危険物コンテナ運送セミナー - 社団法人・日本海事検定協会

No.1-2014
2014 年 10 月
一般社団法人 日本海事検定協会
安全技術サービスセンター
危険物船舶運送及び貯蔵規則一部改正の概要
(IMDG コード Amdt.37-14)
今回の国際海上危険物規程第 37 回改正(IMDG コード Amdt.37-14)は、危険物輸送専門家委員会勧
告(国連勧告)第 18 訂版の改正内容の取り入れが主体です。
改正されたコードの規定は海上人命安全条約(SOLAS 条約)に基づき 2016 年(平成 28 年)1 月 1 日
から施行されることとなりますが、国連勧告第 18 訂版を取り入れた危険物の航空及び陸上国際運送規則
の改正規定が共に 2015 年(平成 27 年)1 月 1 日から効力を有するとされているため、2015 年 1 月 1 日
から 12 月 31 日の 1 年間は危険物の航空及び陸上運送規則と海上運送規則との間に差異が生じることと
なります。
国際海事機関(IMO)は、輸送モード間の運送規則の差異による不都合を解消し安全で円滑な危険物運
送を行うため、2016 年 1 月 1 日の IMDG コード第 37 回改正の発効に先立ち 2015 年 1 月 1 日から IMDG
コード第 37 回改正の規定を実施することを加盟国政府に推奨しており、わが国でも 2015 年 1 月 1 日に同
コード第 37 回改正に基づいた「危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)」及び「船舶による危険物の運送
基準等を定める告示(危告示)」等の一部改正が行われる予定です。主な改正点は次のとおりです。
IMDG コード第 37-14 回改正の主要な改正内容
1.
エアバッグインフレーター等(UN0503 及び UN3268)の品名変更
2.
UN1263(塗料)等に関する特別要件 “SP367” の新設
3.
UN3166(自動車)等に関する特別要件 “SP961” 及び “SP962” の改正
4.
容積 3,000 リットル未満のポータブルタンク等への標識及び品名の表示要件の改正
5.
「OVERPACK」表示の高さ要件の新設
6.
標札のふちから 0.5 センチメートル内側に表示する菱形の枠線の太さ要件の新設
7.
少量危険物用表示のふちの太さ要件の新設
8.
くん蒸注意用表示の様式変更
9.
新規危険物(エントリー)
10.
組合せ容器の内装容器としてプラスチック製容器の使用の許可(パッキングインストラクション
“P601” 及び “P602”)
11.
積載(別表第 1 備考 7)及び隔離(別表第 1 備考 8)要件の様式の変更
12.
別表第 14(隔離表)の改正
13.
海洋汚染物質関連の改正
-1-
以下に予定されている危規則等一部改正の概要を前記項目ごとに、また、末尾(18 頁~27 頁)には参考
の用に容器包装、表示及び標札、危険物の隔離規定、少量危険物関連規定等をとりまとめました。
なお、本冊子の内容は、あくまで予定ですので、正確な改正内容については、12 月に公布される予定
の官報*「危険物船舶運送及び貯蔵規則の一部を改正する省令」等でご確認下さい。
* 官報については、インターネット版「官報」ホームページ:http://kanpou.npb.go.jp/ 又は
官報販売所一覧ホームページ:http://www.gov-book.or.jp/portal/shop をご参照下さい。
1.
エアバッグインフレーター等(UN0503 及び UN3268)の品名の変更
車両、船舶又は航空機に搭載される最新の安全装置の中には、現行規則の品名に当てはまらないも
のがあります。そのため、UN0503 及び UN3268 の品名がエアバッグ関連に限らない “SAFETY
DEVICES” に変更される予定です。
現行
UN No.
0503
3268
Proper Shipping Name
AIR BAG INFLATORS or AIR BAG MODULES or SEAT-BELT
PRETENSIONERS
AIR BAG INFLATORS or AIR BAG MODULES or SEAT-BELT
PRETENSIONERS
Class or division
1.4G
9
改正後
UN No.
2.
Proper Shipping Name
0503
SAFETY DEVICES, PYROTECHNIC
3268
SAFETY DEVICES, electrically initiated
Class or division
1.4G
9
特別要件 “SP367” の新設
塗料(PAINT)と塗料関連物質(PAINT RELATED MATERIAL)(UN1263、UN3066、UN3469 及び
UN3470)を同一の容器に収納した場合に使用する正式品名に関する特別要件 “SP367” が新設される
予 定 で す 。な お 、 当 該特 別 要 件 は、 印 刷 用 イン ク 又 は 印刷 用 イ ン ク 関 連 物 質( PRINTING INK or
PRINTING INK RELATED MATERIAL)(UN1210)にも適用される予定です。
SP367
第 7 条の 3 の規定により表示する品名及び危険物明細書(コンテナ危険物明細書及び自動
車等危険物明細書を含む。)に記載する品名には次に掲げるものを使用することができる。
(1) 「塗料」及び「塗料関連物質」が同一の容器に収納されているものは「塗料関連物質」
(2) 「塗料(引火性かつ腐食性のもの)」及び「塗料関連物質(引火性かつ腐食性のもの)」
が同一の容器に収納されているものは「塗料関連物質(引火性かつ腐食性のもの)」
(3) 「塗料(腐食性かつ引火性のもの)」及び「塗料関連物質(腐食性かつ引火性のもの)」
が同一の容器に収納されているものは「塗料関連物質(腐食性かつ引火性のもの)」
(4) 「印刷用インク」及び「印刷用インク関連物質」が同一の容器に収納されているものは
「印刷用インク関連物質」
-2-
3.
特別要件 “SP961” 及び “SP962” の改正
自動車等(UN3166 又は UN3171)の運送に関する特別要件 “SP961” 及び “SP962” が次のとおり
一部変更される予定です。
SP961
1 自動車渡船に積載される場合又は船舶防火構造規則及び船舶消防設備規則の規定により自走用の燃料
を有する自動車を積載することが認められた貨物区域に積載される場合であって、蓄電池、内燃機関、燃料
電池、圧縮ガスシリンダー若しくは蓄圧器又は燃料タンクからの漏えいがない自動車又は装置は、危険物に
該当しない。ただし、自動車又は装置が貨物輸送ユニットに収納され、自動車渡船のコンテナ貨物区域に積
載される場合には、当該除外規定は適用しない。リチウムイオン電池のみを動力源とする自動車並びに内燃
機関及びリチウム金属電池又はリチウムイオン電池を動力源とするハイブリッド自動車のリチウム電池は、
危険物輸送に関する国連勧告別冊「試験方法及び判定基準」第Ⅲ部 38.3 節の各試験要件に適合するもの
であること。ただし、船積地を管轄する地方運輸局長が承認した場合は、この限りではない。
2 次に掲げる要件のいずれかを満たすものは、危険物に該当しない
(1)
引火点が 38℃以上の引火性液体類を燃料とする内燃機関及び自動車は、燃料系統からの漏えい
がなく、燃料タンク内の引火性液体類の量は 450 リットル以下であり、かつ、取り付けられた蓄電池
は短絡を防止するための措置が講じられていること。
(2)
引火点が 38℃未満の引火性液体類を燃料とする内燃機関及び自動車は、燃料タンクが空であっ
て、かつ、取り付けられた蓄電池は短絡を防止するための措置が講じられていること。燃料タンク
から燃料が排出され、燃料不足により内燃機関が作動できない状態を燃料タンクが空の状態とみ
なす。なお、燃料系統(配管、フィルター、噴射機等)及び燃料タンクは、洗浄及び清浄することを必
要としない。
(3)
引火性高圧ガス(液化又は圧縮されたもの)を燃料とする内燃機関及び自動車は、燃料タンク内の
圧力が 2bar 以下であって、かつ、取り付けられた蓄電池は短絡を防止するための措置が講じられ
ていること。
(4)
蓄電池又はナトリウム電池を動力源とするものは、電池の短絡を防止するための措置が講じられ
ていること。
(5)
引火性液体類又は引火性高圧ガスを燃料とする内燃機関は、全ての燃料が排出され内燃機関内
部が洗浄及び清浄されている、または、残渣の漏えいを防止するための封印が講じられているこ
と。
(6)
燃料電池エンジンは燃料供給系統の遮断またはその他の方法により誤作動から守られ、かつ燃料
供給タンクは排出及び封印の措置が講じられていること。なお、燃料供給タンクは、洗浄及び清浄
することを必要としない。
上記に関わらず、自動車又は装置を構成する部品は、確実に取り付けられていること。自動車に搭載された
その他の危険物並びに燃料電池エンジンに関してはその燃料及び燃料電池以外の危険物は、個別に収納さ
れ、各危険物に規定される要件に従い適切に運送されること。
-3-
SP962
1 備考 10 の SP961 の規定により危険物に該当する自動車又は装置にあっては、次に掲げる要件を満たす
場合に限り、無外装で運送することができる。
(1)
蓄電池、内燃機関、燃料電池、圧縮ガスシリンダー、蓄圧器又は燃料タンクからの漏洩がないこ
と。
(2)
引火性液体類を燃料とするものは、燃料タンク内の燃料の量を最大容量の 4 分の 1 以下にしなけ
ればならず、かつ、いかなる場合においても燃料の合計量が 250 リットルを超えないこと。ただし、
船積地を管轄する地方運輸局長が承認した場合は、この限りではない。
(3)
引火性高圧ガスを燃料とするものは、燃料タンクの燃料遮断弁が確実に閉鎖されていること。
(4)
蓄電池は、損傷、短絡、誤作動を防止するための措置が講じられていること。
(5)
リチウムイオン電池又はリチウム金属電池は、危険物輸送に関する国連勧告別冊「試験方法及び
判定基準」第Ⅲ部 38.3 節の各試験要件に適合するものであること。ただし、船積地を管轄する地
方運輸局長が承認した場合は、この限りではない。
(6)
自動車又は装置を構成する部品は、確実に取り付けられていること。
2 標札等を付し、又は品名等を表示することを要しない。
4.
容積 3,000 リットル未満のポータブルタンクへの標識及び品名の表示要件の改正
現行の規則では、ポータブルタンクには以下の標識及び品名の表示要件が規定されています。
(1) 収納する危険物の等級を示す標識及び副次危険性等級を示す標識を 4 側面に付す。
(2) 収納する危険物の品名を高さ 65 ミリメートル以上の大きさで両側面に表示する。
改正により、容積が 3,000 リットル未満のポータブルタンクへの表示に関し、(1)は、標識(1 辺の長さ
が 25 センチメートル以上)に代わり標札(1 辺の長さが 10 センチメートル以上)とすることができる旨の規
定に変更され、(2)は、65 ミリメートル以上の大きさから 12 ミリメートル以上の大きさとすることができる旨の
規定へ変更される予定です。
なお、国連番号の表示(文字の高さは 65 ミリメートル以上の大きさ)に関する規定は、現行の規定から
変更はありません。
5.
「OVERPACK」表示の高さ要件の新設
「OVERPACK」表示の高さ要件として、「12 ミリメートル以上でなければならない」旨の規定が新設さ
れる予定です。ただし、当該表示要件は、2016 年 1 月 1 日より適用される予定です。
例:UN1263 PAINT が収納された
UN 容器(組合せ容器)を木箱で
オーバーパックした場合
OVERPACK
UN 1263 PAINT
1A1/Y1.8/200/13
-4-
1A1/Y1.8/200/13
6.
標札のふちから 0.5 センチメートル内側に表示する菱形の枠線の太さ要件の新設
当該枠線の太さは、「2 ミリメートル以上でなければならない」旨の規定が新設される予定です。
2 ミリメートル以上
当該要件は、2016 年 12 月 31 日までの間は従前の例によることができる予定です。
7.
少量危険物用表示のふちの太さ要件の新設
少量危険物用表示の一辺の大きさは 10 センチメートル以上、ふちの太さは 2 ミリメートル以上と規定
されています。ただし、危険物を収納する容器が小さい場合にあっては、一辺の大きさを 5 センチメートル
以上とすることができますが、その際のふちの太さは、「1 ミリメートル以上でなければならない」旨の規定
が新設される予定です。
少量危険物用表示
当該要件は、2016 年 12 月 31 日までの間は従前の例によることができる予定です。
8.
くん蒸注意用表示の様式変更
旧
新
以上
300mm
以上
250mm
300 mm 以上
400 mm 以上
寸法が変更され、枠線の太さは「2 ミリメートル以上」とする規定が新設される予定です。
なお、当該要件は、2016 年 12 月 31 日までの間は従前の例によることができる予定です。
-5-
9.
新規危険物(エントリー)
以下の 19 の新規危険物が追加される予定です。
国連
番号
3507
3508
3510
3511
3512
3513
3514
3515
3516
3517
3518
3519
3520
3521
3522
3523
3524
3525
日本語名
英語名
等級
六フッ化ウラン(L 型輸送物に該当す
るもの)
(輸送物 1 個当たりの六フッ化ウラン
の質量が 0.1kg 未満のもの)
(核分裂性輸送物のものを除く。)
非対称型キャパシター
(エネルギー貯蔵容量が 0.3Wh を超
えるもの)
(備考の欄の規定により当該危険物
に該当するものに限る。)
その他の吸着ガス
(引火性のもの)
その他の吸着ガス
(他の危険性を有しないもの)
その他の吸着ガス
(毒性のもの)
その他の吸着ガス
(酸化性のもの)
その他の吸着ガス
(毒性かつ引火性のもの)
その他の吸着ガス
(毒性かつ酸化性のもの)
その他の吸着ガス
(毒性かつ腐食性のもの)
その他の吸着ガス
(毒性、引火性かつ腐食性のもの)
URANIUM HEXAFLUORIDE,
RADIOACTIVE MATERIAL,
EXCEPTED PACKAGE, less than
0.1 kg per package, non-fissile or
fissile-excepted
CAPACITOR, ASYMMETRIC (with
an energy storage capacity greater
than 0.3Wh)
8
副次
危険性
等級
7
9
-
-
ADSORBED GAS, FLAMMABLE,
N.O.S.
2.1
-
-
ADSORBED GAS, N.O.S.
2.2
-
-
ADSORBED GAS, TOXIC, N.O.S.
2.3
-
-
2.2
5.1
-
2.3
2.1
-
2.3
5.1
-
2.3
8
-
2.3
2.1
8
-
2.3
5.1
8
-
2.3
8
-
2.3
5.1
8
-
SILICON TETRAFLUORIDE,
ADSORBED
2.3
8
-
ARSINE, ADSORBED
2.3
2.1
-
GERMANE, ADSORBED
2.3
2.1
-
PHOSPHORUS
PENTAFLUORIDE, ADSORBED
2.3
8
-
PHOSPHINE, ADSORBED
2.3
2.1
-
その他の吸着ガス
(毒性、酸化性かつ腐食性のもの)
三フッ化ホウ素
(吸着されたもの)
塩素
(吸着されたもの)
テトラフルオロモノシラン
(吸着されたもの)
[四フッ化ケイ素]
アルシン
(吸着されたもの)
[水素化ヒ素又はヒ化水素]
ゲルマン
(吸着されたもの)
[水素化ゲルマニウム]
五フッ化リン
(吸着されたもの)
ホスフィン
(吸着されたもの)
[リン化水素]
ADSORBED GAS, OXIDIZING,
N.O.S.
ADSORBED GAS, TOXIC,
FLAMMABLE, N.O.S.
ADSORBED GAS, TOXIC,
OXIDIZING, N.O.S.
ADSORBED GAS, TOXIC,
CORROSIVE, N.O.S.
ADSORBED GAS, TOXIC,
FLAMMABLE, CORROSIVE,
N.O.S.
ADSORBED GAS, TOXIC,
OXIDIZING, CORROSIVE, N.O.S.
BORON TRIFLUORIDE,
ADSORBED
CHLORINE, ADSORBED
-6-
容器
等級
I
セレン化水素
(吸着されたもの)
[水素化セレニウム]
3526
HYDROGEN SELENIDE,
ADSORBED
2.3
2.1
-
IMDG コードでは、これまで容器等級の割り当てがなかった UN3316 CHEMICAL KIT or FIRST AID
KIT は、容器等級 “II” 及び “III” が割り当てられることとなりました。これより、危険物リストの既存のエ
ントリーが削除され、新たに容器等級 "II" 及び "III" のエントリーが追加されました。
一方、危規則では、既存の危険物リストに容器等級 "I" ~ "III"のエントリーがあることから、危険物リ
ストの容器等級 "I" のエントリーが削除される予定です。
改正後のエントリー
等級
副次
危険性
等級
容器
等級
備考
CHEMICAL KIT or
FIRST AID KIT
9
-
II
SP251
SP340
化学検査キット又は救急キット
CHEMICAL KIT or
3316 (備考の欄の規定により当該危
FIRST AID KIT
険物に該当するものに限る。)
9
-
III
SP251
SP340
国連
番号
日本語名
英語名
化学検査キット又は救急キット
3316 (備考の欄の規定により当該危
険物に該当するものに限る。)
10. 組合せ容器の内装容器としてプラスチック製容器の使用の許可(パッキングインストラクション
“P601” 及び “P602”)
UN1580(等級 6.1、PGⅠ)等に適用されるパッキングインストラクション “P601” 及び “P602” の組
合せ容器の内装容器として使用できる容器は、現行規則では “ガラス製容器” 又は “金属製容器” のい
ずれかですが、改正により “プラスチック製容器” の使用も認められることとなる予定です。なお、 “プラス
チック製容器” に求められる要件は、 “金属製容器” のそれと同一となる予定です。
P601
内装容器の種類
内装容器の許容容量
外装容器の種類
又は許容質量
ガラス製容器
(1)
1L
外装容器の許容容量
又は許容質量
1A1、1A2、1B1、1B2、
15kg(総質量)
1N1、1N2、1H1、1H2、
1D、1G、4A、4B、4N、
4C1、4C2、4D、4F、4G
又は 4H2
金属製容器(1)又は
プラスチック製容器
(1)
5L
1A1、1A2、1B1、1B2、
1N1、1N2、1H1、1H2、
1D、1G、4A、4B、4N、
4C1、4C2、4D、4F、4G
又は 4H2
-7-
75kg(総質量)
11. 積載(別表第 1 備考 7)及び隔離(別表第 1 備考 8)要件の様式変更
IMDG コードの危険物リスト第 16 欄の積載及び隔離要件は、これまで文章で記されていましたが、コ
ード方式に様式変更されることとなりました。コードは、SW1、SG1、H1 等、アルファベットと数字の組合せ
で、SW は積載要件、SG は隔離要件、H は取り扱い要件を示しています。危規則は、既にコード方式を取
り入れていますが、今次改正により IMDG コードの記号番号に合わせる改正が行われる予定です。
<例>
積載要件:
現行 IMDG コード
現行危規則
現行
Protected from sources of
11 熱源から水平距離で 2.4m 以上
11
→
SW1
1
→
SW2
heat.
改正後
離れた場所に積載すること。
Clear of living quarters.
1 居住区域から離れた場所に積載
すること。
隔離要件:
現行 IMDG コード
Stow "separated from"
acids.
現行危規則
現行
改正後
17 甲板上積載をする場合には、酸
17
→
SG35
64
→
SG36
類から水平距離で 6m 以上離し
て積載することとし、甲板下積載
をする場合には、酸類と同一の
船倉又は区画に積載しないこと。
Stow "separated from"
alkalis.
64 甲板上積載をする場合には、ア
ルカリ類から水平距離で 6m 以
上離して積載することとし、甲板
下積載をする場合には、アルカリ
類とは同一の船倉又は区画に積
載しないこと。
取り扱い要件:
現行 IMDG コード
現行危規則
現行
Keep as dry as reasonably
6 できる限り乾燥した場所に積載
6
→
H1
5
→
H2
practicable.
Keep as cool as
reasonably practicable.
改正後
すること。
5 できる限り温度の低い場所に積
載すること。
-8-
12. 別表第 14(隔離表)及び別表第 16(コンテナに収納し又は自動車等に積載する危険物同士の隔離
表)の改正
表中の数字が次のとおり改正されます。
1) 「高圧ガス(等級が2.1のもの又は副次危険性等級が2.1のもの)」と「水反応可燃性物質又
は副次危険性等級が4.3」の交点
"X" → "2"
2) 「引火性液体類又は副次危険性等級が3の危険物」と「水反応可燃性物質又は副次危険性
等級が4.3」の交点
"1" → "2"
2
2
2
2
-9-
13. 海洋汚染物質関連の改正
(1)
海洋汚染物質に該当するものとして、次の 35 の国連番号の日本語名に肩文字「P」が新たに
付される予定です。
国連
品名
番号
日本語名
英語名
1
1005
液体アンモニア P
AMMONIA, ANHYDROUS
2
1098
アリルアルコール P
ALLYL ALCOHOL
[プロペニルアルコール P]
3
1206
ヘプタン* P
HEPTANES
4
1208
ヘキサン*
HEXANES
[ネオヘキサン]
[ノルマルヘキサン P]
[2-メチルペンタン P]
[3-メチルペンタン]
5
1262
オクタン P
OCTANES
[イソオクタン P]
[ノルマルオクタン P]
[2,2,4-トリメチルペンタン P]
[2-メチルヘプタン P]
6
1272
パイン油 P
PINE OIL
P
[松油 ]
7
1299
テレビン P
TURPENTINE
8
1334
ナフタレン P
NAPHTHALENE, CRUDE or
(固体)
NAPHTHALENE, REFINED
アニリン P
ANILINE
9
1547
[アミノベンゼン P]
[アニリン油 P]
[フェニルアミン P]
10
1600
ジニトロトルエン P
DINITROTOLUENES, MOLTEN
(溶融状のもの)
[メチルジニトロベンゼン P]
11
1708
トルイジン P
TOLUIDINES, LIQUID
(液体)
- 10 -
12
1748
次亜塩素酸カルシウム P 又は次亜塩素酸
CALCIUM HYPOCHLORITE, DRY or
カルシウム混合物 P
CALCIUM HYPOCHLORITE MIXTURE,
(乾性のもので有効塩素の含有率が 39
DRY
質量%を超えるもの(有効酸素の含有量
with more than 39% available chlorine
が 8.8 質量%のものに限る。)であって、
(8.8% available oxygen)
かつ、備考の欄の規定により当該危険物
に該当するものに限る。)
13
1791
HYPOCHLORITE SOLUTION
次亜塩素酸塩(水溶液)
[さらし液、次亜塩素酸ナトリウム P、次亜
塩素酸カリウム等]
14
1840
塩化亜鉛 P
ZINC CHLORIDE
SOLUTION
(水溶液)
15
1920
ノナン*P
NONANES
16
2038
ジニトロトルエン P
DINITROTOLUENES, LIQUID
(液体)
[メチルジニトロベンゼン P]
17
2073
液体アンモニア P
AMMONIA SOLUTION relative density less
(15℃で比重が 0.880 未満でアンモニア
than 0.880 at 15℃ in water, with more than
の含有率が 35 質量%を超え 50 質量%
35% but not more than 50% ammonia
以下の水溶液)
18
2208
次亜塩素酸カルシウム混合物 P
CALCIUM HYPOCHLORITE MIXTURE,
(乾性のもので有効塩素の含有率が 10
DRY with more than 10%
質量%を超え 39 質量%以下のものに限
than 39% available chlorine
but not more
る。)
[普通さらし粉 P]
19
2218
アクリル酸 P
ACRYLIC ACID, STABILIZED
(安定剤入りのもの)
[プロペン酸 P]
20
2241
シクロヘプタン*P
CYCLOHEPTANE
21
2304
ナフタレン P
NAPHTHALENE, MOLTEN
(溶融状のもの)
22
2325
1,3,5-トリメチルベンゼン*P
1,3,5-TRIMETHYLBENZENE
- 11 -
[メシチレン P]
23
2331
塩化亜鉛 P
ZINC CHLORIDE, ANHYDROUS
(無水物)
24
2368
アルファピネン*P
alpha-PINENE
25
2381
二硫化ジメチル*P
DIMETHYL DISULPHIDE
[メチルジチオメタン P]
26
2672
アンモニア P
AMMONIA SOLUTION
(水溶液)
between 0.880 and 0.957 at 15℃ in water,
(15℃で比重が 0.880 以上 0.957 以下で
with more than 10% but not more than 35%
あって、アンモニアの含有率が 10%を超
ammonia
relative density
え 35%以下のものに限る。)
27
2709
ブチルベンゼン*P
BUTYLBENZENES
[フェニルブタン P]
28
2850
プロピレン四量体* P
PROPYLENE TETRAMER
[テトラプロピレン P 又はドデセン P]
29
2880
次亜塩素酸カルシウム P 又は次亜塩素酸
CALCIUM HYPOCHLORITE, HYDRATED
カルシウム混合物 P
or
(水和物で水の含有率が 5.5 質量%以上
CALCIUM HYPOCHLORITE, HYDRATED
16 質量%以下のものに限る。ただし、備
MIXTURE with not less than 5.5% but not
考の欄の規定により当該危険物に該当し
more than 16% water
ないものを除く。)
30
31
3318
3451
アンモニア水溶液 P
AMMONIA SOLUTION, relative density less
(15℃で比重が 0.880 未満でアンモニア
than 0.880 at 15℃ in water, with more than
の含有率が 50 質量%を超える水溶液)
50% ammonia
トルイジン P
TOLUIDINES, SOLID
(固体)
32
3454
ジニトロトルエン P
DINITROTOLUENES, SOLID
(固体)
[メチルジニトロベンゼン P]
- 12 -
33
3485
次亜塩素酸カルシウム又は次亜塩素酸
CALCIUM HYPOCHLORITE, DRY,
カルシウム混合物 P
CORROSIVE or
(腐食性のもの)
CALCIUM HYPOCHLORITE MIXTURE,
(乾性のもので有効塩素の含有率が 39
DRY, CORROSIVE with more than 39%
質量%を超えるもの(有効酸素の含有量
available chlorine (8.8% available oxygen)
が 8.8 質量%のものに限る。))
34
3486
次亜塩素酸カルシウム混合物 P
CALCIUM HYPOCHLORITE MIXTURE,
(腐食性のもの)
DRY, CORROSIVE with more than 10% but
(乾性のもので有効塩素の含有率が 10
not more than 39% available chlorine
質量%を超え 39 質量%以下のものに限
る。)
35
3487
次亜塩素酸カルシウム P 又は次亜塩素酸
CALCIUM HYPOCHLORITE,
カルシウム混合物 P
HYDRATED,CORROSIVE or CALCIUM
(腐食性のもの)
HYPOCHLORITE, HYDRATED MIXTURE,
(水和物で水の含有率が 5.5 質量%以上
CORROSIVE with not less than 5.5% but
16 質量%以下のものに限る。ただし、備
not more than 16% water
考の欄の規定により当該危険物に該当し
ないものを除く。)
(2)
容器検査及び表示関連
海洋汚染物質を収納する容量又は質量が単一容器の一容器あたり又は組合せ容器の一内装
容器あたり 5 リットル又は 5 キログラム以下の場合には、容器要件(IMDG コード 4.1.1.1、4.1.1.2
及び 4.1.1.4 から 4.1.1.8)以外の規定は適用されなくなります。ただし、当該物質が、その他の危険
性(引火性、毒性、腐食性等)を有する場合には、該当する国連番号に適用される運送要件に従わ
なければなりません。
- 13 -
例1
UN3077 環境有害物質(固体)を、許容質量が 5 キログラム以下の単一容器「1G(ファイバー板ドラ
ム)」に収納して運送する場合
※ IMDG コードの容器・包装に関する一般規定(4.1.1.1、4.1.1.2 及び 4.1.1.4 から 4.1.1.8)の要件
を満たした容器を使用することが前提である。(容器検査は不要)
現行
新
輸送物への海洋汚染物
質、標札、国連番号及び
正式品名の表示
UN3077
ENVIRONMENTALLY HAZARDOUS
SUBSTANCE,LIQUID, N.O.S. (xxxxxxx)
コンテナへの標識及び海
洋汚染物質表示の貼付
危険物明細書
要
- 14 -
不要
例2
UN3082 環境有害物質(液体)を、一本あたりの許容容量が 5 リットル以下の内装容器(プラスチック
製)4 本に収納し、それを外装容器(箱)に収納して運送する場合
※
IMDG コード の容器・包装に関する一般規定(4.1.1.1、4.1.1.2 及び 4.1.1.4 から 4.1.1.8)の
要件を満たした容器を使用することが前提である。(容器検査は不要)
現行
1本あたりの許容容量:5リットル以下
新
1本あたりの許容容量:5リットル以下
輸送物への海洋汚染物質、
標札、国連番号及び正式品
名の表示
輸送物(箱)の総質量:30kg以下
コンテナへの少量危険物表
示及び海洋汚染物質表示
の貼付
危険物明細書
要
- 15 -
不要
例3
UN1263 PAINT(海洋汚染物質に該当)を、許容容量が 5 リットル以下の単一容器「1A1(鋼製ドラ
ム)」に収納して運送する場合(容器検査必要。ただし、容器等級Ⅱ又はⅢのものについては、パッキ
ングインストラクション P001 の追加規定 PP1 の規定あり)
現行
新
要
要
輸送物への海洋汚染
物質、標札、国連番
号及び正式品名の表
示
コンテナへの標識及
び海洋汚染物質表示
の貼付
危険物明細書
危険物明細書の
"品名"及び
PAINT (Triethylbenzene)
"Additional
Description"への
MARINE POLLUTANT
"MARINE
POLLUTANT”の記述
- 16 -
PAINT
例4
UN1263 PAINT(海洋汚染物質に該当)を、一本あたりの許容容量が 5 リットル以下の内装容器(プ
ラスチック製)4 本に収納し、それを外装容器(箱)に収納して少量危険物として運送する場合。(容器
検査は不要)
現行
新
1本あたりの許容容量:5リットル以下
1本あたりの許容容量:5リットル以下
輸送物への海洋汚染
物質、標札、国連番
号及び正式品名の表
示
輸送物(箱)の総質量:30kg以下
輸送物(箱)の総質量:30kg以下
コンテナへの少量危
険物表示及び海洋汚
染物質表示の貼付
危険物明細書
要
要
危険物明細書の
"品名"及び
PAINT (Triethylbenzene)
PAINT
MARINE POLLUTANT
LIMITED QUANTITY
"Additional
Description"への
"MARINE
LIMITED QUANTITY
POLLUTANT”の記述
- 17 -
(3)
標札の仕様
標札の枠線の太さは、「2 ミリメートル以上でなければならない」旨の規定が新設される予定です。
2 ミリメートル以上
当該要件は、2016 年 12 月 31 日までの間は従前の例によることができる予定です。
(4)
書類関連
海洋汚染性を同時に有する危険物の正式品名は、海洋汚染物質の品名を括弧書きで追記した
ものでなければなりませんが、その要件は書類(危険物明細書等)のみに適用することが明確化
される予定です。
例:海洋汚染性を有する塗料(PAINT)の場合
輸送物: UN1263 PAINT
書
類: UN1263 PAINT (Triethylbenzene)
【参考】容器包装、表示及び標札、危険物の隔離規定、少量危険物関連規定等
1. 容器コード
小型容器、大型容器及び IBC 容器には、容器包装の種類、材質、同一の容器包装の細区分等を記
号で示す容器コード(容器記号)が定められています。IMDG コードの Part 6 又は危告示別表第 1 備考
6 に容器コード一覧表が示されています。
小型容器の容器コードの一例
1A1
:
ドラム / 鋼 / 天板固着式のもの
1B2
:
ドラム / アルミニウム / 天板取外し式のもの
1G
:
ドラム / ファイバ板
3H1
:
ジェリカン / プラスチック / 天板固着式のもの
4G
:
箱 / ファイバ板
5H1
:
袋/樹脂クロス / 内張り付きでないもの
5M2
:
袋 / 多層で防水性のもの
6HA1
:
複合容器 / プラスチック製内容器付きのもの / 外装用鋼製ドラム付き
- 18 -
2. 容器性能試験及び UN マーク(効力を有する表示)
(効力を有する表示)のあるものの使用が義務付けられています。我が国では、危規則第 113 条(容
器検査)に基づき事業者の申請を受けて地方運輸局長又は登録検査機関(一般財団法人 日本舶用
品検定協会(HK))が容器検査を実施しています。
小型容器(Packagings)の UN マークの一例
u
n
1A1/Y1.8/200/13
J/HK/HK-T
UN シンボル
1
ドラム
A
材質:鋼
1
ドラムのタイプ:天板固着式
Y
収納許可危険物の PG:II 及び III
1.8
収納許可危険物最大比重:1.8
200
水圧試験圧力:200kPa
13
製造年:2013 年(プラスチック製の場合には 5 年間の使用期限の関係から製造月も示さ
れる。)
J
承認国:日本
HK
検査を実施した登録検査機関の略号
HK-T 容器製造者の ID
3. 輸送物の表示及び標札
通常全ての輸送物には、正式品名及び国連番号を表示し標札を貼付しなければなりません。
(1) 正式品名と国連番号
輸送物への正式品名の表示は、文字のサイズ及び色について規定されていません。一方、国連番
号の表示は、色については規定されていませんが、文字のサイズについては 2013 年 1 月 1 日からそ
の高さが 12mm 以上の大きさ(許容質量が 30kg 以下、許容容量が 30L 以下の場合は別途規定)と規
定されました。
(2) 標札
輸送物には収納されている危険物の Class を示す正標札(Primary risk label)を、また、当該危険
物が副次危険性を有する場合には副次危険性を示す副標札(Subsidiary risk label(s))も貼付しなけ
ればなりません。なお、各危険物の Class 又は副次危険性等級は危険物リストに示されています。
- 19 -
(3) 標札のサイズ
標札のサイズは、輸送物の形状又は寸法によって貼付が困難な場合を除き、一辺 100 mm 以上で
なければなりません。
(4) その他の表示又は標札
1)
次の輸送物には上向き表示(Package orientation arrows)を両側面に表示しなければなり
ません。
・深冷液化された高圧ガスを充てんする高圧容器
・危険物を収納する圧力調整弁付き単一容器
・液体の危険物を収納する組合せ容器(少量危険物を含む。)
ただし、このほか若干の免除規定があります。
2)
輸送物がオーバーパック(ユニット貨物化)されており、その表示及び標札が外部から容易
に視認できない場合には、オーバーパックの外表面に輸送物と同様の表示及び標札の貼付
をしなければなりません。また、そのような場合、オーバーパックには表示等に加え
“OVERPACK”を表示しなければなりません。
3)
火薬類及び特定危険物を除き、単一の国連番号が割り当てられている総質量 4,000 kg を
超える個品危険物を収納しているコンテナには、収納している危険物の国連番号を四側面
に表示しなければなりません。
4,000 kg を超える同一国連番号の危険物のみを収納するコンテナ。
国連番号の表示が必要
4,000 kgを超える同一国連番号の危険物
+ 雑貨(非危険物)を収納するコンテナ。
4,000 kgを超える(又は以下)の同一国連番号の危険物
+ 他の危険物を収納するコンテナ。
国連番号の表示が不要
4,000 kgを超える(又は以下)の同一国連番号の危険物
+ 他の危険物
+ 雑貨(非危険物)を収納するコンテナ。
4. 危険物の隔離規定等
危規則第 8 条(容器、包装等)
1~2 (略)
4
第 1 項の荷送人は、運送する危険物を、次に掲げるものと同一の容器に収納してはならない。ただし、
当該危険物の性状、質量、収納方法等を考慮して船積地を管轄する地方運輸局長が安全上差し支えな
いと認める場合は、この限りでない。
一
第 21 条第 1 項の規定により当該危険物と隔離しなければならない危険物
二
当該危険物との作用により、発熱し、ガスを発生し、腐食作用を起こし、その他危険な物理的又は
化学的作用を起こすおそれがあるもの
- 20 -
危規則第 16 条
荷送人は、運送する危険物を、次に掲げるものと同一のオーバーパックに収納し、又は包装してはな
らない。ただし、当該危険物の性状、質量、収納方法等を考慮して船積地を管轄する地方運輸局長が安
全上差し支えないと認める場合は、この限りでない。
一
第 21 条第 1 項の規定により当該危険物と隔離しなければならない危険物
二
当該危険物との作用により、発熱し、ガスを発生し、腐食作用を起こし、その他危険な物理的又は
化学的作用を起こすおそれがあるもの
危規則第 27 条
危険物をコンテナに収納して運送する場合は、運送する危険物を次に掲げるものと同一のコンテナに
収納してはならない。ただし、当該危険物の性状、質量、収納方法等を考慮して船積地を管轄する地方
運輸局長が安全上差し支えないと認める場合は、この限りでない。
一
第 21 条第 1 項の規定により当該危険物と隔離しなければならない危険物
二
当該危険物との作用により、発熱し、ガスを発生し、腐食作用を起こし、その他危険な物理的又は
化学的作用を起こすおそれがあるもの
危規則第 21 条(危険物等の隔離)
同一の船舶に品名の異なる危険物を積載する場合は、告示で定める基準により隔離しなければなら
ない。
2 (略)
危告示第 15 条(危険物等の隔離基準)
規則第 21 条第 1 項の告示で定める基準は、別表第 1 の隔離の欄及び別表第 14(積載する危険物が
ともに火薬類である場合にあつては別表第 14 の 2)に定めるとおりとする。
2 (略)
3 前 2 項の規定は、少量危険物(火薬類を除く。)及び微量危険物については、適用しない。
(1) 隔離の必要性
① 相互の作用により、発熱し、ガスを発生し、腐食作用を起こし、その他危険な物理的又は化学
的作用を起こすおそれがないか。
② 危険物リストの「隔離」の欄に掲げる記号(備考 8 及び備考 9)
化学的作用による隔離の必要性
(1) 酸類
(2) アンモニウム化合物
(3)~(17) 略
(18) アルカリ類
③ 隔離表(別表第 14)
等級による隔離の必要性
- 21 -
危険物リストの「隔離」の欄に掲げる記号
品
国連
番号
名
分
日 本 語 名
類
項
目
等級
副次
隔離
危険性
区分
等級
容器
等級
英 語 名
ニトロブロモベンゼン
2732 (液体)
NITROBROMOBENZENES,
LIQUID
毒物類
毒物
6.1
-
-
Ⅲ
-
3
-
8
Ⅰ
EmS
国連
番号
[ブロモニトロベンゼン]
アミン類又はポリアミン類*
2733
(引火性かつ腐食性のもの)
(他に品名が明示されているものを除
く。)
少量危 微 量 危
険物の 険 物 の
小型容器又は
許容容 許 容 容
高圧容器
量又は 量 又 は
追加
許容質 許 容 質
容器 規定
量
量
5L
E1
P001
-
AMINES, FLAMMABLE,
CORROSIVE, N.O.S.
or
引火性液体類
POLYAMINES, FLAMMABLE,
CORROSIVE, N.O.S.
容器及び包装
大型容器
IBC 容器
ポータブルタンク
容器
追加
規定
容器
追加
規定
タンク
追加
規定
LP01
-
IBC03
-
T4
TP1
T14
TP1
TP27
積載
フレキシ
ブル 追加
バルク 規定
コンテナ
-
隔離
方法
-
A
D
-
-
P001
-
-
-
-
-
-
-
1
(SW2)
17
(SG35)
備考
SP274 F-A, S-A 2732
SP274 F-E, S-C 2733
備考 8 隔離の欄に掲げる記号の意義
記号
意義
1
塩素酸塩類又は過塩素酸塩類を含有する火薬類(4)と水平距離で 3m以上離して積載すること。
(SG27)
2
別表第 14 に定める隔離基準においては、酸化性物質として他の危険物から隔離することとし、甲
(SG6
板上積載をする場合には、可燃性物質(1)、酸化性物質(2)及び放射性物質等から水平距離で 6
SG16
m以上離して積載することとし、甲板下積載をする場合には、これらの物質とは同一の船倉又は
SG17
区画に積載しないこと。
SG19)
3
鉛及びその化合物から水平距離で 3m以上離して積載すること。
(SG31)
4~16
略
17
(SG35)
18
甲板上積載をする場合には、酸類から水平距離で6m以上離して積載することとし、甲板下積載
をする場合には、酸類と同一の船倉又は区画に積載しないこと。
液体のハロゲン化炭化水素から水平距離で3m以上離して積載すること。
(SG32)
等
- 22 -
備考 9 酸類、アンモニウム化合物、臭素酸塩類等の品名
(1) 酸類
品名
国連番号
日本語名
英語名
1052*
フッ化水素(無水物)
HYDROGEN FLUORIDE, ANHYDROUS
1182
クロロギ酸エチル
ETHYL CHLOROFORMATE
[クロロ炭酸エチル]
1183
ETHYLDICHLOROSILANE
エチルジクロロシラン
等
(2) アンモニウム化合物
品名
国連番号
0004
0222
日本語名
英語名
ピクリン酸アンモニウム(乾性のもの又は
AMMONIUM PICRATE dry or wetted with
10 質量%未満の水で湿性としたもの)
less than 10% water, by mass
硝酸アンモニウム(可燃物の含有率が
AMMONIUM NITRATE, with more than
0.2 質量%を超え、他の添加物を含まないも
0.2% combustible substances
の)
0402
過塩素酸アンモニウム(酸化性物質に該当
AMMONIUM PERCHLORATE
するものを除く。)
等
(3) 臭素酸塩類
品名
国連番号
日本語名
英語名
1450
無機臭素酸塩(固体)(臭素酸アンモニウム
BROMATES, INORGANIC, N.O.S.
を除く。)(他に品名が明示されているものを
除く。)
1473
臭素酸マグネシウム
MAGNESIUM BROMATE
1484
臭素酸カリウム
POTASSIUM BROMATE
等
- 23 -
2
2
2
2
- 24 -
5. 少量危険物関連規定等
危規則第 8 条(容器, 包装等)(抜粋)
危険物を運送する場合は,荷送人は,その容器,包装,標札又は標識(以下「標札等」という。)及び品
名,国連番号,取扱い上の注意事項その他の当該危険物に係る情報の表示(以下「品名等の表示」と
いう。)について告示で定める基準によらなければならない。
2 (略)
3
第 1 項の荷送人は, 告示で定める危険物を運送する場合にあっては, 次に掲げる容器のいずれか
によらなければならない。(1 号~4 号 略)
4 (略)
危告示第 10 条 (容器検査等が必要な危険物)(抜粋)
規則第 8 条第 3 項の告示で定める危険物は、次の各号のいずれにも該当しない危険物とする。
一 放射性物質等
二 少量危険物(火薬類を除く。)
三 微量危険物
四 別表第 1 の容器及び包装の欄において容器検査を必要としないことが定められている危険物
五 船積地を管轄する地方運輸局長(運輸監理部長を含む。以下同じ。) が差し支えないと認める危険物
危告示第 7 条の 4 (抜粋)
第 7 条の 2 及び前条(第 5 項及び第 6 項を除く。)の規定にかかわらず、別表第 1 の品名の欄に掲げ
る物質のうち、少量危険物の許容容量又は許容質量の欄に容量又は質量が掲げられている危険物で
あつて次に掲げる要件に適合するもの(以下「少量危険物」という。)を収納する容器の標札等及び品名
等の表示は、第 4 号様式の少量危険物用表示を表示することとする。
一
別表第 1 の国連番号の欄に 1044, 1950, 2037, 2315 (変圧器、コンデンサその他の機器に内蔵され
ているものに限る。)、2794, 2795, 2800, 3028, 3151(変圧器、コンデンサその他の機器に内蔵されて
いるものに限る。)、3164, 3269, 3316, 3473, 3476, 3477, 3478 又は 3479 と掲げられている危険物(以
下「物品危険物」という。)以外の危険物にあつては、同表の小型容器又は高圧容器の欄に定める組合
せ容器に、物品危険物にあつては、同欄に定める小型容器に収納して運送されるものであること。
二
内装容器の容量若しくは内装容器に収納される危険物の質量又は物品危険物の容量若しくは質量
が、別表第 1 の少量危険物の許容容量又は許容質量の欄に掲げられている容量又は質量以下であるこ
と。
三
総質量(内装容器又は物品危険物の質量及び外装容器の質量を含む。)が 30 キログラム以下である
こと。
2 (略)
危規則第 28 条(標識及び表示)(抜粋)
第 8 条第 1 項の規定により標札等を付すことが義務づけられている危険物を収納するコンテナには、
告示で定める様式による当該危険物の標識(等級の異なる火薬類を収納する場合は、最も高い危険性
を示す等級の標識)を四側面に付さなければならない。
2
前項の規定は、火薬類であつて告示で定めるもの又は告示で定める危険物(当該危険物について、そ
れぞれ、告示で定める質量又は容量以下であるものに限る。以下この条において「特定危険物」とい
う。)については、適用しない。ただし、コンテナに収納された危険物が特定危険物のみである場合(当該
- 25 -
危険物が、告示で定める特定危険物のみである場合を除き、第 8 条第 1 項の規定又は海洋汚染等及び
海上災害の防止に関する法律施行規則 (昭和 46 年運輸省令第 38 号)第 37 条の 17 第 1 項第 1 号 ハ
の規定により標札等を付すことが義務付けられている危険物(次項において「標札等義務付け対象危険
物」という。)以外の危険物を含んでいる場合を含む。)は、当該コンテナに告示で定める標識を四側面
に付さなければならない。
3~8 (略)
危告示第 16 条の 2(表示)(抜粋)
第 16 条の 2 規則第 28 条第 1 項の告示で定める様式は、第 1 号様式又は第 4 号様式とする。
2 規則第 28 条第 2 項の告示で定めるものは、隔離区分が S の火薬類とする。
3 規則第 28 条第 2 項の告示で定める危険物は、次の各号に掲げるものとする。
一
別表第 1 の品名の欄に掲げる物質のうち、少量危険物の許容容量又は許容質量の欄に容量又は質
量が掲げられているもの( 物品危険物以外の危険物にあっては、別表第 1 の小型容器又は高圧容器の
欄に定める組合せ容器に、物品危険物にあつては、同欄に定める小型容器に収納して運送されるもの
に限る。)
二
(略)
4 規則第 28 条第 2 項の告示で定める質量又は容量は、次の各号に掲げる危険物の区分に応じ、それぞ
れ当該各号に定める質量又は容量とする。
一
前項第 1 号の危険物内装容器に収納される危険物の質量若しくは内装容器の容量又は物品危険物
の質量若しくは容量については別表第 1 の少量危険物の許容容量又は許容質量の欄に掲げられている
質量又は容量( 総質量( 内装容器又は物品危険物の質量及び外装容器の質量を含む。)については
30 キログラムとする。)
二
(略)
5 (略)
6 規則第 28 条第 2 項の告示で定める標識は、第 4 号様式の少量危険物用表示とする。ただし、コンテナ
に収納された危険物が微量危険物と標札等義務付け対象危険物以外の危険物である場合は、この限
りでない。
7~14 (略)
第 4 号様式(第 7 条の 4、第 10 条の 3、第 16 条の 2 関係)
少量危険物用表示
注 1 ふちの線の太さは 2 ミリメートル以上とする。
2 一辺の大きさは、10 センチメートル(コンテナに付す場合に
あっては 25 センチメートル)以上とする。ただし、危険物を収
納する容器が小さい場合にあっては、5 センチメートル以上と
して差し支えない。この場合、ふちの線の太さは 1 ミリメートル
以上とする。
3 航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示(昭和
58 年運輸省告示第 572 号)第 23 条の規定による場合にあっ
ては、同告示第 7 号様式を使用して差し支えない。
- 26 -
品
国連
番号
名
分
日 本 語 名
項
目
等級
副次
容器
隔離
危険性
等級
区分
等級
英 語 名
1992
その他の引火性液体
(毒性のもの)
*
その他の引火性液体
(毒性のもの)
*
1992
1993
その他の引火性液体
(他の危険性を有しないもの)
少量危 微 量 危
険物の 険 物 の
小型容器又は
許容容 許 容 容
高圧容器
量又は 量 又 は
追加
許容質 許 容 質
容器 規定
量
量
類
FLAMMABLE LIQUID,
TOXIC, N.O.S.
引火性液体類
-
3
-
6.1
Ⅱ
FLAMMABLE LIQUID,
TOXIC, N.O.S.
引火性液体類
-
3
-
6.1
Ⅲ
FLAMMABLE LIQUID, N.O.S. 引火性液体類
-
3
-
-
Ⅰ
容器及び包装
大型容器
IBC 容器
ポータブルタンク
容器
追加
規定
容器
追加
規定
タンク
追加
規定
積載方
フレキシ
隔離
ブル 追加
法
バルク 規定
コンテナ
備考
EmS
国連
番号
1L
E2
P001
-
-
-
IBC02
-
T7
TP2
TP13
-
-
B
1
(SW2)
-
SP274
F-E, S-D 1992
5L
E1
P001
-
-
-
IBC03
-
T7
TP1
TP28
-
-
A
-
SP223
SP274
F-E, S-D 1992
-
E3
P001
-
-
-
-
-
T11
TP1
TP27
-
-
E
-
SP274
F-E, S-E 1993
- 27 -
<<メモ>>
- 28 -
- 29 -
一般社団法人 日本海事検定協会
安全技術サービスセンター / 収納検査クリアリング・ハウス
〒231-0002 横浜市中央区海岸通 1-3(海事ビル)
電話番号 : 045-201-1218
FAX : 045-201-3882
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