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視神経脊髄炎(NMO) - 東北大学大学院医学系研究科 多発性硬化症

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視神経脊髄炎(NMO)
「NMOの再発」
なかしま
BC
76
初級
いちろう
中島 一郎/ 東北大学病院 神経内科
明治神宮外苑(東京都新宿区)
NMOの再発は重篤
見逃されやすい症状
視神経脊髄炎(NMO)はたった1
注意が必要な再発症状としては、数
回の再発で、失明してしまったり寝た
きりになってしまったりすることもあ
る病気なので、再発予防治療が何よ
り優先されなければなりません。
視神経炎の再発症状は、視野の欠
損、靄がかかったような視力低下が
多いですが、数日かけて徐々に悪化
日間続くしゃっくりや吐き気、過度
の眠気(過眠症)、多飲・多尿・口
にょうほうしょう
渇(尿崩症)、意識障害・けいれん
などです。これらの症状は視神経や脊
髄ではなく、大脳病変が原因となって
起こります。通常NMOでは大脳病変
があまり生じませんので、診断の遅
れの原因になります。
するので、異常を感じたらすぐにかか
りつけ医を受診しましょう。また、
視神経炎の再発前に目の奥が痛くな
ることがよくありますので、目の奥の
痛みが生じた時は注意が必要です。
再発のきっかけは通常はっきりし
ませんが、風邪を引いた後や、予防
接種の後に再発することがたまにあ
るようです。また出産後に再発頻度が
少し高くなることも知られています。
脊髄炎の再発は首周辺や肩、腕な
どのビリビリとしたしびれや痛みでは
じまることが珍しくありません。脊
髄の広範囲で病変が生じていること
が多いので、感覚の低下、脱力、排
尿障害、ふらつきなどの症状が数日か
けて進行します。
22 ストレスとの関連はよくわかってい
ませんし、食事や嗜好品との関連も
指摘されていません。ただし、免疫
力を高めるようなサプリメントの摂
取は控えたほうが良いでしょう。
若い患者さんで多い脳病変
価はかなり低下しますので、ある程度
病勢を反映していると考えられますが
NMOにおいて視神経炎と脊髄炎は
抗体価で再発を予測することは不可
ほぼ同頻度で起こりますが、現在イギ
能と思われます。
リスのオックスフォード大学と進行
中の共同研究によれば、比較的若い
患者さんは視神経炎の再発が多く、
NMOの再発時の治療法
年齢の高い患者さんは脊髄炎の再発
の頻度が高いようです。
再発からの回復には速やかなステ
ロイドパルス治療が必要です。網膜神
また、高齢の患者さんの脊髄炎は
経線維層厚を視神経炎発症後に調べ
回復が悪いことが多く、若い患者さ
てみると、発症後3日以内にステロイ
んで脳病変の頻度が高い傾向にありま
ドパルス治療をおこなうことで網膜線
す。脳病変の存在はMSと誤診される
維層厚の菲薄化が防げる可能性が高
可能性があり、注意が必要です。
いことが判明しました。逆に、3日以
上経過してからパルス治療をおこなう
と、網膜線維層厚は半分以下に薄く
再発は予測できない
なり、視力回復が不充分になる可能
性が高いことがわかっています。
NMOの再発はあいにく予測できま
せん。抗アクアポリン4抗体の抗体
価の上昇が再発のリスクをいくらか
高めると考えられますが、必ずしも
抗体価の上昇が再発に繋がるとは限
りません。
ただ、再発時の抗体価は安定期よ
りも高い傾向にあり、ステロイドパ
殿ヶ谷戸庭園(東京都国分寺市)
ルス治療や血漿交換療法によって抗体
23 当講座の西山修平先生や高井良樹先
NMOの再発予防の治療法
生の研究によると、中枢神経のアスト
ロサイトは抗アクアポリン4抗体に
再発予防には経口ステロイド剤
よって段階的に障害を受けていて、初
(プレドニゾロン)が有効です。当院
期の段階であれば、元通りに回復でき
では、初発時あるいは再発時のパル
ることを指摘しています。充分な回復
ス治療後にプレドニゾロンを1日当た
を得るためには、再発したら即パルス
り50mg程度から開始し、少しずつ減
治療を受けることが何より重要です。
量して1日当たり15mg程度を維持量
としています。免疫抑制剤の併用がよ
り有用なこともあります。
回復が不充分なら血漿交換療法・
免疫吸着療法
NMOはMSと異なり、再発回数が
増える度に再発抑制が難しくなりま
パルス治療で思うように回復でき
ないときは、血漿交換療法あるいは
免疫吸着療法を試してみると良いで
しょう。血液中の抗アクアポリン4
抗体の量を減らすことで、炎症の進
展が防げ、組織の回復が促せると考え
られています。血漿交換療法の効果が
期待できるのは発症から1ヶ月以内で
すが、数ヶ月経過後の視神経炎が回
復したケースもあります。
す。運良く初発時に抗アクアポリン4
抗体が陽性であることが判明したら
すぐにプレドニゾロンの内服を開始
し、2回目の再発を何が何でも(少な
くとも1年半)防ぐ必要があると考え
ます。症状がまだ軽いから、などとい
う理由で次の再発を未治療で待つよ
うなことがないようにくれぐれも注
意していただきたいと思います。ま
た、ステロイドの副作用を恐れるあ
まり、減量スピードが速すぎて数ヶ月
∼1年毎に再発を繰り返すことがない
東北大学大学院 医学系研究科
多発性硬化症治療学寄附講座
http://www.ms.med.tohoku.ac.jp/
ようにしなければなりません。
最新の情報が紹介されています。
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必ずプレドニゾロンによる再発予防を
24 抗アクアポリン4抗体が陽性なら
おこないましょう。
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