歯車のピッチ点，ピッチ円

埼玉工業大学機械工学学習支援セミナー（小西克享）歯車のピッチ点，ピッチ円，圧力角－1/2
テーマ E02：
歯車のピッチ点，ピッチ円，圧力角
インボリュート歯車 1 とインボリュート歯車 2 がかみ合って回転するとき，A の歯と B
の歯は a 点で初めて歯面どうしが接触し，歯面の接触点は b 点を通って c 点に到達した後，
作用線
基礎円
A
a 点で接触を開始
a
1
B
2
l
力の作用する方向
ピッチ円
1
2
b
ピッチ点
1
2
c
c 点で外れる
埼玉工業大学機械工学学習支援セミナー（小西克享）歯車のピッチ点，ピッチ円，圧力角－2/2
歯と歯が外れることになります．この間，接触点の軌跡は線分 l を描きます（a-c 間をかみ
あい長さといいます）．この線分 l は，2 つの基礎円の共通接線であり，インボリュートの
性質から歯面と歯面の接触点おいて，2 つの歯面の接線方向は一致し，しかも常に線分 l
に対して直角となります．このことから，A の歯は B の歯に対して線分 l の方向に力を伝
達することがわかります．この基礎円の共通接線を作用線といいます．
接触点の軌跡（2 つの基礎円の共通接線）と歯車中心間を結ぶ線分の交点をピッチ点と
いい，ピッチ点を通り，歯車の回転中心を中止とする円をピッチ円といいます．歯車の回
転は，ピッチ円を直径とする摩擦車の回転と同じものである考えることができ，歯車の減
速比には，以下の関係があります
減速比＝歯数比＝ピッチ円直径比
ピッチ点における歯面の共通接線と歯車の回転中心間の線分がなす角度 を圧力角とい
います．は基礎円共通接線に下ろした垂線と歯車の回転中心間の線分がなす角度や，基
礎円共通接線とピッチ円共通接線のなす角ででもあります．力の作用する方向が，ピッチ
円共通接線から角度だけずれた方向となることを意味しています．
ピッチ円共通接線
ピッチ点での歯面の共通接線
垂線

 圧力角
b


http://www.sit.ac.jp/user/konishi/JPN/L_Support/SupportPDF/PitchPoint_PitchCircle.pdf
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