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請求項1 - Questel

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JP 5451385 B2 2014.3.26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空内部を形成するために自己折畳みが可能な複数の2次元面を含む3次元粒子であっ
て、サイズがマイクロスケールまたはナノスケールであり、前記複数の2次元面が、2つ
の隣接する面の間の折畳みヒンジと2次元面の縁部のロッキングヒンジとを含み、前記折
畳みヒンジおよび前記ロッキングヒンジが、はんだからなり、2つの隣接する面の間の前
記折畳みヒンジの幅が、縁部の前記ロッキングヒンジの幅の2倍であり、前記3次元粒子
を構成する前記複数の2次元面が、固体ヒンジによって一緒に永久に保持され、前記粒子
が、(i)能動的な電子または半導体構成要素、および(ii)前記粒子内にカプセル化
された少なくとも1種の物質、の少なくとも1つをさらに含む、3次元粒子。
10
3次元粒子。
【請求項2】
前記粒子のサイズが1nmから2mmに及ぶ、請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
前記形状が、多面体形状を形成する表面を有する、請求項1に記載の粒子。
【請求項4】
前記形状が立方体である、請求項3に記載の粒子。
【請求項5】
前記2次元面が、穿孔または細孔によりパターニングされる、請求項1に記載の粒子。
【請求項6】
20
(2)
JP 5451385 B2 2014.3.26
前記穿孔または細孔が、フォトリソグラフィによって、電解によって、または電子線リ
ソグラフィを使用することによって生成される、請求項5に記載の粒子。
【請求項7】
前記穿孔または細孔が、0.1nmから100ミクロンのサイズを有する、請求項5に
記載の粒子。
【請求項8】
前記穿孔または細孔が、10nmから100ミクロンのサイズを有する、請求項7に記
載の粒子。
【請求項9】
前記粒子が、金属、ポリマー、ガラス、半導体、絶縁体、およびこれらの組合せからな
10
る群から選択された少なくとも1種の材料から作製される、請求項1に記載の粒子。
【請求項10】
前記能動的な電子または半導体構成要素が、トランジスタ、センサ、アクチュエータ、
発光ダイオード、フォトダイオード、および太陽電池からなる群より選ばれる、請求項1
に記載の粒子。
【請求項11】
前記金属が銅またはニッケルである、請求項9に記載の粒子。
【請求項12】
前記粒子がファラデーケージである、請求項1に記載の粒子。
【請求項13】
20
前記粒子が生体適合性材料で被覆されている、請求項1に記載の粒子。
【請求項14】
前記粒子がバイオセンサに結合されている、請求項13に記載の粒子。
【請求項15】
前記生体適合性材料が、金属、ポリマー、またはこれらの組合せである、請求項13に
記載の粒子。
【請求項16】
前記粒子が、前記粒子の2次元面に穿孔または細孔を有し、前記粒子内にカプセル化さ
れた前記少なくとも1種の物質の放出を可能とする、請求項1に記載の粒子。
【請求項17】
30
前記物質が治療薬である、請求項1に記載の粒子。
【請求項18】
前記治療薬が、細胞、化学的または生物学的物質、医薬品、組成物、組織、ゲル、およ
びポリマーからなる群から選択される、請求項17に記載の粒子。
【請求項19】
前記粒子が対象に投与され、前記対象体内での前記粒子の位置が、磁気共鳴映像(MR
I)またはCATスキャン(CT)によって非侵襲的に追跡される、請求項1に記載の粒
子。
【請求項20】
前記粒子が、バックグラウンドに対してネガティブ造影で、またはバックグラウンドに
40
対してポジティブ造影で撮像される、請求項19に記載の粒子。
【請求項21】
高周波タグをさらに含む、請求項17に記載の粒子。
【請求項22】
事前に選択された周波数に前記粒子を曝すと、前記物質を放出することができる、請求
項21に記載の粒子。
【請求項23】
電磁放射線に前記粒子を曝すと、前記物質を放出することができる、請求項10に記載
の粒子。
【請求項24】
50
(3)
JP 5451385 B2 2014.3.26
前記電磁放射線が遠隔から誘起される、請求項23に記載の粒子。
【請求項25】
前記電磁放射線が1KHzから1ペタHzに及ぶ、請求項23に記載の粒子。
【請求項26】
誘導加熱に前記粒子を曝すと、前記物質を放出することができる、請求項17に記載の
粒子。
【請求項27】
前記誘導加熱が遠隔から誘起される、請求項26に記載の粒子。
【請求項28】
中空内部を形成するために自己折畳みが可能な複数の2次元面を含む3次元粒子であっ
10
て、サイズがマイクロスケールまたはナノスケールであり、前記複数の2次元面が、2つ
の隣接する面の間の折畳みヒンジと2次元面の縁部のロッキングヒンジとを含み、前記折
畳みヒンジおよび前記ロッキングヒンジが、はんだからなり、2つの隣接する面の間の前
記折畳みヒンジの幅が、縁部の前記ロッキングヒンジの幅の2倍であり、前記3次元粒子
を構成する前記複数の2次元面が、固体ヒンジによって一緒に永久に保持され、前記粒子
が、(i)能動的な電子または半導体構成要素、および(ii)前記粒子内にカプセル化
された少なくとも1種の物質、の少なくとも1つをさらに含む、3次元粒子の作製方法で
あって、
(a)犠牲層を基板の上に堆積させて第1の層を形成する工程と、
(b)導電性の第2の層を前記第1の層の上に堆積させて積層化した基板を形成する工程
20
と、
(c)前記積層化した基板をパターニングして多数のパターニングされた2次元面を作製
する工程と、
(d)隣接するパターニングされた2次元面の間の界面にヒンジをパターニングする工程
と、
(e)前記パターニングされた2次元面の縁部にヒンジをパターニングする工程(ただし
2つの隣接する面の間の前記ヒンジの幅が、縁部の前記ヒンジの幅の2倍である)と、
(f)工程(d)および(e)においてパターニングされた各ヒンジにはんだを堆積させ
る工程と、
(g)前記犠牲層を溶解して前記パターニングされた2次元面を分離する工程と、
30
(h)前記分離したパターニングされた2次元面を加熱して各ヒンジに堆積させたはんだ
を液化して、充填可能な中心チャンバを含む3次元コンテナを自己組織化する工程と、
を含み、冷却によって、前記自己組織化した3次元コンテナが、固体ヒンジによって一緒
に永久に保持された多数の2次元面を有する3次元コンテナを形成する、方法。
【請求項29】
工程(b)で、2次元面が穿孔または細孔によってパターニングされる、請求項28に
記載の方法。
【請求項30】
前記穿孔または細孔がフォトリソグラフィによって生成される、請求項29に記載の方
法。
40
【請求項31】
前記穿孔または細孔が、0.1nmから100ミクロンのサイズを有する、請求項29
に記載の方法。
【請求項32】
前記粒子がファラデーケージである、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
対象(ただし、ヒトを除く)に移植された請求項1に記載の粒子の撮像方法であって、
(i)前記粒子の中空内部に少なくとも1種の物質を充填して、充填済み粒子を形成す
る工程と、
(ii)充填済み粒子を前記対象に投与する工程と、
50
(4)
JP 5451385 B2 2014.3.26
(iii)磁気共鳴映像によって前記対象体内の工程(ii)の粒子を非侵襲的に追跡
する工程と
を含む方法。
【請求項34】
前記粒子の2次元面の穿孔または細孔によって、中空内部の前記物質の放出が可能にな
る、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程(i)の少なくとも1種の物質が治療薬である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記治療薬が、細胞、医薬品、組成物、組織、ゲル、およびポリマーからなる群から選
10
択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
状態を治療する方法であって、組成物をカプセル化する請求項1に記載の少なくとも1
種の粒子を、治療の必要がある哺乳動物(ただし、ヒトを除く)に導入することを含み、
前記組成物が、前記状態を治療するのに十分な量で、前記粒子内の1つまたは複数の細孔
を通して前記哺乳動物体内に放出される方法。
【請求項38】
薬剤組成物が、1つまたは複数のマイクロビーズ内に含有される、請求項37に記載の
方法。
【請求項39】
20
前記状態が糖尿病であり、前記組成物が1個または複数のインスリン分泌細胞である、
請求項37に記載の方法。
【請求項40】
哺乳動物(ただし、ヒトを除く)に導入された請求項1に記載の粒子を撮像するための
方法であって、磁気共鳴映像を使用することを含む方法。
【請求項41】
請求項1に記載の粒子を対象体内の細胞に送り込むための方法であって、
a)細胞に特異的な抗原に対する抗体を粒子に付着させる工程と、
b)粒子を哺乳動物(ただし、ヒトを除く)に導入する工程と
を含み、前記粒子が前記細胞に送り込まれる方法。
30
【請求項42】
前記粒子が、特定の時間および特定の部位で1種または複数の試薬を遠隔から放出する
ようにプログラムされている、請求項18に記載の1個または複数の粒子を対象(ただし
、ヒトを除く)にデリバリーする方法。
【請求項43】
前記粒子が、MRIまたはCTを使用して遠隔から導かれ撮像される、請求項42に記
載の方法。
【請求項44】
前記粒子が、造影剤を放出すること、または造影を付与することが可能であり、その近
傍内にある物質の内容物のMRIまたはCT撮像提供することが可能である、請求項43
40
に記載の方法。
【請求項45】
非侵襲的生検またはマイクロサージェリーを実施する方法であって、遠隔手段を使用し
て、対象(ただし、ヒトを除く)の体内の部位に請求項1に記載の粒子を導くこと、前記
部位から1種または複数の物質を前記粒子に捕捉させること、および前記物質を前記粒子
から得ることを含み、それにより生検またはマイクロサージェリーを非侵襲的に実施する
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
50
(5)
JP 5451385 B2 2014.3.26
本出願は、2006年6月23日出願の米国仮出願第60/816063号の利益を主
張するものである。さらに本出願は、2005年7月22日出願の米国仮出願第60/7
01903号の優先権を主張する、2006年7月24日出願の米国第11/49182
9号の一部継続出願である。これらの出願の内容全体は、参照により本明細書に組み込ま
れる。
【0002】
政府の権利
この研究は、部分的に米国国立衛生研究所によって支援された(NIH P50 CA
103175)。米国政府は、本発明の権利を有することができる。
【0003】
10
本発明は、マイクロ加工されたナノまたはマイクロスケール粒子であって、粒子内に含
有される細胞、医薬品、組成物、薬物、組織、ゲル、およびポリマーを含んだ生物学的媒
体を含むがこれらに限定するものではない材料または物質のカプセル化及びデリバリーと
、それに続く治療材料のその位置での放出のための粒子と、この粒子の作製方法と、この
粒子を生体内または生体外の応用で使用する方法とに関する。
【背景技術】
【0004】
近年、再生医療の進歩が、細胞レベルを目標とした療法に刺激を与えている。これらの
療法は、細胞または細胞クラスターを移植し、細胞経路を操作し、薬物のデリバリーを目
標にしようとしている。例えば広範な細胞系が、分子の両方向拡散および細胞放出を制御
20
する半透性および生体適合性の固定化デバイス内に封入されている(R.P.Lanza、J.L.Hay
es、W.L.Chick、Nat.Biotechnol. 14、1107 (1996); G.Drive、R.M.Hernandez、A.R.Gasc
on、M.Igartua、J.L.Pedraz、J.L.Trends、Biotechnol. 20、382 (2002); N.E.Simpson、
S.C.Grant、S.J.Blackband、I.Constantinidis、Biomaterials 24、4941 (2003))。マイ
クロテクノロジーの進歩と同時に、革新的な医療がもたらされ、新しい移植可能なデバイ
スとして、マイクロアレー、バイオカプセル、およびマイクロプローブが開発されている
。これらのデバイスは、細胞のカプセル化、オンデマンド薬物放出、および疾患の早期診
断を促進させた(J.T.Santini、M.J.Cima、R.Langer、Nature 397、335 (1999); J.Kost
、R.Langer、Adv.Drug Delivery Rev. 6、19 (1991); L.Leoni、T.A.Desai、Adv.Drug De
livery Rev. 56、211 (2004); B.Ziaie、A.Baldi、M.Lei、Y.Gu、R.A.Siegel、Adv. Drug
30
Delivery Rev. 56、145 (2004); T.A.Desai、T.West、M.Cohen、T.Boiarski、A.Rampers
aud、Adv.Drug Delivery Rev. 56、1661 (2004); J.T.Santini、A.C.Richards、R.Scheid
t、M.J.Cima、R.Langer、Angew. Chem. 39、2396 (2000); Z.Fireman、E.Mahajna、E.Bro
ide、M.Shapiro、L.Fich、A.Sternberg、Y.Kopelman、E.Scapa、Gut 52、390 (2003))。
カプセル化およびデリバリーに使用されてきたポリマー、ヒドロゲルおよびゾルゲルベー
スのプロセスとは対照的に、従来のケイ素(Si)ベースのマイクロ加工は、再現性が高
く、機械的および化学的な安定性をもたらし、電子工学的および光学的モジュールをデバ
イス内に組み込むことが可能になり、それによって、生体内での無線遠隔測定、遠隔活性
化、および通信を容易にする。しかし、Siベースのマイクロ加工は、もともと2次元(
2D)プロセスであり、従来のマイクロ加工を使用して3次元(3D)システムを作製す
40
ることは極めて難しい(M.Madou、Fundamentals of Microfabrication (CRC、Boca Raton
、FL、1997))。3D医療機器には、これに対応する2D機器に優るいくつかの利点があ
り、即ち、(a)外表面積と体積との比がより大きく、それによって、周囲を取り囲む媒
体との相互作用が最大限になり、種々の診断またはデリバリーモジュールを取り付ける空
間が得られ、(b)有限な体積によって細胞および薬物のカプセル化が可能になり、(c
)デバイスが体内において不都合に停滞する機会を低減する幾何形状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮出願第60/816063号
50
(6)
JP 5451385 B2 2014.3.26
【特許文献2】米国仮出願第60/701903号
【特許文献3】米国第11/491829号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】R.P.Lanza、J.L.Hayes、W.L.Chick、Nat.Biotechnol. 14、1107 (1996)
【非特許文献2】G.Drive、R.M.Hernandez、A.R.Gascon、M.Igartua、J.L.Pedraz、J.L.T
rends、Biotechnol. 20、382 (2002)
【非特許文献3】N.E.Simpson、S.C.Grant、S.J.Blackband、I.Constantinidis、Biomate
rials 24、4941 (2003)
【非特許文献4】J.T.Santini、M.J.Cima、R.Langer、Nature 397、335 (1999)
10
【非特許文献5】J.Kost、R.Langer、Adv.Drug Delivery Rev. 6、19 (1991)
【非特許文献6】L.Leoni、T.A.Desai、Adv.Drug Delivery Rev. 56、211 (2004)
【非特許文献7】B.Ziaie、A.Baldi、M.Lei、Y.Gu、R.A.Siegel、Adv.Drug Delivery Rev
. 56、145 (2004)
【非特許文献8】T.A.Desai、T.West、M.Cohen、T.Boiarski、A.Rampersaud、Adv.Drug D
elivery Rev. 56、1661 (2004)
【非特許文献9】J.T.Santini、A.C.Richards、R.Scheidt、M.J.Cima、R.Langer、Angew.
Chem. 39、2396 (2000)
【非特許文献10】Z.Fireman、E.Mahajna、E.Broide、M.Shapiro、L.Fich、A.Sternberg
、Y.Kopelman、E.Scapa、Gut 52、390 (2003)
20
【非特許文献11】M.Madou、Fundamentals of Microfabrication (CRC、Boca Raton、FL
、1997)
【非特許文献12】B.Gimi他、Biomed.Microdevices、第7巻、341∼345頁、2005年
【非特許文献13】E.M.Purcell、Electricity and Magnetism、Berkeley Physics Cours
e、第2巻(McGraw Hill、MA、1985)
【非特許文献14】R.H.ThomlinsonおよびL.H.Gray、Brit.J.Cancer Dec.9、539 (1955)
【非特許文献15】A.Tsaliovich、Electromagnetic Shielding Handbook for Wired and
Wireless Applications (Kluwer Academic Publishers、MA、1999)
【非特許文献16】C.Kittel、Introduction to Solid State Physics、(Wiley、New Yor
k, ed.、at 7 (1995))
30
【非特許文献17】L.W.Bartels他、J.Vasc.Interv.Radiol. 12: 365 (2001)
【非特許文献18】E.Smela他、Science 268: 1735 (1995)
【非特許文献19】P.W.Breen他、J.Microelectromech.Syst. 4: 170 (1995)
【非特許文献20】K.F.Harsh他、Sens.Actuators A 3: 237 (1999)
【非特許文献21】E.E.Hui他、IEEEE 13th Int.Conf.On Micro Electro Mechanical Sys
tems、602 (2000)
【非特許文献22】D.H.Gracias他、Adv.Mater. 14: 235 (2002)
【非特許文献23】R.R.A.Syms他、J.Microelectromech.Syst. 12: 387 (2003)
【非特許文献24】A.Shenhav、H.Azhari、Magn.Reson.Med. 52: 1465 (2004)
【非特許文献25】L.H.Bennett他、J.Appl.Phys. 79: 4712 (1996)
40
【非特許文献26】B.A.Schueler他、J.Magn.Reson.Imaging 9: 596 (1999)
【非特許文献27】K.F.Harsh、V.M.Bright、およびY.C.Lee、Sens.Actuators A、第77巻
、第237∼244頁、1999年
【非特許文献28】E.E.Hui、R.T.Howe、およびM.S.Rodgers、IEEE 13th Int.Conf. on M
icroelectoromechanical Sys.、2002年、第602∼607頁
【非特許文献29】R.R.A.Syms、E.M.Yeatman、V.M.Bright、およびG.M.Whitesides、J.M
icroelectromechanical Sys.、第12巻、第387∼417頁、2003年
【非特許文献30】E.J.W.Ter Maten、およびJ.B.M.Melissen、第28巻、no.2、第1287∼1
290頁、1992年
【非特許文献31】C.K.Chou、5th IEEE Conf. Instrumentation and Measurement Tech.
50
(7)
JP 5451385 B2 2014.3.26
、1988年、第69∼77頁
【非特許文献32】J.S.CurranおよびA.M.Featherstone、Power Eng.J.、第2巻、no.3、
第157∼160、1988年
【非特許文献33】K.Hamad-Schifferli、J.J.Schwartz、A.T.Santos、S.Zhang、およびJ
.M.Jacobson、Nature、第415巻、第152∼155頁、2002年
【非特許文献34】T.G.Leong、Z.Gu、T.Koh、D.H.Gracias、J.Am.Chem.Soc. 2006、128
、11336∼11337
【非特許文献35】B.Gimi、T.Leong、Z.Gu、M.Yang、D.Artemov、Z.M.Bhujawalla、D.H.
Gracias、Biomed. Microdevices 2005、7、341∼345
【非特許文献36】T.Hirokawa、T.Tanaka、J.Chem.Phys. 1984、81、6379∼6380
10
【非特許文献37】M.E.Islam、A.M.Alsayed、Z.Dogic、J.Zhang、T.C.Lubensky、A.G.Yo
dh、Phys.Rev.Lett. 2004、92、088303
【非特許文献38】P.Alexandridis、T.A.Hatton、Colloid Surf. Physicochem. Eng. As
pect. 1995、96、1∼46
【非特許文献39】H.Yu,D.W.Grainger、J.Controlled Release 1995、34、117∼127
【非特許文献40】K.S.Soppimath、T.M.Aminabhabi、A.M.Dave、S.G.Kumbar、W.E.Rudzi
nski、Drug Dev.Ind.Pharm. 2002、28、957∼974
【非特許文献41】R.A.Stile、W.R.Burghardt、K.E.Healy、Macromolecules 1999、32、
7370∼7379
【非特許文献42】J.C.McDonald、G.M.Whitesides、Acc.Chem.Res. 2002、35、491∼499
20
【非特許文献43】M.Madou、Fundamentals of Microfabrication、CRC、New York、1997
【非特許文献44】P.J.A.Kenis、R.Ismagilov、G.M.Whitesides、Science 1999、285、8
3∼85
【非特許文献45】Invitrogen live/dead stain product guide http://probes.invitro
gen.com/
【非特許文献46】S.Corvin、S.Boexch、C.Maneschg、C.Radmayr、G.Bartsch、H.Klocke
r、Eur.UroL 2000、37、499∼504
【非特許文献47】Syms,R.R.A. J.Microelectromech.Syst. 1995, 4, 177∼184
【非特許文献48】Harsh,KおよびLee,Y.C.、Proceedings of SPIE; San Jose、USA、199
8
30
【非特許文献49】White,D.W.G. Metall.Trans. 1971、2、3067∼3070
【非特許文献50】Syms,RRA、J.Microelectromech.Syst. 1995、4、177∼184
【非特許文献51】Jacobs,H.O.他、Science 2002、296、323∼325
【非特許文献52】Gracias,D.H.他、Science、2000、289、1170∼1172
【非特許文献53】Lim,F.、Sun, A. M. Science. 1980、210、908∼910
【非特許文献54】Chang,T.M.S. Nat.Rev.Drug Discovery. 2005、4、221∼235
【非特許文献55】Langer,R. Ace.Chem.Res. 1993、26、537∼42
【非特許文献56】Tice,J.D.、Song,H.、Lyon,A.D.、lsmagilov, R.F.Langmuir 2003、1
9、9127∼9133
【非特許文献57】Hammer.D.A.、Discher D.E.、Ann.Rev.Mater.Res、2001、31、387∼4
40
04
【非特許文献58】Syms,R.R.A.、Yeatmant,E.M.、Bright,V.M.、Whitesides,G.M. J.MEM
S 2003、12、387∼417
【非特許文献59】Hui,E.E.、Howe,R.T.、Rodgers,M.R.、IEEE 13th Int.Conf.MEMS、20
00、602∼607
【非特許文献60】Gimi,B.、Leong,T.、Gu,Z.、Yang,M.、Artemov,D.、Bhujwalla, Z.、
Gracias,D.H. Biomed.Microdevice 2005、7、341∼3
【非特許文献61】Syms R.R.A. J.MEMS 1999、8、448∼455
【非特許文献62】Deng,T.、Whitesides,G.M.、Radhakrishnan,M.、Zabow,G.、Prentiss
,M.、Appl.Phys.Lett. 2001、78、1775∼1777
50
(8)
JP 5451385 B2 2014.3.26
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一態様では、insituの治療薬のデリバリーを促進させるために、3次元
性の利点と、Siベースのマイクロ加工の望ましい態様とを組み合わせるという計略によ
って、バイオコンテナ(即ち、ボックス、中空粒子)が作製されている。例えばこのコン
テナには、マイクロビーズまたはゲルに埋め込まれた細胞が詰め込まれ、したがって、細
胞カプセル化技術に使用される今日の固定化システムと併せて使用することができ、また
はこれらを独立に使用することができる。別の態様では、バイオコンテナは、免疫抑制状
態でまたは免疫抑制なしで治療薬の生体外および生体内放出を行うため、多孔質コンテナ
10
内に機能細胞をカプセル化するのにも使用することができる。例えばコンテナは、糖尿病
患者への移植のためにインスリン分泌細胞をカプセル化しデリバリーするために、小さな
領域内に細胞を拘束する必要がある動物モデルに腫瘍接種材料を置くために、また、機能
的神経PC12細胞をデリバリーするために、使用することができる。いくつかの実施形
態では、コンテナの面が、微小規模の穿孔によってパターニングされており、その内容物
とこれを取り囲む媒体の、潅流および放出の制御が可能になる。コンテナの有利な属性は
、多様なサイズおよび形状での並行作製プロセス;精密な単分散表面多孔率;および磁場
を使用して遠隔ガイドができることである。別の態様では、本発明のコンテナは、従来の
磁気共鳴映像法(MRI)を使用して容易に検出され非侵襲的に追跡され、造影剤の存在
を必要としない。
20
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、粒子内に含有された細胞、薬物、組織、ゲル、およびポリマーを含むがこれ
らに限定するものではない材料または物質のカプセル化及びデリバリーと、それに続く治
療用材料のその場での放出のためのナノスケールまたはマイクロスケール粒子と、2D前
駆体を3D粒子に折り畳むことによってこの粒子を作製する方法と、生体内または生体外
での応用におけるこの粒子の使用とを提供する。本発明の一実施形態では、3次元粒子が
、中空多面体形状を形成する多数の2次元面を含み、充填可能な中心チャンバを含有し、
この粒子のサイズはマイクロスケールまたはナノスケールである。別の実施形態では、粒
子の2次元面が、穿孔または細孔によってパターニングされる。別の実施形態では、穿孔
30
または細孔が、フォトリソグラフィによって生成される。別の実施形態では、穿孔または
細孔は、約0.1nmから約100ミクロンのサイズを有する。別の実施形態では、粒子
は、金属、ポリマー、ガラス、半導体、絶縁体、およびこれらの組合せからなる群から選
択された少なくとも1種の材料から作製される。別の実施形態では、金属が銅またはニッ
ケルである。別の実施形態では、粒子はファラデーケージである。別の実施形態では、粒
子は生体適合性材料で被覆されている。別の実施形態では、生体適合性材料は、金属、ポ
リマー、またはこれらの組合せである。別の実施形態では、粒子の充填可能な中心チャン
バには、粒子の内容物を含む少なくとも1種の物質が充填される。別の実施形態では、粒
子の2次元面の穿孔または細孔によって、粒子の内容物の放出が可能になる。別の実施形
態では、少なくとも1種の物質は治療薬である。別の実施形態では、治療薬は、細胞、医
40
薬品、組成物、組織、ゲル、およびポリマーからなる群から選択される。別の実施形態で
は、粒子は対象に投与され、この対象における粒子の位置は、磁気共鳴映像法によって非
侵襲的に追跡される。別の実施形態では、粒子は、バックグラウンドに対してネガティブ
造影で、またはバックグラウンドに対してポジティブ造影で画像形成される。
【0009】
本発明は、中空多面体形状を形成する多数の2次元面を含み、充填可能な中心チャンバ
を含有する、3次元粒子を作製する方法も提供し、この方法は、(a)多数の2次元面を
作製する工程と、(b)作製された2次元面をパターニングする工程と、(c)パターニ
ングされた2次元面に少なくとも1個のヒンジをパターニングして、ヒンジ付き縁部を形
成する工程と、(d)第1のパターニングされた2次元面のヒンジ付き縁部を、第2のパ
50
(9)
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ターニングされた2次元面のヒンジ付き縁部に接合して、ヒンジ付きジョイントを形成す
る工程と、(e)工程(d)を繰り返して、隣接する2次元面の間にヒンジ付きジョイン
トを有する2次元前駆体型板を形成する工程と、(f)熱を使用して、2次元型板のヒン
ジを液化する工程と、(g)3次元粒子を自己組織化する工程とを含む。別の実施形態で
は、この方法の工程(c)のヒンジは、液化することができる材料を含む。別の実施形態
では、材料ははんだ、金属合金、ポリマー、またはガラスである。別の実施形態では、こ
の方法の工程(a)が、(i)基板上に犠牲被膜をスピンコートして、第1の層を形成す
る工程と、(ii)第1の層上に導電性の第2の層を重ねる工程と、(iii)積層基板
をフォトリソグラフィによってパターニングする工程とをさらに含む。別の実施形態では
、粒子は、マイクロスケールまたはナノスケールのサイズを有する。別の実施形態におい
10
て、この方法の工程(b)で、2次元面が穿孔または細孔によってパターニングされる。
穿孔または細孔は、フォトリソグラフィによって生成される。別の実施形態では、穿孔ま
たは細孔は、約0.1nmから約100ミクロンのサイズを有する。別の実施形態では、
粒子はファラデーケージである。
【0010】
本発明はさらに、中空多面体形状を形成する多数の2次元面を含み、充填可能な中心チ
ャンバを含有する、対象に移植された3次元粒子の画像形成をする方法を提供し、この方
法は、(i)粒子の充填可能な中心チャンバに少なくとも1種の物質を充填して、充填済
み粒子を形成する工程と、(ii)充填済み粒子を対象に投与する工程と、(iii)磁
気共鳴映像によって対象体内で工程(ii)の粒子を非侵襲的に追跡する工程とを含む。
20
別の実施形態では、粒子の2次元面の穿孔または細孔によって、充填可能な中心チャンバ
内の物質の放出が可能になる。別の実施形態では、工程(i)の少なくとも1種の物質は
、治療薬である。別の実施形態では、治療薬は、細胞、医薬品、組成物、組織、ゲル、お
よびポリマーからなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の3Dコンテナを作製するのに使用される、プロセスフローの概略図であ
る。
【0012】
【図2】(A)コンテナの一群を示す光学画像である。(B∼D)作製プロセスの種々の
30
段階での、マイクロパターン化コンテナの光学および走査電子顕微鏡(SEM)画像であ
り;(B)電着面を有する2D前駆体、(C)面およびヒンジを有する前駆体、(D)折
り畳まれたコンテナである。
【0013】
【図3】(A)中空の、開放面を有するコンテナの、SEM画像である。(B)ガラスマ
イクロビーズが充填されたコンテナの、SEM画像である。(C)細胞外マトリックス(
ECM)ゲルに埋め込まれたMDAMB−231乳癌細胞が充填された、バイオコンテナ
の光学画像である。(D)温かい細胞培地にコンテナを浸漬することによる、細胞の放出
である。(E)蛍光細胞生存染色、Calcein−AMによって染色された、細胞−E
CM−アガロース懸濁液が充填されている、コンテナの光学画像である。(F)温かい細
40
胞培地に浸漬することによる、コンテナからの生存細胞の放出である。
【0014】
【図4】開放面を有する(A)非磁性Cuコンテナおよび(B)強磁性NiコンテナのM
RI画像である。(C∼D)(C)xyおよび(D)yz中心平面における、Cuコンテ
ナの領域内の近磁場の有限要素シミュレーション結果である。励起は、1V/mの直線偏
光500MHz平面波を含んでおり、それぞれzおよびy方向にEおよびH場を有してい
た。ワイヤフレームによって引き起こされる磁場の歪みおよび遮蔽効果は、明らかである
。
【0015】
【図5】流体チャネルにおけるコンテナのMR追跡の図である。流体の、圧力で促進され
50
(10)
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る流れの下で得られた、種々の時点でのコンテナのMR画像である。
【0016】
【図6】マイクロパターン化ボックスを作製するのに使用された、3工程の光学およびS
EM画像である。図示されるボックスは、200ミクロンというおおよその寸法を有する
。左から右に、(a)面を、フォトリソグラフィおよび電着を使用してパターニングし、
(b)はんだヒンジを、フォトリソグラフィ、エッチング、および電着を使用して、これ
らの面に合わせて配列し、(c)2D前駆体を、犠牲層が溶解したらウェハから持ち上げ
た。2D前駆体が、はんだの融点よりも高く加熱されたとき、その構造を3D立方体ボッ
クスに折り畳んだ[B.Gimi他、Biomed.Microdevices、vol.7、341∼345頁、2005]。
【0017】
10
【図7】観察されたいくつかの欠陥形態の画像である。はんだの高さが最適化されていな
い場合、(A)折り畳まれておらずまたは(B)過剰に折り畳まれたボックスが観察され
る。(C)シード層のエッチングが不完全であると、シード層と融着するので、折り畳む
ことのできない(180°)面が通常得られる。
【0018】
【図8】(AおよびB)Pluronicヒドロゲルおよび(C)細胞外マトリックス(
ECM)ゲルに埋め込まれたMDA−MB−231乳癌細胞が充填されたボックスの、S
EMおよび光学画像である。(D)細胞は、細胞培地内での拍動性攪拌によって、ボック
スから放出することができた。
【0019】
20
【図9】(AおよびB)フォトリソグラフィを使用して作製された2Dコイルの光学画像
である。コイルに電流を流すことにより、磁場を発生させることが可能になる。(C)マ
イクロボックスが、ボックスを誘導加熱するためにコイルの中心軸に沿って配置されてい
る。
【0020】
【図10】加熱による、充填ボックスからの染料の放出を示す図である。
【0021】
【図11】a)空のコンテナの、走査電子顕微鏡画像である。コンテナは、長さ約200
mmおよび体積8nLの、3次元(3D)多孔質立方体であった。b)染料に浸漬したプ
ルロニックゲルが充填されているコンテナの、光学顕微鏡画像である。c)無線によるマ
30
イクロスケールの化学的エンジニアリングを促進するのに使用される、実験装置の概略図
である(尺度は正確に図示していない)。コンテナは、磁性針(図示せず)を使用して操
作し、特定のコンテナの内容物は、RF源をコンテナに向けることによって放出させた。
概略図では、化学物質Yが特定のコンテナから放出され、次いで化学物質Yは、周囲を取
り囲む媒体中で化学物質Xと反応して、生成物Zを形成する。
【0022】
【図12】毛管内で、遠隔制御された、空間的に局在化したマイクロ加工を示す光学画像
である。2本のマイクロワイヤ(1および2)が、マイクロ加工された毛管(直径約1m
m、長さ1.5cm)内に嵌め込まれ、この毛管を、2Dマイクロコイルの上面に合わせ
て配列した。a、b)まず、プルロニックを充填しかつ化学増感剤に浸漬したコンテナを
40
、磁性針を使用して、ワイヤ1内のギャップ部位まで毛管内に導入した。c)コンテナ内
にカプセル化された、増感剤に浸漬したプルロニックゲルを、遠隔から加熱することによ
って化学増感剤を放出させた。この加熱は、2D RFコイルにより実現された。ギャッ
プを増感させた後、最初のコンテナを除去し、第2のコンテナをマイクロワイヤ1の同じ
ギャップに導入し、プルロニックゲルを遠隔から加熱することによって活性剤を放出させ
た。d)活性化後、第2のコンテナも除去した。e)次いで毛管を、市販の無電解銅めっ
き溶液で一気に洗浄し、硫酸銅から金属銅への化学還元(水素ガスの気泡、即ち反応の副
生成物が見られる。)が、マイクロワイヤ1内のギャップで生じた。f)銅は、マイクロ
ワイヤ1の間のギャップにのみ堆積し、マイクロワイヤ2のギャップには銅は堆積しなか
った。
50
(11)
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【0023】
【図13】共にコンテナから遠隔的に放出された、カルセインAMおよびエチジウムホモ
ダイマー−1の生/死蛍光画像による、細胞の生存度の評価を示す図である。a、b)L
929マウス線維芽細胞に対する生/死染色の局所放出の共焦画像である。赤色細胞は観
察されず、したがって、放出中に壊死細胞の死は示されなかった。a)細胞およびコンテ
ナの両方を示す、透過光微分干渉コントラスト(DIC)画像である。b)局在化した細
胞染色のみを示す、蛍光画像である。
【0024】
【図14】(A)RF放射線に曝露された、ナノリットルのコンテナ下に配置された温度
指示ラベルで観察された、色の変化の光学画像である。色の変化はコンテナ下でのみ生じ
10
、これは、加熱が局所的であることを示している。(B)入射RF電力に対して、色指示
ラベルを使用して測定された温度をプロットした図である。
【0025】
【図15】LIVE/DEAD(登録商標)アッセイに浸漬したPNIPAmゲルが充填
された、ナノリットルコンテナの、共焦顕微鏡画像である。実験は、RFを発生させなか
ったこと以外、試験手順に従った。コンテナを取り囲む細胞染色が存在しないことは(図
13に比べ)、RF放射線が起動しない状態で認識可能な化学放出がないことを実証して
いる。
【0026】
【図16】自己組織化プロセスの、有限シミュレーションおよび実験結果の比較を示す図
20
である。(A)立方体を自己組織化するのに使用された2D型板の、面およびギャップ幅
の寸法を示す、平面図である(尺度に合わせて描いた)。(B)有限要素シミュレーショ
ンで使用された変数を有する十字型(作製されたとき)の、2つの隣接する面の側面図で
ある。(C)折畳みヒンジのリフロー開始時の、隣接する面の側面図である。(D∼F)
(D)折畳み不十分の面、(E)正しい角度に折り畳まれた面、(F)過剰に折り畳まれ
た面を示す、有限要素のスナップショットである。(G∼I)折畳み不十分の面、正しい
角度に折り畳まれた面、および過剰に折り畳まれた面を示す、実験的に作製された200
μm立方体の、光学顕微鏡画像である。注意:図1B∼Fは、重要な寸法を例示するため
に、尺度を正確に示していない。
【0027】
30
【図17】折畳み角度のはんだ体積に対する依存性の、シミュレーション結果を示す図で
ある。この結果は、ヒンジでのはんだ体積を制御することによって、折畳み角度を正確に
設計製作できることを実証している。
【0028】
【図18】長さが6mmから50nmに及ぶ面の折畳み角度の関数としてプロットした、
正規化された全エネルギー曲線(有限要素シミュレーション)である。この曲線は、最小
値が安定した状態で、折畳みが小さいサイズスケールでは自発的であることを示す。規模
が増大するにつれ、重力が増大し、折畳みはもはや自発的ではなくなり(初期勾配は、負
から正に変化する)、6mmでは最小値が存在しない。
【0029】
40
【図19】(A)2mmから(B)15μmまでの広範な様々なサイズで、また種々の形
状で、例えば(C)四角錐で作製された(実験結果)、自立的に立っている多面体を示す
光学画像である。
【0030】
【図20】(A)数多く形成された、ある範囲のサイズの立方体の光学画像である。(B
)(A)中の線が引かれた領域の画像を拡大した図であり、100μmの立方体が500
μmの立方体の上面および間に位置していることを強調している。
【0031】
【図21】折畳みプロセスの概要を示す図である。
【0032】
50
(12)
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【図22】(a)1つの開放面を有する立方体コンテナの作製における種々の工程(フォ
トリソグラフィによって作製された2D型板、はんだヒンジの位置合わせ、および折り畳
まれた3D構造)を示す、光学およびSEM画像である。(b)すべてが開放面である立
方体コンテナ、(c)ピラミッド形の錐台、(d)底面が開放面である四角錐のSEM画
像である。(e∼g)並行作製計略を実証する、種々の形状の多数のコンテナの光学画像
であり、(h∼k)(h、j)5ミクロンおよび(i、k)3ミクロンの単分散孔径を有
する立方体コンテナのSEM画像である。
【0033】
【図23】コンテナからの化学放出の光学画像である。(a)すべての面で同一の多孔率
を有するコンテナからの、染料の空間的に等方的な放出を示す図である。(b)異方的多
10
孔率を有するコンテナからの、染料の異方的放出を示す図である(5つの面は、5ミクロ
ンの細孔の列を有し、第6の面は、160ミクロンサイズの細孔を有する)。(c)遠隔
から導入された、空間的に制御された化学反応の例である。アルカリ水−グリセロール媒
体にフェノールフタレインを直接書き込むことによって、文字G(Gracias La
bの短縮形)が形成された。
【0034】
【図24】多数のコンテナ間での、空間的に制御された化学反応を示す図である。(a∼
c)コンテナ間の中心線に沿って水酸化銅の形成をもたらす、水性媒体での硫酸銅と水酸
化カリウムの反応を示す図である。(d∼f)水性媒体でのフェノールフタレイン(2個
の底部コンテナから外に拡散する)と水酸化カリウム(上部コンテナから外に拡散する)
20
の反応を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
「粒子」、「中空粒子」、「ボックス」、「コンテナ」、および「バイオコンテナ」と
いう用語は、中空の内部または物質を収容することが可能な内部を有する3次元物体、即
ちレセプタクルを意味するために、本明細書では同義に使用される。
【0036】
本明細書で使用される「コロイド」または「コロイド状」という用語は、連続媒体中に
分散した粒子の系で構成された物質を指す。
【0037】
30
材料は、外部磁場の存在下で、まったく異なる状態で反応させることができる。その反
応は、材料の分子構造、その原子構造、および原子に関連した正味の磁場を含むがこれら
に限定するものではない、いくつかの要因に依存する。ほとんどの材料は、強磁性、反磁
性、または常磁性として分類することができる。
【0038】
本明細書で使用される「反磁性」という用語は、外部磁場に起因した電子の軌道運動の
変化によって生じる、外部磁場の存在下でのみ示される非常に弱い形の磁性を有する材料
を指す。反磁性材料の誘導磁気モーメントは非常に小さく、印加された磁場とは反対の方
向にある。反磁性材料の例には、銅、銀、および金が含まれるが、これらに限定するもの
ではない。
40
【0039】
「強磁性」という用語は、外部磁場に対して大きな正の磁化率を有する材料を指す。強
磁性材料はいくつかの不対電子を有し、したがって、それらの原子は正味の磁気モーメン
トを有する。これらは磁場に対して強い引力を示し、外部の磁場が除去された後に、その
磁気特性を保持することができる。強磁性材料の例には、鉄、ニッケル、およびコバルト
が含まれるが、これらに限定するものではない。
【0040】
「常磁性」という用語は、磁場に対して小さな正の磁化率を有する材料を指し、これは
磁場によってわずかに引き付けられる。常磁性材料は、外部磁場が除去された場合に磁気
特性を保持しない。これらの常磁性特性は、いくつかの不対電子の存在と、外部磁場によ
50
(13)
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って引き起こされる電子軌道の再編成に起因する。常磁性材料の例には、マグネシウム、
モリブデン、およびリチウムが含まれるが、これらに限定するものではない。
【0041】
本明細書で使用される「ファラデーケージ」という用語は、磁場への自由な通過を可能
にしながら電場の効果を遮断するように設計された、エンクロージャを指す(E.M.Purcel
l、Electricity and Magnetism、Berkeley Physics Course、第2巻(McGraw Hill、MA、1
985)参照)。そのようなエンクロージャを、ファラデーシールド、ファラデーシールデ
ィング、ファラデースクリーン、ファラデー静電シールド、またはシールドルームとも呼
ぶ。
【0042】
10
本明細書で使用される「ゲル」という用語は、コロイド溶液から形成された、見掛けは
固体のゼリー様材料を指す。重量でみれば、ゲルはほとんど液体であるが、固形分のよう
な挙動をとる。「溶液」という用語は、別の物質(溶媒)に溶解した1種または複数の物
質(溶質)の、均質な混合物を指す。
【0043】
本明細書で使用される「誘導加熱」という用語は、金属内に渦電流を発生させ、抵抗に
より金属のジュール加熱をもたらす電磁誘導によって、金属物体を加熱するプロセスを指
す。誘導加熱器(任意のプロセス用)は、高周波交流が内部を通過する電磁石からなる。
熱は、磁気ヒステリシス損失によって発生させてもよい。
【0044】
20
本明細書で使用される「磁場」という用語は、永久磁石や電流を伝える導体などの磁性
を有する本体または実体を取り囲んだ、認め得る磁力が存在する空間内の領域を指す。そ
のような磁場は、磁力線によって表される。電磁場では、例えば、磁力が電場に対して直
角である。
【0045】
「磁場強度」または「磁場の強さ」(「H」)という用語は、所与の点での磁場の強さ
を指す。磁場強度は、通常はメートル当たりのアンペア数、またはエルステッドで表され
るベクトル量である。
【0046】
「磁気共鳴画像」または「MRI」という用語は、高周波パルス、強力な磁場、および
30
対象の間の相互作用を使用して、対象内部の水素原子から得られた核磁気共鳴(NMR)
シグナルから断層/平面で画像を構成する、非侵襲的撮像技法を指す。すべてのMRIを
支持する原理は、共鳴方程式である。
【0047】
v=γB0
(方程式1)
【0048】
上式は、スピンの共鳴周波数υが磁場B0に比例することを示し、γが磁気回転比であ
る場合に経験することである。
【0049】
40
本明細書で使用される「マイクロスケール」という用語は、少なくとも1つの寸法が、
約1μmまたは1×10−6メートルから約999μmと測定される粒子を指す。本明細
書で使用される「ナノスケール」という用語は、約1ナノメートルまたは1×10−9メ
ートルから約999ナノメートルと測定される粒子を指す。
【0050】
「磁場勾配」という用語は、位置に対する磁場の変動を指す。1次元磁場勾配は、1つ
の方向に対する変動であり、それに対して2次元勾配は、2つの方向に対する変動である
。磁気共鳴映像で最も有用なタイプの勾配は、1次元線形磁場勾配である。磁場B0でx
軸に沿った1次元磁場勾配は、磁場がx方向に増大することを示す。x、y、およびz方
向での磁場勾配の記号は、Gx、Gy、およびGzである。
50
(14)
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【0051】
物理学において、「磁気モーメント」または「双極子モーメント」という用語は、磁気
源の極強度に極間の距離を乗じた値(μ=pd)を指し、これは磁気源の強度の尺度であ
る。磁場内の磁気モーメントは、磁場の電荷の旋回によって設定された磁束の尺度である
。
【0052】
本明細書で使用される「マイクロパターン」または「マイクロパターン化」という用語
は、マイクロスケールの特徴を有する任意の2次元パターンを指す。本明細書で使用され
る「ナノパターン」または「ナノパターン化」という用語は、マイクロスケールの特徴を
有する任意の2次元パターンを指す。本発明によれば、粒子は、約0.1nmから約10
10
0ミクロンのサイズに及ぶ穿孔または細孔によってパターニングされる。
【0053】
「振動磁場」または「振動性磁場」という用語は、その強度mを定期的に増大し低下さ
せる磁場を指し、そうでない場合には経時的に変化する磁場を指す。
【0054】
本発明の粒子は、任意の多面体形状でよい。本明細書で使用される「多面体」という用
語は、多面体を指し、または多面体に関係し、または多面体に似ているものを指す。「多
面体」という用語は、平面多角形または面によって境界が定められた3次元物体を指す。
「多角形」という用語は、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、および八角形など
の多くの直線によって境界が定められた多面的な幾何学的図形を指す。例えば、本発明の
20
粒子は、立方体または四面体でよい。
【0055】
本明細書で使用される「高周波数」という用語は、通信に使用される電磁スペクトル内
の周波数または周波数の間隔を指し、通常は、約3kHzから約300GHzの範囲と定
義され、これは、それぞれ約100kmから約1mmの波長に相当する。
【0056】
本明細書で使用される「高周波タグ」という用語は、高周波識別(RFID)タグを含
む。高周波識別(RFID)は、RFIDタグと呼ばれるデバイスを使用した、データの
保存および遠隔的検索を利用する自動識別法である。RFIDタグは、電波を使用した識
別を目的として、物体に付着させまたは組み込むことができる。RFIDタグは、3つの
30
一般的な種類、即ち受動、半受動(バッテリー支援としても知られる)、または能動に分
類される。受動タグは内部電源を必要とし、それに対して半受動および能動タグは、通常
は小さいバッテリーである電源を必要とする。
【0057】
「抵抗」という用語は、物体が電流の通過に対抗する程度の尺度を指し、方程式R=V
/Iによって表される(式中、Rは物体の抵抗であり(通常は、単位をオームとして測定
され、Js/C2に等しい)、Vは物体の端から端までの電位差であり、通常はボルトを
単位として測定され、Iは物体内を通過する電流であり、通常はアンペアを単位として測
定される)。
【0058】
40
磁場内の任意の物質の存在は、その磁場をある程度変化させる。「磁化率効果」という
用語は、磁場に置かれた場合に物質固有の磁気モーメントが極性を生み出す程度を指す。
【0059】
「2次元」または「2D」という用語は、高さおよび幅を有するが深さを持たず、した
がって平らなまたは平面状の図形、物体、または領域を指すために、本明細書では同義に
使用される。
【0060】
「3次元」または「3D」という用語は、高さ、幅、および深さを有する図形、物体、
または領域を指すために、本明細書では同義に使用される。
【0061】
50
(15)
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本発明の粒子は、金属(固体であり、金属光沢を有し、鍛造可能および延伸性があり、
熱および電気の両方を伝達する元素を意味する)、ポリマー、ガラス(不規則な原子構造
を有する脆弱で透明な固体を意味する)、半導体(導電性が導体と絶縁体の中間である、
ケイ素などの元素であって、その内部での伝導が、正孔および電子を用いて引き起こされ
るものを意味する)、および絶縁体(熱エネルギーおよび電気の不十分な導体である材料
を意味する)からなる群から選択された、少なくとも1種の材料を使用して作製される。
これらは、MRIでの検出を促進させるために、小型のファラデーケージとして設計され
る。粒子は、一連の撮像での高周波(RF)パルスおよび磁場勾配から生ずるMM内の振
動磁場を遮蔽する(作用を防護し、スクリーニングし、遮断し、吸収し、回避し、または
その他の方法で防止することを意味する)。この遮蔽は、局所磁場を誘導する粒子のフレ
10
ーム内で発生した渦電流(磁場内を移動しまたは変動する磁場にかけられた導体内に誘導
された、循環電流を意味する)の結果として生じ、これが外部磁場を破壊的に妨害する。
【0062】
一態様では、本発明は、2Dフォトリソグラフィまたはエレクトロリソグラフィによっ
てマイクロパターン化された前駆体からの、3D金属粒子の自己組織化について記述する
。「フォトリソグラフィ」、「フォト−リソグラフィ」、または「フォトリソグラフィプ
ロセス」という用語は、写真技法によって生成されたマスクを使用することによって、金
属や樹脂などの基板上に精密パターンが生成される、リソグラフィ技法を指す。典型的に
は、基板は、乾燥または硬化されたフォトレジスト被膜で被覆され、次いでフォトマスク
を通して照射される、紫外線などの光による放射を通して露光される。次いで非保護領域
20
が、通常はエッチングによって除去され、それによって所望のパターンが残る。穿孔また
は細孔を生成するために、電子線リソグラフィを使用してもよい。
【0063】
本発明の粒子は、自己折畳みおよび自己組織化を行う。これらの構造の少なくとも1個
のヒンジは、はんだ(金属を接合する際に使用される、特定の融点を有するように配合さ
れた合金を意味する)、金属合金(通常は一緒に融合しまたは融解したときに互いに溶解
する、2種以上の金属元素または金属および非金属元素を含有する混合物を意味する)、
ポリマー、または液化することができるガラスを含むがこれらに限定することのない材料
を含む。液体ヒンジの表面張力は、2D型板を3D粒子に折り畳むのに必要な力を提供す
る。
30
【0064】
別の態様では、自己組織化の後に、本発明の粒子の充填可能な中心チャンバが、治療薬
をカプセル化するための容器として利用可能である。本明細書で使用される「治療薬」と
いう用語は、疾患、病状、もしくは障害を治療し、制御しもしくは予防するのに使用され
る、任意の医薬品、組成物、遺伝子、タンパク質、細胞、分子、または物質を指す。「組
成物」という用語は、成分の混合物を指す。本明細書で使用される「薬剤組成物」という
用語は、連邦規制審査を受けた組成物を指す。「治療」または「治療する」という用語は
、状態の進行を排除し、実質的に阻害し、遅延させ、または逆転させ、臨床状態または状
態の症状を実質的に改善し、臨床状態または状態の症状の出現を実質的に予防すること含
む。ヒトを含めた対象に投与した後に、その治療効果または有益な効果をもたらす治療薬
40
の量は、「治療量」または「医薬品として有効な量」である。治療効果または有益な効果
は、疾患または障害を治癒させ、最小限に抑え、予防し、または回復させることでよく、
あるいは任意のその他の治療効果または医薬品として有益な効果を有することでもよい。
本明細書で使用される「疾患」または「障害」という用語は、健康を損なうこと、または
異常な機能状態を指す。本明細書で使用される「症候群」という用語は、いくつかの疾患
または状態を示す症状のパターンを指す。本明細書で使用される「損傷」という用語は、
物理的または化学的でよい外部の物質または力によって引き起こされた、本体の構造また
は機能に対する損害または危害を指す。本明細書で使用される「状態」という用語は、様
々な健康状態を指し、任意のもととなるメカニズムまたは障害によって引き起こされた障
害、疾患、または損傷を含むことを意味し、健康な組織および器官の促進を含む。
50
(16)
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【0065】
いくつかの実施形態では、粒子の充填可能な中心チャンバを、後にその場で放出される
ことになる、医薬品や薬物などの治療薬、生きている組織、ゲル、およびポリマーを、カ
プセル化するのに使用することができる。本明細書で使用される「ポリマー」という用語
は、モノマーと呼ばれる小さいサブユニットで構成された、長く繰り返され時には分岐し
た鎖からなる、天然のまたは合成の化合物を指す。天然のポリマーには、タンパク質(ア
ミノ酸のポリマー)およびセルロース(糖分子のポリマー)が含まれる。合成ポリマーに
は多くの例がある。
【0066】
いくつかの実施形態では、免疫抑制と共にまたは免疫抑制なしで、生体外および生体内
10
放出するために、機能細胞(例えば、膵島細胞、神経PC12細胞)をカプセル化するこ
とができる。そのような粒子は、単一のバイオコンテナまたは一群のバイオコンテナとし
て、微量注射によってその必要のある対象に投与することができ、撮像、診断、および治
療に有用である。
【0067】
例えば、一実施形態では、多数の粒子の内部に、ゲルに埋め込まれた細胞を充填した。
これらの細胞は、バイオコンテナを適切な溶媒に浸漬することによって、放出することが
できた。流体媒体に埋め込まれた粒子の磁気共鳴(MR)画像は、RF遮蔽および磁化率
効果を示唆しており、粒子内の特徴的な低強度(暗さ)をもたらし、それによって、粒子
を容易に検出することが可能になる。この実証は、3Dのマイクロパターン化された、非
20
侵襲的に追跡可能なカプセル化およびデリバリーデバイスの設計に向けた、第1の工程で
ある。
【0068】
本発明は、中空内部を形成するための自己折畳みが可能な、複数の2次元面を含む3次
元粒子を提供し、この粒子のサイズは、マイクロスケールまたはナノスケールである。粒
子は、そのサイズが1nmから2mmに及ぶことが好ましい。
【0069】
粒子はさらに、任意の液化可能な材料からなる少なくとも1個のヒンジを含む。例えば
、ヒンジはポリマー、ゲル、ガラス、または金属でよい。
【0070】
30
本発明の粒子は、任意の形状を有するが、立方体などの多面体形状を形成する面を有す
ることが好ましい。粒子の2次元面は、穿孔または細孔によってパターニングされる。こ
れらの穿孔または細孔は、フォトリソグラフィによって、エレクトロリソグラフィによっ
て、または電子線リソグラフィを使用して生成することができる。これらの穿孔または細
孔は、約0.1nmから約1cmに及ぶサイズを有する。好ましくは、これらの穿孔また
は細孔は、約10nmから約1cmのサイズを有する。
【0071】
本発明の粒子(コンテナ)は、任意材料から作製することができるが、金属、ポリマー
、ガラス、半導体、絶縁体、およびこれらの組合せからなる群から選択された少なくとも
1種の材料が好ましい。粒子は、トランジスタ、センサ、アクチュエータ、発光ダイオー
40
ド、フォトダイオードおよび太陽電池などの、能動的な電子または半導体構成要素を含ん
でもよい。粒子が金属である場合、そのような金属は、銅またはニッケルでよい。一実施
形態では、粒子がファラデーケージである。別の実施形態では、粒子を、金属、ポリマー
、またはこれらの組合せなどの、生体適合性材料で被覆してもよい。粒子はさらに、バイ
オセンサに結合されていてもよい。
【0072】
粒子はさらに、この粒子内にカプセル化された治療薬などの、少なくとも1種の物質を
含んでもよい。治療薬は、細胞、化学的または生物学的薬剤、医薬品、組成物、組織、ゲ
ル、およびポリマーでよい。ある実施形態では、粒子の2次元面の穿孔または細孔によっ
て、粒子の内容物を放出することが可能になる。
50
(17)
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【0073】
本発明の粒子は、対象に投与してもよい。そのような実施形態では、対象における粒子
の位置を、磁気共鳴映像またはCATスキャン(CT)によって非侵襲的に追跡すること
ができる。粒子は、バックグラウンドに対してネガティブ造影で、またはバックグラウン
ドに対してポジティブ造影で、画像形成がなされる。
【0074】
本発明の別の実施形態では、粒子は、事前に選択された周波数にこの粒子が曝されると
物質を放出することのできる高周波タグをさらに含む。
【0075】
本発明の粒子の別の実施形態では、遠隔から誘発することのできる電磁放射線に粒子が
10
曝されると、物質を放出することができる。電磁放射線は、1KHzから1ペタHzに及
んでよい。
【0076】
本発明の粒子の別の実施形態では、粒子を誘導加熱に曝すことによって物質を放出する
ことができる。そのような誘導加熱は、遠隔から引き起こすことができる。
【0077】
本発明は、中空多面体形状を形成する多数の2次元面を含み、充填可能な中心チャンバ
を含有する、3次元粒子を作製する方法も提供する。この方法は、(a)多数の2次元面
を作製する工程と、(b)作製された2次元面をパターニングする工程と、(c)パター
ニングされた2次元面上に少なくとも1個のヒンジをパターニングして、ヒンジ付き縁部
20
を形成する工程と、(d)第1のパターニングされた2次元面のヒンジ付き縁部を、第2
のパターニングされた2次元面のヒンジ付き縁部に接合して、ヒンジ付きジョイントを形
成する工程と、(e)工程(d)を繰り返して、隣接する2次元面の間にヒンジ付きジョ
イントを有する2次元前駆体型板を形成する工程と、(f)熱を使用して2次元型板のヒ
ンジを液化することにより、自己折畳みを開始する工程とを含む。この方法により、粒子
が自己組織化される。
【0078】
この方法の一実施形態では、工程(c)のヒンジは、液化することのできる材料を含む
。材料は、はんだ、金属合金、ポリマー、またはガラスでよい。
【0079】
30
この方法の別の実施形態では、工程(a)が、(i)基板上に犠牲被膜をスピンコート
して、第1の層を形成する工程と、(ii)第1の層上に導電性の第2の層を重ねる工程
と、(iii)積層化した基板をフォトリソグラフィによってパターニングする工程とを
さらに含む。
【0080】
これらの方法では、粒子は、マイクロスケールまたはナノスケールのサイズを有し、フ
ォトリソグラフィにより生成することができかつ約0.1nmから約100ミクロンのサ
イズまで様々でよい穿孔または細孔によってパターニングされた2次元面を有してよい。
これらの方法の粒子は、ファラデーケージでよい。
【0081】
40
本発明はさらに、対象に移植された本発明の粒子を撮像する方法を含み、この方法は、
(i)粒子の中空内部に少なくとも1種の物質を充填して、充填済み粒子を形成する工程
と、(ii)充填済み粒子を対象に投与する工程と、(iii)磁気共鳴映像によって対
象体内で工程(ii)の粒子を非侵襲的に追跡する工程を含む。一実施形態では、粒子は
、その2次元面に、中空内部の物質を放出させる穿孔または細孔を有する。一実施形態で
は、工程(i)の少なくとも1種の物質が、治療薬である。治療薬は、細胞、医薬品、組
成物、組織、ゲル、およびポリマーでよい。
【0082】
本発明の方法は、状態を治療する方法も含み、この方法は、組成物をカプセル化する本
発明の少なくとも1種の粒子を、治療の必要がある動物に導入することを含み、この組成
50
(18)
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物が、状態を治療するのに十分な量で、粒子内の1個または複数の細孔を通して哺乳動物
に放出される。薬剤組成物は、1個または複数のマイクロビーズ内に含有されていてもよ
い。この方法の一実施形態では、状態が糖尿病であり、組成物が1個または複数のインス
リン分泌細胞である。
【0083】
本発明はさらに、哺乳動物に導入された本発明の粒子を撮像するための方法を提供し、
この方法は、磁気共鳴映像を使用することを含む。
【0084】
本発明はさらに、請求項1の粒子を対象体内の細胞に送り込む方法を提供し、この方法
は、a)細胞に特異的な抗原に対する抗体を粒子に付着させる工程と、b)粒子を哺乳動
10
物に導入する工程とを含み、粒子が細胞に送り込まれる。
【0085】
別の態様では、移植片の効力およびカプセル化された細胞の状態を評価するために、本
発明の移植された粒子内または移植された粒子に近い細胞を、MRIによって撮像するこ
とができる。
【0086】
本発明は、本発明の1個または複数の粒子を対象にデリバリーする方法も提供し、この
方法は、任意の特定の時間および任意の特定の空間部位で、1種または複数の試薬が遠隔
から放出されるように、粒子がプログラムされている。この方法の一実施形態では、粒子
は遠隔から導かれ、MRIまたはCTを使用して撮像される。
20
【0087】
本発明の粒子から造影剤を放出し、またはその内容物もしくはその付近にある物質のM
RIもしくはCT撮像が可能になるように造影を付与する方法も提供される。
【0088】
非侵襲的生検またはマイクロサージェリーを実施するための方法も提供され、この方法
は、遠隔手段を使用して、対象内の部位に粒子を導くこと、その部位の1種または複数の
物質を粒子に捕捉させること、および物質をその粒子から得ることを含む。
【0089】
ある範囲の値が与えられる場合、その範囲の上限と下限の間にある値のそれぞれは、文
脈において他に特に明示されない限り下限の単位の10分の1まで、また任意のその他の
30
記述された値もしくはその記述された範囲の間にある値は、本発明に包含されることが理
解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、記述される範囲内に任意の特に
除外される限度があるなら、このより小さい範囲に独立して含めてよく、やはり本発明に
包含される。記述される範囲がこれらの極限値の一方または両方を含む場合、これらの含
まれる極限値のどちらも除外する範囲も、本発明に含まれる。
【0090】
他に定義しない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発
明が属する当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記述され
るものと類似しまたは均等な、任意の方法および材料も、本発明を実施しまたは試験する
際に使用することができるが、好ましい方法および材料について、次に記述する。本明細
40
書に記述されるすべての刊行物は、これらの刊行物が引用されるものと一緒に方法および
/または材料を開示し記述するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0091】
本明細書および添付される特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「およ
び」、および「the」は、文脈において他に明示されない限り、複数表示を含むことに
留意すべきである。本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、同じ意味
を有する。
【0092】
本明細書で論じられる刊行物は、本出願の出願日に先行するその単なる開示を目的とし
て提供される。本発明は、先行発明によってそのような刊行物に先行する権利が与えられ
50
(19)
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ない、と見なすように解釈されるものは、本明細書にはない。さらに、示される刊行日は
実際の刊行日と異なっている可能性もあり、これは独立に確認する必要があると考えられ
るものである。
【実施例】
【0093】
下記の実施例は、本発明をどのように作りかつ使用するかについての完全な開示および
記述を当業者に提供するために示され、本発明者等が自身の発明であると見なす範囲を限
定するものではなく、下記の実験がすべてでありまたは行われる唯一の実験であることを
示すものでもない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関する正確さを確実にす
るために努力がなされているが、いくらかの実験的な誤差およびずれについては、説明が
10
なされるべきである。他に特に指示しない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分
子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
【実施例1】
【0094】
コンテナ(粒子)の作製
図1は、本発明の3Dコンテナを作製するのに使用されるプロセスフローの概略図であ
る。
【0095】
まず、ポリメチルメタクリレート(PMMA、MW=996K)の5μmの厚さの犠牲
層を、シリコン基板上にスピンコートした。本明細書で使用される「スピンコート」とい
20
う用語は、回転する基板上に流体を滴下するプロセスを指す。クロム(Cr)の15nm
層および銅(Cu)の100nm厚層を、PMMAで被覆されたウェハの最上面に蒸着さ
せた。Cr層は、接着促進剤として機能するが、Cu層は、後に行われる電着用の導電性
シード層として機能する。プロセスでは、後にCrおよびCuをエッチングする必要があ
るので、迅速なエッチングが実現されるようにそれらの厚さを最小限に抑えることが必要
である。しかし、電着中にウェハの端から端までの膜の電気抵抗を最小限に抑えるには、
材料の厚さを増加させなければならない。125nmの厚さが、本出願には最適と考えら
れる。薄膜堆積後、フォトリソグラフィを使用して基板をパターニングした。フォトレジ
ストShipley SPR220(Rohm and Haas.www.rohmh
aas.com)を最初にウェハ基板上にスピンコートし、フォトレジストの厚さを、ス
30
ピンコート速度および被覆数を変化させることによって制御した。ソフトベーク後、レジ
ストを、マスクアライナを使用してUV光で露光した。レジストをパターニングするのに
使用されるフォトマスクは、20pmの間隔を空けて設けられた6個の200nmの正方
形を有する透明マスクであった。露光後、ウェハを現像し、レジストの厚さを、Alph
a−Step断面測定番を使用して測定した。次いで、選択された金属イオンを含有する
市販の電解質溶液(Technic,Inc,www.technic.com)を使用
して、7∼15p.m.の高さまで成型されたフォトレジストのコンテナの金属面にパタ
ーンを構成するために、電着を使用した。Cuを電着し、その後、非磁性コンテナを形成
する金(Au)の薄層(約1pm)および磁性コンテナを作製するニッケル(Ni)の薄
層(約1pm)を電着した。Auは、Cu表面を後続のエッチング工程から保護し、それ
40
を不活性にするのに使用した。
【0096】
フォトリソグラフィの第2ラウンドは、ヒンジをパターニングするために行った。SP
R200の第2の層を基板上にスピンコートし、ヒンジをパターニングするのにヒンジフ
ォトマスクを使用した。ヒンジマスクは、2種類のヒンジ(50×160μm2および2
5×160μm2)からなるものであった。より幅の広いヒンジが隣接面の界面にあり、
一方、より幅の狭いヒンジは面の縁部にあった。ヒンジと2D前駆体の面との完全なアラ
イメントを確実にするために、アライメントマークを使用した。ヒンジの電着の前に、ヒ
ンジ領域の露光済みCuおよびCrを、市販のエッチング剤(Cu用にAPS−100、
Cr用にCRE−473、Technic,Inc,www.technic.com)
50
(20)
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を使用してエッチングした。エッチング剤は、NiまたはAuに比べてCuまたはCrに
対して高い選択性を有するが、エッチング時間は、コンテナのNiまたはCu/Auフレ
ームへの損傷が最小限に抑えられるように最適化された。次いで純粋なスズ(m.p.2
32℃)またはスズ/鉛(Sn/Pb:m.p.183℃)はんだを、ヒンジ領域に電気
めっきした。ヒンジの高さは、面パターンおよび使用される金属のタイプ(湿潤性かまた
は非湿潤性か)に応じて、約5μmから約15μmであった。電着後、当初のシード層を
エッチングし、2D前駆体型板をN−メチルピロリドン(NMP、犠牲PMMA層を溶解
する)の溶液に浸漬して、ウェハから前駆体を分離した。次いで約50の前駆体を、ピペ
ットを使用して小さな結晶化皿に分散させた。RMA−2フラックスの非常に薄い層(I
ndium Corporation,www.indium.com、はんだ上に形成
10
された任意の酸化物を溶解するのに使用した)を、皿の中に注いだ。次いで皿を、約2分
から約3分間100℃に加熱し、次いで20秒間で約250℃から約300℃まで上昇さ
せた。フラックスが低体積であるので、攪拌は、折畳みの欠陥を補正するのに十分であり
、しかしクロスが互いに衝突して融合するほど十分に大きくはない。溶融はんだは、2D
前駆体を3Dコンテナに折り畳むのに必要な力を発生させた。冷却すると、コンテナは、
固体はんだヒンジによって一緒に永久に保持された。
【0097】
反磁性銅(Cu)コンテナを、約200pm(1ピコメートルは10−12メートル)
の線形寸法で作製した。より小さいまたはより大きいサイズのバイオカプセルと比較する
と、200pmサイズであることにより、最大限のカプセル化体積が得られ、その一方で
20
、依然として細胞への酸素および栄養素の拡散が可能になる。細胞が、最も近い血管から
約150μmから約200μm以上離れている場合、その環境は低酸素になることが知ら
れている(R.H.ThomlinsonおよびL.H.Gray、Brit.J.Cancer Dec.9、539 (1955))。原則
として、本明細書に記述される作製計略は、その他の応用例でのコンテナの設計がより小
さくまたはより大きなサイズスケールの場合にも、うまく働くと考えられる。コンテナの
線形寸法は、本発明者等の磁気共鳴(MR)スキャナにおける最高動作周波数である、5
00MHzの振動磁場の波長よりも何桁も小さかった。したがって、コンテナの面上の穿
孔サイズは、コンテナの遮蔽特性に悪影響を及ぼさなかった。コンテナの面の厚さは、放
射線の周波数で、導体表皮深さよりも大きくなるように設計された。「表皮深さ」という
用語は、電磁場が材料に浸透する平均深さの尺度を指す。これは、一次電磁(EM)場が
30
、表面で電磁場によって減衰し/電磁場の(l/e)に低下する深さと定義され、または
、シールドの表面でその値の約37%まで低下する深さと定義される(A.Tsaliovich、El
ectromagnetic Shielding Handbook for Wired and Wireless Applications (Kluwer Aca
demic Publishers、MA、1999))。より厚いコンテナは、より低い導体抵抗も有し、それ
によって渦電流は、画像獲得時間中に遮蔽効果が維持されるよう十分長くあり続けること
が確実になる。500MHzでのCuの表皮深さは、約2.9pmであり(C.Kittel、In
troduction to Solid State Physics、(Wiley、New York, ed.、at 7 (1995)))、したが
ってコンテナは、約7pmから約15pmに及ぶ厚さのフレームを有するように設計され
た。
【0098】
40
上述の反磁性Cuコンテナに加え、強磁性ニッケル(Ni)コンテナを、このコンテナ
のMR画像に対する磁気感受性の影響を調査するために作製した。物体とその周囲の媒体
との間の磁気感受性の差から生ずる、形状、大きさ、および位相歪みを含むがこれらに限
定するものではない磁場の歪みは、サンプルの磁化において位相コヒーレンスに損失を引
き起こす。Cuの磁気感受性は水の場合に匹敵し、一方、Niの磁気感受性は水の場合よ
りも何桁も高いので、より明らかな歪みが水性媒体中のNiコンテナで予測された(L.W.
Bartels他、J.Vasc.Interv.Radiol. 12: 365 (2001))。
【0099】
CuおよびNiコンテナの両方を作製するのに使用される計略は、毛管力を使用する2
D金属前駆体の自動折畳みを含んでいた。細いチューブで液体を重力に対して上向きに引
50
(21)
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き出すことができることを指すための、本明細書で同義に使用される「毛管作用」、「毛
管」、または毛管運動は、液体と固体との間の接着性分子間力が、液体中の凝集分子間力
よりも強力である場合に生ずる。同じ作用は、多孔質材料によって液体が吸い上げられる
ことである。自動折畳みの先の実証例は、マイクロメートルサイズの構成要素の動作と、
3D複合構造のアセンブリを含む(E.Smela他、Science 268: 1735 (1995); P.W.Breen他
、J.Microelectromech.Syst. 4: 170 (1995); K.F.Harsh他、Sens.Actuators A 3: 237 (
1999); E.E.Hui他、IEEEE 13th Int.Conf.On Micro Electro Mechanical Systems、602 (
2000); D.H.Gracias他、Adv.Mater. 14: 235 (2002))。
【0100】
本発明の一態様によれば、3Dの中空穿孔コンテナは、2D前駆体から作製された。実
10
施例1に記載されるプロセスの延長である、2D前駆体を作製するのに使用されたプロセ
スは、いくつかの付加層、2つのフォトリソグラフィ工程、2つの電着工程、および正確
な順序の減法プロセスを必要とした。手短かに言うと、このプロセスは、犠牲層の最上面
に、フォトリソグラフィおよび電着を使用して金属2D面をパターニングすることを含ん
でいた。様々な計略は、面が2つの異なるパターン(即ち1つのパターンが開放面を有す
る四角形のフレームを含み、もう1つが各面の中心にあるマイクロスケールの十字形状か
らなる)を含有する前駆体を作製することによって、実証された。フォトレジストの第2
の層では、ヒンジをフレーム縁部上にパターニングした。2つの隣接面の間のヒンジの幅
は、縁部のヒンジの幅の2倍であり、したがってすべてのヒンジジョイントは、折畳み後
に均等なはんだ体積を有しており、このはんだ体積は、折畳み角を確実に90°にするの
20
に極めて重要であった(R.R.A.Syms他、J.Microelectromech.Syst. 12: 387 (2003))。
ヒンジをパターニングした後、犠牲層を溶解することによって、2D前駆体をウェハから
引き離した。はんだの融点よりも高く前駆体を加熱することによって、コンテナを自己組
織化したが、この場合、高い表面張力を有する液体はんだは、前駆体の隣接面を折り畳む
のに必要とされる力を発生した。
【0101】
図2Aは、上述のプロセスを使用して作製された、コンテナの集合体の光学画像を示す
。この作製計略は、多数のコンテナを1回のプロセス実行で構成させる。主な歩留り制限
要因は、各ヒンジに電着されることになるはんだの体積の、予測の誤差であった。隣接面
間の間隔も極めて重要であり、面と面の間のギャップが大きすぎた場合、または面が融合
30
した場合は、折畳みの歩留りが大幅に制限された。図2B∼2Dは、作製プロセスの種々
の段階での、マイクロパターン化コンテナの光学およびSEM画像、即ち、電着された面
を有する2D前駆体、面およびヒンジを有する前駆体、折り畳まれたコンテナを示す。
【0102】
開放面コンテナはかなり漏れ易いので、カプセル化デバイスにとって理想的ではないが
、開放面コンテナには、その内容物が容易に目に見えるように充填された。生体内応用例
では、選択的に密封されまたはマイクロ/ナノ穿孔された面を有するコンテナを構成し、
丸みのついた頂点を有するより複雑な多面体コンテナを作製するために、記述される計略
を使用することが望ましいと考えられる。多くの細胞デリバリー技法では、マイクロビー
ズの表面に細胞が接着されているものが使用されるので、開放面コンテナ(図3A)には
40
マイクロビーズを充填した。コンテナにマイクロビーズを充填するために、エタノール中
のビーズの懸濁液をコンテナにピペットで付与した。懸濁液は、毛管力の結果、コンテナ
に進入した。エタノールが蒸発すると、弱いファンデルワールス力によってビーズが一ま
とめに保持され(双極子への所与の分子の一過性分極が生ずる弱い分子間力を意味する)
(図3B)、ガラスビーズは、コンテナの攪拌によって放出することができた。
【0103】
細胞カプセル化を実証するために、4℃の細胞外マトリックス(ECM)懸濁液中のM
DA−MB−231乳癌細胞を、コンテナに充填した(図3C)。本明細書で使用される
細胞外マトリックスという用語は、哺乳動物組織、並びに限定するものではないがコラー
ゲン、エラスチン、フィブロネクチン、およびラミニンを含めたその構成要素の1種また
50
(22)
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は複数の中に見い出される、細胞を取り囲み支持する複合構造体を指す。MDA−MB−
231細胞は、素早く増殖する細胞および不死化細胞、例えばβTC3細胞などであって
、糖尿病治療に使用されるもの、および再生に使用される幹細胞を、代表するものである
。37℃で5分間インキュベーションして、ECM懸濁液をゲル化し、細胞を、バイオコ
ンテナ内に保持し、温かい細胞培地にコンテナを浸漬することによって放出することがで
きた(図3D)。バイオコンテナには、アガロースキャビティ内に細胞−ECM懸濁液を
充填することも可能である。この場合、最初に5%アガロースゲルの懸濁液を、定位マニ
プレーターを使用してコンテナ内にマイクロピペット(60μmチップ)で付与した。ゲ
ルがコンテナの側面に接着し、それによって面が密封され、コンテナの中心に空隙が残さ
れた。次いで細胞−ECM懸濁液をこの空隙に微量注入し、次いでアガロースゲルの微小
10
液滴で密封した。
【0104】
細胞が、バイオコンテナ内および放出時に生存可能であることを実証するために、細胞
を、生細胞をポジティブ染色する蛍光染料、カルセイン−AM(Sigma−Aldri
ch)で染色した。図3Eは、バイオコンテナ内のカルセイン染色細胞を示し、図3Fは
、温かい細胞培地に浸漬したときのコンテナからの生細胞の放出を示す。この実証例で使
用されるバイオコンテナのフレームは、生体適合性を目的として内面に薄い金または白金
コーティングを有していたが、それは金および白金が不活性または非反応性材料だからで
ある。純粋なスズおよびスズ/鉛ベースのはんだは、コンテナを折り畳むのに使用した。
生体適合性を高めるために、銀や金などの不活性金属を含有するその他のはんだを使用す
20
ることが、必要と考えられる。折り畳まれたコンテナ全体を、不活性金属(電着による)ま
たはポリマー(浸漬もしくは蒸気被覆による)の層で被覆することによって、コンテナの
生体適合性を増大させることも可能である。
【0105】
コンテナの非侵襲的検出は、5%アガロースゲルにコンテナを埋め込み、それらを50
0MHz垂直ボアBruker Avanceマイクロ撮像システムでMRIにより撮像
することによって実証した。ここに示される画像の場合、4∼6msの範囲のエコー時間
(TE)、50msの反復時間(TR)、30°のフリップ角、および25μm×25μ
m×20μmの空間解像度を有する3D FLASHシーケンスを使用した。コンテナは
、標準的なスピンエコーシーケンス(磁気を励起するための90°高周波パルス、および
30
「スピンエコー」という名称のシグナルエコーが発生するようにスピンに再度焦点を集め
る1つまたは複数の180°パルスを使用する、スピンまたはHahnエコーの検出に基
づく磁気共鳴映像で使用されたパルスシーケンスを意味する)も使用して撮像し、同様の
結果であった。図4は、アガロースゲルに埋め込まれたCu(図4A)およびNi(図4
B)コンテナを含有する直径900μmの毛管のMR画像を示す。特徴的サインが、Cu
およびNiコンテナの両方で観察され、各コンテナの領域には明らかな暗色が存在する。
これらの低強度(暗)サインは、より大きなセンチメートルスケールの金属コイルのMR
Iで、既に観察されている(A.Shenhav、H.Azhari、Magn.Reson.Med. 52: 1465 (2004))
。MR画像の低強度(暗色)の領域は、非磁性Cuコンテナのサイズに匹敵するが、強磁
性Niコンテナに関しては、明らかな磁化率効果によってさらに大きかった(L.H.Bennet
40
t他、J.Appl.Phys. 79: 4712 (1996); B.A.Schueler他、J.Magn.Reson.Imaging 9: 596 (
1999))。所与の材料で作製されたコンテナの画像は、開放面コンテナ並びに十字面コン
テナの両方に関して同様であり、面のパターンがこのサイズスケールのMRサインにほと
んど影響しないことを示している。
【0106】
RF遮蔽を、線形分極電磁波によって励起された200gmスケールのワイヤフレーム
に関し、有限要素モデルの非磁性コンテナでシミュレートした。図4C∼4Dは、コンテ
ナ付近の磁場の歪み、およびコンテナ内部の磁場の大きさが低下したことを示すシミュレ
ーション結果である。
【0107】
50
(23)
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多くの生物医学的応用例では、カプセル化デバイスの非侵襲的追跡が必要である。本発
明のCuコンテナは、S形の直径500pmの流体チャネルを通る流れにおいて、MRI
により空間的および時間的に追跡することができた。チャネルは、フォトリソグラフィを
使用してパターニングされたSU−8フォトレジスト型で、ポリジメチルシロキサン(P
DMS)を成型することによって作製した。チャネルは、第2の平らな酸素プラズマ処理
したPDMS層で密封した。ポリエチレンチューブをチャネルの入口および出口ポートに
接続し、このチャネルをシリコーン油で一気に洗浄し、コンテナをチャネルに導入した。
圧力で生じる流れの中で、コンテナはチャネル内を移動し、種々の位置で撮像されたが、
この一連のMRI画像を図5に示す。造影剤を必要とせずに、非常に短いエコー時間でM
RIによって迅速に追跡できることにより、多くのその他のカプセル化システムに比べ、
10
本発明の3D金属バイオコンテナの主な利点が強調される。
【実施例2】
【0108】
コンテナ領域の近磁場のシミュレーション
RF遮蔽効果を実証するために、コンテナ付近の近磁場応答を、有限要素電磁シミュレ
ーションパッケージ、FEKO(EM Software & Systems−SA Ltd.,www.feko.info/)を使用してシミュレートした。モーメントの
全波法手法を使用して、半径8μmのワイヤセグメントを有する200μmワイヤフレー
ムの領域の近磁場をシミュレートしたが、このとき、銅で被覆された完全導電体(導電率
=5.813×107S.m−1)を想定した。立法体ワイヤフレームモデルのシミュレ
20
ーションは、500MHzの線形分極平面波励起で行い、本発明者等は、ワイヤフレーム
に入射する1V/mの励起源を使用し、z方向がEであり、y方向がHであった(図4C
)。銅ワイヤフレームに、相対透磁率Iを割り当て、それによって、磁化率効果ではなく
RF遮蔽効果のみシミュレートした。図4Cは、x−yおよびy−z中心平面の両方での
近磁場応答を示す。
【0109】
結論として、記述される計略は、3Dの任意にマイクロパターン化可能な非侵襲的に追
跡可能であるバイオコンテナであって、このバイオコンテナの内容物とこれを取り囲む媒
体との間での潅流が可能なバイオコンテナを作製するのに使用することができる。これら
のバイオコンテナは、生物学的内容物が充填されたときに、その検出可能性を失わないカ
30
プセル化デバイスである。それらの強度および高い多孔率により、そのような金属バイオ
コンテナは、3D内で細胞の成長を導く足場の基本要素として、有用である。本明細書に
記述される作製計略は、従来の2Dマイクロ加工と適合性であるので、医学的診断および
治療が可能になるように、バイオコンテナの面に、遠隔活性化、無線通信、シグナル処理
、および生物学的感知のための電気機械的モジュールを付加することも可能と考えられる
。本発明は、小さいファラデーケージとして機能するような3Dコンテナが、小さい体積
で電磁遮蔽を必要とするその他の応用例に用途を見い出すことになることも、想定する。
【実施例3】
【0110】
生物医学的応用例に関する3dマイクロボックスのマイクロ加工および自己組織化
40
実験方法および結果:
作製:
ボックスを作製するのに使用されるプロセスは、2D前駆体を作製し折り畳んで3D中
空構造にするための、マイクロ加工および表面張力で促進される自己組織化からなる(K.
F.Harsh、V.M.Bright、およびY.C.Lee、Sens.Actuators A、vol.77、237∼244、1999; E.
E.Hui、R.T.Howe、およびM.S.Rodgers、IEEE 13th Int.Conf. on Microelectoromechanic
al Sys.、2002、第602∼607頁; R.R.A.Syms、E.M.Yeatman、V.M.Bright、およびG.M.Whit
esides、J.Microelectromechanical Sys.、vol.12、第387∼417頁、2003)。作製プロセ
スは、(1)2D前駆体上に面をパターニングする工程と、(2)面と面との間にはんだ
ヒンジをパターニングする工程と、(3)2D前駆体を自己組織化する工程(図6)の3
50
(24)
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つの工程を含んでいた。ボックスは、前駆体がはんだの融点よりも高く加熱されたときに
、自己組織化し、このとき高い表面張力を有する液体はんだは、隣接する面を組織化する
のに必要な力を発生させた。作製計略によって、多数のボックスが1回のプロセス実行で
構成される。銅(Cu)およびニッケル(Ni)のボックスは、金(Au)で被覆された
表面(生物不活性を増大させるため)と共に、またそのような表面なしで、作製されてい
る。
【0111】
欠陥モード:
いくつかの欠陥モードが観察され(図7)、しかしプロセスが最適化された場合、1枚
のウェハから90%程度に高い歩留りが得られた。面に溶け込む過剰な電着、面に対する
10
ヒンジのアライメント不良、およびシード層の過剰なまたは不完全なエッチングなどの明
らかな欠陥モードとは別に、最大の欠陥制限要因は、ヒンジに電着されたはんだの高さで
あった。はんだの電着が多すぎまたは少なすぎる場合、構造は過剰にまたは不完全に折り
畳まれる。90°の折畳みに関して最適なはんだの高さを決定するために、公表された設
計規則[R.R.A.Syms、E.M.Yeatman、V.M.Bright、およびG.M.Whitesides、J.Microelecro
mechanical Sys.、第12巻、第387∼417頁、2003年]を使用した。さらに、誤差の許容度
を増大させるため、ヒンジは、隣接面間に、面の縁部に沿ってパターニングされた側方は
んだ領域の幅の2倍になるように設計した。電着中、高温(200℃)によって、前駆体
が攪拌され(流体の対流に起因し、その中でボックスが自己組織化する)、この攪拌が、
準安定な最小値(誤差)の補正を助け、熱力学的最小値へのボックスの折畳みを助けた。
20
【0112】
充填:
ボックスがカプセル化デバイスとして機能できることを実証するために、このボックス
に、ゲル、ビーズ、液体、および細胞(図8)を含めた様々な医学的に関連ある構成要素
を充填した。容易に目に見えるようにするために、すべて開放面を有するボックスを使用
した。しかし、実際の応用例では、充填用の1つの開放面のみ有し、その他は閉じたまた
は多孔質の面を有するボックスが使用される。
【0113】
ヒドロゲルプルロニックF127(20%溶液)は、低温(4℃)の液体溶液から室温
の規則的なミセル立方体相への熱可逆的転移を示す。この性質は、貯蔵および薬物デリバ
30
リーの際の放出に、非常に魅力的なものとなる。ヒドロゲルは、プルロニックF127(
ポリ(エチレンオキシド)−ブロック−ポリ(プロピレンオキシド)ブロック−ポリ(エ
チレンオキシド)コポリマー)(BASF Corp,www.basf.com)を水
に溶かした20%w/w混合物からなるものであった。サンプルを、攪拌器を使用して振
盪させて、混合プロセスを加速させ、使用するまで4℃で貯蔵した。ヒドロゲルをボック
スに充填するために、1滴の液体溶液をボックス上に置いた。金属ボックスの親水性側壁
により、この溶液は容易にボックスに進入した。ボックスには、細胞外マトリックス(E
CM)ゲルに埋め込まれたMDAMB−231乳癌細胞も充填した(MDA−MB−23
1細胞は、素早く増殖しまたは不死化された細胞であって、βTC3細胞などの糖尿病療
法で使用されるもの、および再生で使用される幹細胞の代表例である)。図8Cは、4℃
40
でECMゲルに一時的に懸濁させた癌細胞が充填されたボックスを示す。懸濁液をボック
スに導入し、37℃で15分間保持することにより、ECMゲルを重合させた。細胞は、
ボックス内で安定化し、ボックスの拍動性攪拌によって放出することができた(図8D)
。これらの実験は、ボックスに様々な構成要素を充填することが、比較的簡単であること
を実証している。
【0114】
RF場との相互作用:
ボックスは金属であるので、RF場と相互に作用し、ファラデーケージとして振る舞う
。この特徴は、磁気共鳴映像(MRI)を使用してボックスを遠隔から検出し追跡するの
に使用されている。特徴的サインが、CuおよびNiボックスの両方で観察され、各ボッ
50
(25)
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クスの領域には明らかな暗色が存在した。この低強度サインは、造影剤なしで、短いエコ
ー時間でのMRIによる容易な追跡可能性を助長し、既存のポリマー系に比べてこれらの
カプセル化デバイスの主な利点を強調させた。
【0115】
ボックスはRF場と相互に作用するので、この特徴は、コイルに交流電流を通すことに
よって発生させた遠隔RF場を使用して、ボックスを誘導加熱する可能性を示唆している
[E.J.W.Ter Maten、およびJ.B.M.Melissen、第28巻、no.2、第1287∼1290頁、1992年; C
.K.Chou、5th IEEE Conf. Instrumentation and Measurement Tech.、1988年、第69∼77
頁; J.S.CurranおよびA.M.Featherstone、Power Eng.J.、第2巻、no.3、第157∼160、198
8年; K.Hamad-Schifferli、J.J.Schwartz、A.T.Santos、S.Zhang、およびJ.M.Jacobson、
10
Nature、第415巻、第152∼155頁、2002年]。反磁性(Cu、Au)および強磁性(Ni
)金属からなるボックスを作製した。AC電流が流れるコイル内にボックスを置くと、電
磁力が誘導される。ファラデーおよびレンツの法則E=−Ndψ/dt(1)によれば、
Eは、ボックス内で誘導された起電力(EMF)であり、ψは、RFコイル内で発生した
磁束であり、Nは、コイルの巻数である。誘導EMFは、電流をボックス内に流し、それ
によって加熱を引き起こすことができる。発生した熱は、P=E2/R(2)として計算
することができ、但しPは、電流によって発生した加熱電力であり、Rはサンプルの抵抗
である。
【0116】
ボックス内の交流電流は、表皮深さ現象に曝され、即ち電流密度が深さと共に低下する
20
。ボックスの表面の厚さは、2D前駆体をパターニングするのに使用されるフォトリソグ
ラフィのアスペクト比によってのみ制限される厚さの範囲で制御することができるので、
ボックスは、電気抵抗を最小限に抑える表皮深さに匹敵する肉厚により作製することがで
きる。さらに、ボックスが強磁性(例えば、Ni)である場合、加熱は、磁気ヒステリシ
スによって増大する。誘導加熱の主な目的は、ボックス内で発生した熱エネルギーを最大
限にすることであるので、誘導加熱コイルのアパーチャは可能な限り小さく設計され、ボ
ックスは、低抵抗および高透磁率を特徴とする材料で作製する必要がある。
【0117】
2種類の構成について実証した。その1つの場合、ボックスをバイアルに導入し、その
周りにワイヤコイルを巻き付け、そこにAC電流を流した(200MHzから1GHz、
30
0.1から1ワット)。ボックスの加熱を2Dマイクロ流体工学によって調整するために
、かつ誘導結合を最大限にするために、2Dコイルも作製した。2Dコイルは、フォトリ
ソグラフィによって作製し(図9)、様々な巻数および間隔で作製することができる。ボ
ックスを、誘導加熱を最大限にするためにコイルの中心軸に沿って配置する。2Dコイル
の巻数は3Dコイルの場合よりも少ないが、2Dコイルのキャビティは、誘導結合を最大
限にするボックスのサイズと同等である。ボックスおよびコイルの誘導加熱特性は、測定
されている。
【0118】
加熱によるボックスからの化学物質の放出:
加熱によって、化学物質をボックスから放出することができることを実証するために、
40
ボックスに、赤く染色したヒドロゲルを充填した。最初に、プルロニックF88(分子量
:11400;融点:54℃;BASFから得られる)1gをアセトン10mlに溶解し
た。次いでサンプルを加熱し、超音波処理して溶解を支援した。数滴の染料エリトロシン
を溶液に添加した。開放面ボックスに、注射器を使用して、染色したヒドロゲル溶液を充
填し、このボックスを、アセトンが蒸発するまで静置した。ヒドロゲルは水に溶解するの
で、充填済みボックスをドデカンに浸漬し(ヒドロゲルはドデカンに溶解しない)、スラ
イドガラス上に置いた。スライドを、ホットプレート上で70℃に加熱し、光学写真を3
分、7分、および10分で撮った。ゲルが軟化し、染料がドデカン溶液中に放出された(
図10)。水中でのその他のヒドロゲルからの化学物質の放出については、充填されたボ
ックスの誘導RF加熱の最適化と同様に、現在調査中である。生体内的用例の場合、人間
50
(26)
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の体温よりも約10℃高く、ボックスを加熱することが必要になる可能性がある。
【0119】
結論
まとめると、3次元性の好ましい側面とSiマイクロ加工とを組み合わせる新しいカプ
セル化デバイスプラットフォームが実証された。細胞カプセル化療法(免疫抑制なし)の
ためのナノポーラス面を有するデバイスの開発、および化学物質の遠隔放出のために最適
化されたRF加熱プロファイルを有するボックスの設計が、進行中である。
【実施例4】
【0120】
遠隔高周波制御されたナノリットル化学および基質への化学物質デリバリー
10
コンテナは金属から作製されており、したがって、電磁源に遠隔から結合させることが
可能である。この特徴は、空間的誘導(磁性コンテナを使用)並びにナノリットル体積の
化学試薬のデリバリーの、無線制御を可能にするのに使用された。コンテナは、従来のマ
イクロ流体工学における流動プロファイルによって制限されない空間パターンに、即ち、
チャネル入口から下流に導くことができる。遠隔制御されたナノリットルコンテナは、空
間制御された化学反応、毛管内でのマイクロ加工、および培養細胞への化学物質のオンデ
マンド局在化デリバリーを可能にすることによって、今日のマイクロ流体工学の可能性を
高める。
【0121】
従来のマイクロ加工および自己組織化の組合せ[T.G.Leong、Z.Gu、T.Koh、D.H.Gracia
20
s、J.Am.Chem.Soc. 2006、128、11336∼11337; B.Gimi、T.Leong、Z.Gu、M.Yang、D.Arte
mov、Z.M.Bhujawalla、D.H.Gracias、Biomed. Microdevices 2005、7、341∼345]を使用
して、金で被覆されたニッケルのナノリットルコンテナを作製した(図11a)。化学デ
リバリーを促進させるため、コンテナに、放出されることになる化学試薬に浸漬させたゲ
ルを充填した(図11b)。2種のゲルを使用し、即ち、一般的な乾式放出実験に関して
はプルロニック151を、水溶液中および生細胞への化学デリバリーに関してはポリ(N
−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAm)[T.Hirokawa、T.Tanaka、J.Chem.Phy
s. 1984、81、6379∼6380; M.E.Islam、A.M.Alsayed、Z.Dogic、J.Zhang、T.C.Lubensky
、A.G.Yodh、Phys.Rev.Lett. 2004、92、088303]を使用した。プルロニックは、52℃
で軟化する水溶性ブロックコポリマーヒドロゲルであり、広範囲にわたる化学物質に対し
30
て相溶性がある[P.Alexandridis、T.A.Hatton、Colloid Surf. Physicochem. Eng. Aspe
ct. 1995、96、1∼46]。PNIPAm16をベースにしたヒドロゲルは、人の体温の温
度範囲付近で構造転移を受けるので、薬物デリバリーで広く使用されている熱応答性の材
料である[H.Yu,D.W.Grainger、J.Controlled Release 1995、34、117∼127; K.S.Soppi
math、T.M.Aminabhabi、A.M.Dave、S.G.Kumbar、W.E.Rudzinski、Drug Dev.Ind.Pharm. 2
002、28、957∼974]。この転移温度、並びにPNIPAmの崩壊動特性は、コモノマー
を添加し、架橋度を変化させることによって、変えることができる[R.A.Stile、W.R.Bur
ghardt、K.E.Healy、Macromolecules 1999、32、7370∼7379]。このように、PNIPA
mは、生細胞へのおよび液体媒体中での、遠隔制御放出の理想的な候補である。
【0122】
40
充填したら、コンテナを、選択された反応容器内に置き、磁性針を使用して任意の空間
経路に導くことができた。所望の部位に導いた後、2Dマイクロコイルによって生成され
た高周波(RF)場をコンテナに向けた。RF場の電力を金属コンテナンに誘導結合し、
それによってフレーム内に渦電流を生成させ、ジュール効果によってフレームを加熱した
。誘導結合によって、非磁性金属コンテナも加熱することが可能であるが、この加熱メカ
ニズムは、ポリマー磁気微小球を加熱するのに使用されるものとは異なっている。コンテ
ナはマイクロ加工されるので、その電気特性は再現可能にすることができ、温度は、入射
電力を変化させることによって精密に制御することができた。この再現性は、ポリマー磁
気微小球から放出するのに必要とされる電力と対比されるべきであり、サイズの多分散性
および異なる微小球内の磁性粒子の不均一分布によって大幅に変わる可能性がある。
50
(27)
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【0123】
コンテナを加熱することによって、その内部にカプセル化されたゲルは軟化し(または
崩壊し)、標的とされる空間部位で化学物質を放出した(図11c)。金属コンテナは、
使用される電力設定および周波数設定での加熱を得るのに不可欠である。対照実験(RF
放射線への曝露であるが、コンテナは存在しない)では、使用される周波数設定および電
力設定での無視できる程度の誘電加熱によって(裏付け情報参照)、ゲルからの放出が観
察されなかった。
【0124】
遠隔制御されたコンテナは、到達困難な領域での、先例のない空間制御による化学作用
を可能にする。この特徴を強調するために、本発明者等は、毛管内に埋め込まれた2本の
10
隣接するマイクロワイヤの一方で、破断ギャップを修復したが、この毛管は、入力および
出力ポートによってのみ接触可能であった(図12)。マイクロワイヤ1内のギャップは
、コンテナを空気中のその部位に遠隔から導くことによって(図12a、b)、および最
初に化学増感剤を遠隔から放出し次いで活性剤(2個の個別のコンテナを使用する)をギ
ャップの部位に局所的に放出することによって(図12c)、修復した。増感剤および活
性剤は、それぞれスズおよびパラジウム触媒であり、これらは銅の無電解堆積を促進させ
た。マイクロワイヤ1のみのギャップ内の空間領域を増感させかつ活性化させた後(図2
d)、毛管全体を、市販の硫酸銅溶液で一気に洗浄した(図2e)。マイクロワイヤおよ
び毛管壁面の両方を硫酸銅溶液に曝したが、金属銅は、マイクロワイヤ1の化学的に増感
され活性化されたギャップにのみ堆積した(図12f)。電気抵抗測定値によれば、ギャ
20
ップの端から端までマイクロワイヤ1が電気的に連続であることが確認された。この結果
は、コンテナが、毛管内およびその他の小空間内での局所的な化学物質のデリバリーおよ
び化学作用に有用であることを実証している。既に存在する毛管内でのマイクロ加工法と
比較すると[J.C.McDonald、G.M.Whitesides、Acc.Chem.Res. 2002、35、491∼499; M.Ma
dou、Fundamentals of Microfabrication、CRC、New York、1997; P.J.A.Kenis、R.Ismag
ilov、G.M.Whitesides、Science 1999、285、83∼85]、本発明の方法は、毛管の幾何形
状または層流プロファイルにより制限されない。
【0125】
第2の実証例は、基質上で培養された特定の細胞への、ナノリットルより少量の体積の
化学物質の遠隔制御された局所的デリバリーにおける、ナノリットルコンテナの有用性を
30
強調する。コンテナには、培養皿で局所的に細胞を染色するために、また、加熱[S.Corv
in、S.Boexch、C.Maneschg、C.Radmayr、G.Bartsch、H.Klocker、Eur.UroL 2000、37、49
9∼504]またはRF放射線への曝露の結果、化学物質放出中に細胞壊死が生じないことを
検証するために、生/死(緑/赤)2色蛍光生存度染色剤[Invitrogen live/dead stain
product guide http://probes.invitrogen.com/]に浸漬したPNIPAmを充填した。
【0126】
L929マウス線維芽細胞を、ガラスインレイを有する35mmのウェルプレートで培
養し、集密的に成長させた。遠隔放出実験の開始時に、成長培地を取り出し、細胞をリン
酸緩衝生理食塩液で濯いで、血清エステラーゼ活性を希釈し、それによってバックグラウ
ンド蛍光を最小限に抑えた。染色剤の遠隔放出を可能にするために、RFコイルを、コン
40
テナ直下のプレートの下に置き、このコイルの電力を1分間、2∼3Wで上昇させて、カ
プセル化されたPNIPAmを崩壊させ、染色剤を放出させた。蛍光画像は、染色剤を吸
収するのに十分な時間が得られるように、放出から30∼60分後に得た。染色剤が局所
的に、かつコンテナの中心から500ltrn未満の半径以内に放出されたことは、共焦
蛍光画像(図13)から明らかである。染色剤に曝された細胞は緑色蛍光を有することも
わかり、したがって細胞が生きていることが示され、赤色蛍光、即ち死亡細胞は観察され
なかった。この結果は、温度がカプセル化PNIPAmを崩壊するのに使用されず、RF
放射線が細胞壊死を引き起こさなかったことも示す。漏れまたは自発的放出(即ち、細胞
染色がない)は、RF場を印加しなかった実験では、コンテナから観察されなかったこと
に留意すべきである。生体適合性の研究は、48時間にわたるコンテナの存在下で細胞壊
50
(28)
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死が生じなかったことを示す。
【0127】
結論として、金属自己組織化ナノリットルコンテナは、到達しにくい場所の場合に、遠
隔制御マイクロ加工および化学物質デリバリーに利用することができる。コンテナは、複
雑で再構成可能な微量分析、マイクロ流体工学、マイクロ電気機械システムの作製に役立
てることができる。細胞への化学物質の局在化遠隔デリバリーは、細胞エンジニアリング
、組織エンジニアリング、および薬物開発で応用される化学的および生物学的微小環境を
、遠隔から操作する方法を確立する。最後に、コンテナは、無線デバイスの(例えば、周
波数選択的遠隔制御および遠隔通信)付加的特徴とナノリットル体積の化学物質のデリバ
リーとを統合するための、魅力的なプラットフォームを提供する。
10
【0128】
実験の詳細
マイクロコンテナの作製:
手短かに言うと、作製プロセスは、3D立方体コンテナへの2次元(2D)型板の自己
組織化を含む。まず、6つの正方形の多孔質面からなる2D金属型板を、フォトリソグラ
フィによってパターニングした。フォトリソグラフィの第2の層を使用して、外縁と、面
同士の間に、はんだヒンジをパターニングした。2D型板は、はんだヒンジの融点よりも
高く加熱されたとき(流体中)に、自発的に3D立方体コンテナに折り畳まれるが、この
とき、溶融はんだの表面張力が、自己組織化を促進させる力を提供する。3Dコンテナの
最終的なサイズおよび多孔率は、2D型板を適切にパターニングすることによって変えら
20
れた。この実験では、遠隔誘導が可能になるように、コンテナを、ニッケル(Ni)、即
ち磁性材料から作製した。コンテナの外面および内面は、生体適合性が増大するようにか
つ電気抵抗が低下するように(電気抵抗が低いと、電磁波が透過するように表皮深さが増
大する)、金(Au)で被覆した。作製プロセスは高度に並行しており、多数のコンテナ
を費用効果のある手法で作製することができた。
【0129】
ゲルの調製:
Pluronic(登録商標):ゲルは、F68 Pluronic(登録商標)(B
ASF)0.5gと水0.5mLとを合わせることによって作製した。混合物を、10分
間超音波処理して、確実に完全な混合を行った。ゲル化は、余分な水が蒸発した後に生じ
30
た。
【0130】
PNIPAm:PNIPAmゲルは、2種の原液、AおよびBから作製した。溶液Aは
、N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAm)1.6701g、N,N’−メチレ
ンビスアクリルアミド(BIS)0.0083g、および水15mLからなるものであっ
た。溶液Bは、過硫酸アンモニウム(APS)0.0129gおよび水15mLからなる
ものであった。両方の溶液を、溶質が溶解するまで攪拌した。ゲル化は、各溶液を等体積
で、0.4%(v/v)のN,N,N’,N’−テトラメチレンエチレンジアミン(TM
ED)と共に混合することによって実現され、5分以内に生じた。
【0131】
40
遠隔誘導:
遠隔誘導は、反応容器の下で磁性針を操作することによって実現された。コンテナと容
器の表面との間の摩擦を低減するために、針を容器の基部に沿って回転させ、コンテナを
表面に沿って揺動させた。
【0132】
2D RFマイクロコイルの設定:
2Dマイクロコイルは、RF源として、プリント回路板(PCB)上にフォトリソグラ
フィを使用して作製した。マイクロコイルをコンテナの下方または上方に、約1∼5mm
の分離距離で配置した。800MHz(RF)の電流をコイルに通して、コイルの表面と
垂直な方向に交流磁場を発生させ、1∼7ワットの範囲内の入射電力を使用した。コイル
50
(29)
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の表面を空気で冷却して、コイル内に発生したジュール熱をすべて除去した。
【0133】
毛管内のマイクロワイヤの遠隔修復:
破断ギャップ50μmのマイクロワイヤ(厚さ100μmの銅線、2mmの間隔を空け
る)を、フォトリソグラフィを使用してスライドガラス上に作製した。毛管は、スライド
ガラス(ワイヤを含有する)および別のスライドガラス(毛管の屋根)に対して密封され
たポリジメチルシロキサン(PDMS)壁を使用して形成した。密封は、PDMSのプラ
ズマ表面変性によって実現された。埋め込まれたワイヤを有する毛管(図12A)は、幅
が約1mmおよび長さ1.5cmであり、その両端の入力および出力ポートによってのみ
接触可能であった。
10
【0134】
増感剤に浸漬したPluronic(登録商標)ゲルは、増感剤溶液(Transen
e)0.5mLとPluronic F68(BASF)0.5gとを合わせることによ
って調製した。活性剤に浸漬したPluronic(登録商標)ゲルは、活性化溶液(T
ransene)0.5mLとPluronic F68 0.5gとを混合することに
よって調製した。充填前に、各混合物を5分間超音波処理して、確実に完全な混合を行っ
た。混合物それぞれの1μLの液滴を、2個の別個のコンテナに置き、溶液を一晩(約1
4時間)ゲル化させた。次いでコンテナをゲルから切り取って、ゲルがコンテナ内部のみ
に確実に残るようにした。
【0135】
20
コンテナを、マイクロワイヤ1内のギャップに導いた後、本発明者等はまず、ゲルが軟
化して増感剤溶液がコンテナから放出されるまで、4ワットの電力を2Dコイルに加えた
。次いで電力を、3.0ワットに1分間低下させて、溶液がゲルを通してギャップの表面
に拡散するのに十分な時間が得られるようにした。次いでチャネルを水で一気に洗浄して
、コンテナおよび過剰なゲルを除去した。次いでこのプロセスを、活性剤溶液が充填され
る第2のコンテナについて繰り返した。
【0136】
無電解銅溶液を、市販の溶液、PC無電解銅溶液AおよびPC無電解銅溶液B(どちら
も、Transene製)を等体積で混合することによって作製した。直径0.9mmの
注射器に、IDが0.8mmの管材を取り付けた。このチューブのもう一方の端部を、チ
30
ャネルの1つの開口に配置した。シリンジポンプ(RAZEL)を使用して、めっき溶液
をチャネル内および破断したマイクロワイヤ上に流した。堆積するのに十分な時間を得な
がら銅イオンの高い局所濃度を維持することにより、めっき反応が促進するように、拍動
性の流れを使用した。実験中、銅めっき溶液を45℃に保持した。
【0137】
生細胞への遠隔制御デリバリー:
コンテナにPNIPAmを充填し、一晩静置した。実験の当日、Live/Dead(
登録商標)2色蛍光染色剤(Invitrogen)を、0.5μMカルセインAMおよ
び1.0μMエチジウムホモダイマー−1の濃度で調製した。PNIPAmが生/死染色
剤を再水和し吸収するのに十分な時間が得られるように、実験を開始する前に、PNIP
40
Amが充填されたコンテナを染色溶液に3.5時間浸漬した。
【0138】
L929マウス線維芽細胞(Sigma)を、標準的な細胞培養プロトコルに従って培
養し、維持した。細胞は、L−グルタミンおよび重炭酸ナトリウムを含有し、10%のウ
マ血清を有する85%の最少必須培地イーグル中で、75cm2の培養フラスコで培養さ
れ、そしてMEM非必須アミノ酸およびピルビン酸ナトリウムが補われた細胞を、水で飽
和した5%CO2雰囲気を有する37℃に設定したインキュベータ内で維持した。トリプ
シン−EDTAを利用して、L929細胞を1週間に2∼3回継代培養し、新しいフラス
コに3×104細胞/mLの密度で播いた。播種密度は、トリプシン化細胞のサンプルを
取り出し、細胞をトリパンブルーで染色し、血球計数器を使用して生存する細胞の数をカ
50
(30)
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ウントすることにより確認した。
【0139】
遠隔放出実験は、最適な共焦顕微鏡法のため、ガラスインレイ(Glass−bott
om−dishes inc.)を有する35mmのウェルプレートで実施した。手短か
に言うと、細胞を、2×105細胞/mLの250tLの密度で、ガラスインレイ上に直
接播き、接着が促進されるように30分間静置した。次いで成長媒体2mLを添加し、細
胞を48時間インキュベートして、集密な単層を実現した。
【0140】
遠隔放出後、細胞を、Carl Zeiss共焦顕微鏡を使用して撮像した。手短かに
言うと、顕微鏡には、Live/Dead(登録商標)アッセイプロトコルで推奨される
10
レーザおよびフィルタを設定した。カルセインAMを488nmで励起し、エチジウムホ
モダイマー−1を543nmで励起した。染料の吸収を、BP505−530(生細胞中
のカルセイン用)およびLP650(死亡細胞中のエチジウムホモダイマー用)フィルタ
キューブで検出した。
【0141】
対照実験
加熱特性:
磁場発生器の入射電力によるナノリットルコンテナの加熱の制御を実証するために、温
度制御実験を実施した。実験の装置は、本発明者等のその他のRF制御放出実験と同様で
あった。唯一の違いは、良好な熱接触により加熱することができるような、ナノリットル
20
コンテナ下での不可逆性OMEGALABEL標識(オメガTL−Sシリーズ)の配置で
あった。コンテナ表面の温度は、38℃、49℃、60℃、および71℃でそれぞれ生ず
る標識色変化によって、推定することができる。磁場の入射電力は、特定の標識が色を変
えるまで(約30秒間待った後)増大させた。図14(a)は、コンテナが配置されてい
る、標識の色の変化を示し、図14(b)は、標識によって測定された温度を入射電力に
対してプロットした図を示す。このように、入射電力を変化させることによって、加熱を
精密に制御することができた。正確さは、使用した特定のコンテナおよび実験に左右され
ることに留意すべきであり(即ち乾式であり、または色の変化が、加熱が局所を取り囲む
湿式放出であることを示すコンテナ下でのみ生ずる)、(B)色の指標の標識環境を使用
して測定された温度を入射RF電力に対してプロットした図である。
30
【0142】
コンテナからの遠隔放出の空間および材料の高選択性
材料および空間選択性を実証するために、下記の対照実験を行った。Pluronic
(登録商標)ゲル(食物着色剤に浸漬した)を充填した2個のコンテナを、互いに3mm
の間隔を空けてペトリ皿に置いた。別の隔離されたゲルの小片(コンテナ内にカプセル化
されていない)も、ペトリ皿に置いた。ペトリ皿を、この皿の平面内では隔離されたゲル
の小片がコイルの中心に直接並べられるように、2Dマイクロコイル上に2mmの距離で
並べ;コンテナの一方は、コイルの周囲部内に並べたが中心から300μmずれており;
第2のコンテナは外れて並べられ、2Dコイルの外側に置かれた。コイルに、800MH
zで電力を加えた。コイルの周囲部内に並べられたコンテナ内のゲルだけが、4.7ワッ
40
トの力で加熱され、軟化した。電力が7ワットに上昇した場合であっても、最高磁場領域
内に配置された隔離されたゲルの小片及び不適当に並べられたコンテナ内のゲルは、変化
しないままであった。この対照実験は、誘導加熱が空間および材料の高い選択性を有した
ことを実証する。実験は、ナノリットルコンテナを作製するのに使用される金属が、誘導
加熱を可能にするのに不可欠であることも示す。磁性材料は、遠隔加熱の促進に必要では
ないことに留意すべきである(磁気特性は、空間的誘導のためのみ使用される)。Niを
含まない、即ち銅/金からなるコンテナからの放出も実証された。
【0143】
RF放射線が存在しない状態での化学物質の不拡散:
RF放射線が存在しない状態で、充填されたナノリットルコンテナからの、LIVE/
50
(31)
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DEAD°アッセイの拡散が存在しないことを実証するために(即ち、化学物質の自発的
な漏れがないことを実証する)、対照実験を行った。実験は、RFを起動しなかったこと
以外、試験手順に従った。これは、曝露用の時間枠が同じであることを確実にするのを助
けた。実験の時間スケールでは、RF放射線(遠隔加熱)が存在しない状態で、PNIP
AmからのLive/Deadアッセイの漏れが生じなかったことを確認するために、共
焦顕微鏡法を使用した(図15)。
【実施例5】
【0144】
表面張力で促進される自己折畳み多面体
パターニングされた多面体の作製:
10
このプロセスの第1の工程は、最終的には3D中空多面体に折り畳まれる、パターニン
グされた面およびはんだヒンジからなる2D型板の作製を含んでいた。ポリメチルメタク
リレートで作製されたポリマー犠牲層を、シリコン(Si)基板上にスピンコートして、
後に続く2D型板の分離が促進されるようにした。次いで金属シード層を犠牲層上に蒸着
させて、後に続く電着工程用のウェハ規模の電気コンタクトを生成した。これらの面を、
フォトリソグラフィを使用してパターニングし、電着を使用して作製した。従来のフォト
リソグラフィは、面をパターニングするのに使用されるので、いずれか任意のパターンを
組み込むことができた。銅(Cu)またはニッケル(Ni)からなる面を作製し;金属の
選択は、コスト、シード層に対するエッチング選択性、堆積の容易さ、および磁気機能性
の必要性によって決定された。フォトリソグラフィの第2の層は、はんだヒンジ型板をパ
20
ターニングするのに使用した。ヒンジのパターニング後、面によって境界が定められたヒ
ンジ領域内の露出したシード層をエッチングして、面と面の間の下に存在するシード層の
み切り離し、面の角にある残りのシード層との電気的接続性は維持したままにした。はん
だヒンジを電着し、次いで、残りのシード層をエッチングし、犠牲層を溶解することによ
って、2D型板を基板から分離した。6つの四角形の面からなり、十字型に並べられ、か
つはんだヒンジによって一まとめに保持された型板を使用して、立方体を形成した。面と
面との間のはんだを除けば、その他の接続部材は存在しない。自己折畳みは、高沸点溶媒
、N−メチルピロリドン(NMP)中で実施し、この溶媒を、はんだの融点(約188℃
)よりも高く加熱した。少量の#5 RMA(ロジン、穏やかに活性化させた)フラック
スを溶媒に添加して清浄化し、はんだ上の酸化物層すべてを溶解し、それによって良好な
30
はんだリフローを確実にした。
【0145】
設計上の考慮:
設計において、Niは、ヒンジに接触する面の最上表面層として常に使用した。Cu多
面体の場合であっても、面の上面には、ヒンジを堆積する前にNiの薄層を被覆した。は
んだは、Ni面を十分に濡らさず、したがってはんだは、電着された領域内に留まり、折
畳み中に(はんだがCuに接触したときに生ずる)面の表面全体にわたって拡がらない。
Niコーティングが存在しない場合、本発明者等はそれでも折畳みを観察したが、歩留り
は不十分であった。この低い歩留りは、堆積された領域からはんだが移動して結果であり
、それによって、面と面との間のヒンジ領域のはんだの体積を制御することが(結局、最
40
終的な折畳み角度を決定する)、非常に難しくなった。
【0146】
2D型板の設計は、多面体の最終的な形状および多孔率を、結局は決定する。図1Aに
は、面およびヒンジの典型的な2Dレイアウトが示されている。Autodesk(登録
商標)AutoCAD 2005を使用して、2つのフォトマスク(一方は面、他方はヒ
ンジ)を作製するのに使用されるレイアウトファイルを生成した。立方体を作製するため
に、図1Aにおける面の寸法Lの10∼15%のギャップgだけ離された四角形の面を、
典型的には使用した。溶融はんだは、折畳み中に互いに向かって横方向に面を引っ張る傾
向があるので、ギャップ幅に若干の許容誤差が観察された。ギャップ幅は、Lの10∼1
5%であるので、例えば15μmの立方体に関しては、しばしばフォトマスクおよびリソ
50
(32)
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グラフィプロセスの最小限のフィーチャサイズであり、必要とされる1.5∼2μmのギ
ャップ幅は、リソグラフィによってパターニングされた最小フィーチャを示したことにも
留意すべきである。
【0147】
先の表面張力をベースにした自己折畳み作用とは対照的に、2つのタイプのヒンジ、即
ち面と面との間の内部ヒンジ(折畳みヒンジ)と、面の周辺での外部ヒンジ(ロッキング
ヒンジ)とを使用した。折畳みヒンジの幅(図1B中、Wで示される)はLの25%であ
り、ヒンジの長さはLの80∼90%であった。折畳みヒンジの長さがより短い場合(<
80%)、形成される立方体は、その角が完全に密封されなかった。隣り合うヒンジはそ
の角で重なり合うので、より長いヒンジ長(>90%)は不要であった。さらに、100
10
%のヒンジ長は、作製プロセスに適合せず、これらのヒンジパターンは、面のフォトリソ
グラフィ後のエッチング工程中に、2D型板周辺でのシード層の完全な除去をもたらした
。この除去は、電気的に不連続なシード層で形成され、その後にヒンジを電着することが
できなかった。折畳みヒンジのリフローは、隣接する面を回転させるトルクをもたらした
。長さは折畳みヒンジと同じであるが幅はその半分であるロッキングヒンジは、2D型板
の折畳みで2次的役割を演じ、即ちこれらは安定化ストッパとして機能し、折畳みの際の
欠陥許容性を増大させ、最終的な折畳み角度を確実に90°にした[Syms,R.R.A. J.Micr
oelectromech.Syst. 1995, 4, 177∼184]。さらに、サイズが半分である2個のロッキン
グヒンジが融合し、等体積の折畳みヒンジを含有する単一のヒンジを形成した場合、その
ロッキングヒンジは機械的強度を増大させ、多面体の縁部を密封した。折畳みは、ロッキ
20
ングヒンジが接触し、互いに融合したときに、数秒以内で完了した。融合は、各面上の溶
融ロッキングはんだヒンジとそれを取り囲む液体との間の界面自由エネルギーが、最小限
に抑えられた結果として生じた。冷却すると、はんだヒンジは凝固し、多面体構造が所定
の位置にロックされた。
【0148】
有限要素シミュレーション:
自己組織化プロセスをより良く理解するために、本発明者等は、ソフトウェアプログラ
ムSurface Evolverを使用して有限要素シミュレーションを行った[Su
rface Evolverは、サスケハナ大学数学科のKen Brakkeによって
開発された。2005年9月13日に更新された最新Windows(登録商標)版v2
30
.26cを使用した。]。Surface Evolverは、所与の初期表面および一
組の物理的な拘束、例えば重力、密度、および表面張力などに関して、最小エネルギー表
面を決定する。最小表面を生成するための反復は、使用者によって手動で制御される。ス
クリプトは、様々なパラメータおよび生成される多数の表面のタスクを自動化するために
開発された。実施されたシミュレーションは、単一のはんだ折畳みヒンジによって一緒に
保持された2つの隣接する四角形の面のみ含んでいたが、それは、十分折り畳まれた構造
を形成する際に、極めて重要な役割を演ずる折畳みヒンジの本質的機能が獲得されたから
である。一方の面は固定されると想定され、他方の面は、はんだヒンジの周りを自由に回
転することが可能であったが、この想定は、実験で観察されたものと同様である。所与の
幾何形状に関する平衡折畳み角度を決定するために、本発明者等は、下記の計略を使用し
40
[Harsh,KおよびLee,Y.C.、Proceedings of SPIE; San Jose、USA、1998]、最小エネルギ
ー面を、5°ずつ徐々に増やしていきながら0°(平ら)から120°(過度に折り曲げ
た)までの間の回転角(2D平面から)に関して生成した。次いで、全最小エネルギーに
対応する平衡角を、特定の所与の面寸法に関して、角度に対する表面エネルギー傾向線の
プロットの最小値から決定した。
【0149】
図16(B∼F)には、折畳みプロセスの有限要素シミュレーションが示されている。
2D型板では、折畳みヒンジはんだが、T字形の直角柱の形をとっている。リフローでは
、はんだが液化し、丸みのついた輪郭を形成する(図16C)。液体はんだの高界面張力
(約481mJ/m2)により[White,D.W.G. Metall.Trans. 1971、2、3067∼3070]、
50
(33)
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溶融はんだとそれを取り囲む流動性液体との間の露出界面領域を最小限に抑える強力な促
進力が存在する。この促進力は、はんだを丸くし、その結果、隣接する面が回転する。折
畳み角度は、主にはんだの体積によって制御される。本発明者等は、シミュレーションと
実験観察との両方で、この制御に関する証拠を観察した。種々のはんだ体積によって、折
畳み不十分(図16D、G)、正しい折畳み(図16E、H)、または過度の折畳み(図
16F、I)の構造が生成された。はんだ体積に対する折畳み角度の依存性を示したプロ
ット(シミュレーションによって生成、図17)は、はんだ体積が増大するにつれて折畳
み角度が減少することを示す。実験では、平衡折畳み角度を決定するはんだ体積は、所与
のヒンジ幾何形状に関して電着はんだの高さを制御することによって操作した。
【0150】
10
プロセスのスケーリング特性が関心の対象であったので、はんだの界面表面エネルギー
の他に、はんだと面との両方の重力による位置エネルギーを考慮に入れた。重量効果の大
きさは、サイズが大きくなるまで(即ち、mm規模)界面表面エネルギーに比べて本質的
に無視できることが、他者によって示されておりかつ本発明者等のシミュレーションによ
って確認されている。しかし、本発明者等の重力エネルギーの項目を含めることによって
、本発明者等は、フィーチャサイズの規模が拡大または縮小されたときに、力のそれぞれ
の相対的な大きさを決定することが可能になった。表面力がサイズの縮小に好ましく対応
するという点は、表面張力によって促進される自己組織化の魅力ある特徴であり、マイク
ロ加工したマイクロおよびナノスケール構造の組織化において、広範な有用性をもたらす
という可能性がある。
20
【0151】
折畳みプロセスに対するサイズスケーリングの効果を決定するために、2D型板のシミ
ュレーションを、固定されたはんだ体積に関してmm規模からnm規模まで寸法決めされ
た面によって行った。いずれの場合も、すべての寸法(高さ、幅、および長さ)は同じ定
数倍だけ線形的に拡大縮小された。折畳みプロセスを促進させ、種々の折畳み角度に関し
て種々のエネルギーが存在する(所与の幾何形状およびはんだ体積に関して)、エネルギ
ー特性が観察された(図18)。エネルギー曲線の初期勾配は、面の回転力の大きさを示
し、折畳みプロセスが自発的か否かを決定する。負の初期勾配(図18、50nmから2
mm曲線)は、自発的な折畳みプロセスをもたらし、一方、正の初期勾配(図18、4m
mから6mm曲線)は、自発的ではないプロセスを示す。100°付近の曲線の最小値(
30
図18、50nmから4mm)は、安定な平衡折畳み構造を示す。6mmの面に関する曲
線に最小値が存在しない状態は、いかなる安定な折畳み構成も存在しないことを示唆し、
即ち2つの面は、平らなままであることを好む。これらの結果は、面のサイズが増大する
につれて重量が増大し、かつmmサイズの規模では表面張力よりも重力が支配し始めるこ
とに留意することによって、説明することができる。このように、エネルギー特性の初期
勾配は、mm範囲で正になり、プロセスは自発的ではなくなる。より小さいサイズでは、
表面力が重力を克服し、プロセスは、最初から終わりまで、ナノスケールに至るまで自発
的になる。シミュレーションでは、材料およびはんだのバルク特性が想定され、相分離、
金属間形成、およびはんだ内への拡散などの作用が無視されることに留意すべきであり、
これらの想定が保持される場合には、自己折畳みプロセスがナノスケールで働くように考
40
えられる。本発明者等の標準的な幾何形状、材料密度、およびはんだの表面張力について
、本発明者等のシミュレーションは、最大限の自発的な折畳みサイズLが約1400μm
になることを示している。シミュレーションは、ヒンジの表面エネルギーが低く(10ダ
イン/cm、例えば液体ポリマー)かつ面が重い(20g/cm3、例えば稠密な金属)
という極端な場合には、165μm程度の大きさの多面体に関して、折畳みが依然として
自発的であることも示している。これは、本発明者等の特定の幾何形状に関する165μ
m程度のサイズスケールに至るまで、ほとんど任意の固体材料からなる面で、かつ事実上
任意の液化可能な材料からなるヒンジで、構造を折り畳むことが可能であるべきことを示
唆している。
【0152】
50
(34)
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実験結果:
実験では、サイズが15μmから2mmに及ぶ立方体状の多面体を折り畳んだ(図19
)。本発明者等は、その他の形状の多面体を折り畳むこともできた(図19C)。本発明
者等は、より小さな多面体を作製することができると考えるが、本発明者等は、自らのフ
ォトリソグラフィ能力によって制約を受けてきた。数十ミクロンよりも小さい値で、ヒン
ジのギャップ幅はサブミクロンのサイズスケールに近付き、2D型板を作製するには、電
子線リソグラフィなどの代替のパターニング技法が必要になる。本発明者等の理論的なシ
ミュレーションによれば、小さいサイズスケールでの表面力が大きいので、より小さい多
面体の折畳みは自発的であることが示される。シミュレーションは、大きい面、即ち2m
mの面を有する多面体の折畳みが自発的なプロセスではないことを示すが、実験によれば
10
、本発明者等は2mmの立方体を折り畳むことができた。本発明者等は、2つの観察事項
に基づいて、この結果を理論的に説明する。第1に、加熱された流体での対流性の流れに
起因した攪拌が、実験によって生ずる。この攪拌は、折畳みのための活性化障壁上にわず
かに面を持ち上げる、初期促進力をもたらすことができる。第2に、本発明者等は、シミ
ュレーションにおいてすべてのサイズの変数を比例的に拡大縮小したが(例えば、2mm
の面は、80μmの厚さでシミュレートした)、実験ではそのようにできなかったことに
留意すべきである。フォトレジストの高さおよび分割可能なアスペクト比に対する制約に
よって、本発明者等は、2mmの立方体に関してわずか12μmの厚さを電着し、したが
って実験型板の面は、かなり低い重量を有しており、折畳みが自発的ではなくなる閾値が
より大きなサイズまで上昇した。本発明者等のシミュレーションにおける、この固定され
20
たフレームの厚さについて説明すると、本発明者等は、自己折畳みプロセスが本発明者等
のプロセスで使用される材料に対して作用する最も大きなサイズが、約7mmであると決
定した。本発明者等は、7mm程度の大きさの構造を作製するのにリソグラフィプロセス
を使用することを期待しないが、自己折畳みのプロセスは、特に電子デバイスのパッケー
ジにおいて、このサイズスケールで依然として妥当であると考えられる。
【0153】
プロセスの許容度:
2D型板のウェハスケールのパターニングは、非常に並行的であり、例えば本発明者等
は、3”ウェハ上に、約1000(L=100μm)および100000(L=15μm
)2D十字型をパックする。折畳みプロセスも非常に並行的であり、多数の2D型板を同
30
時に折り畳むことができる。実験によれば、折畳みプロセスも、かなりの欠陥許容性を有
するようであり、本発明者等はしばしば、90%を超える歩留りを実現し、かつ多数の多
面体を作製することができている(図20)。本発明者等は、ヒンジの位置合わせが、隣
接する面を横断する中心に完全に一致していない場合であっても、折畳みが生ずることを
観察した。実験によれば、欠陥許容性を増大させるため、本発明者等は、本発明者等のは
んだ体積がわずかに過度な折畳みをもたらすことを目標にした(水平から約100°の回
転)。本発明者等は、ロッキングヒンジを使用したので、この過剰な折畳みによって面と
面が確実に接触し、ロッキングヒンジを融合させることが可能であった。これは、プロセ
スの許容範囲を増大させ[Syms,RRA、J.Microelectromech.Syst. 1995、4、177∼184]、
縁部および角で立方体を密封した。さらに、対流性の流れが、折畳みプロセス中の高温溶
40
液中に存在した。これらの対流性の流れは、2D型板を攪拌し、面の縁部を接触させるこ
とによって折畳み角度の許容範囲を増大させたが、これにより、ロッキングはんだヒンジ
は融合して、かなりの強度で面を一まとめに保持することが可能になる[Jacobs,H.O.他
、Science 2002、296、323∼325; Gracias,D.H.他、Science、2000、289、1170∼1172]
。
【0154】
結論:
まとめると、mmからnmまでの広範なサイズを有する解放型中空パターニング多面体
を作製するのに利用することができる、表面張力をベースにした折畳みプロセスについて
示してきた。マイクロエレクトロニクスにおいて十分に確立されたリソグラフィ法を活用
50
(35)
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することによって、この作製プロセスは、「スマート粒子」を生成するための多面体に、
精密に設計製作された単分散多孔性、トランジスタ、センサ、およびその他の情報処理デ
バイスを組み込む経路を提供する。シミュレーションを使用して、本発明者等は、広範な
面材料および液化可能なヒンジについても折畳みが作用することを実証した。これは、小
さいサイズで好ましく拡大縮小される界面張力の利用が、マイクロおよびナノ加工に有用
なパラダイムであることも実証する。
【実施例6】
【0155】
遠隔誘導されたナノリットルスケールコンテナを使用した空間制御化学
従来のチャネルベースのマイクロ流体デバイスと共に、ポリマー、ゲル、および液滴を
10
ベースにしたものを含めたいくつかのナノリットルスケールの化学カプセル化材が開発さ
れている[例えば、(a) Lim,F.、Sun, A. M. Science. 1980、210、908∼910、(b) Chang
,T.M.S. Nat.Rev.Drug Discovery. 2005、4、221∼235、(c) Langer,R. Ace.Chem.Res. 1
993、26、537∼42、(d) Tice,J.D.、Song,H.、Lyon,A.D.、lsmagilov, R.F.Langmuir 200
3、19、9127∼9133、(e) Hammer.D.A.、Discher D.E.、Ann.Rev.Mater.Res、2001、31、3
87∼404]。上述の有機系とは対照的に、微細加工されたシリコンベースのデバイスは、
極めて高い精度、高い再現性、優れた機械的強度、良好な化学的安定性並びに感知、シグ
ナル調整、および作動機能を同じ基板に近接してまたは同じ基板上に組み込む能力を有す
ることができる。しかし、従来のシリコンベースの微細加工で使用されるフォトリソグラ
フィプロセスの、固有の2次元性が原因となって、制御された多孔性を有する3D微細加
20
工されたナノリットルスケールのリザーバシステムは、現在のところ存在しない。
【0156】
本明細書では、精密に設計製作された表面多孔性を有する3Dコンテナの開発と、化学
カプセル化、誘導デリバリー、および空間制御化学におけるその利用について示す。手短
かに言うと、プロセスは、はんだヒンジを有する2D金属型板のフォトリソグラフィによ
る作製を含んでいた(図22a)。2D型板は、はんだヒンジの融点よりも高く加熱され
たときに3D中空多面体へと自己組織化し、この場合、溶融はんだの表面張力は、自己組
織化を促進させる力を提供した[(a) Syms,R.R.A.、Yeatmant,E.M.、Bright,V.M.、White
sides,G.M. J.MEMS 2003、12、387∼417、(b) Hui,E.E.、Howe,R.T.、Rodgers,M.R.、IEE
E 13th Int.Conf.MEMS、2000、602∼607、(c) Gimi,B.、Leong,T.、Gu,Z.、Yang,M.、Art
30
emov,D.、Bhujwalla, Z.、Gracias,D.H. Biomed.Microdevice 2005、7、341∼3]。コン
テナは、種々の形状および230ピコリットルから8ナノリットルに及ぶ体積で作製され
ている(図22a∼d)。作製プロセスも非常に並行的であり、種々の形状およびサイズ
のコンテナを、1回のプロセス実行で作製することができた(即ち、1枚のウェハから、
図22e∼g)。プロセスが最適化された場合、歩留りは、3”ウェハに関して60∼9
0%に及んだ(歩留りは、面を折り畳む回数および対称性に応じて、種々の形状のコンテ
ナごとに変化した)。作製プロセスにおける歩留りの主な制限因子は、面に対するヒンジ
の位置合わせでのフォトリソグラフィの精度、およびヒンジでのはんだの体積であった[
Syms R.R.A. J.MEMS 1999、8、448∼455、(15) Deng,T.、Whitesides,G.M.、Radhakrishn
an,M.、Zabow,G.、Prentiss,M.、Appl.Phys.Lett. 2001、78、1775∼1777]。フォトリソ
40
グラフィマイクロ加工は非常に精密であるので、単分散性細孔を有するコンテナの1つま
たは複数の面を、パターニングすることも可能であった(図22h∼k)。形成された細
孔のサイズは、使用されたフォトマスク(この場合、3ミクロンの解像度を有していた)
によって制限された。多孔性を制御することによって、図23に示されるような試薬放出
プロファイルを設計製作することが可能になった。
【0157】
コンテナには、特定部位微量注入を使用して、ゲル(またはポリマー)の溶液および放
出される化学物質を充填した。溶媒が蒸発すると、ゲルはコンテナ内に残されたままにな
った。充填されたコンテナを、ゲル(またはポリマー)を軟化しまたは溶解する溶液に浸
漬することによって、化学物質を放出した。ゲル(およびポリマー)は、広範な溶解度お
50
(36)
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よび軟化温度で利用可能であるので、種々の溶媒および温度を使用して、化学物質の放出
速度を操作することが可能であった。書面に示される画像は、ブロックコポリマーヒドロ
ゲル(Pluronic(登録商標))が充填されたコンテナを使用して得られた。放出
実験は、水−アルコールベースの媒体中で行った(補遺セクションに詳述)。コンテナの
種々の面上の相対多孔度を変化させることによって、等方性(図23a)並びに異方性(
図23b)の両方の化学物質放出プロファイルを得ることが可能になった。作製プロセス
は、様々な動脈に適合したので、磁場を使用して遠隔から導くことができるニッケルベー
スのコンテナを作製することが可能であった。空間制御された(文字G−任意の経路が可
能である)化学反応は、アルカリ溶液で満たされたマイクロウェルに、pH指示薬である
フェノールフタレインを直接放出する(書き込む)ことによって実証された(図23c)
10
。直接的な書込みは、マイクロウェル下で移動する磁性針を使用して、フェノールフタレ
イン−プルロニックが充填されたコンテナを操作することによって可能になった。導かれ
た操作は、永久磁石を使用して行われたが、コンテナの動きを再現可能に制御するために
、したがって任意のパターンを有する化学物質の空間放出を再現可能に制御するために、
その他の上手くに開発されたマイクロコイルベースの磁気操作回路を使用することが可能
であることに留意すべきである[Deng,T.、Whitesides,G.M.、Radhakrishnan.M.、Zabow,
G.、Prentiss,M.Appl. Phys. Lett. 2001、78、1775∼1777]。
【0158】
空間的に局在化した化学反応も、多数のナノリットルスケールのコンテナ間で実証され
た(図24a∼c)。硫酸銅および水酸化カリウムがそれぞれ充填された2個のコンテナ
20
を、水性媒体中で互いに近付けた場合、化学反応(水酸化銅を形成する)は、2つの拡散
速度の間の中心線に沿ってのみ生じ、この反応は、化学物質の拡散が遅くなるほどコンテ
ナの近くで生じた(図24d∼f)。これらの実験はさらに、化学反応の空間制御を、多
数のコンテナを含むより複雑な反応の先端にまで拡げることができることを実証する。
【0159】
まとめると、すべての有機カプセル化材とは対照的に、コンテナは、形状およびサイズ
の多様性、異方性の面、単分散性の多孔性、および磁場を使用してマイクロ流体チャネル
内で導くことができる能力によって、化学試薬の放出の先例のない空間制御を可能にする
。さらに、金属コンテナは、それを容易に検出しかつ追跡することが可能である(磁気共
鳴映像、MRIを使用する)遠隔電磁場と相互に作用する。このようにコンテナは、マイ
30
クロ流体工学システムにおいて、遠隔から導かれる、空間的に制御される化学反応を設計
製作するための、魅力あるプラットフォームを提供する。
【0160】
マイクロコンテナの作製:
厚さ5.5μmのポリ(メチルメタクリレート)(PMMA、MW:996K)[Si
gma−Aldrich,www.sigma−aldrich.com]の犠牲層を、
シリコンウェハ上にスピンコートした。PMMAで被覆したウェハの上面に、15nmの
接着促進クロム(Cr)層および100nmの導電性シード銅(Cu)層を蒸着した。薄
膜を堆積した後、本発明者等は、Shipley SPR220 7.0フォトレジスト
[Rohm and Haas,www.rohmhaas.com]の層をスピンコー
40
トした。フォトレジストの厚さは、スピン速度を介して、かつ付着させるコーティングの
数を変化させることによって制御した。ソフトベークの後、ウルトラμラインシリーズQ
uintelマスクアライナ[Quintel Corp.,www.quintelc
orp.com]を使用して、レジストをUV光で露光し、透過性マスクを使用してパタ
ーニングした。フォトレジストを現像した後、電着を使用して、フォトレジストの型の内
部でマイクロコンテナの金属フレームを6∼15μmの高さに(様々な用途に必要とされ
る特性に左右される)成長させた。本発明者等は、種々の金属を電着させるため、選択さ
れた金属イオンを含有する市販の電解溶液[Technic,Inc.,www.tec
hnic.com]を使用した。非磁性コンテナの構造ではCuを電気めっきし、磁性コ
ンテナではNiを使用した。ヒンジをパターニングするために、2回目のフォトリソグラ
50
(37)
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フィを行った。SPR220の層を基板上面にスピンコートし、ヒンジマスクに接触させ
た。幅が広くなるほど、内部ヒンジは隣接する面の間に位置付けられるようになるが、よ
り狭くなるほど、外部ヒンジはフレームの外縁に存在するようになる。2D前駆体のフレ
ームとのヒンジのアライメントを確実にするために、アライメントマークを使用した。ヒ
ンジパターンを451現像液で現像した後、電着フレーム間の露光されたCu(シード)
およびCr(接着)領域を、市販のエッチング液(Cuに関してはAPS−100、Cr
に関してはCRE−473[Technic,Inc.,www.technic.co
m])を使用してエッチングした。次いでスズ/鉛(60/40、融点約183℃)はん
だ[Technic,Inc.,www.technic.com]を、ヒンジ領域に電
気めっきさせた。ヒンジの高さは約16μmであった。はんだの電着後、フォトレジスト
10
層をアセトンで剥離し、残されたCuシードおよびCr接着層をエッチングし、はんだヒ
ンジに接続された金属フレームからなる2D前駆体型板を、N−メチルピロリドン(NM
P)[Sigma−Adlrich,www.sigma−aldrich.com]に
浸漬して、犠牲PMMA層を溶解し、ウェハから前駆体を分離した。NMP中約50の前
駆体を、小さい結晶化皿全面に拡げ、少量の#5 RMAフラックス[Indium C
orporation,www.indium.com]を添加して、形成された可能性
のあるはんだ酸化物をすべて溶解した。皿を100℃に3分間加熱し、次いではんだが溶
融するまで、約90秒で250℃まで上昇させた。リフロー中、はんだが2D前駆体上の
金属の上層を濡らす場合、作製歩留りは不十分であった。はんだは銅を十分に濡らしたが
、Niを十分には濡らさず、したがってCuフレームを有するコンテナでは、歩留りを改
20
善するために薄いNi層を付加する必要があった。はんだがリフローした場合、溶融はん
だはヒンジにあり、2D前駆体を3Dマイクロコンテナに折り畳むためにトルクを発生さ
せた。冷却すると、はんだは凝固し、永久的にコンテナフレームを一まとめに保持した。
【0161】
コンテナの充填:
コンテナに対する化学試薬の濡れ性に応じて、コンテナに試薬を充填するのに2つの方
法を使用した。化学物質がコンテナを十分に濡らす場合、いくつかのボックスは、これら
を1滴の化学試薬に浸漬することによって同時に充填された。溶媒を、蒸発によって除去
した。これにより、化学試薬を染み込ませたポリマー[Pluronic(登録商標)F
68,BASF,www.basf.com]が残された。
30
【0162】
第2の方法は、マイクロコンテナおよび注射器[World Precision I
nstruments,Inc.NanofilTM Syringe,www.wpi
inc.com]の位置を独立して制御するために、2つの3軸Newportマイクロ
マニピュレータ[Models 460A & M462,www.newport.c
om]を利用した。注射器には、マイクロコンテナの充填を促進させるために、36ゲー
ジ針[WPII 36 Gauge Needle,www.wpiinc.com]を
装備した。
【0163】
化学物質の放出および反応の詳細:
40
赤色染料拡散実験(図23a∼b):コンテナに、1.6mL(0.261g)のFD
&C Red 40[McCormick & Co.,Inc.,www.mccor
mick.com]と、1.0gのPluronic F68を水10mL(18.4M
Ω)に溶解した水性ポリマー溶液とからなる混合物を充填した。グリセロール:エタノー
ル:水が2:1:2(体積による)の混合物を拡散媒体として使用し、この媒体を、充填
済みマイクロコンテナを含む小さなチャンバに添加した。拡散プロファイルを、ステレオ
ズーム単対物双眼顕微鏡を使用して撮像した。
【0164】
磁気により導かれたフェノールフタレイン−KOH反応(図23c):フェノールフタ
レイン溶液0.25mL(フェノールフタレイン[Frey Scientific,w
50
(38)
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ww.freyscientific.com]0.5gを95%エタノール100mL
に溶かしたもの)を、Pluronic F68 1.0gを水10mLに溶解したもの
からなる水性ポリマー溶液に添加することによって、フェノールフタレイン−KOH反応
に関する指示薬混合物を調製し、これをニッケルベースのマイクロコンテナに充填した。
マイクロコンテナを、組織培養プレート[Falcon(登録商標)Multiwell
TM Tissue Culture Plate,24 Well,www.bdbi
osciences.com]のウェル内に置き、1:1:1(体積による)のグリセロ
ール:水:1M KOH(aq)媒体をチャンバに導入した。マイクロコンテナを、引力
0.35lb、直径1/8”のAlNiCo丸棒磁石[McMaster−Carr,w
ww.mcmaster.com]を使用して誘導し制御した。
10
【0165】
硫酸銅(II)5水和物−KOH反応(図24a∼c):
CuSO4(aq)+2KOH(aq)→K2SO4(aq)+Cu(OH)2(s)
硫酸銅反応体混合物を、Pluronic F68 1.0gを0.5M Cu(II
)SO4水溶液10mL[Sigma−Aldricjh,www.sigma−ald
rich.com]に溶解することによって調製し、これをマイクロコンテナに充填した
。水酸化カリウム反応体混合物を、Pluronic F68 1.0gを1.0M K
OH(aq)10mLに溶解することによって調製し、これを第2のマイクロコンテナに
充填した。マイクロコンテナを、ポリ(ジメチルシロキサン)[PDMS,Dow Co
rning Sylgard(登録商標)184,www.dowcorning.co
20
m]マイクロウェル内に近接して配置した。マイクロウェルは、SU−8フォトレジスト
マスターに対してPDMSを成型することによって作製した。拡散および反応媒体は水で
あった。
フェノールフタレイン−KOH反応(図24d∼f):フェノールフタレイン溶液0.
25mLを、Pluronic F68 1.0gを水10mLに溶解したものからなる
水性ポリマー溶液に添加することによって、フェノールフタレイン−KOH反応の指示薬
混合物を調製した。アルカリ混合物は、4M KOH(aq)0.5mL[Sigma−
Aldrich,www.sigma−aldrich]を、Pluronic F68
1.0gおよび水10mLからなる水性ポリマー溶液に添加することによって調製した
。2個のコンテナに、フェノールフタレイン溶液を充填し、さらに1個のコンテナにはK
30
OH溶液を充填した。次いで3個のコンテナを、拡散および反応媒体としての水と共に、
PDMSマイクロウェル内に置いた。この反応も、ステレオズーム単対物双眼顕微鏡を使
用して撮像した。
【0166】
本発明について、その特定の実施形態を参照しながら述べてきたが、当業者なら、本発
明の真の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができかつ均等
物に置き換えることができることを理解すべきである。さらに、本発明の目的とする精神
および範囲に合わせて、特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、1つまたは複数のプ
ロセス工程を採用するために、多くの修正を行うことができる。そのようなすべての修正
例は、本明細書に添付される特許請求の範囲内にあるものとする。
40
(39)
【図3】
【図4】
【図5】
【図18】
【図17】
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(40)
【図1】
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(41)
【図2】
【図6】
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(42)
【図7】
【図8】
【図9】
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(43)
【図10】
【図11】
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(44)
【図12】
【図13】
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(45)
【図14】
【図15】
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(46)
【図16】
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(47)
【図19】
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(48)
【図20】
【図21】
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(49)
【図22】
【図23】
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(50)
【図24】
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(51)
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フロントページの続き
(74)代理人 100091889
弁理士 藤野 育男
(74)代理人 100101498
弁理士 越智 隆夫
(74)代理人 100102808
弁理士 高梨 憲通
(74)代理人 100128646
弁理士 小林 恒夫
10
(74)代理人 100128668
弁理士 齋藤 正巳
(74)代理人 100134393
弁理士 木村 克彦
(74)代理人 100136799
弁理士 本田 亜希
(72)発明者 グラシアス,デヴィット,エッチ.
アメリカ合衆国 21201 メリーランド,ボルティモア,ノース チャールズ ストリート 100
(72)発明者 レオン,ティモシー,ガー−ミン
20
アメリカ合衆国 21201 メリーランド,ボルティモア,ノース チャールズ ストリート 100
(72)発明者 イェ ホンケ
アメリカ合衆国 21201 メリーランド,ボルティモア,ノース チャールズ ストリート 100
審査官 石井 裕美子
(56)参考文献 GRACIAS,D.H. et al,Fabrication of micrometer-scale, patterned polyhedra by self-assem
bly,Advanced Materials(Weinheim, Germany),2002年,Vol.14, No.3,p.235-238
30
K.F.Harsh et al.,Solder self-assembly for three-dimensional microelectromechanical sy
stems,ENSORS AND ACTUATORS A,vol.77, no.3,pages 237-244
(58)調査した分野(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00− 9/72 A61K 47/00−47/48 A61K 49/00 A61P 3/10 CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
40
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