学ぶ人でいよう!

学ぶ人でいよう!
恵田小学校長
十河
幸代
先日,「おかざきの英語№42」が完成し,私の手元に届きました。一人一人の部員が目の前の小
学生や中学生の成長のために,日々取り組んできたことがしっかりと見てとれるものとなりました。
この一年間,本当にお疲れさまでした。
さて,3月上旬の新聞に「言語学者チョムスキー氏
福島の家族と再会」の見出しがあり,私はび
っくりしました。ノーム・チョムスキーと言えば,生成文法の提唱者として,大学時代に何度も耳に
した名前です。私は,大学生時代,お世辞にも勤勉な学生とは言えず,講義を受けていても上の空で
いることが多かったような気がします。担当教授は熱弁をふるっていたように記憶していますが,何
を言っているのか理解できず,結果的に「チョムスキー」という名前だけが私の中に残っていました。
今回,そのチョムスキー氏が日本に来ていることが何より驚きでした。新聞記事を読んだりインター
ネットをとおして調べたりして,彼が言語学者としてだけでなく哲学者であることや,
「世界最高の
論客」として評価されていると,初めて知りました。大学時代,いかに学んでいなかったことかと恥
ずかしくなります。
ところで,小学校では,英語活動を進めるにあたって学級担任はどうあるべきかが時々話題になり
ます。STやALTが一緒に指導に当たると言っても,指導計画や教材作成をはじめTT時の授業中
の役割など,英語を専門としない担任にとっては特に負担が大きいことも想像できます。今,全国の
小学校で英語活動が進められていますが,基本姿勢は「担任は英語を学ぶ人」として存在するという
ことです。その姿を子供が身近に感じることを土台に,学習指導要領に示されている外国語活動の目
標に迫ろうとしているのです。
また,平成25年度はじめ,英語教育において「CAN-DO リスト」という言葉の具体的な姿を私
は全く知りませんでした。しかし,特別委員会「英語が話せるおかざきっ子研究委員会」の頼りにな
るメンバーが充実した仕事をしてくれたおかげで,少しずつ学び,理解を深めていくことができまし
た。3月に行われた「教育シンポジウム in 愛知‐新しい英語科教育への提言‐」にも参加し,
CAN-DO リストについて何とか学ぶことができましたが,会場には,岡崎の英語部の仲間が何人も
いて,心強く思いました。私たち教員がつねに何かを学んでいること,その行為そのものが大事だと
考えます。それが子供たちの学びの充実にもつながります。
さぁ,新しい年度が始まろうとしています。これからも「学ぶ人」として小中学生に私たちの姿を
見せていきましょう。
岡崎市の英語教育
指導主事
太田
幹也
「英語が話せるおかざきっ子の育成」これが岡崎市の英語教育の目標です。小学校1年生から英語に触
れた子供たちが,中学校3年間の英語学習を経て,卒業時には,考えや意見を,自分の英語を使って伝え
ることができることを目標にしています。「自分の英語を使って」という部分がポイントです。日本の英
語教育は暗記,暗唱が中心で,それを正しく書けたり,言えたりすることをよしとしてきました。暗記,
暗唱が最終目標となっていたのです。確かに知識の習得は必要ですが,最終目標が「英語が使える」とい
うことである以上,詰め込んだ英語を使えるようにする指導が必要です。私たち英語教師には,その指導
法の習得が求められています。英語圏ではない日本で,子供たちが習った英語を自在に操れるようになる
指導法はどのようなものでしょうか。小学校英語の教科化,英語による授業など,平成25年度は驚くニ
ュースが飛び交いました。しかし,岡崎の英語教育を支え,推進していただいている英語部の先生方は,
驚きは,しても不安視する必要はありません。グローバル化を視野に入れた国の目標と岡崎市が求める子
供の姿とは結局は同じですから。26年度も共にがんばりましょう。
英語が話せるおかざきっ子を育てるために
竜南中学校
山本
和代
本年度も様々な活動にご協力いただき,ありがとうございました。訪問では,先生方の日頃の積み重ね
を授業で見ることができ,嬉しく思っています。小学校では,ALT・ST・担任の役割を考えた英語活
動を多く参観できました。モデル会話で担任の先生が登場した際の,子供の嬉しそうな表情が印象的でし
た。昨年末に5・6年生における小学校英語活動の教科化が発表されました。岡崎市の方向性はまだこれ
からですが,今まで以上に担任の先生が授業に参加をすることになると思います。授業の計画や準備など,
担任の先生方の,より積極的な授業の参加を期待しています。中学校では,小学校で慣れ親しんだ英語の
力をさらに伸ばし,卒業時に自分のことを自分の英語で話せる子供の育成が目標です。各学期,各学年の
終了時の目標を設定し,計画的に4技能をバランスよく授業に取り入れていきましょう。特別委員会の作
成した「Can-Do OK」を一つの指針として参考にしてはどうでしょうか。また,小学校英語活動の教科化
とともに,中学校でもオールイングリッシュの授業を目指すことが発表されました。授業の指導技術,自
身の英語力ともに,日々ブラッシュアップに努めたいものです。来年度も一緒にがんばっていきましょう。
先生方のパワーに感謝!!
北中学校
都筑
香理
「英語部は団結している」と部長先生や副部長先生は常にお褒めくださいます。私も本当にそう思いま
す。先日の英語部の反省会では,約90名の先生方が集まり,楽しいひとときを共にすることができまし
た。
「今日を楽しみにして来ました」と言ってくださる先生がいて,
「岡崎市英語部の一員で本当に幸せだ」
と感じる瞬間もありました。この会は毎年新任の先生が企画・運営をしてくださいます。ダンスあり,ク
イズありの充実したおもてなしに,感激した先生も多くいらっしゃったことでしょう。新任の先生方,本
当にお疲れ様でした。これからもエネルギッシュにがんばってください。
また,2月に行われた自主研修会では,葵中学校の教務主任でいらっしゃる石川敏幸先生にお越しいた
だき,ご講話をいただきました。
「自分の授業を見直すきっかけになった」「刺激とパワーをもらった」な
ど,参加された先生方の心が燃えました。学ぶことの多かった自主研修会でした。
このように,何かを企画すればいつも前向きに参加・行動してくださる英語部の先生方にたくさんのパ
ワーをいただいた1年でした。心から感謝をするとともに,進化を続ける英語部でありたいです。
チャレンジ!!
井田小学校
神野
麻紀
5年生のこどもたちと出会って早くも1年が経とうとしています。この1年間,子どもたちがいろい
ろな経験をすると同時に,私自身も多くのことを学ぶことができました。その中でも,地域での学習を
生かし,井田学区を紹介しようという単元に取り組んだことは,子どもたちにとって大きな成長につな
がりました。子どもたちは日本人だけでなく外国から来た人にも通じるようなCM作りをしようと,一
生懸命に英語に挑戦しました。小学校で習っている英語は限られたものですが,自分の力で英語にして
みたいという気持ちが強く,和英辞典を使いながらALTの先生に正確な英文になっているのか聞いて
いました。そして,完成させた文で,ALTの先生に井田の紹介をすることができました。たとえ英語
での会話に理解できない部分があっても,一生懸命にコミュニケーションをとろうと関わっている子ど
もたちの姿を見てこういうことが大切なのかなと改めて感じました。この単元を通して,立派な成果を
出すだけでなく,その過程がいかに大切であるかを学びました。指導員の先生をはじめ周りの先生方に
ご指導をいただきここまで続けることができました。ありがとうございました。
学びと感謝
矢作北中学校
稲垣
綾子
この1年を振り返ると本当に盛りだくさんな年でした。学び,感謝,やりがい,反省と,たくさんの
思いがあります。授業面では,拠点校指導教員の五十棲先生から授業の基礎や流れを教えていただき,
それを基に自分でも考え,一つ一つの授業に取り組みました。何よりも目の前の子供がどうしたらでき
るようになるか,英語の授業に楽しさを感じてくれるかを第一に考えて授業を行ってきました。授業の
準備や学年のこと等,日々いっぱいいっぱいで,なかなか余裕がもてませんでしたが,2学期のあると
き,1人の女子生徒が「今日の英語の授業は楽しかった。がんばった。」と言いに来ました。普段と変
わらない授業で,しかも英語が得意ではない子がそのように言ってくれたことに,とても嬉しく感じま
した。英語が苦手な子でもその子なりに頑張っている,頑張ろうとしているということがわかり,私も
もっと子共たちのために頑張らなくては,と思いました。これからも今の気持ちを忘れずに,日々の授
業を大切にしていきたいです。また,この1年,本当に多くの方に支えられ,励まされてここまで来る
ことができました。今後自分が成長することで,学校の力になれるよう学び続けていきたいです。
Where there’s a will, there’s a way
竜海中学校
林
知世
英語教師としての1年目は,本当にあっという間でした。周りの先生方に支えられ,助けられた1年は,
私にとって一生忘れられないものになると思います。1年間で生徒は見違えるように成長しましたが,生徒
と同様に自分自身も成長の一年でした。
自分が想像していた以上に,英語に苦手意識や抵抗感をもっている生徒が多く,どう英語学習に意欲的に
取り組ませたらよいのか悩みました。英語の楽しさや魅力を伝えたいと思うのに,伝えきれない自分がとて
ももどかしかったです。悩みや反省は次年度以降の課題として,目の前の生徒と向き合いながら考えていき
ます。
学んだこと,教えていただいたこともたくさんあります。判断に迷ったとき,生徒のためになるかを考え
るということ,常に見通しをもって行動することなどです。生徒にこうなってほしい,こうしてほしい
という意図や考えをもってこれからもがんばっていきます。
授業を効率よく進めるための手だてとして
常磐中学校
武井
翔
今年度,
「英語が話せるおかざきっ子研究委員会」では,岡崎市中学校版 Can-Do リスト「Can-Do OK」
およびそれに基づく評価用問題を作成しました。
「Can-Do OK」を活用する目的は,見通しをもって計画的に各学期・各単元の授業を進めることに
あります。当該学期の評価用問題から逆算して,各単元で身に付けさせたい力は何か,単元を貫いて,
帯活動として取り組むとよい言語活動は何か等,考えるべきことが多数出てきます。そして,そのバラ
ンスを考えて計画を立てることで,効率よく指導を進めることができるようになります。
「Can Do OK」の各学年の到達目標は,学習指導要領に基づいて,本市中学生に合わせて設定されて
います。英語副読本『Our City OKAZAKI』も効果的に活用しながら,ふるさと岡崎について英語で語
り合うことができる生徒の育成を目指していきたいものです。
実際に各校で活用した先生方のアンケートの結果を基に,より指導と評価に生かしやすいものにして
いきたいと考えています。
タブレットの可能性は無限大!
額田中学校
杉浦
諭
今年度,葵中・常磐中・東海中にタブレットが導入されました。
『Our City OKAZAKI』とタブレッ
トの有効活用を目標に,「英語が話せるおかざきっ子研究委員会」では英語アプリの開発に取り組みま
した。そして完成したのが「岡ザムライからの挑戦状」です。画面をタッチして操作する楽しみ,岡崎
のことに触れて学ぶ機会,英語を話すことへの挑戦を,このアプリを通して生徒に伝えられればと思い
制作しました。
しかし,タブレットの可能性はこれだけにとどまりません。デジタル教科書を個人で用いて発音確認
や音読練習をしたり,アプリを入れて辞書や単語練習帳として使ったりと、使い方次第では生徒が目を
輝かせて英語を学ぼうとする魔法の箱(ツール)になるはずです。
今後,タブレットがまもなく現場に届くことでしょう。その時はまず教員が,タブレットを使うと何
ができるのか,どのような工夫ができるのかを,実際にその手に取って体感してほしいと思います。5
0インチテレビも昔は戸惑いがありましたが,今では多くの先生方が効果的に使いこなしています。タ
ブレットを使うことで,よりよい英語学習環境を作り出していきましょう。
岡崎市教育論文の結果
優秀賞 武井 翔先生 (北中)
佳作
平岩由莉先生 (福岡小)
梅岡知充先生 (岩津中)
宮北治美先生 (本宿小)
稲垣綾子先生 (矢作北中)
髙木理人先生 (本宿小)
鈴木純子先生 (城北中)