提供に配慮することといたしております。東京
都におきましても、外国語メニュー作成支援ウェブサイトを通じて、飲食店等による外国語メニ
ューの作成を支援するとともに、ムスリム旅行者おもてなしハンドブックを作成し、おもてなし
の普及啓発を行っております。これらにつきまして、料理飲食業組合等に情報提供を行いますと
ともに、議員のご提案につきましても、どのような研究が可能か相談させていただきます。
なお、近隣区との連携につきましては、都心区で観光振興連絡会議を立ち上げておりますので、
その場で検討をしてまいります。
〔コミュニティ振興担当部長吉村以津己君登壇〕
○コミュニティ振興担当部長(吉村以津己君)
小林たかや議員の路上喫煙条例と喫煙所設置の
必要性についてのご質問にお答えをいたします。
生活環境条例の浸透に伴い、路上喫煙やポイ捨ては目に見えて減少した一方で、健康増進法の
施行による受動喫煙に対する健康意識の高まりから、全館禁煙化を図るオフィスビル等が増加し、
罰則が適用されない公園等の公共の場所での喫煙が大きな課題となっております。そんな中、特
に芳林公園の喫煙所につきましては、喫煙スペースの外で喫煙する喫煙者や、立ち上る煙につい
ての苦情も多く、生活環境指導員の巡回を強化して喫煙者に注意喚起を行っておりますが、公園
を利用される非喫煙者や近隣にお住まいの方の受動喫煙に対して抜本的な解決に至っていないこ
とは議員ご指摘のとおりであり、区としても十分認識をしております。
芳林公園に見られるように、公園などの公共空間に喫煙者が集中してしまうという新たな課題
に対し、喫煙所の分散化が必要であることは区の喫煙対策に関する調査でも見てとることができ、
公園周辺も含めた屋内喫煙所の整備につきまして、事業所等のご理解とご協力を得ながら少しず
つではありますがその設置を進めてまいりました。芳林公園の近隣には、既に1カ所区の補助に
よる屋内喫煙所がありますが、近隣の事業者のご協力のもと、さらにもう1カ所の屋内喫煙所の
設置が可能となりました。加えて、現在開放型の喫煙所については、密閉型の喫煙所として今後
整備してまいります。
45
また、引き続き区内に屋内喫煙所設置助成制度を活用した小規模分散型の喫煙所の整備を一層
推進していくこととともに、喫煙者のいるオフィスビルや事務所内に対し喫煙スペース設置につ
いて継続して呼びかけてまいります。
いずれにいたしましても、区では、喫煙者と非喫煙者が共生できる社会の実現に向け引き続き
取り組んでまいります。
なお、議員ご提案の諸対策のうち、喫煙トレーラーハウスについては、導入した場合の実際の
運用をどうするかなど多くの課題がございますので、まずは屋内喫煙所設置助成制度を活用した
小規模分散型の喫煙所の整備を進めていくことがより効果的と考えております。また、喫煙所の
周知徹底につきましては、表示板等を設置し、適切に対応してまいりたいと考えてございます。
〔環境まちづくり部長細越正明君登壇〕
○環境まちづくり部長(細越正明君)
小林たかや議員のご質問のうち、道路上や公園内の喫煙
所に関する個別のご提案についてお答えいたします。
まず、公衆トイレの屋上や2階、またはトイレ周辺に喫煙所を整備することについてですが、
こうした事例として淡路公園の整備に当たり公園トイレの上部を喫煙スペースとしたものがござ
います。このケースにつきましては、近隣への影響がほとんどない場所に配置が可能であったこ
と、地形的な高低さを利用してトイレ上部への出入りが容易な条件であったことなどにより整備
することができたものでございます。したがいまして、今後のトイレ等の整備に当たっては、こ
うした条件整備が可能な場合であれば検討してまいります。
次に、区道上での喫煙所の設置についてですが、オアシス@akibaの喫煙所は、設置箇所
が土地区画整理事業によって新たにつくられた駅前広場という広い歩行空間の一角であったこと、
鉄道施設に隣接し、近傍に住宅や店舗等がなかったという特異な条件のもと、有料の公衆トイレ
を整備するに当たり、その付加機能である休憩施設として設置したものでございます。したがい
まして、同様の空間確保が難しい他の区道上では、こうした喫煙所の設置は考えておりません。
次に、現在の公園内喫煙所を煙が出ないように改修することについては、個々の公園や喫煙所
の現状に応じて十分な分煙が図れるよう検討してまいります。
次に、保育園の代替園庭での利用制限や時間限定での禁煙化については、子どもの健康を第一
に考え、地域や利用者のご意見を踏まえながら、運用面において対応してまいります。
〔政策推進担当部長歌川さとみ君登壇〕
○政策推進担当部長(歌川さとみ君)
小林(た)議員の行革条例の人件費比率の見直しについ
てのご質問にお答えをいたします。
本区は、平成14年3月、財政の硬直化を示す経常収支比率や人件費比率を数値目標として設
定しました「千代田区行財政改革に関する基本条例」を制定し、内部努力を継続的に行い、職員
給与費が財政を圧迫しないよう努力してまいりました。今後も引き続き不断の内部努力を行い、
将来にわたり持続可能な行財政運営を行うため、必要な人員は措置していくものの、人件費によ
る財政の硬直化を回避する必要があることから、本条例に掲げている人件費比率をおおむね2
5%程度とする目標について見直す考えはございません。なお、幼稚園の定員増にかかる教育職
46
員の定数条例の改正についても考えてございません。
○14番(小林たかや議員)
○議長(戸張孝次郎議員)
答弁漏れ。……が答弁漏れ。答弁漏れがありました。
以上で一般質問を終わります。
○14番(小林たかや議員)
○議長(戸張孝次郎議員)
ないんだよ、答弁漏れだもの。
手を挙げてくださいよ、そしたら。はい。小林たかや議員。
○14番(小林たかや議員)
答弁漏れがありますので、一部答弁漏れ、答えてください。自席
から質問します。答弁漏れは質問じゃないですよ。
まず、保育園に行けない人がたくさんいるわけですよね。で、保育園から幼稚園に、今度幼稚
園にも行けない人がたくさんいる。だから、遠くの幼稚園に行くのか、どちらにも行けない人は
他区の私立幼稚園に行くのかということですよ。それで定員、抽せんになったらそうなりますか
ら、その辺ちゃんと答えください。
それから、認定こども園の誘致と言っていますけど、現在、私立認可保育園の誘致もままなら
ないのに、認定保育園の誘致ができるんですか。現実的な対応を答えてください。
あともう1つ、子どもが増えることが予想されて、職員を増やすのは、これ、当たり前のこと
です。それをさっき、人件費じゃなくて、(ベルの音あり)増やすとするとすれば、ソフト的、
幼稚園をつくれと言っているわけじゃなくて、ソフト的対応をせざるを得ないんです。職員を増
やすためにはそれしかありません。もう一度答えてください。
〔子ども部長保科彰吾君登壇〕
○子ども部長(保科彰吾君)
小林たかや議員の再質問にお答えいたします。
2点ございました。1点目が幼稚園の定員超過の問題で、他の学区の幼稚園に行くのかという
お話でございました。私どもも基本的には自宅から最寄りの幼稚園に通うことが理想だと思って
おります。ただ、先ほども申しましたとおり、物理的に千代田区の幼稚園は全て小学校の併設園
という状況にございます。幼稚園は保育園と異なりまして学級という概念がございまして、定員
を増やすためにはクラスそのものを増やさなきゃいけないという状況がございます。ですので、
総体としてお子さん方が極力最寄りの幼稚園に行けるように努力をさせていただきますが、その
辺のところは、ぜひ、ごしんしゃくいただきたいと思います。ちなみに、今年の全3歳児のうち
幼稚園を選択された方は約35%でございます。この数値は年々低下をしております。ですので、
その辺の幼稚園、保育園の選択状況も勘案しながら、次世代育成計画を見直す中で検討していき
たいと思います。
それからもう1点の、保育園も誘致できないのに認定こども園の誘致ができるのかというご質
問でございました。今、私どもで想定をしておりますのが、保育所型の認定こども園を想定して
ございます。ご案内のとおり、保育所につきましては、0・1歳の需要が大部分でございまして、
3・4・5歳の需要は比較的緩いと。設定が例えば3・4歳児であれば20対1、子ども20人
に対して保育士1人、5歳児については30人に対して1人という条件がございまして、やや余
裕があるという状況でございますので、その辺も含めた形で認定こども園の誘致を検討させてい
ただきたいという趣旨でございます。
47
〔政策推進担当部長歌川さとみ君登壇〕
○政策推進担当部長(歌川さとみ君)
小林(た)議員の再質問にお答えをいたします。
ご案内のとおり、平成25年の第4回定例会におきまして定数の条例を改正させていただきま
して、1,080人という定数になってございます。この総定数1,080人の枠内で、専門職種
については、業務量とのバランス、将来の行政需要を見通して計画的に新規採用を行うなど、め
り張りのある定数管理を実現しておるところでございます。例えば、幼稚園教員につきましては、
平成26年から毎年2名ずつ計画的に人員を増やしておりまして、平成25年4月に33名でご
ざいましたが、29年4月には42名まで増える見込みでございます。このように計画的に採用
を行っているところでございます。(「答弁漏れ、議長、答弁漏れがある」と呼ぶ者あり)
○議長(戸張孝次郎議員)
一般質問を終了します。
この際、会議時間を延長します。(「議長、答弁漏れがありますよ、答弁漏れがありますよ」
「議事進行。議事進行」「答弁漏れは答えてもらわなくちゃ」「議事進行だよ、議長」と呼ぶ者
あり)
一般質問を終了します。
この際、会議時間を延長します。
これより日程に入ります。
日程第1から第5を一括して議題にします。
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第38号
千代田区手数料条例の一部を改正する条例
議案第40号
高齢者総合サポートセンターの机・椅子等の購入について
議案第41号
防災行政無線デジタル化等に伴う機器の購入について
議案第42号
災害対策用備蓄物資(食料)の購入について
議案第43号
特別区道千第262号(大神宮通り)電線類地中化事業の委託に関する平成2
7年度及び平成28年度協定の締結について
(企画総務委員会審査付託)
48
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第38号、千代田区手数料条例の一部を改正する条例についてご
説明を申し上げます。
東京都の条例であります食品製造業等取締条例及び特別区における東京都の事務処理の特例に
関する条例の一部改正により、弁当等人力販売業者の許可申請に対する審査等の事務が区の事務
になることに伴いまして、当該事務手数料を新たに定めるほか、規定を整備するものでございま
す。
本年10月1日から施行をいたします。
次に、契約議案4件につき、ご説明を申し上げます。
議案第40号、高齢者総合サポートセンターの机・椅子等の購入については、高齢者総合サポ
ートセンターの机・椅子その他備品を購入するものでございます。公募制指名競争入札の結果、
購入金額は3,682万8,000円、購入先は千代田事務用品事業協同組合となってございます。
平成27年度一般会計保健福祉費で予算措置をいただいているところでございます。
次に、議案第41号、防災行政無線デジタル化等に伴う機器の購入については、防災行政無線
をデジタル化するなど、各機器類を購入するものでございます。公募制指名競争入札の結果、購
入金額は3億6,288万円、購入先は田中電気株式会社となってございます。平成27年度一般
会計環境安全費で予算措置をいただいているものでございます。
次に、議案第42号、災害対策用備蓄物資(食料)の購入についてでございます。
災害対策用にミネラルウォーター等を購入するものでございます。公募制指名競争入札の結果、
購入金額は3,061万2,029円、購入先は株式会社クロサカとなってございます。平成27
年度一般会計環境安全費で予算措置をいただいているものでございます。
次に、議案第43号、特別区道千第262号(大神宮通り)電線類地中化事業の委託に関する
平成27年及び平成28年度協定の締結についてでございます。
電線類地中化工事の実施を内容とする委託協定を締結するものでございます。協定金額は2億
3,994万8,711円、相手方は公益財団法人東京都道路整備保全公社となってございます。
平成27年度一般会計まちづくり推進費及び平成28年度債務負担行為で予算措置をいただいて
いるものでございます。
以上5議案につきご説明を申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜りますよ
う、よろしくお願い申し上げます。
○議長(戸張孝次郎議員)
お諮りします。
ただいまの議案は、いずれも企画総務委員会に審査を付託したいと思いますが、異議ありませ
んか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第6を議題にします。
49
―――――――――――――――――――○―――――――――――――――――――
議案第39号
千代田区いじめ防止等のための基本条例
(子育て文教委員会審査付託)
50
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第39号、千代田区いじめ防止等のための基本条例についてご説
明を申し上げます。
いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するため、いじめ防止等に関し基本的な
事項を定める条例を新たに制定するものでございます。
公布の日から施行をいたします。
以上、ご説明を申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜りますよう、よろし
くお願い申し上げます。
○議長(戸張孝次郎議員)
お諮りします。
ただいまの議案は、子育て文教委員会に審査を付託したいと思いますが、異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
日程第7を議題にします。
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議案第37号
平成27年度千代田区一般会計補正予算第1号
(予算特別委員会審査付託)
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○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関から提案理由の説明をお願いします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
議案第37号、平成27年度千代田区一般会計補正予算第1号につい
てご説明を申し上げます。
補正前の額504億1,062万4,000円に、1億1,283万7,000円の予算額を追加
するものでございます。内容は、まち・ひと・しごと創生関連事業、消費生活支援事業、臨時福
祉給付金、千代田子育てサポート及び子育て世帯臨時特例給付金に係る各予算の追加でございま
す。
以上の結果、補正後の一般会計予算額は505億2,346万1,000円となります。また、
債務負担行為の補正といたしまして、九段小学校・幼稚園の整備にかかわる平成28年度から2
9年度までの債務負担限度額を、57億285万1,000円から65億596万4,000円に
変更いたします。
以上、ご説明を申し上げました。ご審議の上、何とぞ原案どおりご議決賜りますよう、よろし
くお願い申し上げます。
○7番(大坂隆洋議員)
ただいまの議案は全議員で構成する予算特別委員会を設置し、審査を
付託することを提案します。
○議長(戸張孝次郎議員)
大坂隆洋議員の動議に異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
お諮りします。
予算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第5条の規定により、全議員を指名した
いと思いますが、異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(戸張孝次郎議員)
異議なしと認め、決定します。
ただいま設置された予算特別委員会の正副委員長互選のために休憩します。
午後4時50分
休憩
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午後4時56分
○議長(戸張孝次郎議員)
休憩
休憩前に引き続き、会議を開きます。
ただいまの休憩中に開会された予算特別委員会で正副委員長が互選されたので報告します。
委員長、松本佳子議員、副委員長、林則行議員、桜井ただし議員が選任されました。
報告を終わります。
日程第8及び第9を一括して議題にします。
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報告第5号
平成26年度千代田区一般会計予算の繰越明許費に係る歳出予算の繰越しについ
て
報告第6号
損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件について
53
○議長(戸張孝次郎議員)
執行機関より報告をお願いいたします。
〔副区長山口正紀君登壇〕
○副区長(山口正紀君)
2件のご報告を申し上げます。
まず、報告第5号、平成26年度千代田区一般会計予算の繰越明許費に係る歳出予算の繰越し
についてでございます。
本年第1回区議会定例会におきましてご議決をいただきました平成26年度一般会計予算の繰
越明許費21億9,369万6,000円のうち、21億3,372万3,000円を繰り越しまし
たので、地方自治法施行令第146条第2項の規定に基づき、ご報告を申し上げるものでござい
ます。
次に、報告第6号、損害賠償請求事件に関し専決処分により和解した件についてでございます。
平成24年10月区立外濠公園内で、強風により折れた桜の枝が隣接するJR東日本の敷地に
落下し、走行中の中央快速線に接触したことにより、上下線が運休または運行が遅延する事故が
発生をいたしました。このことにつきまして、専決処分により、区がJR東日本に対し108万
4,458円を支払うことで和解いたしましたので、ご報告を申し上げます。
以上、ご報告を申し上げました。よろしくお願い申し上げます。
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○議長(戸張孝次郎議員)
以上で、本日の日程を全て終了しました。
次回の継続会は、7月1日午後1時から開会します。
ただいま出席の方には、文書による通知はしませんので、ご了承願います。
散会します。
午後4時59分
散会
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