特集 PEGASUS PhaseⅡ始動。

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PEGASUS Phase Ⅱ始動。
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PEGASUS PhaseⅡ始動。
2013年および中期経営計画ペガサスの振り返り
2 0 1 3 年およびP h a s eⅠ期間(2 011〜 2013年 ) の 振 り 返 り を お 願 い し ま す 。
2 0 1 0 年後半に策定した2 0 1 1 年か ら 5か 年 間 の 中 期 経 営 計 画 「 ペ ガ サ ス 」 の 当 初 目 標 と の 比 較 で
は、2 0 1 3 年の売上高は目標の1 0 , 000億 円 に 対 し て 8, 481億 円 、 営 業 利 益 は 目 標 の 800億 円 に 対
して2 6 0 億円にとどまりました。
為替市場における急激な円高、東日 本 大 震 災 の 影 響 に よ る 電 力 料 金 、 天 然 ガ ス な ど の 原 燃 料 の 高 騰
によるコストアップ、欧州の経済危 機 や 中 国 な ど 新 興 国 の 成 長 鈍 化 と い っ た マ ク ロ 経 済 の 急 激 な 変
化がありました。また当社グループ の 事 業 に つ い て は 、 特 に 「 無 機 セ グ メ ン ト 」 の 黒 鉛 電 極 事 業 が
世界的な景気鈍化に伴う鉄鋼業界の 需 要 調 整 と 中 国 の 過 剰 生 産 の 影 響 を 受 け 、 事 業 環 境 が 大 き く 変
化したことと、「エレクトロニクス セ グ メ ン ト 」 の レ ア ア ー ス 事 業 が 、 2011年 に 発 生 し た 中 国 政
府の輸出制限に伴う原料価格高騰の 影 響 が 残 り 、 事 業 規 模 ・ 収 益 性 と も に 当 初 計 画 か ら 大 き く か い
離してしまったことにより、当初目 標 と 大 き く か い 離 す る 結 果 と な っ て し ま い ま し た 。
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P h a s eⅠ期間中における事業強化策 の 進 捗 状 況 に つ い て 教 え て く だ さ い 。
当社グループの主力事業であるハー
ドディスクに関しては、グローバル
シェアを高め、より安定した事業収
益が期待できるナンバーワン外販
メーカーとしての地位を確立するこ
とができました。また、パソコンか
らスマートフォンやタブレットP Cへ
のシフトに伴い、当社ハードディス
中国の黒鉛電極の一貫製造会社である四川炭素を四川昭鋼
炭素として子会社化しました。
クの出荷量が伸び悩む中で、実際の 需 要 動 向 に 的 確 に 対 応 し た 生 産 と 在 庫 管 理 を 実 施 す る こ と で 、
ある一定の収益を確保できる事業体 質 へ と 変 革 を 進 め て き ま し た 。
黒鉛電極事業についても、これまで 当 社 が 得 意 と し て き た 欧 米 や 日 本 の マ ー ケ ッ ト の 大 規 模 電 炉 向
けのハイエンド製品に加えて、将来 的 に 大 き な 成 長 が 見 込 ま れ る 新 興 市 場 で 主 に 使 用 さ れ る 汎 用 製
品への事業拡大を狙い、昨年、中国 の 現 地 黒 鉛 電 極 メ ー カ ー を 買 収 し ま し た 。 そ の 他 、 ア ル ミ 事 業
における構造改革や研究開発テーマ の 絞 り 込 み な ど 、 体 質 強 化 策 を こ れ ま で 着 実 に 実 施 し て お り 、
グループ全体の事業強化が進んだも の と 考 え て い ま す 。
■ 中期経営計画(2 0 1 1 年〜2 0 1 5 年) PE GA S US ( ペ ガ サ ス )
中 期経営計画ペガサスは、ギリシャ神話に 登 場 す る 翼 を 持 つ 天 馬 を イ メ ー ジ と し 、 当 社 の 主 力 事 業
で あるハードディスクと黒鉛電極を昭和電 工 グ ル ー プ を 高 い 次 元 に 飛 翔 さ せ る 両 翼 と 位 置 づ け た 成
長 戦略です。
「 エネルギー・環境」、「情報・電子」の 2つ の 事 業 ド メ イ ン に お い て 、 進 化 す る 個 性 派 化 学 に よ
り 生み出される製品・ソリューションをご 提 供 す る こ と に よ り 、 豊 か さ と 持 続 性 が 調 和 す る 社 会 の
創 造に貢献します。
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中期経営計画ペガサス PhaseⅡ(2014・2015)の概要
2 0 1 4 年からペガサス P h a s eⅡが ス タ ー ト し ま し た 。
ペガサス後半計画であるP h a s e Ⅱに お い て は 、 Pha se Ⅰ ( 2011〜 2013年 ) 期 間 に お き た 経 済 構
造や環境の大きな変化を織り込み、事 業 計 画 を 見 直 し ま し た 。 リ ー マ ン シ ョ ッ ク や 欧 州 の 経 済 危
機、新興国の伸長、そして東日本大震 災 の 発 生 と 国 内 に お け る 電 力 ・ エ ネ ル ギ ー 供 給 構 造 の 変 化 、
そして2 0 1 2 年まで続いた超円高に 伴 う 国 内 産 業 の 空 洞 化 傾 向 な ど 、 当 社 事 業 を め ぐ る 環 境 は
P h a s eⅠ期間中に激変しました。こ の よ う な 変 化 に 対 応 し 、 さ ら に 今 後 起 き る 環 境 変 化 を 先 取 り
し、経営計画に織り込みました。事業 ポ ー ト フ ォ リ オ に 関 し て も 、 経 済 構 造 の 新 興 国 へ の 急 激 な シ
フトを視野に入れ、グローバル市場に お い て 競 争 力 を 持 つ 当 社 の 独 自 製 品 や 技 術 の 事 業 拡 大 を 図 る
ために、新たに「成長」事業を設置し ま し た 。
2013実績
2014計画
2015計画
8, 481
8, 800
9, 500
260
320
500
当期純利益
91
140
250
R OA (%)*
2. 7
3. 2
5. 0
項目
売上高
営業利益
※総資産営業利益率
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P h a s eⅡの重点施策について教えて く だ さ い 。
海外展開の加速、「基盤(安定)」 事 業 の 収 益 性 向 上 、 コ ス ト ダ ウ ン 、 M&A・ ア ラ イ ア ン ス の 4項
目を重点施策として実行します。
海外展開の加速については、今後と も 世 界 経 済 を け ん 引 す る 成 長 が 予 想 さ れ る ア ジ ア 地 域 で の 成 長
を取り込むことを重点課題とし、特 に ア ル ミ ニ ウ ム 缶 、 高 純 度 ア ル ミ 箔 、 半 導 体 高 純 度 ガ ス 、 機 能
性化学品の4成長事業のアジア地域で の 拡 大 を 積 極 的 に 進 め ま す 。
「基盤(安定)」事業の収益性向上 に つ い て は 、 「 製 品 ・ 技 術 の 開 発 ・ 高 度 化 」 、 「 新 た な 需 要 ・
市場の開拓」、「事業拠点の統合」 、 「 設 備 更 新 に よ る 競 争 力 向 上 」 、 「 電 力 資 源 の 有 効 活 用 」 の
5 項目を注力テーマとして実行します 。
また、コストダウンについてはP ha se Ⅱ 期 間 中 に 2年 間 で 200億 円 の 削 減 を 目 標 と し て 実 施 し ま
す。定常的に行っているコストダウ ン 活 動 の 積 上 げ に よ る 70億 円 の 削 減 に 加 え て 、 130億 円 を
ハードディスクの抜本的な生産性向 上 や 川 崎 事 業 所 に お け る プ ラ ス チ ッ ク リ サ イ ク ル プ ラ ン ト の 処
理能力増強などの戦略的施策により 実 現 す る 計 画 で す 。
M& A ・アライアンスに関しては、新 た な 事 業 機 会 を 獲 得 す る た め に 重 要 な 手 段 で あ る と 位 置 付 け
ています。当社グループが独自の競 争 力 を 持 つ 事 業 に 関 し て は 検 討 の 価 値 が あ る も の と 認 識 を し て
おり、今後、事業競争力の源泉を把 握 し 、 有 効 で あ る と 判 断 し た 場 合 は こ れ ら の 手 法 を 積 極 的 に 活
用します。
ジスプロシウムフリー磁石用合金
川崎事業所
れるレアアースの一種ジスプロシウ ム を 使 用
してアンモニアの原料を製造しています。処
ネオジム磁石の耐熱性を高めるため に 添 加 さ
せず従来品と同様の性能を持つネオ ジ ム 磁 石
合金の開発に成功し、量産を開始し ま し た 。
当社の製品・技術の開発と高度化の 一 例 です。
プ ラ ス チ ッ ク リ サ イ ク ル プ ラ ント
使用済みプラスチックをケミカルリサイクル
理能力の強化を図り、安価な原料ソースの比
率を高めることによってアンモニア製品
チェーンの競争力強化を図ります。
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主要事業の戦略について教えてくだ さ い 。
P h a s e Ⅱにおいては当初ポートフォリ オ を 見 直 し
「基盤(安定)」、「基盤(成長) 」 、 「 成 長 」 、 「 新 規 ( 育 成 ) 」 の 4分 野 に 改 編 し ま し た
「基盤(成長)」事業
ハードディスクと黒鉛電極はPhaseⅠと同様、当社の成長を牽引するペガサスの両翼である
主要事業として位置づけます。しかし、PhaseⅡ期間中においては、ハードディスクはパソ
コンからサーバー用途へのアプリケーションシフトの端境期であることから大きな数量的な
伸びは期待できません。また、黒鉛電極についても、米国や欧州などにおいては底を打った
とみられるものの、新興国市場においては中国の供給過剰問題の影響を受け需要の低迷が長
引いていることから、業況の回復は緩やかなものになると想定しています。ハードディス
ク、黒鉛電極の両事業とも将来にわたりグローバルマーケットで大きな存在感を持つ事業で
すので、PhaseⅡ期間においては本来の成長軌道への回帰に向け準備を進める重要なステッ
プ として位置づけます。
「成長」事業
PhaseⅡにおいては、アルミニウム缶、高純度アルミ箔、半導体高純度ガス、機能性化学品
の 4事業を「成長」事業として新た に 位 置 づ け 強 化 を 図 り ま す 。
これらの事業は規模はそれほど大きくはありませんが、当社グループならではの強みを持つ
個性的な事業であることと、高成長が続くアジアを中心に市場拡大がみこめること、という
共 通点があります。P h a s e Ⅱ期間中 に 、 事 業 規 模 と 収 益 の 両 面 で の 拡 大 を 図 り ま す 。
「基盤(安定)」事業
基盤(安定)に位置づけた各事業は、国内市場に依拠した従来型のビジネスモデルを採る事業
が多く、顧客企業の海外生産シフトや円高などに伴い、PhaseⅠ期間中に収益が低迷しまし
た。PhaseⅡにおいてはこのような環境変化に対応した構造改革を加速し、収益性の向上を
図 ります。
石油化学においては大分コンビナートの競争力向上に向けて、例えばアセトアルデヒド法ブ
タジエンの事業化により「製品・技術の開発・高度化」を進めます。その他、レアアースに
おいてはジスプロシウムフリー合金の量産、化学品に関しては使用済みプラスチックリサイ
クル原料の比率向上、アルミニウムについてはショウティックのマレーシア拠点新設による
新 興市場の開拓などを進めます。
「新規(育成)」事業
ペガサスの事業ドメインである「エネルギー・環境」分野において、パワー半導体向けの
SiCエピタキシャルウェハー、燃料電池触媒、負極材やパッケージ材などのLIB電池材料の
事業を新規(育成)事業として位置付け、ペガサスの次期経営計画における立ち上げに向け
て、強化を図ります。それぞれ事業化ステージが異なるものの、いずれも数年後に大きな市
場規模となることが期待される事業領域であり、研究開発をはじめとする経営資源投入によ
り、次の大型事業に育て上げていきま す 。
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フェーズⅡは中期経営計画ペガサスの後半期間であるとともに、ポスト・ペガサスに向けた助走期間でも
あります。このため、ポスト・ペガサスにおいても主力事業として期待されるハードディスク、黒鉛電極
の収益性向上を徹底的に図るとともに、次期の主力事業となる「成長」事業の育成強化を進めます。ま
た 、収 益基盤が低下した「基盤(安定)」 事 業 の 競 争 力 を 強 化 し ま す 。
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経営戦略とサステナビリティ戦略の関連性
社会の課題を解決するためにどのよう な 貢 献 が で き る と 考 え て い ま す か ?
現代社会は地球環境やエネルギー問題 、 人 口 増 加 に 伴 う 水 や 食 料 、 そ し て 介 護 、 医 療 の 問 題 な ど 、
さまざまな社会的課題に直面していま す 。 当 社 グ ル ー プ は ソ リ ュ ー シ ョ ン プ ロ バ イ ダ ー と し て 、 こ
れらの課題を解決するために数多くの 製 品 ・ 技 術 ・ サ ー ビ ス を 国 際 社 会 に 提 供 す る こ と を 通 じ て 経
営理念である「社会貢献企業」の実現 を 目 指 し て い ま す 。
当社は、有機、無機、金属という幅広 い 分 野 に お け る 技 術 基 盤 を 保 有 し 、 こ れ ら を 融 合 さ せ た 革 新
的な製品をこれまで社会に提供してま い り ま し た 。 現 在 は 、 石 油 化 学 、 化 学 品 、 エ レ ク ト ロ ニ ク
ス、無機、アルミニウムといった幅広 い 分 野 で 事 業 活 動 を 行 っ て お り 、 多 様 な 製 品 が 暮 ら し の さ ま
ざまなシーンで活躍し生活を支えてい ま す 。
当社グループはこれからも地球規模の ニ ー ズ に 対 応 す る た め 、 ペ ガ サ ス で 設 定 し た 「 エ ネ ル ギ ー ・
環境」と「情報・電子」のふたつの事 業 ド メ イ ン に お い て 、 豊 か さ と 持 続 性 が 調 和 す る 社 会 の 創 造
に貢献する製品・技術を開発し皆様に ご 提 供 し ま す 。
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生活の基盤を支えるさまざまな製品。使用済み廃棄物も有効利用
当社グループでは、エチレン・プロピ レ ン な ど の 石 油 化 学 基 礎 製 品 、 そ の 誘 導 品 で あ る ア セ チ ル
系・アリルアルコール系誘導品などの 有 機 化 学 製 品 、 液 化 ア ン モ ニ ア や ア ク リ ロ ニ ト リ ル な ど の 基
礎化学品、産業用ガス、不飽和ポリエ ス テ ル 樹 脂 な ど の 機 能 性 化 学 品 、 ク ロ ロ プ レ ン ゴ ム な ど の エ
ラストマー製品から半導体産業向けの 高 純 度 ガ ス な ど 広 範 囲 に わ た る 素 材 や 材 料 の 提 供 に よ り 、 私
たちの生活や産業を支えています。
たとえば、上下水道の殺菌に使用され る 次 亜 塩 素 酸 ソ ー ダ や 火 力 発 電 所 か ら 排 出 さ れ る ガ ス の 脱 硝
に使用される液化アンモニアなどの社 会 イ ン フ ラ 維 持 の た め に 不 可 欠 な 製 品 の 安 定 供 給 に 努 め て い
ます。
また原料として、使用済みプラスチッ ク の リ サ イ ク
ル原料を活用しており、製品の液化ア ン モ ニ ア は
「環境調和型アンモニアE COA N N ® 」 と し て 脱 硝 用
をはじめとしてさまざまな用途にご 提 供 し て い ま
す。当社は、種類が多くリサイクル が 難 し い プ ラ ス
チックをほぼ1 0 0 % 活用することが可 能 な プ ラ ン ト
(KP R )を川崎事業所に持ち、循環 型 社 会 構 築 に 貢
献するとともに、従来製法と比較し て 、 35%の
C O 2 発生を削減しました。
環 境 調 和 型 ア ン モ ニ ア ECO ANN ®
高度情報化社会の基盤を支え豊かな生活を実現する
現代社会はスマートフォンやパソコン を は じ め と し
た情報端末や、行政や民間企業などに よ る さ ま ざ ま
な通信ネットワークを持ち、情報を生 み 出 し 、 相 互
に接続・活用することで便利で豊かな 生 活 を 実 現 し
ています。こうした情報化社会の構築 に は 情 報 通
信、情報処理とともに情報ストレージ が 不 可 欠 で あ
り、クラウドコンピューティングや大 容 量 通 信 イ ン
フラの発展とともにストレージの大容 量 化 も 予 想 さ
れます。
当社ではハードディスクを主力事業の 一 つ と 位 置 付
けています。スマートフォンやタブレ ッ ト な ど に よ
ハードディスク
るクラウド化の急速な進展により、デ ー タ セ ン タ ー に 蓄 積 さ れ る 情 報 量 は 増 加 の 一 途 を た ど っ て い
ます。さらに、ビッグデータの活用が 進 む こ と に よ り 蓄 積 さ れ た 情 報 の 利 用 価 値 が さ ら に 膨 ら み 、
データストレージに対するニーズはま す ま す 高 ま る こ と が 想 定 さ れ ま す 。 こ れ ら ク ラ ウ ド 化 や ビ ッ
グデータにより人びとの利便性向上の イ ン フ ラ と な る デ ー タ ス ト レ ー ジ の 基 盤 を 支 え る ハ ー ド デ ィ
スクにおいてさらなる市場拡大に対応 す る と と も に 、 高 容 量 化 ニ ー ズ に 対 し て も 次 世 代 技 術 へ の 対
応を着実に進めています。
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省資源、省エネルギーに貢献する黒鉛電極
当社の主力事業の一つと位置付ける 黒 鉛 電 極 は 、 使 用 後 の 各
種鉄鋼製品のスクラップを溶解する 電 気 炉 で 、 高 温 を 発 生 さ
せるために使用される消耗部材です 。 大 切 な 資 源 で あ る 鉄 ス
クラップが、ビルや橋梁に使用され る 建 築 材 料 な ど の 社 会 の
基礎素材として再び活用されるため の リ サ イ ク ル を 支 え て い
ます。また、電気炉による製鋼は、 鉄 鉱 石 を 原 料 と す る 高 炉
法に比較して製造時のCO 2 排出量 や エ ネ ル ギ ー 使 用 量 が 少 な
く、地球環境保全に寄与しています。
黒鉛電極
地球環境にやさしいアルミニウムを用いた製品で生活に豊かさと持続性を
アルミニウムは軽量であり強度に優れ 、 加 工 性 や 耐 食
性・耐低温性・リサイクル性などに富 む な ど 、 多 彩 な
特長を有しています。当社グループは ア ル ミ ニ ウ ム の
優れた特徴を活かした製品を開発、提 供 す る こ と で 、
私たちの豊かな生活と持続可能な社会 を 支 え て い ま
す。
家電製品からIT 機器、電気自動車やハ イ ブ リ ッ ド 車 な
どの自動車関連機器、さらに風力や太 陽 光 と い っ た 新
エネルギー分野にまで幅広く使用され る 電 解 コ ン デ ン
サー用の高純度アルミ箔、レーザービ ー ム プ リ ン タ ー
の基幹部品であるアルミシリンダー、 自 動 車 の エ ア コ
アルミ電解コンデンサー
ン部品として使用される高強度、高耐 摩 耗 性 ア ル ミ ニ ウ ム 合 金 ( 商 品 名 : シ ョ ウ テ ィ ッ ク ® ) 、 軽
量でリサイクル性に優れるアルミニウ ム 缶 な ど 、 様 々 な 生 活 シ ー ン に 利 用 さ れ て い ま す 。 ま た 、 当
社グループではアルミ缶を製造すると と も に 当 社 グ ル ー プ の 従 業 員 や 協 力 企 業 の 方 々 に よ る ア ル ミ
缶リサイクル活動を推進することによ り 、 循 環 型 社 会 の 構 築 に 貢 献 し て い ま す 。
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社会課題と研究開発をどのように結 び 付 け て い ま す か ?
現代社会が直面する社会的課題の解 決 に 貢 献 し 世 の 中 に 必 要 と さ れ る 製 品 を 創 出 し 続 け る こ と を 使
命として研究開発を推進しています 。 パ ワ ー 半 導 体 S iCエ ピ タ キ シ ャ ル ウ ェ ハ ー や リ チ ウ ム イ オ ン
バッテリー材料など当社が優位性を 持 つ 分 野 に 重 点 を お き 、 実 際 へ の 事 業 化 に つ な げ る こ と に よ り
ペガサスが目指す「豊かさと持続性 が 調 和 す る 社 会 の 創 造 」 に 貢 献 し て い き ま す 。
パワー半導体SiCエピタキシャルウェハー
Si Cパワー半導体は従来のSi 半導体 に 比 べ 優 れ た 物 性
を持ち、高温動作が可能で高電圧大電 流 に 耐 え ら れ
ることから機器の小型化、軽量化に、 電 力 変 換 効 率
が高いことから省エネルギーに寄与す る 、 次 世 代 の
省エネデバイスです。
当社はこのパワー半導体に使用される S iCエ ピ タ キ
シャルウェハーにおいて世界トップク ラ ス の 品 質 の
製品を供給しています。現在主流の4イ ン チ サ イ ズ の
エピタキシャルウェハーの高品質化と 同 時 に 今 後 主
流となる6 インチサイズについても 量 産 技 術 を 確 立 し
ました。増加する需要に対応すべく今 後 も 能 力 の 拡
S iCエ ピ タ キ シ ャ ル ウ ェ ハ ー
大を図るとともに、新グレード開発な ど 本 格 普 及 に 向 け て 技 術 開 発 を 加 速 し て い き ま す 。
LIB電池材料
リチウムイオン電池(L IB )は、地球 温 暖 化 を は じ め
とする地球問題への関心の高まりに伴 い 、 今 後 普 及
が見込まれる電気自動車やハイブリッ ド 自 動 車 用 途
のほか、風力や太陽光発電システムの 電 力 貯 蔵 用 途
として注目されています。
当社はL IB の主要部材であるパッケー ジ 材 や 負 極 材 を
提供しています。
当社が開発した人造黒鉛負極材「SCMG ® 」 は 大 電 流
での特性が良く、さらに充放電を繰り 返 し て も 充 電
特性の低下が抑えられることから、電 気 自 動 車 や ハ
イブリッド自動車バッテリーの負極材 と し て 高 く 評
人 造 黒 鉛 負 極 材 「 S CMG ® 」
価されています。また、自動車だけで な く 定 置 型 蓄 電 池 な ど へ の 展 開 が 可 能 で あ り 、 用 途 開 発 、 コ
ストダウンを可能とする新プロセスの 開 発 な ど に よ っ て 事 業 拡 大 に つ な げ て い き ま す 。
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アルミニウム缶
当社 グル ープは1 9 7 1 年に国内初となる飲料 用 ア ル ミ ニ ウ ム 缶 の 製 造 を 開 始 し ま し た 。 以 来 、 高 品 質 の 飲
料用 アル ミニウム缶を缶体・缶フタの成形 加 工 か ら 印 刷 ま で の 一 貫 工 程 に よ り 提 供 し て お り 、 国 内 市 場 で
確固 たる 地位を築いています。
所得 水準 の向上が著しい中国、アジア、イ ン ド ・ 中 東 ・ ア フ リ カ 諸 国 、 南 米 な ど の 地 区 に お い て 、 ア ル ミ
ニウ ム缶 飲料の需要は今後年率5 〜1 5 % 程度 の 伸 び が 見 込 ま れ 、 成 長 産 業 と い え ま す 。 拡 大 す る ア ジ ア 新
興市 場へ の事業進出にも前向きに取り組ん で ま い り ま す 。
ベトナム ハナキャン社買収
当社 グループは2 0 1 4年5 月にハナキャ ン 社 を 買 収
しま した。ハナキャンは、ベトナム北部 ・ 中 部 に お
いて 随一の生産能力およびシェアを有す る ア ル ミ ニ
ウム 製缶メーカーであり、さらに2 0 13年 9月 に は
最新 鋭の生産設備の導入を完了していま す 。
ハナ キャンが持つ確固たる顧客基盤に加 え 、 昭 和 ア
ルミ ニウム缶の生産技術および工程管理 の ノ ウ ハ ウ
を導 入することで、ベトナム市場でのさ ら な る 競 争
力の 強化を図ります。
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高純度アルミ箔
当 社は 様々な電化製品に使用されるアルミ 電 解 コ ン デ ン サ ー の 主 要 部 材 で あ る 高 純 度 ア ル ミ 箔 の 開 発 ・ 製
造 ・販 売を行っています。高純度アルミ箔 は コ ン デ ン サ ー の 性 能 ・ 品 質 に 大 き く 寄 与 す る も の で 、 当 社 製
品 の特 長は高機能・高信頼性にあります。 当 社 は ア ル ミ を 効 率 的 に 高 純 度 化 す る CJ 法 と 呼 ぶ 独 自 技 術 に よ
る 製造 プラントを堺に有しており、アルミ の 精 製 か ら 圧 延 、 製 品 化 を 一 貫 し て 行 っ て い ま す 。 日 本 最 大 手
メ ーカ ーとして国内シェア5 割以上を獲得し て い ま す 。
ア ルミ 電解コンデンサーは、新興国で市場 が 拡 大 し て お り 、 2015年 ま で 年 率 約 10%の 伸 長 が 予 想 さ れ て
い ます 。特に今後は中国を中心に、エコカ ー や 太 陽 光 発 電 の パ ワ ー コ ン デ ィ シ ョ ナ ー 向 け で の 需 要 伸 長 が
見 込ま れます。当社グループは高品質の高 純 度 ア ル ミ 箔 を 安 定 供 給 す る こ と に よ り 、 国 内 の み な ら ず 、 中
国を はじ めとするアジアでの事業拡大を今後 と も 進 め て ま い り ま す 。
昭和電工アルミ(南通)有限公司を設立
201 3 年1 0 月、中国の南通に高純度ア ル ミ 箔 の 最 終 加 工
を 行う拠点を立ち上げ、量産を開始しま し た 。 堺 事 業 所
か ら供給される中間製品の最終加工を行 う こ と に よ り 、
中 国各地のユーザーへ高品質な高純度ア ル ミ 箔 を タ イ ム
リ ーに提供します。トップサプライヤー と し て 長 年 培 っ
て きた技術や信頼を武器に、現地メーカ ー と の パ ー ト
ナ ーシップを獲得し、中国でのシェアを 現 在 の 約 10%か
ら 3 0 % へ伸ばします。
昭和電工鋁業(南通)有限公司
高純度ガス
当 社は 半導体・液晶ディスプレイ・L E D ・ 太 陽 電 池 な ど の 製 造 工 程 で エ ッ チ ン グ 、 ク リ ー ニ ン グ 用 ガ ス 、
成 膜材 料として使用される高純度ガスを扱 っ て い ま す 。
当 社の 高純度ガス事業における強みは、お 客 様 の ど の よ う な 製 造 工 程 や 製 造 さ れ る 製 品 に も 対 応 で き る 世
界 一の 品揃えにあります。特に当社が優位 性 を 持 つ ア ン モ ニ ア 、 臭 化 水 素 、 亜 酸 化 窒 素 、 塩 素 に つ い て は
そ の優 位性を活かして事業展開を図ります 。 そ し て 、 世 界 の 半 導 体 生 産 の 中 心 で あ る 韓 国 ・ 台 湾 ・ 中 国 で
の 現地 拠点拡充を進めていきます。
今 後、 自動車の電装化の進展などにより、 半 導 体 需 要 の 増 加 が 見 込 ま れ て い ま す 。 市 場 の 広 が り に 合 わ せ
て 事業 規模の拡大を図っていきます。
高純度アンモニアおよび亜酸化窒素の
供給能力拡大
当 社は半導体製造用特殊ガスである、高 純 度 ア ン モ
ニ アおよび亜酸化窒素の供給能力を拡大 し ま す 。 高
純 度アンモニアについては、中国浙江省 に あ る 製 造
子 会社の設備を年産能力1 , 0 0 0 トンから 2, 000ト
ン に引き上げ、2 0 1 4年1 月より運転を 開 始 し ま し
た。
亜 酸化窒素については韓国の株式会社斗 岩 産 業 と の
間 で高純度亜酸化窒素生産に関する委託 契 約 を 締 結
す るとともに、ソウル近郊の同社工場内 に 精 製 設 備
を 共同で立ち上げることを決定しました 。 2014年
浙江衢州巨化昭和電子化学材料有限公司
中 に設備を完成させ、2 0 1 5 年から販 売 を 開 始 し ま す 。
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機能性化学品
当社 機能 性化学品事業部では、各種合成樹脂 お よ び そ の 複 合 材 料 、 生 分 解 性 プ ラ ス チ ッ ク ビ オ ノ ー レ ® 、
安定 化ビ タミンC(アプレシエ ® )などの化 粧 品 原 料 、 電 子 材 料 を は じ め と し た 幅 広 い 用 途 を 持 つ UV 重 合
性材 料、 プリント基板用レジストインキや半 導 体 封 止 用 材 料 な ど の 電 子 材 料 用 樹 脂 、 分 析 用 カ ラ ム な ど 、
オン リー ワン製品から汎用製品まで多くの製 品 を 製 造 ・ 販 売 し て い ま す 。
当社 の複 合材料のひとつであるB MCは、ハ イ ブ リ ッ ド カ ー の モ ー タ ー 封 止 材 や そ の 他 自 動 車 部 材 に 数 多 く
使用 され ています。自動車製品の拡大が続く 中 国 、 AS EAN地 区 に お い て 需 要 が さ ら に 増 大 す る と 期 待 し
てお りま す。また、住宅や工場設備などに使 用 さ れ る ビ ニ ル エ ス テ ル や エ マ ル ジ ョ ン の 需 要 増 も 見 込 ま れ
ます 。中 国、A SEA N 市場での拡大を図りま す 。 液 体 ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー ( H PLC) 分 析 製 品 S hode x ®
は、 様々 な有機化合物の定量のための手段と し て 利 用 さ れ て い ま す が 、 近 年 、 環 境 分 野 の 分 析 を は じ め と
して さら に注目が高まっています。販売の2/3が 海 外 と な っ て お り 、 グ ロ ー バ ル 展 開 が 進 ん で い る 事 業 の
1 つで す。
生分 解性 プラスチックビオノーレ ® は使用後 に 水 と 炭 酸 ガ ス に 分 解 さ れ る 完 全 分 解 型 の 生 分 解 性 樹 脂 と し
て コン ポストバッグや各種フィルムに採用さ れ て ま い り ま し た が 、 イ タ リ ア で の 生 分 解 性 プ ラ ス チ ッ ク 製
以 外の レジ袋禁止をはじめとしたヨーロッパ に お け る レ ジ 袋 削 減 の 動 き を 受 け 、 ま す ま す の 需 要 拡 大 が 見
込 まれ ます。機能性化学品事業部の製品は多 岐 に わ た り 、 そ の 製 品 を 組 み 合 わ せ る こ と で 無 限 の 可 能 性 が
生 まれ ると考えています。お客様のニーズに お 応 え す る 製 品 を 他 事 業 部 や 研 究 所 と 連 携 し て 開 発 を 行 い 、
早 期事 業につなげます。
東日本大震災からの復興に貢献する不飽和ポリエステル樹脂リゴラック Ⓡ 、防塵用ポリ
ゾール Ⓡ ローンフィックスeco700
東 日本大震災からの復興に向けF R P (繊 維 強 化 プ ラ
ス チック)の需要が高まりましたが、 ガ ソ リ ン 二 重
殻 タンクや東京電力福島第一原子力発 電 所 の 汚 染 水
貯 蔵タンクの外殻、仮設住宅用浄化槽 に 使 用 さ れ た
FR P に当社の不飽和ポリエステル樹脂 リ ゴ ラ ッ
ク ® が採用されています。
ま た、福島第一原子力発電所の事故に よ り 周 囲 に 飛
散 した放射性物質の風による再飛散・ 汚 染 地 域 拡 大
の 防止のため散布された防塵剤に当社 の 防 塵 用 ポ リ
ゾ ール ローンフィックス® ec o 7 0 0 が 使 用 さ れ ま し た 。
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昭和電工グループの主なCSR活動を、原材料・資材調達からリサイクル・廃棄に至るまでのすべてのプロ
セス(バリューチェーン)で整理しました。当社グループはバリューチェーン全体において、CSRを実践
することによって、社会の持続的発展に貢献しています。
CSR調達でWIN−WINの関係を構築
昭和電工では、より一層、社会・環境に配慮した事業活動を進めていくため、
2009年よりCSR調達に取り組んでいます。
CSR調達とは?
当社のCSR調達は『昭和電工グループCSR調達ガイドライン』を調達先(パートナー)の皆様と共有し、そ
の遵守を求めることで、お互いの企業価値を向上させることを目指すものです。ガイドラインは当社がパート
ナーに求めるCSRの取り組みを具体化したもので、当社はその遵守状況の確認のため、次の3つの活動を行っ
ています。
①自己診断
CSRの取り組みをパートナー自身で確認していただく活動です。当社
CSR調達ガイドラインの内容に関して、アンケート形式(自己診断票)
で回答することによって、当社グループがパートナーに期待するCSR
の取り組みに対して、自社のレベルがわかるような内容になっていま
す。既存取引先には3年に1回、新規取引先には取引開始時に回答して
いただいております。自己診断票は記入後、当社に返送していただ
自己診断票
き、その内容は本社の購買・SCM部で分析、パートナーにフィード
バックしています。
②CSR訪問
パートナーを訪問し、
CSR の取り組みを確認する活動です。
各事業所の購買担当者が、
年間合計約 60 社 ( 年
間 ) のパートナーを訪問しています。
自己診断票の結果を確認するとともに、
「当社が伝えたいこと」
、
「当社
が知りたいこと」
「工場見学の実施」 などのさまざまな対話を行っています。
、
③フォローアップ
「 自 己 診 断 」、「 C S R 訪 問 」 に よ り 、 ガ イ ド ラ イ ン 遵 守 に 関 し て 確 認 ・ 改 善 の テ ー マ が 見 つか っ た
パートナーと協働で改善に取り組むものです。
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今後の課題
昨年、日本国内において、当活動を昭和電工単体からグ
ループ会社にも拡大し、グループ会社のパートナーの皆
様にもCSR調達に取り組んいただくことを開始しまし
た。また、CSR調達ガイドラインの英語版と中国語版を
作成、ホームページ上に公開しました。しかし、「自己
診断」についてはまだ日本語にしか対応していません。
今後は海外のパートナーへの展開が課題となります。
購買・SCM部では、CSR調達を積極的に活用するとと
もに、CSR調達活動の過程で、パートナーとのコミュニ
ケーションが非常に重要だと考えて取り組んでいます。
CSR調達を開始して5年、取引先の約半数にあたる
2000社(当社購買額の約80%)への「自己診断」を行いました。また、当社のCSR訪問を
きっかけに、CSRの組織を立ち上げ、同じような取り組みを始めたパートナーもあります。
自己診断結果によるパートナーの選別は行っていませんが、当社およびパートナー両方にとって
信頼関係をより強固なものとするとともに、目的を理解・共有化しつつ、WIN−WINの成果を得
られるような取り組みとして推進していきたいと思っています。
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最終製品での社会の持続的発展への貢献を目指して
高純度アルミ箔は加工された後、アルミ電解コンデンサーの主要材料である電極
箔として用いられます。
アルミ電解コンデンサーは、テレビやエアコン、自動車や太陽光発電のパワーモ
ジュールなど、身の回りの多くの電気製品に搭載され、省エネに貢献していま
す。
アルミ電解コンデンサーとは?
コンデンサーとは、電気を蓄えたり放出したり直流を絶縁する働
きをする、電気製品に欠かせない部品です。中でもアルミ電解コ
ンデンサーは、モーターの回転数を連続的に切り替え制御するイ
ンバーター装置などに多く使われ、省エネに貢献しています。ア
ルミ電解コンデンサーは、高純度アルミ箔を加工して得られる陽
極箔と電解紙、陰極箔を重ね合わせた積層構造を有しています。
これらをぐるぐると巻いて、電解液を含浸させた後、アルミニウムの円筒ケースに封入していま
す。安くて大きい電気容量(静電容量)が得られることから、多くの製品で使用されています。最
近は、太陽光発電や風力発電といったエネルギー関連の用途や、薄型テレビなど小型化・大容量化
が 求め ら れ る 分 野 で の 活 躍 の 場 が 広 が っ て い ま す 。
お客様のご要望、ひいては省エネ・創エネに貢献するために
皆 さん の ノ ー ト P C の A C ア ダ プ タ ー が 1 0 年 前 と 比 較 し て 大 幅 に 小 型 化 さ れ て い ま す が 、 こ れ は ア ル
ミ 電解 コ ン デ ン サ ー の お か げ で す 。 技 術 開 発 に よ り コ ン デ ン サ ー 用 電 極 箔 の 性 能 が 向 上 し 、 コ ン デ
ン サー 自 体 の サ イ ズ ダ ウ ン を 図 る こ と が で き た か ら で す 。
コ ンデ ン サ ー の 静 電 容 量 を 大 き く す る に は 、 電 極 材 の 表 面 積 拡 大 が 効 果 的 で す 。 ア ル ミ 電 解 コ ン デ
ン サー は 、 表 面 積 を 拡 大 す る た め に 高 純 度 ア ル ミ 箔 に 電 解 エ ッ チ ン グ を 施 し 、 多 く の エ ッ チ ピ ッ ト
を 発生 さ せ た 後 、 化 成 処 理 に よ り 誘 電 体 と な る ア ル ミ 酸 化 物 被 膜 を 形 成 し た も の を 陽 極 箔 と し て 用
い てい ま す 。 高 純 度 ア ル ミ 箔 に は 、 お 客 様 の 高 度 な エ ッ チ ン グ 技 術 に 耐 え う る 品 質 が 要 求 さ れ て い
ます。当社では独自の精製技術であるCJ法を活かし、溶解鋳造から箔までの一貫した製造プロセス
で、電解エッチングに適した、より高品質な高純度アルミ箔をお客様に提供するため、製品開発に
取り組んでいます。
今後の課題
高純度アルミ箔は、あらゆる電気製品に使われており、
皆さんの家庭に必ずある製品です。また、自動車分野や
太陽光発電などのエコ分野へ用途拡大が進んでいるこ
と、日本が圧倒的に強い分野であることから、中期経営
計画ペガサスの後半では、重点事業として位置付けまし
た。
当社は昨年、中国の南通市に当社堺事業所から供給する
高純度箔地の最終加工までを行う工場を立ち上げまし
た。中国市場でも、高品質な高純度アルミ箔の需要拡大
にお応えしていきます。
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製造時における社会課題解決
昭和電工での、製品設計から物流までの段階で、廃棄物や環境負荷の削減、省資
源、省エネルギー等環境保全に配慮した生産を行っています。
その具体例をご紹介します。
伊勢崎事業所
昭和 電 工 ㈱ 伊 勢 崎 事 業 所 で は 、 建 築 資 材 や 車 両 分 野 、 情 報 機
器分 野 と い っ た 幅 広 い 産 業 や 用 途 で 使 用 さ れ る プ ラ ス チ ッ ク
材料 の 開 発 お よ び 生 産 を 行 っ て い ま す 。
製造時における環境配慮
当事業所では、原料、資源、電気、天然ガスなどのエネルギーを消費し、製品を製造しています。
生産活動に伴う環境負荷に関して行っている活動をご紹介します。
水質
排 水 は 、 2 系 列 で 管 理 し て い ま す 。 排 水は 微 生 物 分 解 に よ り 有 害 物 を 処 理 し 、 測 定 装 置 で 水 質
チェックを行い異常なしと認められた場合は自動水門を経由して事業所外に排出されます。万が
一、汚染物質が検知され異常数値が検出されると、担当部署に通報されるとともに自動水門が閉
ま り ま す 。 今 年 、 万 全 の 体 制 を 期 す た め に 、 ま ず は 一 系 列 に 予 備 汲 み 上 げ タ ン ク を 設 置 し ま した。
大気
当事業所には2つの焼却炉と複数のボイラー設備があります。特にボイラーでは、大気汚染物質
の排出量を削減するために、燃料を天然ガスに変更(2006年)したり、高効率のボイラーへの
入れ替えや設備の統廃合によるボイラー配管の集約などにより発生量削減に努めています。
廃棄物
これまでもリデュース・リユース・リサイクルに取り組み、埋め立て処分をしていた排水処理設
備からの余剰汚泥をリユースやリサイクルに回す取り組みなどを行った結果、2011年にゼロエ
ミッションを達成しました。現在も継続中です。
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作業環境
伊勢 崎 事 業 所 で は 、 「 家 族 に 自 慢 で き る 」 事 業 所 を 全 員 で つ く る
こと を 目 標 に 今 ま で の 常 識 や ル ー ル を 見 直 し て い ま す 。 例 え ば 、
反応 釜 の 開 閉 に 伴 い 溶 剤 の 臭 気 が 漏 れ 作 業 環 境 に 影 響 し て い る と
いう 課 題 を 抱 え て い ま し た 。 そ こ で 、 臭 気 を 発 生 さ せ な い た め
に、 臭 気 源 を 開 放 す る 作 業 の 削 減 、 臭 気 を そ の 都 度 取 り 除 く な ど
の取 り 組 み を 行 っ て い ま す 。 ま た 、 溶 剤 の 使 用 量 の 多 い 職 場 で は
排ガス処理装置
発生 源 の 囲 い 込 み を 行 い 、 脱 臭 装 置 や 排 ガ ス 焼 却 装 置 を 設 置 す る
など 、 臭 気 の 原 因 物 質 の 除 去 を 行 っ て い ま す 。
モニタリング
敷地境界線付近に、臭気センサーを6カ所、騒音センサーを3か所設置し、モニターで24時間監
視を行っています。通常と異なる数値が検出された場合は、警報により周知され、直ちに処置で
きる体制にあります。これらのセンサーは、宅地化が進むに伴い導入しました。
今後の課題
当事業所では2010年にフェノールの噴出事故を発生さ
せてしまい、これを契機に、近隣の自治会とのコミュニ
ケーションをとるようになりました。
昨年は、近隣自治会の方に向けての工場見学会を開催し
たり、事業所周辺および事業所とかかわりの深い川の清
掃活動や地域のイベントに参加するなど、地域に開かれ
た事業所を目指して活動しています。
環境負荷低減活動については当然行うべきことであり、
伊勢崎事業所だけ特別ということはありません。今後
も、環境規制や化学物質規制が強まる中、社会課題に貢
献する製品の提供を、より環境に配慮しながら行いたい
と思います。
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お客様の工程で、温室効果ガスの排出削減に貢献
昭和電工では、お客様の工程での使用時においても、社会課題の解決に取り組ん
でいます。
ここではお客様の製造工程で貢献している昭和電工グループ製品をご紹介しま
す。
除害装置とは?
半導体や液晶パネルの製造のドライエッチング工程で使用した後の
PFC(パーフルオロカーボン)ガス類を処理する装置です。昭和電工
では、大型液晶パネル等の生産ライン向けに適した大型機をはじめ、
中・小型半導体生産ライン向け、医療機関で麻酔薬として使用された
余剰麻酔ガス回収向けのラインナップをそろえています。京都議定書
の採択以降、導入する企業が増えています。
PFC除害装置(CD200)
お客様の工程で貢献
半導体や液晶パネルの製造のドライエッチング工程においてはPFCガスが使用されますが、これら
は温室効果ガスであるため、使用後、残留ガス(排ガス)の処理が必要となります。
P F C ガ ス 類 の 地 球 温 暖 化 係 数 は 、 C O2と 比 較 す る と 数 千 〜 数 万 倍 も あ り ま す 。 当 社 の 除 害 装 置 は 、
日 本 国 内 だ け で な く 海 外 で も 活 躍 し て い ま す の で 、 こ れ ら の 稼 働 に よ り C O2換 算 で 年 間 約 9 4 0 万 ト
ンの排ガスが削減されていることになります。
処理方法にはいくつかあります。当社では次に紹介する2つの方式と、その組み合わせの製品を提供
しています。
一つは、フッ素系排水処理が不要な乾式の化学反応方式。乾式処理で発生するフッ素成分は合成蛍
石 ( C a F 2) と し て 再 利 用 し て い ま す 。 小 型 で あ る こ と か ら 必 要 な 箇 所 に 必 要 数 を 設 置 す る こ と が で
きます。しかし、小型のため、1回に処理できる排ガス量に限りがあります。
もう一つは、大型化しやすくランニングコストが安い触媒分解方式。大型であることから、大量の
排ガスを一度に分解処理することができますが、排水等の後処理が必要になります。
また、化学反応方式と触媒分解方式の技
術を組み合わせたハイブリッド式の排ガ
ス処理装置もラインナップしています。
ちなみに燃焼方式という処理方法もあり
ます。こちらは比較的高流量・高濃度の
PFC排ガスを処理可能ですが、燃焼ガス
使 用 に よ る C O2排 出 量 や P F C の 種 類 に
PFC除害装置(HB3000)
よっては除害効率が低下するという問題点があります。
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今後の課題
半導体や液晶パネル業界では、排ガス量の放出削減を目
指して、これらのような排ガス処理装置を導入するのが
当然のこととされるとともに、多くの企業がCSRレポー
ト上で削減量の報告をしています。
特にランニングコストの安い中規模の触媒分解方式装置
は高評価をいただいています。そのため、特にお客様が
集中している地域にはテクニカルセンターを設置し、お
客様に常に安心して使っていただける体制を整えていま
す。
今後は、半導体産業の中心である中国・台湾・韓国・シ
ンガポールといった地域での展開をより推進します。こ
れまで展開してきた化学反応方式だけでなく、触媒分解
方式装置についても現地化を推進します。
すでに台湾では装置の試作品ができあがりました。環境問題は地球規模の課題ですので、海外展
開により力を入れていきます。
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リサイクルを事業として実践
昭和電工では、リデュース・リユース・リサイクルという社会的課題を意識し
て、私たちの製品がその役割を終えた後に、回収され再利用可能となることまで
を配慮した製品づくりを行っています。
アルミ缶リサイクルとは?
アルミ缶のリサイクルは、日本で広く浸透しているリサイクル活
動です。回収された使用済のアルミ缶は、新しいアルミ缶の材料
として使われるのはもちろん、自動車部品や製鋼用脱酸材等に再
利用されています。
アルミ缶をリサイクルすることは省エネ・省資源につながりま
す。アルミ缶からアルミ地金を作るエネルギーは、原料鉱石の
ボーキサイトから新しくアルミ地金を作る場合に比べ電力など97%のエネルギーを節約することが
できます。節約されたエネルギーは、日本全国の家庭が14日間使う電力量とほぼ同じです(2013
年アルミ缶リサイクル協会調べ)。
日本国内における昨年度のアルミ缶リサイクル率は83.8%と前年比で大きく下がってしまいまし
た。これは、海外輸出量が増えたことによります。ちなみに輸出分も含めて計算するとアルミ缶の
98.4%がリサイクルされていることになります。
昭和電工グループでの取り組み
昭和電工グループでのリサイクル活動は、グループの昭和アルミニウム缶㈱が1971年に日本で初
めてアルミ缶を生産開始した翌年に、社員による自発的な活動として始まりました。その後、
1995年には(株)で昭和アルミ缶リサイクリングセンター(SCR)を設立して、使用済アルミ缶を
回収し再びアルミ缶用の材料にする体制(Can-to-Can)を確立しました。社員によるリサイクル
は2001年、昭和電工グループ全体に規模を拡大し、現在はグループ社員の97%が参加する活動と
なっています。
昭和電工グループ内で回収したほとんどの缶は、SCRを通じて昭和アルミニウム缶(株)で材料とし
て使われています。またSCRでは、地域の福祉施設や学校から直接アルミ缶を買い取ることでその
運営に貢献したり、グループ社員が回収した缶の収益金を地域の福祉協議会や福祉施設に寄付する
などの活動も行っています。
アルミ缶リサイクルは、省エネ・省資源に貢献するだけではなく、当社グループの事業活動の一つ
として、「事業を通じたCSR活動」と位置付けて取り組んでいます。
今後の課題
昨年、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会か
ら、昭和電工グループの40年以上にわたるアルミ缶リサ
イクル活動に対して、経済産業大臣賞を受賞しました。
この受賞を励みに、グループをあげてさらにこの活動を
推進していきます。ここ数年は、社員の活動への参加率
はあがっていますが、回収量は減少傾向にあります。
事業場ごとに数値目標を
設定したり、活発な活動
を行っている事業場の事
例を紹介したりして、回
収量がプラスになるよう
に活動の活発化を図りま
経済産業大臣賞受賞
す。
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