「福島第一原子力発電所の事故による放射能の影響」(PDF:1240KB)

第3回
区民との意見交換会
清掃一組からの説明
福島第一原子力発電所の事故による放射能の影響
大塚施設管理部技術課長
技術課長の大塚でございます。今日は「福島第一原子力発電所の事故による
放射能の影響」として、清掃工場に与える影響について御説明いたします。
Ⅰ 国等の考え方の経緯
はじめに、「国等の考え方の経緯」です。5月 19 日に東京都下水道局から汚
泥焼却灰の放射性セシウムについて、29,000 Bq/kg ぐらいの高い数値が出たと
いう発表がありましたが、こうした状況の中で6月 16 日に原子力災害対策本部
から「放射性物質が検出された上下水処理施設等副次産物の当面の取扱に関す
る考え方」が出ています。3点を抜粋すると、①処理・輸送・保管に伴い、周
辺住民の受ける線量について、1mSv/年を超えない。②処理等を行う作業者
が受ける線量について1mSv/年を超えないことが望ましい。ただし、電離放
射線障害防止規則(電離規則)を遵守。③8,000Bq/kg 以下の脱水汚泥等について
は、跡地利用に供しない、土壌層の設置等にて埋立処分は可能ということです。
これらは廃棄物以外の話になります。
次に、6月 23 日に環境省から「福島県内の災害廃棄物の処理方針」が出てい
ます。これには、主灰については、8,000Bq/kg 以下については管理型処分場で
処分、8,000Bq/kg を超えるものについては一時保管、100,000Bq/kg を超えるも
のについては遮蔽施設の中で保管しなさい。飛灰については、100,000Bq/kg を
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超えないものは一時保管、100,0000Bq/kg を超えるものは遮蔽設備の中で保管し
なさい。被ばくについては、電離則の関連規則を順守しなさいといったような
ことが書かれています。
後ほど、一組で実施した放射能測定結果について御説明しますが、それを受
けて、東京都環境局から6月 27 日に「23区清掃工場の放射能測定結果を受け
た埋立処分場における対応について」が出ています。抜粋すると、焼却灰の当
面 の 取 扱 に つ い て 、 8,000Bq/kg を 超 え るも の は 一 時 保 管 し てく だ さ い 。
8,000Bq/kg 以下の飛灰については、最終処分場で飛灰と主灰を分けて、埋立処
分してください。主灰については従来どおりといったような考えが出ています。
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ほぼ同じく、6月 28 日に環境省から「一般廃棄物焼却施設における焼却灰の
測定及び当面の取扱いについて」が出ています。先ほどの6月 23 日のものは、
福島県内におけるということでしたが、こちらは福島県外の施設についてもこ
ういったことをやってほしいという内容です。焼却灰の測定をしてください。
当面の取扱いとして、先ほどの東京都と同じですけれども、8,000Bq/kg を超え
るものは一時保管してください。作業者の安全確保として、適用となるセシウ
ム濃度は、10,000Bq/kg ベクレルを基準にしてくださいといったことが示されて
います。
それから、環境省が質問に答える形でホームページに「一般廃棄物処理施設
及び焼却灰の測定及び当面の取扱いについて(平成 23 年7月 2 日)」を出して
います。内容は、
『飛灰に関してキレート処理を行っている場合の測定対象はど
こになるのか?』という質問に対して、
『キレート処理後のもので測定をしてく
ださい。』といった回答が出ています。
次に、8 月 11 日に環境省から「災害廃棄物の広域処理の推進について」が出
ています。処理方針から抜粋すると、まず、十分な処理能力を有する排ガス処
理装置が設置されていることが条件ということです。それから、8,000Bq/kg 以
下の主灰については埋立可能、8,000Bq/kg を超えるものについては安全性が確
認されるまで一時保管してくださいという方針が示されたということです。
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次に、8月 31 日に環境省が、8,000Bq/kg を超え 100,000Bq/kg 以下の焼却灰
等の処分方法について考え方を示しました。これはホームページ上に絵があっ
たので、それを引用したものですが、3つの方法が示されています。一つ目(左)
が隔離層の設置による埋立てで、下に土壌層を作っておいて隔離層を作り、中
に焼却灰の固化物を入れて、上にまた隔離層でフタをして閉鎖をするといった
イメージです。二つ目(中央)が長期間の耐久性のある容器での埋立てで、容
器等を作るイメージです。三つ目(右)が屋根付きの処分場での埋立てで、焼
却灰固化物の上に屋根を作るイメージです。焼却灰固化物というのは、要はセ
メントを入れて固めてくださいということです。
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Ⅱ
一組の動き
次に、清掃一組の動きについて御説明します。放射能測定については、3月
11 日以前は計っていませんでした。それ以降も、それほど出るとは思っていま
せんでした。きっかけとしては、5月 23 日~6月 21 日の間に、まず、灰溶融
設備から出る溶融スラグの測定をしました。この時に稼動していた5施設で、
放射性セシウムの検出値は 16~88Bq/kg でした。この結果はホームページにも
出ています。この数字だけでしたら、それほどでもないのですが、それ以降、
6月 16 日から6月 24 日にかけて、焼却灰、飛灰等の測定を行いました。数値
については、後ろのスライドで話しますが、この数値が高かったということも
あり、6月 25 日・26 日の土日に周辺の空間線量率を測定しました。その後、6
月 27 日に江戸川清掃工場の飛灰が 8,000Bq/kg を超えたということでプレス発
表を行いました。
先ほど、国の流れのところで、若干、御説明をしたんですが、国の方は福島
県以外の地域に対しての考え方を出していませんでしたので、7月 12 日とその
前にも一回、福島県以外の地域における取扱いについてどうするか示してほし
いといった要望を出しているといった状況です。8,000Bq/kg を超えた江戸川清
掃工場の飛灰ですが、7月 13 日からフレコンバッグに詰めて、中央防波堤外側
の処分場に排出しました。この辺については、後ほど写真でもう少し御説明し
ます。
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Ⅲ
焼却灰等の放射線濃度等測定の経緯と結果
次に測定の経緯ですが、4月から5月にかけて、下水道などで放射能の数値
が高いものが出てきたということもあり、皆さんからのお問い合わせが増えて
きましたので、確認のため測定に入りました。先ほどの繰り返しになりますが、
5月から6月にかけて採取・分析を始めました。それから江戸川清掃工場の飛
灰から 9,740Bq/kg を検出したため、緊急で全清掃工場で周辺の敷地境界と工場
内設備の空間線量率を測定し、併せて数値を公表しました。こういったものに
つきましては、順次、採取・測定をし、結果が出たところで公表しています。
次は測定結果をまとめたものです。今、御説明したように、6月末から8月
下旬までをまとめておりますが、こういった傾向の数字が出ています。主灰と
いわれる焼却灰は、月一回の頻度で測定しています。それから飛灰、いわゆる
ろ過式集じん器で捕集した灰は、2週間に一回の頻度で測定しています。それ
から処理飛灰というのは、飛灰にダイオキシン対策等でキレート剤を入れて混
練り処理をしたものですが、これも2週間に一回の頻度で測定しています。そ
れから汚水処理汚泥は、汚水処理施設から出る汚泥ですが、これも月一回の頻
度です。それから放流水は、系外に出ていくものですが、これも月一回の頻度
です。排ガスについては、2か月に一回の頻度で測定をしています。それから
数値の方を御覧いただくと、カッコ書きで平均値を記載しています。主灰は6
月下旬が 99~1,290Bq/kg、8 月は 72~855Bq/kg。飛灰は、江戸川清掃工場で数
値が高く、7月の方が高くなりましたが、8月の下旬には 8,470Bq/kg で、この
後はもう少し下がってきています。それから飛灰処理汚泥は、先ほど言ったと
おり、国が7月上旬に考え方を出してきましたので、測定を開始しました。7
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月上旬の平均値 2,880Bq/kg から、8 月下旬には 2,040Bq/kg ぐらいになっていま
す。それから処理汚泥は、7月は不検出から 518 Bq/kg、8月は不検出から
362Bq/kg で、平均値も若干下がってきています。放流水は、ほとんどのところ
で不検出ですが、8月で 30Bq/kg というのが出ているのは、江戸川清掃工場で
す。それから排ガスは、すべての清掃工場で不検出です。以上が8月下旬まで
ということです。表に入れきれなかったんですが、それ以降も当然測定してい
ます。この表を見ると、平均が下がってきたかなと思っていたんですが、残念
ながら9月の測定結果では、若干上がっているところがありまして、ホームペ
ージに出しているので御覧いただきたいのですが、主灰は 50~700Bq/kg と平均
だと若干上がっています。それから飛灰についても 720 Bq/kg とか、一番高い
江戸川清掃工場で 13,630Bq/kg まで上がってしまいました。平均ですと約
3,000Bq/kg くらいです。それから処理飛灰は、平均的には 2,400Bq/kg くらいま
で上がってきています。ただし、排ガス関係は不検出です。放流水は江戸川清
掃工場で若干出ていますが、他の清掃工場では不検出といったところです。こ
ういったことで表にまとめていますが、各清掃工場の細かい数値については、
定期補修工事等で停まっている清掃工場は除きますけれども、ホームページで
2週間に一回更新して公表していますので、全てをお知りになりたい場合はそ
ちらを御覧ください。よろしくお願いいたします。
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今、説明した内容を若干分かりやすくグラフで示したものです。全清掃工場
の平均といったところです。
Ⅳ
8,000Bq/kg を超える処理飛灰の一時保管
次は処理飛灰(飛灰処理汚泥)の一時保管について御説明します。先ほど、
国等の考え方の中でありました一時保管の場合の考え方からの抜粋ですが、フ
レコンバッグに灰を入れて、最終処分場へ持って行く。それから遮水処理をし
て一時保管するというものです。
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江戸川清掃工場での実際の話をします。後で写真でも説明しますが、放射性
物質を含んだ処理飛灰が出るという想定を普通はしていないので、設備改造を
一部迫られました。考え方の中でフレコンバッグに入れなさいということです
が、普通はフレコンバッグに入れることは想定していませんので、フレコンバ
ッグに入れられるような設備を設置しました。既存の搬出方法ではフレコンバ
ッグを付けることはできないので、付けられるように搬出用専用ホッパを新設
したということです。フレコンバッグには、一回にそんな多くの処理飛灰は入
らないので、一回ごとに最終処分場に持っていくというわけにはいきません。
また、排出先との調整もありますので、清掃工場内で一定期間仮保管し、その
後、天蓋車にフレコンバッグを積み込んで最終処分場に持っていくということ
になります。フレコンバッグは1トン入る仕様なんですが、そこまできっちり
と入れられないので、500~600kg ぐらいの量になります。実際に7月 13 日から
9月2日まで運びましたが、この時のフレコンバッグの搬出数は 895 袋でした。
トン数で言うと大体 500 トン程度になります。残念ながら、先ほど御説明した
ように、放射能の数値がまた上がってきていますので、今月になってから再度
同じような作業を始めています。まだそれほどの数量は出ていませんが、現状
では江戸川清掃工場につきまして、同様の作業をしているという状況です。
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新設した処理飛灰の搬出用専用ホッパの写真です。上の部分が通常のホッパ
です。ここに灰クレーンから灰を投入し、排出の車が下にいて、灰を積んで出
ていくんですが、今回はそういうことができないので、この通常のホッパの下
に2段ホッパのような形をしたフレコンバックへの排出口をオーダーメイドで
作りました。職員も写真に写っていますが、タイベックの作業着を着て防塵マ
スクを付けて作業をしています。
通常のホッパ
搬出用専用ホッパ
これがフレコンバックを、場内の一時仮置場所に持っていくための作業です。
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これが場内における一時仮置の状態です。
これがフレコンバッグの積み出しです。左の青い車が天蓋車で、こちらが搬
出車になります。これにクレーン車でフレコンバッグを積み上げて、最終処分
場へ持っていくかたちになります。ここまでが排出です。
続きまして、最終処分場(新海面処分場)での一時保管の方法です。後で写真
をお見せしますが、5段階の手順になっています。まず、(1)地面の上にベン
トナイトを 30 センチの厚さに敷きます。ベントナイトを敷くことによって地下
に浸透しないようにして、(2)その上に江戸川清掃工場で詰め込んだフレコン
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バッグを置きます。(3)その上に雨が当たらないように遮水のゴムシートを掛
けて、(4)放射能等が飛散しないようにといったことも含めて覆土します。さ
らに、(5)その上に掛けた土が流出しないように、また飛散を防止するという
ことでブルーシートを掛けます。それを図で示したものがこれです。
ここからが現場の作業写真になります。これがベントナイトを敷設している
様子です。ベントナイトは浸透を防止するための路盤材になります。細長い感
じに敷設していて、でき上がると古墳のような感じになります。
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これがフレコンバッグを置いている様子です。
この上に遮水ゴムシートを敷いて、
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覆土をしてやる。
これが断面を示したもので、ベントナイトがあって、フレコンバッグ、遮水
ゴムシートがある、ということです。
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その上をブルーシートで覆い、飛ばないように土嚢を置いて、雨水の流入を
防ぎ、放射能の拡散等を防止しているということになります。フレコンバッグ
を持っていけば、その日のうちにこの作業までやるというのが基本となります。
ここまでが現状の、どうしても出てしまった江戸川清掃工場の処理飛灰の保管
の経緯を示したものです。
引き続いて、話題を変えまして、内部的規程の話になりますが、放射線防止
の体制の検討というものをしています。
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この目的は、先ほどお見せしたように職員が放射能に関係するものを扱う際
の対策のための指針を作りましたということです。目的は被ばくの防止という
ことになりますが、清掃工場の場合は職員以外にも常駐している委託の職員も
おります。それから定期補修工事などの場合は工事業者、それ以外でも清掃業
者等が入ることがあります。そういった方々に対しても、こういった対策を取
って作業してくださいということで当組合で作ったものです。一つは作業の方
法と管理体制といったところを明確にしました。
ここで私どもが出したのは、被ばく限度の考え方として、常時、365日常
勤の作業員、委託業者にも常勤の方がいますが、そういった作業員に対しての
被ばく限度の考え方として、年間1mSvを超えないと考えているところです。
この1mSvというのは、先ほど福士先生の話にも出ていましたが、いわゆる
公衆衛生において被ばくする量は1mSvですので、一番小さいところに合わ
せたというところです。それから定期補修工事で入ってくる請負業者に対して
ですが、定期補修工事業者は一年間ずっと入っているわけではなく、3か月間
位ですので、この間にどれくらい被爆してしまうと1mSvを超えてしまうの
かといったことになります。清掃一組としては、定期補修工事の期間中しか管
理をすることができませんので、期間が3か月であれば250μSv相当につ
いて管理をしてくださいということでお願いをしています。
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こういったことをやるには、それなりに費用がかかりますということで、測
定器も色々と購入しました。空間線量計と呼ばれるシンチレーション式サーベ
イメータなど、こういったものについては各清掃工場に一台ずつ配置をしてい
ます。これは清掃工場もそうですが、敷地境界も計れますので、これを活用し
て、計った結果については、先ほどの繰り返しになりますが、公表しておりま
すので御覧いただきたいと思います。あと、作業時に対しては、こういった被
ばくのおそれのある作業をする場合については管理をするということで、個人
線量計を付けて作業するということを考えています。
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これは防止対策ということで、参考までに聞いていただければいいんですけ
ども、シンチレーション式サーベイメータ、個人線量計、サーベイメータなど、
これだけの台数を用意しましたということです。なかなか入手できない状況に
なっていて苦労しました。リースしたりもしました。
これはホームページに出したものですが、環境監視項目の状況定期報告につ
いてまとめています。現状で煙突の排ガスにおける放射性物質はすべての清掃
工場で不検出でした。それから系外に出ているもの、放流水になりますが、微
量の放射性物質を含んだ3検体がありましたが、それ以外の清掃工場につきま
してはすべて不検出でした。先ほど申し上げたように、検出した3検体は、江
戸川清掃工場と墨田清掃工場で若干出ましたということです。それから空間線
量率の測定結果ですけれども、すべての清掃工場で周辺地域の皆さんのところ
の空間線量率等のほぼ同等の数値ということで、清掃工場からの影響はないと
考えているところです。
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最後に災害廃棄物の受入についてということで、清掃一組がやっているわけ
ではないんですが、9月 28 日に東京都環境局の方から発表している内容の御紹
介です。災害廃棄物の基本協定というのを岩手県と東京都と東京都環境整備公
社の3者で結びますよということです。協定期間としては、平成 23 年9月 30
日から平成 26 年3月 31 日までです。先行事業ということで、災害廃棄物の種
類は混合廃棄物で量としては 1,000 トン、排出予定は 10 月から 11 月というよ
うなことが東京都のホームページに出ています。スキームとしては、東京都、
被災地県、環境整備公社があって、協定を結ぶといった事を考えているという
ことです。一組についても決まっているものではなくて、東京都としてこうい
ったスキームを考えているといったものです。被災地県としては、福島県は入
っておらず、岩手県と宮城県ということで考えているようです。
以上で私の方からの説明を終わります。
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