マタイ - 日本学生宣教会 細き聲

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ほ そ き こえ
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細き聲
聖書研究
大いなる強き風山を裂き岩石を砕きしが風の中にはエホバ在さざりき、風の後に地震ありしが地震の中にはエホバ在さざりき。
又地震の後に火ありしが、火の中にはエホバ在さざりき、火の後に静なる細微き声ありき。
列王記略上19:11、12 明治元訳聖書
日本学生宣教会
マタイによる福音書
5章22節
†
日本語訳聖書
【漢訳聖書】
Matt. 5:22 然我語爾、凡無故怒兄弟者、必千於審判、凡罵其弟兄曰愚拙者、必千於公會、凡罵其兄弟曰狂妄者、
必千地獄之火。
【明治元訳】
Matt. 5:22 然(され)ど我(われ)なんぢらに告(つげ)ん凡(すべ)て故(ゆゑ)なくして其兄弟(きやうだい)を怒(いか)
る者は審判(さばき)に干(あづか)らん又(また)その兄弟を愚者(をろかもの)よといふ者は集議(しふぎ)に干(あづか)
らん又狂妄(しれもの)よといふ者は地獄(ぢごく)の火(ひ)に干(あづか)るべし
【大正文語訳】
Matt. 5:22 されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よとい
ふ者は、衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし。
【ラゲ訳】
Matt. 5:22 然れど我汝等に告ぐ、総て其兄弟を怒る人は裁判せらるべし、其兄弟を愚者よと云ふ人は衆議所の
處分を受けん、狂妄者よと云ふ人は地獄の火に當るべし。
【口語訳】
Matt. 5:22 しかし、わたしはあなたがたに言う。兄弟に対して怒る者は、だれでも裁判を受けねばならない。
兄弟にむかって愚か者と言う者は、議会に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ
込まれるであろう。
【新改訳改訂3】
Matt. 5:22 しかし、わたしはあなたがたに言います。兄弟に向かって腹を立てる者は、だれでもさばきを受け
なければなりません。兄弟に向かって『能なし』と言うような者は、最高議会に引き渡されます。また、
『ばか者』
と言うような者は燃えるゲヘナに投げ込まれます。
【新共同訳】
Matt. 5:22 しかし、わたしは言っておく。兄弟に腹を立てる者はだれでも裁きを受ける。兄弟に『ばか』と言
う者は、最高法院に引き渡され、
『愚か者』と言う者は、火の地獄に投げ込まれる。
【バルバロ訳】
Matt. 5:22 だが私は言う、兄弟に怒る人はみなさばきを受け、兄弟に向かって<白痴>と言う人は衆議所にわ
たされ、<気違い>と言う人は火のゲヘナに処せられる。
【バルバロ訳】
Matt. 5:22 だが私は言う、兄弟に怒る人はみなさばきを受け、兄弟に向かって<白痴>と言う人は衆議所にわ
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たされ、<気違い>と言う人は火のゲヘナに処せられる。
【フランシスコ会訳】
Matt. 5:22 しかし、わたしはあなたがたに言う。兄弟に対して怒る者は皆裁きを受ける。また兄弟に『愚か者』
と言う者は、衆議会に引き渡され、
『ばか者』と言う者は、火の地獄に落とされる。
【日本正教会訳】
Matt. 5:22 然れども我爾等に語ぐ、凡そ故なくして、其兄弟(けいてい)を怒る者は審判に干(あづか)らん、
其兄弟(けいてい)に愚拙(おろかもの)よと曰ふ者は公會に干(あづか)らん、狂妄(しれもの)よと曰ふ者
は火の地獄(ゲエンナ)に干(あづか)らん。
【塚本虎二訳】
Matt. 5:22 しかしわたしはあなた達に言う、兄弟に腹をたてる者は皆、
(ただそれだけの理由で、天国の)裁判
所で罰せられる。兄弟に馬鹿と言う者は、最高法院で罰せられる。畜生と言う者は、火の地獄で罰せられる。
【前田護郎訳】
Matt. 5:22 しかしわたしはあなた方にいう、すべて兄弟を怒るものは裁きにあおう。兄弟に愚かものというも
のは最高法院(サンヘドリン)にかけられよう。痴(し)れ者というものは火の地獄(ゲヘナ)に投げ込まれよう。
【永井直治訳】
Matt. 5:22 されぢ我は汝等に云はん、すべて輕ろ輕ろしくその兄弟を怒る者は裁に當るべし。また誰にてもそ
の兄弟に對(むか)ひて、愚者よ、といはん者は議会に當るべく、また誰にても、痴者(しれもの)よ、といは
ん者は火のゲヘナにまで當るべし。
【詳訳聖書】
Matt. 5:22 けれども私はあなたたちに告げる、だれでも自分の兄弟に対して怒りを持ち続ける<彼に対して恨
み[敵対心]をいだく>者は、法廷で科せられる刑罰を受けなければならない<それをのがれることができない>。
また自分の兄弟に対して軽べつをもって<侮辱して>物を言う者は、サンヘドリン[エルサレムの最高法院]から
科せられる刑罰を受けなればならない<それをのがれることができない>。またおまえはのろわれた愚か者<風
てん>だ、と言う者は、火の地獄<ゲヘナ>に入れられなければならない<それをのがれることができない>。
†
ギリシャ語聖書
Interlinear
Matt. 5:22 evgw. de. le,gw u`mi/n o[ti pa/j o` ovrgizo,menoj tw/| avdelfw/| auvtou/ e;nocoj e;stai th/| kri,sei¥ o]j dV a'n ei;ph| tw/| avdelfw/|
auvtou/( ~Raka,( e;nocoj e;stai tw/| sunedri,w|¥ o]j dV a'n ei;ph|( Mwre,( e;nocoj e;stai eivj th.n ge,ennan tou/ puro,jÅ
evgw.
de.
I
But
e;nocoj
liable
o]j
and
dV
e;stai
shall be
†
u`mi/n
that
th/|
kri,sei¥
pa/j
o`
everyone
ovrgizo,menoj
tw/|
being angry with the
avdelfw/|
brother
auvtou/
of him
to the judgment:
a'n
whoever
o[ti
you,
ei;ph|
whoever
o]j dV a'n
and
le,gw
tell
says
ei;ph|(
says,
私訳(詳訳)
tw/|
avdelfw/|
to the
brother
Mwre,(
e;nocoj
Fool,
liable
auvtou/(
of him,
e;stai
shall be
eivj
in
~Raka,(
Raca,
e;nocoj
liable
th.n ge,ennan
the gehenna
e;stai
shall be
tou/ puro,jÅ
tw/|
of fire.
sunedri,w|¥
to the council;
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【私訳】 「しかし、わたしは言っておく。自分の兄弟に腹を立てる(怒る)者は誰でもみな(一人残らず)
審判を受ける。そして、自分の兄弟に『ラカ 愚か者、馬鹿』と言う者は最高法廷(サンヘドリン)に引き
渡される(免れない)。そして、自分の兄弟に『モーロス (愚図、おろか)』と言う者は誰でもみな火の
地獄(ゲンヒンノムの谷)に引き渡される(免れない)」
†
新約聖書ギリシャ語語句研究
【しかし】 de. de, デ de {deh}
(ch 接続詞・完)
1)ところで、しかし 2)そしてまた、 さて 3)次に、さらに
【私は】 evgw. evgw,
エゴー egō {eg-o‘}
1) 私、わたし
【あなた方に】 u`mi/n su, ¥ スウ sou {soo}
1)あなた
(npn-1s 代名詞・主1単)
(npd-2p 代名詞・与2複)
【言っておく】 le,gw le,gw
レゴー legō {leg‘-o}
(vipa--1s 動詞・直・現・能・1)
1)言う、告げる、語る、話す、言い表す、述べる 2)呼ぶ、命ずる、指図する 3)名づける
【彼の】 auvtou/ auvto,j アウトス autos {ow-tos‘}
(npgm3s 代名詞・属男3)
1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに
【兄弟に】 avdelfw/| avdelfo,j
アデルフォス adelphos { ad-el-fos‘ }
(n-dm-s 名詞・与男)
< a 共通の、同じ + delfu,j 胎
1)対の、一対の 2)兄弟、血縁者 2)似た、一致した 3)同胞、同国人 4)隣人 5)自分と
同じ親を持つ者
【腹を立てる者は】 ovrgizo,menoj ovrgi,zw
オルギゾー orgizō {or-gid‘-zo}
(vppnnm-s 分詞・現能欠主
男単)
1)怒らせる 2)怒りやすい、すぐ怒る 3)怒っている 4)腹を立てる
異本に「理由なくして」の句を挿入するものがある(新改訳 注) 「理由なくして兄弟に腹を立てる者」
か
が
永井訳 「軽ろ軽ろしくその兄弟を怒る者は」
【だれでも】 pa/j
pa/j パース
pas {pas}
(a--nm-s 形容詞・主)
1)どれでも、何であれ、何でも、あらゆる
2)、~全部の、あらんかぎりの、1つも欠けが無い、ひと
り残らず 3)混じりものがなく、純粋な
pa/sai パーサイ 「pa/j どれでも、全体の」の複数形
【裁きを】 kri,sei kri,sij クリシス krisis {kree‘-sis}
(n-df-s 名詞・与女単)
1)分けること、判断する 2)裁く、審判 3)裁判所 4)判決、刑罰、公平、公正、公義、正義
【受ける】 e;nocoj e;nocoj エノコス
enochos {en‘-okh-os}
(a--nm-s 形容詞・主男単)
1)免れない 2)~の中でに閉じ込められた、入れられた 3)~を受けなければならない、服すべき
責任がある、義務がある 4)罪がある、縛られた
【のである】 e;stai
eivmi
エイミ eimi {i-mee‘}
(vifd--3s 動詞・直・未来・能欠・3単)
1) ある、~である、~です 2)行われる、おこる、生ずる、現れる 3)いる、滞在する 4)存在す
る
【そして】 dV de, デ de {deh}
(cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし 2)そしてまた、 さて 3)次に、さらに
【その】 auvtou/ auvto,j アウトス autos {ow-tos‘}
(npgm3s 代名詞・属男3)
1) 彼・それ(三人称の代名詞) 2)自身(強調用法) 3)同じ 4)まさに
【兄弟に】 avdelfw/| avdelfo,j
アデルフォス adelphos { ad-el-fos‘ }
(n-dm-s 名詞・与男)
< a 共通の、同じ + delfu,j 胎
1)対の、一対の 2)兄弟、血縁者 2)似た、一致した 3)同胞、同国人 4)隣人
同じ親を持つ者
【ばか者】 ~Raka, r`aka, ラカ
rhaka {rhak-ah‘} (n-vm-s 名詞・呼男単)
1)空虚な、頭のからっぽな 2)間抜け、愚者、馬鹿者、能なし
5)自分と
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アラム語 reqa に由来する。
新改訳「能なし」
【と言う者は】 ei;ph|
ei=pon エイポン eipon {i‘-pon}
(vsaa--3s 動詞・仮・2アオ・能 3)
1) 言う、話す、語る、告げる、言いあらわす 2)命じる、願う、尋ねる
2)~と呼ぶ、称する
【誰でも】 o]j a'n
o[j ホス hos {hos} (-aprnm-s 関代名詞・主男単)
1)この~
a'n a;n アン
an {an} (qv 不変化詞)
1)~まで 2)(~ならば~)です(仮定文で)
【最高法廷に】 sunedri,w| sune,drion ¥ スネドリオン
sunedrion {soon-ed‘-ree-on} (n-dn-s 名詞・与中単)
< su,n 共に + e[dra 座、席
1)共に座すこと 2)議会、衆議所、地方議会 3)エルサレムの最高法院、サンヘドリン
【引き渡され】 e;nocoj e;nocoj エノコス
enochos {en‘-okh-os}
(a--nm-s 形容詞・主男単)
o]j
1)免れない 2)~の中でに閉じ込められた、入れられた 3)~を受けなければならない、服すべき
責任がある、義務がある 4)罪がある、縛られた
【る】 e;stai
eivmi
エイミ eimi {i-mee‘}
(vifd--3s 動詞・直・未来・能欠・3単)
1) ある、~である、~です 2)行われる、おこる、生ずる、現れる 3)いる、滞在する 4)存在す
る
【そして】 dV de, デ de {deh}
(cc 接続詞・等位)
1)ところで、しかし 2)そしてまた、 さて 3)次に、さらに
【愚か者】 Mwre, mwro,j モーロス
mōros {mo-ros‘}
(ap-vm-s 形容詞・呼男単)
1)愚かな、馬鹿な、ぐずの、のろのろした 2)気の抜けた、味のない
ヘブル語 marah 「そむく、手に負えない」から来た言葉で、英語 moron 魯鈍、痴愚の語源
【と言う者は】 ei;ph|
ei=pon エイポン eipon {i‘-pon}
(vsaa--3s 動詞・仮・2アオ・能 3)
1) 言う、話す、語る、告げる、言いあらわす 2)命じる、願う、尋ねる
2)~と呼ぶ、称する
【誰でも】 o]j a'n
o[j ホス hos {hos} (-aprnm-s 関代名詞・主男単)
1)この~
a'n a;n アン
an {an} (qv 不変化詞)
1)~まで 2)(~ならば~)です(仮定文で)
【火の地獄に】 eivj th.n ge,ennan tou/ puro,jÅ
【火の】 puro,j pu/r プル pur {poor} (n-gn-s 名詞・属中単)
1)火 2)審判の火 3)火祭に積み重ねた薪、燃えさかる火、薪の台の上で犠牲の供物を焼く
【地獄に】 ge,ennan ge,enna ゲエンナ
geenna {gheh‘-en-nah} (n-af-s 名詞・対女単)
1)地獄、ゲヘナ 2)ヒンノムの谷
エルサレムの南のヒンノムの谷を指す。そこで幼児犠牲が行われ、汚物や死人を焼く炎があった。
o]j
【に】 eivj eivj エイス eis {ice} (pa 前置詞・対)
1)~の中へ2)へ 3)まで 4)のために 5)に対して 6)に向かって
【引き渡され】 e;nocoj e;nocoj エノコス
enochos {en‘-okh-os}
(a--nm-s 形容詞・主男単)
1)免れない 2)~の中でに閉じ込められた、入れられた 3)~を受けなければならない、服すべき
責任がある、義務がある 4)罪がある、縛られた
【る】 e;stai
eivmi
エイミ eimi {i-mee‘}
(vifd--3s 動詞・直・未来・能欠・3単)
1) ある、~である、~です 2)行われる、おこる、生ずる、現れる 3)いる、滞在する 4)存在す
る
†
英語訳聖書
Latin Vulgate
5:22 ego autem dico vobis quia omnis qui irascitur fratri suo reus erit iudicio qui autem dixerit fratri suo
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racha reus erit concilio qui autem dixerit fatue reus erit gehennae ignis
King James Version
5:22 But I say unto you, That whosoever is angry with his brother without a cause shall be in danger of the
judgment: and whosoever shall say to his brother, Raca, shall be in danger of the council: but whosoever shall
say, Thou fool, shall be in danger of hell fire.
American Standard Version
5:22 but I say unto you, that every one who is angry with his brother shall be in danger of the judgment; and
whosoever shall say to his brother, Raca, shall be in danger of the council; and whosoever shall say, Thou fool,
shall be in danger of the hell of fire.
New International Version
5:22 But I tell you that anyone who is angry with his brother will be subject to judgment. Again, anyone who
says to his brother, `Raca, ' is answerable to the Sanhedrin. But anyone who says, `You fool!' will be in danger
of the fire of hell.
Bible in Basic English
5:22 But I say to you that everyone who is angry with his brother will be in danger of being judged; and he
who says to his brother, Raca, will be in danger from the Sanhedrin; and whoever says, You foolish one, will
be in danger of the hell of fire.
Darby's English Translation
5:22 But I say unto you, that every one that is lightly angry with his brother shall be subject to the judgment;
but whosoever shall say to his brother, Raca, shall be subject to be called before the sanhedrim; but
whosoever shall say, Fool, shall be subject to the penalty of the hell of fire.
Douay Rheims
5:22 But I say to you, that whosoever is angry with his brother, shall be in danger of the judgment. And
whosoever shall say to his brother, Raca, shall be in danger of the council. And whosoever shall say, Thou
Fool, shall be in danger of hell fire.
Noah Webster Bible
5:22 But I say to you, That whoever is angry with his brother without a cause, shall be in danger of the
judgment: and whoever shall say to his brother, Raca, shall be in danger of the council: but whoever shall say,
Thou fool, shall be in danger of hell-fire.
Weymouth New Testament
5:22 But I say to you that every one who becomes angry with his brother shall be answerable to the
magistrate; that whoever says to his brother 'Raca,' shall be answerable to the Sanhedrin; and that whoever
says, 'You fool!' shall be liable to the Gehenna of Fire.
World English Bible
5:22 But I tell you, that everyone who is angry with his brother without a cause shall be in danger of the
judgment; and whoever shall say to his brother, 'Raca,' shall be in danger of the council; and whoever shall
say, 'You fool,' shall be in danger of the fire of Gehenna.
Young's Literal Translation
5:22 but I -- I say to you, that every one who is angry at his brother without cause, shall be in danger of the
judgment, and whoever may say to his brother, Empty fellow! shall be in danger of the sanhedrim, and
whoever may say, Rebel! shall be in danger of the gehenna of the fire.
†
細き聲 聖書研究ノート
<理由なくして腹を立てる>
「兄弟に腹を立てる者」 異本に「理由なくして」の句を挿入するものがある(新改訳
注)
「理由なくして
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兄弟に腹を立てる者」。親しき者が「理由なく腹を立てる」のは、「理由」が深くにある為である。隠された理
由に気づけと訴えているのかもしれない。
箴言は「怒る人は爭端(あらそひ)を起し憤る人は罪おほし」として「怒る者と交ること勿れ 憤ほる人とともに
往ことなかれ」と警告する。
(箴言29:22、22:24)
それは神が「罪を赦す神にして恩惠あり憐憫あり怒ること遅く慈悲厚くまします」お方であるからである。
(ネヘ
ミヤ9:17 明治元訳聖書)
<ばか者>
「ばか者 r`aka, ラカ
rhaka {rhak-ah‘}」は「空虚な、頭のからっぽな、間抜け、愚者、馬鹿者、能なし」
の意味である。
新改訳「能なし」、大正文語訳「愚者」、詳訳聖書「兄弟に対して軽べつをもって<侮辱して>物を言う」
。
<最高法廷>
「最高法廷 sune,drion ¥ スネドリオン
sunedrion {soon-ed‘-ree-on}」はエルサレムの宗教的最高法院、サン
ヘドリンである。大祭司が議長を務め、71人の議員から構成された。
<愚か者>
「愚か者 mwro,j モーロス
mōros {mo-ros‘}」は「愚かな、馬鹿な、ぐずの、のろのろした、気の抜けた、
味のない」を意味し、ヘブル語 marah 「そむく、手に負えない」から来た言葉で、英語 moron 魯鈍、痴
愚の語源である。
文語訳「痴者(しれもの)
」ラゲ訳「狂妄者(しれもの)」 詳訳聖書「のろわれた愚か者(風てん)」。
<火の地獄に>
エルサレムの南のヒンノムの谷があり、そこで幼児犠牲が行われ、汚物や死人を焼く炎があった。そこから「ヒ
ンノムの谷」が「火の地獄」と呼ばれた。
†
心のデボーション
「されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、
衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし」 マタイ5:22 大正文語訳聖書
「ばか者 r`aka, ラカ」はアラム語 reqa で「空虚な、頭のからっぽな、間抜け、愚者」を意味し、相手を空
虚な存在と見ること。この思考から、やがて価値なき者として排除しようとする動きがはじまる。それは存在を
殺すことである。
「愚か者、のろま
mwro,j モーロス」は「ぐずの、のろのろした、気の抜けた、味のない」である。
兄弟を「ばか、能無し r`aka, ラカ」、「愚か者、のろま
mwro,j モーロス」と呼ぶ者は、どこかでその言
葉を自分に向けられたことがある。
†
心のデボーション
「無知な者は怒り、嘲笑い、静まることがない。愚か者は自分の感情をさらけ出す。知恵ある人はそれを制し
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静める」 箴言29:9,11
新共同訳聖書
「ばか者 モーロス」「愚か者 ラカ」は、感情をコントロールできない人で、すぐに騒動を起こし、怒り始め
ると手がつけられない。「知恵ある人」とは「怒りを静める」ことの出来る人が「知恵ある人」である。(箴言
29:8)
†
心のデボーション
「されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、
衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし」 マタイ5:22 大正文語訳聖書
そのつもりもないのに人を怒らせてしまうことがある。自分は怒っているのだから相手にも怒って欲しい。しか
し、相手にはその怒りを自分に向けてもらっては困る。ただ、自分と同じ方向で、「怒り」を共有してほしいだ
けという、かなり身勝手な「怒り」である。こうした意味のつたわりにくい「怒り」を向けられると、その人は
本当に怒りはじめてしまう。
†
心のデボーション
「されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、
衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし」 マタイ5:22 大正文語訳聖書
「兄弟に腹を立てる者
ovrgi,zw オルギゾー」は「怒りやすい、すぐ怒る」ことで、「軽ろ軽ろしく兄弟を怒
る」(永井訳)こと。親しき者にこそ怒りを向けてはいけない。それは「殺す」ことである。
†
心のデボーション
「されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、
衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし」 マタイ5:22 大正文語訳聖書
漢字の「愚」は「禺」+「心」で、
「禺」は猿で獣の中でもおろかなものとされた。
「愚者」とは「猿のように道
理にあわないおろかな者」を指す。
†
心のデボーション
「されど我は汝らに告ぐ、すべて兄弟を怒る者は、審判にあふべし。また兄弟に對ひて、愚者よといふ者は、
衆議にあふべし。また痴者よといふ者は、ゲヘナの火にあふべし」 マタイ5:22 大正文語訳聖書
中国には「愚公山を移す」という故事がある。
愚公という名の老人が、自分の家の前に二つの山があって不自由に思い、他へ移そうと土を運びはじめた。人々
は、それを「愚か」と笑ったが、愚公はひるまず、自分が死ねば子どもたちが引き継ぎ、山は移せると言った。
その志は天帝の知るところとなり、山は移された。
(
『列子』湯門篇)
「愚者千慮必有一得 (愚者も多くのことを考えれば、たまにはよい考えを出す)
」という言葉もある。
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愚者をあなどってはいけない。
†
細き聲 説教