生活社会調査実習 2012年度調査結果

2012 年度生活社会調査実習調査結果要約
鈴木恵理
「高校時代の部活動と大学受験結果の満足度に関する調査」
調査の目的は、高校時代の部活動の満足度が受験結果・勉強の満足度にどの程度、影響しているのかを明
らかにすることである。東京近郊の大学に通う大学生の男女 132 名を対象に調査を行った。分析の結果、
部活動の満足度は受験結果の満足度に影響を与えてはいなかった。しかし、受験勉強の満足度は受験結果に
影響を与えていた。また、部活動と受験勉強のモチベーションはそれぞれ部活動と受験勉強の満足度に影響
を与えていることが分かった。他にも性別という要因が部活動の満足度に影響を与えていた。
木村奈美
「コミュニケーション能力に関する調査」
調査の目的は、まだ定義が曖昧であるコミュニケーション能力をどのように我々が考えているのかについ
て明らかにすること。また、コミュニケーション能力が高い人の共通点を分析することであった。調査対象
者はお茶大生 100 人である。分析結果より、我々がよく使う「コミュニケーション能力」という言葉の中
には、
「15 分以上誰とでも話せる能力」
「自分の意見を言える能力」
「のりやつっこみができる能力」が含ま
れているがわかった。また、祖父母と仲が良い人ほどコミュニケーション能力が高いことも分析によって示
された。父親との仲の良さはコミュニケーション能力の高低には関係なかった。母親と仲が良いとコミュニ
ケーション能力が高いということもわかったが、祖父母との仲の良さほどは関係しないことも示されている。
鬼塚映里
「女子大生の社会進出に対する意識と結婚意識に関する調査」
調査目的は、女子大生の社会進出に対する意識と結婚に関する意識において、女子大に通う学生と共学に
通う学生でどのように異なるかを検討することであった。対象者は関東の大学に通う女子大生 115 名であ
った。分析の結果、女子大に通っているか共学に通っているかは社会進出に対する意識や結婚意識には関係
しておらず、個人のリーダー性や社会への献身的態度が大きいと、社会進出への興味も大きくなり、結婚願
望は低くなるという傾向があることが示された。
長田真弥
「娘の就業意識と結婚願望に関する調査」
調査の目的は、娘が認識する母親の就業意識が、娘の就業意識にどのような影響を与えているのかを明ら
かにすること、また、母親の存在が娘の結婚意識にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。
サンプル数は 102、対象はお茶の水女子大学の学生(全学部)、調査方法は集合調査で有意抽出である。主
な結果として、「妻は外で働くべきであるということについて、母親の意識が高いと娘が認識していればい
るほど、娘の意識も高くなる」また、
「母親を尊敬していればいるほど、結婚願望が高い。両親のような夫
婦になりたいと思っていればいるほど、結婚願望が高い。」ということがわかった。
肥塚早紀
「ライフキャリアに関する意識調査」
本調査の目的は、ライフキャリア(将来における就業、結婚、出産に関する希望)を規定する要因を明ら
かにすることであり、お茶大の学部生 135 名を対象に集合調査を行った。本調査では、主に以下の 2 つの
仮説を検討した。まず、仮説1「母親の就業状況は子の出産後の就業継続希望を規定する。
」については、
本調査からは、母親の就業形態と子の出産後の就業継続希望に関連性は見られなかった。次に、仮説 2「職
業での昇進希望が高いほど出産希望は低くなる。
」についても、本調査からは、昇進希望の高さと出産希望
に関連性は見られなかったが、重回帰分析の結果より、出産希望には子どもをめぐる家族観(子どもが好き
かどうかや、子どもが家庭にいることを当然だと思うかなど)が、何らかの影響を与えていることがわかっ
た。
上村美悠
「スカートの着用に関する意識調査」
本調査の目的は、お茶大生のスカート着用傾向とジェンダー観(性別役割分業意識、結婚後の就業形態等)
の関係を分析し、ジェンダー観が服装を媒体として表面化されるものなのかを明らかにすることである。調
査対象者は、お茶大生 135 人である。分析の結果、スカートに女性らしいという印象を持つ人ほど、スカ
ート着用頻度が高いという結果は得られたが、スカート着用頻度と性別役割分業意識、キャリア志向の間に
因果関係は認められなかった。
北爪奈保
「高校時代の部活動と問題直面時の行動に関する調査」
本調査では、高校時代の部活動における活動の様子や人間関係が、高校を卒業してからの生活において問
題に直面した時の行動にどのように影響しているのかということを明らかにすることを目的とした。調査対
象者は 18 歳から 22 歳までの関東の大学生 127 名であった。分析の結果、高校時代の部活動での人間関係
が良好であれば、日常生活における人間関係、勉強面、仕事に関する問題解決時の行動が他者へ援助を求め
る傾向になるということがわかった。経済面の問題に関しては、部活動の練習への参加度が下がると、他者
への援助を求める確率が低くなる傾向が示された。高校時代の部活動と健康面の問題直面時の行動の間には
有意な関係がなかった。
藤原千南
「女子大生の恋愛と生活に関する分析」
調査の目的はお茶大生の異性とのかかわりや異性がいる場合いない場合の生活環境の違いを明らかにす
ることである。調査対象者は、お茶大生 100 人である。分析の結果、
「アルバイトやサークル以外での親し
い男性の有無は現在の彼氏の有無に影響を与えること」、
「異性に興味がない人ほど共学と想定した場合に登
校時に化粧をしないこと」が分かった。
檜山美珠希
「母娘関係に関する調査」
この調査は、母親の娘に対する言動がどの程度娘のジェンダー観に影響を与えているのか、またはいない
のかを分析することを目的とした。調査対象はお茶の水女子大学の学生 101 人である。結果として、母親
のジェンダー観と娘のそれにはやや相関関係があるが、母のそれが保守的であればあるほど娘のそれも保守
的になる、というような因果関係は見られなかった。また、回答者が、自分の母親が現在就いている就業形
態(正規雇用者、専業主婦など)と同じ就業形態を、将来、自分が結婚・出産をした後にとるだろうと予想
する傾向がある、とはいえないことが明らかになった。
寶田芙由子
「高齢者労働に関する大学生の意識調査」
調査の目的は、平均寿命の延びとともに高齢者(65 歳以上)の再雇用等が検討されている社会背景を踏
まえ、母や祖母の就業経験が女子大学生の高齢労働に対するイメージにどのような影響を与えているのか、
高齢労働者に対して持っている肯定的なイメージが自らの高齢労働に対する意欲にどのような影響を与え
ているのかを明らかにすることである。対象者はお茶の水女子大学の学部生 100 名。分析の結果、母や祖
母の就業と高齢労働へのイメージの関連性は確認されなかった。また、パートの高齢女性が楽しく働いてい
ると思う学生ほど、自分の将来の高齢労働に意欲的であることが分かった。
大迫詩織
「お茶大生の結婚観・家族観について」
本調査の目的はお茶の水女子大学の学生の性別役割分業観とそれが各々の結婚観・家族観に与える影響を
明らかにするために行った。調査はお茶の水女子大学の学部生 100 人を対象に実施した。分析結果として
は「夫は外で働き、妻は家庭を守る」という意識が高いほど、結婚願望が強いということが分かった。
鈴木智美
「将来の結婚観に与える現在の意識の影響」
この研究は、現在の性別役割や結婚に対する意識から将来の結婚の意識への影響について明らかにするこ
とを目的に行った。まず、将来結婚したいと思う理由について、
「社会規範に基づく結婚願望」
「感情に基づ
く結婚願望」「家族関係に基く結婚願望」の三つの要因があることがわかった。また、現在の性別役割意識
が強いほど、子どもをほしいと思うほど、結婚は当然だと思うほど、結婚したいと思う程度が強くなること
がわかった。
大野詩織
「大学生の選挙に対する意識調査」
若者の投票率の低下が騒がれるなか、大学生が選挙に対してどのような意識を持っているのか、また、選
挙と学生を結びつける要因を明らかにすることを目的として、本調査を行った。お茶の水女子大学の学生
100 人を対象に調査を行った結果、家族関係が良好であるひとほど、投票に対する義務感が強くなるという
ことが明らかになった。
安井美里
「首都圏外出身者の U ターン意識調査」
本調査の目的は、首都圏外出身者で現在都内の大学に通っている方へ、大学卒業後に出身地域とどのよう
に関わっていく考えであるか、またその考えの理由を調査し、人口流出問題を抱える地域の活性化に役立て
る。ここでは首都圏とは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の1都3県とする。調査対象者は首都圏外出
身のお茶の水女子大学生、標本数115である。結果としてわかったことは次の通りである。U ターン就職
意識には出身地域が好きかどうかがが影響しており、人への愛着、土地への愛着、お世話になった人・土地
ために働くという考えが理由として挙げられる。
横田紗希
「女子大生の結婚・キャリア志向に関する調査」
調査の目的は、交友関係や家族構成・関係性などが将来へのキャリア意識と結婚意識にどのように関わっ
ているのか、またキャリア意識と結婚意識にはどのような関連があるのかを明らかにすることである。大学
生 113 人を対象に調査を行った。分析の結果、過去の付き合った人が多いほど早く結婚することを望む結
婚願望が強くなり、また周りに男性がいる環境のほうが仕事において男性に負けたくないという意識が強い
ことが分かった。
毛利夏海
「東日本大震災の復興支援活動に対する意識調査」
調査の目的は、伸び悩む東日本大震災の支援ボランティア数を増加させるために支援活動への動機付けと
なる要因を調べることである。調査対象者は、都内の大学生 100 人である。分析の結果、大震災に対する
復興支援ボランティアの経験が今後の活動意欲に関係しているが、復興支援以外のボランティア経験は活動
意欲に影響があるかどうかは明らかにはならなかった。