2.10 統合新会社における労働協約・協定等に関する 労使検討委員会

No.1
No.1962
発
行
日
2012.
2012.2.10
H
2
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9
労 使 検 討 委 員 会
発行者
新日本製鐵君津労働組合
君津市大和田 666-1
℡0439(52)8711㈹
編集責任者
平 野 洋 司
統合新会社における
統合新会社における労働協約
における労働協約・
労働協約・協定等に
協定等に関する
労使検討委員会(
労使検討委員会(その3
その3)
連合会は
連合会は、会社と
会社と、2 月 9 日に「統合新会社における
統合新会社における労働協約
における労働協約・
労働協約・協定等に
協定等に関する労使検討委員会
する労使検討委員会」
労使検討委員会」を開
催しました。
ました。今回は
今回は、経営統合における
経営統合における第一
における第一ステップ
第一ステップである
ステップである『
である『統合新会社設立時点から
統合新会社設立時点から統一的
から統一的な
統一的な対応が
対応が必
要であると考
であると考えられる項目
えられる項目』
項目』のうち、
のうち、福利厚生関係ならびに
福利厚生関係ならびに通勤交通補助
ならびに通勤交通補助について
通勤交通補助について労使
について労使が
労使が意見を
意見を述べ合い
ました。
ました。
【議 長】
ただいまより、第3回「統合新会社における労働協約・協定等に関する労使検討委員会」を開催する。
本日は、労使双方の幹事による事前調整に従い、第一ステップである「統合新会社設立時点から統一的
な対応が必要であると考えられる項目」のうち、社宅・寮といった居住施策や作業服などの一部福利厚生
関係と旅費・通勤交通費補助等について、意見交換を行うこととしたい。それでは、まず会社より意見を
述べていただきたい。
【会 社】
本日意見交換を行う項目については、現行の労働協約・協定等には織り込まれていないものではあるが、
会社としては、これまで労使委員会等の場において労使で話し合いを行ってきた経緯を踏まえると、この
委員会においても、十分な意見交換を行う必要があると考えていることを、まずは申し述べておく。
1.福利厚生関係
会社は、福利厚生施策は、居住、財産形成、教育等、従業員の生活基盤に密接に関わるとの基本認識の
もと、個々人のライフステージに応じた的確な支援を行うべく各施策を展開してきている。統合新会社に
おいては、こうした基本的考え方のもと、これまでの施策の意味合い・背景・効果や近年の社会情勢の変
化等も踏まえ、点検を行う考えである。
本日は、福利厚生施策の中で、社宅・寮貸与等の居住、融資、財形貯蓄、作業服貸与等に関わる事項に
ついて、その考えを述べることとする。
(1)社宅・寮
社宅・寮については、従業員の生活設計の中で大きな要素を占める居住施策であることに鑑み、中長期
的な観点を踏まえつつ、時々の所要に応じた規模を確保してきた。平成9年には住宅融資制度や住宅財形
貯蓄制度による持家支援策を提供することとあわせ、持家取得の準備期間として一定期間貸与することと
し、その考え方の見直しを図ってきた。かかる認識のもと、統合新会社においても貸与に関する取り扱い
を継続する考えであるとともに、両社が保有する施設を相互利用することにより、生活を通じた両社従業
員の一体感醸成に加え、既存施設の有効活用を促進していきたいと考えている。
一方、社宅・寮の入居期限等細部取り扱いや料金体系等については、両社の社宅・寮入居者の実態、仕
様、立地の状況、更には従業員に与える影響等を総合的に勘案の上、必要な改訂を行う考えである。但し、
社宅・寮の新しい料金体系等を適用するまでの間は、両社で運用している現行の社宅・寮利用料金を継続
適用する考えである。
(2)融資制度
これまで融資制度については、特に経済的負担が高い住宅・教育資金への支援を目的として運用してき
たところであり、こうした状況に大きな変化はないことから基本的に継続する考えである。更には、近年
の高齢化の進展に伴って経済的負担が高まっていることも踏まえ、利便性向上や各種資金負担軽減の観点
等から現行制度を点検していきたい。
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(3)財形貯蓄制度
財形貯蓄制度については、ライフステージに応じた資金の積み立てを支援するために、市中の一般金融
商品と比し、金利の優位性に加え、給与控除積立による利便性を有した制度である。統合新会社において
は、利用者の利便性向上の観点等も踏まえつつ、現行制度を再点検し、計画的な財産形成を支援する仕組
みを検討していきたいと考えている。
(4)作業服貸与
作業服については、自身の安全を確保するとともに、職場規律を維持するために従業員が着用する業務
上必要不可欠な基本衣服であることから、必要枚数を会社として貸与することとしており、統合新会社に
おいても、これを継続する考えである。統合新会社における作業服については、安全性、機能性の向上を
図るとともに、新会社のアイデンティティ確立に資する観点から、デザインを一新することを考えている。
なお、新作業服の貸与枚数・時期等の貸与基準については、両社の現行制度を点検し、必要な改訂を行う
考えである。
【組 合】
福利厚生は、賃金・一時金とならぶ主要な労働条件であり、組合員の日々の生活を安定的に支える重要
な柱である。こうした位置付けのもと、引き続き中長期的な視点に立った安定的な施策とするとともに、
ライフステージの変化に伴う個々人のニーズの多様化や世間の動向等を的確に捉えながら、優位性を担保
した魅力ある施策が求められるものと考えている。
(1)社宅・寮
居住施策としての社宅・寮については、個々人の長い会社生活に直接関わるものであり、安心して生活
を営み活力を持って働くとの観点から極めて重要な施策である。加えて、社宅・寮ごとの自治会運営等を
通じて、同僚や家族を含めた会社への帰属意識・一体感の醸成が図られるなど、こうした観点からも重要
な位置付けにあると認識している。
会社は、「統合新会社においても貸与に関する取扱いを継続する考えであるとともに、両社が保有する
施設を相互利用することにより、生活を通じた両社従業員の一体感醸成に加え、既存施設の有効活用を促
進していきたい」と述べるとともに、社宅・寮の入居期限等細部取扱いや料金体系等ついては、「両社の
社宅・寮入居者の実態、仕様、立地の状況、更には従業員に与える影響等を総合的に勘案の上、必要な改
訂を行う」旨を述べられた。
連合会としては、安心して日常生活を送ることができるとの居住施策が持つ意味合いを踏まえた場合、
先ずは、中長期的な人員の動向等を的確に捉えながら、社宅・寮の必要保有数を確保していくことが重要
と考えている。
その上で、入居期限については、平成9年度に示された「総合福祉施策」にもとづき、持家支援策の充
実に併せて、一定年齢以降は持家取得することを基本に貸与満了時期が設けられてきており、既に個々人
の生活設計に組み込まれている状況にあることを十分に踏まえておく必要がある。また、料金体系につい
ては、組合員の生活に直接関わるものであり、現行の取扱い経緯等も十分に踏まえ、慎重に検討すべきと
考える。一方、既存施設の有効活用を促進するとしている点については、まずは各地域・地区における必
要保有数を確保した上で、適正なルールによって公平な取扱いとなるよう十分に留意しておく必要がある
と考える。
(2)融資制度
融資制度は、従業員の自助努力を基本に個々人のライフステージに応じた重点的な支援を行うとの「総
合福祉施策」の考え方にもとづいて、経済的負担が高い住宅取得や子の教育費への支援として、持家支援
策ならびに教育支援策の充実が図られてきており、組合員の生活設計に大きな役割を果たしてきている。
会社は、融資制度について基本的に継続するとした上で、「近年の高齢化の進展に伴って経済的負担が
高まっていることも踏まえ、利便性向上や各種資金負担軽減の観点等から現行制度を点検していきたい」
と述べられた。
連合会としては、住宅取得や子の教育費は、個々人の生活設計・資産形成に大きく関わる要素であり、
それを支援する施策は引き続き重要であると考える。融資制度については、介護・子育てといった社会的
な動向やそれに伴う個々人の経済的な負担等も踏まえ、それを支援する制度として充実していくことが重
要であると考える。
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(3)財形貯蓄制度
財形貯蓄制度についても、「総合福祉施策」の考え方にもとづいて、自己資金の蓄積に関わる制度の充
実が図られてきており、組合員の財産形成に資する制度として大きな役割を持っている。
会社は、「利用者の利便性向上の観点等も踏まえつつ、現行制度を再点検し、計画的な財産形成を支援
する仕組みを検討していきたい」と述べられた。
連合会としては、まずは安定的な制度維持を図るもとで、優位性の担保と利便性向上の観点など、組合
員の財産形成を支援するものとして十分に検討することが重要であると考える。
(4)作業服貸与
作業服は、災害発生を防止し安全を確保する観点や、職場規律を維持することを目的として、それらを
踏まえ、貸与の区分・枚数・期間等を定めた作業服貸与基準に基づいて運用が図られてきている。
連合会としては、安全確保と職場規律を維持する観点から、引き続き、適切な作業服貸与の運用を図っ
ていくことが必要であると考える。そのもとで、デザインの一新にあたっては、現行の女性用作業服も含
め、各箇所・職場の意向等も踏まえるとともに、丈夫で作業性の向上に資する改良やより安全性を向上さ
せる観点から、検討することが必要であると考える。
2.旅費・
旅費・通勤交通費補助
【会 社】
(1)出張旅費
出張旅費は、従業員が社命により勤務地外に移動し業務を行う場合に必要となる交通費、宿泊料および
雑費等に対して、支給しているものである。
会社としては、これらの旅費について、出張に伴う従業員の精神的・金銭的負担等の実態、更には昨今
の交通機関の利便性やそれに伴う肉体的負担の状況等を踏まえ検討していく考えである。
(2)赴任旅費
赴任旅費は、会社の発令に伴い従業員が居所の移動を行う場合に、転居等に必要となる本人および家族
の交通費、転居費用といった必要経費等について支給を行っているものである。
赴任時の手当については、転居等に伴う諸費用に対する補助という性格に鑑み、本人および家族毎に異
なる手当体系を点検することを考えている。
また、単身での赴任者については、家族随伴者に比して必要な生活用品・家財・家具等を新たに買い揃
える必要があるなど、新任地での生活基盤構築のため一定の費用が発生すると考えており、これらを踏ま
えた赴任手当のあり方について検討する考えである。
(3)単身赴任者の一時帰宅交通費ならびに赴任援助手当
次に、単身赴任者の一時帰宅交通費ならびに単身赴任援助手当についてである。
会社としては、従業員が転勤する場合について、家族が帯同し、新勤務地において家族と一緒に生活す
ることが望ましいと考えており、赴任旅費の支給や居住整備等の諸施策を講じているところである。一方
で、子の教育や持ち家の管理等により家族が前勤務地に残らざるを得ない場合など、家族との別居につい
てやむを得ない事情があると会社が認めるケースについては、これまで単身赴任援助手当および一時帰宅
交通費の支給を行ってきたところである。
このうち一時帰宅交通費については継続する考えであるが、単身赴任援助手当については、単身赴任に
伴う必要費用の水準なども踏まえながら、新たな水準を設定することを検討している。
(4)通勤交通費補助
通勤交通費補助は、従業員が居所と勤務場所との間を安全かつ確実に通勤するために必要となる費用補
助を行っているものである。
通勤交通費補助については、補助の対象となる通勤距離や私有車輛通勤者に対する支給額算定の基礎と
なる燃費など全社一律の基準を定めたうえで、各地域における通勤事情を踏まえ、箇所毎に規定・運用し
ており、この取り扱いについては基本的に継続する考えである。なお、全社一律で適用すべき基準につい
ては、現行の制度設定以降、現在までの従業員の通勤事情や車輛性能等の変化を踏まえて、点検を行って
いく考えである。
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【組 合】
(1)出張旅費
会社は交通費・宿泊料・日当といった出張旅費について、出張に伴う「精神的・金銭的負担等の実態、
更には昨今の交通機関の利便性やそれに伴う肉体的負担の状況等を踏まえ検討していく」としている。
出張は各自の職務等に関連して勤務地を離れ業務対応するものであり、会社が述べた「精神的・金銭的
負担」や「肉体的負担」との観点では、出張に伴う業務調整などの必要な対応や、目的地までの移動手段・
所要時間といった直接的な負担、加えて、日常とは異なる生活に伴い生じる経済的な負担など、こうした
要素を十分に踏まえ対応することが重要と考える。
(2)赴任旅費
転勤については、居所の移動という生活拠点の変更を伴うものであり、本人はもとより家族を含めてそ
の影響は大きいものである。それだけに、必要な経費はもちろんのこと、転勤による負担・負荷等を十分
に踏まえておくことは重要である。
赴任手当に関して会社は、本人および家族毎に異なる手当体系を点検するとしている。この点、新たな
勤務地においても活き活きと働くとの観点から、転勤に関わる対応において、本人のみならず配偶者や子、
両親を含めた家族との視点を持つことは重要と考えている。また、引越しや転居手続きなど赴任に伴う準
備等にも十分配慮した対応が必要と考える。
(3)単身赴任者の一時帰宅交通費ならびに赴任援助手当
連合会としても、転勤の際には家族とともに暮らすことが望ましいと考えている。そのもとで、転勤は
あくまで会社の発令に伴うものであり、やむを得ない事情により結果として単身赴任となる場合がある。
また、単身赴任となる事情については、持ち家の管理をはじめ、子の教育や両親の介護など家族に関わる
内容も含め、多岐にわたってきており、先ずはこうした状況を十分に踏まえておく必要がある。
会社は、単身赴任援助手当について、「単身赴任に伴う必要費用の水準なども踏まえながら、新たな水
準を設定することを検討している」と述べた。単身赴任は生活拠点が二重となることから経済的に大きな
負担があり、この点も十分に踏まえ対応することが重要と考える。
(4)通勤交通費補助
通勤交通費補助については、公共交通機関を利用する場合はその費用を会社が負担し、私有車輛による
通勤者についても、通勤に要する実費を基礎に補助するということを基本的な考え方としている。また、
公共交通機関やガソリン価格等の取扱いについては、各地域における通勤事情等を踏まえ箇所毎に規定・
運用してきており、この取扱いについて会社は、「基本的に継続する考え」としている。また会社は、通
勤交通費補助に関わる全社一律で適用すべき基準については、「現行の制度設定以降、現在までの従業員
の通勤事情や車輛性能等の変化を踏まえて、点検を行っていく」との考えを述べられた。
通勤交通費補助については、先ずは「安全かつ確実」という観点を重視する必要がある。そのもとで、
公共交通機関に関する料金やルートなどの変化等については、都度、各箇所にて検討されてきているもの
と認識しており、また、ガソリン価格についても、既に各地域の実勢価格を反映する仕組みとなっている。
一方、車輛性能の一つである燃費については、ハイブリッド車など低燃費化は進展しているものの、ガソ
リン車との関わりから見れば、その基準の捉え方によっては内容が左右することとなる。現行制度の点検
については、制度の基本的な考え方はもちろん、車輛の普及状況や燃費差といった観点を十分に踏まえて
おく必要があると考える。
【議 長】
これまでの3回の委員会では、第1回目において、現状の情勢認識の共有化を図るとともに、統合新会
社における労働協約・協定等を検討する基本的スタンスを明らかにし、第2回目、第3回目では、第一ス
テップとなる「統合新会社設立時点から統一的な対応が必要であると考えられる項目」の考え方について、
労使双方で意見を述べてきたところである。議長としては、これまでの委員会にて十分な意見交換が行わ
れたものと判断しており、次回の委員会では、第一ステップに関する総括的な議論を行うこととしたい。
それでは、次回の詳細な議論内容・日程等については双方の幹事間で調整することとし、本日の委員会
はこれを以て終了する。
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上