メモリオーディオの音質表示

電子情報技術産業協会技術レポート
Technical Report of Japan Electronics and Information Technology Industries Association
JEITA CPR-2601
メモリオーディオの音質表示
The Designation of Audio Quality for Memory Audio
2010 年 3 月制定
作 成
AV&IT 機器標準化専門委員会
AV&IT Equipment Standardization Committee
発 行
社団法人 電子情報技術産業協会
Japan Electronics and Information Technology Industries Association
JEITA CPR-2601
目
次
ページ
まえがき
1
適用範囲
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用語及び定義
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性能表示方法
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1
4
測定方法
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2
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4
解説
参考文献
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JEITA CPR-2601
まえがき
この技術レポートは,社団法人 電子情報技術産業協会 オーディオネットワーク事業委員会が原案を作
成し,AV&IT 機器標準化専門委員会が制定したものである。
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JEITA CPR-2601
電子情報技術産業協会技術レポート
メモリオーディオの音質表示
The Designation of Audio Quality for Memory Audio
1
適用範囲
この技術レポートは,家庭用メモリオーディオ機器に搭載されているコーデック部の特性を,ITU-R
Rec. BS.1387-1 の Basic Version で規定されている客観的な音質測定方法によって評価し,その結果を機器
のカタログ等に記載する場合の表記方法を規定する。
ここでいうメモリオーディオ機器とは音楽用の機器とし,音声(ボイス)記録用機器は適用外とする。
また,装置によってはエンコーダが内蔵されていないで,PC 上のソフトによって処理されるものもあ
るが,そのような機器でも本表示方法を適用してよい。
2
用語及び定義
この技術レポートで用いる主な用語の定義は,次による。
a)
ODG 値(Objective Difference Grade)
評価規格で規定する測定の最終結果として得られる客観評価値のこと。0 から-4 までの負の値を取
り,負の数値(絶対値)が大きくなるほど劣化が大きいことを表す。
b) コーデック部
デジタル化されたリニアな音楽信号を,データ量が少なくなるように圧縮処理するエンコーダ部分
と,その圧縮された信号をリニアな信号に復元処理を行うデコーダ部分の両方を指す。
c)
サンプリング周波数
離散化する単位で標本化周波数ともいわれる。CD では 44.1 kHz。
d) 試験用ソース信号
評価プログラムへ基準信号として加えられる標準音源信号。
e)
デコード信号
評価プログラムの評価される入力へ加えられる信号。1/n に高能率符号化された信号から n 倍に伸長
された信号。
f)
評価規格
ITU-R Rec. BS.1387-1(2001)受聴音質の客観測定方法の Basic Version を使用する。(解説参照)
g)
評価プログラム
上記評価規格の測定を実際に行うプログラムで,この技術レポートでは OPITCOM 社の OPERA を
推奨するが,基本的には評価規格を満足するものであればよい。
3
性能表示方法
性能表示を行いたい装置に使用されているコーデックの特性を 4 項の測定方法に基づいて測定し,平均
ODG 値から下記の表示を行う。
a)
ODG 値>=-2.5 の場合の表示
コーデック音質:標準(JEITA) (英文)Codec Quality: Standard(JEITA)
b) ODG 値<-2.5 の場合の表示
特に規定しない。
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JEITA CPR-2601
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測定方法
4.1
試験用標準音源の準備
試験用の標準音源は CD として供給されている Cat No. 422204-2(1988):EBU Sound quality assessment
material Recordings for subjective tests(SQAM)の中から下記 8 曲を使用する。
Track No.
Duration
Contents
27
0:20
Castanets
32
1:14
Triangles
35
0:59
Glockenspiel
40
0:53
Harpsichord
65
1:52
Orchestra
66
0:18
Wind ensemble
69
0:33
ABBA
70
0:21
Eddie Rabbit
注記 評価規格ではサンプリング周波数は 48 kHz のみで規定されているので,原則は 48 kHz に変換し
た WAV ファイルを作成する。ただし,評価プログラムが 44.1 kHz のサンプリング周波数で測定
が可能な場合は試験用標準音源のサンプリング周波数(44.1 kHz)のままで WAV ファイル作成
することを推奨する。つまり,試験用標準音源となる WAV ファイルのサンプリング周波数は,
48 kHz か 44.1 kHz のどちらかに限られる。また,8 曲はすべての時間をエンコードするものと
し,曲の一部分だけを用いて測定をしてはならない。
4.2
コーデックによる変換データの作成
試験用標準音源を再生し,被測定コーデックのエンコーダでエンコードした後,それを被測定コーデッ
クのデコーダでデコードし,これを WAV ファイルとして作成する。
この場合,エンコーダ処理を PC で行う対象製品の場合は,エンコーダはメーカ指定のソフトを使用し
て実行する。
データ転送(USB 等)
供試装置
メモリ
HDD
デコーダ LSI
D/A
コンバータ
アナログ出力
デジタル出力回路(追加)
デジタル出力:供試装置に出力が
メーカ指定
ない場合は装置を改造し追加回路
ソフトウェア
を設けて測定すること。
エンコーダ
試験用ソース信号
WAV
ファイル
試験用標準音源
測定装置 1 (PC)
デコード信号
評価プログラム
WAV
ファイル
デジタル
入力回路
試験用標準音源
測定装置 2 (PC)(デジタル入力可能な PC で取り込み,後で WAV ファイル化)
図 1―PC によるソフトエンコードと再生専用機器の測定例
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JEITA CPR-2601
4.3
測定プログラムによる評価
4.1 項と 4.2 項で得られた信号をそれぞれ試験用ソース信号とデコード信号として評価プログラム入力し
ODG 値を計算させる。
8 種類の試験用標準音源すべてについて上記評価を行い,得られたそれぞれの ODG 値を平均し小数点
以下 1 桁まで得る。
この値が表示用に用いる平均 ODG 値である。
4.4
1)
測定結果の表示
測定表の例
表 1―ODG 値測定表の例
2)
Track No.
ODG 値
27
-1.95
32
-2.49
35
-1.65
40
-2.96
65
-2.48
66
-2.06
69
-1.89
70
-1.49
8 曲の加算平均
-2.12
8 曲加算平均 ODG 値(四捨五入)
-2.10
カタログ表示の例
コーデック音質:標準(JEITA) (英文)Codec Quality: Standard(JEITA)
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案など)に関する抵触の有無に関係なく制定されています。
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について,責任はもちません。
JEITA CPR-2601
2010 年 3 月発行
発 行 (社)電子情報技術産業協会 コンシューマ・プロダクツ部
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