大空間空調の温度-気流分布数値解析と実測結果

U.
D.
C. 725.
4:6
9
7.
9:51
9.
6
西松建設 技朝 VoL
22
大空間空調の温度 拝
気流分布数値解析 と実測結果
Comput
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佐 々木 亮治*
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城 田 修司**
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萩谷 宏三***
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il 猛実車
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大西 正人壕虫*野
寺
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要
約
工場 の よ うな大 空 間 にお いて,室 内の温度分布 を均 - に保 つ空調制御 は難 しい もの となる.
さらに,工場 内 に発 熱 の大 きい機械が設置 されている場合 には,空 間内の位置 によ り温度差 が
生 じ易 い.一方 ,新 聞社 印刷 セ ンターの輪転機室 は,印刷紙 に与 える影響 か ら均 一な温度分布
が求め られ る.そ こで新 聞社 印刷 セ ンターの計画段 階 にあた り,数値解析 による温熱気流解析
を行 い,輪転機室 内 に均 一 な温度分布 を形成で きるか どうか,空調設備配置計画 の検討 を行 っ
た.その解析結 果 か ら,本設備計 画が有効 に機 能す るこ とを確認 した. また,建物竣工 時 に,
数値解析結果 の妥 当性 を確 認す るため,同工場 の温熱環境調査 を行 った.その結果,解析結果
と実測結果 は全体 的 に同 じ傾向 を示 し,数値解析 の有刺 生が実証 された.
と,印刷紙の伸縮 による紙切れ とい う事態 を引 き起 こ し
て しまう.新 聞社側 にとって,輪転機の高速運転時 に紙
切れ を少 な くす る (
損紙率 を下げる) ことは, コス トダ
ウンをもた らすだけではな く,一般社会 に対す る責任の
面か らも重要なことである.そのため,輪転機室 内の設
備計画,特 に気流 ・
温度 ・湿度の管理 に関す る空調計画
には細心の注意が必要 となる.
§1. は じめに
当社では徳島出版印刷セ ンターの施工 にあた り,輪転
機室の温熱環境 を検討す るために数値解析 を行 った.本
新聞社の印刷 セ ンターには新 開 を印刷す る ことで様 々
解析では条件が厳 しい と考 え られる夏の冷房時 において
な情報 を正確 にいち早 く伝 える社会的義務が ある.新聞
輪転機室内の温熱気流数値解析 を行 い,機器周辺 の温度
分布お よび気流分布の究明に努めた.解析 の主 な 目的 は,
i
:
澗り
の中で も重要 な主機器 であ る輪転機 は,印刷機 と祈
りたたみ機 よ り構 成 されてい る.輪転機 の特徴 と して, 発熱が大 きくなる輪転機 の稼動時 において室 内が均一 な
温度分布 を保 てるか どうかの確認以外 に,空調吹出 しの
稼働時 に多量の熱 を発 す る ことが挙 げ られ る. この発生
風速 が印刷紙 に影響 を与 えない こ との確 認 が挙 げ られ
した熱 によ り輪転機室内の空気温度分布 に偏 りが生 じる
る.
日次
§Lは じめに
§2.数値解析
§3.実測
§4.数値解析 と実測結果の比較
§5.おわ りに
串
技術研究所構造研究課
**
技術研究所建築技術課
虫*
*
技術研究所先端技術研究課
****
関西 (
支)設備部
**
***四国 (
支)設備部
また,本建物の竣工時 に,同輪転機室の温熱環境 を測
定す る機会 を得 ることがで きた.そこで,実測結果 に対
す る検討 だけではな く,前述の数値解析結果 と実測結果
とを比較す ることによ り,数値解析結果の妥当性 お よび
有用性 を判断 した.
31
西寺
公建設技報 VoE
,
22
大空間空調の温度 ・
気流分布数値解析 と実測結果
1 1
固定 タイプ測定位置
日
】礼
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ち8.
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0
UP
】
図 - 2 輪転機室立面 図
$2.数値解析
置 されている.そ こで本解析 では,解析時間の短縮お よ
び計算 の収束性 を考慮 して,輪転機 1
セ ッ ト分 を対象 と
して右側 1
/
2の領域 のみ解析 を行 うこ とに した. したが
2- 1 解析の設定条件
って解析 空 間 を,平面長辺方向 (
Ⅹ方向)3
0.
7
m,平 面
(
1
) 計算 メ ッシュ
Y方向) 1
8
.
0
m,天井高 さ (
Z方向) 1
3.
0
mと
本解析 の対象領域 (
輪転機室)の平面図 を図 - 1に, 短辺方 向 (
設定
した.
これ
らの条件
を踏
まえて,上記対象空間を
5
3
立面図を図 -2に,断面図 を図- 3に示す. また給紙側
x)×39 (
Y)×29(
Z)=5
9,
9
43
個 のメ ッシュに分割 し
か ら見 た輪転機室 内部 を写真 -1に示す .輪転機重 は, (
8
.
5
m,平面短辺方向 (
C∼D ている.3次元 的 に示 した本解析領域お よび輪転機形状
平面長辺方向 (
③ -⑫通)5
過) 1
8
.
O
r
n,天井高 さ1
3
.
0
mである. また室内には,図- を図 - 4に示す.なお,解析 に使用 したプログラムは,
㈱ 構造計 画研 究所 の HOTFLOW 〕であ り, ワー クステ
2に示す ように輪転機2セ ッ トが平面長辺方向に直列 に設
3
2
西松建設技報
VoE
.
22
大空間空調の温度・
気流分布数値解析 と実測結果
写真- 1 輪転機室 内部
図- 3 輪転機室断面 図
-シ ョン上で計算 を行 った.
(
2) 温度境界条件お よび機器発熱
本解析 で使用 した温度境界条件お よび機器発熱 を表 1に示す。境界条件 としては,夏季 における外気温度 は
3
4℃,輪転機室内表面温度 は屋根 ・外壁 ・内壁 の熱貫流
抵抗か ら計算 した値 を用いた.輪転機発熱 は,設計計算
書 による数億 を用い,輪転機表面積当 りの発熱量 に換算
した値 を用 いた.
(
3) 流出入条件
解析上の流 出入条件 となる空調 の吹出 し・
吸込 みの条
件 を以下 に列記す る.なお各位置 を図-4中に示す.
①吹出 し
a-・
ダク ト下面 よ り下向 き吹出 し
600〆1
6ケ (
8ケ×2列)
1ケ当 り風量 3
,
9
00mⅥl
吹出 し風速 3.
8
3
m/
s
b-・ダク ト下面 よ り下向 き吹出 し
700〆1
2ケ (
6ケ×2列)
1ケ当 り風 量 3,
42
0m3
/
h
吹出 し風速 2.
47m/
S
②吸込み
C-・ダク ト上面 よ り吸込み
6
00〆1
6ケ (
8ケ×2列)
1ケ当 り風量 8
75m3/
h
吸込み風速 1
.
93
m/
s
d-・
D通側壁 よ り吸込み
1
.
1
mXO.
4m (
フケ)
図 - 4 解析 空 間概 要
義 - 1 温度条件 お よび機 器発 熱
初 期 室 内 温 度
内 壁
.天 井
吹 出
.床 面
し 温 度
室 内 設 計 温
度
温度
26 (
℃)
27 (
℃)
1
6(
℃)
26 (
℃)
33
西松建設技報 VoL
22
大空間空調の温度・
気流分布数値解析 と実測結果
1ケ当 り風量 2,
572m3
nl
吸込 み風速 1
.
62m/
s
e-・
③ 通側壁 よ り吸込み
1
7.
OmXO.
7m (
1ケ)
1ケ当 り風量 50,
000mソh
吸込み風速 1
.
1
7m/
S
(
4) 解析条件
本解析で は,乱流 モデル と して うず粘性 モデル (
粘性
係数 を大 き くした層流モデル) を使用 してい る.運動方
程式 ・温度方程式 ともに半 陰解法 を用 い,時 間 間隔 LOs
で計算 を行 っている.計算 は定′
馴 犬態 に達 した と判断 さ
れ る20分 (
1
,
200サ イクル) まで行 ってい る.
2- 2 解析結果
(
1
) 温度分布結果
数値解析 による温度分布 の結果 を図 -5に示す.断面
aと,YZ断面 のbb'
と
位置 は図 - 1に示す -Z断面 のa
CCで あ る . 輪転機 自体 の発 熱 が膨大 なため,輪 転機 に
囲 まれている部分 ,デ ッキ下 な どの風速が低 い部分 では,
温度の高い領域が見 られる. しか し,それ らの領域 は輪
転機近傍 の ご く限 られた一部であ り,輪転機 の外周 では
温度が高 い億 を示 してお らず,均 一 な温度分布 を形成 し
ている. なお,定常状態 における室 内全空 間の平均 温度
は26.
1
℃であ り,室内設計温度 にほぼ等 しい値 となった.
(
2) 気流分布結果
数値解析 による気流分布結果 をベ ク トル図 と して図6に示す.断面位置 は図 -5と同様 であ る.輪転機室内
の気流 の基本 的特徴 としては,下向 きに吹出 された気流
が形成す る循 環流 と輪転機 の発 熱 に よる上昇流 が あ る.
さらに,輪転機等 の障害物 による影響 のため に,非常 に
複雑 な流れが局所 的 に発生 している. と くにデ ッキ下で
は,開口の割合の違 いに よって風速値 に違 いが見 られ る.
しか し,輪転機周辺の風速値 は小 さいため,輪転機 に与
える影響 はない と考 え られる.
x
2- 3 解析結果 に対 す る考察
輪転機室 の温熱気流解析 よ り温度分布 と気流分布 を得
た.温度分布 に関 しては,デ ッキ下方 な どにおいて高温
になる部分 も見 られたが,輪転機 の ご く近傍 以外 で は全
体 的 に均 一 な温度分布が形成 されてお り,婁 内全空 間の
平均 温度 もほぼ室 内設計 温度 に等 しい こ とが判 明 した.
また気流分布 に関 しては,輪転機周辺 で は風連値 が低 い
ことか ら,印刷紙 に対す る影響 はない と判 断 された.そ
の結果 ,本設備計画 は有効 に機能す るこ とが解析 に よ り
判 断 され,実施工 に反映 されることとなった.
3
4
$3. 実測
3- 1 測定概要
本建物 の竣工 にあた り,同輪転機室内 において温熱環
境 の実測調査 を行 った.竣工時期 の関係上 ,実測 は冬季
(1
998年 1
2月) に行 われた.数値 解析 上 の条件 が夏季 の
冷房時であるこ とか ら,実測値 と解析値 とを直接比較す
る ことは出来 ないが,室内 に生 じる温度差 の状況 を定性
的 に判 断す ることは可能である と判断 した.
実測 当 日は,2台の輪転機が22:
00に稼動 して,22:
1
022:
20で全負荷 運転 とな り,23:
30に停止 した.測定 は基
本 的 に輪転機稼働 時 間 (
22:
00-23:
30) を対 象 と してい
る. また空調機器 も23:
30に停止 している.
測定す る項 目と しては,温度以外 に風速 と湿度があ り,
使 用 した機 器 は, デー タロガ-サ ーモ ダ ックEF (
江藤
C孝子
も
電対 ,赤外線 カメラTH31
04 (日本電気
電気(
棉),C
三栄(
棉),お ん どと りRH TR72 (
附け イア ン ドデ イ),
Tr
式微風速計AM09T (リオ ン昭封 お よび湿度 セ ンサ ー
HNLI
B(
チ ノー購う
)である.
3- 2 測定結果
(
i
) 熱電対 による鉛直方向温度分布の測定
発熱が大 きい と考 え られ る輪転機 のボ リュームが敢大
となる断面 において,熱電対 を用 いて鉛直方向の温度分
布 を測定 した.熱電対 の設置位置 は図 - 1に⑳印で示す
ように給紙側 と操作例 の2個所 であ り,給紙側 j
地上 1
3・
1
2・11・
1
0・
9・
8・
7・
6・
5・
4・
2・
Om上 操作1
,
日
E
H 地上 10.
6・
1
0・
9・
8・
7・
6・
5・
4・
3・
2・卜Om‡のそれぞれ 1
2点 に設置 してい る.
デー タロガ一 に よ り各熱電対 にお ける 1
分毎 の温度 の瞬
時値 を記録 している.
測定 された温度 を平均化時間1
0分 で処理 し,鉛直方向
の温度 分布 の推 移 を20分 毎 に示 した もの を図 - 7に示
す . どの 高 さで も給 紙 側 (図 - 7 (a)) で は稼 動
(
22:
00) とと もに温度 が約 1
℃上昇 し,その後40分 ほ ど
経 過 した段 階 (
22:
40)で24-25℃程度 の定常状態 にな
る. また同時刻 における鉛直方 向の違 い を見 る と,上部
が下部 よ りも高 くなってい るが ,その温度差 は1℃程 度
と小 さい値 である.
一方 ,操作側 (
図- 7 (
b)) の温度 も給 紙側 と同様
に輪 転 機 の稼 動 (
22:
00) と と もに温 度 が上 昇 す るが ,
その上昇速度 は給紙側 よ りも遅 く,操作側 の温度 は給紙
側 よ りも低 い.鉛 直 方 向 で見 た場 合 ,上 下 の温度差 が
1
.
5℃ と給紙側 よ り若干大 きい程度であ る.
(
2) ハ ンデ ィタイプによる温湿度 ・風速の測定
輪転機周辺 の温湿度 な らびに風連 を,ハ ンデ ィタイプ
の微風速計 に よ り測定す る.数値解析結果 よ り,風速が
小 さいデ ッキ下空間な どでは熱が逃 げに くい ことによ り
西松建設技報 VoL
22
22
24
大空間空調の温度 ・
気流分布数値解析 と実測結果
26
28
30
32
3
4
(
a)a
a'断面
(
b) b
b'断面
(ら) b-b'断
面
(
C
)C
C'断面
(
C)C
C
'断面
図-5 温度分布
図 - 6 気流分布
35
西松建設技報 Vol
.
2
2
大空 間空調 の温度 一
気流分布数値解 析 と実測結果
8
6
6
(
L
u)
他種 根 覇
8
(
≡)
地場 掴 貢
4
4
2
2
0
0
20
22
24
26
20
温 度 (℃)
22
24
26
温度 (℃)
(
b)操作側
(
a
)給紙側
図- 7 熱電対 による測定結果
温度が高 くなる懸念があ り,本計測ではその把握 を目的
とする.測定位置は図-2にA印で示す ように,鉛直方
向のライン上 にある1
-4
Fの各デ ッキ上での人間 レベル
1
.
5
m) とデ ッキ面上 (
0
.
3
m)の合計 8
点である.
の高 さ (
測定器 を計測地点において3
0
秒固定 した後,平均化時間
0
秒 として測定 を行 った.測定 間隔は約2
0
分 とし,袷
を1
転機稼働 中の2
2
:
1
0-2
3
:
1
0の間に4回の計測 を行 った.
図-8に鉛 直方 向毎 の温度 ・湿度 ・
風 速分布 を示 す.
図-8 (
a)の温度分布 を見ると,輪転機が稼動 (
2
2
:
0
0)
してか ら時間の経過 とともに全体的に温度が上昇 してい
き,輪転機稼動 か ら1
時間前後で定常状態 に達す ると考
えられる. また測定点が高いほど温度が高い傾向が見 ら
れるが,上下の温度差 は 1℃以内に収 まってお りほぼ均
一な温度分布が形成 されていることが分かる.
図- 8 (
b)の湿度分布 に関 しては,時間の経過 とと
もに高 くなる傾向が見て取れる.測定点が低いほど湿度
が高い傾向が見 られ,上下 に2%程度の湿度差が生 じて
いるが,これは空気温度の上昇 に伴 う相対湿度の低下の
影響であ り,湿度 に関 して も鉛直方向において均一な分
布 を形成 していることが分かる.
C)の風速分布 に関 しては,測定点が低 いほ
図- 8 (
36
ど風速が高い傾 向が見 ら讃
1る.これは下部のデ ッキの方
が,空調の吹出位置の真下 に近 くなることが原因 と考 え
5m/
S
以下であ
らj
tる.ただ し,黄下部 を除けば風速が0.
り,印刷紙 に与 える影響 はない と言 える. また時間が経
過 して も,風速値はあまり変化 していない.
本計測結果 を見る限 りにおいては,各デ ッキ上 とデ ッ
キ床上 とで大 きな差が見 られない. したがって輪転機近
傍のデ ッキ部分 において も,ある程度の風速があること
により,熱が溜 まりに くくなっていることが分かる.
(
3) 固定 タイプによる温度の測定
輪転機作動 中に測定が難 しい箇所 は,固定 タイプの温
度測定器 を用いて測定 を行 った.図- 2に□印で示す よ
うに,天井鉄骨部 ・
3FL天井面 ・
2FL床部で温度 を測定 し
分毎の瞬時値 を記録 している.
た.本測定では1
21
:
3
0-2
2:
3
0までの 1
0分間平均値 の温度推移 を図 - 9
に示す.全体的な傾 向 として2
2:
0
0の輪転機稼動時か ら
0-6
0分ほどで定常状態 に達する
温度が上昇 してい き,4
様子が分かる.輪転機内部お よび天井付近では,定常状
5℃を示 している.また各位置 における温度差は,
態で約2
.
5℃程度である.
輪転機稼働 中で も1
(
4) 赤外線 カメラによる輪転機表面温度の測定
西松建設技等
6VoE
.
22
大空間空調の温度 ・
気流分布数値解析 と実測結果
0
0
9
9
C
O
8
7
7
)
)
3
3
2
2
25
26
温度 (℃ )
(
a)温 度分布
4
4
幕
3
24
5
5
5
23
ハ
0
(
≡ 仙極 地 貢
6
4
(
≡ 他種 倒
6
蒸
u)
(
L 他種扱
22
55
6
0
65
70
0.
0
75
0.
2
0.
4
0.
6
0.
8
風速(m/ら)
湿度(
%)
(
b)湿度分布
(
C)風速分布
図- 8 ハ ンデ ィ計測による測定結果
\
ヽ
4
2
(
30)髄 鱒
3
2
2
2
1
葺
蔓
1
2
天井鉄骨部
…≡[喜蓋≡
OC︰
C
N
ON︰
C
N
O L
︰
CZ
O Oe
︰Z
︰
O SNN
︰
N刻
O寸N
.C︰
N
還
oz=zz 汲
O L︰
NN
00 N
:N
L
O G :N
O寸 ︰
LN
OC=tN
輪転機室 における数値解析結果 と,実測結果 との比較
を通 してい くつかの考察 を試 み る.
まず温度分布 に関 してであ るが , 数値 解析ではデ ッキ
下お よび輪転機周 りにおいて34-35℃の高温部分が見 ら
れた.一方実測結果で は,デ ッキ下 において も高温の部
分 は見 られなか った. また輪転機周 りも,金属表面の反
射や紙の部分 を除 くと輪転機表面 は24-25℃ と室内温度
とほぼ同 じであった.数値解析 で は室内空 間の上下 に温
度差 は見 られなか ったが,実測 で もほぼ同様 の結果 を示
した.定常状態の室 内温度 は,数値解析 と同様 に実測で
もほぼ室内設計温度 を示 し,数値解析結果 の妥 当性が示
された.
5
2
§4.数値解析 と実測結果の比較
6
2
輪転機表面温度 を赤外線 カメラに よ り測定す る.赤外
線 カメラの設置位 置 を図- 1に,その撮影部分 (
輪転機
2F) を写真 - 2に示す.測定 間隔 を1
0分 と して測定 を行
った.輪転機が稼動 してか ら30分経過 した時点 (
22:
29)
に撮 影 した画像 を図 一 10に示 す ,画像 の下半分 にあ る
高温のラインは蛍光燈部分であ り,他 の高温の部分 も金
属表面の反射であ る.輪転機 の表面 自体 に機械 の発熱 に
よる温度の上昇はほとんど見 られず,輪転機の稼動前後 に
おいて輪転機表面の温度分布 に違 いが ない ことが分かる.
図-9 固定タイプによる温度測定結果
次 に気流分布 であるが,数値解析結果 による と吹出部
以外 の室 内全体では風速が0.
3
m/
S
前後 の領域が多 く,輪
転機 内部で は0.
1
m/
S
未満の領域 も見 られた. この傾 向 は
実測で もほぼ同様 であった.
以上の ことよ り,数値解析結果は実測値 と対応す る部
分が多 く,その有効性 ・
妥 当性が示 された.温度が数値
解析 で高め に計算 されたことに関 しては,対象 とす る時
季が異 なることの他 に,輪転機 の発熱 に関す る入力条件
37
大空間空調の温 度 ・
気流分布数値解析 と実 測結果
西松廷設技報
の設定で現実 と異 なる部分があ ったこと,輪転機 自身に
隙間部分が多 くあ り熱が溜 ま りに くかったこと,輪転機
内の冷却装置 によ り発熱が押 さえ られていたことな どが
原 因 と考 え られる.これ らの細かい点 を考慮す ることで,
全体的な傾向だけではな く細部 について もよ り有効 な解
析結果が得 られると考 えられる.
§5. おわ りに
写真-2 赤外線 カメラ撮 影部分概要
L
・
,.
J,
:
本報で は,徳 島出版 pc輪転機室 の温熱気流数値解析
を行 い,室内の温度分布が ほぼ一様 であることか ら,本
設備計画の有効性 を確認 した. さらに,同室内の実測調
査 によ り解析結果 との比較検討 を行 った.その結果 ,堤
度分布 ・気流分布 とも,細部 において違いは見 られる も
のの,全体的な傾 向は両者 ともほぼ同様 の傾向 を示 した.
これによ り,室内の温熱気流環境 の把握 における数値解
析 の有効性 ・
妥 当性 が示 された といえる.今後 さらに精
度 を高めるためには,発熱条件や境界条件の設定,モデ
ル形状の再現 に留意する必要があると考 えられる.
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本実測 を行 うにあた り,多大 なご協力 を頂 きました徳
島出版株式会社,設計監理 を担当 しま した株式会社軸建
築設計事務所 の加藤博 司氏 な らびに徳 島出版pc出張所
の方々に深 く感謝の意 を表 します.
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謝辞
図 -1
0 赤外線 カメラ画像
VoL
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2