復興の財源 西独が参考に - a-bombsurvivor.com

特 ダネ情 報 (Exclusive) No.58
「復 興 の財 源 西 独 が参 考 に」 ドイツ史 研 究 家 永 井 晴 彦 (75)さんに共 感 !!!
"West Germany Reconstruction Budget Plan should be considered now"
uhiko Nagai(75)
By Har
Haruhiko
戦 時 中 に東 京 大 空 襲 に遭 遇 され肉 親 を失 われ、ご本 人 も筆 舌 し難 い苦 難 を体 験 された
東 京 の友 人 からしばしばメールをいただく中 で、本 日 は朝 日 新 聞 投 書 記 事 を送 っていた
だきました。ご参 考 までに、その方 のメールも原 文 のまま下 記 に貼 付 します。
“私 は今 回 の東 北 震 災 に当 た り、66年 前 の自 分 を思 い 出 します。当 時 11歳 、3月 10
日 、ヒューマニズムを謳 うアメリカによる無 差 別 爆 撃 で逃 げまどいました。深 川 という軍 事
施 設 の無 い居 住 区 に風 の吹 く時 季 に、油 を撒 いてから親 子 の焼 夷 弾 をばら撒 き、一 夜
にして10万 人 を焼 き殺 しました。私 は3月 11日 に墨 田 区 の震 災 記 念 堂 に兄 2人 と父
の3人 の慰 霊 に行 きました。帰 りにあの大 震 災 に会 い電 車 に閉 じ込 められ、歩 いて、夜
遅 く家 に帰 りました。従 って、私 にはこの震 災 は人 災 に思 えます。その後 の菅 内 閣 と東
電 の対 応 、想 定 外 と逃 げ口 上 の原 発 事 故 、正 に人 災 です。野 党 の時 の自 民 党 攻 撃 は
実 力 の無 い、政 治 ショーでした。
まず国 民 がアホです。そして、分 析 力 の無 いマスコミ、今 回 の震 災 ははまさに人 災 です。
石 原 慎 太 郎 の「天 罰 」発 言 や自 粛 要 請 は経 済 のわからない政 治 家 のたわごとです。今
日 の朝 日 の声 にドイツの復 興 政 策 が書 かれています。私 は、戦 災 を受 け、原 爆 を受 け、
敗 戦 、そして、立 ち上 がった日 本 を見 てきました。与 党 の批 判 してばかりしていて、客 観
的 に研 究 しなかったことが今 の無 策 になっていると思 います。 “
さて、標 題 はくだんの朝 日 新 聞 の投 書 欄 記 事 ですが、添 付 されたスキャナー資 料 がクリ
アでないので、原 文 を下 記 に改 めて記 します。
復 興 の財 源 西 独 が参 考 に
ドイツ史 研 究 永 井 晴 彦 (東 京 都 八 王 子 市 75歳 )
大 震 災 復 興 の膨 大 な経 費 の財 源 について、政 治 家 たちの口 は重 く曖 昧 だ。ただ旧 西
ドイツが実 施 した「負 担 調 整 」という仕 組 みは一 般 市 民 にも参 考 になるのではないか。
空 襲 に遭 って財 産 を失 った者 や、東 欧 各 地 から追 われてきた ドイツ系 の「被 追 放 民 」
(日 本 の 引 き揚 げ者 に近 い )ら 、戦 争 で大 きな物 的 被 害 を受 けた 人 た ち に対 し、幸 いに
も難 を免 れた人 たちからある種 の税 金 を取 り、これを充 てるー戦 争 による互 いの負 担 を
調 整 する仕 組 みである。
「負 担 調 整 法 」に よ り 50年 近 くに わ た っ て 移 転 さ れ た 金 額 は 、 十 数 兆 円 な い し20兆
円 に相 当 するといわれてい る。金 額 の大 きさもさることながら、これがドイツ人 同 士 の連
帯 意 識 を育 んだ ことは 間 違 い ない 。また 、ドイ ツ が外 国 人 ・ユダ ヤ 人 など への 手 厚 い 戦
後 補 償 をしてきたのは、こういう公 正 な制 度 を前 提 にしたうえでのことであることを忘 れて
はなるまい。
過 去 の災 害 の被 害 者 には行 われてこなかった措 置 だなどとの反 論 もあろう。だが、まさ
しく国 難 といえるこのときに、納 税 する側 も検 討 するに値 するかつての西 ドイツの仕 組 み
ではなかろうか。
さて、大 震 災 に遭 遇 され苦 難 の日 々を送 っておられる母 国 同 胞 の皆 さんに深 い悲 しみを
抱 きつつ此 処 フィリピンで生 活 している私 ですが、多 くの災 害 関 連 小 著 をこのウェブサイ
トに掲 載 する中 で、不 謹 慎 かもしれませんが、笑 いを招 来 したり皮 肉 な発 言 も小 著 に書
いて今 日 に及 びます。お許 しください。
そうした中 で、本 日 は上 掲 のような建 設 的 かつ画 期 的 なご意 見 に出 会 いましたので、急
きょ本 稿 に掲 載 しました。本 稿 をもって、3月 の最 終 拙 著 とするしだいです。災 害 で多 くの
肉 親 や友 人 を失 い、ご自 身 も過 酷 な避 難 生 活 をしておられる多 くの同 胞 の方 々への深
い想 いを抱 きながら・・・。
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(追 記 )永 井 さんの提 言 に強 く共 感 する者 ですが、どうやら、次 回 はその「続 編 」を書 き必
要 を感 じています。「復 興 財 源 確 保 で増 税 せよ!」といったタイトルになりそうです。総 選
挙 の 「争 点 」にす れ ば ケッ サ ク でしょ う! 反 対 者 被 災 者 の 怨 念 を受 け る と覚 悟 すべ きで
す。かくいう私 は年 金 支 給 額 の減 額 にハンタイしません!
2011年 3月 30日
執 筆 ・編 集 者 :吉 田 祐 起
(原 爆 生 存 証 言 者 /健 康 ・生 きがいづくりアドバイザー:フィリピン共 和 国 ラグーナ州 在
住)
[email protected]
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