10月号

2015 年 10 月(NO.6)
中島先生
側島先生
『100万回生きたねこ』
『坂の上の雲』
終戦まもない1947年(昭和22)年、まだ戦火の傷
痕が至るところに残っているなかで「読書の力によって、
平和な文化国家を作ろう」という決意のもと、出版社・取
次会社・書店と公共図書館、そして新聞・放送のマスコミ
機関も加わって、第1回『読書週間』が開催されました。
そのときの反響はすばらしく、翌年の第2回からは期間も
10月27日~11月9日(文化の日を中心にした2週間)
伊藤智晶先生
大野先生
と定められ、この運動は全国に拡がっていきました。
『県庁おもてなし課』
『天地明察』
そして『読書週間』は、日本の国民的行事として定着し、
日本は世界有数の「本を読む国民の国」になりました。
いま、電子メディアの発達によって、世界の情報伝達の
流れは、大きく変容しようとしています。しかし、その使
。
い手が人間であるかぎり、その本体の人間性を育て、かた
ちづくるのに、
「本」が重要な役割を果たすことはかわりあ
りません。
暮らしのスタイルに、人生設計のなかに、新しい感覚で
の「本とのつきあい方」をとりいれていきませんか。
平井先生
本の紹介
堀先生
『一瞬の
風になれ』
『杉原千畝』
六千人の命を救え
水谷先生
『時を
かける少女』
先生方からの本の紹介
校長先生
『上昇思考』 幸せを感
じるために大切なこと
伴先生
『ジョン万次郎』 海を
渡ったサムライ魂
長友佑都
小山先生
『ぼくのごはん』
縣先生
『精霊の守り人』
安田司書
『はてしない物語』
司書に成り立ての頃、いつも選書や紹介本に迷っていた私は、某公共図書館で「中学生にはどんな本を薦めたら
よいですか?」と聞いたところ、「星新一」を紹介されました。「中学生にお勧めの本」という題目で色々な資料を
調べてみても必ずと言ってよいほどランキング10位に含まれている「星新一著の本」を
今月は、紹介します。
日本 SF の草分け的な存在で、
「ショートショート」と呼ばれる短編の
名手、星新一(1926~97年)
。奇抜で自由な発想で、生涯に千以上
の小説を書いた。
『ボッコちゃん』には名作50編が収められている。
鏡の中の小さな悪魔をつかまえ、つぼにおしこめることに成功した夫婦
が登場する『鏡』
。二人は、悪魔をいじめることでストレスを解消する。
いじめはエスカレート、夫はハンマーで頭をくだき、妻ははさみでしっぽ
を切る。やがて悪魔が鏡の中に逃げ去る。残された夫婦は、育ってしまっ
た可逆性をたがいにぶつけるしかなくなる。
『妖精』は、演劇の道を歩き始めたケイが主人公。ケイにはアイというラ
イバルがいて、アイより全ての面でおとっている気がしている。そんなケ
イを前に妖精があらわれる。どんな願いでもかなえてくれると知り一度は
喜ぶが、同時にその2倍のことがライバルにもたらされると聞き、何を願
えばいいのか迷う。
『鏡』は人間の中にある残虐さを、
『妖精』は嫉妬という感情の厄介さをクールにあぶりだす。そこには人間への深
い共感と理解がある。
異星人に出会ういくつかの物語は、私たちの固定観念や常識をかろやかにひっくり返す。例えば『親善キッス』
宇宙船でチル星に着いた地球人は、そこの住人たちと親善のキスをして喜ぶ。だが後で、チル星人の口は地球人の
おしり付近にあると気付く。では、口と思ったその器官は?
肩に乗ったインコ型のロボットが主人の気持ちを代弁する『肩の上の秘書』
。人口爆発後の人口減少を描いた『最
後の地球人』。鋭い文明批評がユーモアにくるまれ、差し出される。はまるとなかなか抜け出せない星ワールドに、
一度つかってみてほしい。
中学生の君達がいったいどんな本を好んで読むのか、
「選書」にはいつも悩まされる。君たちの前向きなリクエストに
は全て応えたいのだけど、
「学校図書室にふさわしくない本」と判断してやめることがある。それは、装丁の絵がちょっ
と奇抜、あらすじを読んで悪影響なのでは?年齢的に理解が難しいのでは?など、その本の表面的な部分だけを見て決
めている場合が殆どです。
「学校図書館にふさわしくない本」と断定的に言える理由ではないということ。 その人にと
って毒となる本というのは、周りが止めても目に触れる機会があったり、私が選書した中に入っていることや、個々に
手に入れる方法はいくらでもある。何気に借りた本がまるで思っていた物と違うこともある。でも、例えそんな本に出
会っても、毒かどうかというのは、その人自身が自分で判断し、毒ならば自分で排除できなければならない。また、そ
んな本は、その人自身が始めから、自然と受け入れてないかと思うのです。その時々あなたにはあなたの求める本と出
会っていると信じて本を手に取り、安心して読んでもらいたいなと思います。