セーフティ SKパネル 施工マニュアル

セーフティ
SKパネル
施工マニュアル
VOL.3
安全、スピーディな架設・解体作業を実現。
セーフティSKパネル
はじめに
セーフティSKパネルは、後を絶たない労働災害の撲滅を願って
開発された安全工法です。吊り足場は、これまで丸太や単管を
チェーンで吊り、足場板を敷くという方法で架設されてきまし
た。しかし、その危険な作業のために、数多くの事故が起き、多
くの尊い人命が失われてきました。
時代は変わり、安全対策が叫ばれていますが、安全帯の使用を義
務付けしても、最終的には本人の意思に頼る他なく、不注意や
間違いによって事故は発生します。
我々は、その原因は構造と作業手順そのものにあると考え、従来
の吊り足場の構造を一枚のパネルに収めた結果、誰にでもできる
簡単な工法と、飛躍的に向上した安全性を実現しました。
作業者も管理者も、安心して仕事ができる新時代の安全工法、
それがセーフティSKパネル工法です。
1
目
次
はじめに……………………………………………………………………………………………………………………1
概
要
〔 1 〕セーフティSKパネルとは………………………………………………………………………3
〔 2 〕セーフティSKパネル工法の特長………………………………………………………………4
1 )安全性
2 )工期短縮
3 )高所作業車の節約
4 )交通規則の短縮と簡素化
5 )作業騒音の解消
6 )優れた美観
構
造
〔
〔
〔
〔
〔
〔
1 〕セーフティSKパネルの構造……………………………………………………………………6
2 〕セーフティSKパネル各部の名称図……………………………………………………………6
3 〕セーフティSKパネル構成部材表………………………………………………………………7
4 〕セーフティSKパネル構成部材外形寸法図……………………………………………………8
5 〕セーフティSKパネルの型式一覧および部材の性能…………………………………………9
6 〕オプション部材外形寸法図・詳細図………………………………………………………10
工
法
〔
〔
〔
〔
1 〕工法と安全性…………………………………………………………………………………11
2 〕従来の工法との比較……………………………………………………………………………12
3 〕組立の手順一覧表………………………………………………………………………………16
4 〕一列目の取付図
1 )一列目一枚目の取付図……………………………………………………………………17
2 )一列目二枚目の取付図……………………………………………………………………17
5 〕二列目の取付図
1 )二列目一枚目の取付図……………………………………………………………………18
2 )二列目二枚目の取付図……………………………………………………………………18
6 〕その他、一枚目の取付方
1 )昇降設備等を利用して……………………………………………………………………19
2 )高所作業車を利用して……………………………………………………………………19
7 〕カーブの組み立て方
1 )左カーブの場合……………………………………………………………………………20
2 )右カーブの場合……………………………………………………………………………21
8 〕状況に応じたSKパネルの使い方
1 )吊りチェーンの位置を変える場合(吊りリングを使う)……………………………22
2 )たわみを減少させる場合…………………………………………………………………23
3 )張り出し・開口部・朝顔を組み立てる場合(単管との併用)………………………24
4 )側面に使う場合……………………………………………………………………………25
5 )重ねて使う場合……………………………………………………………………………25
9 〕開口部の防護……………………………………………………………………………………26
〔
〔
〔
〔
〔
強度試験
試験体の概要…………………………………………………………………………………………29
〔 1 〕曲げ試験…………………………………………………………………………………………30
1 )アルミ縞板…………………………………………………………………………………31
2 )耐水型コンパネ……………………………………………………………………………32
3 )エキスパンドメタル………………………………………………………………………33
〔 2 〕せん断試験………………………………………………………………………………………34
〔 3 〕ジョイント部の試験……………………………………………………………………………35
〔 4 〕踏み抜き試験……………………………………………………………………………………36
強度計算例
はじめに………………………………………………………………………………………………37
〔 1 〕荷重条件…………………………………………………………………………………………38
〔 2 〕ころばし方向の強度検討………………………………………………………………………38
〔 3 〕おやご方向の検討………………………………………………………………………………39
〔 4 〕吊りチェーンの検討……………………………………………………………………………39
〔 5 〕風荷重による水平力の検討……………………………………………………………………40
〔 6 〕やらずパイプの検討……………………………………………………………………………42
施工上の注意………………………………………………………………………………………………43
梱包時におけるご注意……………………………………………………………………………………45
2
概
要
〔 1 〕セーフティSKパネルとは
セーフティSKパネルは、パネル型の作業床をチェーンで吊り、連結して行くと
吊り足場が完成する極めてシンプルな新しい吊り足場工法です。
セーフティSKパネルは、その一枚一枚が作業床として完成されているため、
セーフティSKパネルとチェーン、それと少々のクランプがあれば、吊り足場
を組み立てることができます。
また、作業はチェーンをかけ、パネルを連結するだけ。一連の作業は全てパネ
ルの上で行えますので、どんな困難な状況でも安全に簡単に吊り足場を組むこ
とができます。
腹オコシ(単管)φ48.6
腹オコシ取付金具
(単クランプ)
パネル足場
作
業
床
緊結金具(自在クランプ)
SKプレート
SKプレート用
J金具
吊りチェーン用
クランプ
吊
り
吊りチェーン
材
3
〔 2 〕セーフティSKパネル工法の特長
セーフティSKパネル工法には6つの大きな特長があります。
1)安全性
従来の吊り足場は「チェーンをかける」「親パイプを流す」などの危険な作
業を終え、最後に落下防止ネットを張り、初めて安全が確保されるという極
めて危険な工法でしたが、セーフティSKパネルは、それ自体が完成された足
場ですので、全ての作業が足場の上で行なうことができ、安全が常に確保で
きます。
2)工期短縮
■作業能率の向上
セーフティSKパネルは、その構造から架設作業員が常に完成された足場の上
で次の仕事ができるという「安全性」があるため、従来工法で感じる「恐怖
感」がありません。そのため、今までの吊り足場では、経験が豊かで高度な
技術を持つ者だけしか戦力にならなかったものが、この工法では全員がのび
のびと仕事ができるので、能率もグンと高まります。
■段取り、片付け時の煩雑さを解消
従来の工法では、使用する資材が多種類にわたり、足場解体時には、解体よ
りも片付けの方が時間がかかるというケースもありました。
しかし、セーフティSKパネル工法では、使用するものはスタートパネル専用
ブラケットとチェーン、SKパネル、連結用のクランプだけ。しかもSKパネ
ルは形状も均一ですので、片付けやトラックへの積み込みも非常に簡単、短
時間で済みます。
3)高所作業車
の節約
セーフティSKパネル工法では、親パイプやコロバシパイプがないので、高所
作業車の使用頻度が大幅に減少します。
これまで、高所作業車に頼っていた作業も、全て足場の上で行なえますので、
下にスペースのない現場でも、ウィンチ等があればOKです。
4
概
4)交通規則の
短縮と簡素化
要
道路や橋梁等で交通規則が必要となる場合、従来の工法では安全ネットを張り、
足場板を敷くまでは交通規制が必要でしたが、セーフティSKパネル工法ではパ
ネルの取付けを完了した部分から随時、規制を解除することができます。
しかも架設はスピーディ。交通規則は架設中(解体中)の部分だけ敷けばよく、
規則も大幅に簡素化できます。
5)作業騒音
の解消
セーフティSKパネルは、その構造により単管のような金属音が発生しません。
また、床面が一体の構造になっているため、これまで足場板を敷く際に発生し
た大きな騒音もでません。さらに、高所作業車の使用回数も少ないため、作業車
による騒音も減少。都市部で問題となっている夜間作業の騒音問題も、このセー
フティSKパネルなら解消することができます。
6)優れた美観
セーフティSKパネルは、これまでの足場のイメージを一新した非常に美観に優
れた吊り足場です。現場周辺の景観を害さず、美しく街に映える新時代の吊り足
場です。
5
構
造
〔 1 〕セーフティSKパネルの構造
従来の吊り足場の構造は、 1 吊りチェーン 2 親パイプ 3 親パイプ連結用自在
クランプ 4 コロバシパイプ 5 コロバシ連結用直交クランプ 6 足場板 7 足場番
線 8 安全ネット 9 安全ネット用ロープ等によって構成されていますが、セーフ
ティSKパネルではこの 2 〜 9 を一枚のパネルに収め一体化しています。
従って、セーフティSKパネル式吊り足場では 1 吊りチェーン 2 セーフティ
SKパネルの2点で構成されます。
セーフティSKパネルは大人が手を伸ばして届く長さ、運搬コスト等を考慮
して、進行方向(親パイプ方向)の長さは66cmとなっています。また、
横断方向(コロバシ方向)の長さは、2m、3m、3.85mの3種類があります。
親パイプに相当する部分は、単管(φ48.6mm)を使用しているので、市販
のクランプの取り付けが可能。単管との併用による細工や、朝顔の取り付け
等が簡単に行なえます。
作業床は厚さ12mmの耐水型コンパネかアルミ縞板、あるいはエキスパンド
メタルが全面に張付けられていますので、落下防止ネットは不要です。
また、セーフティSKパネルの連結部は、オリジナル連結ジョイントを組み
込んでいるため、連結作業も簡単に行なえます。
〔 2 〕セーフティSKパネル各部の名称図
ジョイント固定ボトル用穴
親フレームパイプA
A部単クランプ取付図
直線連結ジョイント
吊りリング用穴
作業床
連結固定穴
単クランプ
六角ボトルW1/2
A
W1/2アンカー
布方向受け材
布フレームB
脱落防止
ピン
吊りリング
チェーン取付座
両用連結ジョイント
布フレームA
W1/2アンカー
布方向受け材
落下防止リベット
補強材
6
脱落防止ピン
親フレームパイプB
〔 3 〕セーフティSKパネル構成部材表
構
成
部
材
規
格・材
質
等
備
考
アルミ縞板タイプ
布フレームパイプA,B
STKR510(異形パイプ)
STKR400(□60×30)
STK590(φ48.6)
親フレームパイプA,B
STK500(φ48.6)
床板受け補強材
補
強
材
コンパネタイプ
アルミ縞板タイプ
エキスパンドメタルタイプ
コンパネタイプ
SPHC
STK460(φ34.0)
STK400(φ34.0)
吊りリング
エキスパンドメタルタイプ
アルミ縞板タイプ
エキスパンドメタルタイプ
コンパネタイプ
SWRM(φ8)
A5052P(1.9t)
アルミ縞板タイプ
XS62
エキスパンドメタルタイプ
耐水型コンパネ
コンパネタイプ
ブラインドリベット
AS63
アルミ縞板タイプ
ドリリングねじ
SWCH(M5)
コンパネタイプ
ワッシャー
SPCC(M5)
コンパネタイプ
W1/2アンカー
SS400相当品
直線連結ジョイント
SS400
両用連結ジョイント
SS400
ジョイント固定ボルト
SWCH(W7/16)
落下防止リベット
SWRM(φ9)
ワッシャー
SPCC(φ9)
割
SUS304
床
材
ピ
ン
脱落抜止ピン
STKM13C(φ13.0)
脱落抜止ピン取付金具
SUS430(1.5t)
ロールピン
SUS430(φ5)
脱落抜止ピン取付チェーン
SWRM(φ3)
チェーン取付台
SS400(L25×3t)
タッピングトラス
SWCH(M5)
Rワッシャー
SPCC(M5)
7
〔 4 〕セーフティSKパネル構成部材外形寸法図
■ 2mタイプ(HSA/HSW/HSE620)
2000
1150
63(HSWのみ60)
660
745
850
■ 3mタイプ(HSA/HSW/HSE630)
3000
400
1740
430
63(HSWのみ60)
660
745
430
■ 3.85mタイプ(HSA/HSW/HSE638)
3850
400
2190
※ エキスパンドメタルタイプは吊りリングは装着しておりません。
8
430
63(HSWのみ60)
400
660
745
430
構
■直線連結ジョイントL-200
造
■両用連結ジョイントL-230
20
0
23
0
〔 5 〕セーフティSKパネル型式一覧および部材の性能
■床
型
板
安全率S=2
床板の種類
式
質量
(kg)
強度
曲げ
単位:kN(kg)
ジョイント部
踏抜
許容荷重
中央集中荷重(kg)
21.4
13.4(1365) 22.1(2255) 10.8(1100) 6.7(680)
30.1
8.2( 840) 22.1(2255) 10.8(1100) 4.1(420)
HSA638(L=3850)
38.9
6.5( 665) 22.1(2255) 10.8(1100) 3.2(330)
HSW620(L=2000)
25.0
12.1(1229) 22.1(2255) 11.8(1200) 6.0(610)
HSW630(L=3000)
36.0
7.6( 780) 22.1(2255) 11.8(1200) 3.8(390)
HSW638(L=3850)
47.0
5.7( 577) 22.1(2255) 11.8(1200) 2.7(280)
HSE620(L=2000)
21.5
12.8(1305) 22.1(2255) 16.2(1650) 6.4(650)
HSE630(L=3000) エキスパンドメタル 31.2
8.5( 867) 22.1(2255) 16.2(1650) 4.2(430)
HSE638(L=3850)
6.5( 663) 22.1(2255) 16.2(1650) 3.2(330)
HSA620(L=2000)
HSA630(L=3000)
ア ル ミ 縞 板
耐水型コンパネ
39.7
※チェーン取付部のせん断強度については、吊りチェーンが先に破断するため測定不能。
※製品の保証期間は1年です。
※各製品の仕様は、改良のため予告なく変更する場合があります。
9
構
造
〔 6 〕オプション部材外形寸法図・詳細図
■SKパネル専用防護材
(SKプレート)
緊結金具(自在クランプ) パネル足場
パネル足場
SKプレート
A
A
吊りチェーン
A-A断面図(1/3)
パネル足場
布フレーム
SKプレート用J金具
パネル足場
吊りチェーン
パネル足場
吊りチェーン SKプレート用
J金具
SKプレート
緊結金具
(自在クランプ)
パネル足場親フレーム
パネル足場親フレーム
パネル足場布フレーム
■SKプレート寸法図
■SKプレート用J金具
760
100
100
240
392
25
10
76
質量:5.4kg/枚
10
質量:0.2kg/本
工
法
〔 1 〕工法と安全性
セーフティSKパネル工法は、1「吊りチェーンをかける」、2「セーフティSKパ
ネルを取り付ける」以上の2工程の繰り返しによって、吊り足場が架設できる非
常に簡単な工法です。
このパネル自体が、従来工法の親パイプ、コロバシ、足場板、安全ネットを構
成しているため、従来の吊り足場で最も危険とされている 1「親パイプを流す」
2「親パイプにまたがってコロバシを取り付ける」、3「身をのりだしてチェーン
(または吊り金具)を取り付ける(外す)」等の作業工程がなくなり、危険性の高
い作業を終えてから安全ネットを張るという矛盾を解消しました。
従
来
の
工
法
セーフティSKパネル工法
1枚目のセーフティSKパネルを取り付ける
1
吊りチェーンをかける。
2
親パイプを流す。
3
コロバシパイプを取り付ける。
4
足場板を敷く。
5
安全ネットを張る。
[ P13(工法比較)/ P18〔4〕1枚目のパネルの取付方)参照 ]
1
吊りチェーンをかける
2
セーフティSKパネルを取り付ける。
以下 1 2 の繰り返し
警
告
セーフティSKパネルの計画の作成においては、労働安全
衛生規則で定める有資格者の参画。および、組立において
計画/作成
は足場の組立等作業主任者を選任し、労働安全衛生規則を
順守して作業を行ってください。
11
〔 2 〕従来の工法との比較
■セーフティSKパネル工法と従来工法の比較図
セーフティSKパネル工法
g
3,850
従来工法
3,000
3,850
g
e
gーg矢視図
2,770
2,700
1,100
2,770
2,920
2,680
2,920
1,100
1,230
パネル足場
吊りチェーン位置
P900 ※L
1,230
e
eーe矢視図
10,700
■セーフティSKパネル工法と従来工法の使用資材数量および重量の比較表
セーフティSKパネル工法
名
称
数
量
従
単 位
質
質量(kg)
アルミ3.00m
151枚
30.10
3.85m
302枚
38.9
量(kg)
名
称
4,545.10 単管(φ48.6)5m
11,747.8
チェーン4m
608本
2.68
自在クランプ
304個
0.7
212.8
吊り金具
608個
2.0
1,216.0
量
単 位
質
質量(kg)
量(kg)
132本
13.65
1,801.80
4,892.16
4m
448本
10.92
〃
3m
224本
8.19
1,834.56
404本
2.68
1,082.72
吊り金具
404個
2.0
自在クランプ
176個
0.7
123.20
直交クランプ
1,792個
0.7
1,254.40
38個
0.8
30.40
1,120個
20.0
22,400.0
17枚
7.2
122.4
20枚
19.0
380.0
合板(240×24)4m
ラッセルネット3m×6m
〃
5m×10m
PPロープ
番
線
808.0
1,460本
540本
0.075
40.50
計)34,770.14
計)19,351.14
12
数
法
チェーン4m
1,629.44
19,351.14kg÷1,070m=18.08kg/m
工
〃
直線ジョイント
2
来
2
2
2
34,770.14kg÷1,072m=32.43kg/m
工
法
■工法比較
セーフティSK パネル工法
1
一列目 一枚目のSKパネルを取り付ける。
2
橋脚上から(または昇降設備がある場合はその
最上段から)主桁等の吊りポイントに4本のチェ
※1
ーンクランプを設置し、
チェーンを取り付けます。
吊りポイントに取り付けられた4本のチェーンを
1枚目のSKパネルの親フレーム両端 内側にかけ、
クランプ等で横ズレ防止処置を行ないます。
一枚目のSKパネルをおろし、フレ止め処置を
行なう。
①の処置を行なった1枚目のSKパネルを、静かに
設置ポイントまでおろし、単管、
クランプ等でフレ止
め処置を行ない、
支持構造物と固定して下さい。
側面図
横ズレ防止処置
(クランプ等)
警
安全帯
脱落防止
告
作業員は必ず橋脚より安全帯をかけ、
作業を行ってください。
※1
オプションの抜け止めフック付チェ
ーン以外のフック付チェーン(抜け
止め機能がない)を利用する場合は、
フックやチェーンに脱落がないよう、
必ずテープを張るなどして、脱落防
止処置Sを行ってください。
警
告
フレ止め処置が完了していない1枚目の
SKパネルには絶対に乗らないで下さい。
厳守
従来の工法
1
主桁にチェーンを取り付ける
従来の工法では高所作業車等が使えない場合、
チェーンの取り付けは図のような方法で行な
うこととなります。
主桁の下フランジ部、対傾鋼等を利用して、足
場板を引きながらチェーンの取り付けを行ない
ます。
この作業には非常に危険が伴うので、高度な技
術を持った塾練工のみが作業を行ないます。こ
の時、チェーンのフックは両方共必ずかけ、テ
ープを張るなどして、脱落防止装置を行ないま
す。
2
親パイプを流す
1 の図の方法でチェーンを取り付けたら、橋脚
上より1本めの親パイプをチェーンの間に通し
ます。この時パイプの端を持ってチェーンの間
に通すので、持っているパイプの落下に注意し
ます。
13
■工法比較
セーフティSK パネル工法
3
一枚目のSKパネルの上から2枚
目のSKパネルのチェーンをかけ
る
一枚目のSKパネルの上から前方約
30cm位の所に各主桁下フランジ部
に左右1ヶ所づつ、合計2本のチェ
ーンを取り付けます。
4
チェーンを2枚目のSKパネルに
取り付ける
3 で取り付けたチェーンを一枚目のパ
ネル上で2枚目のパネルに取り付けま
す。
5
2枚目のSKパネルを一枚目の
SKパネルに接続する
接続は2枚目のSKパネルの凹穴を
一枚目のSKパネルの「直線・両用連
結ジョイント」に差し込みます。次に、
「脱落防止ピン」を差し込み、
「ジョイ
ント固定ボルト」を締めつければ完
了です。
以上の作業は全てSKパネルの上で行
われ、作業員が身を乗り出すなどの
危険はありません。
従来の工法
3
コロバシパイプを取り付ける
2 の図の要領で親パイプを流したら、コロバシ
パイプを取り付けます。図の様にパイプに足を
かけての作業となるので、熟練工が作業を行な
います。作業中は安全帯をチェーン等にかけ、工
具には、落下防止のヒモを付けます。また、パイ
プの取り付けにはクランプを使用するのでクラン
プの落下に注意します。
14
4
足場板を敷き、落下防止ネットを張る
コロバシパイプを取り付けたら、足場板を敷き、
落下防止ネットを張ります。足場板は、ネット
の取り付け位置のそばに進行方向に沿って敷き
ならべ、番線で固縛します。この時、全面に足
場板を敷くとネットを張ることができなくなる
ので、ネットを張りやすいように、隙間をあけ
て敷きます。
次に落下防止ネットを張ります。作業員は先に
敷いた足場板の上から手を伸ばし、落下防止ネ
ットの両端をヒモで結びます。ネットは足場の
下に張るのでネットの落下に注意します。
工
法
セーフティSK パネル工法の吊り足場
6
チェーン回りのすき間を保護する
4 5 の手順の繰り返しによってセー
フティSKパネル式吊り足場が完成し
ます。その後、チェーン回りのすき間
をSKプレートで防護します。
セーフティSKパネル工法では、
「親パイプを流す」「コロバシを取り付け
る」「足場板を敷く」「落下防止ネットを張る」等の工程がなく「チェーン
をかける」「パネルを接続する」という2つの工程の繰返となります。
吊りチェーン
自在クランプ
セーフティSKパネル
従来工法の一般的な吊り足場
5
足場板を全面に敷き、シートを張る
落下防止ネットを張ったら足場板を全面に
敷きます。足場板は隙間なく全面に敷き、次
に防炎シートを張って養生します。シート
は釘で打ち付け固く止めます。
従来の工法では以上の工程によって足場が架設されます。高所作業車を
使えない場合など、作業前に親綱を張ること自体が困難であり、工法
もまた、非常に危険で困難な作業であると言えます。
コロバシパイプ
自在クランプ
直交クランプ
安全ネット
親パイプ
足場板
吊りチェーン
15
〔 3 〕組立の手順一覧表
警告
取り付け順序
施行厳守
一枚目のSKパネル ※
取付
1
危険防止のためのご注意
主桁等に4本のチェーンを取り付ける
4本のチェーンを一枚目のSKパネルにかけ、 チェーンの脱落防止のため、チェ
ーンのフックにテーピングする。
横ズレ防止処置を行なう
2
2枚目以降のパネル
取付(進行方向)
一枚目のSKパネルをおろし、フレ止め処置を行なう
両端のチェーンを持ち、静かにお
ろす。作業は2人で行なう。
手をのばし、前方の主桁にチェーンを取り付ける
一枚目のパネルの先端から前方
約30cmの所にチェーンをつける。
チェーンを2枚目のパネルにかける
チェーンの脱落防止のため、チェ
ーンのフックにテーピングする。
警告
パネルを前方に押し出しジョイントを差し込む
脱落防止ピンを差しジョイント固定ボルトを締める
フレ止め処置が完了してい
ない1枚目のSKパネルには
絶対に乗らないで下さい。
注意
以下、同じ手順を繰り返す
1列目のパネル取り付け完了
ボルトの締めすぎは、ボル
ト及びジョイントの破損の
原因になりますので、注意
して下さい。
2列目のパネル取り付け
3
2列目のパネル取付
(横断方向)
チェーン
1列目1枚目のパネル連結側に
自在クランプを2個取り付ける
2列目2枚目以降のパネルには、
必ず1枚につき、1ヶ以上の自在
クランプを取り付ける。
主桁に2列目1枚目のチェーンを2本
所定の位置(図示 A )に取り付ける
チェーンの脱落防止のため、チェ
ーンのフックにテーピングする。
2列目1枚目のパネルに上記2本の
チェーンをかけ、横ズレ防止処置を行なう
チェーン
クランプ
2列目1枚目のパネルを静かにおろす
チェーン
フレ止め
1列目1枚目のSKパネルと2列目1枚目の
SKパネルを自在クランプで連結する
手をのばし、2列目2枚目のチェーンを
主桁に取り付ける
警告
何列目でも1枚目のパネルに
取り付けるチェーンは、横ズレ
防止処置を行なう
注意
ボルトの締めすぎは、ボル
ト及びジョイントの破損の
原因になりますので、注意
して下さい。
警告
上記チェーンを2列目2枚目のパネルにかける
安全帯
作業中は常に安全帯
をご使用ください。
パネルを前方に押し出しジョイントを差し込む
脱落防止ピンを差しジョイント固定ボルトを締める
16
以下、同じ手順を繰り返す
※昇降設備、高所作業車を利用して
の工法もあります。
P19 参照
工
法
〔 4 〕1列目の取付図
1)1列目1枚目の取付図
主桁
チェーンクランプ
チェーン
フレ止め処置
SKパネル
横ズレ防止処置(クランプ)
2)1列目2枚目の取付図
17
〔 5 〕2列目のパネルの取付図
1)2列目1枚目の取付図
2)2列目2枚目の取付図
18
工
法
〔 6 〕その他、1枚目の取付方
1)昇降設備等を利用して
一枚目のパネルの取り付け位置付近に、昇降設備等がある場合はそれを利用します。
昇降設備に単管等を取り付ける
一枚目のパネルに2本のチェーンをかける
一枚目のパネルを単管に乗せ、クランプ等で固定
する。
単管
2)高所作業車を利用して
下に車輪が入るスペースがある場合、高所作業車を利用することもできます。
警告
施工厳守
高所作業車を利用する場合、あらかじめ2枚のSKパネルをジョイントで連結し
2枚のパネルに対して4本のチェーンで吊り、フレ止め処置を行ってください。
19
〔 7 〕カーブの組み立て方
高架橋の多くは、曲線を描いています。セーフティSKパネル工法では、この
曲線を「両用連結ジョイント」を用い組み立てることができます。
参考値[SKパネルのR内側を基準とした寸法]
■設置最小半径(R) HSA620 385m
HSA630 580m
HSA638 740m
※製品、部品の寸法上の微少な差異や部品取付部の
ガタ等により、表記数値と若干異なる場合があり
ます。
1)左カーブの場合
R
直線連結
ジョイント
進行方向
両用連結ジョイント
左カーブの場合、進行方向に対して右側に両用連結ジョイントが位置する様
に組み立てます。
■作業のポイント
両用連結ジョイント
セーフティSKパネル
左側の直線用ジョイントは、パネルを取り付けた時点でジョイント固定ボルト
を締め付けますが、右側の両用連結ジョイントは脱落防止ピンを差したら、
ジョイント固定ボルトは締めずに組み立て作業を続けます。
「長穴」を採用している両用連結ジョイントは、これにより自然に橋桁に沿っ
て曲線を描きます。
曲線が描かれたら後からジョイント固定ボルトを締めて行き、作業が完了し
ます。
20
工
法
2)右カーブの場合
両用連結ジョイント
進行方向
R
直線連結ジョイント
右カーブの場合、進行方向に対して左側に両用連結ジョイントが位置する様
に組み立てます。
■作業のポイント
セーフティSKパネル
直線連結ジョイント
セーフティSKパネルは全て右側に両用連結ジョイントが取り付けられていま
すので、右カーブの現場で施行する場合は、パネルの向きを前後を反対にし
て組み立てます。
右カーブの場合でも、左カーブと同様に両用連結ジョイントの固定ボルトは、
橋桁なりの曲線が出た後で締めて行きます。
21
〔 8 〕状況に応じたSKパネルの使い方
1)吊りチェーンの
位置を変える
場合
吊りリングを利用する
セーフティSKパネルは、現場の状況に応じてチェーンをかける位置を変えら
れるよう、
「吊りリング」が取り付けられています。
このリングの位置を選択し、3種類のパネルを組み合わせることで、あらゆる
現場に対応することができます。
HSA/HSW638
430
400
400
2190
430
HSA/HSW630
430
400
1740
HSA/HSW620
850
22
1150
430
工
2)たわみを減少
させる場合
法
腹おこしを取りつける
セーフティSKパネルのHSW638およびHSW630には、パネルの中央付近
に、単クランプ取り付け用のW1/2アンカーが埋め込まれています。
このアンカーに単クランプを六角ボルトで取り付け、単管(φ48.6mm)で
腹オコシを取り付けてください。
単クランプ取付図
単クランプ
パネル足場
W1/2アンカー
布方向受け材
腹オコシパイプ
単クランプ
23
3)張り出し・開口
部・朝顔を組み
立てる場合
単管との併用
セーフティSKパネルは、その特長の一つとして、パネルの一部に単管(φ
48.6mm)が用いられているため、市販のクランプが利用できます。この結
果、単管と併用することで、張りだし、開口部、朝顔等の組み立てが簡単に
行なえます。
警告
施工厳守
※作業上の注意についてはP44を参
照すること。
単管
吊りチェーン
足場板
単管
セーフティSKパネル
24
単管
直交クランプ
直交クランプ
工
4)側面に使う場合
法
セーフティSKパネルは吊り足場の底面だけではなく、側面防護等にも使う
ことができます。
■作業上の注意
底面のパネルと側面のパネルは、単管(φ48.6mm)
の部分を自在クランプで連結します。側面パネルに
は必ず、転倒防止(単管等)を取り付けて下さい。
5)重ねて使う場合
セーフティSKパネルは、ちょっとした工夫で様々な使い方ができます。
パネルを重ねて使うことも一つです。
単管
直交クランプ
吊りチェーン
セーフティSKパネル
セーフティSKパネル
警告
番線固定
重ねられたSKパ ネ ル は 必 ず
番 線 等 で 固 定 してください。
25
工
法
〔 9 〕開口部の防護
SKパネル専用防護材
(SKプレート)を利用
する
足場の使用目的により、全面防護が必要な場合は、オプションのSKパネル
専用防護材(SKプレート)を利用して両端のすき間を養生してください。
吊りチェーン
パネル足場布フレーム
SKプレート用J金具
パネル足場
親フレーム
SKプレート
緊結金具(自在クランプ)
パネル足場
親フレーム
パネル足場
布フレーム
SKプレート用J金具
SKプレート
セーフティSKパネル
吊りチェーン
26
強度試験
27
28
強度試験
試験体の概要
アルミ縞板
3000(2000,3850)
耐水型コンパネ
3000(2000,3850)
エキスパンドメタル
3000(2000,3850)
29
〔1〕曲げ試験
試験方法
下図のように2枚のパネルを組み付け、4点の吊り点を吊りチェーンで吊り下げた。供試
体の中央部に鉛直荷重を作用させ、変位および最大荷重を測定した。
尚、変位の測定は試験機のシリンダーの繰り出し量で行った。
1320
660
つり点
660
つり点
つり点
上面図
H型鋼
(100×100)
つりチェーン
P
3000又は3850
正面図
30
強度試験
試験結果
アルミ縞板
試験No.1(中央集中荷重)
HSA620
荷
重(kN)
HSA630
HSA638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
4.1
9.1
15.6
4
6.7
17.3
31.5
6
9.4
25.3
50.9
8
12.0
33.9
70.2
10
14.6
42.9
91.5
12
17.4
52.4
130.2
14
20.6
64.4
16
23.6
89.2
18
26.8
20
30.5
22
34.8
24
40.7
27.2
最大荷重(kN)
16.6
13.1
試験No.2(中央集中荷重)
HSA620
荷
重(kN)
HSA630
HSA638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
5.5
9.9
16.3
4
8.3
18.0
31.8
6
11.0
26.2
50.2
8
13.7
34.9
69.0
10
16.5
44.0
89.6
12
19.2
53.7
125.4
14
22.2
65.7
16
25.4
90.5
18
28.9
20
32.9
22
37.7
24
44.3
最大荷重(kN)
26.4
16.5
13.0
注:仮設工業会の試験データはkg単位表示であったが、この表ではkN単位に換算して表示した。
31
試験結果
耐水型コンパネ
曲げ試験
試験No.1(中央集中荷重)
HSW620
荷
重(kN)
HSW630
HSW638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
3.0
6.8
17.1
4
5.7
14.4
33.0
6
8.6
22.5
50.5
8
11.4
30.6
67.6
10
14.2
38.7
87.3
12
17.1
46.9
139.8
14
20.0
57.5
16
23.0
94.3
18
27.1
20
32.1
22
43.6
24
55.7
23.5
最大荷重(kN)
15.7
11.9
試験No.2(中央集中荷重)
HSW620
荷
重(kN)
HSW630
HSW638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
3.9
7.5
16.9
4
6.7
15.8
33.7
6
9.5
24.2
50.8
8
12.3
32.6
69.9
10
15.1
40.9
101.7
12
18.6
49.7
14
21.0
62.1
16
24.2
18
27.9
20
32.9
22
42.4
24
55.3
最大荷重(kN)
24.7
15.0
注:仮設工業会の試験データはkg単位表示であったが、この表ではkN単位に換算して表示した。
32
10.7
強度試験
試験結果
エキスパンドメタル
曲げ試験
試験No.1(中央集中荷重)
HSE620
荷
重(kN)
HSE630
HSE638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
1.0
7.2
17.5
4
4.0
16.9
38.1
6
6.9
26.5
58.1
8
9.9
36.1
78.4
10
13.1
45.5
100.5
12
16.0
55.8
133.9
14
19.3
68.2
16
22.8
89.7
18
26.5
20
31.7
22
38.2
24
52.2
25.6
最大荷重(kN)
16.8
13.0
試験No.2(中央集中荷重)
HSE620
荷
重(kN)
HSE630
HSE638
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
0.0
0.0
2
0.8
8.2
18.2
4
3.8
17.8
38.3
6
6.9
27.1
58.4
8
9.9
37.3
78.7
10
12.9
46.8
99.6
12
16.1
56.9
129.6
14
19.2
69.1
16
22.5
89.0
18
26.0
20
30.4
22
36.7
24
46.8
最大荷重(kN)
25.7
17.1
13.1
33
〔2〕せん断試験
試験方法
下図のように2枚のパネルを組み付け、4点の吊り点を吊りチェーンで吊り下げた。供試体の両端に鉛直荷重
を作用させ、最大荷重を測定した。
1320
660
つり点
660
つり点
200
つり点
200
上面図
H型鋼
(100×100)
P
つりチェーン
3000又は3850
正面図
型
式
最大荷重(kN)
備
HSA630
52.6
吊りチェーンの破断
HSW630
83.4
吊りチェーンリング溶接切れ
注:仮設工業会の試験データはkg単位表示であったが、この表ではkN単位で表示した。
34
考
強度試験
〔3〕ジョイント部の試験
試験方法
下図のように2枚のパネルを組み付け、4点の吊り点を吊りチェーンで吊り下げた。供試体のジョイント部分
に鉛直荷重を作用させ、一定荷重毎の変位、及び最大荷重を測定した。
尚、変位の測定は試験機のシリンダーの繰り出し量で行った。
ジョイント部分
1320
660
つり点
660
つり点
上面図
つり点
H型鋼
(アルミ材:幅80)
つりチェーン
P
3000又は3850
正面図
試験No.1(中央集中荷重)
荷
重(kN)
試験No.2(中央集中荷重)
HSA630
HSW630
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
荷
重(kN)
HSA630
HSW630
鉛直のたわみ(mm)
鉛直のたわみ(mm)
0
0.0
3.3
0
0.0
0.0
2
3.5
6.2
2
5.4
3.3
4
7.5
14.4
4
8.0
6.3
6
13.9
24.5
6
13.0
16.4
8
21.9
39.5
8
24.2
26.9
10
29.9
44.7
10
32.3
41.2
12
39.0
49.6
12
39.5
47.5
14
43.0
54.8
14
45.8
55.7
16
48.3
61.3
16
53.8
61.0
18
56.5
68.7
18
63.8
67.9
20
68.7
78.7
20
75.4
75.6
22
91.0
最大荷重(kN)
21.9
22
21.6以上
最大荷重(kN)
95.3
22.3
19.6以上
注:仮設工業会の試験データはkg単位表示であったが、この表ではkN単位で表示した。
35
強度試験
〔4〕踏み抜き試験
試験方法
下図のように供試体に踏み抜き試験用具を用いて鉛直荷重を作用させ、1kN毎の変位、及び最大荷重を
660
測定した。
600(HSA638)
690(HSA630)
上面図
踏み抜き試験用治具
(150×100)
P
変位測定位置
600(HSA638)
690(HSA630)
正面図
試験No.1(中央集中荷重)
HSA630
荷
重(kN)
試験No.2(中央集中荷重)
HSW630
HSA630
HSE638
鉛直のたわみ(mm) 鉛直のたわみ(mm) 鉛直のたわみ(mm)
荷
重(kN)
HSW630
0
0.0
0.0
0.0
0
0.0
0.0
0.0
1
5.6
3.3
4.8
1
5.1
3.1
4.7
2
8.6
5.2
9.2
2
8.5
5.1
9.8
3
10.8
7.1
13.3
3
10.7
7.0
13.9
4
12.8
9.2
17.2
4
12.7
9.0
17.7
5
14.6
11.5
20.6
5
14.6
11.4
21.0
6
16.4
14.6
23.7
6
16.3
16.7
24.3
7
18.1
18.2
26.5
7
19.4
22.0
27.3
8
19.9
24.6
29.3
8
21.5
25.8
30.1
9
21.6
28.0
31.8
9
23.6
29.5
32.7
10
22.3
31.8
34.3
10
25.7
33.6
35.3
11
22.4
37.8
36.9
11
42.8
38.0
47.2
39.6
12
12.3
18.7
12
最大荷重(kN)
11.5
最大荷重(kN)
40.8
10.1
11.2
注:仮設工業会の試験データはkg単位表示であったが、この表ではkN単位に換算して表示した。
36
HSE638
鉛直のたわみ(mm) 鉛直のたわみ(mm) 鉛直のたわみ(mm)
18.4
強度計算例
はじめに
通常、強度計算は当該製品の断面性能(断面係数、断面二次
モーメントなど)を算出し、強度計算を進める。しかし、製品を
構成する複数部材の材質が異なるとともに、各々の許容応力
度が異なる場合は、製品自体の許容応力度及び断面性能を計
算上特定することは困難である。
セーフティSKパネルの場合、その構成部材に各々性能及び
材質の異なる部材(強度の異なる鋼管及びアルミ板)を用い
ており、
これらは互いに溶接及びリベット等により接合された
一体構造となっている。従ってセーフティSKパネルの強度検
討を実施する際には、計算による許容応力度及び断面係数の
特定は困難である為、公的試験機関である社団法人「仮設工
業会」に於いて実施した、強度試験結果に基づき強度検討を
進めるものとする。尚、この試験結果については、社団法人
「仮設工業会」作成の試験結果表を巻末に添付する。
37
〔 1 〕 荷重条件
1 死荷重(自重)
セーフティSKパネル自重(各機種共通):
0.00098
kN/cm
(=w)
2 活荷重
2名×0.69kN=
作 業 員:
工
具:
資
材:
衝撃荷重:
(上記3荷重の20%)
活荷重P1=
1.38
0.2
0.98
0.51
kN
kN
kN
kN
3.07
kN/枚
〔 2 〕 ころばし方向の強度検討
P1
L
L=
1 荷重作用条件
セーフティSKパネル自重
作用荷重
当分布荷重
中央集中荷重
w=
P 1=
0.00098
3.07
372cm
kN/cm
kN
2 曲げモーメントの算定
wL
M=
2
+
P1 L
=
303
kN・cm
4
8
3 曲げ応力度
既述の通り、セーフティSKパネルの合成断面係数をZとした場合の曲げ応力度はσは
σ=
M/Z=
kN/cm2
303/Z
4 許容曲げ応力度
(社)仮設工業会に於ける、HSA638の試験結果による最大荷重は、13kN/2枚であるので、
1枚当たり最大荷重は
Pmax=
13/2=
6.5
kN
L=
372cm
従って、HSA638の最大曲げモーメントMmaxは
wL
Mmax=
2
+
Pmax L
=
621
kN・cm
4
8
セーフティSKパネルの許容曲げ応力度fbは、Mmaxより安全率を2として、
fb=
Mmax
=
310.5/Z
≦
fb=
kN/cm2
と表すことが出来る。
2Z
σ=
303
Z
310.5
(kN/cm2)
Z
5 たわみ
(社)仮設工業会に於ける、試験結果(添付資料)の通り。
38
OK
これらにより、
強度計算例
〔 3 〕 おやご方向の検討
P1
1 吊りチェーン設置間隔
L=
66
cm
L
2 荷重作用条件
HSA638自重
作用荷重
w=
P 1=
0.00578
3.07
kN/cm
kN/枚
L:吊りチェーン設置間隔
( は吊り点を示す。)
以上の荷重が上図のように作用しているものとして検討する。
3 曲げモーメント算定
wL
M=
2
P1 L
+
=
53.9
kN・cm
4
8
4 曲げ応力度
セーフティSKパネルのおやご方向の合成断面係数をZとした場合の曲げ応力度σは、
σ=
M/Z=
kN/cm2
53.9/Z
(社)仮設工業会に於けるジョイント部の試験結果に基づき、吊りチェーン設置間隔66cm時の
最大強度は22.1kNであるので、
Pmax=
22.1
kN
従って、おやご方向の最大曲げモーメントMmaxは、
wL
Mmax=
2
+
Pmax L
=
367
kN・cm
4
8
5 許容曲げ応力度
セーフティSKパネルの許容曲げ応力度fbは、Mmaxより安全率を2として、
Mmax
fb=
=
183.5/Z
kN/cm2
と表すことが出来る。
これらにより、
2Z
53.9
σ=
≦
fb=
Z
183.5 (kN/cm2)
OK
Z
5 たわみ
(社)仮設工業会に於ける、試験結果(添付資料)の通り。
〔 4 〕 吊りチェーンの検討
1 吊りチェーンのころばし方向設置間隔
L=
385
cm
2 作用荷重
セーフティSKパネル自重
w=
作用加重
P 1=
吊りチェーン1本が支持する荷重Tは、
T=
w × L + P1=
3.45
0.00098
3.07
kN≦Ta
=
kN/cm
kN/枚
4.2
kN
OK
※Ta:ループ吊りの場合の許容荷重(足場工事実務マニュアルより)
39
〔 5 〕 風荷重による水平力の検討
本項に於いては、仮設工業会が平成11年刊行した「風荷重に対する足場の安全技術指針」に準拠して、
検討するものとする。
66
L1
L2
Lk
自重は、吊りチェーンが負担するものとし、風荷重のみによる水平力について検討する。
40
強度計算例
1 風荷重算定
基準風速
Vo=
15
台風時割増係数
Ke=
1
近接建物による割増係数
EB=
1.2
m/sec
S=
1.13
Vo・Ke・S・EB=
20.3
m/sec
25.8
kgf/m2
瞬時風速分布係数
として設計風速Vzは
Vz=
風速圧
1
qz=
Vz2=
=
0.253
kN/m2
16
風力係数
2
とすると
単位面積風荷重
p=
qz・C=
この値より、幅
b=66cmのセーフティSKパネルに作用する等分布荷重wに換算すると、
w=
C=
p・b=
kN/m2
0.506
0.00334
=
0.000051
kN/cm2
kN/cm
2 曲げモーメントの算定
上図の受風長さは
L1=
100
cm
L2
L1≦L2/2であるので、上図L2の区間のモーメント
M=
34
=
M=
285
wL^2/8
cmより
について検討する。
kN・cm
3 曲げ応力度
セーフティSKパネルの合成断面係数をZとした場合の曲げ応力度σは
σ=
M/Z=
kN/cm2
34/Z
(社)仮設工業会に於ける、HSA638の試験結果による最大荷重は、13kN/2枚
であるので、1枚当たり最大荷重は
Pmax=
13/2
=
6.5
kN
L=
372
cm
従って、HSA638の最大曲げモーメントMmaxは
wL
Mmax=
2
+
Pmax L
=
621
kN・cm
4
8
4 許容曲げ応力度
セーフティSKパネルの許容曲げ応力度fbは、Mmaxより安全率を2として、
fb=
Mmax
=
310.5/Z
kN/cm2
と表すことが出来る。
2Z
これらにより、
σ=
34
Z
≦
fb=
310.5 (kN/cm2)
OK
Z
41
強度計算例
〔 6 〕 やらずパイプの検討
1 使用パイプの特性及び設置寸法
使用パイプ種類
STK500
耐力
F =
32.4
kN/cm2
弾性係数
E =
20600
kN/cm2
断面積
A =
3.483
cm2
断面二次半径
i =
1.64
cm
支持長さ
Lk=
120
cm
b=
330
cm
設置水平ピッチ
2 軸力算定
やらずパイプの負担面積に作用する風荷重
w=qz・C・b=
0.0167
kN/cm
上図のやらずパイプとセーフティSKパネルの接続点に作用する力をfとすると
w (L1+L2)2
軸力 f=
=
4.343
kN
2L2
圧縮(座屈)応力度
σk=
f/A=
1.247
kN/cm2
3 座屈強度検討
細長比
λ=
Lk
=
74
i
安全衛生規則第241条第3項の規定式により
限界細長比
π2E
∧=
=
103
0.6F
λ≦∧よりSTK500の許容座屈応力度fkは
1ー0.4(
fk=
Lk
i
2
/ L)
F=
14.36
kN/cm2
ν
ここで
ν=
従って
42
1.5+0.57(
σk≦fk
より
Lk
i
2
/∧)
OK
施工上の注意
セーフティSKパネルを使用するにあたって、以下の項目を必ず守ってください。
警
告
セーフティSKパネル工法を施工される前には、本マニュアルを熟読し、十分なご理解の上、
理
解
施工してください。
作業する時は、必ず安全帯を使用してください。
安全帯
チェーンは、必ず脱落防止措置を施工してください。
脱落防止
クランプ類は、ボルトを確実に締めこんで固定してください。
固
定
禁
止
(施工マニュアル内に指示されている)用途以外の使い方をしないでください。
ご使用前に、必ず製品に異常のないことを確認してください。万一、異常のある時は絶対
使用禁止
に使わないでください。
変形、亀裂等が生じた製品を修理して使うと、重大な事故の原因になりますので、絶対に
使用禁止
修理して使わないでください。
この製品には、表面と裏面があります。必ず表面(作業床が上の状態)で使用してください。
表面使用
注
意
持ち運ぶ時は、引きずったり、投げたりなど、乱暴に扱わないでください。
持ち運び注意
雨や直射日光の当たらない、風通しの良い場所を選んで保管してください。
保
管
保
管
禁
止
製品が濡れている時は、十分に乾燥させてから保管してください。
保管中は製品の上に、他の重量物を置かないでください。
他に譲渡および転売される場合は、必ず本マニュアルを理解させ、かつ本マニュアルを添
譲渡時注意
付してお渡しください。
ボルトの締めすぎは、ボルト及びジョイントの破損の原因になりますので、注意して下さい。
締めすぎ注意
43
警
告
施工上の注意
1. セーフティSKパネルを順次組み立てず、吊りチェーンだけを先にかけて行くこ
施工厳守
とは危険ですのでおやめください。
セーフティSKパネルの上で次のチェーンがかけられますので、その必要はあり
ません。
(高所作業車を使って吊りチェーン、セーフティSKパネルを組み立て
る場合は可。
)
2. 朝顔を組み立てる場合は、組立前に必ずパネルの先端をチェーンで吊ってくだ
さい。
足場板
単管
吊りチェーン
吊りチェーン
セーフティSKパネル
3. 連結ジョイント固定ボルトを締め付ける際には、無理なトルクをかけないでく
厳
守
ださい。ジョイントを変形させる原因となるばかりでなく、ボルトが破断し解
体作業が困難になる場合があります。
4. 出庫前は必ず点検してください。
点
検
1.ジョイント固定ボルトが抜けていませんか?
2.作業床のいたみの具合は?
3.脱落防止ピンは取れていませんか?
5. セーフティSKパネルの組立作業は、
「施工マニュアル」に記載された「作業手順」
厳
守
「作業上の注意」を良く読み、厳守してください。
6. セーフティSKパネルの解体作業は、組立作業の手順の反対の手順で作業し、
厳
守
厳
守
厳
守
まとめて脱落防止ピンを引き抜くのは止めてください。
7. 開口部を設ける場合、必ず注意看板等を表示してください。
8. 風対策を行う場合は、単管などによる吹き上げ防止措置を講じてください。
44
注
意
梱包時におけるご注意
セーフティSKパネルにキズをつけないために、梱包時においては以下のことにご
梱
包
注意ください。
図1のように重ねると、トラックに積み
図1
込み、ロープを締めたときに力が加わり、
下の足場のジョイント固定ボルトが上の
足場のフレームに当たり、凹みができて
しまいます。
A部詳細図
A
図2のように、ジョイント固定ボルトと
図2
フレームが当たらないように千鳥にして
重ねてください。
ジョイント固定ボルト
フレーム
このカタログの記載仕様、および内容は平成12年8月現在のものです。
製品改良などにより、予告なく仕様内容を変更することがあります。
45
株式会社新成工業
開発元:
製造元: