地元間伐材の有効利用で 製品や 建築現場のバリケード等を制作

平成 17 年度
事例●025 株式会社日本建機(新潟県村上市)
平成17年度
地域における中小・中堅建設業の
新分野進出/経営統合等促進モデル
構築支援事業
地元間伐材の有効利用で⽊⼯製品や
建築現場のバリケード等を制作
(株)日本建機は、地元県産の間伐材を利用して、デザイン的に優れた木工製品、
建築現場などのバリケードなどの制作を手がけることにした。柔らかい曲線を主体
としたデザインを心がけ自然環境ともマッチするぬくもりのある製品を開発した。
間伐材を利用したぬくもりのあるデザインのバ
リケード「バリウッド」
1.事業の背景と動機
5.差別化戦略・競争戦略
他県の間伐材活用事例からヒント
を得る
デザイン・機能性・省力化が差別
化のポイント
新分野を模索中に、長野県の間伐材
活用事例をテレビで見た幹部社員の「間
伐材利用でデザイン的に優れた建築現
場のバリケード制作」のアイデアが、きっ
かけとなった。新技術の開発を日頃から
奨励していた体制もあって、間伐材の活
用、リサイクルにも貢献できる、新分野の
事業化がスムーズに進んだ。
他県で間伐材を利用した簡単なバリケ
ード製作例はあるが、デザインは重視さ
れていない。このため、自然環境にマッ
チした、温もりのあるデザインに工夫し
た。反用シートを用いて夜間でも目立ち、
かつ取外し可能な文字パネルや、標準
の単管バリケードのパーツをそのまま利
用できるといった機能性、メンテナンスの
省力型という点でも工夫されている。同
時に工具で簡単に上部を取外せ、持ち
運びや移動が容易である。これらの特長
によって、類似製品とは充分に差別化で
きる。
2.進出時の苦労やその対応
技術的な問題から間伐材だけで
なく塩ビも使用
「バリウッド」の使用例。自然環境とマッチして
いる。
株式会社日本建機
代表者●金子 良治(代表取締役)
所在地●新潟県村上市
資本金●2,000 万円
従業員数●50 名
事業内容●建設業土木一式請負工事、重機
械による土木請負施工、産業廃棄物処理業、
中間処理(ガレキ類破砕処理・焼却処理・木く
ず破砕処理)、安定型最終処分場、産業廃棄
物収集運搬、建設荷役車両特定自主検査登
録業。
URL●http://www.nkenki.co.jp/
村上市
木製バリケードの肩部分の曲線を形成
する工程が、予想以上に難航した。間伐
材の有効利用のために全てのパーツを
木製にすることを計画していたが、加工
の難しい肩の曲線部だけ、塩ビ製曲管に
変更した。この塩ビ部品は緑色にして自
然環境とのマッチングに配慮した。ネーミ
ングは社内で募集し、「バリウッド」に決定
した。
3.新事業の概要
間伐材を有効利用しバリケード等
を製品化
山北町森林組合が保有している松、杉
などの間伐材を利用して、建築現場など
のバリケードを製品化していく事業であ
る。木材加工の基本的技術や、バリケー
ド利用のノウハウは保有しているので、
設計、デザインは社内で行う。試作品を
野外に置いて、耐久性・美観などを検証
した。
6.モデル事業選定後の進捗
代理店と連携した販売体制の整
備を
モデル事業選定後に事業化に踏み出
し、平成 17 年度、18 年度と、少しずつで
はあるが売上を計上することができた。
顧客は、建設業者、自治体、施設運営者
などを想定し、販売は代理店と連携して
いく計画を立てている。建設現場のイメ
ージアップに役立つと評価されれば、売
上が増加し黒字化できる。
また、環境に配慮した商品を開発した
ことで、経営姿勢の PR とイメージアップ
につながった。今後はさらに、数種類の
バリケード試作品を製作し、実際に野外
に置いて、耐久性・美観など検証、試験
を繰り返し、高い評価を得られる製品を
開発、事業の成功を目指して行く。
4.事業の推進体制
地元森林組合と連携して自社技
術を活用
当社が基本設計、デザイン、試作品と
製品評価・検証、販売を担当し、材料調
達と詳細設計、加工、制作は、山北町森
林組合(SUNTEX)に委託する。
新分野進出一覧
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